JPH0678392B2 - 金属腐蝕性が小さいゴム状重合体の製造方法 - Google Patents

金属腐蝕性が小さいゴム状重合体の製造方法

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JPH0678392B2
JPH0678392B2 JP60215969A JP21596985A JPH0678392B2 JP H0678392 B2 JPH0678392 B2 JP H0678392B2 JP 60215969 A JP60215969 A JP 60215969A JP 21596985 A JP21596985 A JP 21596985A JP H0678392 B2 JPH0678392 B2 JP H0678392B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、乳化重合によって金属含有量の少なく、金属
腐蝕性が小さいゴム状重合体を製造する方法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
従来、水に殆ど不溶の単量体をセッケン、界面活性剤な
どの乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、ペル
オクソ二硫酸カリウム、過酸化水素、α−クミルヒドロ
ペルオキシドなどの水溶性重合開始剤を用いて乳化重合
を行いゴム状重合体を得ることは、広く実施されてい
る。
例えば乳化重合によってスチレン−ブタジエンゴム(SB
R)を得るには、i)いわゆるホットラバーレスピーま
たはコールドラバーレスピーによって乳化重合し(重合
工程)、ii)減圧下または減圧水蒸気蒸溜によって単量
体を回収し(回収工程)、iii)更に重合体ラテックス
に食塩水などの電解質を加えてクリーム化し、次に希硫
酸などの凝固剤を加えてゴム分が凝集した多孔性のクラ
ムとセラム(漿液)に分離し、該クラムを洗浄し(分離
工程)、iv)最後にクラムを乾燥する(乾燥工程)方法
が採用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のように従来の乳化重合では、一般に乳化剤には対
イオンとしてカリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属
を含むアニオン系活性剤が広く使われており、また生成
した重合体ラテックスを分離する工程でも凝固剤として
塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどの金属化合物が用
いられている。
このため、これらの金属イオンが重合体中に必ず残留
し、これは重合体ラテックスを凝固、水洗しても殆ど除
去することはできず、通常の乳化重合−凝固剤を用いた
重合体の製造方法では金属含有量を低減させることは極
めて困難である。
従って通常の乳化重合によって得られた重合体を金属へ
の塗料、接着剤、シール剤などの用途に用いた場合、該
重合体中に含まれる金属イオンによる金属表面の腐触性
の問題が生起することが多い。
本発明者らは、以上のような欠点を解消するため、乳化
重合によって重合体を得るに際し、乳化剤としてノニオ
ン系活性剤(非イオン性活性剤)を用い該ノニオン系活
性剤の曇点未満の温度で乳化重合を行った後、得られた
重合体ラテックスを前記曇点以上の温度に加熱すること
により凝固剤を用いずに凝固させることにより金属イオ
ンを殆ど含まない重合体を製造する方法を提案した(特
願昭59−170390号明細書)。
かかる発明は、乳化剤としてノニオン系活性剤のみを用
い、かつ重合温度および凝固温度を調整することのみ
で、極めて金属含量の少ない重合体を得ることができ、
工業上の意義は大である。
しかしながら、乳化剤としてノニオン系活性剤のみを用
いて乳化重合する場合は、乳化重合温度および単量体回
収工程の温度を該ノニオン系活性剤の曇点温度未満とせ
ねばならず操作条件が限定されること、また得られる重
合体ラテックスは単量体回収の段階などの高温において
一般に不安定な状態となるなどの好ましくない場合があ
ることが判明した。
本発明は、かかる技術的課題を背景になされたもので、
乳化重合においてゴム状重合体を製造するに当たり、少
なくともイオン性活性剤を用いて乳化重合することによ
りモノマー回収工程などの高温下での重合体ラテックス
の安定性を確保し、かつ凝固時にはノニオン系活性剤の
特性を利用して実施し、かくて金属イオンを殆ど含ま
ず、金属腐蝕性が小さいゴム状重合体を得ることを目的
