JP2000198375A - 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の変速制御装置

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JP2000198375A
JP2000198375A JP11001105A JP110599A JP2000198375A JP 2000198375 A JP2000198375 A JP 2000198375A JP 11001105 A JP11001105 A JP 11001105A JP 110599 A JP110599 A JP 110599A JP 2000198375 A JP2000198375 A JP 2000198375A
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speed
clutch
engine speed
mode clutch
direct connection
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JP11001105A
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English (en)
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Motoharu Nishio
元治 西尾
Hiromasa Sakai
弘正 酒井
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 【解決手段】 無段変速機2と一定変速機3とをユニッ
ト入力軸1aにそれぞれ連結するとともに、無段変速機
2と一定変速機3の出力軸を遊星歯車機構5、動力循環
モードクラッチ9及び直結モードクラッチ10を介して
ユニット出力軸6に連結し、車両の制動状態を検出する
ブレーキスイッチ86と、エンジン回転数を検出するエ
ンジン回転数センサ81と、制動状態が検出されたとき
には、エンジン回転数の検出値と予め設定した最低エン
ジン回転数を比較して、エンジン回転数が最低エンジン
回転数よりも小さいときには、動力循環モードクラッチ
9または直結モードクラッチ10の締結容量を低減す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる変速比無限大無段変速機の変速制御装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の変速機として、ベルト式
やトロイダル型の無段変速機が知られており、このよう
な無段変速機の変速領域をさらに拡大するために、無段
変速機に一定変速機と遊星歯車機構を組み合わせて変速
比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無段変速機
が知られており、例えば、本願出願人が提案した特開平
9−210175号などがある。
【0003】これは、エンジンに連結されるユニット入
力軸に無段変速機と一定変速機(減速機)とを並列的に
連結するとともに、これらの出力をユニット出力軸に配
設した遊星歯車機構で結合したもので、無段変速機の出
力側は無段変速機出力ギア列を介して遊星歯車機構のサ
ンギアに、一定変速機の出力軸は動力循環モードクラッ
チを介して遊星歯車機構のキャリアにそれぞれ連結され
る。
【0004】また、サンギアと連結した無段変速機出力
軸は、直結モードクラッチを介して変速比無限大無段変
速機の出力軸であるユニット出力軸に結合される一方、
遊星歯車機構のリングギアもユニット出力軸に結合され
る。
【0005】このような変速比無限大無段変速機では、
図10に示すように、動力循環モードクラッチを締結す
る一方、直結モードクラッチを解放することにより、無
段変速機と一定変速機の変速比の差に応じて、ユニット
変速比ii(図中IVT比iiでユニット入力軸回転数
/ユニット出力軸回転数)を負の値から正の値まで無限
大(=ギアードニュートラルポイントGNP)を含んで
連続的に変速制御を行う動力循環モードと、動力循環モ
ードクラッチを遮断する一方、直結モードクラッチを接
続して無段変速機の変速比icに応じて変速制御を行う
直結モードを選択的に使用することができる。
【0006】そして、走行中には直結モードクラッチま
たは動力循環モードクラッチの一方を締結するととも
に、無段変速機の変速比(図中CVT比ic)をアクチ
ュエータの駆動によって変更することで、任意のユニッ
ト変速比iiへ向けて連続的に変速を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の変速比無限大無段変速機にあっては、直結モードま
たは動力循環モードのいずれにおいても、直結モードク
ラッチまたは動力循環モードクラッチを締結してエンジ
ンと結合した状態で走行を行っており、急制動を行って
停止する際には、図10の特性に沿ってギアードニュー
トラルポイントGNPへ向けて変速を行うが、無段変速
機のアクチュエータが急制動時の車速の急減に追従でき
ない場合では、運転可能なエンジン回転数を維持できず
にエンジンがストールする場合があるという問題があっ
た。
【0008】また、急制動時にエンジンのストールを防
止するため、動力循環モードクラッチと直結モードクラ
ッチを共に解放して、エンジンとユニット出力軸6の連
結を解除してアイドル回転数を維持させることも考えら
れるが、この場合、動力循環モードクラッチもしくは直
結モードクラッチを再締結させる必要があり、これらク
