JP3347869B2 - グラフト共重合体粉体の製造法 - Google Patents

グラフト共重合体粉体の製造法

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JP3347869B2
JP3347869B2 JP07112594A JP7112594A JP3347869B2 JP 3347869 B2 JP3347869 B2 JP 3347869B2 JP 07112594 A JP07112594 A JP 07112594A JP 7112594 A JP7112594 A JP 7112594A JP 3347869 B2 JP3347869 B2 JP 3347869B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉体特性にすぐれ、か
つ熱安定性の良好なグラフト共重合体粉体の製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】乳化重合により製造された、ゴムを幹ポ
リマーとするグラフト共重合体ラテックスからの重合体
の回収は、通常、無機酸、有機酸などの凝固剤と重合体
ラテックスとを接触させて重合体凝固粒子を製造し、さ
らに、熱処理、脱水、乾燥することにより行なわれてい
る。しかしながら、これらの方法により回収した重合体
は、貯蔵中に粉体同士が固まるというブロッキング現象
や、流動性不足により輸送ラインが詰まるなど、取扱上
の問題を生じやすく、粉体計量の自動化および輸送方式
の大量化に対応できず、より良好な流動性や耐ブロッキ
ング性を有するグラフト共重合体粉体の開発が強く要望
されている。
【0003】前記粉体特性を改良する方法については、
従来より種々検討、提案がなされている。たとえば、グ
ラフト共重合体ラテックスを気相凝固させる方法、直接
噴霧乾燥させる方法、特定の溶媒に球形に分散させたの
ち凝固させる方法、滑剤、可塑剤、硬質重合体などの各
種添加物によって粉体表面を処理する方法などの方法が
あげられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ごとき方法では、粉体特性を改良する効果が不充分であ
ったり、粉体特性の改良効果は認められるが、新たに熱
安定性が低下して重合体本来の特性を損うなどの問題が
生じたりし、従来から知られている方法が充分満足のい
く方法であるとはいえないのが実状である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記のごと
き実状に鑑み鋭意検討を重ねた結果、グラフト共重合体
粉体粒子同士のブロッキングは、重合時に使用される乳
化剤に由来する脂肪酸が保存中にグラフト共重合体粉体
粒子間のバインダーとなることによって惹き起こされる
こと、これらを高融点の脂肪酸塩に変化させることによ
り耐ブロッキング性を著しく改良しうることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、脂肪酸塩を主成分と
する乳化剤を用いた乳化グラフト重合によりえられた、
ゴムを幹ポリマーとするグラフト共重合体ラテックスを
酸からなる凝固剤を用いて凝固スラリーにしたのち、ナ
トリウム含有化合物、カリウム含有化合物、リチウム含
有化合物およびアンモニウム含有化合物から選ばれたア
ルカリ性物質(a)の少なくとも1種を添加して過剰に
存在する凝固剤を中和してpH6.0〜7.5とし、つ
いでカルシウム、マグネシウム、バリウム、アルミニウ
ムおよび亜鉛の水酸化物、酸化物から選ばれたアルカリ
性物質(b)の少なくとも1種を乳化剤のカルボン酸基
に対して0.1〜1.5当量添加したのち、さらにナト
リウム含有化合物、カリウム含有化合物、リチウム含有
化合物およびアンモニウム含有化合物から選ばれたアル
カリ性物質(c)の少なくとも1種を乳化剤のカルボン
酸基に対して0.1〜1.5当量添加し、ついで脱水、
乾燥させることを特徴とするグラフト共重合体粉体の製
造法に関する。
【0007】
【実施例】本発明においては、脂肪酸塩を主成分とする
乳化剤を用いた乳化グラフト重合によりえられた、ゴム
を幹ポリマーとするグラフト共重合体ラテックスを酸か
らなる凝固剤を用いて凝固スラリーにしたもの(以下、
本発明に用いる凝固スラリーともいう)が使用される。
【0008】前記脂肪酸塩を主成分とする乳化剤とは、
いわゆるゴムを幹ポリマーとするグラフト共重合体ラテ
ックスの製造に用いられる乳化剤のことであり、脂肪酸
塩を80%以上、さらには85%以上含有し、残りが他
の乳化剤からなるものである。
【0009】前記脂肪酸塩は、カプリン酸、ラウリン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノレ
