JPH06117530A - ベルト式無段変速機の制御装置 - Google Patents

ベルト式無段変速機の制御装置

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JPH06117530A
JPH06117530A JP4285526A JP28552692A JPH06117530A JP H06117530 A JPH06117530 A JP H06117530A JP 4285526 A JP4285526 A JP 4285526A JP 28552692 A JP28552692 A JP 28552692A JP H06117530 A JPH06117530 A JP H06117530A
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pulley
control
shift
pressure
belt
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茂 金原
Hideo Koyama
英夫 小山
Toru Fujii
藤井  透
Kensho Kurokawa
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    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/66Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings
    • F16H61/662Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members
    • F16H61/66254Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling
    • F16H61/66259Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing specially adapted for continuously variable gearings with endless flexible members controlling of shifting being influenced by a signal derived from the engine and the main coupling using electrical or electronical sensing or control means

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 定常偏差をできる限りなくすとともに良好な
変速応答性を有する変速制御を行うことができるように
する。 【構成】 高制御圧PHを作り出す高圧レギュレータバ
ルブ55と、この高制御圧PHより低圧の低制御圧PLを
作り出す低圧レギュレータバルブ57と、高圧制御油お
よび低圧制御油をドライブ側シリンダおよびドリブン側
シリンダに振り分けて供給するシフトバルブ60と、シ
フトバルブの作動を制御するシフトコントロールバルブ
70とから変速制御装置が構成される。シフトコントロ
ールバルブ70は、現在の変速比を定常状態で保持する
ために必要なドライブ側シリンダの軸推力Qdrとドリブ
ン側シリンダの軸推力Qdnとの比(軸推力比)γ=Qdr
/Qdnが得られるようなシフトバルブ60の作動位置を
基準位置とし、シフトバルブ60を、この基準位置か
ら、変速目標値と変速現在値との偏差を零にする方向に
作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベルト式無段変速機の
変速制御を行う制御装置および方法に関し、さらに詳し
くは、この変速制御を四方弁を用いて油圧制御を行う場
合での制御装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベルト式無段変速機は、例えば、それぞ
れプーリ幅が可変となったドライブ側およびドリブン側
可動プーリ間に金属Vベルトを巻掛けて構成されてお
り、車両用変速機等として使用されつつある。このよう
なベルト式無段変速機における変速制御は、ドライブ側
可動プーリのプーリ幅設定用のドライブ側シリンダおよ
びドリブン側可動プーリのプーリ幅設定用のドリブン側
シリンダへ供給する油圧を制御して、すなわち、両可動
プーリの軸推力を制御してプーリ幅の制御を行うことに
よりなされる。
【0003】このような変速制御のため、従来ではドリ
ブン側シリンダにはベルト張力を維持するに必要な油圧
が供給され、ドライブ側シリンダには変速制御用の流量
制御弁を介してこの油圧を有した作動油が供給されるよ
うになっており、この作動油の供給によりプーリ幅を可
変制御するようになっていた。しかしながら、この場合
には、上記油圧は変速機の変速比、入力トルク等に対応
して変化するため、変速制御速度が変速比、入力トルク
等の影響を受けるという問題がある。
【0004】このようなことから、四方弁を用いてドラ
イブおよびドリブンシリンダの一方に作動油を供給する
とともに他方から作動油を流出させて変速制御を行うこ
とも従来から知られている。例えば、特開昭62−19
6447号公報には、第1調圧弁により設定した第1ラ
イン油圧と、第2調圧弁により設定した第1ライン油圧
より低圧の第2ライン油圧とを、四方弁を介してドライ
ブおよびドリブンシリンダに振り分け供給し、両油圧の
差圧の故に一方のシリンダに作動油を供給するとともに
他方のシリンダから作動油を排出して変速制御を行う装
置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この制
御においては、例えば、目標とする速度比(変速比)を
実現できる軸推力を発生させるためのドライブ側シリン
ダ内の油圧Pin′が得られるように制御値が決定され、
この油圧Pin′に補正油圧ΔP1を加えて第1ライン油
圧が決定される。この場合に、補正油圧ΔP1を小さく
すれば、定常偏差が大きくなり、目標変速比とのずれが
大きくなって変速制御が不正確となるという問題があ
る。一方、補正油圧ΔP1を大きくすれば、定常偏差は
小さくすることができる(但し、零にできる訳ではな
い)が、不要に大きな第1ライン油圧を発生させること
になり、動力損失が大きくなるという問題がある。
【0006】さらに、補正油圧ΔP1は変速速度に影響
を及ぼすため、補正油圧ΔP1を小さくすると変速速度
が遅くなり変速応答性が低下するという問題がある。逆
に、補正油圧ΔP1を大きくすると変速速度は速くなる
が、目標変速比をオーバーシュートしてハンチングを起
こすおそれがでてくるという問題がある。なお、このよ
うなオーバーシュートを防ぐとともに定常偏差の発生を
なくすため、PI(比例・積分)制御や、PID(比例
・積分・微分)制御を行うことも考えられる。しかしな
がら、目標値までの収束時間が長くなり、変速応答性は
低下するという問題がある。
【0007】本発明はこのような問題に鑑みたもので、
定常偏差をできる限りなくすとともに良好な変速応答性
を有する変速制御を行うことができるようなベルト式無
段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このような目的達成のた
め、本発明の制御装置は、入力軸に繋がるドライブ側可
動プーリと出力軸に繋がるドリブン側可動プーリとの間
にVベルトを巻掛けるとともに、ドライブ側可動プーリ
のプーリ幅設定用のドライブ側シリンダと、ドリブン側
可動プーリのプーリ幅設定用のドリブン側シリンダとを
有してなるベルト式無段変速機において、高制御圧PH
を有した高圧制御油を作り出す高圧レギュレータバルブ
と、この高制御圧PHより低圧の低制御圧PLである低圧
制御油を作り出す低圧レギュレータバルブと、高圧制御
油および低圧制御油を前記ドライブ側シリンダおよびド
リブン側シリンダに振り分けて供給するシフトバルブ
と、このシフトバルブの作動を制御するシフトコントロ
ール手段とから構成される。そして、シフトコントロー
ル手段は、現在の変速比を定常状態で保持するために必
要なドライブ側シリンダの軸推力Qdrとドリブン側シリ
ンダの軸推力Qdnとの比(軸推力比)γ=Qdr/Qdnが
得られるようなシフトバルブの作動位置を基準位置と
し、シフトバルブを、この基準位置から、変速目標値と
変速現在値との偏差を零にする方向に作動させる。
【0009】なお、Vベルトとしては、多数の金属駒を
ベルトストラップにより無端リングベルト状に保持して
なり、ドライブ側およびドリブン側可動プーリ間に巻掛