ラッチの再締結時にショックが大きくなること及び車両
が停止して無段変速機の変速比をギアードニュートラル
ポイントGNPに設定してから動力循環モードクラッチ
を締結すると、無段変速機へエンジンのトルクが伝達さ
れることで変速比が変動し、ギアードニュートラルポイ
ントGNPの維持が難しくなるという問題等があった。
【0009】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、急制動時にエンジンのストールを確実に防
止して、変速制御を円滑に行うことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、エンジン
に連結されたユニット入力軸に、変速比を連続的に変更
可能な無段変速機と一定変速機とをそれぞれ連結すると
ともに、無段変速機と一定変速機の出力軸を遊星歯車機
構、動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチを
介してユニット出力軸に連結した変速比無限大無段変速
機と、前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラ
ッチの制御によって動力循環モードと直結モードを切り
換えるクラッチ制御手段と、前記無段変速機の変速比を
制御することで変速比無限大無段変速機のユニット変速
比を設定する変速比制御手段とを備えた変速比無限大無
段変速機の変速制御装置において、車両の制動状態を検
出する制動状態検出手段と、エンジン回転数を検出する
エンジン回転数検出手段と、前記制動状態が検出された
ときには、エンジン回転数の検出値と予め設定した最低
エンジン回転数を比較する比較手段と、この比較結果に
おいて、エンジン回転数が最低エンジン回転数よりも小
さいときには、前記クラッチ制御手段が動力循環モード
クラッチまたは直結モードクラッチの締結容量を低減す
る。
【0011】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記比較手段は、最低エンジン回転数を車速に応
じて変更する。
【0012】また、第3の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記クラッチ制御手段は、動力循環モードクラッ
チまたは直結モードクラッチの締結容量を、これらクラ
ッチの目標相対回転数に応じて変更する締結容量変更手
段を設ける。
【0013】また、第4の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記締結容量変更手段は、エンジン回転数が最低
エンジン回転数以上となるように、動力循環モードクラ
ッチまたは直結モードクラッチの締結容量を設定する。
【0014】また、第5の発明は、前記第3の発明にお
いて、前記締結容量変更手段は、直結モードから動力循
環モードへ移行する際には、直結モードクラッチの締結
容量の減少と動力循環モードクラッチの締結容量の増大
を同期的に行う。
【0015】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、変速比無限
大無段変速機は、エンジンとユニット出力軸を常時連結
して車両の停止状態から任意の変速比まで連続的に変速
することができ、制動が開始されてエンジン回転数が予
め設定した最低エンジン回転数よりも小さくなると、動
力循環モードクラッチまたは直結モードクラッチの締結
容量を低減することで、これらクラッチが相対回転可
能、すなわち半クラッチ状態となって、エンジンとユニ
ット出力軸の連結状態を維持しながら、エンジン回転数
が過度に低下してストールするのを防止するとともに、
制動終了後に車両が停止しても、動力循環モードクラッ
チの締結状態を維持しているため、ギアードニュートラ
ルポイントGNPからずれることがなく、急制動時のエ
ンジンストールを防止ししながら、変速制御の精度を確
保することができる。
【0016】また、第2の発明は、最低エンジン回転数
を車速に応じて変更することで、エンジン回転数を無段
変速機で設定可能な範囲内に維持することができる。
【0017】また、第3の発明は、クラッチの締結容量
を、クラッチの目標相対回転数となるように変更するこ
とで、急制動時にはクラッチの締結状態を維持しなが
ら、エンジン回転数の制御を行うことができる。
【0018】また、第4の発明は、急制動時などではエ
ンジン回転数が過度に低下するのを防いで、最低エンジ
ン回転数以上の回転数を維持して、エンジンのストール
を確実に回避することができる。
【0019】また、第5の発明は、直結モードから動力
循環モードへ移行する際に、直結モードクラッチの締結
容量の減少と動力循環モードクラッチの締結容量の増大
を同期的に行うことで、モードの切り換えを迅速かつ円
滑に行って、直結モードからの制動時でも、エンジン回
転数の維持と変速制御の精度を確保できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0021】図1〜図5に、ハーフトロイダルで構成さ
れたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機2を
用いて変速比無限大無段変速機を構成した一例を示す。
【0022】図1〜図3に示すように、変速比無限大無
段変速機はエンジンのクランクシャフト(図示せず)に
連結されるユニット入力軸1a、1bに、変速比を連続
的に変更可能な無段変速機2と、ギア3a、ギア3bか
ら構成された一定変速機3(減速機)を並列的に連結す
