JPH06184320A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents
吸水性樹脂の製造方法Info
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Abstract
での吸収倍率を高く維持したまま、加圧下での吸収倍率
に優れた吸水性樹脂およびその製造方法を提供する。 【構成】 カルボキシル基を有するベ−スポリマ−とし
ての吸水性樹脂を、溶解度パラメ−タ−(SP値)1
2.5[(cal/cm3 )1/2 ]以上でカルボキシル
基と反応し得る第一架橋剤および溶解度パラメ−タ−
(SP値)12.5[(cal/cm3 )1/2 ]未満で
カルボキシル基と反応し得る第二架橋剤と混合し、16
0℃以上の温度で加熱処理する。
Description
関するものである。更に詳しくは、加圧下においても無
加圧下と同様に高い吸収量を示し、衛生材料に用いたと
きに特に優れた性能を示す吸水性樹脂、及びその製造方
法に関するものである。
し、紙オムツ、生理用ナプキンなどの衛生材料の構成材
料の一つとして吸水性樹脂が幅広く利用されている。
リアクリル酸部分中和物架橋体(特開昭55−8430
4号、特開昭55−108407号、特開昭55−13
3413号)、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体
の加水分解物(特開昭46−43995号)、澱粉−ア
クリル酸グラフト重合体の中和物(特開昭51−125
468号)、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体
のケン化物(特開昭52−14689号)、アクリロニ
トリル共重合体もしくはアクリルアミド共重合体の加水
分解物(特開昭53−15959号)またはこれらの架
橋体、カチオン性モノマーの架橋体(特開昭58−15
4709号、特開昭58−154710号)などが知ら
れている。
体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸水速度、通液
性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基材から水
を吸い上げる吸引力等があげられる。しかしながらこれ
らの特性間の関係は必ずしも正の相関関係を示さず、た
とえば吸収倍率の高いものほど通液性、ゲル強度、吸水
速度等の物性は低下してしまう。
ンス良く改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架
橋する技術が知られており、これまでに様々な方法が提
案されている。
いる方法(特開昭58−180233号、特開昭61−
16903号)、多価グリシジル化合物、多価アジリジ
ン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネ−ト化合
物を用いる方法(特開昭59−189103)、グリオ
キサールを用いる方法(特開昭52−117393
号)、多価金属を用いる方法(特開昭51−13658
8号、特開昭61−257235号、特開昭62−77
45号)、シランカップリング剤を用いる方法(特開昭
61−211305号、特開昭61−252212号、
特開昭61−264006号)、エポキシ化合物とヒド
ロキシ化合物を用いる方法(特開平2−132103
号)、アルキレンカーボネートを用いる方法(DE−4
020780)等が知られている。また架橋反応時に不
活性無機粉末を存在させる方法(特開昭60−1639
56号、特開昭60−255814号)、二価アルコ−
ルを存在させる方法(特開平1−292004号)、水
とエ−テル化合物を存在させる方法(特開平2−153
903号)等も知られている。
性のバランスの改良は幾分なされるもののいまだに十分
とはいい難く、さらなる高品質化が求められている。特
に近年、従来吸水性樹脂の基本物性の一つである無加圧
下での吸収倍率を高く維持したまま、加圧下での吸収特
性、特に加圧下の吸収倍率に優れた樹脂が求められるよ
うになってきた。もちろん無加圧下の吸収倍率と加圧下
の吸収倍率も一般には相反する関係にあり、これまでに
知られている吸水性樹脂の表面架橋技術ではこれらの高
度なニ−ズに十分に答える事ができないのが現状であっ
た。
吸水性樹脂並びにその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は加圧下においても無加圧下と同様、
高い吸収倍率を示し、衛生材料に用いたときに特に優れ
た性能を示す吸水性樹脂、及びその製造方法を提供する
ことにある。
を達成すべく吸水性樹脂の吸水諸特性の更なる向上を鋭
