JP4859813B2 - 印刷機の駆動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールにより構成される新聞輪転機および商業用オフセット輪転機および枚用印刷機などの印刷機の駆動制御装置に関し、特に、複数の印刷機と折機と複数の駆動ロール同士を機械的に接続したラインシャフト式印刷機、複数の印刷機と折機と複数の駆動ロール同士が機械的に接続されていないシャフトレス式印刷機において、機械的障害の発生等により印刷機を印刷運転より減速停止または急減速させる際、機械の破損等を防ぐことができる印刷機の駆動制御装置に関するものである。
新聞輪転機および商業用オフセット輪転機および枚用印刷機などの印刷機としては、複数の印刷機と折機と複数の駆動ロール同士を機械的に接続したラインシャフト式印刷機が用いられてきたが、近年では複数の印刷機と折機と複数の駆動ロール同士が機械的に接続されていないシャフトレス式印刷機が使用されるようになってきている(シャフトレス式印刷機については例えば特許文献1,2等参照)。
上記印刷機において、ラインシャフト式印刷機は、印刷機と折機と複数の駆動ロールの軸が機械的に接続されており、定常印刷運転から減速停止させる際に、通常、印刷機と折機と複数の駆動ロール等は同期して減速する。
一方、印刷機と折機と複数の駆動ロール同士が機械的に接続されていないシャフトレス式印刷機においては、定常印刷運転から減速停止させる際、印刷機、折機、駆動ロールなどを同じ速度変化率で同時に減速させ、定常運転時の位相関係をそのまま維持するようにしている(印刷機を減速停止させる技術については、例えば特許文献3、特許文献4等参照)。
ここで、印刷機および折機および駆動ロールを停止させる手段には、駆動電動機に供給する電力を遮断し機械的損失のみで停止させるフリーラン停止、フリーラン停止+機械式ブレーキでフリーラン停止よりも速く停止させる方法、直流機におけるフリーラン停止+電力抵抗器に機械の減速エネルギーを消費させるダイナミックブレーキ方式、インバータ制御におけるダイナミックブレーキ+駆動電動機を速度制御(回生運転)で停止させる方法、電源側に機械の減速エネルギー(電力)を回生させることが可能な電力回生装置を使用し、駆動電動機を速度制御(回生運転)で停止させる方法などがある。
この中で印刷機と折機と駆動ロールを減速停止させる方法として、決められた一定の減速レートで速度指令信号を漸減し、印刷機および折機および駆動ロールの駆動電動機を速度制御(回生運転)することにより機械を停止させる方法が主流となっている。
この方法は特に複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールを機械的な結合なしに個別駆動するシャフトレス式印刷機において、駆動電動機を速度制御または同期位置制御で停止させることは、複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールを同じ速度変化率で同時に減速停止させることができる有効な手段であるが、ラインシャフト式印刷機においても、多くの場合、この方法が採用される。
特許第3073727号公報 特許第3383264号公報 特開2003−205598号公報 特開2005−254820号公報
ラインシャフト式印刷機、シャフトレス式印刷機において、印刷機および折機および駆動ロールを速度制御により減速停止または急減速させているとき、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の不具合、または外部要因によるトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き、印刷用紙の紙詰まり、ボールベアリングの焼付き・破損、工具などの巻き込み、人体の巻き込みなどが発生した場合、機械的にはこれらの障害により、あらかじめ設定された減速停止レートまたは急減速レートよりも速い減速レートで停止しようとする。
この場合、従来は速度制御により減速運転しているため、印刷機または折機または駆動ロールに上記障害が発生して速度が急速に低下しようとすると、速度制御装置は電動機回転速度が速度指令に一致させるよう動作し、電動機駆動制御回路に対するトルク指令または電流指令を増加させて速度が低下しないように働く。
その結果、印刷機または折機または駆動ロールに上記障害が発生して機械的には速く停止しようとしていても、制御装置はあらかじめ設定された減速レートで無理に電動機を回してしまい、結果的に機械の破損・ダメージの拡大あるいは人的災害を拡大してしまっていた。
図11(a)は、従来の減速停止時の電動機回転速度の変化を示したものである。
印刷運転中に減速停止指令が与えられると、フリーラン停止時の減速レートよりも速い減速レートで速度指令が漸減し、速度制御装置は回生トルク指令または回生電流指令を出力し、電動機駆動制御装置および電動機は、これに従い回生運転(ブレーキ側運転)で減速する。
しかし、減速途中で機械自身の不具合や外部要因によるトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き・印刷用紙の紙詰まり・ボールベアリング焼付き・破損、工具類巻込み・人体巻き込みなど機械的障害が発生すると印刷機は減速速度指令よりも速い減速レートで減速しようとする。
ところが、速度制御装置が動作中の場合、速度制御装置は速度指令に応じた減速レートで減速させるよう動作するため、力行制御すなわち電動機を駆動側で無理して回そうとする。そのため印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を招いていた。
図11(b)は、図11(a)の速度制御状態を速度制御装置のトルク指令または電流指令の動作で表したものである。
縦軸上側が力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)、縦軸下側は回生側トルク指令(−)または回生側電流指令(−)である。横軸は時間軸を示す。
一定速度で印刷運転中は力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)を示すが、減速停止指令が与えられると回生側トルク指令(−)または回生側電流指令(−)となる。減速途中で機械自身の不具合や外部要因によるトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き・印刷用紙の紙詰まり・ボールベアリングの焼付き・破損、工具類の巻き込み・人体の巻き込みなど機械的障害が発生すると印刷機は減速速度指令よりも速い減速レートで停止しようとする。