るとともに、これらの出力軸4、3cをユニット出力軸
6に配設するとともに遊星歯車機構5で連結したもの
で、無段変速機2の出力軸4は遊星歯車機構5のサンギ
ア5aに、一定変速機3の出力軸3cは動力循環モード
クラッチ9を介して遊星歯車機構5のキャリア5bに連
結される。
【0023】サンギア5aと連結した無段変速機出力軸
4は、スプロケット4a及びチェーン40から無段変速
機2の駆動力を受け、直結モードクラッチ10を介して
変速比無限大無段変速機の出力軸であるユニット出力軸
6に結合される一方、リングギア5cもユニット出力軸
6に結合される。
【0024】ユニット出力軸6の図中右側には変速機出
力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア7はディファ
レンシャルギア8のファイナルギア12と歯合し、ディ
ファレンシャルギア8に結合する駆動軸11a、11b
は、所定の総減速比で駆動力が伝達される。
【0025】無段変速機2は、図1に示すように、2組
の入力ディスク21、出力ディスク22で、パワーロー
ラ20、20をそれぞれ挟持、押圧するダブルキャビテ
ィのハーフトロイダル型で構成され、一対の出力ディス
ク22の間に介装された出力スプロケット2aは、チェ
ーン40を介してユニット入力軸1a、1bと平行して
配置されたユニット出力軸6の無段変速機出力軸4に形
成したスプロケット4aと連結する。
【0026】また、図2に示すように、ユニット入力軸
1a、1bは、同軸的に配設されるとともに、ローディ
ングカム13を介して回転方向で結合しており、ユニッ
ト入力軸1aはエンジンのクランクシャフトに結合され
るとともに、一定変速機3のギア3aを形成し、ユニッ
ト入力軸1bは2組の入力ディスク21、21に連結さ
れて、ユニット入力軸1aからの入力トルクに応じてロ
ーディングカム13が発生した軸方向の押圧力によっ
て、パワーローラ20、20を入出力ディスクの間で挟
持、押圧する。
【0027】そして、対向する位置に配置されたパワー
ローラ20、20は、図4に示すように、下部を油圧シ
リンダ30に結合して軸方向へ変位可能かつ軸まわりに
回転可能なトラニオン23にそれぞれ軸支され、複数の
トラニオン23のうちの一つの下端には後述するシフト
コントロールバルブ46へ傾転角、すなわち、実変速比
とトラニオン23の軸方向変位を合成してフィードバッ
クするためのプリセスカム35が設けられる。
【0028】油圧シリンダ30はピストン31によって
画成された上下の油室30A、30Bを備えており、図
4に示すように、対向配置されたトラニオン23、23
の油圧シリンダ30、30は、油室30A、30Bの配
置が相互に逆転すように設定されて、トラニオン23、
23は相互に逆方向へ駆動される。
【0029】このため、油室30Aの油圧を増大すると
同時に油室30Bの油圧を低減すると、図中右側のトラ
ニオン23が上昇する一方、図中左側のトラニオン23
は下降してパワーローラ20、20はLo側(変速比=
大側)へ傾転して変速が行われる。一方、油室30Aの
油圧を低減すると同時に油室30Bの油圧を増大する
と、図中右側のトラニオン23が下降する一方、図中左
側のトラニオン23は上昇してパワーローラ20、20
はHi側(変速比=小側)へ傾転して変速が行われる。
【0030】そして、プリセスカム35は、図4に示す
ように円周方向に所定の傾斜を備えたカム溝またはカム
面を備えており、このカム溝またはカム面に揺動自在な
フィードバックリンク38の一端が摺接する。
【0031】フィードバックリンク38は、例えば、L
字状に形成されるとともに揺動軸39を中心に揺動自在
に支持されており、一端で上記カム溝またはカム面と摺
接する一方、他端で変速リンク37の一端と係合し、ト
ラニオン23の回転量、すなわち傾転角と、軸方向変位
量を変速リンク37の一端に伝達する。
【0032】図5に示すように、変速リンク37は、中
央部でシフトコントロールバルブ46のスプール46S
の端部と連結する一方、フィードバックリンク38と連
結した端部の反対側の端部ではステップモータ36と連
結し、変速リンク37はステップモータ36の駆動によ
ってシフトコントロールバルブ46を軸方向に変位させ
るとともに、トラニオン23の回動と軸方向変位に応じ
てシフトコントロールバルブ46を軸方向に変位させ
る。
【0033】一方、直結モードと動力循環モード切り換
える動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ1
0は、遊星歯車機構5を挟んだユニット出力軸6上で同
軸的に配設されており、動力循環モードクラッチ9は油
室9aに供給されるクラッチ圧Pprcがリターンスプ
リング9bに対向してピストンを押圧することで締結が
行われ、クラッチ圧Pprcの低下に応じてクラッチ容
量を減少して半クラッチ状態から解放に至る。
【0034】同様に直結モードクラッチ10は油室10
aに供給されるクラッチ圧Pdcがリターンスプリング
10bに対向してピストンを押圧することで締結が行わ
れ、クラッチ圧Pdcの低下に応じてクラッチ容量を減
少して半クラッチ状態から解放に至る。
【0035】なお、これら動力循環モードクラッチ9、
直結モードクラッチ10は、運転者のシフト操作に応動
するセレクトスイッチ85(図3参照)が、ニュートラ
ル位置Nまたはパーキング位置Pのときには、共に解放
状態となる一方、走行レンジDにあるときはどちらか一
方のクラッチが締結されており、後退レンジRでは動力
循環モードクラッチ9が締結される。
【0036】変速比無限大無段変速機の変速制御は、図