意検討した結果、吸水性樹脂を溶解度パラメ−タの異な
る二種類以上の架橋剤と混合し特定の温度範囲で架橋す
ることによって吸水諸特性、なかでも無加圧下での吸収
倍率を高く維持したまま、加圧下での吸収倍率にきわめ
て優れた樹脂が得られることを見いだし本発明を完成さ
せるに至った。
−スポリマ−としての吸水性樹脂を、溶解度パラメ−タ
−(SP値)12.5[(cal/cm3 )1/2 ]以上
でカルボキシル基と反応し得る第一架橋剤、および溶解
度パラメ−タ−(SP値)12.5[(cal/c
m3 )1/2 ]未満でカルボキシル基と反応し得る第二架
橋剤と混合し、160℃以上の温度で加熱処理すること
を特徴とする吸水性樹脂の製造方法並びに生理食塩水の
吸収倍率が45(g/g)以上、人工尿の加圧下の吸収
倍率が30(ml/g)以上の、不定形破砕状の吸水性
樹脂に関するものである。
ポリマ−としての吸水性樹脂は、水中において多量の水
を吸収しヒドロゲルを形成する従来公知の樹脂であり、
カルボキシル基を有していることが必要である。このよ
うな樹脂としては、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、
デンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解
物、デンプン−アクリル酸グラフト重合体の部分中和
物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化
物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリルアミド
共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カルボキ
シル基含有架橋ポリビニルアルコ−ル変性物、架橋イソ
ブチレン−無水マレイン酸共重合体等を挙げることがで
きる。
樹脂は一般に不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール
酸、クロトン酸、イタコン酸、β−アクリルオキシプロ
ピオン酸及びこれらの中和物から選ばれる一種以上を必
須に含む単量体成分を重合させることにより得られる。
好ましい単量体成分はアクリル酸、メタクリル酸及びこ
れらの中和物である。
−としての吸水性樹脂は、必要により他の単量体を上記
不飽和カルボン酸に併用して用い重合させてもよい。他
の単量体の具体例としては、ビニルスルホン酸、スチレ
ンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタ
ンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスル
ホン酸などのアニオン性不飽和単量体およびその塩;ア
クリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
モノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニ
ルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アク
リロイルピロリジンなどのノニオン性の親水基含有不飽
和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)ア
クリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミドおよびそれらの四級塩などのカチオン性
不飽和単量体などを挙げることができる。
るカルボキシル基の量については特に制限はないが、ベ
−スポリマ−としての吸水性樹脂100gにつきカルボ
キシル基が0.01当量以上存在する事が好ましい。例
えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体の場合におい
て、ポリアクリル酸未中和物の比率は、1〜60モル%
の範囲にあることが望ましく、10〜50モル%の範囲
にあることがより望ましい。
架橋剤を使用しない自己架橋型のものよりは、2個以上
の重合性不飽和基や、2個以上の反応性基を有する内部
架橋剤をごく少量共重合または反応させたものが望まし
い。これらの内部架橋剤の具体例としては、例えば、
N,N′−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポ
リ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリ
セリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレ
ートメタクリレート、EO変性トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト−ルテト
ラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキ
サ(メタ)アクリレ−ト、トリアリルシアヌレート、ト
リアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、
トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、
(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グ
リセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミ
ン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレ
ートなどを挙げることが出来る。またこれらの内部架橋
剤は2種以上使用してもよい。しかし、得られる吸水性
樹脂の吸水特性などから、2個以上の重合性不飽和基を
有する化合物を内部架橋剤として必須に用いることが好
ましく、その使用量としては前記単量体成分に対して
0.005〜2モル%、より好ましくは0.01〜1モ
ル%である。
脂を得る為に上記した単量体を重合するに際しては、バ
ルク重合や沈澱重合を行うことも可能であるが、性能面
や重合の制御の容易さから、単量体を水溶液として、水
溶液重合、逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
−としての吸水性樹脂の形状は不定形破砕状、球状、繊
維状、棒状、略球状等種々のものが本発明に好ましく使
用できるが、液の拡散性、パルプからの移動・脱落のし
にくさ等衛生材料への応用を考えると、水溶液重合によ
り得られた不定形破砕状でかつその平均粒子径が100
〜1000μm、中でも300〜600μmのものが最
も好ましい。
含水率が1〜50%、好ましくは1〜20%、さらに好
ましくは1〜10%で粉体として取扱えるものである。
含水率が50%を越えると本発明に用いる第一架橋剤お
よび第二架橋剤が両者ともベ−スポリマ−としての吸水
性樹脂内部まで浸透し吸水倍率が低下するのみならず、
加圧下での吸収特性が向上しない場合がある。
は、溶解度パラメ−タ−(SP値)12.5[(cal
/cm3 )1/2 ]以上でカルボキシル基と反応し得るも
のである。溶解度パラメ−タ−(SP値)は化合物の極
性を現すファクタ−として一般に用いられており本発明
ではポリマ−ハンドブック第3版(WILEY INT
ERSCIENCE社発行)〓−527〜539に記載
されている溶媒の溶解度パラメ−タ−δ[(cal/c
m3 )1/2 ]の値を適用するものとし、この表に記載さ
れていない架橋剤に関しては同ハンドブックの〓−52
4のSmallの式に〓−525に記載されているHo
yの凝集エネルギ−定数を代入して導いた値δ[(ca
l/cm3 )1/2 ]を適用するものとする。
12.5[(cal/cm3 )1/2]以上でカルボキシ
ル基と反応し得る第一架橋剤としては、エチレングリコ
−ル、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ソルビトール、エチレンカ−ボネイト、プ
ロピレンカ−ボネイト等が例示され、これらの群より選
ばれる1種または2種以上を用いることができる。好ま
しくは溶解度パラメ−タ−(SP値)13.0[(ca
l/cm3 )1/2 ]以上のものである。
は、溶解度パラメ−タ−(SP値)12.5(cal/
cm3 )1/2 未満でカルボキシル基と反応し得るもので
あり、具体的には、ジエチレングリコ−ル、トリエチレ
ングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブ
タンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペン
タンジオ−ル、2,4−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘ
キサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、トリメチ
ロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノール
アミン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコ−ルジグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、エチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテト
ラミン、2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、4,5−ジメチル−1,3−
ジオキソラン−2−オン、エピクロロヒドリン、エピブ
ロモヒドリン等が例示できこれらの群より選ばれる1種
または2種以上を用いることができる。好ましくは溶解
度パラメ−タ−(SP値)9.5〜12.0[(cal
/cm3 )1/2]の範囲にあるものである。
橋剤の群より選ばれる1種または2種以上及び第二架橋
剤の群より選ばれる1種または2種以上を用いることが
必要である。一種の第一架橋剤や、一種の第二架橋剤の
みの使用、もしくは第一架橋剤または第二架橋剤の群よ
り選ばれる2種以上の架橋剤の併用では本発明の意図す
るところの加圧下の吸収特性に優れた吸水性樹脂は得ら
れない。
あたっては、第一架橋剤の溶解度パラメ−タ−(SP
値)と第二架橋剤の溶解度パラメ−タ−(SP値)の差
が2[(cal/cm3 )1/2 ]以上になるように選ぶ
ことが好ましい。溶解度パラメ−タ−(SP値)の差が
2[(cal/cm3 )1/2 ]未満の場合には二種類の
架橋剤を用いた効果が現れにくく得られた吸水性樹脂の
加圧下の吸収特性が向上しにくいことがある。さらに好
ましくは第一架橋剤の溶解度パラメ−タ−(SP値)と
第二架橋剤の溶解度パラメ−タ−(SP値)の差が3
[(cal/cm3)1/2 ]以上であるように選択され
る。
00以下のものが好ましく、第二架橋剤としては、その
分子量が350以下のものが好ましい。第一架橋剤の分
子量が200を越える場合には、第一架橋剤がベ−スポ
リマ−としての吸水性樹脂の表面から内部に浸透せずに
ごく表面近傍にとどまりやすく得られた吸水性樹脂の加
圧下の吸収特性が向上しにくいことがある。また第二架
橋剤の分子量が350を越える場合には、ベ−スポリマ
−としての吸水性樹脂にほとんど浸透せず同じく得られ
た吸水性樹脂の加圧下の吸収特性が向上しにくいことが
ある。好ましくは第一架橋剤としては、その分子量が1
50以下のもの、また第二架橋剤としては、その分子量
が150〜300のものである。
剤の使用量は、用いる架橋剤によっても異なるが、通常
ベ−スポリマ−としての吸水性樹脂の固形分100重量
部に対して、第一架橋剤0.001〜10重量部、第二
架橋剤0.001〜10重量部の範囲である。第一、第
二架橋剤の使用量が10重量部を越える場合、不経済と
なるばかりか、本発明の目的とするところの最適な架橋
効果を達成する上で過剰量となりやすく、また、0.0
01重量部未満の少ない量では、加圧下の吸水諸特性の
改良効果が得られにくい。好ましくは第一架橋剤0.0
1〜8重量部、第二架橋剤0.001〜1重量部の範
囲、さらに好ましくは第一架橋剤0.1〜5重量部、第
二架橋剤0.005〜0.5重量部である。
ての吸水性樹脂と第一、第二架橋剤とを混合する際、水
を用いることが好ましい。本発明において、使用される
水の量は、ベ−スポリマ−としての吸水性樹脂の種類や
粒度や含水率に応じて異なるが、ベ−スポリマ−として
の吸水性樹脂の固形分100重量部当り、20重量部以
下、好ましくは0.5〜10重量部の範囲である。
しての吸水性樹脂と第一、第二架橋剤とを混合する際、
親水性有機溶媒を用いてもよい。用いられる親水性有機
溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコー
ル、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセ
トン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等
のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミ
ド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類を挙げ
ることができる。本発明において、使用される親水性有
機溶媒の量は、ベ−スポリマ−としての吸水性樹脂の種
類や粒度によってその最適量は異なるが、通常、ベ−ス
ポリマ−としての吸水性樹脂の固形分100重量部に対
して、20重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部
の範囲である。
吸水性樹脂と第一、第二架橋剤の混合は有機溶媒中にベ
−スポリマ−としての吸水性樹脂を分散させた状態で行
ってもよいが、本発明で得られる加圧下の吸水特性を最
大限に発揮させる為には、必要により水及び/または親
水性有機溶媒を含む第一、第二架橋剤を直接、ベ−スポ
リマ−としての吸水性樹脂に噴霧あるいは滴下混合する