けられた状態で、各金属駒が隣接する金属駒を押して駆
動力を伝達するようになった押し駒式金属Vベルトを用
いるのが好ましい。
【0010】
【作用】以上のような制御装置により変速制御を行え
ば、変速指令が出されたときに、そのときの変速比で定
常走行した場合に必要とされる軸推力比γ=Qdr/Qdn
となるシフトバルブの位置が基準作動位置として設定さ
れる。そして、この基準作動位置から変速目標値と変速
現在値との偏差を零にするようにシフトバルブの作動が
制御される。このため、変速開始時のみならず変速過渡
状態においても、ドライブ側およびドリブン側プーリの
軸推力を最適にするような制御を行うことができる。ま
た、そのときの変速比で定常走行したときの軸推力比と
なるシフトバルブ位置を基準作動位置として制御するの
で、定常偏差がほとんど発生しない。さらに、変速目標
値と変速現在値との偏差を零にするような制御値が出力
されるため、この偏差が大きいときには急速に変速比を
目標値に近づけ、偏差が小さくなるにしたがってゆっく
りと変速比を目標値に近づける制御がなされ、最適な変
速速度に基づく変速制御を行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の好ましい実
施例について説明する。図1に本発明の制御装置により
制御されるベルト式無段変速機の動力伝達経路を模式的
に示している。このベルト式無段変速機は、入力軸1と
カウンター軸2との間に配設された金属Vベルト機構1
0と、入力軸1とドライブ側可動プーリ11との間に配
設された遊星歯車式前後進切換機構20と、カウンター
軸2と出力軸3a,3bとの間に配設された発進クラッ
チ5とから構成される。なお、本無段変速機は車両用と
して用いられ、入力軸1はエンジンENGの出力軸に繋
がり、出力軸3a,3bは左右の車輪に繋がる。
【0012】金属Vベルト機構10は、入力軸1上に配
設されたドライブ側可動プーリ11と、カウンター軸2
上に配設されたドリブン側可動プーリ16と、両プーリ
11,16間に巻掛けられた金属Vベルト15とからな
る。この金属Vベルト15は、多数の金属駒を金属ベル
トストラップにより無端リングベルト状に保持して構成
される。この金属Vベルト15がドライブ側可動プーリ
11とドリブン側可動プーリ16に巻掛けられた状態
で、例えばエンジンENGによりドライブ側可動プーリ
11が駆動されると、金属駒が前方の金属駒を押して駆
動力を伝達する。すなわち、この金属Vベルト機構10
は、押し駒式金属Vベルト機構を採用している。
【0013】ドライブ側可動プーリ11は、入力軸1上
に回転自在に配設された固定プーリ半体12と、この固
定プーリ半体12に対して軸方向に相対移動可能な可動
プーリ半体13とからなる。可動プーリ半体13の側方
には、固定プーリ半体12に結合されたシリンダ壁12
aにより囲まれてシリンダ室14が形成されており、こ
のシリンダ室14内に供給される油圧により、可動プー
リ半体13を軸方向に移動させる側圧が発生される。
【0014】ドリブン側可動プーリ16は、カウンター
軸2に固設された固定プーリ半体17と、この固定プー
リ半体17に対して軸方向に相対移動可能な可動プーリ
半体18とからなる。可動プーリ半体18の側方には、
固定プーリ半体17に結合されたシリンダ壁17aによ
り囲まれてシリンダ室19が形成されており、このシリ
ンダ室19内に供給される油圧により、可動プーリ半体
18を軸方向に移動させる側圧が発生される。
【0015】このため、上記両シリンダ室14,19へ
の供給油圧(プーリ制御油圧)を適宜制御することによ
り、両プーリ11,16のプーリ幅を変化させることが
でき、これにより、Vベルト15の巻掛け半径を変化さ
せて変速比を無段階に変化させることができる。
【0016】遊星歯車式前後進切換機構20は、入力軸
1に結合されたサンギヤ21と、固定プーリ半体12に
結合されたキャリア22と、後進用ブレーキ27により
固定保持可能なリングギヤ23と、サンギヤ21とリン
グギヤ23とを連結可能な前進用クラッチ25とからな
る。前進用クラッチ25が係合されると全ギヤ21,2
2,23が入力軸1と一体に回転し、ドライブ側プーリ
11は入力軸1と同方向(前進方向)に駆動される。後
進用ブレーキ27が係合されると、リングギヤ23が固
定保持されるため、キャリア22はサンギヤ21とは逆
の方向に駆動され、ドライブ側プーリ11は入力軸1と
は逆方向(後進方向)に駆動される。
【0017】発進クラッチ5は、カウンター軸2と出力
軸3a,3bとの間の動力伝達をオン・オフ制御するク
ラッチであり、これが係合(オン)の時には、両軸2,
3a,3b間での動力伝達が可能となる。このため、発
進クラッチ5がオンのときには、金属Vベルト機構10
により変速されたエンジン出力がギヤ6a,6bを介し
てディファレンシャル機構4に伝達され、このディファ
レンシャル機構4により左右の出力軸3a,3bに分割
されて伝達される。また、発進クラッチ5がオフのとき
には、この動力伝達が行えず、変速機は中立状態とな
る。
【0018】このような構成のベルト式無段変速機に
は、変速制御等のための制御信号検出用の各種センサが
配設されている。例えば、ドライブ側可動プーリ11の
回転速度Ndrを検出する第1回転センサ35、ドリブン
側可動プーリ16の回転速度Ndnを検出する第2回転セ
ンサ36、出力軸3aの回転から車速Vを検出する第3
回転センサ37、エンジンENGのスロットル開度(ア
クセル開度)を検出するスロットル開度センサ38等が
図示のように配設されている。
【0019】上記構成のVベルト式無段変速機の制御装
置について、図2および図3の油圧回路図を用いて説明
する。なお、図2および図3を併せて一つの油圧回路図
を構成しており、両図において、,,,で示す
油路同士が繋がっている。この油圧回路においては、タ
ンク30内の作動油が油圧ポンプ31により油路101
に供給される。この作動油は、油路101aを介してク
ラッチレデューシングバルブ40に供給され、このクラ
ッチレデューシングバルブ40により減圧されてライン
圧P1 を有する作動油が油路110に供給される。な
お、油路101内のポンプ31からの吐出油は、油路1
01bを介して高圧レギュレータバルブ55にも供給さ
れる。
【0020】Vベルト機構10の両シリンダ室14,1
9に供給されてプーリへ側圧を付与する制御油圧Pdr,
Pdnは、高低圧コントロールバルブ50と、高圧レギュ
レータバルブ55と、低圧レギュレータバルブ57とに
より作られる。高低圧コントロールバルブ50には油路
110cを介して、クラッチレデューシングバルブ40
により作られたライン圧P1 が供給されており、高低圧
コントロールバルブ50は、ライン圧P1 をリニアソレ
ノイド51からスプール52に加わる押力に対応した制
御背圧P2 に変換し、この制御背圧P2 を油路120に
供給する。なお、この高低圧コントロールバルブ50に
おいては、リニアソレノイド51の押力が最小のとき、
制御背圧P2が最大でライン圧P1と同圧になるようにな
っている。このため、例えば、電気的な故障により、リ
ニアソレノイド51が非通電状態となったときには、制
御背圧P2はライン圧P1と等しくなる。
【0021】制御背圧P2 は油路120a,120bを
介して、それぞれ高圧レギュレータバルブ55および低
圧レギュレータバルブ57に供給される。高圧レギュレ
ータバルブ55においては、ポンプ31から油路101
bを介して供給される油圧を、そのスプール56に作用
する上記制御背圧P2 の押力に対応した高制御圧PHに
変換し、この高制御圧PHを有した高圧制御油を油路1
02に供給する。低圧レギュレータバルブ57は、油路
102aを介して供給される高制御圧PHを、スプール
58に作用する上記制御背圧P2 の押力に対応した低制
御圧PLに変換し、この低制御圧PLを油路103に供給
する。このように高および低制御圧PH,PLはともに制
御背圧P2に対応して設定されるため、両油圧は一定の
関係、具体的には、図7に示すような関係を有する値と
なる。
【0022】これら高制御圧PH および低制御圧PL は
シフトバルブ60を介してVベルト機構10のシリンダ
室14,19に振り分け供給され、変速比制御がなされ
る。このため、リニアソレノイド51はエンジンスロッ
トル開度や、Vベルト機構10の変速比等に対応した押
力を発生し、高制御圧PH および低制御圧PL は、エン
ジンスロットル開度および変速比に対応した所定の関係
を保つように設定される。具体的には、低制御圧PLは
そのときの伝達トルクに対して金属Vベルト15をスリ
ップさせずに保持させるに必要な軸推力を与える油圧に
設定される。なお、高制御圧PHは所望の変速制御速度