3に示すように、マイクロコンピュータを主体に構成さ
れた変速制御コントローラ80によって行われ、ユニッ
ト入力軸1の回転数Ni(=エンジン回転数Ne)を検
出する入力軸回転数センサ81からの出力と、無段変速
機出力軸4の回転数Noを検出する無段変速機出力軸回
転数センサ82からの出力と、ユニット出力軸6等の回
転数から車速VSPを検出する車速センサ83からの出
力と、アクセル開度センサ84が検出したアクセルペダ
ルの踏み込み量APSと、シフト操作に応動するセレク
トスイッチ85からのシフト位置POS、ブレーキスイ
ッチ86からのブレーキ信号BRK等がそれぞれ入力さ
れる。
【0037】変速制御コントローラ80はこれらの検出
値を運転状態として処理し、この運転状態に応じてソレ
ノイド91、92をデューティ制御により駆動すること
で動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッチ10
を選択的に締結して動力循環モードと直結モードを切り
換えるとともに、運転状態に応じたユニット変速比ii
(ユニット入力軸1aとユニット出力軸6の速度比=変
速比)となるようにステップモータ36を駆動すること
で無段変速機2の変速比ic(以下、CVT比icとす
る)を制御する。なお、セレクトスイッチ85の検出値
POSは、上記したように走行レンジをD、後退レンジ
をR、ニュートラル位置をN、パーキング位置をPと
し、また、ブレーキスイッチ86の検出値は、ブレーキ
作動時にON、ブレーキ解放時にOFFとする。
【0038】次に、図5を参照しながら油圧制御装置に
ついて詳述する。
【0039】まず、油圧制御装置は、油圧ポンプから供
給された油圧が、PLソレノイド90によって制御され
たプレッシャレギュレータ100で所定の圧力に調整さ
れ、ライン圧PLとしてライン圧回路101へ供給され
る。
【0040】そして、ライン圧回路101には、トラニ
オン23を駆動する油圧シリンダ30への流量と供給方
向を制御するシフトコントロールバルブ46が接続さ
れ、上記したように、変速リンク37を介して変速制御
コントローラ80に制御されるステップモータ36また
はフィードバックリンク38の変位に応じてスプール4
6Sが変位し、スプール46Sの変位量に応じてライン
圧PLを油圧シリンダ30の2つの油室30A、30B
のうちの一方へ供給する。
【0041】また、ライン圧回路101には、動力循環
モードクラッチ9を制御するソレノイド92と、直結モ
ードクラッチ10を制御するソレノイド91が配設さ
れ、これらソレノイド91、92は変速制御コントロー
ラ80によってデューティ制御される。
【0042】デューティ制御によって駆動されたソレノ
イド92からの信号圧に応じて、制御弁94は、マニュ
アルバルブ60からのライン圧PLを調圧してクラッチ
圧Pprcとして動力循環モードクラッチ9へ供給し、
締結、解放を行っており、この信号圧の増大によってク
ラッチ圧Pprcも増大して、動力循環モードクラッチ
9は解放状態から締結されるとともにトルク伝達容量が
クラッチ圧Pprcに応じて増大する一方、ソレノイド
92からの信号圧が減少するとクラッチ圧Pprcも低
下して、制御弁94は動力循環モードクラッチ9の油室
9a(図2参照)をドレーンに接続して半クラッチ状態
の後に解放する。
【0043】同様に、ソレノイド91からの信号圧に応
じて、制御弁93はマニュアルバルブ60からのライン
圧PLを調圧し、クラッチ圧Pdcとして直結モードク
ラッチ10へ供給して締結、解放を行っており、ソレノ
イド91からの信号圧が増大するとクラッチ圧Pdcも
増大して解放状態から締結されるとともにトルク伝達容
量がクラッチ圧Pdcに応じて増大する一方、信号圧が
減少するとクラッチ圧Pdcも低下するため、制御弁9
3は直結モードクラッチ10の油室10a(図2参照)
をドレーン側に接続して半クラッチ状態の後に解放す
る。
【0044】このように、上記ソレノイド92、91の
デューティ制御によって動力循環モードクラッチ9及び
直結モードクラッチ10のうちの一方が締結されて、動
力循環モードと直結モードが選択的に切り換えられると
ともに、ソレノイド91、92のデューティ比に応じて
伝達トルクの制御を行うことができる。
【0045】ここで、シフトコントロールバルブ46
は、ライン圧回路101に連通した供給ポート46P
と、油圧シリンダ30の油室30Aと連通したLo側ポ
ート46Lと、油圧シリンダ30の油室30Bと連通し
たHi側ポート46Hと、2つのドレーンポート46
D、46Dが供給ポート46Pを挟んで設けられてお
り、スプール46Sの軸方向変位に応じて、供給ポート
46PからLo側ポート46LまたはHi側ポート46
Hのうちの一方にライン圧PLが調圧されて供給される
一方、他方のポートはドレーンポート46Dと連通す
る。
【0046】すなわち、スプール46Sが中立位置にあ
る場合は、供給ポート46P、ドレーンポート46D、
Lo側ポート46L及びHi側ポート46Hはそれぞれ
封止されて、油室30A及び油室30Bの油圧が保持さ
れる。
【0047】この中立位置から図中上方へスプール46
Sが変位すると、供給ポート46PとLo側ポート46
Lが連通する一方、Hi側ポート46Hがドレーンポー
ト46Dと連通し、供給ポート46Pの開口量と供給ポ
ート46PとLo側ポート46Lの差圧(圧力差)に応
じた流量がLo側ポート46Lへ供給される。
【0048】逆に、中立位置から図中下方へスプール4
6Sが変位すると、供給ポート46PとHi側ポート4
6Hが連通する一方、Lo側ポート46Lがドレーンポ
ート46Dと連通し、供給ポート46Pの開口量と供給