ところが、速度制御装置は速度指令に応じた減速レートで減速するよう動作するため、力行制御すなわち電動機を駆動側で無理して回そうとする。そのため印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を招くことになる。
なお、非常停止操作などにより、印刷機および折機および駆動ロールを駆動する電動機への電力供給を遮断し、印刷機および折機および駆動ロールをフリーラン停止(機械的損失のみで機械を自由停止させる)場合は、上記問題は生じないが、ここではこのような操作は考えないこととする。
なお、制御装置等が無停電電源装置から給電され、停電が発生したとき、フリーラン停止をさせるのではなく、停電対策用減速レートで速度を減少させ、短時間で印刷機の動作を停止させるように構成されている場合、減速停止中に電力回生モード(発電モード)に移行し、停電時でも主回路の電圧が回復する。
このような場合にも、停電対策用減速レートで速度を減少させているときに機械的障害等が発生すると、上記と同様に、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージを与える可能性がある。
以上のように、従来の印刷機の駆動制御装置においては、減速途中で機械的障害等が発生すると電動機を駆動側で無理して回そうとするため、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を招くといった問題が生じていた。
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、停止中における力行側の駆動指令を制限することにより、減速停止中に機械的障害などが発生しても、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を招くことがない印刷機の駆動制御装置を提供することである。
本発明においては、上記課題を次のように解決する。
(1)複数の電動機を駆動制御する電動機駆動制御装置と、該複数の電動機により駆動され、回転軸が機械的に連結された複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールからなるラインシャフト式印刷機の駆動制御装置において、ラインシャフト式印刷機を制御する主幹制御装置は、印刷機の印刷運転を停止する際、上記速度指令信号を、フリーラン停止させるより速い所定の減速レートで低下させ、上記電動機を該減速レートで減速停止させるように構成され、主幹制御装置に設けられた速度制御部には、上記電動機を減速停止させる際に動作し、上記電動機へ力行側の駆動信号が出力されないように制限する制限回路が設けられる。
そして、上記電動機を減速停止させる際、上記電動機の回転が機械的に制限されて上記減速レートより速い減速レートで減速する状態が発生した際、上記制限回路により、上記電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限する。
上記構成とすることにより、ラインシャフト式印刷機を印刷運転中に減速停止または急減速させる場合において、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の不具合および外部要因のトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き、印刷用紙の紙詰まり、ボールベアリングの焼付き・破損、工具などの巻込み、人体の巻き込みなどが発生し、機械的にはこれらの機械的障害により、上記減速レートよりも速い減速レートで停止しようとする場合に、この速い減速レートを優先させることができる。
すなわち、制限回路により、電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限しているので、複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールを速度制御により本来の減速レートまたは急減速レートで無理に駆動(力行運転)させることなく、障害の発生した印刷機または折機または駆動ロールのより速く停止しようとする減速レートを優先させることができる。
このため、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害を最小限に抑えることが可能となる。
(2)同期位置制御装置により制御され、複数の電動機を駆動制御する電動機駆動制御装置と、該複数の電動機により駆動され、回転軸が機械的に連結されていない複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールからなるシャフトレス式印刷機の駆動制御装置において、シャフトレス式印刷機を制御する主幹制御装置は、印刷機の印刷運転を停止する際、上記速度位置指令信号を、フリーラン停止させるより速い所定の減速レートで低下させ、上記電動機を該減速レートで減速停止させるように構成され、同期位置制御装置に設けられた速度位置制御部には、上記電動機を減速停止させる際に動作し、上記電動機へ力行側の駆動信号が出力されないように制限する制限回路が設けられる。
そして、上記電動機を減速停止させる際、上記電動機の回転が機械的に制限されて上記減速レートより速い減速レートで減速する状態が発生した際、上記制限回路により、上記電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限する。
上記構成とすることにより、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の不具合および外部要因のトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き、印刷用紙の紙詰まり、ボールベアリングの焼付き・破損、工具などの巻込み、人体の巻き込みなどが発生し、機械的にはこれらの機械的障害により、上記減速レートよりも速い減速レートで停止しようとする場合に、この速い減速レートを優先させることができる。
