JPH0647905A - 輪転印刷機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 直接駆動されるシリンダと直接駆動される少
なくとも１つの折り畳み装置１２を備えた輪転印刷機に
おいて、簡単かつ柔軟性があり障害の影響を受けにくい
構成を実現する。 【構成】 １つのウェッブに配属できるシリンダ駆動部
とその駆動制御装置を１つの印刷群２として統合する。
これらの印刷群２ａ〜ｄは、データバス３を介して互い
に折り畳み装置１２および操作−データ処理ユニット１
と接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電気モータにより駆動
が行われ個別に駆動される複数個のシリンダと、少なく
とも１つの別個に駆動される折り畳み装置（１２）を含
む輪転印刷機に関する。個別に駆動されるこの種の輪転
印刷機は、１９９１年１２月の雑誌”Zeitungstechni
k”の第７８〜８０頁に記載されている。

【０００２】

【従来の技術】個別に駆動される輪転印刷機では、機械
的な軸結合（縦軸および直立軸）ならびに大部分の伝動
装置が省略される。各シリンダは別個のモータにより直
接駆動される。

【０００３】上述の記事には、直接駆動される輪転印刷
機の領域における技術開発について示されている。縦軸
のない輪転印刷機のアイデアは、１９６０年代中頃にス
イスの印刷機製造会社Ｗｉｆａｇですでに試されてい
た。しかしこの試みは、低回転数領域で安定した回転動
作が得られなかったために失敗した。したがって精度に
対する高度な要求を満たすことができなかった。ＭＡＮ
Ｒｏｌａｎｄ 株式会社は１９８７年に新たな試みを開
始した。実験機はあらゆるテストに合格した。精度に関
しても要求を満たすことができた。しかも縦軸で駆動さ
れる従来の輪転印刷機の精度をも上回った。直接駆動さ
れる輪転印刷機の利点は多種多様であり、以下のことを
含むものである。すなわち、 −見当合わせの精度が高められる。

【０００４】−ギヤのあそびが除かれたことでいっそう
精密な印刷結果が得られる。

【０００５】−駆動部の位置を相互にずらせ得るので周
方向レジスタはもはや不要である。

【０００６】−輪転印刷機の機械的な構成が簡単にな
る。

【０００７】−機械の拡張を容易に行うことができる。

【０００８】それにもかかわらず個別駆動の基本方式は
普及するに至らなかった。その理由は、個々の駆動部の
制御およびマスター装置のネットワーク化が複雑である
こと、そのために障害を受け易く、構成の融通性が制限
されることである。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】したがって本発明の課
題は、上述の利点を有し、複雑であり障害を受け易くマ
スター装置の融通性に欠けるという欠点を特別な構成に
より回避するようにした、直接駆動される輪転印刷機を
提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明によればこの課題
は以下の構成により解決される。すなわち、 a) 電気モータにより駆動が行われ個別に駆動される複
数個のシリンダと、 b) 少なくとも１つの別個に駆動される折り畳み装置を
含む輪転印刷機において、 c) シリンダの個別駆動部および該個別駆動部の駆動制
御装置は印刷ステーション群に任意に統合され、 d) 前記印刷ステーション群は、前記折り畳み装置の１
つに配属されており、該折り畳み装置から印刷ステーシ
ョン群の位置基準を受け取り、 e) 前記印刷ステーション群の管理は上位のマスター装
置により行われることにより解決される。

【００１１】

【発明の構成および利点】個別駆動部とその駆動制御装
置を任意の印刷ステーション群に統合することにより、
さらに印刷ステーション群がその位置基準を折り畳み装
置から受け取る構成により、簡単であり柔軟性のあるこ
とで優れているマスターシステムが得られる。

【００１２】第１の有利な実施形態の場合、請求項１記
載の輪転印刷機は、 a) 印刷ステーション群の個別駆動部および該駆動部の
駆動制御装置は、高速バスシステムである駆動部バスを
介して接続されており、 b) 前記印刷ステーション群はデータバスを介して互い
に、ならびに操作−データ処理ユニットと接続されてお
り、 c) 前記データ処理ユニットは印刷ステーション群を管
理し、 d) この管理部には、目標値および目標値偏差のプリセ
ットならびに実際値の処理部が含まれ、種々異なる印刷
ステーション群の目標値コントロールを互いにおよび折
り畳み装置に対して整合的に行ない、 e) 前記の少なくとも１つの折り畳み装置は、データバ
スを介して印刷ステーション群と接続されている配置構
成で用いられている。