ポート46PとHi側ポート46Hの差圧(圧力差)に
応じた流量がHi側ポート46Hへ供給される。
【0049】いま、目標CVT比ticがLo側に変化
した場合、ステップモータ36は変速リンク37の一端
を図5の上方へ目標CVT比ticに応じて変位させ、
このときパワーローラ20の傾転角が定常状態にあれば
プリセスカム35は停止しているため、スプール46S
も上方へ変位して、供給ポート46PとLo側ポート4
6Lが連通する一方、Hi側ポート46Hがドレーンポ
ート46Dと連通し、供給ポート46PからLo側ポー
ト46Lを介して供給された流量に応じて油室30Aの
油圧が上昇する一方、油室30B内の油圧はドレーンポ
ート46Dから排出されて、図3に示す右側のトラニオ
ン23は上昇し、パワーローラ20はトラニオン23の
上昇に伴って傾転する。
【0050】油圧シリンダ30の駆動によって、トラニ
オン23は軸方向及び軸まわりに変位し、これらトラニ
オン23の変位はフィードバックリンク38を介して変
速リンク37へ伝達され、パワーローラ20のLo側へ
の傾転に応じてフィードバックリンク38は、図4にお
いて、変速リンク37の左側端部を下方へ変位させる。
【0051】したがって、上方に変位していたスプール
46Sは、中立位置へ向けた下方へ変位し、パワーロー
ラ20の傾転角が目標CVT比ticに一致した時点
で、スプール46Sは再び中立位置へ復帰して、油圧シ
リンダ30の駆動を停止する。
【0052】こうして、変速時には、まず、ステップモ
ータ36によってスプール46Sが駆動されることで、
油室30Aへライン圧回路101から作動油が供給され
る一方、油室30B内の圧油はタンクへ排出されて、ト
ラニオン23が変位することでパワーローラ20の傾転
角はLo側へ向かい、次に、パワーローラ20の傾転角
とトラニオン23の軸方向変位がプリセスカム35、フ
ィードバックリンク38及び変速リンク37を介してシ
フトコントロールバルブ46へフィードバックされるた
め、スプール46Sは徐々に中立位置へ復帰して、ステ
ップモータ36が指令した目標CVT比ticと一致さ
せた状態を維持することができる。
【0053】一方、目標CVT比ticがHi側に変化
した場合では、上記とは逆方向にステップモータ36等
が駆動されて、パワーローラ20がHi側へ傾転する。
【0054】ここで、変速制御コントローラ80で行わ
れる変速制御の一例について、図6〜図8のフローチャ
ートを参照しながら以下に詳述する。なお、各フローチ
ャートは、所定時間毎、例えば、10msec毎に実行され
るもので、図6は目標CVT比及び目標ステップ数の演
算を、図7は直結モードクラッチ10または動力循環モ
ードクラッチ9の締結油圧の演算を、また、図8は、直
結モードと動力循環モードの切り換えを行うフローチャ
ートである。
【0055】まず、図6のステップS1では、車速セン
サ83からの車速VSP、アクセル開度センサ84が検
出したアクセルペダルの踏み込み量APS、出力軸回転
数センサ82からの出力軸回転数Noを読み込んでか
ら、ステップS2では、図9に示すマップに基づいて、
車速VSPとアクセル踏み込み量APSより目標入力軸
回転数tNi(=目標エンジン回転数tNe)を演算す
る。
【0056】なお、図9のマップは、アクセル踏み込み
量APSをパラメータとして、車速VSPに対する目標
入力軸回転数tNiを予め設定したものである。また、
変速比無限大無段変速機のユニット入力軸1aは、図示
しないエンジンに直結されるため、入力軸回転数Ni=
エンジン回転数Neであり、したがって、目標入力軸回
転数tNi=目標エンジン回転数tNeとして扱う。
【0057】次にステップS3では、ステップS2で求
めた目標入力軸回転数tNiを出力軸回転数Noで除し
たものを、変速比無限大無段変速機の目標ユニット変速
比tiiとし、図10のマップに基づいて、この目標ユ
ニット変速比tiiに対応する無段変速機2の目標CV
T比ticを演算するとともに、直結モードまたは動力
循環モードの動作モードを求める。
【0058】そして、ステップS4では、目標CVT比
ticに対応するステップモータ36のステップ数ST
EP(目標駆動位置)を、図11のマップに基づいて演
算する。なお、図11のマップは、プリセスカム35等
の変速機構やシフトコントロールバルブ46の特性に応
じて予め設定されたものである。
【0059】そして、このステップ数STEPに基づい
てステップモータ36を駆動し、無段変速機2のCVT
比icを変更する。
【0060】次に、図7に示す直結モードクラッチ10
または動力循環モードクラッチ9の締結油圧の演算につ
いて詳述する。
【0061】まず、図7のステップS10では、ブレー
キスイッチ86の信号と、入力軸回転数センサ81から
の入力軸回転数Niをエンジン回転数Neとして読み込
んでから、ステップS11で、ブレーキが作動中である
か、すなわち、検出値BRK=ONであるかを判定し
て、ONであればステップS12以降の処理へ進む一
方、OFFの場合にはステップS17の通常の締結制御
へ進む。
【0062】制動中のステップS12では、ステップS
10で読み込んだ車速VSPより、図12に示すマップ
に基づいて最低エンジン回転数Neminを演算する。
【0063】この図12のマップは、エンジンの特性等
に応じて予め設定されたもので、例えば、アイドル回転
数(図中idle)以上で、変速比無限大無段変速機で設定
可能な値となるように設定される。
【0064】次に、ステップS13では、現在のエンジ
ン回転数Neと最低エンジン回転数Neminを比較し