ン酸、リノール酸などのC10〜24の飽和脂肪酸または不
飽和脂肪酸と、塩基性のアルカリ金属化合物(たとえば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムな
ど)やアンモニアなどとから製造されるものである。
【0010】また、前記他の乳化剤としては、たとえば
アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩などがあげられ
る。
【0011】さらに、前記C1422の直鎖飽和脂肪酸と
は、ミリスチン酸、ルミチン酸、ステアリン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸と塩基性のアルカリ金属化合物(たと
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムなど)やアンモニアなどとから製造されるものであ
る。
【0012】なお、前記脂肪酸塩はすべて、単一の脂肪
酸と単一の塩基性化合物とから製造される必要はなく、
たとえば牛脂脂肪酸石鹸のように多くの脂肪酸の混合物
の塩として製造されたものであってもよい。
【0013】前記ゴムを幹ポリマーとするグラフト共重
合体ラテックスとは、幹ポリマーとなるゴムをまず通常
の乳化重合法により製造し、ついで、えられたゴムラテ
ックスの存在下でゴムラテックスにグラフト重合しうる
単量体を通常の乳化重合によりグラフト重合させること
によってえられるものである。
【0014】前記グラフト共重合体ラテックスにおける
グラフト共重合体粒子の平均粒子径としては500〜3
500A、さらには700〜3000Aのものが成形体
にしたばあいの耐衝撃性や透明性の点から好ましく、固
形分含量としては20〜45%、さらには25〜40%
であるのがグラフト共重合体ラテックス粒子の合一を防
ぎ、さらには、工業的な生産性向上の点から好ましい。
【0015】前記グラフト共重合体ラテックスには、通
常0.7〜5%、さらには1〜4%程度の脂肪酸塩を主
成分とする乳化剤が含まれている。
【0016】前記幹ポリマーとして用いられるゴムを形
成する単量体としては、たとえばブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレンなどのジエン系単量体、ブチルアクリ
レート、オクチルアクリレートなどのアクリル酸アルキ
ルエステル系単量体などがあげられる。これらは単独で
用いてもよく2種以上併用してもよい。なお、前記アク
リル酸アルキルエステル系単量体のアルキル基の炭素数
は4〜11、なかんづく5〜7であることが好ましい。
【0017】前記ゴムを形成する単量体は、その一部
(40%以下、さらには30%以下)を共重合可能な単
量体とおきかえて使用してもよい。
【0018】前記共重合可能な単量体としては、たとえ
ばメチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどの
1 〜4 のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
ト;アクリロニトリル、メタアクリロニトリルなどのビ
ニルシアン;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香
族ビニル;塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビ
ニルなどがあげられる。さらに、架橋剤として、ジビニ
ルベンゼン、モノエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどを用
いることができるが、本発明はかかる具体例のみに限定
されるものではない。また、これらは単独で用いてもよ
く2種以上併用してもよい。
【0019】前記幹ポリマーとして用いられるゴムの好
ましい具体例としては、たとえば全量が100部(重量
部、以下同様)になるようにブタジエン50〜100
部、スチレン0〜50部、ブタジエンおよびスチレンと
共重合可能な単量体0〜20部および架橋剤0〜5部を
乳化重合することによりえられるゴムなどがあげられ
る。
【0020】前記ゴムを幹ポリマーとしてグラフト重合
させて共重合体をうるときに用いられる単量体として
は、たとえばメチルアクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、オクチルアクリレートなどの
1 〜11のアルキル基を有するアルキルアクリレート;
メチルメタクリレート、エチルメタクリレートなどのC
1〜4 のアルキル基を有するアルキルメタクリレート;