が得られるように低制御圧PLより高圧にする必要があ
り、上述のように、低制御油圧PLに対して図7に示す
ような関係となる値に設定される。
【0023】油路120a中にはオリフィス53が配設
されており、これにより、制御背圧P2 に対する作動応
答性が、低圧レギュレータバルブ57の方が高圧レギュ
レータバルブ55より高くなるようにしている。上記の
ようにポンプ31の吐出油が高圧レギュレータバルブ5
5に供給されており、高圧レギュレータバルブ55はポ
ンプ31の吐出油の油圧をレギュレートするバルブとし
ての役割も果たしている。
【0024】上記のようにして作られた高制御圧PH お
よび低制御圧PL を、両プーリ11,16のシリンダ室
14,19に振り分けて供給することにより、プーリ幅
を変化させて変速比制御がなされる。この供給制御を行
うため、シフトバルブ60、シフトインヒビターバルブ
65およびシフトコントロールバルブ70が図示のよう
に配設されている。
【0025】シフトバルブ60は、ばね62により左方
に付勢されたスプール61を有し、スプール61の左端
は油路114bに繋がる油室60aに対向している。油
室60aには後述するようにシフト制御圧Pscを有した
制御油が供給され、このシフト制御圧Pscとばね62と
のバランスする位置にスプール61が位置する。すなわ
ち、シフト制御圧Pscを制御することによりシフトバル
ブ60のスプール61の位置決め制御を行うことができ
る。
【0026】シフトバルブ60には、図示のように、油
路102bを介して低制御圧PL が、また、油路103
a,103bを介して低制御圧PL が供給されており、
スプール61の位置に応じて、両制御圧が油路104,
105を介して両シリンダ室14,19に振り分けられ
て供給される。このため、スプール61の位置に応じて
シリンダ室14,19内の油圧が図8のように変化す
る。
【0027】例えば、スプール61が中立位置(このと
きのスプールストロークSp=0とする)において、ド
ライブプーリ側シリンダ室14内の油圧(ドライブ側シ
リンダ油圧)Pdrとドリブンプーリ側シリンダ室19内
の油圧(ドリブン側シリンダ油圧)Pdnとが等しくな
り、スプール61が右に移動するに応じてドライブ側シ
リンダ油圧Pdrが低くなりドリブン側シリンダ油圧Pdn
が高くなる。逆に、スプール61が左に移動するに応じ
てドライブ側シリンダ油圧Pdrが高くなりドリブン側シ
リンダ油圧Pdnが低くなる。
【0028】油室60aに供給するシフト制御圧Pscを
作り出すのがシフトコントロールバルブ70である。シ
フトコントロールバルブ70は、リニアソレノイド71
と、スプール72と、ばね73とから構成され、油路1
10dからのライン圧P1を、リニアソレノイド71か
らスプール72に加わる応力に応じた油圧すなわちシフ
ト制御圧Pscに変換し、このシフト制御圧Pscを有した
制御油を油路114aに供給する。油路114aはシフ
トインヒビターバルブ65を介して油路114bに繋が
り、シフト制御圧Pscがシフトバルブ60の油室60a
に供給できるようになっている。
【0029】シフトインヒビターバルブ65はばね67
によって左方に付勢されたスプール66を有する。この
スプール66は右端油室65aに油路111を介して供
給されるライン圧P1により右方に押圧されるようにな
っており、このライン圧P1により通常は図示のように
右方に移動される。但し、油路111にはノーマルオー
プンタイプのソレノイドバルブ77が設けられており、
このソレノイドバルブ77により油路111がドレン側
に連通可能となっている。
【0030】ソレノイド78が通電状態のときには、ス
プール79により塞がれて油路111はドレンと遮断さ
れる。このため、ライン圧P1が油室65aに供給さ
れ、スプール66は右に移動した状態となる。ところ
が、ソレノイド78の通電が断たれると、油路111が
ドレンに連通し、油室65aの油圧がほぼ零となり、ス
プール66はばね67に押されて左方に移動する。
【0031】シフトインヒビターバルブ65には、図示
のように、ライン圧P1を有した油路110e、発進ク
ラッチ5に繋がる油路113、クラッチコントロールバ
ルブ43に繋がる油路112およびピトーレギュレータ
バルブ75に繋がる油路121も接続されている。
【0032】ソレノイド78が通電されてスプール66
が右方に移動した状態(図示の状態)では、油路112
と油路113とが繋がりクラッチコントロールバルブ4
3からのクラッチ制御圧Pccが発進クラッチ5に供給さ
れ、油路114aと114bが繋がりシフトコントロー
ルバルブ70からシフト制御圧Pscがシフトバルブ60
の油室60aに供給される。一方、ソレノイド78が非
通電となりスプール66が左方に移動されると、油路1
21と油路113が繋がりピトーレギュレータバルブ7
5からのピトー圧(エンジン回転に対応する油圧)Ppt
が発進クラッチ5に供給され、油路110eと油路11
4bが繋がりライン圧P1がシフトバルブ60の油室6
0aに供給される。
【0033】なお、このソレノイド78は通常は常時通
電されるようになっており、電気的な故障(断線等)に
より電力供給が断たれた場合等にのみ、これが非通電と
なり、スプール66が左に移動される。この結果、電気
的な故障時には、ライン圧P1が油室60aに供給さ
れ、シフトバルブ60のスプール61は完全に右動され
た状態となる。これにより、油路102bおよび105
を介してドリブン側シリンダ室19に高制御圧PHが供
給され、油路103aおよび104を介してドライブ側
シリンダ室14に低制御圧PLが供給され、変速比iは
LOWとなる。
【0034】但し、電力供給停止時には高低圧コントロ
ールバルブ50のリニアソレノイド51も作動しないの
であるが、高低圧コントロールバルブ50からはリニア
ソレノイド51の通電電流が零のときの制御背圧P2
(=ライン圧P1)が油路120に供給されるため、高
圧および低圧レギュレータバルブ55,57から油路1
02,103にはこのときの制御背圧P2 に対応した高
および低制御圧PH ,PL が供給される。
【0035】電気的な故障等によりシフトインヒビター
バルブ65のスプール66が左動したときには、さら
に、油路121と113が繋がり、ピトーレギュレータ
バルブ121が発進クラッチ5と繋がる。ピトーレギュ
レータバルブ121はエンジン回転で回転する円形の油
溝内に突出するピトー管を有し、エンジン回転に対応す
るピトー油圧Pptを取り出すバルブである。このため、
このときには、ピトー油圧Pptが発進クラッチ5に供給
される。
【0036】このように、発進クラッチ5は、通常(電
気的な故障等がないとき)は、油路112,113およ
びこれら油路間に配設されたシフトインヒビターバルブ
65を介してクラッチコントロールバルブ43に繋が
り、このバルブ43から供給されるクラッチ制御圧Pcc
により係合制御がなされる。クラッチコントロールバル
ブ43は油路110fからのライン圧PL をリニアソレ
ノイド44により制御してクラッチ制御圧Pccを作り出
す。
【0037】一方、電気的故障が発生して電力供給が断
たれたときには、リニアソレノイドバルブ43は作動さ
せることができなくなる。しかしこのときには、前述の
ように、シフトインヒビターバルブ65のスプール66
が左動され、油路112は閉じられ、代わりに油路12
1および油路113を介してピトーレギュレータバルブ
75が発進クラッチ5に繋がる。これにより、このとき
には、発進クラッチ5にはピトー油圧Pptが供給され
る。このため、エンジン回転が低回転で発進クラッチ5
はOFFで、回転が高くなるとこれがONとなる。
【0038】ライン圧P1 は油路110gを介してマニ
ュアルバルブ46にも供給されており、これにより前進
用クラッチ25および後進用ブレーキ27の作動制御が
なされる。マニュアルバルブ46は運転席のシフトレバ
ーとコントロールケーブルを介して繋がっており、運転
者の手動操作により作動される。その手動操作位置とし
てはP,R,N,D,S,Lの6位置があり、この操作
位置に応じて、マニュアルバルブ46のスプール47は
図示の対応位置に移動される。なお、図においては、ス
プール47がN(中立)位置にある状態を示している。
【0039】スプール47の位置と前進用クラッチ25
および後進用ブレーキ27の作動状態との関係は次のよ
うになる。 スプール位置 前進用クラッチ 後進用ブレーキ P OFF OFF R OFF ON N OFF OFF D ON OFF S ON OFF L ON OFF
【0040】次に、以上のように構成された制御装置に
よる変速制御について詳しく説明する。この変速制御は
電気的な故障等がない場合の制御であり、シフトコント