方法が好ましい。また混合に水を用いる場合、水不溶性
微粒子状粉体を共存させてもよい。
均一な混合を確実にするため大きな混合力を生み出せる
事が必要である。本発明に用いることのできる混合装置
としては例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、
V字型混合機、リボン型混合機、スクリュ−型混合機、
流動型炉ロ−タリ−デスク型混合機、気流型混合機、双
腕型ニ−ダ−、内部混合機、粉砕型ニ−ダ−、回転式混
合機およびスクリュ−型押出機等があげられる。
性樹脂と第一、第二架橋剤とを混合した後、更に加熱を
行い表面近傍を架橋させる。
行う場合、加熱処理温度は160℃以上である。加熱処
理温度が160℃未満では、加熱処理に時間がかかり生
産性の低下をひき起こすのみならず、第一、第二架橋剤
両者による均一な架橋が達成されず、本発明の目的とす
る加圧下の吸水特性の高い樹脂が得られない。より好ま
しくは加熱処理温度は170〜230℃、さらに好まし
くは180〜220℃の範囲である。
いて行うことができ、溝型混合乾燥機、ロ−タリ−乾燥
機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、およ
び赤外線乾燥機等が例示できる。
脂は、例えば生理食塩水の無加圧下での吸収倍率が45
(g/g)以上、人工尿の加圧下の吸収倍率が30(m
l/g)以上というようなこれまでにない優れた物性を
示す。
下での吸収倍率が低下してしまい、また逆に加圧下での
吸収倍率を高めると、無加圧下での吸収倍率が低下して
しまうという問題が常にあったが、本発明で得られる吸
水性樹脂は無加圧下および加圧下共に優れた吸収特性を
示す。この原因については定かではないが、ベ−スポリ
マ−としての吸水性樹脂を溶解度パラメ−タの異なる二
種類以上の架橋剤と混合し特定の温度範囲で架橋するこ
とによって、吸水性樹脂の表面近傍における両架橋剤の
分布が最適化されかつ両者が速やかに架橋反応すること
により、これまでの方法では達成されることのなかった
ような特異な密度勾配をもつ架橋が粒子表面近傍におい
て形成されるためではないかと推測される。またそのベ
−スポリマ−としての吸水性樹脂の形状を、先に述べた
ように不定形破砕状のものを用いれば上記優れた吸収特
性に加え、液の拡散性が良好で、パルプからの移動・脱
落も少ない、従来公知の吸水性樹脂にはない、衛生材料
に特に好適な吸水性樹脂となり得る。
剤、香料、無機粉末、発泡剤、顔料、染料、親水性短繊
維、肥料、酸化剤、還元剤、水、塩類等を添加して新た
な機能を附加させる事もできる。
物性の一つである無加圧下での吸収倍率を高く維持した
まま、加圧下の吸収特性、特に加圧下の吸収倍率に優れ
た樹脂を簡便に製造する事ができる。
率が高く、かつ加圧下での吸収倍率にも非常に優れ、さ
らに液の拡散性、パルプからの移動・脱落のしにくさ等
の特徴を有することから紙おむつ、生理ナプキンなどの
衛生材料に特に好適に用いられる。
が、本発明の範囲がこれらの実施例のみに限定されるも
のではない。
定した。
0*150mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナト
リウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。30分後に
ティーバッグ式袋を引き上げ、一定時間水切りを行った
後、ティーバッグ式袋の重量W1 を測定した。同様の操
作を吸水性樹脂を用いないで行いそのときの重量W0 を
求め、以下の(式1)で吸水倍率を算出した。
る。ビュレット1の上口2に栓3をし、測定台4と空気
口5を等高位にセットする。測定台4中の中央部にある
直径70mmのガラスフィルタ−6上にろ紙7をのせ
る。直径55mmの支持円筒10の下端部に不織布8を
固定させ不織布8上に吸水性樹脂A0.2gを均一に散
布しさらに20g/mlの荷重9をのせる。この不織布
−吸水性樹脂−荷重を支持円筒ごとガラスフィルタ−6
の上のろ紙7上にのせ、30分間にわたって吸収した人
工尿(組成:尿素1.9%,NaCl0.8%,CaC
l2 0.1%およびMgSO4 0.1%)の値(Am
l)を測定し、以下の(式2)より加圧下の吸収倍率
(ml/g)を求めた。
人工尿を含んだ基材を作成し、その基材の上に1gの吸
水性樹脂を置いた。10分後に、膨潤ゲルを採取してそ
の重量を測定し、ティッシュペーパからの液の吸引力
(g/g)とした。
し、変わりにパルプ30gのあいだに吸水性樹脂7.5
gを含んだコアを挿入する。この試験用おむつ(W
0 g)に20kg/cm3 の荷重をかけて人工尿につけ
60分後に引上げ、さらに水切りをした後おむつの重量
(W1 g)を測定した。W1 よりW0 の値を差し引くこ