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのビニルシ
アン;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニ
ル;塩化ビニル、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニルな
どがあげられる。さらに、架橋剤として、ジビニルベン
ゼン、モノエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレートなどを用いること
ができるが、本発明はかかる具体例のみに限定されるも
のではない。また、これらは単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。
【0021】前記グラフト共重合によってえられるグラ
フト共重合体の組成の具体例としては、たとえばグラフ
ト共重合体全量が100部になるようにゴム10〜90
部、好ましくは20〜80部およびグラフト成分10〜
90部、好ましくは20〜80部からなる共重合体があ
げられる。
【0022】前記グラフト成分における単量体の比率と
しては、グラフト成分の全量が100部になるように、
メチルメタクリレート30〜70部、スチレン30〜7
0部、その他の共重合可能な単量体0〜20部および架
橋剤0〜5部であるのが好ましい。
【0023】このようにしてえられるグラフト共重合体
ラテックスの具体例としては、たとえばいわゆるMBS
樹脂ラテックスとよばれているラテックス、ABS樹脂
ラテックス、AAS樹脂ラテックスなどがあげられる
が、これらに限定されるものではない。
【0024】前記グラフト共重合によってえられた共重
合体ラテックスを凝固させる際の凝固剤である酸の具体
例としては、たとえば硫酸、塩酸、リン酸、硝酸などの
無機酸類、酢酸、無水酢酸、蟻酸などの有機酸類などが
あげられるが、これらに限定されるものではない。これ
らは単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
【0025】前記酸の使用量としては、通常、乳化剤の
カルボン酸基(カルボキシル基およびそれに由来する基
をあわせたものを意味する)に対して2〜30.0当
量、好ましくは4〜20当量添加するのが、凝固を完全
に行なう点から好ましい。このため、凝固後のスラリー
中には、通常、過剰に添加した酸が残存する。
【0026】前記のようにして製造された本発明に用い
る凝固スラリーを形成する凝集体の平均粒子径は30〜
300μm程度のものである。
【0027】本発明においては、前記凝固スラリーに、
ナトリウム含有化合物、カリウム含有化合物、リチウム
含有化合物およびアンモニウム含有化合物から選ばれた
アルカリ性物質(a)の少なくとも1種を添加して過剰
に存在する凝固剤を中和してpH6.0〜7.5、好ま
しくは6.2〜7.2、さらに好ましくはpH6.5〜
7.0に調整される。
【0028】前記アルカリ性物質(a)として、水への
溶解度が高く、取扱いやすい点から前述のごときNaO
H、Na2 CO3 のごときナトリウム含有化合物、KO
H、K2 CO3 のごときカリウム含有化合物、LiO
H、Li2 CO3 のごときリチウム含有化合物およびア
ンモニア水、炭酸アンモニウムのごときアンモニウム含
有化合物から選ばれたアルカリ性物質の少なくとも1種
が使用されるが、なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムなどが反応性が高いという点から好ましい。
【0029】なお、前記アルカリ性物質(a)の添加量
は、通常、過剰に存在する凝固剤である酸とほぼ当量で
あり、pHが6.0〜7.5になるように添加すればほ
ぼこの量になる。
【0030】アルカリ性物質(a)は、固体でも水溶液
(通常10〜30%)でも用いることができるが、反応
の均一性、取扱いやすいという点から水溶液として加え
るのが好ましい。
【0031】中和する際の温度、撹拌方法などについて
もとくに限定はなく、通常の方法で行なえばよい。
【0032】本発明においては、凝固スラリーのpHを
調整したのち、カルシウム、マグネシウム、バリウム、
アルミニウムおよび亜鉛の水酸化物、酸化物から選ばれ
たアルカリ性物質(b)の少なくとも1種を乳化剤のカ
ルボン酸基に対して0.1〜1.5当量添加される。
【0033】凝固スラリーのpHを調整し、凝固剤であ
る酸を中和したのち加えられるアルカリ性物質(b)
は、−COOH基の形で存在している脂肪酸(塩である
乳化剤がフリーになったもの)と反応し、脂肪酸のカル
シウム塩、同マグネシウム塩、同バリウム塩、同アルミ
ニウム塩を生成させるために用いる成分である。このよ