【００１３】本発明による構成の利点は、高速バスシス
テムを介して個別駆動部を任意の印刷ステーション群に
統合することにより、輪転印刷機のマスターシステムが
著しく簡単になり、さらに障害の影響を受けにくくなる
ことである。個々の印刷ステーション群は互いに独立し
ており、その位置基準をそれらに配属された折り畳み装
置から受け取る。印刷ステーション群の管理は上位のマ
スター装置を介して行われ、この管理には目標値および
目標値偏差のプリセットならびに実際値の処理だけしか
含まれない。

【００１４】シリンダ周速度が１３ｍ／ｓのときにシリ
ンダを０．０５ｍｍまで精確に位置決めしなければなら
ないために、直接駆動される輪転印刷機のマスターシス
テムは複雑になる。接続を行うバスシステムのデータ転
送速度に対しても同様に著しく高度な要求がなされる。
本発明のようにマスターシステムを、時間的にクリティ
カルな制御のための駆動部群−それらの構成部分は高速
バスシステムを介して接続されている−と、目標値およ
び目標値偏差のプリセットならびに実際値の処理のよう
に時間的にクリティカルでない役割のための上位のマス
ター装置−これは問題なく比較的低いデータ転送速度を
有し得る−とに分割したことによりはじめて、精度に対
する高度な要求にもかかわらず簡単かつロバストな構成
が可能になる。

【００１５】個々の印刷ステーション群はその基準を配
属された折り畳み装置から受け取り、折り畳み装置に対
する群全体の位置をずらすことができるので、主なレジ
スタはもはや不要である。本発明による装置構成の別の
利点は、機械的な結合を考慮する必要がないことから機
械をフレキシブルに構成できることである。つまりマス
ターシステムが完全にネットワーク化されているのでは
なく、簡潔なインターフェースを有している。このこと
により、例えば１つの個別駆動部で障害が発生してもそ
の影響を受けることはない。何故ならばそのような障害
は独立した１つの印刷ステーション群にしか該当しない
からである。

【００１６】つまり本発明の本質は、マスター装置が簡
単かつロバストである点で優れている、直接駆動される
輪転印刷機が提供されることである。そしてこのこと
は、マスターシステムを自律的な印刷ステーション群と
上位のマスター装置とに分割することにより達成され
る。１つの印刷ステーション群内のシリンダの個別駆動
部およびその駆動制御部は、時間的にクリティカルな役
割に適合化された高速バスシステムを介して接続されて
いる。印刷ステーション群は相互におよび上位のマスタ
ー装置と、上位のバスシステムを介して接続されてい
る。このバスシステムは比較的低いデータ転送速度を有
することができる。それというのはこのバスシステムは
時間的にクリティカルでない役割だけを果たせばよいか
らである。印刷ステーション群はその位置基準を、割り
当てられた折り畳み装置から直接受け取る。この場合、
１つの印刷ステーション群のシリンダの相対的な位置
は、上位のマスター装置とは無関係に高速バスシステム
を介して設定調整される。つまり個々の印刷ステーショ
ン群は運転中、かなりの程度の自律性を有している。

【００１７】上述のようにマスターシステムを上位のマ
スター装置と自律的な印刷ステーション群とに分割する
ことにより、マスターシステムは、直接駆動される輪転
印刷機の実現に必要とされる簡単さ、柔軟性および障害
に対するロバストネスを有する。

【００１８】請求項２以下にはその他の有利な実施形態
が示されている。

【００１９】次に、図面を用いて実施例に基づき本発明
を詳細に説明する。

【００２０】

【実施例の説明】個別に駆動される、または縦軸のない
輪転印刷機の場合、各シリンダは、例えば印刷シリンダ
および対向シリンダならびに折り畳み装置は、１つの固
有の電気モータにより駆動される。このことにより機械
的な結合が省かれる。もちろん、個別の駆動部をそれぞ
れ互いに整合調整する必要がある。位置決めの精確さに
対する要求が高いため、接続するバスシステムは高いデ
ータ転送速度を有していなければならない。上位のただ
１つの中央ユニットによりすべての駆動部を制御すると
いう最も手近な試みは、それが複雑であることや柔軟性
が限られていることで失敗した。しかし本発明による輪
転印刷機の場合、これとは全く異なる試みに基づく。以
下ではこのことを図面を参照して説明する。