とによりおむつ状態での加圧下の吸収量(g)を求め
た。
トリウム塩の水溶液5500g(単量体濃度 33%)
に、架橋剤としてN,N′−メチレンビスアクリルアミ
ド1.58gを溶解させ窒素ガスで30分脱気後、内容
積10Lでシグマ型羽根を2本有するジャケット付きス
テンレス製双腕型ニーダーに蓋をつけた反応器に供給
し、単量体を30℃の温度に保ち反応系をさらに窒素置
換した。
−アスコルビン酸0.12gを添加したところ1分後に
重合が開始し、16分後には反応系内のピーク温度は8
3℃に達し、含水ゲル重合体は約5mmの径に細分化さ
れ、更に撹拌を続け、重合を開始して60分後に含水ゲ
ル重合体を取り出した。
0メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾
燥した。乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、更に20メ
ッシュで分級し、不定形破砕状で、平均粒子径400μ
mのベ−スポリマ−としての吸水性樹脂(1)を得た。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、第一架橋剤としてのグ
リセリン(SP値 δ=16.5)1部、第二架橋剤と
してのエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル(SP
値 δ=10.2)0.05部、水3部およびエチルア
ルコール1部からなる架橋剤組成液を混合し、得られた
混合物を195℃で40分間加熱処理した。得られた吸
水性樹脂(1)の性能評価結果を表1に示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、第一架橋剤としてのエ
チレンカ−ボネイト(SP値 δ=14.7)2部、第
二架橋剤としてのグリセロ−ルポリグリシジルエ−テル
(SP値 δ=10.8)0.1部、水4部およびイソ
プロピルアルコール1部からなる架橋剤組成液を混合
し、得られた混合物を180℃で60分間加熱処理し
た。得られた吸水性樹脂(2)の性能評価結果を表1に
示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、第一架橋剤としてのプ
ロピレングリコ−ル(SP値 δ=12.6)3部、第
二架橋剤としてのプロピレングリコ−ルジグリシジルエ
−テル(SP値δ=10.1)0.1部、水5部および
メタノ−ル2部からなる架橋剤組成液を混合し、得られ
た混合物を195℃で40分間加熱処理した。得られた
吸水性樹脂(3)の性能評価結果を表1に示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、第一架橋剤としてのエ
チレングリコ−ル(SP値 δ=14.6)2部、第二
架橋剤としてのジエチレントリアミン(SP値 δ=1
0.7)0.1部、水2部およびイソプロピルアルコー
ル1部からなる架橋剤組成液を混合し、得られた混合物
を180℃で60分間加熱処理した。得られた吸水性樹
脂(4)の性能評価結果を表1に示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、グリセリン(SP値
δ=16.5)1部、水3部およびエチルアルコール1
部からなる架橋剤組成液を混合し、得られた混合物を1
95℃で40分間加熱処理した。得られた比較用吸水性
樹脂(1)の性能評価結果を表1に示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、エチレングリコ−ルジ
グリシジルエ−テル(SP値 δ=10.2)0.05
部、水3部およびエチルアルコール1部からなる架橋剤
組成液を混合し、得られた混合物を195℃で40分間
加熱処理した。得られた比較用吸水性樹脂(2)の性能
評価結果を表1に示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、第一架橋剤としてのグ
リセリン(SP値 δ=16.5)1部、第二架橋剤と
してのエチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル(SP
値 δ=10.2)0.05部、水3部およびエチルア
ルコール1部からなる架橋剤組成液を混合し、得られた
混合物を140℃で40分間加熱処理した。得られた比
較用吸水性樹脂(3)の性能評価結果を表1に示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、1,3−ブタンジオ−
ル(SP値 δ=11.6)1部、エチレングリコ−ル
ジグリシジルエ−テル(SP値 δ=10.2)0.0
5部、水3部およびエチルアルコール1部からなる架橋
