JP2001021027A - 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

変速比無限大無段変速機の変速制御装置

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JP2001021027A
JP2001021027A JP11196007A JP19600799A JP2001021027A JP 2001021027 A JP2001021027 A JP 2001021027A JP 11196007 A JP11196007 A JP 11196007A JP 19600799 A JP19600799 A JP 19600799A JP 2001021027 A JP2001021027 A JP 2001021027A
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ratio
gear ratio
continuously variable
clutch
variable transmission
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JP11196007A
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Shinichiro Jo
新一郎 城
Taketoshi Kawabe
武俊 川邊
Itsuro Muramoto
逸朗 村本
Yasushi Narita
靖史 成田
Hiromasa Sakai
弘正 酒井
Motoharu Nishio
元治 西尾
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転同期点でユニット変速比に段差が生じる
のを抑制する。 【解決手段】 現在のユニット変速比IVTRATIO
から到達目標ユニット変速比DIVTRATIOへ向け
て回転同期点RSPを超えて変速するときに、実際のユ
ニット変速比IVTRATIOが、回転同期点RSPを
挟んで設定された2つのしきい値1/R1、1/R2の
範囲内になると、運転モードの切換を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などに採用さ
れる変速比無限大無段変速機の変速制御装置の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から車両の変速機として、ベルト式
やトロイダル型の無段変速機構が知られており、このよ
うな無段変速機構の変速領域をさらに拡大するために、
無段変速機構に一定変速機構と遊星歯車機構を組み合わ
せて変速比を無限大まで制御可能とする変速比無限大無
段変速機が知られており、例えば、特開平10−267
116号公報などがある。
【0003】これは、エンジンに連結される変速比無限
大無段変速機のユニット入力軸に、変速比を連続的に変
更可能なハーフトロイダル型の無段変速機構と、一定変
速機構(減速機構)を並列的に連結するとともに、これ
らの出力軸を遊星歯車機構で結合したもので、無段変速
機構の出力を遊星歯車機構のサンギアに、一定変速機構
の出力軸は動力循環モードクラッチを介して遊星歯車機
構のキャリアに連結される。
【0004】サンギアと連結した無段変速機構の出力軸
は、直結モードクラッチを介して変速比無限大無段変速
機の出力軸であるユニット出力軸と選択的に結合される
一方、遊星歯車機構のリングギアはユニット出力軸に結
合される。
【0005】このような変速比無限大無段変速機では、
図18に示すように、動力循環モードクラッチを締結す
る一方、直結モードクラッチを解放することにより、無
段変速機構と一定変速機構の変速比の差に応じて、ユニ
ット変速比(以下、ユニット変速比IVTRATIOで
ユニット入力軸回転数/ユニット出力軸回転数)を負の
値から正の値まで無限大(1/IVTRATIO=0で
ギアードニュートラルポイントGNPという)を含んで
連続的に変速制御を行う動力循環モードと、動力循環モ
ードクラッチを解放する一方、直結モードクラッチを締