ロールバルブ70のリニアソレノイド71への通電電流
を制御することにより行われる。この制御内容を図4の
フローチャートに示しており、このような制御が制御装
置に内蔵のマイクロコンピュータ等を用いてなされる。
【0041】この制御においては、まず、スロットル開
度センサ38によりエンジンENGのスロットル開度θ
thを読み取り、第1〜第3回転センサ35,36,37
によりドライブ側プーリ回転Ndr(=エンジン回転Ne
a)、ドリブン側プーリ回転Ndnおよび車速Vを読み取
る(ステップS1)。
【0042】次に、ステップS2に進み、このようにし
て読み取ったスロットル開度θthおよび車速Vに基づい
て目標エンジン回転数Neoを決定する。この目標エンジ
ン回転数Neoは、図5に示すように、スロットル開度と
車速とに対応して予めテーブル状に設定されてメモリに
記憶されているので、このメモリから上記のように読み
取ったスロットル開度θthおよび車速Vに対応する目標
エンジン回転数Neoを読み出して決定する。なお、図5
に示す実線LOWおよびTOPは変速比が最大および最
小のラインであり、変速比がこの範囲内で使用されるた
め、目標エンジン回転数もこの範囲内において設定され
ている。
【0043】そして、ステップS3において、目標エン
ジン回転数Neoと実エンジン回転数Neaとの偏差ΔNe
(=Neo−Nea)を演算する。但し、この偏差ΔNeを
零にするように変速制御が行われるものであるため、こ
のときの変速制御速度を適正化するために所定ゲインK
が乗じられたものが偏差として用いられる。なお、この
変速機においてはエンジン出力軸がドライブ側プーリ1
1と直結されているため、実エンジン回転数Neaは第1
回転センサ35の検出値から求まる。
【0044】さらに、ステップS4において、上記のよ
うに読み取ったドライブ側プーリ回転Ndrおよびドリブ
ン側プーリ回転Ndnから現在の変速比ia(=Ndr/Nd
n)を演算する。そして、ステップS5において、この
現在の変速比iaを定常状態で保持するために必要なド
ライブ側シリンダ14からベルト15に加えるべき軸推
力Qdrとドリブン側シリンダ19からベルト15に加え
るべき軸推力Qdnとの軸推力比γaを決定する。
【0045】本出願人は金属Vベルト式無段変速機につ
いての種々の実験を行うことにより、安全率Sf(ベル
トのスリップ限界に対する余裕率)が約1.3の場合
に、変速比iを定常状態で保持した場合には、変速比i
と軸推力比γとがほぼ図6において曲線で示すような関
係になることを見いだした。この関係は一義的に決まる
もので、伝達トルクや軸推力の大きさにほとんど影響さ
れないことも分かった。また、この図は安全率Sfが約
1.3の場合であるが、これよりある程度大小バラツイ
てもこの関係はほとんど変化しない、すなわち、安全率
Sfが実用範囲内の場合にはこの図の関係がほぼ成立す
ると言えることも見いだした。この図から分かるよう
に、変速比i=2.0のときに軸推力比γがほぼ1.0
となる。すなわち、ドライブ側シリンダ14からベルト
15に加えるべき軸推力Qdrとドリブン側シリンダ19
からベルト15に加えるべき軸推力Qdnとが等しいとき
に、変速比iはほぼ2.0となる。
【0046】ステップS5においては、図6に示す関係
から、現在の変速比iaに該当する軸推力比γaを読み取
る。例えば、現在の変速比iaが2.0であれば軸推力
比γaは1.0であり、現在の変速比iaが1.0であれ
ば、軸推力比γaは1.4である。このようにして読み
取った軸推力比γaが現在の変速比を定常保持するに必
要とされる軸推力比である。
【0047】次いで、ステップS6に進み、高圧レギュ
レータバルブ55により設定される高制御圧PHと、低
圧レギュレータバルブ57により設定される低制御圧P
Lとを決定する。図6に示すように、変速比iが実用範
囲(約0.5〜2.5の範囲)にある場合には、軸推力
比γはほぼ1.0以上であり、ドライブ側プーリの軸推
力Qdrがドリブン側プーリの軸推力Qdnより大きくな
る。このため、低制御圧PLは、ドリブン側プーリにお
いてスリップが生じない程度の適切な軸推力が得られる
ような値に設定される。
【0048】このため、この低制御圧PLは、式 PL =(Sf×Tin×cosα)/(2Rdr×μdn×Sdn) 但し、Sf :安全率(スリップ限界に対する余裕率で、
約1.3程度の値が設定される) Tin:入力軸トルク α :プーリ側面の傾斜角(図1参照) Rdr:ドライブ側プーリへのベルトの巻掛け半径 μdn:ドリブン側プーリとベルトとの摩擦係数 Sdn:ドリブン側シリンダ室の受圧面積 により求められる。
【0049】一方、高制御圧PHは、このようにして低
制御圧PLが決まると図7の関係から自動的に決まる。
すなわち、低制御圧PLが上記式(2)により求められ
ると、この低圧レギュレータバルブ57によりこの低制
御圧PLが作られるように、高低圧コントロールバルブ
50のリニアソレノイド51の通電電流制御がなされ
る。このとき、高低圧コントロールバルブ50の制御背
圧P2は高圧レギュレータバルブ55にも供給されてお
り、これにより作り出される高制御圧PHは、低制御圧
PLに対して図7の関係となるようになっている。
【0050】このようにして高制御圧PHおよび低制御
圧PLが決まると、これら両制御圧PH,PLがシフトバ
ルブ60を介してドライブ側およびドリブン側シリンダ
14,19に供給される場合での、シフトバルブ60の
ストロークSpと両シリンダ14,19に供給される油
圧Pdr,Pdnとの関係が図8のように定まる。そこで、
ステップS7に進み、ステップS5において決定された
軸推力比γaを得るために必要なシフトバルブ60のス
トロークSp(1)を決定する。なお、このストロークSp
(1)の位置を基準位置と称する。
【0051】この基準位置では、図8に示すように、ド
ライブ側シリンダ14の油圧(ドライブ油圧)はPdr
(1)で、ドリブン側シリンダ19の油圧(ドリブン油
圧)はPdn(1)である。両シリンダ14,19の受圧面
積をそれぞれSdr,Sdnとすると、両シリンダ14,1
9から加わる軸推力Qdr,Qdnは、 Qdr=Pdr×Sdr Qdn=Pdn×Sdn であり、このときの軸推力比γa=Qdr/Qdnとなる。
逆に言えば、軸推力比γaが得られるようなストローク
Sp(1)を求め、これを基準位置とする。
【0052】なお、高制御圧PHおよび低制御圧PLが定
まれば、図8の関係は設定でき、且つ変速比iaとこの
変速比iaを達成する軸推力比γaとの関係は図6のよう
に定まっているので、例えば、図9に示すように、低制
御圧PL毎に変速比iaとシフトバルブ60のストローク
Spとの関係を予め設定おくことができる。このため、
図9の関係を予めメモリに記憶しておき、変速比iaと
低制御圧PLとが決まると、メモリからこれらに対応す
るストロークSpを読み取って、上記基準位置を決定す
ることができる。
【0053】そして、ステップS8に進み、ステップS
3において演算した偏差(=K・(Neo−Nea))とス
テップS7において求めた基準位置とを示す信号とを加
えて変速制御値を求める。そして、この変速制御値を制
御信号として、シフトコントロールバルブ70のリニア
ソレノイド71への通電制御を行う。これにより、基準
位置をを基準として変速目標値(目標エンジン回転数N
eo)と変速現在値(実エンジン回転数Nea)との偏差Δ
Neを零にするような変速制御がなされる。この場合、
基準位置は現在の変速比を維持する位置、すなわち、実
エンジン回転数Neaが得られる位置である。このため、
この基準位置から上記偏差ΔNeを零にする制御を行え
ば、定常偏差の生じない変速制御を行うことができる。
なお、変速速度は偏差ΔNeに乗じられるゲインK(ス
テップS3参照)を調整して適切な値に設定できる。
【0054】以上の変速制御値を決定するフローは、図
10のブロック図のように構成される。まず、目標エン
ジン回転数Neoから実エンジン回転数Neaが減じられて
エンジン回転数偏差ΔNe(Neo−Nea)が演算され、
これにゲインKが乗じられる(ブロックB1)。この信
号(=K×ΔNe)にブロックB2からの基準位置信号
が加えられて変速制御信号が求められる。
【0055】この変速制御信号に基づいて変速制御がな
されるのであるが、この変速制御装置は切換信号発信器
B4を有しており、リバース設定時等においてはこの切
換信号発信器B4からLOW固定モード信号が切換スイ
ッチB5に出力される。切換スイッチB5は通常はブロ
ックB1からの制御信号を通すのであるが、切換信号発
信器B4からLOW固定モード信号が出力されると、切
換スイッチB5はLOW電流発信器(ブロックB3)側
に繋がり、LOW電流をリニアソレノイド駆動電流とし