とする。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち本発明は、乳化重合によってゴム状重合体を得るに
際し、乳化剤として少なくともイオン性活性剤を用い乳
化重合を行った後、次いで得られた重合体ラテックスを
ノニオン系活性剤ならびに硫酸アンモニウム、塩化アン
モニウム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび
酢酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の金
属を含まない電解質(以下「金属を含まない電解質」と
もいう)の存在下に加熱することによりゴム状重合体を
凝固させることを特徴とする金属腐蝕性が小さいゴム状
重合体の製造方法を提供するものである。
本発明の乳化重合による重合体は、特に限定するもので
はないが、ゴム状重合体が、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタ
ジエン−スチレン共重合体、ポリクロロプレンなどのジ
エン系重合体、あるいはこれらにエポキシ基、水酸基、
カルボキシル基、アミノ基およびアルキルエステル基な
どの群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する変
性ジエン系重合体が好ましい。
かかる変性ジエン系重合体の具体例としては、例えば
(a)エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基
およびアルキルエステル基の群から選ばれた少なくとも
1種の官能基を有する単量体、例えばメタクリル酸、ア
クリル酸、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテ
ル、グリシジルビニルエーテル、ヒドロキシルエチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシルプロピル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル
アミノプロピル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)
アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレートなどを1〜20重量%、(b)アク
リロニトリル10〜50重量%、(c)ブタジエンおよび/
またはイソプレン30〜80重量%〔ただし、(a)+
(b)+(c)=100重量%〕を乳化重合して得られる
重合体を挙げることができる。
本発明の乳化重合において乳化剤として使用されるイオ
ン性活性剤とは、アニオン系活性剤、カチオン系活性
剤、あるいは両性活性剤である。
アニオン系活性剤としては、例えば石鹸、ロート油、乳
化油、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ドデシルベン
ゼンスルホン酸塩、オレイン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、リグニンスル
ホン酸塩、アルコールエトキシサルフエイト、第2級ア
ルカンスルホネート、α−オレフィンスルホン酸、タモ
ールなどを挙げることができる。
また、カチオン系活性剤としては、例えばアルキルトリ
メチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウ
ム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルベンジルジメ
チルアンモニウム塩などを挙げることができる。
更に、両性活性剤としては、アルキルベタイン、アルキ
ルジエチレントリアミノ酢酸などを挙げることができ
る。
なお、これらのイオン性活性剤は、1種でもまたは2種
以上を併用することもできる。
これらのイオン性活性剤は、乳化重合時の乳化剤として
必須の成分であり、例えば乳化重合時にノニオン系活性
剤のみを用いる場合には、乳化重合温度が限定され、ま
た重合後得られる重合体ラテックスの安定性が悪く、例
えば単量体回収時に重合体ラテックスの凝固が生起する
ことがある。
次に、本発明の乳化重合において使用されるノニオン系
活性剤は、低濃度で著しい表面活性を示す物質の中、水
溶液中で電離しないもであり、具体的には、例えばポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックポリ
マー、アルキルスルフィニルアルコール、脂肪酸モノグ