うに、フリーの脂肪酸が多価金属塩となるため、グラフ
ト共重合体粉体粒子間のバインダーの働きを有するフリ
ーの脂肪酸が減少するとともに凝固粒子表面を融点が高
い脂肪酸塩が覆うことにより、耐ブロッキング性、成形
体にしたばあいの熱安定性などが改善される。
【0034】前記アルカリ性物質(b)としては、Ca
(OH)2 、CaO、Mg(OH)2 、MgO、Ba
(OH)2 、BaO、Al(OH)3 、Al2 3 、Z
n(OH)2 、ZnOなどがあげられる。これらのうち
ではCa(OH)2 が水への溶解性が高く、反応性が高
いため好適に使用されうる。これらは単独で用いてもよ
く2種以上併用してもよい。
【0035】前記アルカリ性物質(b)の使用量として
は、乳化剤のカルボン酸基に対して0.1〜1.5当
量、好ましくは0.2〜1.2当量の範囲である。添加
量が0.1当量よりも少ないばあいには、フリーの脂肪
酸のうち高融点、難水溶性の脂肪酸塩になるものが少な
く、グラフト共重合体粉体の粉体特性の改良効果が充分
でなく、一方、1.5当量をこえるばあいには、粉体特
性の改良効果はこれ以上あまり変化しない。また、極端
に過剰に添加して凝固スラリーのpHが高くなりすぎる
と、脱水後の乾燥時にグラフト共重合体が着色するなど
し、グラフト共重合体本来の物性が低下する。
【0036】アルカリ性物質(b)は、固体でも水溶液
(通常0.1〜5%)でも用いることができるが、反応
の均一性、取扱いやすさ点から水溶液〜水性懸濁液とし
て加えるのが好ましい。
【0037】中和する際の温度、撹拌方法などについて
もとくに限定はなく、通常の方法で行なえばよい。
【0038】本発明においては、アルカリ性物質(b)
を添加したのち、ナトリウム含有化合物、カリウム含有
化合物、リチウム含有化合物およびアンモニウム含有化
合物から選ばれたアルカリ性物質(c)の少なくとも1
加えられる。アルカリ性物質(c)を加えることに
より、前記アルカリ性物質(b)を添加することによっ
て凝固粒子の表面近傍に存在するフリーの脂肪酸を難水
溶性の脂肪酸塩へ変化させた脂肪酸以外の脂肪酸を易水
溶性の脂肪酸塩に変化させ、凝固スラリーの脱水を行な
う際に除去することができ、成形体にしたばあいの透明
性や熱安定性が良好で、さらに凝固粒子表面近傍に存在
して粒子間のバインダーとなるフリーの脂肪酸が減少す
るため粉体特性がより良好なグラフト共重合体粉体を容
易に製造することができる。
【0039】前記アルカリ性物質(c)であるナトリウ
ム含有化合物、カリウム含有化合物、リチウム含有化合
物およびアンモニウム含有化合物の具体例、好ましいも
のは、前記アルカリ性物質(a)のばあいと同じであ
る。
【0040】前記アルカリ性物質(c)の使用量として
は、乳化剤のカルボン酸基に対して0.1〜1.5当
量、好ましくは0.2〜1.0当量の範囲である。添加
量が1.5当量をこえるばあいには、凝固スラリーのp
Hが高くなりすぎるために、えられるグラフト共重合体
本来の特性が低下する。
【0041】なお、C1422の直鎖飽和脂肪酸塩を30
%以上含む脂肪酸塩を乳化剤の主成分として使用した共
重合体スラリーに、アルカリ性物質(c)を用いるばあ
い、脱水時の凝固スラリーの温度は50℃以上、さらに
は60〜80℃に保持することが望ましい。該温度より
低い温度になると、乳化剤である脂肪酸塩の一部がクラ
フト点付近になり、水への溶解性が低下して除去されに
くくなったり、系の粘度が上昇して脱水効率の低下を引
き起こしやすくなるからである。
【0042】前記のように、凝固剤を共重合体ラテック
スに添加してえられる凝固スラリーは、通常、蒸気また
は電熱器などによって、たとえば50〜100℃の温度
に10分〜1時間保持するなどの熱処理が行なわれる。
この熱処理は、共重合体ラテックス粒子を融着合体さ
せ、凝固粒子の強度を上げるために行なわれる。
【0043】前記アルカリ性物質(a)、(b)
c)がスラリーに添加されるが、この熱処理をいつの
時点で行なうかはとくに限定されない。ただし、凝固粒
子が破砕されにくいという点から、これらアルカリ性物
質の添加前の方が好ましい。
【0044】こののち、真空脱水機、遠心脱水機、プレ
ス脱水機などによって脱水を行なうが真空脱水機を用い
るのが凝固粒子の破砕が少ないという点から好ましい。
【0045】えられた脱水物は、箱型流動乾燥機や真空
乾燥機などを用いてたとえば50〜60℃、20時間程
度乾燥することにより、粉体特性が改良され、熱安定性
が良好なグラフト共重合体粉体がえられる。
【0046】えられる粉体は、外観が白色の粉末状で、
平均粒径が30〜300μm、かさ比重が本方法で処理
を行なっていないばあいにくらべて高く、崩壊性も極め
て良好である。また、えられた粉体を、たとえば塩化ビ