てブロックB6に流す。
【0056】ブロックB6においては、切換スイッチB
5から選択されて送られる変速制御信号に基づいて高低
圧コントロールバルブ50のリニアソレノイド51の通
電電流制御がなされる。これにより、ドライブ側および
ドリブン側プーリ11,16のシリンダ室14,19内
の油圧が制御され、変速がなされる(ブロックB7)。
その結果、実エンジン回転数Neaが変化するが、この変
化後の実エンジン回転数Neaを用いて変速制御が継続さ
れる。
【0057】なお、ブロックB1においては偏差ΔNe
にゲインKを乗じて制御値を演算しており、この制御は
いわゆるP(比例)制御であるが、この部分において、
PI制御、PID制御等を行っても良い。
【0058】以上説明した変速制御において用いた変速
比iと軸推力比γとの関係(図6に示す関係)は、本出
願人が金属Vベルト式変速機構を用いて種々の実験を行
って研究した結果、見いだしたものであり、これについ
て以下に説明する。
【0059】1.押し駒式金属Vベルト(以下、金属V
ベルトと呼ぶ)に限らず、いわゆるVベルトを用いた無
段変速機(以下、CVTと称する)システムではプーリ
の溝幅を変えることによって変速がなされる。自動車用
では、このプーリ溝幅は油圧により制御されることが多
い。しかし、スムースで高い伝達効率をえるために、駆
動、従動両可変溝幅プーリの推力をどのように制御すれ
ばよいのか不明な点が多い。最近、この金属Vベルトを
用いたCVTの伝達特性、機構を明らかに使用とする試
みがいくらか見られる。しかし、過渡応答はもちろん、
定常状態の両プーリの推力比についても十分明らかにさ
れてはいない。比較的古くから研究されてきたゴム製V
ベルトやブロックタイプVベルトを用いたCVTでも、
2つのプーリの推力関係が徐々に明らかにされつつある
が、それらの結果が機構の異なる金属Vベルトに適用で
きるか不明である。
【0060】本研究では、押しコマ式金属ベルトの定常
状態での駆動側および従動側プーリ推力と伝達トルクの
関係を実験的に明らかにするとともに、これらの関係に
及ぼす回転数の影響も調べる。また、ゴム製Vベルトを
用いたCVTに対するプーリ推力式が金属Vベルトを用
いたCVTに有効であるかを調べる。さらに、定常状態
でのプーリ推力比γを見積ることができる実用式を求め
る。
【0061】2.実験 2.1 押しコマ式金属製VベルトとCVT 本研究では、金属製VベルトとしてVan Doorne's Trans
missie社により自動車用CVTに開発されたベルト10
0(図11)を用いた。このベルト100は(スチー
ル)リング101とVアングルを有する(スチール)ブ
ロック102により構成されている。実験に用いたブロ
ック102の概略寸法を図12に示す。リング101
は、約0.2mmの板厚で、11枚重ねあわされたもの
を、左右1帯ずつ有している。
【0062】2.2 試験装置 図13に金属Vベルト100を用いたCVT試験装置を
示す。本実験に用いたCVTでは油圧により駆動側およ
び従動側プーリ推力Qdr、Qdnを与え、プーリ溝幅を変
化させる。従動側プーリはロードセル111を介して固
定されており、2つのプーリ間に働く張力(プーリ軸間
力Fs)を測定することができる。動力は電動モータ1
10により与える。種々の試験条件でCVTの定常運転
時の駆動側および従動側プーリ推力Qdr、Qdn及びプー
リ軸間力Fsを測定する。ここで、変速比は i=駆動側プーリ回転数/従動側プーリ回転数 で定義される。トルク比rは次式で定義される。 トルク比r=(伝達トルクTr)/(与えられた従動側
推力Qdnのもとですべりを生じる限界トルクTr’)
【0063】以下の手順により所定の条件での実験を行
う。 (1)所定の限界トルクTr’に対応する従動側プーリ
推力Qdnを与える。 (2)所定の変速比i、トルク比rとなるように駆動側
プーリ推力を調節する。 回転数の影響を調べるため、定則および高速試験を行っ
た。定則回転ではベルト周速がそれぞれ約1.1および
2.2/sec(i=0.5の時、駆動側プーリが概ね
150および300rpm.)となるようにモータの回
転を調節した。高速回転では駆動側プーリの回転数をい
ずれの条件でも一定に保って試験を行った。
【0064】3.実験結果および考察 3.1 各変速比iにおけるプーリ推力比Qdr/Qdnと
トルク比rの関係 図14〜図18に、限界トルクTr’をパラメータに変
速比i=2(Low〜0.5(High)でのプーリ推
力比Qdr/Qdnに及ぼすトルク比rの影響を示す。ここ
で、データは示さないが、限界トルクTr’と従動側プ
ーリ推力Qdnとの間には次式で示される線形な関係が得
られている。
【0065】
【数1】
【0066】ここで、αはベルトのV角の1/2、Rdr
は駆動側プーリのピッチ円半径、μはブロック/プーリ
間の最大摩擦係数で、低速回転の時は約0.1、高速回
転の時は0.09程度となる。従って、パラメータT
r’はQdnとも対応する。次節で述べるように、CVT
ではその特性を評価するのにトルク比の代わりにトラク
ション係数(Traction coefficient)λ(=Tr/F
s、Fs:プーリ軸間力)が用いられることが多い。この
場合、λの値を知るためにFsが必要である。本研究で
もロードセルによりFsを測定しているため、λをもと
めることができる。しかし、CVTの構造から、実働中
にFsを測定し、CVTの制御にもちいることは難し
く、実用的でない。2つのプーリ軸が固定されているこ
とから、駆動側および従動側プーリの回転数、伝達トル
クに対して駆動側および従動側プーリ推力を変えること
によって一般的にCVTの制御がなされる。従って、C
VTの運転特性は図14〜図18のようにトルク比によ
って整理されるほうが実用的であるとかんがえられる。
これらの図から明らかなように、Qdr/Qdn−r関係に
及ぼす限界トルクTr’の影響は少ない。わずかにi=
0.8の場合、軽負荷で他の場合より値の違いが目立つ
に過ぎない。
【0067】先に述べたように、いずれの変速比におい
てもQdnとTr’の関係は線形である。従って、この金
属Vベルトを用いたCVTでは動力の伝達機構はT
r’、言い換えれば従動側プーリ推力に対して線形な関
係となっていることがわかる。これは後述するGerb
ertらの従来の(ゴム製連続)Vベルトを対象とした
理論解析で、プーリ推力比がトラクション係数λを用い
て無次元的に表されていることと対応している。
【0068】Qdr/Qdn−r関係は概ね2本の折れ曲が
る直線で表される。特に、速度比がi=2〜1までのL
owからMiddle rangeにおいてはその傾向
がよく現れている。折れ曲がる位置は大体r=0.4辺
りである。その後、トルク比によらずQdr/Qdnはほぼ
一定である。無負荷時のQdr/Qdn(=Q0dr/Q0dn)
はiの概ね逆数となっている。図19はブロックに働く
力を示す。せん断力Ftのプーリ上での積算値が伝達力
Tr/R(R:どちらか一方のプーリ・ピッチ円径)と
なる。リングからの垂直押し付け力Pとブロック垂直反
力、半径方向摩擦力Frとの間には次の関係がある。
【0069】
【数2】
【0070】摩擦力Frの前の符号は、ブロックがプー
リに入り込むのを阻止するように働く摩擦力を正(図
中、上向き)としている。また、qの積算値はプーリ推
力となる。ここで、qとNおよびFrとの間には上式と
同様、次の関係がある。
【0071】
【数3】
【0072】ブロックとプーリ間の半径方向の滑り摩擦
係数をμr’円周向の滑り摩擦係数をμtとすればFrお
よびFtは次式であたえられる。
【0073】
【数4】
【0074】ただし、μrとμtとの間には
【0075】
【数5】
【0076】の関係がある。負荷が大きく、ブロック/
プーリ間で滑りが生じているとすれば、Ftが大きくな
ればFrは小さくなる。しかし、一般にはα=11゜程
度と小さく、Frの符号、摩擦係数の大きさにかかわら
ずプーリ推力は専ら
【0077】
【数6】
【0078】
【0079】
【数7】 ここで、θ0はプーリ巻き付き角である。従動側推力Qd
nが一定の場合、μtが大きくなりFrが小さくなってい
ると考えられる高負荷領域では、式(6)が良い近似と
なって負荷の変化に伴う駆動側のプーリ推力の変化も少
ないと考えられる。実験結果もこの考えと一致してい
る。
【0080】無負荷の場合にもプーリ円周方向には伝達
力がなく、プーリの推力がすべてブロックからの反力で
支えられるとして考えれば駆動、従動側プーリのベルト
巻き付け角θdr、θdnの比として次式で与えられる。
【0081】
【数8】
【0082】ここで、μdr、μdnはそれぞれ駆動側、従
動側プーリでのブロックとプーリ間に働く摩擦係数であ
り、両者が等しいとすればQ0dr/Q0dnは摩擦係数の影