て、エンジン回転数Neが最低エンジン回転数Nemin
よりも低い場合には、ステップS14以降のストール防
止処理へ進む一方、そうでない場合には、ステップS1
7の通常の締結制御へ進む。
【0065】エンジン回転数Neが最低エンジン回転数
Neminよりも小さい場合のステップS14では、動力
循環モードクラッチ9または直結モードクラッチ10の
トルク伝達容量を制御することで半クラッチ状態とし
て、最低エンジン回転数Neminを確保可能な入力側と
出力側の目標相対回転数ΔNcを、上記ステップS3で
判定した運転モード(直結モードまたは動力循環モー
ド)に応じて演算する。
【0066】直結モードで運転中の場合では、最低エン
ジン回転数Neminを維持するために、直結モードクラ
ッチ10の締結容量を低減して半クラッチ状態とするこ
とで、車速VSPの急減に伴うエンジン回転数Neの過
度の低下を抑制することができる。
【0067】このため、直結モードクラッチ10の入力
側と出力側の目標相対回転数ΔNdcを、次のように演
算する。
【0068】まず、直結モードクラッチ10の入力側、
すなわち、図1、図2に示した無段変速機出力軸4の回
転数をN4とすると、 N4=Ne×ic×Rto1 ………(1) で表される。なお、Rto1はチェーン40及びスプロ
ケット2a、4aの減速比である。
【0069】一方、直結モードクラッチ10の出力側と
なるユニット出力軸6の回転数をN6とすると、 N6=VSP/Rto2 ………(2) で表される。なお、Rto2はディファレンシャルギア
8の減速比である。
【0070】したがって、直結モードクラッチ10の入
力側と出力側の目標相対回転数ΔNdcは、エンジン回
転数Ne=最低エンジン回転数Neminとしときに、 ΔNdc=N6−N4 ………(3) となる。
【0071】一方、動力循環モードで運転中の場合で
は、最低エンジン回転数Neminを維持するために、動
力循環モードクラッチ9の締結容量を低減して半クラッ
チ状態とすることで、車速VSPの急減に伴うエンジン
回転数Neの過度の低下を抑制することができる。
【0072】このため、動力循環モードクラッチ9の入
力側と出力側の目標相対回転数ΔNprcを、次のよう
に演算する。
【0073】まず、動力循環モードクラッチ9の入力
側、すなわち、図1、図2に示した一定変速機3のギア
3b側の回転数をN3bとすると、 N3b=Nemin×Rto3 ………(4) で表される。なお、Rto3は一定変速比3の減速比の
減速比である。
【0074】また、動力循環モードクラッチ9の出力側
となる遊星歯車機構5のキャリア5bの回転数をN5b
とすると、 N5b=N6−N4 ………(5) で表される。なお、Rto2はディファレンシャルギア
8の減速比である。
【0075】したがって、動力循環モードクラッチ9の
入力側と出力側の目標相対回転数ΔNprcは、エンジ
ン回転数Ne=最低エンジン回転数Neminとしとき
に、 ΔNprc=N5b−N3b ………(6) となる。
【0076】そして、現在の運転モードが直結モードで
あれば、上記(3)式で求めた目標相対回転数ΔNdc
をΔNcにセットする一方、現在の運転モードが動力循
環モードであれば、上記(6)式で求めた目標相対回転
数ΔNdcをΔNcに設定する。
【0077】こうして、直結モードであれば、目標相対
回転数ΔNcをΔNdcに設定し、動力循環モードであ
れば、目標相対回転数ΔNcをΔNprcに設定する。
【0078】次に、ステップS15では、上記ステップ
Sで求めたクラッチの目標相対回転数ΔNcを実現可能
なクラッチ圧PdcまたはPprcに設定するため、直
結モード10を制御するソレノイド92または動力循環
モードクラッチ9を制御するソレノイド91のデューテ
ィ比の変化分ΔdutyCを、 ΔdutyC=Kp({ΔNc(t)−ΔNc(t−Δt)}+Ki(Nemin−Ne) ………(7) として演算する。
【0079】ただし、Kp:比例ゲイン Ki:積分ゲイン (t):現在値 (t−Δt):前回値 で、Δtは制御周期を示す。
【0080】そして、ステップS16では、上記(7)
式のPI制御によるデューティ比変化分ΔdutyCか
ら、今回の制御目標値dutyC(t+Δt)を、 dutyC(t+Δt)=dutyC(t)+ΔdutyC ………(8) として演算する。
【0081】一方、ステップS11の判定で制動中にな
い場合や、ステップS13の判定でエンジン回転数Ne
が最低エンジン回転数Neminよりも大きい場合には、
ステップS17へ進んで、通常の締結容量制御により制
御目標値dutyCを演算する。
【0082】この通常締結容量制御は、伝達トルクすな
わち、変速比無限大無段変速機への入力トルクとユニッ
ト変速比iiに応じて、図13に示すように予め設定さ
れたマップに基づいてクラッチ圧PdcまたはPprc
を求め、これらクラッチ圧を図示しないマップまたは関
数によってデューティ比の制御目標値dutyCを求め
る。
【0083】なお、入力トルクはエンジンの特性に基づ
いて、マップなどから求めるもので、図示はしないが、
アクセル踏み込み量APSをパラメータとしてエンジン
回転数Neに応じたトルクのマップなどから演算する。
【0084】上記ステップS10〜S17より、制動中
にエンジン回転数Neが最低エンジン回転数Neminよ
り低下すると、直結モードクラッチ10または動力循環
モードクラッチ9の相対回転が許容されて、目標相対回
転数ΔNcとなるように目標デューティ比dutyCが
設定されてクラッチ圧PdcまたはPprcが制御され
る。
【0085】また、制動中であってもエンジン回転数N