ニル樹脂に配合してえられた成形品の熱安定性は良好と
なっており、アルカリ性物質(c)を添加し、脂肪酸の
一部を除去することにより、透明性も良好となる。
【0047】本発明でえられるグラフト共重合体粉体の
用途としては、塩化ビニル樹脂の耐衝撃性、加工性、低
温ぜい化性などを改良する改質剤やメッキ用ABS樹
脂、耐熱性ABS樹脂などがある。
【0048】以下、本発明のグラフト共重合体粉体の製
造法を実施例にもとづき説明するが、本発明はこれらの
実施例のみに限定されるものではない。
【0049】製造例1 水 230部、オレイン酸ナトリウム石鹸 3.0部、
硫酸第一鉄 0.002部、エチレンジアミン四酢酸二
ナトリウム 0.005部、リン酸三カリウム0.2
部、ホルムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ 0.2
部、ブタジエン75部、スチレン 25部、ジビニルベ
ンゼン 1.0部およびジイソプロピルベンゼンハイド
ロパーオキサイド 0.1部を内容量5リットルの撹拌
機付き重合容器に仕込み、反応温度50℃で5時間重合
させ、転化率98%のゴムラテックスをえた。ゴムラテ
ックスにおけるゴム粒子の平均粒子径は1000A、固
形分含量は30%であった。
【0050】えられたゴムラテックス 200部(固形
分60部)、水 90部、オレイン酸ナトリウム石鹸
0.5部、硫酸第一鉄 0.002部、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム 0.004部、ホルムアルデヒ
ドスルフォキシル酸ソーダ0.1部、スチレン 20部
およびメチルメタクリレート 20部を内容量5リット
ルの撹拌機付き重合容器に仕込み、反応温度60℃で3
時間重合させ、転化率99%のグラフト共重合体ラテッ
クスをえた。グラフト共重合体ラテックスにおけるグラ
フト共重合体粒子の平均粒子径は1400A、固形分含
量は30%であった。
【0051】比較例1 製造例1でえられた共重合体ラテックス3リットルに1
0%塩酸240ml(乳化剤のカルボン酸基に対して1
0.0当量に相当)と水3リットルを撹拌しながら加え
て凝固スラリーをえたのち、電熱器を用いて70℃で1
0分間熱処理した。
【0052】熱処理後のスラリーに10%の水酸化ナト
リウム水溶液248ml(乳化剤のカルボン酸基に対し
て9.0当量に相当)を約1分間かけて添加して過剰の
凝固剤を中和(pH7)した。ついで、撹拌を続けなが
ら水酸化カルシウム1.0g(乳化剤のカルボン酸基に
対して0.4当量に相当)を水500mlに分散した水
性懸濁液を約1分間かけて添加し、10分間撹拌を続け
た。そののち、スラリーを室温まで冷却したのち、この
スラリーを吸引ロ過によって脱水し、さらに箱型乾燥機
を用いて60℃、20時間乾燥させてグラフト共重合体
粉体をえた。
【0053】えられた粉体は、白色、粉末状、平均粒子
径は160μmであった。
【0054】この粉体中に含有されていた脂肪酸(オレ
イン酸ナトリウム石鹸に由来するオレイン酸)は、その
約38%が脂肪酸カルシウムに変化していた。以下に、
グラフト共重合体粉体中に含まれる脂肪酸、脂肪酸塩の
量を分析する方法を示す。
【0055】乾燥したグラフト共重合体粉体5gをクロ
ロホルム75mlとエタノール50mlとの混合溶剤中
へ浸してグラフト共重合体粉体に含まれる脂肪酸を抽出
する。この抽出液へ0.37%塩酸、0.40%水酸化
ナトリウム水溶液を滴下して電位差滴定(電位差自動滴
定装置T−117:京都電子工業(株)製)を行なうこ
とにより、脂肪酸、脂肪酸塩の比率を測定する。
【0056】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を下記の方法にしたがって調べ
た。結果を表1に示す。
【0057】(かさ比重)グラフト共重合体粉体のかさ
比重(単位;g/ml)をJIS K 6721にもと
づいて測定した。
【0058】(崩壊性)ブロックの壊れやすさ(崩壊
性)を調べることにより、耐ブロッキング特性を評価し
た。詳細には、えられたグラフト共重合体粉体に一定の
荷重(0.3kg/cm2 )をかけながら30℃で5時
間および1カ月間保持してブロック(形状;円柱状、寸
法5cmφ×3cm)を製造し、該ブロックにパウダテ
スタ(ホソカワミクロン(株)製)を用いて一定の振動
(振動数;60Hz)を100秒間加えて崩壊させ、崩
壊された粉体のうち18メッシュパスの粉体の重量をも
とのブロックの全重量に対する百分率で表わす。この百
分率の数値を崩壊性(単位;%)と定義し、数値が大き
いほどブロッキングしにくく、特性が良好であることを
示す。
【0059】(透明性)グラフト共重合体粉体10部と