リセリドなどを挙げることができる。
かかるノニオン系活性剤の水溶液を加熱していく時、初
めて曇りを生ずる温度を曇点と云い、ノニオン系活性剤
水溶液に生ずる特有の現象である。
前記曇点は、熱力学的には下部臨界溶解温度(LCST)に
対応する。ここで下部臨界溶解温度とは、次のようなも
のである。即ち一般にノニオン系性剤−水系の相互溶解
曲線を描くと、これを別名曇点曲線と指称する。この曲
線より下は均一な一相系であり、該曲線より上は二相系
を示している。かかる曲線の一番下部に相当する点の温
度をLCSTと称し、各組成での該曲線上の点に対応する温
度を曇点と云う。
従って、ある組成のノニオン系活性剤水溶液の温度を上
げていくと、前記曲線と交わる点よりも上、即ち曇点以
上の温度で白濁−相分離と云う現象が現れ、均一相だっ
た系が水相と活性剤相の二相に分離するのである。この
現象は、水相のノニオン系活性剤濃度の低下、言い換え
れば該活性剤が水に難溶になったと言え、かかる現象が
ノニオン系活性剤に特徴的に現れるのである。
このように、曇点以上の温度ではノニオン系活性剤は水
に難溶となり、界面活性剤としての活性が失われ、これ
は例えばアニオン系活性剤に酸、多価金属イオンなどを
加えることにより水溶性を低下させ重合体ラテックスを
凝固させる従来の前記分離工程に対応している。
即ち、少なくとも乳化重合によって得られる重合体ラテ
ックス中にかかるノニオン系活性剤が存在すれば曇点の
現象を利用することにより該重合体の凝固を容易にする
ことが可能となる。
ただしノニオン系活性剤水溶液の曇点と重合体ラテック
スの凝固温度とは必ずしも一致しないが、前者と後者の
温度には相関関係があり、本発明では、凝固温度の目安
としてかかるノニオン系活性剤の曇点を利用するもので
ある。
本発明に用いられるノニオン系活性剤としては、前記に
例示した化合物を1種単独で使用するか、あるいは2種
以上を併用してもよく、乳化重合条件あるいは凝固条件
によって適宜選択される。
例えば、ノニオン系活性剤の曇点は、20〜110℃が好ま
しく、あまり低いと重合体ラテックスの安定性が不充分
であり、逆に高すぎると凝固に高い温度を要し実用的で
はない。
また、単量体回収工程で水蒸気蒸溜などにより温度を高
くする場合は曇点以上の温度となり、得られた重合体ラ
テックスが凝固する恐れもあるので、乳化重合時にかか
るノニオン系活性剤を併用する場合は、水蒸気蒸溜を行
う温度以上の曇点を有するノニオン系活性剤を予め選択
することが好ましい。
更に、高い曇点を有するノニオン系活性剤をイオン性活
性剤とともに乳化剤として併用し乳化重合、単量体回収
を行った後、低い曇点を有する非イオン性活性剤、その
他アルコール、脂肪酸などを加え該曇点を下げることに
より凝固温度を下げることも可能である。
本発明におけるノニオン系活性剤は、乳化重合時に前記
イオン性活性剤とともに乳化重合レスピーに加えてもよ
く、また乳化重合時には加えることなく乳化重合後、単
量体回収後に重合体ラテックス中に添加してもよい。
しかしながら、乳化重合時に乳化剤としてイオン性活性
剤とともにかかるノニオン系活性剤を併用した方が、得
られる重合体の金属含量をより少なくすることが可能で
あり、また工程操作上別途単量体回収後にノニオン系活
性剤を添加する必要もないので好都合である。
これら活性剤の使用割合は、単量体100重量部当たり、
イオン性活性剤が0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜6.0
重量部、ノニオン系活性剤が1〜15重量部、好ましくは
2〜12重量部であり、かつイオン性活性剤/ノニオン系
活性剤の重量比が0.01〜2.0、好ましくは0.1〜1.0であ
る。
イオン性活性剤の使用量が0.1重量部未満では、単量体
の乳化が不充分なことがあり、また乳化重合の際にノニ
オン系活性剤を併用する場合には、モノマー回収時にノ
ニオン系活性剤の割合が多くなり過ぎて共重合体ラテッ
クスの安定性が悪化する場合があり、一方10重量部を越
えると重合体ラテックスの凝固性が不充分となり実用的
でなく、また得られる重合体の金属含量が多くなる場合
がある。
また、ノニオン系活性剤の使用量が1重量部未満の場合
には、後記するように金属を含まない電解質を添加した
後、加熱しても重合体ラテックスの凝固を生起させるこ
とができない場合があり、一方15重量部を越えると乳化
重合時にかかるノニオン系活性剤を(イオン性活性剤と
ともに)併用する場合がには得られる重合体ラテックス
の粘度が高すぎたり、かえってラテックスの安定性が悪
化したりする。
更に、イオン性活性剤/ノニオン系活性剤の重量比が0.
