JP3825460B2 - 輪転印刷機 - Google Patents
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Description
図4に基づいて輪転印刷機を事例に概略機能を説明すると、まず、印刷機1、2、3、と折機4の機械軸1e、2e、3e、4eの原点合わせを行う。(特許文献1参照)
(1)印刷運転が開始されたら、まず各印刷機1、2、3および折機4のモータ11、12、13、14を低速で運転する。即ち、統括制御装置70から各制御装置61、62、63、64へ一定の低速速度信号が出力され、各制御装置61、62、63、64では、この速度指令に基づいて、各モータ11、12、13、14が一定の低速回転するよう制御する。
(1)印刷運転が開始されたら、先ず各印刷機1、2、3、および折機4のモータ11、12、13、14をゆるやかな加速レートで加速する。即ち、統括制御装置70から各制御装置61、62、63、64へゆるやかな加速レートで加速する速度指令が出力し、各制御装置61、62、63、64では、この指令に基づいて、各モータ11、12、13、14がゆるやかな加速レートで加速するよう制御する。
このように、従来の同期制御装置では動作し原点合わせの期間、輪転印刷機を停止する必要はない。
すなわち、位相合わせの間、輪転印刷機を低速での一定速度運転を行うか、またはゆるやかな加速を行う必要があり、位相合わせが終了した後、機械の加速度を通常運転加速度に上げるための切り替えが必要である。
よって、その分、運転モードが複雑になり、ウエブ張力の変動要因になる可能性もあるとともに、その位相合わせと、切り替えて通常の運転速度に上げるまでの期間での生産性の低下はまぬがれない。
また、機械軸の回転に応じたパルス信号を出力するロータリーエンコーダ、即ちインクリメンタルエンコーダを使用していたため、万一電源ダウンが発生した時には、カウント値がゼロになり現在位置が不明になる恐れがある。
また、ロータリーエンコーダまたはそこからのラインにノイズが混入した場合は、ノイズも位置のパルス信号としてカウントされてしまうため、そのまま位置誤差になる。
さらに、位置の基準となる近接スイッチ等が各印刷機および折機にそれぞれ必要である。
また本発明の他の目的は、折機と印刷機により輪転印刷機において、折機モータの運転中に折機自体の位相合わせを行わず、よって、折機による印刷用紙の損傷が減少する輪転印刷機とそのモータの同期駆動制御方法を提供することである。
また本発明の他の目的は、機械軸の回転に応じたパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダを使用せず、よって、万一電源ダウンが発生した時には、カウント値がゼロになり現在位置が不明になることがなく、さらに、位置の基準となる近接スイッチ等を不要とした輪転印刷機とそのモータの同期駆動制御方法を提供することである。
また、同期運転から通常運転への切り替えがないため装置もその分簡単になり、またその際発生するウエブ張力変動要因が無くなる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態を図1および図3に基づいて説明する。
図1に示すように、各印刷機1a、1b、1c、折機1dには、駆動モータ2a、2b、2c、2d、インフィードIFa、IFb、IFc用モータ2f、2g、2h、RTFDRa用モータ2i、ドラグDRb用モータ2j各モータの駆動・制御を行うドライバ3a、3b、3c、3d、3f、3g、3h、3i、3j、印刷機および折機用の各モータに結合されたアブソリュート型ロータリーエンコーダ4a、4b、4c、4d、各印刷機および折機に個別に対応して位相合わせ等の制御を行う印刷機および折機のマスタ局5a、5b、5c、5dからなる。これらの間は、光2重リンク6で接続している。
印刷機、インフィード、ドラグ、およびRTFの駆動モータは、すべて折機のマスタ局5dの位置メモリに取り込まれた折機モータ2dの停止中の折機モータ軸位置を基準として生成された仮想マスタ軸データに基づいて行う。
先ず、輪転印刷機がスタートして緩動運転が行われている間、印刷機モータは未だ位相合わせせず一定速での速度制御を行う。
位相合わせが完了した後の胴着時点は従来と同じであるが、その前に位相合わせが必ず完了するようになっている。そして、定常運転に至るが位置制御はその後も継続して行われる。
インフィード、ドラグ、およびRTFモータも、仮想マスタ軸データに基づき終始速度制御を行う。
なお、保守、紙通し、インキやブランケット洗浄等印刷準備段階では、マスタ局5とは切り離して、別の固定速度指令装置によって運転を行う。
(1)緩動運転を含む輪転印刷機の運転開始前に、折機の現在位置の情報を折機のマスタ局5dの仮想マスタ軸データにインプットする。
マスタ局5dはその位置を基準として演算を開始する。これによって輪転印刷機立ち上がりの際、折機モータの位相合わせを行う必要がないため、ウエブ紙の速度差による不具合の発生が防止される。
即ち、輪転印刷機の運転開始前に、折機の運転開始前の現在位相を示すアブソリュート型ロータリーエンコーダ4dからの信号を折機のマスタ局5dの仮想マスタ軸データ記憶部にインプットし、折機の仮想マスタ軸データ記憶部はその値をメモリしておいて、輪転印刷機を立ち上げて印刷機や折機の同期運転を行うときの演算の基準としている。
例えば機械停止時に手動操作した印刷機では、各印刷機の機械軸はそれぞれ任意の位置に停止している。即ち各印刷機の機械軸はそれぞれ位相がずれている。それを緩動運転開始時点から位置同期で運転すると、その位置から各印刷機の機械軸を位置合わせしようとするため、印刷機毎にモータ回転の状況にムラができる。緩動運転では操作員が手動で版胴表面を清掃することがあるが、操作員には回転ムラの予見が出来ないため、回転速度が変わると操作性が悪いし、危険もともなう。