ジオクチル錫メルカプト系安定剤1.2部およびステア
リン酸カルシウム1部をポリ塩化ビニル樹脂(商品名:
カネビニル S1001、鐘淵化学工業(株)製)10
0部に配合し、180℃で8分間ロールにて加熱混練し
たのち、200℃で15分間のプレス成形を行ない、透
明性測定用テストピース(長さ5cm、幅5cm、厚さ
6mm)を作製した。
【0060】このテストピースを用い、JIS K 7
105にもとづき透明性の測定を行なった。
【0061】(熱安定性)前記(透明性)の項に記載し
たと同様の方法で透明性測定用テストピース(長さ3c
m、幅5cm、厚さ1mm)を作製した。
【0062】このテストピースを用い、JIS K 7
212にもとづき熱安定性の測定を行ない、以下の評価
基準にもとづいて評価した。
【0063】(評価基準) ○:ほとんど着色せず、良好である。 △:やや着色してあまり好ましくない。 ×:着色して不良である。
【0064】実施例 比較 例1と同様にして、製造例1でえられた共重合体ラ
テックスを凝固させたのち、熱処理を行なった。
【0065】熱処理後のスラリーに10%水酸化ナトリ
ウム水溶液248ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
9.0当量に相当)を約1分間かけて添加して過剰の凝
固剤を中和(pH7)した。ついで、撹拌を続けながら
水酸化カルシウム1.3g(乳化剤のカルボン酸基に対
して0.5当量に相当)を水500mlに分散した水性
懸濁液を約1分間かけて添加した。10分間撹拌を続け
たのち、10%水酸化ナトリウム水溶液28ml(乳化
剤のカルボン酸基に対して1.0当量に相当)を約1分
間かけて添加し、さらに10分間撹拌を続けた。そのの
ち、比較例1と同様に脱水および乾燥を行なってグラフ
ト共重合体粉体をえた。
【0066】えられた粉体は、白色、粉末状であり、平
均粒子径は160μmであった。
【0067】この粉体中に、含有されていた脂肪酸は、
その約45%が脂肪酸カルシウムに変化しており、約4
5%の脂肪酸が系外へ除去されていた。
【0068】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を比較例1と同様の方法で測定し
た。結果を表1に示す。
【0069】比較例 比較 例1と同様にして、製造例1でえられた共重合体ラ
テックスを凝固させたのち、熱処理を行なった。
【0070】えられた凝固スラリーにアルカリ性物質を
添加せずに比較例1と同様に脱水、乾燥を行なって、白
色、粉末状、平均粒径160μmのグラフト共重合体粉
体をえた。
【0071】えられたグラフト共重合体粉体に含有され
ていた脂肪酸は、まったく除去されていなかった。
【0072】えられたグラフト共重合体粉体を塩化ビニ
ル樹脂と混練したシート状成形体の透明性、熱安定性を
比較例1と同様にして測定した。結果を表1に示す。
【0073】製造例2 水 200部、牛脂脂肪酸ナトリウム石鹸(オレイン酸
ナトリウム40%、パルミチン酸ナトリウム27%、ス
テアリン酸ナトリウム24%含有)2.5部、硫酸第一
鉄 0.002部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ
ム 0.005部、リン酸三カリウム 0.2部、ホル
ムアルデヒドスルフォキシル酸ソーダ0.2部、ブタジ
エン 75部、スチレン 25部、ジビニルベンゼン
1.0部およびジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド0.1部を内容量5リットルの撹拌機付き重合
容器に仕込み、反応温度50℃で5時間重合させ、転化
率98%のゴムラテックスをえた。ゴムラテックスにお
けるゴム粒子の平均粒子径は1200A、固形分含量は
33%であった。
【0074】えられたゴムラテックス 180部(固形
分60部)、水 90部、牛脂脂肪酸ナトリウム石鹸
0.5部、硫酸第一鉄 0.002部、エチレンジアミ
ン四酢酸二ナトリウム 0.004部、ホルムアルデヒ
ドスルフォキシル酸ソーダ0.1部、スチレン 20部
およびメチルメタクリレート 20部を内容量5リット
ルの撹拌機付き重合容器に仕込み、反応温度60℃で3
時間重合させ、転化率99%のグラフト共重合体ラテッ
クスをえた。グラフト共重合体ラテックスにおけるグラ
フト共重合体粒子の平均粒子径は1500A、固形分含
量は32%であった。
【0075】比較例3 製造例2でえられた共重合体ラテックス3リットルに1
0%塩酸100ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
4.2当量に相当)と水3リットルを撹拌しながら加え
て凝固スラリーをえたのち、電熱器を用いて70℃で1