01未満では乳化重合後、得られる重合体ラテックスの安
定性が悪化したり、単量体回収の段階で不安定になり、
一方2.0を越えると凝固時に共重合体ラテクッスが凝固
時に極端な高温を要するか、あるいは多量の電解質の添
加が必要となり、実用的ではない。
本発明では、乳化重合時に少なくともイオン性活性剤を
使用しているため、乳化剤としてノニオン系活性剤を単
独で使用して乳化重合する場合とは異なり、かかるノニ
オン系活性剤の存在する重合体ラテックスを加熱しただ
けでは、凝固は不可能である。
このため、前記のように重合体ラテックス中に、ノニオ
ン系活性剤のほかに金属を含まない電解質を存在させる
ことが必要である。
かかる金属を含まない電解質としては、例えば硫酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、燐酸アンモニウム、硝酸
アンモニウムまたは酢酸アンモニウムなどの無機塩を挙
げることができる。
かかる金属を含まない電解質は、1種単独で使用するこ
とも、また2種以上を併用することもできる。
かかる電解質の使用割合は、重合体ラテックス中の重合
体成分100重量部当たり5〜20重量部、好ましくは7〜1
5重量部であり、5重量部未満では凝固が不充分な場合
があり、一方20重量部を越えて使用しても不経済であ
り、また凝固性も殆ど変わらない。
なお、本発明において、ノニオン系活性剤を乳化重合時
に使用しない場合は、該活性剤の添加時期は乳化重合後
でかつ単量体回収後に、また金属を含まない電解質の添
加時期はいずれの場合にも単量体回収後に実施すること
が好ましい。
このようにして、乳化重合された後、(更に、単量体回
収された後)、得られた重合体ラテックスをノニオン系
活性剤および金属を含まない電解質の存在下に加熱する
ことにより、重合体ラテックスを凝固させる。
この場合の加熱温度は、特に限定されるものではなく、
使用するイオン性活性剤/ノニオン系活性剤の種類、
量、比率、用いる電解質の種類、量によって任意に調整
することができるが、通常、40〜150℃、好ましくは60
〜120℃に調整する。40℃未満ではラテックスが不安定
となり生産上問題があり、一方150℃を越えるとポリマ
ーのゲル化が起こる場合があり、好ましくない。
このようにして、少なくともイオン活性剤を用いて乳化
重合し重合体ラテックスを得、通常、モノマー回収をし
た後、ノニオン系活性剤および金属を含まない電解質の
存在下にこれを加熱すれば、金属を含まない電解質の存
在と加熱との作用により、イオン性活性剤相およびノニ
オン系活性剤相が分離し、その結果重合体ラテックスの
凝固が容易に実現される。
本発明に適用される乳化重合について具体的に説明する
と、まず乳化重合に際しては乳化剤としてイオン性活性
剤、場合によりノニオン系活性剤を併用し、その他に一
般的な重合薬剤を用いるが、この場合もなるべくアルカ
リ金属などの金属化合物を含まないものを使用すること
が効果的である。
ただし、これらの薬剤は使用量が微量であるため、さし
て問題とはならない。
乳化重合は、重合開始剤として過酸化物、レドックス系
化合物、アゾ系化合物、過硫酸塩などの重合開始剤を用
い、通常の乳化重合方法により実施すればよい。
その他必要に応じ分子量調整剤などを用いても構わな
い。
また単量体種も乳化重合可能なものであれば全て応用で
き、得られる分子量などの制限もない。
乳化重合は、酸素を除去した反応器中で行われる。
単量体、イオン性活性剤(場合によりノニオン系活性剤
を併用する)、分子量調整剤、重合開始剤などは、反応
開始前に全量添加しても、反応開始後任意に分割添加し
てもよく、反応途中で温度、撹拌などの条件を任意に変
更することもできる。
なお重合方式は、連続式、回分式のいずれであってもよ
い。
このようにして得られた重合体ラテックスを減圧下また
は水蒸気蒸溜などの通常の単量体回収手段により単量体
を回収した後、該重合体ラテックス中に(乳化重合時に
ノニオン系活性剤を併用していない場合には、該ノニオ
ン系活性剤を添加するとともに)金属を含まない電解質
を添加し、次いで所定の温度に加熱すれば、イオン性活
性剤相およびノニオン系活性剤相が相分離する結果、瞬
時に重合体が析出し、該重合体を分離することができ
る。
加熱は回分式で容器中で加熱してもよいし、連続的に加
熱してもよい。
なお凝固温度が100℃を越える場合は、加熱装置のほ
か、加圧装置も必要となる。
凝固後は、分離された重合体を水洗、乾燥し、製品重合
体を得ることができる。
このようにして得られた本発明の乳化重合方法による重
合体は、通常の乳化重合によって得られた重合体に比し
アルカリ金属、アルカリ土類金属などの金属イオンの含
有量が極めて微量である。
〔作用〕
本発明は、イオン性活性剤とノニオン系活性剤とを使用
することにより、未反応単量体回収時の重合体ラテック
スの安定性を確保し、かつ凝固の際にはノニオン系活性
剤の特性を利用して加熱により重合体を分離させること
