JP3825460B2 - 輪転印刷機 - Google Patents

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Description

本発明は、輪転印刷機に関し、特に輪転印刷機における制御方法に関するものである。
従来より、輪転印刷機において複数のモータによって回転駆動される機械軸の相互位相を同期させる技術は知られている。図4に示す装置もその一つである。
図4に基づいて輪転印刷機を事例に概略機能を説明すると、まず、印刷機1、2、3、と折機4の機械軸1e、2e、3e、4eの原点合わせを行う。(特許文献1参照)
即ち、図5に示すように、つぎの手順で原点合わせを行う。
(1)印刷運転が開始されたら、まず各印刷機1、2、3および折機4のモータ11、12、13、14を低速で運転する。即ち、統括制御装置70から各制御装置61、62、63、64へ一定の低速速度信号が出力され、各制御装置61、62、63、64では、この速度指令に基づいて、各モータ11、12、13、14が一定の低速回転するよう制御する。
(2)近接スイッチ21、22、23、24やロータリーエンコーダ31、32、33、34によって各印刷機1、2、3、および折機4の機械軸1e、2e、3e、4eの原点を検出したら、印刷機1、2、3、および折機4の制御装置61、62、63、64では、各機械軸1e、2e、3e、4eの位相が基準位相に対して所定位相(レジスタ位置)になるよう位相を進めるまたは遅らせるように、モータ11、12、13、14を加減速する。
即ち、統括制御装置70から出力される基準パルス(発振器で作られる)の位相に対して、各印刷機1、2、3および折機4の機械軸1e、2e、3e、4eの位相がそれぞれ所定位相(レジスタ位置)になるように、低速で回転しているモータ11、12、13、14を一時的に加減速する。そして、全ての印刷機1、2、3および折機4がレジスタ位置で同期運転しているのを確認したら、統括制御装置70から各制御装置61、62、63、64へ出力する速度指令値を増加して、モータ11、12、13、14を所定の印刷速度まで加速する。
また、図6に示すように、原点合わせを定速運転中でなく、モータ11、12、13、14をゆるやかな加速中にも行うことができる。即ち、次の手順で原点合わせを行う。
(1)印刷運転が開始されたら、先ず各印刷機1、2、3、および折機4のモータ11、12、13、14をゆるやかな加速レートで加速する。即ち、統括制御装置70から各制御装置61、62、63、64へゆるやかな加速レートで加速する速度指令が出力し、各制御装置61、62、63、64では、この指令に基づいて、各モータ11、12、13、14がゆるやかな加速レートで加速するよう制御する。
(2)近接スイッチ21、22、23、24やロータリーエンコーダ31、32、33、34によって各印刷機1、2、3、および折機4の機械軸1e、2e、3e、4eの原点を検出したら低速運転の場合と同様にこれら機械軸の各位相を進めるまたは遅らせるように、モータ11、12、13、14を加減速する。
(3)すべての印刷機1、2、3および折機4がレジスタ位置で同期運転しているのを確認したら、統括制御装置70から各制御装置61、62、63、64へ出力する速度指令値の加速レートを急にし、この加速レートに従ってモータ11、12、13、14を所定の印刷速度まで加速する。
このように、従来の同期制御装置では動作し原点合わせの期間、輪転印刷機を停止する必要はない。
特開平10−114508号公報
しかしながら、かかる従来の装置では次のような問題点があった。
すなわち、位相合わせの間、輪転印刷機を低速での一定速度運転を行うか、またはゆるやかな加速を行う必要があり、位相合わせが終了した後、機械の加速度を通常運転加速度に上げるための切り替えが必要である。
よって、その分、運転モードが複雑になり、ウエブ張力の変動要因になる可能性もあるとともに、その位相合わせと、切り替えて通常の運転速度に上げるまでの期間での生産性の低下はまぬがれない。
また、低速ではあっても、運転中に折機の位相合わせを行っているため、折機の原点位置によっては、折機を加速した場合は印刷用紙が異常に引っ張られることになり、針穴が破れて折機内に損紙が溜まることがある。逆に減速した場合は紙詰まりが発生することがある。
また、低速運転時に位置同期を行う場合、運転開始時に印刷胴が自動的に修正回転して回転数がバラツクので、特に版胴を清掃中の操作員にとっては予期せずに印刷胴の回転速度が変わり危険である。