剤組成液を混合し、得られた混合物を195℃で40分
間加熱処理した。得られた比較用吸水性樹脂(4)の性
能評価結果を表1に示した。
ての吸水性樹脂(1) 100部に、グリセリン(SP値
δ=16.5)1部、エチレンカ−ボネイト(SP値
δ=14.7)2部、水5部およびエチルアルコール1
部からなる架橋剤組成液を混合し、得られた混合物を1
95℃で40分間加熱処理した。得られた比較用吸水性
樹脂(5)の性能評価結果を表1に示した。
装置の断面図である。 (符号の説明) 1・・・ビュレット 2・・・ビュレットの上端部 3・・・栓 4・・・測定台 5・・・空気取り入れ口 6・・・ガラスフィルタ− 7・・・ろ紙 8・・・不織布 9・・・荷重 10・・・支持円筒
は、溶解度パラメ−タ−(SP値)12.5[(cal
/cm3 )1/2 ]以上でカルボキシル基と反応し得るも
のである。溶解度パラメ−タ−(SP値)は化合物の極
性を現すファクタ−として一般に用いられており本発明
ではポリマ−ハンドブック第3版(WILEY INT
ERSCIENCE社発行)VII−527〜539に記
載されている溶媒の溶解度パラメ−タ−δ[(cal/
cm3 )1/2 ]の値を適用するものとし、この表に記載
されていない架橋剤に関しては同ハンドブックのVII−
524のSmallの式にVII−525に記載されてい
るHoyの凝集エネルギ−定数を代入して導いた値δ
[(cal/cm3 )1/2 ]を適用するものとする。
0*150mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナト
リウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。30分後に
ティーバッグ式袋を引き上げ、一定時間水切りを行った
後、ティーバッグ式袋の重量W1 を測定した。同様の操
作を吸水性樹脂を用いないで行いそのときの重量W0 を
求め、以下の(式1)で吸収倍率を算出した。
る。ビュレット1の上口2に栓3をし、測定台4と空気
口5を等高位にセットする。測定台4中の中央部にある
直径70mmのガラスフィルタ−6上にろ紙7をのせ
る。直径55mmの支持円筒10の下端部に不織布8を
固定させ不織布8上に吸水性樹脂A0.2gを均一に散
布しさらに20g/cm2 の荷重9をのせる。この不織
布−吸水性樹脂−荷重を支持円筒ごとガラスフィルタ−
6の上のろ紙7上にのせ、30分間にわたって吸収した
人工尿(組成:尿素1.9%,NaCl0.8%,Ca
Cl2 0.1%およびMgSO4 0.1%)の値(Am
l)を測定し、以下の(式2)より加圧下の吸収倍率
(ml/g)を求めた。
し、変わりにパルプ30gのあいだに吸水性樹脂7.5
gを含んだコアを挿入する。この試験用おむつ(W
0 g)に20g/cm2 の荷重をかけて人工尿につけ6
0分後に引上げ、さらに水切りをした後おむつの重量
(W1 g)を測定した。W1 よりW0 の値を差し引くこ
とにより吸収体の加圧下の吸収量(g)を求めた。
Claims (7)
- 【請求項1】 カルボキシル基を有するベ−スポリマ−
としての吸水性樹脂を、溶解度パラメ−タ−(SP値)
12.5[(cal/cm3 )1/2 ]以上でカルボキシ
ル基と反応し得る第一架橋剤、および溶解度パラメ−タ
−(SP値)12.5[(cal/cm3 )1/2 ]未満
でカルボキシル基と反応し得る第二架橋剤と混合し、1
60℃以上の温度で加熱処理することを特徴とする吸水
性樹脂の製造方法。 - 【請求項2】第一架橋剤として溶解度パラメ−タ−(S
P値)が13.0[(cal/cm3 )1/2 ]以上のも
のを用いる請求項1記載の方法。 - 【請求項3】第二架橋剤として溶解度パラメ−タ−(S
P値)が9.5〜12.0[(cal/cm3 )1/2 ]
の範囲にあるものを用いる請求項1記載の方法。 - 【請求項4】第一架橋剤の溶解度パラメ−タ−(SP
値)と第二架橋剤の溶解度パラメ−タ−(SP値)の差
が2[(cal/cm3 )1/2 ]以上であるように第
一、第二架橋剤を選択する請求項1記載の方法。 - 【請求項5】 第一架橋剤として分子量が200以下も
の及び第二架橋剤として分子量が350以下のものを用
いる請求項1、2、3又は4記載の方法。 - 【請求項6】 ベ−スポリマ−としての吸水性樹脂10
0重量部に対して第一架橋剤0.1〜5重量部、第二架
橋剤0.005〜0.5重量部の割合で用いる請求項1
記載の方法。 - 【請求項7】 生理食塩水の吸収倍率が45(g/g)
以上、人工尿の加圧下の吸収倍率が30(ml/g)以
上の、不定形破砕状の吸水性樹脂。
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