により、金属イオン含量の極めて小さい重合体を得るも
のである。
その結果、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂などと混合、硬化して金属に対する耐腐蝕性に優れた
材料が得られる。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中において重合体中の金属イオンの定量は
下記のようにして求めた。
「重合体中の金属イオンの定量」 i)重合体を白金坩堝中700℃で焼き灰化させる。
ii)残った灰分を1規定塩酸に溶解する。
iii)適当な濃度に希釈して原子吸光測定装置で水溶液
の各金属の濃度を求める。
iv)前記iii)項の値より重合体中の金属イオンの含有
量を計算し算出する。
実施例1〜5、比較例1〜6 下記に示す乳化重合レスピーを用い、内容積20のオー
トクレーブ中で20℃で乳化重合を実施した。
乳化重合レスピー (重量部) ブタジエン; 65 アクリロニトリル; 35 水; 220 ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル 1;5 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ; 1.0 第三級ドデシルメルカプタン; 0.2 過硫酸アンモニウム; 0.25 シアノエチル化ジエタノールアミン; 0.15 *1)花王石鹸(株)製、エマルゲン920 曇点82℃ 重合転化率90%に達した後、単量体100重量部当たり0.2
重量部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加し重合を停止
させた。
続いて加温し、減圧下で約70℃にて水蒸気蒸溜により残
留単量体を回収した後、老化防止剤としてアルキル化フ
ェノールを2重量部添加し、次いで硫酸アンモニウム10
重量部を20重量%水溶液として添加した後、90℃に加熱
して重合体ラテックスを凝固した。
生成したクラムを取り出し水洗後50℃減圧下で乾燥し評
価用のサンプルを得た(実施例1)。
同様にして乳化剤の種類、加熱(凝固)温度を変え、電
解質(無機塩)を添加し、あるいは通常の凝固剤を使用
し、または使用しない例(実施例2〜5、比較例1〜
6)を併せ第1表に示す。
実施例6 下記に示す乳化重合レスピーを用い、実施例1と同様の
方法で乳化重合を実施した。
乳化重合レスピー (重量部) ブタジエン; 65 アクリロニトリル; 35 水; 220 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ; 3 第三級ドデシルメルカプタン; 0.2 過硫酸アンモニウム; 0.25 シアノエチル化ジエタノールアミン; 0.15 重合転化率90%に達した後、単量体100重量部当たり0.2
重量部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加し重合を停止
させた。続いて加温し、減圧下で約70℃にて水蒸気蒸溜
により残留単量体を回収した後、老化防止剤としてアル
キル化フェノールを2重量部添加し、次いで非イオン系
活性剤としてエマルゲン920(前掲)10重量部、電解質
として硫酸アンモニウム10重量部を20重量%水溶液とし
て添加した後、90℃に加熱して重合体ラテックスを凝固
した。
生成したクラムを取り出し水洗後50℃減圧下で乾燥し評
価用のサンプルを得た。結果を併せ第1表に示す。
第1表から明らかなように、本発明によるものは、いず
れも得られる重合体中の金属イオンの含有量は極めて少
ないが、(実施例1〜5および実施例6)、これに対
し、通常のイオン性活性剤(アニオン系活性剤)および
通常の凝固剤を使用した重合体は、いずれも金属イオン
の含有量が大であり(比較例1〜3)、通常のアニオン
系活性剤を使用した系では、凝固剤を用いずに単に加熱
しただけでは凝固せず(比較例4)、本発明の処方に従
いイオン性活性剤と非イオン性活性剤を併用しても電解
質を添加しなくては凝固しない(比較例5)、更に電解
質を添加しても加熱しなければ凝固しない(比較例6)
ことが、それぞれ分かる。
実施例7および比較例7 実施例1〜5と同様の方法で液状ゴムの作製を行った。
すなわち、下記に示す乳化重合レスピーを用い、内容積
20のオートクレーブ中で20℃で乳化重合を実施した。
乳化重合レスピー (重量部) ブタジエン; 60 アクリロニトリル; 35 メタクリル; 5 水; 220 ポリオキシエチレン−ノニルフェニルエーテル 1;4
ポリオキシエチレン−ラウリルエーテル 2; 2 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ; 1 第三級ドデシルメルカプタン; 10 過硫酸アンモニウム; 0.25 シアノエチル化ジエタノールアミン; 0.15 *1)花王石鹸(株)製、エマルゲン920 *2)花王石鹸(株)製、エマルゲン120 重合転化率90%に達した後、単量体100重量部当たり0.2