すなわち、制限回路により、電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限しているので、複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールを速度制御により本来の減速レートまたは急減速レートで無理に駆動(力行運転)させることなく、障害の発生した印刷機または折機または駆動ロールのより速く停止しようとする減速レートを優先させることができる。
このため、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害を最小限に抑えることが可能となる。
(3)上記(2)において、無停電電源装置と停電検出器と回生コンバータと過電圧防止用ダイナミックブレーキユニットと電力抵抗器を設け、回生コンバータが出力する直流主回路電源が各電動機駆動制御装置へ給電される場合において、電動機への給電が停止する停電時、主幹制御装置は上記無停電電源装置から給電され、主幹制御装置は、上記停電検出器により停電が検出されたとき、上記速度位置指令信号を、停電対策用減速レートで低下させる。そして、上記速度位置制御部は、上記制限回路により、上記電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限する。
上記構成とすることにより、シャフトレス式印刷機を印刷運転中に、停電検出または瞬時停電検出により停電対策用減速レートで減速停止または急減速させる場合において、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の不具合および外的要因のトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き、印刷用紙の紙詰まり、ボールベアリングの焼付き・破損、工具などの巻込み、人体の巻き込みなどが発生し、機械的にはこれらの機械的障害により減速停止レートまたは急減速レートよりも速い減速レートで停止しようとする場合に、この速い減速レートを優先させることができる。
すなわち、制限回路により、電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限しているので、複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールを速度制御により本来の減速レートまたは急減速レートで無理に駆動(力行運転)させることなく、障害の発生した印刷機または折機または駆動ロールのより速く停止しようとする減速レートを優先させることができる。
このため、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害を最小限に抑えることが可能となる。
上記制限回路は、障害の発生した印刷機または折機または駆動ロールのより速く停止しようとする減速レートを優先するマイナストルク指令またはマイナス電流指令の優先回路と優先回路を有効にする切り換え回路から構成される。
具体的には、印刷運転中に停止信号または急減速信号が速度制御部(速度位置制御部)に与えられた場合、マイナストルク指令またはマイナス電流指令の優先回路(力行制限回路)によりトルク指令または電流指令の力行側信号(プラス信号)をゼロにリミットし、回生信号(マイナス信号)のみ出力できるようにする。もし力行信号(プラス信号)が比例積分回路より出力された場合には、ゼロ信号とのマイナス優先回路によりゼロ信号(トルク指令または電流指令がゼロ)が出力される。これにより機械が障害により速度指令よりも速く停止しようとした場合、制御装置はこれを妨げないように働き、機械的損失のみで停止させることができる。
この制御は、ラインシャフト式印刷機の場合は、主幹盤内速度制御装置で行われ、シャフトレス式印刷機の場合は、各同期位置制御装置および各電動機駆動制御装置において行われる。
なお、駆動電動機および電動機駆動制御装置の種類により、速度制御装置より電動機駆動制御装置へ出力される信号をトルク指令または電流指令として説明する。本明細書では、インバータ制御装置と三相誘導電動機の組み合わせの場合をトルク指令、サイリスタレオナード制御装置と直流電動機の組み合わせの場合を電流指令として記述する。
本発明においては、以下の効果を得ることができる。
(1)ラインシャフト式印刷機あるいはシャフトレス式印刷機の駆動制御装置において、主幹制御装置に設けられた速度制御部に、電動機を減速停止させる際に動作し、上記電動機へ力行側の駆動信号が出力されないように制限する制限回路を設けているので、印刷運転中に減速停止または急減速させる際、例えば印刷用紙の巻き付き、印刷用紙の紙詰まり、ボールベアリングの焼付き・破損、工具などの巻込み、人体の巻き込みなどの機械的障害が発生し、上記減速停止レートよりも速い減速レートで停止しようとする場合において、障害の発生した印刷機または折機または駆動ロールの速く停止しようとする減速レートを優先させることができ、本来の減速レートまたは急減速レートで無理に駆動(力行運転)させることがない。
このため、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害を最小限に抑えることができる。
(2)制御装置等が無停電電源装置から給電され、停電が発生したとき、停電対策用減速レートで速度を減少させ印刷機の動作を停止させるように構成されている場合、減速停止中に電力回生モード(発電モード)に移行し、停電時でも主回路の電圧が回復する。
このように停電対策用減速レートで速度を減少させている際、前記と同様に機械的障害等が発生すると、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージを与える可能性があるが、本発明では、電動機を減速停止させる際に動作し、上記電動機へ力行側の駆動信号が出力されないように制限する制限回路を設けているので、障害の発生した印刷機または折機または駆動ロールの速く停止しようとする減速レートを優先し印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害を最小限に抑えることができる。
図1は本発明の第1の実施例である折機および各印刷機が機械的に接続されたラインシャフト式印刷機の構成例を示す図、図2は本発明の第1の実施例であるラインシャフト式印刷機の速度制御装置を示す図である。
図1において、1は折機、2は印刷機、3は折機の折胴、4は印刷機の版胴、5は縦軸、6は主軸、7はクラッチ、8は主電動機であり、主電動機8により駆動される主軸6はクラッチ7を介して互いに連結され、折機の折胴3、印刷機の版胴4は、縦軸5を介して主軸6に連結されている。このため、クラッチ7が接続されているとき、折機1、印刷機2は同期運転される。