また、機械軸の回転に応じたパルス信号を出力するロータリーエンコーダ、即ちインクリメンタルエンコーダを使用していたため、万一電源ダウンが発生した時には、カウント値がゼロになり現在位置が不明になる恐れがある。
また、ロータリーエンコーダまたはそこからのラインにノイズが混入した場合は、ノイズも位置のパルス信号としてカウントされてしまうため、そのまま位置誤差になる。
さらに、位置の基準となる近接スイッチ等が各印刷機および折機にそれぞれ必要である。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、位相合わせが終了した後、機械の加速度を通常運転加速度に上げるための切り替える必要がなく、運転モードが単純化し、運転速度へ立ち上げるまでの時間が短縮され、生産性が向上する輪転印刷機とそのモータの同期駆動制御方法を提供することを目的とする。
また本発明の他の目的は、折機と印刷機により輪転印刷機において、折機モータの運転中に折機自体の位相合わせを行わず、よって、折機による印刷用紙の損傷が減少する輪転印刷機とそのモータの同期駆動制御方法を提供することである。
また本発明の他の目的は、機械軸の回転に応じたパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダを使用せず、よって、万一電源ダウンが発生した時には、カウント値がゼロになり現在位置が不明になることがなく、さらに、位置の基準となる近接スイッチ等を不要とした輪転印刷機とそのモータの同期駆動制御方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明にかかる輪転印刷機は、複数の印刷機と、折機と、該印刷機及び該折機のそれぞれを駆動する複数のモータと、該複数のモータの位相を検知するアブソリュート型ロータリーエンコーダと、該印刷機、該折機、及び該複数のモータを制御する制御装置と、を備えた輪転印刷機において、前記制御装置は、前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて位相を検知した前記印刷機の各モータを一定の同じ速度で緩動運転する速度同期制御であって、該速度同期制御中に前記印刷機の各モータの位相と前記折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行わない速度同期制御を行った後、前記折機のモータの位相の情報を基準として前記緩動運転から通常運転に至る加速中に前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した印刷機の各モータの位相と折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行う位置同期制御を行うものであって、前記位置同期制御は、前記印刷機のモータの位相と前記折機のモータの位相が合うように当該印刷機の位相を進める、または遅らせるように前記印刷機のモータを加減速する制御であることを特徴とする。
また、本発明にかかる輪転印刷機において、前記制御装置は、前記折機のモータの位相の情報を基準として演算により仮想マスタ軸データを生成し、生成した仮想マスタ軸データに基づき位置同期制御を行うものであって前記位置同期制御中に当該仮想マスタ軸データを変換したモータ回転指令信号に基づき前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した折機のモータの位相と前記印刷機のモータの位相が合うように加減速を行うことを特徴とする。
また、本発明にかかる輪転印刷機において、前記制御装置は、前記折機のモータの位相の情報に基づいて前記各モータの速度制御の基準となる仮想マスタ軸データを生成する折機のマスタ局と、前記複数の印刷機に対応し、前記仮想マスタ軸データに基づいて印刷機のモータの位相を制御する印刷機のマスタ局と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明にかかる輪転印刷機は、複数の印刷機と、折機と、前記印刷機及び前記折機のそれぞれを駆動する複数のモータと、前記折機及び前記複数の印刷機の位相を検知するアブソリュート型ロータリーエンコーダと、前記複数のモータを制御する制御装置と、を備えた輪転印刷機において、前記制御