結して無段変速機構の変速比RATIOに応じて変速制
御を行う直結モードの2つの運転モードを選択的に使用
することができる。
【0006】なお、図18においては、縦軸をユニット
変速比IVTRATIOの逆数として、無段変速機構2
の変速比RATIOと前後進の関係を連続的に表示し
た。
【0007】そして、動力循環モードと直結モードの切
り換えは、動力循環モードと直結モードでユニット変速
比IVTRATIOが一致する回転同期点RSP(Revo
lution Synchronous Point)で行い、回転同期点RS
Pに対応するユニット変速比IVTRATIO(変速比
=icr)を維持した状態で、クラッチの切り換えを行
うことで、ショックを生じることなく動力循環モードと
直結モードの切り換えを行うことが可能となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例にあっては、目標とするユニット変速比IVTRA
TIOが回転同期点RSPを挟んで変化する場合、ユニ
ット変速比IVTRATIOを変化させる途中で、一
旦、回転同期点RSPを維持してクラッチの切り換えを
済ませてから、再度目標とするユニット変速比IVTR
ATIOへ向けて変速を行うため、クラッチの切り換え
中にはユニット変速比IVTRATIOが固定されてし
まい、ユニット変速比IVTRATIOの変化速度に段
差が生じ、この変化速度の段差がトルクの段差や変速シ
ョックを発生するという問題があった。
【0009】例えば、図18に示すように、いま、図中
A点からD点へアップシフト(ユニット変速比IVTR
ATIOが小側への変速)する場合には、図19に示す
ように、ユニット変速比IVTRATIOがiiaから
目標値であるiidへ向けて徐々に変化するような指令
値(図中実線)に沿って変速を行うのが理想的である
が、時間T1からT2の間では、ユニット変速比IVT
RATIOを回転同期点RSPに固定してクラッチの切
り換えを行う必要があるため、実際のユニット変速比の
変化は図19の一点鎖線のようになって、段差を生じて
しまい、変速ショックやトルクの段差となって運転者に
違和感を与えてしまう。
【0010】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、回転同期点を挟んで変速を行う際に、変速
途中の段差を抑制することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、変速比を
連続的に変更可能な無段変速機構と一定変速機構とをユ
ニット入力軸にそれぞれ連結するとともに、無段変速機
構と一定変速機構の出力軸を遊星歯車機構、動力循環モ
ードクラッチ及び直結モードクラッチを介してユニット
出力軸に連結した変速比無限大無段変速機と、車両の運
転状態に応じて到達目標変速比と目標総変速比を設定す
る目標総変速比設定手段と、この到達目標総変速比に基
づいて、予め設定した回転同期点を境にして動力循環モ
ードと直結モードの2つの運転モードのうち、いずれか
を設定する運転モード設定手段と、この運転モードに応
じて前記動力循環モードクラッチと直結モードクラッチ
を選択的に締結して、総変速比が無限大を含んで動力を
伝達する動力循環モードと、無段変速機構の出力に応じ
て動力を伝達する直結モードとを切り換えるクラッチ切
換制御手段と、前記目標総変速比と運転モードに基づい
て、無段変速機構の変速比が予め設定した目標変速比と
なるように指令変速比を出力する変速比制御手段とを備
えた変速比無限大無段変速機の変速制御装置において、
現在の実総変速比または無段変速機構の実変速比を演算
する実変速比演算手段と、現在の実総変速比から到達目
標総変速比へ向けて変速するときに、運転モードの切り
換えが発生することを検出する運転モード切換判定手段
と、運転モードの切り換えが発生するときには、前記実
総変速比または無段変速機構の実変速比が予め設定した
値を超えたときに、前記クラッチ切換制御手段に前記動
力循環モードクラッチと直結モードクラッチの切り換え
を指令する運転モード切換開始手段とを備える。