16は速度設定信号を出力する速度設定器、9は主軸6の回転速度を検出する速度検出用パルスジェネレータ(または速度発電機)、14は速度制御装置、10は主電動機8を駆動制御する電動機駆動制御装置、13はクラッチ7と連動するリレー接点である。
速度設定器16には、起動、停止、増速、減速などの外部信号17が与えられ、速度設定器16は、上記外部指令に応じた速度指令信号15を速度制御装置14に出力する。
速度制御装置14には、上記速度設定器16よりの速度指令信号15と速度検出用パルスジェネレータまたは速度発電機9からの速度フィードバック信号12が入力され、速度制御装置14は、速度指令信号15と速度フィードバック信号12との速度偏差に応じて、トルク指令または電流指令を出力する。トルク指令または電流指令は、電動機駆動制御装置10に与えられ、電動機駆動制御装置10はトルク指令または電流指令に基づき各主電動機8を駆動する。
図2は、本発明の第1の実施例である図1に示したラインシャフト式印刷機における速度制御系の構成例を示す図である。同図は、図1に示した速度設定器16、速度制御装置14、電動機駆動制御装置10、主電動機8等から構成される部分を示したものであり、本実施例の速度制御装置14は、比例積分制御回路と、本発明に係る力行制限回路(マイナストルク指令優先回路またはマイナス電流指令優先回路、以下、マイナス指令優先回路ともいう)を有効にする切り換え回路を有する。なお、力行制限回路と切り換え回路は、理解しやすいように簡略化して表現したものである。
同図において、41は起動・停止・増速・減速などの外部接点信号、42は外部接点信号41の動作状態に応じた速度指令を生成する速度指令装置(図1の速度設定器16に相当)、43は速度指令装置より出力される速度指令信号である。
44は速度検出用パルスジェネレータまたは速度発電機67(図1の速度検出用パルスジェネレータ(または速度発電機)9に相当)などにより検出される速度フィードバック信号であり、速度指令信号43及び速度フィードバック信号44は加減算回路45でその偏差が求められ、比例積分制御回路46に与えられ該偏差に対して比例積分演算が施される。
比例積分制御回路46において、47は速度指令信号と速度フィードバック信号の偏差信号、48は比例演算回路であり、比例演算回路48は上記偏差信号47に比例演算を施し、速度偏差比例出力信号49を出力する。この信号49は、速度偏差比例出力信号に上限・下限を設けるリミッター回路50を介して、比例出力信号51として加減算回路56に入力される。
また、52は速度偏差信号に対して積分演算を施す積分演算回路であり、積分演算回路52から出力される速度偏差積分信号53は速度偏差積分信号に上限・下限を設けるリミッター回路54を介して、積分出力信号55として加減算回路56に出力される。加減算回路56は、比例出力信号51と上記積分出力信号55を加算し、トルク指令または電流指令信号57を出力する。
58は、例えばダイオード等から構成される力行制限回路であり、力行側トルク指令または力行側電流指令をトルク指令ゼロ[%]または電流指令ゼロ[A]に制限するマイナス優先回路として機能する。なお、59はトルク指令ゼロ[%]または電流指令ゼロ[A]、60は力行制限回路58より出力されるトルク指令または電流指令である。
図3は、上記力行制限回路58の特性図である。
同図の縦軸は比例積分制御回路46よりのトルク指令、横軸は前記リミッタ回路よりのトルク指令出力である。マイナストルク指令(回生側)は制限されず、プラストルク指令(力行側)のみゼロトルクに制限されることを示しており、印刷機が減速停止する時、速度制御装置が力行状態に移行するのを制限する。
また、61は力行制限回路58の有効/無効を選択する切り換え回路であり、62は力行制限回路58の有効/無効を選択する切り換えリレー、63は切り換えリレーの接点、64は切り換え回路60より出力される最終トルク指令または電流指令である。
65は電動機駆動制御装置(図1の電動機駆動制御装置10に相当)、66は主電動機(図1の主電動機8に相当)であり、電動機駆動制御装置は、前述したように例えばインバータ制御装置と三相誘導電動機の組み合わせ、あるいはサイリスタレオナード制御装置と直流電動機の組み合わせから構成される。
次に図2により本発明の第1の実施例を説明する。
図2において、外部接点信号41の入力信号に応じて速度指令装置42より速度指令信号43が出力される。
電動機65または機械軸に取り付けられた速度検出用ロータリーエンコーダまたはパルスジェネレータまたは速度発電機66により検出される速度フィードバック信号44と速度指令信号43を加減算回路45において演算し、速度偏差信号47を得る。
次に比例積分制御回路46において速度偏差信号47に対する比例信号51と積分信号55を得て、加減算回路56で合成する。
比例積分制御回路46より出力されるトルク指令信号または電流指令信号56は、信号切り換え回路61の切り換えリレー62が切替わっていない場合(接点63が比例積分制御回路46側に接続されている場合)には、そのまま電動機駆動制御装置65に出力され、主電動機66は上記トルク指令信号または電流指令信号に基づき制御される。
また、信号切り換え回路61の切り換えリレー62が切替わっている場合(接点63が力行制限回路58側に接続されている場合)には、比例積分制御回路46より出力されるトルク指令信号または電流指令信号56とトルク指令ゼロまたは電流指令ゼロ59とを力行制限回路(マイナス指令優先回路)58で比較し、ゼロ以下となる信号60を優先出力する。
すなわち、信号切り換え回路60の切り換えリレー62およびその接点63の動作に応じ、比例積分制御回路46より出力されるトルク指令信号または電流指令信号56を選択するか、力行制限回路(マイナス指令優先回路)58より出力されるトルク指令信号または電流指令信号59を選択する。信号切り換え回路61の動作は、いつ力行制限回路(マイナス指令優先回)58を有効にしたいかで決定される。
具体的には、本発明においては、印刷運転中の印刷機において減速停止信号(または急減速信号)が与えられた時、速度制御装置14において力行制限回路(マイナス指令優先回路)58を有効にして、トルク指令または電流指令を回生側指令のみ有効になるように力行側指令をリミットする。これにより、減速停止信号による減速中に機械的な障害などが発生した場合に、印刷機が力行側(駆動側)で減速することによる機械的・人的被害の拡大を防止する。