eが最低エンジン回転数Neminよりも大きければ、通
常の締結容量制御によって目標デューティ比dutyC
が設定され、すなわち、クラッチの相対回転数は0に設
定されて、図10に示したマップ上でギアードニュート
ラルポイントGNPへ向けて変速する。
【0086】次に、動力循環モードクラッチ9及び直結
モードクラッチ10の制御を、図8のフローチャートを
参照しながら詳述する。
【0087】まず、図8のステップS20では、セレク
トスイッチ85からのシフト位置POS、車速センサ8
3からの車速VSP、アクセル開度センサ84が検出し
たアクセルペダルの踏み込み量APSを読み込んでか
ら、ステップS21で、シフト位置POSがDレンジに
あるか否かを判定し、DレンジにあればステップS22
へ進む一方、そうでない場合にはRレンジまたはN、P
レンジと判定してステップS26の動力循環モードクラ
ッチ制御へ進む。
【0088】Dレンジでは、図10に示したように、ギ
アードニュートラルポイントGNPから回転同期点まで
の動力循環モードの領域と、回転同期点よりもIVT比
がHi側(小側)となる直結モードの領域があるので、
ステップS22では、図14に示すマップに基づいて、
車速VSPとアクセル踏み込み量APSに応じて、現在
の運転モードが直結モードと動力循環モードのいずれに
あるかを判定し、動力循環モードであればステップS2
4へ進む一方、直結モードであればステップS25へ進
んで、それぞれクラッチ制御を行う。
【0089】動力循環モードクラッチ9の制御を行うス
テップS24、S26では、上記図7のステップS16
またはステップS17で求めた目標デューティ比dut
yCに基づいて、図5に示したソレノイド91を制御し
てクラッチ圧Pprcを制御し、動力循環モードクラッ
チ9の締結容量または締結、解放を制御する。
【0090】一方、直結モードクラッチ10の制御を行
うステップS25では、上記図7のステップS16また
はステップS17で求めた目標デューティ比dutyC
に基づいて、図5に示したソレノイド92を制御してク
ラッチ圧Pdcを制御し、直結モードクラッチ10の締
結容量または締結、解放を制御する。
【0091】上記制御により、通常走行中には入力トル
クに応じた締結容量に制御されて、直結モードクラッチ
10または動力循環モードクラッチ9を介してエンジン
のトルクが伝達される。
【0092】走行中に、通常の制動、すなわち、減速度
の低い制動を行う場合では、図15の一点鎖線に示すよ
うに、中高車速域の直結モードから回転同期点に対応し
た車速VSPmをよぎって動力循環モードのギアードニ
ュートラルポイントGNPまで変速して停車状態とな
り、この場合では無段変速機2の変速速度は車速VSP
の減少に追従可能であるため、エンジン回転数Neは図
12に示した最低エンジン回転数Neminを下回ること
なく円滑に停車できる。
【0093】一方、走行中に急制動が行われると、図1
5の実線に示すように、車速VSPが急激に減少して停
車するため、無段変速機2の変速速度がこの車速VSP
の急減に追従できなくなると、図12に示したマップの
ように、エンジン回転数Neは運転可能な最低エンジン
回転数Nemin未満となって、前記従来例でも述べたよ
うにエンジンがストールするおそれがある。
【0094】そこで、エンジン回転数Neが最低エンジ
ン回転数Neminを下回ると、直結モードクラッチ10
または動力循環モードクラッチ9の相対回転が許容され
て、これらクラッチは、目標相対回転数ΔNcに応じた
目標デューティ比dutyCによってクラッチ圧Pdc
またはPprcが低減されて締結容量が小さくなって、
半クラッチ状態となる。
【0095】したがって、目標相対回転数ΔNcに応じ
た半クラッチ状態により、車速VSPの急減に対して無
段変速機2の変速比が追従できなくとも、エンジン回転
数Neは最低エンジン回転数Nemin以上を維持するこ
とが可能となって、エンジンのストールを確実に回避す
ることができる。
【0096】そして、エンジン回転数Neの維持は、動
力循環モードクラッチ9または直結モードクラッチ10
のうちの一方を、半締結状態にしてトルクを伝達してお
くことにより、入力トルクの変動によってCVT比が変
動するトロイダル型無段変速機などを用いた場合であっ
ても、変速制御の精度を確保することが可能となるので
ある。
【0097】また、直結モードで走行している状態で制
動が行われると、図15に示したように、回転同期点に
対応した車速VSPmをよぎって動力循環モードのギア
ードニュートラルポイントGNPまで変速し、モード切
換車速VSPmでは、直結モードクラッチ10を解放す
る一方、動力循環モードクラッチ9を締結する切り換え
制御が必要になる。
【0098】この切り換え制御を行う際に、図15の一
点鎖線で示したような緩減速時では、無段変速機2のC
VT比を変化させながらクラッチの締結、解放を切り換
えを行う時間が十分にあるが、図中実線で示した急減速
時は、クラッチの切り換え制御を行う時間が非常に短時
間となる。
【0099】そこで、車速VSPが回転同期点近傍(モ
ード切換車速VSPmよりも所定値だけ大きな車速V
1)に達した後は、図16のマップに示すように、直結
モードクラッチ10のクラッチ圧Pdcを減少すると同
時に、動力循環モードクラッチ9のクラッチ圧Pprc
を増大させるように、ソレノイド91、92のデューテ
ィ比を制御することで、各クラッチの締結容量が目標相
対回転数ΔNcを維持可能な範囲で急減速時の切り換え
制御を円滑に行うことが可能となって、直結モードから
動力循環モードへの移行を円滑かつ迅速に行うことがで
きる。
【0100】なお、上記実施形態において、無段変速機