装置は、前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて位相を検知した前記複数のモータを一定の同じ緩動速度で回転させる速度同期制御であって、該速度同期制御中に前記印刷機の各モータの位相と前記折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行わない速度同期制御を行った後、前記折機のモータの回転速度を一定のレートで加速させると共に、前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した前記折機のモータの位相と前記複数の印刷機のモータの位相のそれぞれの位相差に基づいて前記複数の印刷機のモータの回転速度を変動させて前記複数の印刷機のモータの位相と前記折機のモータの位相を合わせる制御を行うことを特徴とする。
本発明によれば、従来のように、輪転印刷機が起動してから折機の位相合わせを行う方式の場合、一定速度で送り出されているウエブ紙は、折機のモータが位相合わせのために増速すると異常な引っ張り力を発生し、遂には針穴を破って損紙が貯まったり、ウエブ紙が破断してしまうことがあり、また、逆に減速すると、ウエブ紙にたるみを生じ、紙詰まりを起こすことがあるが、最初に折機のモータの位置を基準として印刷機モータの位置を制御する方式のため、このような不具合は発生しない。
また、輪転印刷機の緩動運転が開始されたら、まず、速度同期制御によってすべてのモータが同じ速度で起動、運転するため、位相を合わせるための位置制御は未だ行わないので、これによって初期位置の異なる各印刷機の機械軸が位相合わせのために、修正動作運転状況がまちまちとなり、急に回転速度が変わり、緩動運転中に手動で版胴表面を清掃する操作員が戸惑い不測事故につながることを防止できる。
また、記印刷胴側のモータを前記機械軸合わせ用基準データに基づく指令信号により前記印刷胴側のモータの加速レートとオフセット速度を可変するドライバ手段を備え、前記輪転印刷機の通常運転に至る間に、印刷胴側のモータの位置制御を行うことを特徴とし、具体的には前記オフセット速度が加速レートに対し増/減速する部分の間に加速レートに同速な平行速度にするように速度設定されていることも本発明の有効な手段である。
かかる技術手段によると、上記モータを駆動するドライバに同期運転の際、モータの加速レートとオフセット速度を可変にする機能をもたせているため、常に最適なモータ増減速度が得られ、同期制御に要する時間を短縮できた。このため、通常運転のような急なレートの加速時にも位相合わせを短時間で実行することが可能となり、加速レートの大きな通常運転中に同期運転を完了することができるようになり、生産性の向上が見込める。
また、同期運転から通常運転への切り替えがないため装置もその分簡単になり、またその際発生するウエブ張力変動要因が無くなる。
以上、詳細に説明したように本発明によれば、複数のモータを速度同期制御して緩動運転した後の通常運転に至る加速中に、前記折機側のモータの停止時の位置データを基準として、各印刷機のモータの位置制御を行うので、基準となる前記折機のモータの位置制御を行わず、しかも通常運転に至る加速中に各印刷機のモータの位置制御を行うので、従来技術のように基準となるモータの位置制御にかかる時間は不要であり、かつ、位置同期後に通常速度に切り替えることがないので、通常運転速度に達する時間が短縮され、生産性が向上する。
そして、本発明は、折機と印刷機を有した輪転印刷機に適用した場合は、通常運転速度に達する時間が短縮され、生産性が向上するとともに、輪転印刷機立ち上がりの際、折機モータの位相合わせを行う必要がないため、一定速度で送り出されているウエブ紙に、折機のモータが位相合わせのための増速により異常な引っ張り力を発生することはなく、ウエブ紙が破断したり、紙詰まりを起こすことがない。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
[第1実施形態]
図1は本発明の実施の形態に係る同期制御装置を備えた、折機が一台のみの場合の輪転印刷機械の全体構成図、図3は、制御装置の主として位相合わせに関する機能を説明する説明図である。
本発明の第1実施形態を図1および図3に基づいて説明する。