すなわち、信号切り換え回路61は減速停止信号(または急減速信号) が与えられた時に動作させる。信号切り換え回路61より出力された最終トルク指令または最終電流指令64は電動機駆動制御装置65与えられ、このトルク指令または電流指令により電動機66を駆動する。
なお、電動機66の駆動軸が回ることにより、速度検出用ロータリーエンコーダまたはパルスジェネレータまたは速度発電機67が回転し、電動機回転速度に応じた速度フィードバック信号44が得られる。
図4(a)は、本実施例における減速停止時の電動機回転速度の変化を示したものである。
高速印刷運転中に減速停止指令が与えられると、フリーラン停止時の減速レートよりも速い減速レートで速度指令が漸減する(同図Aの点線)。これに応じ、速度制御装置14は回生トルク指令または回生電流指令を出力し、電動機駆動制御装置65および電動機66は、これに従い回生運転(電気ブレーキ)で急減速する。
しかし、減速途中で機械自身の不具合や外部要因によるトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き・印刷用紙の紙詰まり・ボールベアリングの焼付き・破損、工具類の巻込み・人体の巻き込みなど機械的障害が発生すると印刷機は減速速度指令よりもさらに速い減速レート(同図Bの実線)で停止しようとする。
本発明の力行制限回路58が設けられていない場合には、速度制御装置14は速度指令に応じた減速レート(同図A)で減速するよう動作するため、力行制御すなわち電動機を駆動側で無理して回そうとする。しかし、本発明においては、力行制限回路58が設けられており、減速停止指令が与えられると同時に、切り換え回路61が動作し、力行制限回路58(マイナス指令優先回路)が有効になる。
このため、速度制御装置14からの力行信号(+)は出力されず、力行制限回路58により制限されたトルクゼロ[%]または電流ゼロ[A]信号が電動機駆動制御装置65に出力される。
これにより機械的障害で機械が自然に停止する減速レートが優先される。切り換え回路61の動作状態は、印刷機または折機または駆動ロールが停止するまで保持されるので、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を最小限に抑えることができる。
図4(b)は、図3(a)の速度制御状態を速度制御装置のトルク指令または電流指令の動作で表したものである。縦軸上側が力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)、縦軸下側は回生側トルク指令(−)または回生側電流指令(−)である。
横軸は時間軸を示す。一定速度で印刷運転中は力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)を示すが、減速停止指令が与えられると機械の運動エネルギーを吸収するため回生側トルク指令(−)または回生側電流指令(−)となる。
減速途中で機械自身の不具合や外部要因によるトラブル、例えば印刷用紙の巻き付き・印刷用紙の紙詰まり・ボールベアリングの焼付き・破損、工具類の巻き込み・人体の巻き込みなど機械的障害が発生すると印刷機・折機・駆動ロールは減速速度指令よりもさらに速い減速レートで停止しようとする。ところが、速度制御装置は速度指令に応じた減速レートで減速するよう動作するため、力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)すなわち電動機を駆動側で無理して回そうとする。
しかし、本発明においては、減速停止指令が与えられると同時に信号切り換え回路が動作し、力行制限回路58(マイナス指令優先回路)が有効になるので速度制御回路からの力行側トルク指令信号(プラストルク指令)または力行側電流指令信号(プラス電流指令)は優先選択されず、トルク指令ゼロ[%]信号または電流指令ゼロ[A]信号が電動機駆動制御装置に出力される。
力行制限は印刷機または折機または駆動ロールが停止するまで保持されるので、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を最小限に抑えることができる。
図4(a)、図4(b)と先に示した図11(a)(b)を対比すると明らかなように、図11に示す従来例においては、減速途中で機械的障害が発生すると印刷機は減速速度指令よりも速い減速レートで減速しようとするため、力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)が出力され、電動機を駆動側で無理して回そうとする。そのため印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を招いていた。
これに対し、本発明では、図4(a)(b)に示すように、減速停止指令が与えられると力行制限回路58(マイナス指令優先回路)が有効になるので、減速途中で機械的障害が発生しても、力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)が出力されることはなく、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を招くことはない。
図5は本発明の第2の実施例である折機および各印刷機が機械的に接続されていないシャフトレス式印刷機の構成例を示す図、図6は本発明の第2の実施例であるシャフトレス式印刷機の速度指令設定部および同期位置制御装置および力行制限回路の構成例を示す図である。
図5において、21は折機、22は印刷機、23は折機の折胴、24は印刷機の版胴、27は減速機、28は主電動機であり、主電動機28の回転軸はラインシャフト式印刷機のように機械的に連結されておらず、折機の折胴3、印刷機の版胴4等は、各主電動機28によりそれぞれ駆動されるが、同期位置制御装置により各軸は同期制御される。
29は主電動機28の回転を検出するロータリーエンコーダ、25は回転軸の原点位置に取り付けられた鉄片、26は近接スイッチであり、近接スイッチ26により鉄片25を検知することにより、機械軸原点位置を検出する。