この間、折機1dのモータ2dは引続いて仮想マスタ軸データに基づく位置同期制御を継続する。また、インフィードモータ2f、2g、2h、RTFモータ21、ドラグモータ2jは輪転印刷機の緩動運転開始と同時に、仮想マスタ軸データに基づいて速度同期制御が行われる。
即ち、折機のマスタ局5dから仮想マスタ軸データを受け取った各印刷機に対応するマスタ局5(a〜c)はそのデータを変換して各モータのドライバ3a、3b、3cに、通常運転のレートで加速するようモータ回転指令信号を出す。また、折機のマスタ局5dはドライバ3dに通常運転のレートで加速するようモータ回転指令信号を出す。
また、インフィードモータ2f、2g、2h、RTFモータ21、ドラグモータ2jは図3に示すように輪転印刷機の印刷運転の状態に関係なく仮想マスタ軸データに基づいて速度制御を行う。
そのため原点を見つけるための時間が不要であり同期制御に要する時間を短縮することができる。
また、同期運転から通常運転への切り替えがないため装置もその分簡単になり、またその際発生するウエブ張力変動要因が無い。
更に、原点位置の検出に必要だった近接センサーが不要になった。このように、本実施の形態の同期装置によって、生産性向上のほか、安定性、安全性および信頼性を向上することができる。
[第2実施形態]
2台目の折機1nに対応するマスタ局5nも、第1実施形態(図1)に示す折機1dに対応するマスタ局5dと同様に折機1nのデータを基準に、バーチャルマスタの位置データ等を計算によって生成し、各マスタ局にその仮想マスタ軸データを送るように構成される。
よって、操作性や安全性を損なうことがない。
また本発明は、折機と印刷機により輪転印刷機において、折機モータの運転中に折機自体の位相合わせを行わず、よって、折機による印刷用紙の損傷が減少する輪転印刷機を提供出来る。
1d 折機
2a〜2c 印刷機モータ
2d 折機モータ
5a〜5c 印刷機マスタ局
5d 折機マスタ局
Claims (4)
- 複数の印刷機と、折機と、該印刷機及び該折機のそれぞれを駆動する複数のモータと、該複数のモータの位相を検知するアブソリュート型ロータリーエンコーダと、該印刷機、該折機、及び該複数のモータを制御する制御装置と、を備えた輪転印刷機において、
前記制御装置は、前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて位相を検知した前記印刷機の各モータを一定の同じ速度で緩動運転する速度同期制御であって、該速度同期制御中に前記印刷機の各モータの位相と前記折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行わない速度同期制御を行った後、前記折機のモータの位相の情報を基準として前記緩動運転から通常運転に至る加速中に前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した印刷機の各モータの位相と折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行う位置同期制御を行うものであって、
前記位置同期制御は、前記印刷機のモータの位相と前記折機のモータの位相が合うように当該印刷機の位相を進める、または遅らせるように前記印刷機のモータを加減速する制御であることを特徴とする輪転印刷機。 - 前記制御装置は、前記折機のモータの位相の情報を基準として演算により仮想マスタ軸データを生成し、生成した仮想マスタ軸データに基づき位置同期制御を行うものであって、前記位置同期制御中に当該仮想マスタ軸データを変換したモータ回転指令信号に基づき前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した折機のモータの位相と前記印刷機のモータの位相が合うように加減速を行うことを特徴とする請求項1に記載の輪転印刷機。
- 前記制御装置は、
前記折機のモータの位相の情報に基づいて前記各モータの速度制御の基準となる仮想マスタ軸データを生成する折機のマスタ局と、
前記複数の印刷機に対応し、前記仮想マスタ軸データに基づいて印刷機のモータの位相を制御する印刷機のマスタ局と、
を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の輪転印刷機。 - 複数の印刷機と、折機と、前記印刷機及び前記折機のそれぞれを駆動する複数のモータと、前記折機及び前記複数の印刷機の位相を検知するアブソリュート型ロータリーエンコーダと、前記複数のモータを制御する制御装置と、を備えた輪転印刷機において、
前記制御装置は、
前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて位相を検知した前記複数のモータを一定の同じ緩動速度で回転させる速度同期制御であって、該速度同期制御中に前記印刷機の各モータの位相と前記折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行わない速度同期制御を行った後、
前記折機のモータの回転速度を一定のレートで加速させると共に、前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した前記折機のモータの位相と前記複数の印刷機のモータの位相のそれぞれの位相差に基づいて前記複数の印刷機のモータの回転速度を変動させて前記複数の印刷機のモータの位相と前記折機のモータの位相を合わせる制御を行うことを特徴とする輪転印刷機。
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