図1に示すように、各印刷機1a、1b、1c、折機1dには、駆動モータ2a、2b、2c、2d、インフィードIFa、IFb、IFc用モータ2f、2g、2h、RTFDRa用モータ2i、ドラグDRb用モータ2j各モータの駆動・制御を行うドライバ3a、3b、3c、3d、3f、3g、3h、3i、3j、印刷機および折機用の各モータに結合されたアブソリュート型ロータリーエンコーダ4a、4b、4c、4d、各印刷機および折機に個別に対応して位相合わせ等の制御を行う印刷機および折機のマスタ局5a、5b、5c、5dからなる。これらの間は、光2重リンク6で接続している。
上記マスタ局のうち、折機のマスタ局5dは、輪転印刷機の運転指令に従って、折機のデータを基準に、仮想マスタ軸データ等を計算によって生成し、各マスタ局にその仮想マスタ軸データを送る機能と、折機用モータドライバ、RTF用モータドライバ、ドラグ用モータドライバに制御指令信号を送る機能、および接続されたシーケンサとの間のシーケンス制御インターフェース機能をもっている。
一方、各印刷機に対応するマスタ局5(a〜c)は、折機のマスタ局5dから光2重リンク6を介して送られた仮想マスタ軸データの受け渡しを行う機能、印刷機用モータドライバに制御指令信号を送る機能、および接続されたシーケンサとの間のシーケンス制御インターフェース機能をもっている。
上記の印刷機用ドライバおよび、折機用ドライバはそれぞれ対応するマスタ局からの制御指令信号と、印刷機および折機の機械軸に接続されたアブソリュ−ト型ロータリーエンコーダ4(a〜d)からの信号を比較して、モータの速度を加減速させる制御を行う。このとき、モータの加速レートとオフセット速度は各ドライバであらかじめ設定できるようになっている。
また、インフィード用各ドライバ3f、3g、3h、およびドラグ用ドライバ3j、RTF用ドライバ3iは、対応する各マスタ局からの速度制御指令信号と、インフィード、ドラグ、およびRTFの機械軸に接続されたインクリメンタル型ロータリーエンコーダ(不図示)からの信号を比較して、モータの速度を指令値に合わせる制御を行う。
次に、このように構成された本装置の制御プログラムの概要を図3を用いて説明する。図3には、縦軸に機械速度、横軸に時間tをとり、時間t1から緩動運転が行われるL1、加速領域であるL2、定常運転領域であるL3と連なるモータの制御ラインが示されている。
印刷機、インフィード、ドラグ、およびRTFの駆動モータは、すべて折機のマスタ局5dの位置メモリに取り込まれた折機モータ2dの停止中の折機モータ軸位置を基準として生成された仮想マスタ軸データに基づいて行う。
先ず、輪転印刷機がスタートして緩動運転が行われている間、印刷機モータは未だ位相合わせせず一定速での速度制御を行う。
印刷機モータが速度同期して回転している緩動運転領域L1から、通常運転加速領域L2に入る時点で位置制御に切り替わり、個々の印刷機モータの速度を印刷速度(同期速度)に対して加速または減速することによって位相合わせを開始する。
位相合わせが完了した後の胴着時点は従来と同じであるが、その前に位相合わせが必ず完了するようになっている。そして、定常運転に至るが位置制御はその後も継続して行われる。
折機モータは、仮想マスタ軸データに基づき、終始位置制御を行う。
インフィード、ドラグ、およびRTFモータも、仮想マスタ軸データに基づき終始速度制御を行う。
なお、保守、紙通し、インキやブランケット洗浄等印刷準備段階では、マスタ局5とは切り離して、別の固定速度指令装置によって運転を行う。
本実施形態に係る同期制御装置では、上述のように位置制御および速度制御が行われるが、さらに詳しく説明すると、次の手順で位置制御および速度制御を行う。
(1)緩動運転を含む輪転印刷機の運転開始前に、折機の現在位置の情報を折機のマスタ局5dの仮想マスタ軸データにインプットする。
マスタ局5dはその位置を基準として演算を開始する。これによって輪転印刷機立ち上がりの際、折機モータの位相合わせを行う必要がないため、ウエブ紙の速度差による不具合の発生が防止される。
即ち、輪転印刷機の運転開始前に、折機の運転開始前の現在位相を示すアブソリュート型ロータリーエンコーダ4dからの信号を折機のマスタ局5dの仮想マスタ軸データ記憶部にインプットし、折機の仮想マスタ軸データ記憶部はその値をメモリしておいて、輪転印刷機を立ち上げて印刷機や折機の同期運転を行うときの演算の基準としている。