響を受けない。図20は変速比iとQ0dr/Q0dnの関係
をしめす。図中、破線で示される曲線は式(8)によっ
てもとめた。Oは実験値である。計算ではμdr=μdnと
した。計算結果と実験結果を比べると、計算でもiの増
加と共にQ0dr/Q0dnが現象するなど、定性的には一致
する。しかし、i=1をのぞいて両者は一致しない。
【0083】式(8)によって実験結果と計算結果を一
致させようとすれば、2つのプーリでお互いに異なる摩
擦係数を用いなければならない。図21は図5で計算結
果を実験結果と一致させるようにした場合の摩擦係数の
比μdr/μdnと変速比iの関係を示す。i=1の場合に
は2つのプーリで摩擦係数が等しいが、その他の場合に
は、計算上、異なる摩擦係数を与える必要がある。ベル
ト周速の差が小さい場合、2つのプーリで摩擦係数が異
なることは考えにくい。このことから、i>1,および
i<1の場合で、ベルトとプーリ間でマクロ的には力の
伝達がキャンセルされて、見掛け上伝達トルクが0の無
負荷においても、両者の接触線に沿って局所的に複雑な
伝達力分布が存在していることが伺える。
【0084】図22に、押し駒式金属製vベルトCVT
の伝動状態およびブロックの速度とリングの速度を示
す。ブロックは駆動側プーリ出口aから送り出され、b
で従動側プーリにはいる。押し駒式VベルトCVTで
は、負荷が大きいときトルクは主としてブロックの圧縮
力Eによって伝達されると考えられる。したがって、弦
a〜b間(Side1)では圧縮力が発生している。一
方、弦c〜d間(Side 2)では、ブロック間に隙
間ができるため、ブロック間に圧縮力は働かない。図2
2ではこのことを強調して描いている。後述するよう
に、変速比と伝達トルクの大きさによってはSide
2でもお互いにブロックが圧縮し合う場合もある。
【0085】Ideal pitch line上では
見掛け上、ブロックとプーリが滑りなく運動する。一
方、リングとブロックの接触面(サドル面)は図13に
示されるようにブロックとプーリの接触面(力の伝達
面)より上方に位置する。実際、ブロックの厚さ方向の
合剛性が非常に高いことから、ブロックのプーリ接触域
でのElastic slipは非常に小さいと考えら
れ、その結果、Idealpitch lineも隣合
うブロックの接触線位置であると考えることができる。
従って、プーリ溝中ではこのpitch lineに沿
ってブロックはプーリと固着して運動していると見做す
ことが出来る。
【0086】駆動側および従動側プーリの出入り口にお
けるブロックの速度をVbとすると、駆動側プーリおよ
び従動駆動側プーリの回転速度ωdr、ωdnはそれぞれ
【0087】
【数9】
【0088】となる。駆動側プーリ中でのサドル面の接
線速度はVsdr=(Rdr+d)ωdrで与えられる。従動
側の場合も同様にVsdn=(Rdn+d)ωdnとなり、2
つのプーリでサドル面の周速が異なる。ここで、dはI
deal pitch circle半径とサドル面半
径の差である。両者の比は次のように変速比iに影響さ
れる。
【0089】
【数10】
【0090】上式によれば、i<1ではVsdr<で従動
側の周速がはやくなる。i>1では、駆動側が速くな
る。その速度差はリングのElastic slipに
よって予測される値よりはるかに大きく、どちらか一方
のプーリ中のブロックサドル面でリングはSlidin
g slipせざるを得ない。この場合、リング/ブロ
ック間の面圧の積分値の小さい方、すなわち、巻き付き
描くの小さいプーリでリングのSliding sli
pが起こると考えるのが自然である。従って、i>1の
場合は図23のように駆動側で滑ると考えられる。その
結果、a〜b間のリング張力はゆるみ側張力T2、c〜
d間では張り側張力T1となることが予想される。
【0091】一方、i<1の場合は図24のように従動
側で滑り、リングとプーリの滑りから考えると、従動側
プーリが平ベルト伝動での駆動側プーリとみなすことが
できる。従って、Side1のリング張力が張り側張力
T1、Side 2ではゆるみ側張力T2となることが予
想される。変速比iがi>1の図23において、伝達ト
ルクが小さい場合や無負荷でもそれぞれ図示する位置で
T1、T2が生じることに変わりはない。その結果、この
ままではこのリングの張力差(T1−T2)により見掛け
上トルクが伝達されることになり、外部の力の条件と矛
盾する。この張力差を打ち消し合うため、無負荷や、低
負荷ではSide 2側でブロックが押し合い、圧縮力
Eが生じなければならない。負荷が増せばSide 2
側でのブロック間圧縮力Eが減少する。さらに負荷が増
せばSide 1側でEが生じ、これによりトルクの多
くを伝達する。
【0092】T1−T2 の大きさはSliding s
lipにより定まると考えられる。すなわち、リングが
Sliding slipしているプールのベルト巻き
付き角をθ0とすれば、T1/T2=eμθο(ただし、
T1>T2)となる。2つのプーリ中のブロックのサドル
面接線速度差は負荷が伝達されない場合にも生じる。リ
ングがプーリ中のブロック上を滑り、プーリを挟んでリ
ング張力がT1=>T2(または、T2=>T1)となるこ
とから、Sliding slipする側のプーリ上で
全域に渡ってリングに張力分布が生じる。また、Sli
ding slipしない側のプーリ上でも局所的にリ
ングにElastic slipによる張力分布が生じ
る。伝達力Eは次式で与えられる。
【0093】
【数11】
【0094】図14〜図18において、変速比が高い
(i<1)場合にはrが小さいところでのQdr/Qdnの
減少が少ない。その結果、rの広い範囲でQdr/Qdnは
ほぼ一定となっている。rが大きい領域で、一定となっ
たQdr/Qdn の値はiの減少と共に増加する。変速比
が大きいところで、Qdr/Qdn−r関係は概ね2本の折
れ曲がる直線で表されることから、これらの交点を境に
負荷の増加と共にプーリからブロックへの力の伝達機構
が変化していることが想像される。その一つに、先に述
べたブロック間圧縮力の発生する弦の位置の変化が挙げ
られる。また、i=1を境にQdr/Qdn−r関係にも変
化が見られるが、この場合も力の伝達機構に及ぼす変速
比の影響が想像される。これらの点から、今後プーリと
ブロック、ブロックとリング間の詳細な力の伝達機構の
解析が望まれる。
【0095】次に、Qdr/Qdn−r関係に及ぼすプーリ
回転数の影響を検討する。図25〜図27はプーリ回転
数を変えたときのQdr/Qdn−r関係をi=2,1,
0.5について示す。限界トルクTr’は76.4Nm
である。低速回転域でプーリ回転数(正確にはこの場
合、ベルト周速)を変えてもQdr/Qdn−r関係に変化
は認められない。また、プーリ回転数が大きく異なった
場合でも、i=2と1では低速(150、300rp
m.)と高速(3000rpm.)の違いは少ない。さ
らに、トルク比が大きいところでは回転数が異なっても
プーリ推力比は等しい。しかし、i=0.5の場合には
2つの回転数域で、幅広いrの範囲でQdr/Qdn−r関
係に差が認められる。この変速比では高速の方が、同じ
rに対してQdr/Qdnは小さくなる。
【0096】図28はトルク比r=0.77における変
速比iとプーリ推力比Qdr/Qdnの関係を示す。Qdr/
Qdnとiの関係はほぼ1本の曲線で表される。しかし、
変速比がi≦0.8と小さい領域ではデータのばらつき
が大きくなるとともに低速回転と高速回転で差が見られ
る。高速の場合、Qdr/Qdnは低速より大きい値を示し
た後、iの減少と共にその増加は鈍くなり、低速よりQ
dr/Qdnの値が小さくなる。なお、ばらつきの大きさを
考えれば、2000rpm.以上ではi≦0.8でもQ
dr/Qdnに及ぼす回転数の影響は少なくなると言える。
【0097】3.2 駆動側及び従動側プーリ推力Qd
r、Qdnとトラクション係数λの関係 前節でも述べたように各プーリ推力はトラクション係数
により評価される場合が多い。Gerbertらはゴム
ベルトを用いたCVTを対象として両者の関係を理論的
に求める試みを行っている。プーリ推力に関してはほか
にもいくつかの半理論、経験式が提唱されている。Ki
mらは金属Vベルトを用いたCVTの機構解析を試みて
いる。彼らはその報告の中で、トラクション係数とプー
リ推力の関係はGerbertの理論とよく一致すると
述べている。ただし、駆動側プーリと従動側プーリでロ
ック/プーリ間の摩擦係数を個々に選択する必要があ
る。本研究でもプーリ推力と同時にプーリ軸間力Fsも
測定しているので各プーリ推力、Qdr、Qdnをトラクシ
ョン係数λとの関係で調べてみる。
【0098】図29〜図31は変速比i=2,1,0.