0分間熱処理した。
【0076】熱処理後のスラリーに10%の水酸化ナト
リウム水溶液79ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
3.2当量に相当)を約1分間かけて添加して過剰の凝
固剤を中和(pH7)した。ついで、撹拌を続けながら
水酸化カルシウム1.0g(乳化剤のカルボン酸基に対
して0.4当量に相当)を水500mlに分散した水性
懸濁液を約1分間かけて添加し、10分間撹拌を続け
た。そののち、比較例1と同様に脱水および乾燥を行な
いグラフト共重合体粉体をえた。
【0077】えられた粉体は、白色、粉末状、平均粒子
径は160μmであった。
【0078】この粉体中に含有されていた脂肪酸(牛脂
脂肪酸ナトリウム石鹸に由来する脂肪酸)の約35%が
脂肪酸カルシウムに変化していた。
【0079】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を比較例1と同様にして測定し
た。結果を表1に示す。
【0080】実施例 比較 例3と同様にして、製造例2でえられた共重合体ラ
テックスを凝固させたのち、熱処理を行なった。
【0081】熱処理後のスラリーに10%の水酸化ナト
リウム水溶液79ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
3.2当量に相当)を約1分間かけて添加して過剰の凝
固剤を中和(pH7)した。ついで、撹拌を続けながら
水酸化カルシウム0.9g(乳化剤のカルボン酸基に対
して0.4当量に相当)を水500mlに分散した水性
懸濁液を約1分間かけて添加した。10分間撹拌を続け
たのち、10%水酸化ナトリウム水溶液30ml(乳化
剤のカルボン酸基に対して1.2当量に相当)を約1分
間かけて添加し、さらに10分間撹拌した。そののち、
スラリー温度を約65℃程度に保持しながらこのスラリ
ーを吸引濾過によって脱水し、さらに箱型乾燥機を用い
て60℃で20時間乾燥させてグラフト共重合体粉体を
えた。
【0082】えられた粉体は、白色、粉末状、平均粒子
径は160μmであった。
【0083】この粉体中に含まれていた脂肪酸は、その
約35%が脂肪酸カルシウムに変化しており、約55%
の脂肪酸が系外へ除去されていた。
【0084】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を比較例1と同様にして測定し
た。結果を表1に示す。
【0085】実施例 比較 例3と同様にして、製造例2でえられた共重合体ラ
テックスを凝固させたのち、熱処理を行なった。
【0086】熱処理後のスラリーに10%水酸化カリウ
ム水溶液112ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
3.2当量に相当)を約1分間かけて添加して、過剰の
凝固剤を中和(pH7)した。ついで、実施例と同様
に、撹拌を続けながら水酸化カルシウム1.6g(乳化
剤のカルボン酸基に対して0.7当量に相当)を水50
0mlに分散した水性懸濁液を約1分間かけて添加し、
10分間撹拌を続けた。さらに、10%水酸化ナトリウ
ム水溶液9.9ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
0.4当量に相当)を約1分間かけて添加し、10分間
撹拌を続けた。そののち、スラリー温度を約65℃程度
に保持しながら吸引濾過によって脱水し、さらに箱型乾
燥機を用いて60℃で20時間乾燥させてグラフト共重
合体粉体をえた。
【0087】えられた粉体は、白色、粉末状、平均粒子
径は160μmであった。
【0088】この粉体中に、含有されていた脂肪酸は、
その約65%が脂肪酸カルシウムに変化しており、約3
0%の脂肪酸が系外へ除去されていた。
【0089】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を比較例1と同様にして測定し
た。結果を表1に示す。
【0090】実施例 比較 例3と同様にして、製造例2でえられた共重合体ラ
テックスを凝固させたのち、熱処理を行なった。
【0091】熱処理後のスラリーに10%水酸化ナトリ
ウム水溶液79ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
3.2当量に相当)を約1分間かけて添加して、過剰の
凝固剤を中和(pH7)した。ついで、実施例と同様
の方法で、撹拌を続けながら水酸化カルシウム0.45
g(乳化剤のカルボン酸基に対して0.2当量に相当)
を水500mlに分散した水性懸濁液を約1分間かけて
添加したのち、10分間撹拌を続けた。ついで、10%
水酸化カリウム水溶液52ml(乳化剤のカルボン酸基