従来のように、輪転印刷機が起動してから折機の位相合わせを行う方式の場合、インフィードIFa、IFb、IFcや、RTFDRa、ドラグDRbにより速度制御されて一定速度で送り出されているウエブ紙は、折機のモータが位相合わせのために増速すると異常な引っ張り力を発生し、遂には針穴を破って損紙が貯まったり、ウエブ紙が破断してしまうことがある。逆に減速すると、ウエブ紙にたるみを生じ、紙詰まりを起こすことがある。本実施の形態では、最初に折機のモータの位置を基準として印刷機モータの位置を制御する方式のため、このような不具合は発生しない。
(2)輪転印刷機の緩動運転が開始されたら、図1に示す各印刷機1(a〜c)の各モータ2(a〜c)は、折機のマスタ局5dによって生成された仮想マスタ軸データが各マスタ局5(a〜c)によって制御信号に変換されて各モータのドライバ3(a〜c)へ出力され、図3に示すように速度同期制御によって運転される。即ちこの段階では、位相を合わせるための位置制御は未だ行わない。
これによって初期位置の異なる各印刷機の機械軸が位相合わせのために、修正動作運転状況がまちまちになる危険を防止している。
例えば機械停止時に手動操作した印刷機では、各印刷機の機械軸はそれぞれ任意の位置に停止している。即ち各印刷機の機械軸はそれぞれ位相がずれている。それを緩動運転開始時点から位置同期で運転すると、その位置から各印刷機の機械軸を位置合わせしようとするため、印刷機毎にモータ回転の状況にムラができる。緩動運転では操作員が手動で版胴表面を清掃することがあるが、操作員には回転ムラの予見が出来ないため、回転速度が変わると操作性が悪いし、危険もともなう。
本実施の形態では、緩動運転の間を速度同期運転とすることによって、緩動運転開始と同時にすべてのモータが同じ速度で起動、運転するため、操作性や安全性を損なわない。
この間、折機1dのモータ2dは引続いて仮想マスタ軸データに基づく位置同期制御を継続する。また、インフィードモータ2f、2g、2h、RTFモータ21、ドラグモータ2jは輪転印刷機の緩動運転開始と同時に、仮想マスタ軸データに基づいて速度同期制御が行われる。
(3)輪転印刷機の印刷運転のための加速が開始されたら図3の加速領域L2では、図1に示す各印刷機1(a〜c)のモータ2(a〜c)、および折機1dのモータ2dを図3に示すように通常運転の加速レートで加速しながら位置同期制御を開始する。
即ち、折機のマスタ局5dから仮想マスタ軸データを受け取った各印刷機に対応するマスタ局5(a〜c)はそのデータを変換して各モータのドライバ3a、3b、3cに、通常運転のレートで加速するようモータ回転指令信号を出す。また、折機のマスタ局5dはドライバ3dに通常運転のレートで加速するようモータ回転指令信号を出す。
各印刷機のドライバ3(a〜c)は、その時点でのアブソリュート型ロータリーエンコーダ4(a〜c)によって検出された各印刷機1(a〜c)の機械軸の位相が、受け取った回転指令信号、即ち、折機の位相と一致した信号と一致した位相になるよう機械軸の各位相を進める、または遅らせるように、モータ2(a〜c)を加減速する。具体的には図3に示すように各印刷機のドライバ3(a〜c)はそのオフセット速度が折機の加速レートに対し増/減速する部分の間に折機の加速レートに同速な平行速度にするように速度設定される。
また、インフィードモータ2f、2g、2h、RTFモータ21、ドラグモータ2jは図3に示すように輪転印刷機の印刷運転の状態に関係なく仮想マスタ軸データに基づいて速度制御を行う。
すべての印刷機1(a〜c)および折機1dの各モータ2(a〜c)及び2dが同期した後も、そのまま加速を続け、胴着設定速度に到達した時点で、印刷機1(a〜c)の印刷胴が着(印刷状態)になり、さらに加速を続け、所定の印刷速度で定速度運転(L3)する。
本実施の形態は、図1に示す各印刷装置1(a〜c)および折機1dの各モータ2(a〜d)に結合するロータリーエンコーダ4(a〜d)に特殊な多回転式のアブソリュート型を採用したため、各モータの原点位置を検出するのに、インクリメンタル型のようにモータを回転させて、基準位置である近接センサーを一旦通過してからのパルス数を演算して位相を求める必要はなく、モータを静止したままで位相を求めることが出来る。即ちアブソリュート型ロータリーエンコーダを使用したため、各モータの位相を求めるためのモータの回転は原理的に必要としない。
そのため原点を見つけるための時間が不要であり同期制御に要する時間を短縮することができる。