5について、Qdr、Qdn−λ関係を示す。この関係にお
いては、図25〜図27の場合以上にプーリ回転数の影
響が強く見られる。低変速比域(i=0.5)では駆動
側プーリ推力Pdrに、高変速比(i=2)では従動側プ
ーリ推力Qdnに回転数の影響が大きい。i=1では両プ
ーリ推力にプーリ回転数の影響が見られる。プーリ推力
に及ぼす回転すうの影響は必ずしも特定のトラクション
係数域に限らない。CVTの制御の観点から考えると、
このようにプーリ推力をトラクション係数で整理するこ
とは的切でないように思われる。
【0099】図32〜図34はGerbertの理論に
より求めたλと各プーリ推力の関係である。摩擦係数μ
を0.06、0.09、0.12と変化させた。摩擦係
数を変化させればλ−(Qdr、Qdn )曲線は図中、上
下に移動する。計算結果を図29〜図31の試験結果と
一致させるためには、i=2の場合には駆動側の摩擦係
数をμdr=0.8程度に、従動側では駆動側よりかなり
小さくμdn=0.4程度とする必要がある。一方、i=
0.5ではμdr≦0.06、μdn=0.07とする必要
がある。プーリ回転が高い場合にはハイドロプレーニン
グ現象等によりブロック/プーリ間の摩擦係数が変化す
る可能性はあるが、ベルト周速が2.2m/secと遅
い場合には駆動側と従動側で摩擦係数が大きく違うこと
は考えにくく、このままでは実用的であるとは言えな
い。
【0100】4.金属Vベルトを用いたCVTのプーリ
推力バランス式 Gerbertの理論ではプーリ中でのベルトの半径方
向のすべりとそれに伴う摩擦力の方向と大きさの変化を
考慮するなど、プーリ中でのCVTベルトの定常状態で
の挙動を詳細に解析できる可能性がある。しかし、同理
論は元来、引張りタイプのベルトを対象としており、構
造的な違いを有する金属性Vベルトを用いた押し駒式C
VTの伝動メカニズムに彼の理論結果のみを適用するこ
とは問題がある。金属VベルトCVTではリングとブロ
ックの間でも摩擦力が働くなど、プーリとの接触中の力
の伝達機構は従来のベルト伝動機構とは大きく異なるこ
とが予想される。
【0101】図35はQdr/Qdn−r線図上にプロット
したGerbertの理論結果を示す。変速比が大きい
ところではある程度実験結果と定性的な一致を示すもの
の、摩擦係数を変化させても実験結果とは近づかない。
両者では。Qdr/Qdn−r関係で折れ曲がる位置のrが
異なる。さらに、i≦1では定性的な一致も認めがたく
なる。
【0102】図36では、トルク比r=0.5、0.7
5、0.95について図35から求めたQdr/Qdn−i
関係をしめす。図35と比較すると明かなように、Qdr
/Qdn−i関係についてはどの変速比iにもμ=0.1
を用いてGerbertの理論から得られる結果は、定
性的に実験結果と一致する。特に高負荷ではリングとブ
ロック間の摩擦による力の伝達はブロック/プーリ間の
伝達力に比べて小さくなるので、リングとブロック間の
摩擦による伝達力を考慮していないGerbertの理
論をはじめ、従来のVベルトを用いたCVTのプーリ推
力式の押し駒式金属Vベルトを用いたCVTの推力バラ
ンス予測への適用は必ずしも不合理ではない。
【0103】ここでは、従来のVベルト式CVTのプー
リ推力式を修正し、本金属VベルトCVTのプーリ推力
を実用的に求めることのできる実用推力バランス式を求
めてみる。Gerbert理論では各可変溝幅プーリの
推力とトラクション係数λの関係は複雑な非線形微分方
程式をとかなければならない。マイクロプロセッサが発
達した今日においても基礎方程式を手軽に解くことは難
しく、将来CVTの電子制御にも適用しにくい。そこ
で、ここでは従動側プーリ推力の計算にはMiloiu
の式を、駆動側にはWooleyの式を用いる。それら
は次式で与えられる。
【0104】
【数12】
【0105】
【数13】
【0106】実際の制御では、与えられた変速比i、最
大伝達トルクTr’およびトルク比rに対してQdr/Qd
nを求める必要がある。迅速な制御のためには、これら
の関係が簡単に計算される必要がある。変速比iおよび
摩擦係数μが与えられれば、式(12)、(13)でco
t(α+ρ)、θdr、θdnは定数となる。従って、式
(13)はλについて非線形となる。それゆえ、式(1
2)、(13)から、Fsおよびλを消去し、容易な形
でQdr/Qdn−i関係を求めることができない。また、
Qdr/Qdnをiで容易に微分することも難しい。Qdr/
Qdn−i関係を容易な形で求めるためには、式(12)
をλについて線形化する必要がある。
【0107】ここで、式(12)のφに注目する。図3
7、38はIn(1+λ)/(1−λ)とλの関係を示
す。図から明かなように、λ=0〜1で In(1+
λ)/(1−λ)とλの関係は非線形となる。しかし、
実際にCVTが使用される領域は幅広く見積ってもトル
ク比で0.5<r≦0.95程度である。この場合、
0.25<λ≦0.45となる。このようにλが狭い範
囲ではIn(1+λ)/(1−λ)とλの関係を直線で
近似することができる。すなわち、a、bを定数として
φは次式で表される。
【0108】
【数14】
【0109】式(14)を式(12)に代入し、式(1
3)と連立して解けば、Qdr/Qdn−i関係を変速比i
とトルク比rに対して次式のように容易に求めることが
できる。ただし、連立方程式を解く過程でλに関して2
次式が含むため、λ≧0であることを用いて有効な解の
みを用いる。
【0110】
【数15】
【0111】ここで、摩擦係数μは変速比i、トルク比
rによらず一定とする。全スリップが生じる限界トルク
Tr’の測定結果からプーリ/ブロック間の摩擦係数μ
は約0.1程度と見積られている。r=0.77につい
て、式(15)を用いてQdr/Qdn−i関係を求めた結
果を図39に破線で示す。図によれば、i=1をのぞい
て式(15)による計算結果は実験結果と一致しない。
i<1ではQdr/Qdnの計算結果は実験結果より小さく
なり、i>1では大きくなる。
【0112】式(15)によれば、摩擦係数μが小さく
なるとQdr/Qdnは小さくなり、μが大きくなればQdr
/Qdnは大きくなる。Vベルト伝動理論によれば、i≠
1の場合、大径プーリ側でIdle arcが存在す
る。この場合、プーリ全域でベルトがプーリ中で滑ると
考えた場合より見かけの摩擦係数は小さくなると考えら
れる。そこで、式(15)出用いる見かけの摩擦係数
μ’を変速比iの関数、言い換えれば、i>1の場合は
駆動側プーリの巻き付け角θ=θdrに、i<1の場合は
従動側プーリの巻き付け角θ=θdnに依存するものとし
て次のように修正する。
【0113】
【数16】
【0114】変速比による見かけの摩擦係数の修正を行
って求めたQdr/Qdn−i関係を図39に実線でしめ
す。実験結果と計算結果を比較すると、両者に良い一致
が見られ、式(15)、(16)によってQdr/Qdn−
i関係を精度良く予測することができることがわかる。
なお、この図39に示す関係が前述の変速制御において
制御値決定のために用いた図6の関係である。
【0115】5.結論 押し駒式金属製Vベルトを用いたCVTの伝動試験を行
い、以下の結論を得た。 (1)変速比i=2〜0.5
の範囲で、最大伝達トルクは従動側プーリ推力に比例す
る。 (2)いずれの変速比においても、従動側プーリ推力一
定下ではプーリ推力比Qdr/Qdnとトルク比rとの関係
に最大伝達トルクは影響しない。いずれの変速比でも、
r≧0.5ではQdr/Qdnはほぼ一定である。iが大き
い場合には、Qdr/Qdn−r関係は2本の折れ曲がる直
線で表される。 (3)Qdr/Qdn−r関係に及ぼすプーリ回転数の影響
は低速回転域では見られないが、高速回転域では少し認
められる。 (4)トルク比r≧0.5の領域では、変速比とプーリ
推力比Pdr/Pdnとの関係は下に凸な一本の曲線で表さ
れる。i≧0.8以上では回転数の影響派少ない。高回
転数では、i≧0.8でQdr/Qdnの大きさは低回転数
のときより小さくなる。 (5)プーリ推力をトラクション係数λを用いて表せ
ば、回転数の影響が強くあらわれる。両者の関係はGe
rbertの理論と定性的に一致するものの、定量的に
一致させるためには駆動側プーリ、従動側プーリについ
て見かけの摩擦係数を変える必要があるなど、実用的で
ない。 (6)従来のVベルトCVTのプーリ推力式を修正し、
金属Vベルトを用いたCVTの実用推力バランス式を提
案した。本実用式は実験結果とよい一致を示し、押し駒
式金属Vベルトを用いたCVTのプーリ推力を見積るの
に有効である。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
入力軸に繋がるドライブ側可動プーリと出力軸に繋がる
ドリブン側可動プーリとの間にVベルトを巻掛けるとと
もに、ドライブ側可動プーリのプーリ幅設定用のドライ
ブ側シリンダと、ドリブン側可動プーリのプーリ幅設定
用のドリブン側シリンダとを有してなるベルト式無段変
速機において、高制御圧PHを有した高圧制御油を作り
出す高圧レギュレータバルブと、この高制御圧PHより
低圧の低制御圧PLである低圧制御油を作り出す低圧レ
ギュレータバルブと、高圧制御油および低圧制御油を前
記ドライブ側シリンダおよびドリブン側シリンダに振り