【0012】また、第2の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記クラッチ切換制御手段は、締結中の一方を徐
々に解放しながら、解放中の他方を徐々に締結する。
【0013】また、第3の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記運転モード切換判定手段は、実総変速比が回
転同期点を挟んで予め設定された第1及び第2のしきい
値の範囲内となったときに、前記動力循環モードクラッ
チと直結モードクラッチの切り換えを指令する。
【0014】また、第4の発明は、前記第2の発明にお
いて、前記運転モード切換判定手段は、無段変速機構の
実変速比が、回転同期点よりも無段変速機構のハイ側に
予め設定されたしきい値を、回転同期点側に超えたとき
に、前記動力循環モードクラッチと直結モードクラッチ
の切り換えを指令する。
【0015】
【発明の効果】したがって、第1の発明は、現在の実総
変速比から到達目標総変速比へ移行する際に、運転モー
ドの切り換えを伴う場合では、実総変速比または無段変
速機構の実変速比が予め設定した値を超えると、回転同
期点に到達する以前に動力循環モードクラッチと直結モ
ードクラッチを切り換えが開始される。そして、運転モ
ードの切換中には、無段変速機構が回転同期点まで変速
した後に、無段変速機構の変速方向を逆転して到達目標
総変速比に応じた変速比へ向けて変速を継続することが
でき、実際の総変速比を連続的に変化させながら回転同
期を挟んだ変速を滑らかに行うことが可能となって、前
記従来例のように回転同期において実際の総変速比に段
差を生じることがなくなって、変速比無限大無段変速機
の運転性を大幅に向上させることが可能となるのであ
る。
【0016】また、第2の発明は、動力循環モードクラ
ッチと直結モードクラッチの切り換えは、回転同期点と
なる以前に開始されるが、両者の切り換えは、半クラッ
チ状態で行われるため、切り換え時にショックを発生す
るのを抑制しながら迅速な変速制御を行うことが可能と
なる。
【0017】また、第3の発明は、運転モードの切り換
えを開始するしきい値を、回転同期点を挟んだ総変速比
に2つ設定し、実総変速比が到達目標総変速比へ向けて
変化する途中では、第1または第2のしきい値の一方を
超えたときに運転モードの切り換えが開始されるため、
回転同期に達する以前に運転モードの切り換えを開始で
き、回転同期で実際の総変速比に段差を生じることな
く、滑らかに総変速比を変化させることができ、さら
に、これら2つのしきい値は、一方が総変速比のアップ
シフト方向で運転モードの切り換え開始を判定し、他方
が総変速比のダウンシフト方向で運転モードの切り換え
開始を判定するため、第1及び第2のしきい値の値を調
整することで、総変速比の変速方向に応じて半クラッチ
状態の開始時期を変更することができ、変速比無限大無
段変速機の変速特性を容易に変更することができる。
【0018】また、第4の発明は、運転モードの切り換
えを開始するしきい値を、回転同期点よりも無段変速機
構の変速比のハイ側(小側)に設定し、運転モードの切
り換え時には、無段変速機構の実変速比が回転同期を経
由して変化するため、総変速比の変速方向にかかわら
ず、無段変速機構の実変速比としきい値を比較するだけ
で運転モードの切り換えを判定することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0020】図1は、ハーフトロイダルで構成されたダ
ブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機構2を用い
て変速比無限大無段変速機を構成した一例を示す。
【0021】図1において、変速比無限大無段変速機は
エンジンのクランクシャフト(図示せず)に連結される
ユニット入力軸1に、変速比を連続的に変更可能なトロ
イダル型の無段変速機構2と、ギア3a、ギア3bから
構成された一定変速機構3(減速機)とを並列的に連結
し、これらの出力軸4、3cをユニット出力軸6側へ配
設するとともに遊星歯車機構5で連結したものである。
【0022】無段変速機構出力軸4はユニット出力軸6