38は速度指令信号を出力する速度指令装置、36は速度位置設定信号を出力する速度位置指令装置、31は同期位置制御装置、30は主電動機28を駆動制御する電動機駆動制御装置であり、32はロータリーエンコーダよりの速度位置フィードバック信号、33は近接スイッチ26よりの機械軸原点信号、34は速度位置指令装置よりの速度位置周波数指令信号、35は速度位置指令装置と各同期位置制御装置間の通信信号、36は速度位置指令装置、37は速度指令装置よりの速度指令信号、38は速度指令装置、39は起動、停止、増速、減速、停電検出などの外部接点信号である。
速度指令装置38には、起動、停止、増速、減速などの外部信号39が与えられ、速度指令装置38は、上記外部指令に応じた速度指令信号37を速度位置指令装置36に出力する。
速度位置指令装置36は上記速度指令信号と折機21の原点位置信号に基づき、折機21、印刷機22などを同期駆動するための速度位置周波数指令信号34を生成し、同期位置制御装置31に出力する。
同期位置制御装置31には、上記速度位置周波数指令信号34と、ロータリーエンコーダ29からの速度位置フィードバック信号、近接スイッチ6からの原点位置信号が入力され、速度位置周波数指令信号34と速度位置フィードバック信号等に基づき、各主電動機28の速度、回転位置を一致させるためのトルク指令または電流指令を演算して出力する。
トルク指令または電流指令は、各電動機駆動制御装置30に与えられ、各電動機駆動制御装置10はトルク指令または電流指令に基づき各主電動機8を駆動する。
なお、ここではシャフトレス式印刷機の構成・動作についは詳述しないが、必要であれば例えば前記特許文献1,2等を参照されたい。
図6は、本発明の第2の実施例である図5に示したシャフトレス式印刷機における速度位置制御系の構成例を示す図であり、同図は、図4に示した速度設定器38、同期位置制御装置31、電動機駆動制御装置30、主電動機28等から構成される部分を示したものであり、主として速度制御系の構成を示しており、速度位置指令装置36、同期位置制御装置31内に設けられた同期位置制御回路などの構成は省略されている。
速度制御系の構成は前記図2に示したものと同様であり、比例積分制御回路と、本発明に係る力行制限回路(マイナス指令優先回路)を有効にする切り換え回路を有する。なお、力行制限回路と切り換え回路は、理解しやすいように簡略化して表現したものである。 同図において、41は起動・停止・増速・減速などの外部接点信号、42は外部接点信号41の動作状態に応じた速度指令を生成する速度指令装置(図5の速度指令装置38に相当)、43は速度指令装置より出力される速度指令信号である。
29はロータリーエンコーダ、73は機械軸原点検出用近接スイッチ(図5の近接スイッチ26に相当)であり、速度指令装置42が出力する同期位置パルス信号68、ロータリーエンコーダ29が出力する速度位置フィードバック信号44および近接スイッチ73からの機械軸原点信号74は、同期位置制御回路69に入力され、同期位置制御回路69は同期位置偏差信号70を出力する。
一方、速度指令装置42が出力する速度指令信号43に、上記同期位置偏差信号70が加減算器71で加減算されて同期位置偏差補正速度指令信号72が生成され、この信号とロータリーエンコーダ29が出力する速度位置フィードバック信号44は加減算回路45に与えられて、その速度偏差が求められ、比例積分制御回路46に与えられ該偏差に対して比例積分演算が施される。
以下の構成は前述した図2で説明したのと同じであり、比例演算回路48は上記偏差信号47に比例演算を施し、速度偏差比例出力信号49を出力し、この信号49は、リミッター回路50を介して、比例出力信号51として加減算回路56に入力される。
また、積分演算回路52は速度偏差信号に対して積分演算を施し、この信号53はリミッター回路54を介して、積分出力信号55として加減算回路56に出力される。加減算回路56は、比例出力信号51と上記積分出力信号55を加算し、トルク指令または電流指令信号57を出力する。
58は力行制限回路であり、前述したように力行側トルク指令または力行側電流指令をトルク指令ゼロ[%]または電流指令ゼロ[A]に制限するマイナス優先回路として機能する。また、61は力行制限回路58の有効/無効を選択する切り換え回路であり、62は力行制限回路58の有効/無効を選択する切り換えリレー、63は切り換えリレーの接点、64は切り換え回路60より出力される最終トルク指令または電流指令である。
65は例えばインバータから構成される電動機駆動制御装置(図4の電動機駆動制御装置30に相当)、66は主電動機(図4の主電動機28に相当)である。
本実施例の動作は基本的に先に図2で説明した第1の実施例と同じであり、加減算回路45が出力する速度偏差信号47が比例積分制御回路46に与えられ、比例積分制御回路46からトルク指令信号(または電流指令信号)57が出力される。
ここで、信号切り換え回路61の切り換えリレー62が切替わっていない場合(接点63が比例積分制御回路46側に接続されている場合)には、そのまま電動機駆動制御装置65に出力され、主電動機66は上記トルク指令信号または電流指令信号に基づき制御される。
また、信号切り換え回路61の切り換えリレー62が切替わっている場合(接点63が力行制限回路58側に接続されている場合)には、前述したように比例積分制御回路46より出力されるトルク指令信号(または電流指令信号56)とトルク指令ゼロまたは電流指令ゼロ59とを力行制限回路(マイナス指令優先回路)58で比較し、ゼロ以下となる信号60を優先出力する。
本実施例においては、前述したように、印刷運転中の印刷機において減速停止信号(または急減速信号)が与えられた時、速度制御装置14において力行制限回路(マイナス指令優先回路)58を有効にして、トルク指令または電流指令を回生側指令のみ有効になるように力行側指令を制限する。これにより、減速停止信号による減速中に機械的な障害などが発生した場合に、印刷機が力行側(駆動側)で減速することによる機械的・人的被害の拡大を防止する。
すなわち、信号切り換え回路61は減速停止信号(または急減速信号) が与えられた時に動作させる。信号切り換え回路61より出力された最終トルク指令または最終電流指令63は電動機駆動制御装置64に与えられ、このトルク指令または電流指令により電動機65を駆動する。
本実施例においても、前記図4(a)、図4(b)で説明したように、減速停止指令が与えられると力行制限回路58(マイナス指令優先回路)が有効になるので、減速途中で機械的障害が発生しても、力行側トルク指令(+)または力行側電流指令(+)が出力されることはなく、印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を防ぐことができる。