2にトロイダル型を採用した一例を示したが、Vベルト
式などで構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す変速比無限大無段変
速機の概略構成図。
【図2】同じく変速比無限大無段変速機の断面図。
【図3】同じく変速比無限大無段変速機の変速制御装置
を示す概略構成図。
【図4】トロイダル型無段変速機の概略断面図。
【図5】油圧制御装置の回路図。
【図6】変速制御コントローラで行われる制御の一例を
示し、変速比制御のフローチャート。
【図7】同じく、変速制御コントローラで行われる制御
の一例を示し、クラッチ締結容量制御のフローチャー
ト。
【図8】同じく、変速制御コントローラで行われる制御
の一例を示し、クラッチ切り換え制御のフローチャー
ト。
【図9】アクセル踏み込み量APSをパラメータとし
た、車速VSPと目標エンジン回転数tNeのマップ。
【図10】CVT比とIVT比の関係を示すマップ。
【図11】目標CVT比とステップモータのステップ数
STEPの関係を示すマップ。
【図12】車速VSPに対応した最低エンジン回転数N
eminのマップ。
【図13】ユニット変速比iiと伝達トルクに応じたク
ラッチ圧のマップ。
【図14】車速VSPとアクセル踏み込み量APSに応
じた動力循環モードと直結モードの切り換えマップ。
【図15】制動時のブレーキスイッチの状態及び車速V
SPと時間の関係を示すグラフ。
【図16】直結モードクラッチと動力循環モードクラッ
チの切り換え時の油圧の変化を示すマップ。
【符号の説明】
1 ユニット入力軸 2 無段変速機 3 一定変速機 4 無段変速機出力軸 5 遊星歯車機構 6 ユニット出力軸 9 動力循環モードクラッチ 9a,10a 油室 9b、10b リターンスプリング 10 直結モードクラッチ 80 変速制御コントローラ 84 アクセル開度センサ 85 セレクトスイッチ 86 ブレーキスイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D041 AA36 AA51 AB01 AC19 AD02 AD10 AD31 AD41 AD51 AE03 AE18 AE31 AE41 AF01 3J052 AA11 AA20 CA21 FB31 GC03 GC13 GC23 GC44 GC64 HA13 HA19 KA01 LA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンに連結されたユニット入力軸
    に、変速比を連続的に変更可能な無段変速機と一定変速
    機とをそれぞれ連結するとともに、無段変速機と一定変
    速機の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モードクラッチ
    及び直結モードクラッチを介してユニット出力軸に連結
    した変速比無限大無段変速機と、 前記動力循環モードクラッチ及び直結モードクラッチの
    制御によって動力循環モードと直結モードを切り換える
    クラッチ制御手段と、 前記無段変速機の変速比を制御することで変速比無限大
    無段変速機のユニット変速比を設定する変速比制御手段
    とを備えた変速比無限大無段変速機の変速制御装置にお
    いて、 車両の制動状態を検出する制動状態検出手段と、 エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、 前記制動状態が検出されたときには、エンジン回転数の
    検出値と予め設定した最低エンジン回転数を比較する比
    較手段と、 この比較結果において、エンジン回転数が最低エンジン
    回転数よりも小さいときには、前記クラッチ制御手段が
    動力循環モードクラッチまたは直結モードクラッチの締
    結容量を低減することを特徴とする変速比無限大無段変
    速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記比較手段は、最低エンジン回転数を
    車速に応じて変更することを特徴とする請求項1に記載
    の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記クラッチ制御手段は、動力循環モー
    ドクラッチまたは直結モードクラッチの締結容量を、こ
    れらクラッチの目標相対回転数に応じて変更する締結容
    量変更手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の
    変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記締結容量変更手段は、エンジン回転
    数が最低エンジン回転数以上となるように、動力循環モ
    ードクラッチまたは直結モードクラッチの締結容量を設
    定することを特徴とする請求項3に記載の変速比無限大
    無段変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記締結容量変更手段は、直結モードか
    ら動力循環モードへ移行する際には、直結モードクラッ
    チの締結容量の減少と動力循環モードクラッチの締結容
    量の増大を同期的に行うことを特徴とする請求項3に記
    載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
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