と同軸的かつ、相対回転自在に支持され、無段変速機構
2の出力スプロケット2a、チェーン4b及びスプロケ
ット4aを介して連結されており、無段変速機構出力軸
4の一端を遊星歯車機構5のサンギア5aに結合し、他
端を直結モードクラッチ10に結合する。
【0023】ギア3bと結合した一定変速機構3の出力
軸3cも、ユニット出力軸6と同軸的かつ、相対回転自
在に支持され、動力循環モードクラッチ9を介して遊星
歯車機構5のキャリア5bに連結されており、遊星歯車
機構5のリングギア5cは、変速比無限大無段変速機の
出力軸であるユニット出力軸6に結合される。
【0024】そして、ユニット出力軸6の図中右側に
は、変速機出力ギア7が設けられ、この変速機出力ギア
7がディファレンシャルギア8のファイナルギア12と
歯合し、ディファレンシャルギア8に結合する駆動軸1
1は、無段変速機構2の変速比RATIOに応じたユニ
ット変速比(ユニット入力軸回転数/ユニット出力軸回
転数=総変速比で、以下、IVTRATIOとする)で
駆動力が伝達される。
【0025】無段変速機構2は、図1、図3に示すよう
に、2組の入力ディスク21、出力ディスク22で、パ
ワーローラ20、20をそれぞれ挟持、押圧するダブル
キャビティのトロイダル型で構成され、パワーローラ2
0はピボットシャフト24を介して、トラニオン23で
回転自在に支持されている。
【0026】そして、このトラニオン23の回転角を、
後述するように、ステップモータ36のステップ数に応
じて変化させることで、パワーローラ20の傾斜角(以
下、傾転角という)を変更して、無段変速機構2の変速
比RATIOと、ユニット変速比IVTRATIOを無
段階に変化させることができる。
【0027】無段変速機構2の変速比RATIOと、ユ
ニット変速比IVTRATIOの逆数との関係は、前記
従来例の図18と同様に、図12に示すようになる。
【0028】この図12において、動力循環モードクラ
ッチ9を締結する一方、直結モードクラッチ10を解放
した動力循環モードでは、無段変速機構2と一定変速機
構3の変速比の差に応じて、ユニット変速比IVTRA
TIOを前進側、後進側共に無限大(図中ギアードニュ
ートラルポイントGNPで1/IVTRATIO=0)
を含んで連続的に変化させることができる。
【0029】また、動力循環モードクラッチ9を解放す
る一方、直結モードクラッチ10を締結する直結モード
では、無段変速機構2の変速比RATIOに応じた変速
制御を行うことができる。
【0030】ここで、トロイダル型の無段変速機構2の
各パワーローラ20は、図3に示すように、下端を油圧
シリンダ30に結合して軸方向へ変位可能かつ軸まわり
に回転可能なトラニオン23(パワーローラ支持部材)
でそれぞれ軸支される。なお、パワーローラ20とトラ
ニオン23の間には、揺動自在なピボットシャフト24
が介装される。
【0031】油圧シリンダ30はピストン31によって
画成された上下の油室30a、30bを備えており、対
向配置されたトラニオン23、23の油圧シリンダ3
0、30は、油室30a、30bの配置が相互に逆転す
るように設定されて、トラニオン23、23は相互に逆
方向へ駆動される。なお、トラニオン23、23は、ピ
ボットシャフト24を挟んだ上下で、揺動自在なリンク
を介して連結され、トラニオン23、23は相互に逆方
向へ変位する。
【0032】このため、図3において、油室30bの油
圧を増大すると同時に油室30aの油圧を低減すると、
図中左側のトラニオン23が上昇する一方、図中右側の
トラニオン23は下降してパワーローラ20、20はL
o側(変速比RATIO=大側)へ傾転(トラニオン2
3の軸回りに変位)して変速が行われ、このとき、パワ
ーローラ20の回転軸と入出力ディスクの回転軸が一致
するように、トラニオン23の軸方向変位に応じてピボ
ットシャフト24は軸回りに揺動するため、パワーロー
ラ20は傾転した状態を維持して駆動力の伝達を行う。
【0033】そして、複数のトラニオン23のうちの一
つには、トラニオン23の軸方向変位量と、パワーロー
ラ20の傾転角(トラニオン23の回転角≒実変速比)