重量部のヒドロキシルアミン硫酸塩を添加し、重合を停
止させた。続いて加温し、減圧下70℃にて水蒸気蒸留に
より残留単量体を回収した後、老化防止剤としてアルキ
ル化フェノールを2重量部添加し、次いで硫酸アンモニ
ウム10重量部を20重量%水溶液として添加した後、90℃
に加熱して重合体ラテックスを凝固した。
分離した液状ゴムを取り出した後、70℃減圧下で乾燥
し、評価用サンプルを得た(実施例7)。
この結果、数平均分子量3,000の液状ゴムを得た。同様
にして、イオン性活性剤で重合し、凝固剤を用いて凝固
した例(比較例7)についても、併せ第1表に示す。第
1表から明らかなように、液状ゴムにおいても、同様に
低金属イオンポリマーが得られることが分かる。
〔発明の効果〕 以上のように本発明によれば、乳化重合後の得られる重
合体ラテックスの安定性が良好であり、かつ最終的に得
られる重合体中にアルカリ金属、アルカリ土類金属など
の金属イオンの含有量が極めて微量であり、従ってかか
る重合体は金属に対し腐触性が小さいと云う利点を有す
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 泰彦 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−91103(JP,A) 特表 昭57−500196(JP,A))

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】乳化重合によってゴム状重合体を得るに際
    し、乳化剤として少なくともイオン性活性剤を用い乳化
    重合を行った後、次いで得られた重合体ラテックスをノ
    ニオン系活性剤ならびに硫酸アンモニウム、塩化アンモ
    ニウム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび酢
    酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の金属
    を含まない電解質の存在下に加熱することによりゴム状
    重合体を凝固させることを特徴とする金属腐蝕性が小さ
    いゴム状重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】乳化剤としてイオン性活性剤およびノニオ
    ン系活性剤を用いて乳化重合を行った後、引き続き、得
    られた重合体ラテックスに硫酸アンモニウム、塩化アン
    モニウム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび
    酢酸アンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の金
    属を含まない電解質を添加し、次いで加熱する特許請求
    の範囲第1項記載の金属腐蝕性が小さいゴム状重合体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】乳化剤としてイオン性活性剤を用いて乳化
    重合を行った後、得られた重合体ラテックスにノニオン
    系活性剤ならびに硫酸アンモニウム、塩化アンモニウ
    ム、燐酸アンモニウム、硝酸アンモニウムおよび酢酸ア
    ンモニウムの群から選ばれた少なくとも1種の金属を含
    まない電解質を添加し、次いで加熱する特許請求の範囲
    第1項記載の金属腐蝕性が小さいゴム状重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】ゴム状重合体が、ポリブタジエン、ポリイ
    ソプレン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブ
    タジエン−スチレン共重合体またはポリクロロプレンか
    らなるジエン共重合体である特許請求の範囲第1項、第
    2項または第3項記載の金属腐蝕性が小さいゴム状重合
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】ゴム状重合体が、(a)エポキシ基、水酸
    基、カルボキシル基、アミノ基およびアルキルエステル
    基の群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する単
    量体1〜20重量%、(b)アクリロニトリル10〜50重量
    %、(c)ブタジエンおよび/またはイソプレン30〜80
    重量%〔ただし、(a)+(b)+(c)=100重量
    %〕を乳化重合してなる特許請求の範囲第1項、第2項
    または第3項記載の金属腐蝕性が小さいゴム状重合体の
    製造方法。
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