【００２１】図１には、本発明による輪転印刷機のブロ
ック図が示されている。この印刷機はｋ個の印刷ステー
ション群２ａ〜ｄを有しており、これらはデータバス３
を介して操作−データ処理ユニット１とも接続されてい
るし、折り畳み装置１２とも接続されている。シリンダ
の個別駆動部およびその駆動制御装置は、印刷ステーシ
ョン群２ａ〜ｄに統合されている。これらの印刷ステー
ション群２ａ〜ｄだけが操作−データ処理ユニットと、
つまり上位のマスター装置１と接続されている。印刷ス
テーション群は、その位置基準を折り畳み装置１２から
直接受け取る。つまりこれらの印刷ステーションは著し
く大きな自律性を有している。

【００２２】図２には個々の印刷ステーション群２のブ
ロック図が示されている。この場合、ｎ個の個別駆動部
７ａ〜ｄおよびそれに所属のｎ個の駆動制御装置６ａ〜
ｄが設けられている。駆動制御装置６ａ〜ｄは、高速バ
スシステムである駆動バス５を介して駆動装置４と接続
されている。さらに駆動装置４はデータバス３と接続さ
れている。駆動装置４において、折り畳み装置１２との
関連で個別駆動部７ａ〜ｄの位置決めが、ならびにこれ
ら個別駆動部７ａ〜ｄ相互の相対的な位置決めが制御さ
れる。さらに駆動装置４において、上位のマスター装置
１から到来するデータおよび命令が、駆動制御装置６ａ
〜ｄのために必要とされる形式へ整合される。したがっ
てデータバス３を介した全体的な制御を、目標値および
目標値偏差のプリセット、実際値ならびに目標値導入に
制限することができる。個別駆動部７ａ〜ｄの微調整の
ためのパラメータの算出は、各印刷ステーション群２ａ
〜ｄごとに別個に駆動装置４において行われる。

【００２３】ｎ個の駆動部７ａ〜ｄおよび駆動制御装置
６ａ〜ｄのほかに、ｍ個の入／出力ユニット９ａ〜ｄが
設けられている。これらのユニットは、制御バス８を介
して制御装置１０と接続されている。この制御装置１０
もデータバス３と接続されている。制御装置１０は入／
出力ユニット９ａ〜ｄを相互間で、および上位のマスタ
ー装置１との間で整合調整を行なう。さらにこの場合
も、図示されているように明瞭に上位のマスター装置の
責任は、かなりの程度、自律的な印刷ステーション群に
分担れている。このことにより、マスター装置全体はい
っそう簡単かつフレキシブルに構成することができる。

【００２４】さらに図３には、印刷ステーション群２ａ
〜ｅが折り畳み装置１２にどのように配属されているか
が略示されている。もちろん複数個の折り畳み装置１２
を設けて、印刷ステーション２ａ〜ｅをそれぞれ異なる
折り畳み装置１２へ配属させることもできる。しかし見
やすくするために、図３にはただ１つの折り畳み装置１
２しか設けられていない状態が示されている。この折り
畳み装置１２は、印刷ステーション群２ａ〜ｅのシリン
ダのように別個の折り畳み装置駆動部１３により個別に
駆動される。個々の印刷ステーション群２ａ〜ｅは、そ
の用紙を用紙ロール１１ａ〜ｆから受け取る。印刷され
たウェッブは、折り畳み装置１２において裁断されて折
り畳まれ、例えば完全な新聞になるようにまとめられ
る。有利には、１つの共通のウェッブに配属可能なシリ
ンダの個別駆動部により１つの印刷ステーション群２ａ
〜ｄが形成される。しかし、１つの印刷ステーション群
２ｅが複数個の−例えば２つの−ウェッブを同時に印刷
できるように、シリンダの個別駆動部により部分群を形
成することもできる。

【００２５】最後に次のことを言及しておく。本発明に
よる直接的に駆動される輪転印刷機は、マスターシステ
ムが１つの上位のマスター装置と複数個の自律的な印刷
ステーション群に分離されているため、簡単な構成なら
びに柔軟性の点で優れており、したがって直接的に駆動
される輪転印刷機の経済的な運転に必要とされる要求が
満たされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】直接駆動される本発明による輪転印刷機のブロ
ック図である。