を、シフトコントロールバルブ46にフィードバックす
るためのプリセスカム35が設けられる。
【0034】プリセスカム35は、円周方向に所定の傾
斜を備えたカム面またはカム溝を備えており、このカム
面またはカム溝には揺動自在なフィードバックリンク3
8の一端が摺接する。
【0035】フィードバックリンク38は、例えば、L
字状に形成されて揺動自在に支持され、一端で上記カム
面またはカム溝と摺接する一方、他端で変速リンク37
の一端と係合し、トラニオン23の軸方向変位量及び回
転量、すなわちパワーローラ20の傾転角を変速リンク
37の一端に伝達する。
【0036】変速リンク37は、ほぼ中央部でシフトコ
ントロールバルブ46のスプール46Sと連結する一
方、フィードバックリンク38と連結した変速リンク3
7の他端はステップモータ36と連結して、変速リンク
37はステップモータ36の駆動によってシフトコント
ロールバルブ46(変速制御弁)のスプール46Sを軸
方向に変位させるとともに、トラニオン23の回動と軸
方向変位に応じてスプール46Sを軸方向に変位させ
る。
【0037】そして、シフトコントロールバルブ46に
は、ライン圧PLが供給される供給ポート46Lと、油
圧シリンダ30の油室30bと連通したポート46Lo
wと、油圧シリンダ30の油室30aと連通したポート
46Hiと、この供給ポート46Lを挟んで一対のドレ
ーンポート46D、46Dが形成される。
【0038】変速リンク37によって駆動されるスプー
ル46Sが、供給ポート46Lをポート46Hi、46
Lowを介して油室30a、30bのうちの一方に接続
するとともに、他方の油室をドレーンポート46Dに接
続する。
【0039】こうして、ステップモータ36とプリセス
カム35に駆動されるスプールの変位に応じて、油圧シ
リンダ30の油室30a、30bが変更されて、ステッ
プモータ36が指令した傾転角となるように油圧の制御
が行われる。
【0040】ここで、変速比無限大無段変速機の変速比
の制御を行う変速制御装置の油圧回路について、図4を
参照しながら詳述する。
【0041】油圧ポンプ110から供給された油圧は、
PLソレノイド90からの信号圧に基づいてプレッシャ
レギュレータ100が所定の供給圧PLに調整して、ラ
イン圧回路101へ供給される。
【0042】なお、PLソレノイド90はパイロット圧
回路102からのパイロット圧Ppを元圧として信号圧
を調圧する。このパイロット圧Ppは、プレッシャレギ
ュレータ100からの供給圧PLに比例して、パイロッ
トバルブ103が調圧したものである。
【0043】そして、ライン圧回路101には、トロイ
ダル型無段変速機構2の変速比を制御するため、油圧シ
リンダ30の2つの油室30a、30bの油圧を調整す
るシフトコントロールバルブ46が接続されるととも
に、図示しないシフトレバーに応動するマニュアルバル
ブ60の下流には、直結モードクラッチ10及び動力循
環モードクラッチ9の締結状態を制御する制御弁93、
94が接続される。
【0044】パイロット圧回路102には、直結モード
クラッチ10を制御する第1ソレノイド91と、動力循
環モードクラッチ9を制御する第2ソレノイド92が配
設される。
【0045】第1ソレノイド91は、変速制御コントロ
ールユニット80によってデューティ制御され、このデ
ューティ比に応じた信号圧を出力し、直結モードクラッ
チ10と連通した制御弁93は、この信号圧に応じてマ
ニュアルバルブ60から供給されたライン圧PLを調圧
して直結モードクラッチ10の締結、解放及び半クラッ
チ状態を制御する。
【0046】同様に、第2ソレノイド92は、変速制御
コントロールユニット80によってデューティ制御さ
れ、このデューティ比に応じた信号圧を出力し、動力循
環モードクラッチ9と連通した制御弁94は、信号圧に
応じてマニュアルバルブ60から供給されたライン圧P
Lを調圧して動力循環モードクラッチ9の締結、解放及
び半クラッチ状態を制御する。
【0047】次に、図2は、変速比無限大無段変速機の
制御系を含めたブロック図を示す。
【0048】マイクロコンピュータを主体に構成された
変速制御コントロールユニット80には、ユニット入力