また、本実施の形態は、上記モータを駆動するドライバ3(a〜d)に同期運転の際、モータの加速レートとオフセット速度を可変にする機能をもたせているため、常に最適なモータ増減速度が得られ、同期制御に要する時間を短縮できる。このため、通常運転のような急なレートの加速時にも位相合わせを短時間で実行することが可能である。これらにより加速レートの大きな通常運転中に同期運転を完了することができるようになり、生産性の向上を見込むことができる。
また、同期運転から通常運転への切り替えがないため装置もその分簡単になり、またその際発生するウエブ張力変動要因が無い。
また、上記アブソリュート型ロータリーエンコーダ4(a〜d)の使用により、ロータリーエンコーダの電源が万一、一時的にダウンしても従来のインクリメント型のように原点位置が不明になることはなく、またノイズが混入した場合でも、一過性であり、インクリメント型のようにそのまま位置誤差として、即ち天地見当誤差として保持されることはない。
更に、原点位置の検出に必要だった近接センサーが不要になった。このように、本実施の形態の同期装置によって、生産性向上のほか、安定性、安全性および信頼性を向上することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を説明する。図2は本第2実施形態に係る同期制御装置を備えた、折機が2台の場合(もしくは2台以上の場合を代表する)の輪転印刷機械の全体構成図である。
2台目の折機1nに対応するマスタ局5nも、第1実施形態(図1)に示す折機1dに対応するマスタ局5dと同様に折機1nのデータを基準に、バーチャルマスタの位置データ等を計算によって生成し、各マスタ局にその仮想マスタ軸データを送るように構成される。
仮想マスタ軸データは図2の場合、5個のマスタデータが1つの通信フレームとして光2重リンクを8ミリ秒などの速さで循環し、次々変化しているデータを送っている。連結する印刷装置ブロック又は折機が増えると、マスタ局が増え、マスタ局の数と同数のマスタデータを載せたデータ群(通信フレーム)が上述したように循環する。この時、折機のマスタ局5d、5nなどは上述したようにデータを生成するが、他の印刷機ブロックのマスタ局5a、5b、5cなどはデータを生成しないので空データとして循環する。各マスタ局の管轄下にあるドライバ、例えばマスタ局5cの管轄下にあるドライバ3C、3C1ないし3C7、3hなどそれぞれは印刷機の運転前にどの折機と連結するかは決められ、シーケンサから指示される。即ち、各ドライバ3Cなどはどのマスタデータを使用するかを指示され、指示されたデータを取り込むことになる。
よって、本第2実施形態は、前述した第1実施形態と同様な作用・効果が得られるのに加え、複数組の印刷機を同時に運転制御できる効果がある。即ち、この第2実施形態においては、折機毎に違った運転パターンで運転制御ができる。この事は図2で示したように、各印刷色毎にモータを設け、機械的に連結していない、いわゆるシャフトレスの印刷機においては、各印刷装置の組み合わせの自由度が大きくなり印刷できる種類が増える効果がある。
以上詳述したように、本実施形態は、複数のモータによって回転駆動される印刷機にあって、上述複数のモータ相互の位相を合わせるための制御装置において、折機のデータから制御指令を生成し、各マスタ局に分配を行う仮想マスタ軸データを導入し、位相合わせ運転において、印刷機の駆動は、上述仮想マスタ軸データに基づく指令信号によって、緩動運転中は速度同期制御を、印刷用加速開始以降では位置同期制御に切り替えることを特徴とする。
これによって輪転印刷機立ち上がりの際、折機モータの位相合わせを行う必要がないため、一定速度で送り出されているウエブ紙に、折機のモータが位相合わせのための増速により異常な引っ張り力を発生することはなく、ウエブ紙が破断したり、紙詰まりを起こすことがない。
そして、モータの回転を検出するために多回転型アブソリュートエンコーダを採用し、輪転印刷機の運転開始前に、折機用モータの現在の位相を検出し、そのデータを基準として、上述仮想マスタ軸データを生成し、輪転印刷機の運転開始時には速度同期制御が行われ折機用モータが位相合わせ動作をすることはない。
よって、操作性や安全性を損なうことがない。
本発明によれば、位相合わせが終了した後、機械の加速度を通常運転加速度に上げるための切り替える必要がなく、運転モードが単純化し、運転速度へ立ち上げるまでの時間が短縮され、生産性が向上する輪転印刷機を提供出来る。