に対して1.5当量に相当)を約1分間かけて添加し、
10分間撹拌を続けた。そののち、スラリー温度を約6
5℃程度に保持しながら吸引濾過によって脱水し、さら
に箱型乾燥機を用いて60℃で20時間乾燥させてグラ
フト共重合体粉体をえた。
【0092】えられた粉体は、白色、粉末状、平均粒子
径は160μmであった。
【0093】この粉体中に、含有されていた脂肪酸は、
その約18%が脂肪酸カルシウムに変化しており、約7
5%の脂肪酸が系外へ除去されていた。
【0094】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を比較例1と同様にして測定し
た。結果を表1に示す。
【0095】比較例 比較 例3と同様にして、製造例2でえられた共重合体ラ
テックスを凝固させたのち、熱処理を行なった。
【0096】熱処理後のスラリーにアルカリ性物質を添
加することなく、比較例3と同様に脱水および乾燥を行
ないグラフト共重合体粉体をえた。
【0097】えられた粉体は、白色、粉末状、平均粒子
径は160μmであった。
【0098】この粉体中に含有されていた脂肪酸は、そ
のままであり、系外へ除去されていなかった。
【0099】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を比較例1と同様にして測定し
た。結果を表1に示す。
【0100】比較例 比較 例3と同様にして、製造例2でえられた共重合体ラ
テックスを凝固させたのち、熱処理を行なった。
【0101】熱処理後のスラリーに10%水酸化ナトリ
ウム水溶液79ml(乳化剤のカルボン酸基に対して
3.2当量に相当)を約1分間かけて添加して、過剰の
凝固剤を中和(pH7)した。ついで、10%水酸化ナ
トリウム水溶液15ml(乳化剤のカルボン酸基に対し
て0.6当量に相当)を約1分間かけて添加し、10分
間撹拌をつづけた。こののち、スラリー温度を約65℃
程度に保持しながら吸引濾過によって脱水し、さらに箱
型乾燥機を用いて60℃で20時間乾燥させてグラフト
共重合体粉体をえた。
【0102】えられた粉体は、白色、粉末状、平均粒子
径は160μmであった。
【0103】この粉体中に含有されていた脂肪酸の約5
0%が系外へ除去されていた。
【0104】えられた粉体の粉体特性としてかさ比重、
崩壊性、また、塩化ビニル樹脂と混練したシート状成形
体の透明性、熱安定性を比較例1と同様にして測定し
た。結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】
【発明の効果】本発明は簡易なプロセスで、粉体特性
(かさ比重、耐ブロッキング性)が良好なグラフト共重
合体粉体を製造することができる。また、該グラフト共
重合体粉体からえられる成形体は、透明性、熱安定性に
もすぐれている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 279/00 C08F 6/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸塩を主成分とする乳化剤を用いた
    乳化グラフト重合によりえられた、ゴムを幹ポリマーと
    するグラフト共重合体ラテックスを酸からなる凝固剤を
    用いて凝固スラリーにしたのち、ナトリウム含有化合
    物、カリウム含有化合物、リチウム含有化合物およびア
    ンモニウム含有化合物から選ばれたアルカリ性物質
    (a)の少なくとも1種を添加して過剰に存在する凝固
    剤を中和してpH6.0〜7.5とし、ついでカルシウ
    ム、マグネシウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛の水
    酸化物、酸化物から選ばれたアルカリ性物質(b)の少
    なくとも1種を乳化剤のカルボン酸基に対して0.1〜
    1.5当量添加したのち、さらにナトリウム含有化合
    物、カリウム含有化合物、リチウム含有化合物およびア
    ンモニウム含有化合物から選ばれたアルカリ性物質
    (c)の少なくとも1種を乳化剤のカルボン酸基に対し
    て0.1〜1.5当量添加し、ついで脱水、乾燥させる
    ことを特徴とするグラフト共重合体粉体の製造法。
  2. 【請求項2】 前記脂肪酸塩を主成分とする乳化剤が、
    1422の直鎖飽和脂肪酸塩を30重量%以上含む脂肪
    酸塩を主成分とする乳化剤であり、前記脱水が、凝固ス
    ラリーを50℃以上に保持しながら行なう脱水である請
    求項記載の製造法。
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