軸1の回転数Ni、すなわちエンジン回転数IMPRE
Vを検出する入力軸回転数センサ81からの出力、無段
変速機構2の出力軸回転数Noを検出する出力軸回転数
センサ87からの出力、リングギア5cと結合したユニ
ット出力軸6の回転数RINGREVを検出するユニッ
ト出力軸回転数センサ83からの出力、サンギア5aの
回転数SUNREVを検出するサンギア回転数センサ8
2の出力、キャリア5bの回転数CARREVを検出す
るキャリア回転数センサ84の出力、スロットル開度T
VO(または、アクセルの踏み込み量)を検出するアク
セル操作量センサ85からの出力等がそれぞれ入力され
る。
【0049】なお、車速VSPは、ユニット出力軸6の
回転数RINGREVに所定の定数を乗じて演算する。
【0050】変速制御コントロールユニット80は、こ
れら各種センサの検出値を運転状態として処理し、スロ
ットル開度TVOと車速VSPに基づいて、例えば、図
13に示すような変速マップから、目標入力軸回転数D
srREVを求めてユニット出力軸回転数RINGRE
Vから目標ユニット変速比DIVTRATIOを決定す
るとともに、目標ユニット変速比DIVTRATIOの
運転モードに応じて第1及び第2ソレノイド91、92
を駆動することで、動力循環モードクラッチ9と直結モ
ードクラッチ10を選択的に締結し、動力循環モードと
直結モードを切り換える。
【0051】ここで、変速制御コントロールユニット8
0で行われる変速制御の一例について、図5〜図11の
フローチャートを参照しながら以下に詳述する。なお、
この制御は、所定時間毎、例えば、10msec毎等に実行
される。
【0052】まず、図5は変速制御のメインルーチンを
示し、ステップS1では、上記各センサが検出した入力
軸回転数IMPREV、出力軸回転数No、ユニット出
力軸回転数RINGREV、スロットル開度TVOなど
の運転状態を示す各値を読み込む。
【0053】そして、ステップS2では、スロットル開
度TVOと車速VSPより、図13に示すような変速マ
ップに基づいて、到達目標入力軸回転数(=到達目標エ
ンジン回転数)DsrREVの演算を求めてから、到達
目標ユニット変速比DIVTRATIO(到達目標総変
速比)や目標運転モードなどを演算する。
【0054】ステップS3では、到達目標ユニット変速
比DIVTRATIOに応じてステップモータ36を駆
動して、無段変速機構2の変速比RATIOを変更する
とともに、ステップS4では、現在の運転モードと目標
ユニット変速比DIVTRATIOでの運転モードが異
なる場合には、動力循環モードと直結モードを切り換え
る。
【0055】次に、上記ステップS1で行われるセンサ
信号読み込み処理について、図6のサブルーチンを参照
しながら説明する。
【0056】まず、ステップS10では、アクセル操作
量センサ85からのスロットル開度TVOを読み込んで
から、ステップS11で、入力軸回転数センサ81から
のエンジン回転数IMPREVを読み込む。
【0057】次に、ステップS12〜S14では、ユニ
ット出力軸回転数センサ83、サンギア回転数センサ8
2、キャリア回転数センサ84から、それぞれ、リング
ギア回転数(ユニット出力軸回転数)RINGREV、
サンギア回転数SUNREV、キャリア回転数CARR
EVを読み込む。
【0058】そして、ステップS15では、読み込んだ
スロットル開度TVOとエンジン回転数IMPREVに
基づいて、図示しないマップからエンジントルクENG
TRQを算出する。
【0059】次に、図5のステップS2で行われる目標
値の演算は、図7に示すように、上記図6で読み込んだ
各センサの出力より、車速VSPと到達目標エンジン回
転数DsrREV及び到達目標ユニット変速比DIVT
RATIOを演算する。
【0060】すなわち、図7のステップS20では、ユ
ニット出力軸回転数RINGREVにタイヤ半径rtを
乗じたものを、ディファレンシャルギア8のギア比if
で除して、さらに所定の定数を乗じたものを車速VSP
として演算する。
【0061】次に、ステップS21では、読み込んだス
ロットル開度TVOと、演算した車速VSPに基づい