分けて供給するシフトバルブと、このシフトバルブの作
動を制御するシフトコントロール手段とからベルト式無
段変速機の制御装置を構成しており、このシフトコント
ロール手段は、現在の変速比を定常状態で保持するため
に必要なドライブ側シリンダの軸推力Qdrとドリブン側
シリンダの軸推力Qdnとの比(軸推力比)γ=Qdr/Q
dnが得られるようなシフトバルブの作動位置を基準位置
とし、シフトバルブを、この基準位置から、変速目標値
と変速現在値との偏差を零にする方向に作動させるよう
になっている。
【0117】なお、Vベルトとしては、多数の金属駒を
ベルトストラップにより無端リングベルト状に保持して
なり、ドライブ側およびドリブン側可動プーリ間に巻掛
けられた状態で、各金属駒が隣接する金属駒を押して駆
動力を伝達するようになった押し駒式金属Vベルトを用
いるのが好ましい。
【0118】以上のような制御装置により変速制御を行
えば、変速指令が出されたときに、そのときの変速比で
定常走行した場合に必要とされる軸推力比γ=Qdr/Q
dnとなるシフトバルブの位置が基準作動位置として設定
される。そして、この基準作動位置から変速目標値と変
速現在値との偏差を零にするようにシフトバルブの作動
が制御されるため、変速開始時のみならず変速過渡状態
においても、ドライブ側およびドリブン側プーリの軸推
力を最適にするような制御を行うことができ、そのとき
の変速比で定常走行したときの軸推力比となるシフトバ
ルブ位置を基準作動位置として制御するので、定常偏差
がほとんど発生しない。さらに、変速目標値と変速現在
値との偏差を零にするような制御値が出力されるため、
この偏差が大きいときには急速に変速比を目標値に近づ
け、偏差が小さくなるにしたがってゆっくりと変速比を
目標値に近づける制御がなされ、最適な変速速度に基づ
く変速制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る制御装置を有したVベルト式無段
変速機を示すスケルトン図である。
【図2】本発明に係る制御装置を示す油圧回路図であ
る。
【図3】本発明に係る制御装置を示す油圧回路図であ
る。
【図4】この制御装置による制御内容を示すフローチャ
ートである。
【図5】この制御に用いられる目標エンジン回転数と車
速とスロットル開度との関係を示すグラフである。
【図6】この制御に用いられる変速比と軸推力比との関
係を示すグラフである。
【図7】この制御装置により設定される高制御圧と低制
御圧との関係を示すグラフである。
【図8】この制御装置を構成するシフトバルブストロー
クとドライブ側およびドリブン側シリンダ室油圧との関
係を示すグラフである。
【図9】この制御装置において所定の変速比を得るため
の低制御圧とシフトバルブストロークとの関係を示すグ
ラフである。
【図10】この制御装置による制御内容を示す制御ブロ
ック図である。
【図11】図6の関係を実証する実験に用いられた金属
Vベルトを示す斜視図である。
【図12】この金属Vベルトを構成する押し駒を示す正
面図および側面図である。
【図13】この実験用の装置構成を示すブロック図であ
る。
【図14】変速比i=0.5の場合でのトルク比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図15】変速比i=0.8の場合でのトルク比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図16】変速比i=1.0の場合でのトルク比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図17】変速比i=1.25の場合でのトルク比とプ
ーリ推力比との関係について得られた実験結果を示すグ
ラフである。
【図18】変速比i=2.0の場合でのトルク比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図19】金属Vベルトを構成する押し駒に作用する力
を示す斜視図である。
【図20】変速比とプーリ推力との関係を示すグラフで
ある。
【図21】変速比と摩擦係数の比との関係を示すグラフ
である。
【図22】金属Vベルトの動力伝達状態およびブロック
の速度とリングの速度を示す説明図である。
【図23】変速比i>1の場合の金属Vベルトの動力伝
達状態を示す説明図である。
【図24】変速比i<1の場合の金属Vベルトの動力伝
達状態を示す説明図である。
【図25】変速比i=0.5の場合でのトルク比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図26】変速比i=1.0の場合でのトルク比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図27】変速比i=2.0の場合でのトルク比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図28】トルク比r=0.77における変速比とプー
リ推力比との関係について得られた実験結果を示すグラ
フである。
【図29】変速比i=0.5の場合でのトラクション係
数とプーリ推力をプーリ軸間力で割った値との関係につ
いて得られた実験結果を示すグラフである。
【図30】変速比i=1.0の場合でのトラクション係
数とプーリ推力をプーリ軸間力で割った値との関係につ
いて得られた実験結果を示すグラフである。
【図31】変速比i=2.0の場合でのトラクション係
数とプーリ推力をプーリ軸間力で割った値との関係につ
いて得られた実験結果を示すグラフである。
【図32】変速比i=0.5の場合でのトラクション係
数とプーリ推力をプーリ軸間力で割った値との関係につ
いて得られた実験結果を示すグラフである。
【図33】変速比i=1.0の場合でのトラクション係
数とプーリ推力をプーリ軸間力で割った値との関係につ
いて得られた実験結果を示すグラフである。
【図34】変速比i=2.0の場合でのトラクション係
数とプーリ推力をプーリ軸間力で割った値との関係につ
いて得られた実験結果を示すグラフである。
【図35】トルク比とプーリ推力比との理論値を示すグ
ラフである。
【図36】この理論値に基づいて得られた変速比とプー
リ推力比との関係を示すグラフである。
【図37】トラクション係数とLog{(1+λ)/
(1−λ)}との関係を示すグラフである。
【図38】トラクション係数とln{(1+λ)/(1
−λ)}との関係を示すグラフである。
【図39】変速比とプーリ推力比との関係についての理
論値、修正理論値および実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
5 発進クラッチ 10 金属Vベルト機構 20 遊星歯車式前後進切換機構 25 前進用クラッチ 27 後進用ブレーキ 40 クラッチレデューシングバルブ 43 クラッチコントロールバルブ 46 マニュアルバルブ 50 高低圧コントロールバルブ 60 シフトバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 健正 京都市中京区室町通丸太町下ル道場町9フ ルホワイト102

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸に繋がるドライブ側可動プーリ
    と、出力軸に繋がるドリブン側可動プーリと、これらド
    ライブ側およびドリブン側可動プーリ間に巻掛けられた
    Vベルトと、前記ドライブ側可動プーリのプーリ幅設定
    用のドライブ側シリンダと、前記ドリブン側可動プーリ
    のプーリ幅設定用のドリブン側シリンダとを有してなる
    ベルト式無段変速機において、 高制御圧PHを有した高圧制御油を作り出す高圧レギュ
    レータバルブと、この高制御圧PHより低圧の低制御圧
    PLを有した低圧制御油を作り出す低圧レギュレータバ
    ルブと、前記高圧制御油および低圧制御油を前記ドライ
    ブ側シリンダおよびドリブン側シリンダに振り分けて供
    給するシフトバルブと、このシフトバルブの作動を制御
    するシフトコントロール手段とからなり、 このシフトコントロール手段は、 現在の変速比を定常状態で保持するために必要な前記ド
    ライブ側シリンダの軸推力Qdrと前記ドリブン側シリン
    ダの軸推力Qdnとの比(軸推力比)γ=Qdr/Qdnが得
    られるような前記シフトバルブの作動位置を基準位置と
    して、前記シフトバルブを、この基準位置から、変速目
    標値と変速現在値との偏差を零にする方向に作動させる
    制御を行うことを特徴とするベルト式無段変速機の制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記Vベルトが、多数の金属駒をベルト
    ストラップにより無端リングベルト状に保持してなり、
    前記ドライブ側およびドリブン側可動プーリ間に巻掛け
    られた状態で、前記各金属駒が隣接する前記金属駒を押
    して駆動力を伝達するようになった押し駒式金属Vベル
    トであることを特徴とする請求項1に記載のベルト式無
    段変速機。
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