次に、停電対策を施したシャフトレス式印刷機に本発明を適用した第3の実施例について説明する。
図7は、シャフトレス式印刷機の停電対策回路の一例である。主電源は三相交流商業用電源81であり、回生コンバータ83に三相交流電力を供給する。停電時は、この電源よりの給電は無くなるが、単相交流無停電電源82が主幹制御装置86および停電検出器84の電源として用意されている。
この電源は停電時、少なくとも全ての機械が停止するまで電力を供給し続ける。回生コンバータ83より直流電力を供給される直流主回路87は、各電動機駆動制御装置89へ接続され、各電動機90を駆動する。主幹制御装置86と各電動機駆動制御装置89は高速通信手段88によって結ばれ、速度位置指令が各電動機駆動制御装置89へ与えられる。蓄電装置91は直流主回路87に接続され、充電抵抗器93を介して蓄電用電力コンデンサ94を常時充電する。
印刷運転中に停電が発生すると、直流主回路87の電圧が低下し始めると同時に蓄電装置91は、蓄電用電力コンデンサ94に蓄えられた電力を電力用整流器92を介して放電し、直流主回路87の急激な電圧低下を阻止する。一方、停電検出器84は三相交流商業用電源81の電圧を常時監視し、電圧が設定された値を下まわると停電と判断し、停電検出信号85を主幹制御装置86へ与える。
これにより、主幹制御装置86は、後述する図9に示す停電発生時急減速速度指令パターンに基づく速度位置指令を高速通信手段88により各電動機駆動制御装置89へ与える。
各電動機駆動制御装置89は、与えられた速度位置指令に従い、電動機90を急減速させ、力行モード(駆動モード)から電力回生モード(発電モード)に移行する。これにより直流主回路電圧は、急速に上昇し、電動機駆動制御装置89が不足電圧(低電圧)を検知して停止することを回避する。その後、電動機90は主幹制御装置86から与えられる上記停電発生時急減速速度指令パターンに基づき減速を続けることで、主回路直流電圧を高く維持し、直流主回路87に接続された過電圧防止用ダイナミックブレーキユニット95を動作させ、電力抵抗器96で回生電力を消費することで、主回路直流電圧を一定に保つ。なお、図7における白抜き矢印は停電発生後、急減速中の電流の流れを示す。
図8は停電検出器とのその動作、及び、停電対策を施した本実施例の速度位置制御系の構成例を示す図である。
図8(c)に示す本実施例の速度位置制御系の構成及び動作は図6と基本的に同じであり、本実施例においては、図8(a)(b)に示すように停電検出器85が動作すると、所定の処理時間後に信号切り換え回路61の切り換えリレー62が動作し、力行制限回路58を有効にする。
図9は、印刷運転中に停電もしくは瞬時停電が発生した場合の速度指令の急減速パターンの一例である。
印刷運転中に停電もしくは瞬時停電が発生した場合、三相交流電源の電圧低下の検出、停電検出信号の主幹制御装置86への入力、停電対策プログラムの実行が行われ、停電発生時の減速停止指令パターンが出力される。
停電直後は、図9の実線に示すように、低下した主回路直流電圧を回復させるため、速い減速レートで減速し、瞬時に各電動機を電力回生モード(発電モード)に移行させる。 主回路直流電圧が上昇したら減速レートを少し緩め、直流電圧の安定化を図る。印刷機の回転速度が低下してくると消費電力も低下するため、さらに減速レートを緩め、回転速度ゼロで停電時急減速停止処理を終了する。
この間、図8に示したように力行制限回路58は有効であるので、図4で説明したように、減速途中に上記機械的障害が発生しても印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を最小限に抑えることができる。
図10は、図9における停電発生時の主回路直流電圧の変化の一例を示したものである。停電発生直後は、上記停電対策プログラムが実行されるまでに遅れ時間が存在するため、直流電圧は急速に低下する。
そのまま直流電圧が低下し続けると各電動機駆動制御装置89は不足電圧(低電圧)を検出し運転を停止しまうが、そうなる前に停電対策プログラムが実行され、停電時急減速速度指令が各電動機駆動速度制御装置に与えられると、各電動機90は指令に従い急減速し電力回生モード(発電モード)に移行する。
その結果、主回路直流電圧は急速に回復するが、上昇しすぎると、場合によっては過電圧レベルに到達し各電動機駆動制御装置は過電圧を検出し停止してしまう。
そこでダイナミックブレーキユニット95および電力抵抗器96により構成されるダイナミックブレーキ回路を設け、主回路直流電圧上昇時、ある決められたDB動作電圧になるとダイナミックブレーキユニット95が動作し、電力抵抗器96で電力を消費することで過電圧を防止する。
このように主回路直流電圧は、過電圧および低電圧にならないように制御しなければならず、このような場合、通常主回路直流電圧が一定になるように電圧制御を行うが、新聞用シャフトレス式輪転機のように駆動電動機が数十台におよぶ大規模システムでは、電圧制御の補正を入れると印刷機の速度が変動するとともに主回路直流電圧に大きく影響し、かえって直流電圧が不安定になりやすい。そこで、図9に示した停電時減速パターンを使用し、主回路直流電圧を高くすると共にダイナミックブレーキ回路を動作させることで、主回路直流電圧を一定に保つことができる。
本実施例においては、停電が発生したとき、停電対策用減速レートで速度を減少させ印刷機の動作を停止させるように構成されたシャフトレス式印刷機において、停電対策用減速レートで減速停止中に力行制限回路を有効とし、電動機へ力行側の駆動信号が出力されないように制限しているので、減速途中に上記機械的障害が発生しても印刷機自身または折機自身または駆動ロール自身の破損・ダメージの拡大および人的災害の拡大を最小限に抑えることができる。
なお、上記実施例では、停電対策用減速レートで減速停止中に力行制限回路を有効とする場合について説明したが、前記第2の実施例に本実施例を適用し、減速停止中および停電対策用減速レートで減速停止中、力行制限回路を有効にするように構成してもよい。