【図２】本発明による印刷ステーション群のブロック図
である。

【図３】折り畳み装置における印刷ステーション群の本
発明による配置構成を示す図である。

【符号の説明】

１ 操作−データ処理ユニット、上位のマスター装置 ２ 印刷ステーション群 ２ａ〜ｅ ｋ個の印刷ステーション群 ３ データバス ４ 駆動装置 ５ 駆動バス ６ａ〜ｄ ｎ個の駆動制御装置 ７ａ〜ｄ ｎ個の個別駆動部 ８ 制御バス ９ａ〜ｄ ｍ個の入／出力ユニット １０ 制御装置 １１ａ〜ｆ 用紙ロール １２ 折り畳み装置 １３ 折り畳み装置駆動部

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 a) 電気モータにより駆動が行われ個別
   に駆動される複数個のシリンダと、 b) 少なくとも１つの別個に駆動される折り畳み装置
   （１２）を含む輪転印刷機において、 c) シリンダの個別駆動部（７ａ〜ｄ）および該個別駆
   動部の駆動制御装置（６ａ〜ｄ）は印刷ステーション群
   （２ａ〜ｄ）に任意に統合され、 d) 前記印刷ステーション群（２ａ〜ｄ）は、折り畳み
   装置（１２）の１つに配属されており、該折り畳み装置
   （１２）から印刷ステーション群の位置基準を受け取
   り、 e) 前記印刷ステーション群（２ａ〜ｄ）の管理は上位
   のマスター装置（１）により行われることを特徴とする
   輪転印刷機。
2. 【請求項２】 a) 印刷ステーション群（２）の個別駆
   動部（７ａ〜ｄ）および該個別駆動部の駆動制御装置
   （６ａ〜ｄ）は、高速バスシステムである駆動バス
   （５）を介して接続されており、 b) 前記印刷ステーション群（２ａ〜ｄ）はデータバス
   （３）を介して互いに、ならびに操作−データ処理ユニ
   ット（１）と接続されており、 c) 前記データ処理ユニット（１）は印刷ステーション
   群（２ａ〜ｄ）を管理し、 d) 当該管理部には、目標値および目標値偏差のプリセ
   ットならびに実際値の処理部が含まれ、種々異なる印刷
   ステーション群（２ａ〜ｄ）の目標値コントロールを互
   いにおよび折り畳み装置（１２）に対して整合的に行な
   い、 e) 前記の少なくとも１つの折り畳み装置（１２）は、
   データバス（３）を介して印刷ステーション群（２ａ〜
   ｄ）と接続されている請求項１記載の輪転印刷機。
3. 【請求項３】 前記折り畳み装置（１２）は、データバ
   ス（３）ではなく固有のバスを介して印刷ステーション
   群（２ａ〜ｄ）と接続されている、請求項２記載の輪転
   印刷機。
4. 【請求項４】 前記印刷ステーション群（２ａ〜ｄ）
   は、 a) データバス（３）と、ならびに駆動バス（５）を介
   してｎ個の駆動制御装置（６ａ〜ｄ）と接続されており
   該駆動制御装置（６ａ〜ｄ）を相互に整合的に調整する
   駆動装置（４）と、 b) データバス（３）と接続されている制御装置（１
   ０）と、 c) 制御バス（８）を介して前記制御装置（１０）と接
   続されているｍ個の入／出力ユニット（９ａ〜ｄ）とを
   有しており、該入／出力ユニットの管理は前記制御装置
   （１０）において行われる請求項２または３記載の輪転
   印刷機。
5. 【請求項５】 １つの共通のウェッブに配属可能なシリ
   ンダの個別駆動部（７ａ〜ｄ）ならびに該個別駆動部の
   駆動制御装置（６ａ〜ｄ）は、１つの印刷ステーション
   群（２）に統合される、請求項１記載の輪転印刷機。
6. 【請求項６】 前記印刷ステーション群（２ａ〜ｄ）は
   それぞれ異なる折り畳み装置（１２）に配属されてい
   る、請求項１記載の輪転印刷機。
7. 【請求項７】 前記印刷ステーション群（２ａ〜ｅ）は
   印刷ステーション部分群に分割されており、これにより
   種々異なるウェッブをただ１つの印刷ステーション群
   （２ｅ）において処理可能である、請求項１記載の輪転
   印刷機。