また本発明は、折機と印刷機により輪転印刷機において、折機モータの運転中に折機自体の位相合わせを行わず、よって、折機による印刷用紙の損傷が減少する輪転印刷機を提供出来る。
本発明の第1実施の形態に係る同期制御装置を備えた、折機が一台のみの場合の輪転印刷機械の全体構成図である。 本発明の第2実施の形態に係る同期制御装置を備えた、折機が2台の場合の輪転印刷機械の全体構成図である。 制御装置の主として位相合わせに関する機能を説明する説明図である。 従来技術による同期制御装置を備えた輪転印刷機械の全体構成図である。 従来技術による定速運転中の原点合わせを説明する図である。 従来技術によるゆるやかな加速中の原点合わせを説明する図である。
符号の説明
1a〜1c 印刷機
1d 折機
2a〜2c 印刷機モータ
2d 折機モータ
5a〜5c 印刷機マスタ局
5d 折機マスタ局

Claims (4)

  1. 複数の印刷機と、折機と、該印刷機及び該折機のそれぞれを駆動する複数のモータと、該複数のモータの位相を検知するアブソリュート型ロータリーエンコーダと、該印刷機、該折機、及び該複数のモータを制御する制御装置と、を備えた輪転印刷機において、
    前記制御装置は、前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて位相を検知した前記印刷機の各モータを一定の同じ速度で緩動運転する速度同期制御であって、該速度同期制御中に前記印刷機の各モータの位相と前記折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行わない速度同期制御を行った後、前記折機のモータの位相の情報を基準として前記緩動運転から通常運転に至る加速中に前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した印刷機の各モータの位相と折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行う位置同期制御を行うものであって、
    前記位置同期制御は、前記印刷機のモータの位相と前記折機のモータの位相が合うように当該印刷機の位相を進める、または遅らせるように前記印刷機のモータを加減速する制御であることを特徴とする輪転印刷機。
  2. 前記制御装置は、前記折機のモータの位相の情報を基準として演算により仮想マスタ軸データを生成し、生成した仮想マスタ軸データに基づき位置同期制御を行うものであって前記位置同期制御中に当該仮想マスタ軸データを変換したモータ回転指令信号に基づき前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した折機のモータの位相と前記印刷機のモータの位相が合うように加減速を行うことを特徴とする請求項1に記載の輪転印刷機。
  3. 前記制御装置は、
    前記折機のモータの位相の情報に基づいて前記各モータの速度制御の基準となる仮想マスタ軸データを生成する折機のマスタ局と、
    前記複数の印刷機に対応し、前記仮想マスタ軸データに基づいて印刷機のモータの位相を制御する印刷機のマスタ局と、
    を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の輪転印刷機。
  4. 複数の印刷機と、折機と、前記印刷機及び前記折機のそれぞれを駆動する複数のモータと、前記折機及び前記複数の印刷機の位相を検知するアブソリュート型ロータリーエンコーダと、前記複数のモータを制御する制御装置と、を備えた輪転印刷機において、
    前記制御装置は、
    前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて位相を検知した前記複数のモータを一定の同じ緩動速度で回転させる速度同期制御であって、該速度同期制御中に前記印刷機の各モータの位相と前記折機のモータの位相を合わせるための位置制御を行わない速度同期制御を行った後、
    前記折機のモータの回転速度を一定のレートで加速させると共に、前記アブソリュート型ロータリーエンコーダにて検知した前記折機のモータの位相と前記複数の印刷機のモータの位相のそれぞれの位相差に基づいて前記複数の印刷機のモータの回転速度を変動させて前記複数の印刷機のモータの位相と前記折機のモータの位相を合わせる制御を行うことを特徴とする輪転印刷機。
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