本発明の第1の実施例の折機および各印刷機が機械的に接続されたラインシャフト式印刷機の構成例を示す図である。 ラインシャフト式印刷機における力行制限回路を有する本発明の第1の実施例の速度制御系の構成例を示す図である。 減速停止時、力行状態に移行するのを制限する回路の特性図である。 機械的障害が発生した時、力行制限回路により力行側トルク指令を制限された場合の電動機実回転速度の変化、トルク指令の変化の一例を示した図である。 本発明の第2の実施例の折機および各印刷機が機械的に接続されていないシャフトレス式印刷機の構成例を示す図である。 シャフトレス式印刷機における力行制限回路を有する本発明の第2の実施例の速度位置制御系の構成例を示す図である。 シャフトレス式印刷機における停電対策回路の一例を示す図である。 シャフトレス式印刷機における停電検出器と力行制限回路を有する本発明の第3の実施例の速度位置制御系の構成例を示す図である。 停電発生時の減速停止指令パターン例を示す図である。 図9における停電発生時の主回路直流電圧の変化の一例を示す図である。 従来の減速停止時の電動機回転速度の変化とトルク指令または電流指令を示す図である。
符号の説明
1 折機
2 印刷機
3 折機の折胴
4 印刷機の版胴
5 縦軸
6 主軸
7 クラッチ
8 電動機
9 速度検出用ロータリーエンコーダ(またはパルスジェネレータ、速度発電機)
10 電動機駆動制御装置
14 速度制御装置
16 速度設定器
21 折機
22 印刷機
23 折機の折胴
24 印刷機の版胴
25 鉄片
26 近接スイッチ
27 減速機
28 主電動機
29 ロータリーエンコーダ
30 電動機駆動制御装置
31 同期位置制御装置
36 速度位置指令装置
38 速度指令装置
42 速度指令装置
45 加減算回路
46 比例積分制御回路(速度制御回路)
48 比例演算回路
50 リミッター回路
52 積分演算回路
54 リミッター回路
56 加減算回路
58 力行制限回路(回生側トルク指令または回生側電流指令をトルク指令ゼロまたは電流指令ゼロに制限する優先回路)
61 切り換え回路
62 切り換えリレー
65 電動機駆動用制御装置
66 印刷機または折機または駆動ロール駆動用電動機
67 速度検出用ロータリーエンコーダ(またはパルスジェネレータ、速度発電機)
69 同期位置制御回路
71 加減算回路
72 同期位置偏差補正速度指令信号
73 機械軸原点検出用近接スイッチ
74 機械軸原点信号
81 三相交流商業用電源
82 単相交流無停電電源
83 回生コンバータ(三相交流電源/直流電源)
84 停電検出器
85 停電検出信号
86 主幹制御装置
87 直流主回路
88 高速通信信号線(主幹制御装置〜各インバータ間)
89 電動機駆動制御装置(インバータ制御装置)
90 電動機
91 蓄電装置(常時充電、停電時放電)
92 電力用整流器
93 充電抵抗器
94 蓄電用電力コンデンサ
95 過電圧防止用ダイナミックブレーキユニット
96 電力抵抗器

Claims (3)

  1. 主幹制御装置と、該主幹制御装置により制御され、複数の電動機を駆動制御する電動機駆動制御装置と、該複数の電動機により駆動され、回転軸が機械的に連結された複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールからなるラインシャフト式印刷機の駆動制御装置であって、
    上記主幹制御装置は、増速、減速指令を含む速度指令信号を出力する速度指令設定部と、該速度指令設定部からの速度指令信号と上記印刷機、折機あるいは駆動ロールの回転速度を検出する速度検出器からの速度検出信号とを比較し、速度指令信号に速度検出信号が追従するように制御する速度制御部とを備え、
    上記主幹制御装置は、印刷機の印刷運転を停止する際、上記速度指令信号を、フリーラン停止させるより速い所定の減速レートで低下させ、上記電動機を該減速レートで減速停止させるように構成され、
    上記速度制御部には、上記電動機を減速停止させる際に動作し、上記電動機へ力行側の駆動信号が出力されないように制限する制限回路が設けられ、
    上記電動機を減速停止させる際、上記電動機の回転が機械的に制限されて上記減速レートより速い減速レートで減速する状態が発生した際、上記制限回路により、上記電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限する
    ことを特徴とする印刷機の駆動制御装置。
  2. 主幹制御装置と、該主幹制御装置により制御される複数の同期位置制御装置と、該同期位置制御装置により制御され、複数の電動機を駆動制御する電動機駆動制御装置と、該複数の電動機により駆動され、回転軸が機械的に連結されていない複数の印刷機および折機および複数の駆動ロールからなるシャフトレス式印刷機の駆動制御装置であって、
    上記主幹制御装置は、増速、減速指令を含む速度位置指令信号を出力する速度位置指令設定部を備え、
    上記同期位置制御装置は、該速度位置指令設定部からの速度位置指令信号と上記印刷機、折機あるいは駆動ロールの回転速度を検出する速度位置検出器からの速度位置検出信号とを比較し、速度位置指令信号に速度位置検出信号が追従するように制御する速度位置制御部とを備え、
    上記主幹制御装置は、印刷機の印刷運転を停止する際、上記速度位置指令信号を、フリーラン停止させるより速い所定の減速レートで低下させ、上記電動機を該減速レートで減速停止させるように構成され、
    上記速度位置制御部には、上記電動機を減速停止させる際に動作し、上記電動機へ力行側の駆動信号が出力されないように制限する制限回路が設けられ、
    上記電動機を減速停止させる際、上記電動機の回転が機械的に制限されて上記減速レートより速い減速レートで減速する状態が発生した際、上記制限回路により、上記電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限する
    ことを特徴とする印刷機の駆動制御装置。
  3. 無停電電源装置と停電検出器と回生コンバータと過電圧防止用ダイナミックブレーキユニットと電力抵抗器が設けられ、回生コンバータが出力する直流主回路電源が各電動機駆動制御装置へ給電される場合において、
    上記電動機への給電が停止する停電時、上記主幹制御装置は上記無停電電源装置から給電され、
    上記主幹制御装置は、上記停電検出器により停電が検出されたとき、上記速度位置指令信号を、停電対策用減速レートで低下させ、
    上記速度位置制御部は、上記制限回路により、上記電動機の回転数を増速させる側の駆動信号が出力されないように制限する
    ことを特徴とする請求項2に記載の印刷機の駆動制御装置。
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