て、図13に示す変速マップから到達目標エンジン回転
数DsrREVを算出する。
【0062】また、ステップS22では、この到達目標
エンジン回転数DsrREVをユニット出力軸回転数R
INGREVで除したものを、到達目標ユニット変速比
DIVTRATIO(到達目標総変速比)として算出す
る。
【0063】そして、上記図5のステップS3で行われ
る、無段変速機構2の制御は、図8に示すサブルーチン
に基づいて行われる。
【0064】まず、ステップS30では、上記図7のス
テップS22で求めた到達目標ユニット変速比DIVT
RATIOに、予め設定した1次のローパスフィルタを
かけて、1次遅れの目標ユニット変速比DIVTRAT
IO1(目標総変速比)を演算する。
【0065】次に、ステップS31では、目標ユニット
変速比DIVTRATIO1に応じた無段変速機構2の
目標変速比RATIO1(指令変速比)を、図12に示
したユニット変速比IVTRATIOと変速比RATI
Oと運転モードの関係から求める。そして、図14に示
すマップに基づいて、無段変速機構2の目標変速比RA
TIO1に対応するステップモータ36の目標ステップ
数DsrSTPを求めて、ステップS32で、この目標
ステップ数DsrSTPを出力し、ステップモータ36
を駆動して無段変速機構2の変速比RATIOを変更す
る。
【0066】なお、到達目標ユニット変速比DIVTR
ATIOが回転同期点RSPを挟んで変化する場合に
は、図12に示すマップに基づいて、目標変速比RAT
IO1は回転同期点RSPに対応した変速比icrまで
変速してから、変速方向を逆にして到達目標ユニット変
速比DIVTRATIOに応じた目標変速比RATIO
1へ向けて変速する。
【0067】例えば、図12に示したように、動力循環
モードのA点から直結モードのD点へアップシフトする
場合、無段変速機構2の変速比RATIOは、A点に対
応したicaから回転同期点RSPのicrまで変速し
た後に、このicrからD点に対応した変速比icaへ
向けて逆方向に変速する。
【0068】次に、上記図5のステップS3で行われ
る、伝達経路の切り換え処理は、図9〜図11に示すサ
ブルーチンに基づいて行われる。なお、図9は伝達経路
切換制御の概略を示し、図10、図11はそれぞれサブ
ルーチンを示す。
【0069】まず、図9のステップS40では、ユニッ
ト変速比IVTRATIOの変更の際に、運転モードの
切り換えを行うか否かを示すフラグflgMCが0にリ
セットされているかを判定し、0であればステップS4
1へ進んで、動力循環モードクラッチ9または直結モー
ドクラッチ10に供給する油圧を設定するとともに、モ
ード切換を行うか否かを判定する。
【0070】一方、フラグflgMCが1にセットされ
ている場合は、運転モードの切り換え中であるため、ス
テップS42の切換中処理を行う。
【0071】そして、ステップS43では、動力循環モ
ードクラッチ9及び直結モードクラッチ10へ供給する
油圧が、ステップS41で設定された値となるように、
第1及び第2ソレノイド91、92のデューティ比を制
御する。
【0072】次に、上記ステップS41で行われるクラ
ッチ油圧の設定処理について、図10を参照しながら詳
述する。
【0073】まず、ステップS51では、現在のユニッ
ト変速比(実総変速比)IVTRATIOを、エンジン
回転数IMPREVとユニット出力軸回転数RINGR
EVの比より、 IVTRATIO=IMPREV/RINGREV として演算する。
【0074】次に、ステップS52では、上記ステップ
S22で求めた到達目標ユニット変速比DIVTRAT
IOに対応する目標運転モードMODEtが、動力循環
モードと直結モードのどちらにあるかを、図12に示し
たユニット変速比IVTRATIOと運転モードの関係
から演算する。
【0075】同様に、ステップS53では、現在のユニ
ット変速比IVTRATIOにおける運転モードMOD
Epが、動力循環モードと直結モードのどちらにあるか
を、図12に示したユニット変速比IVTRATIOと
運転モードの関係から演算する。
【0076】また、ステップS54では、現在の運転モ
ードMODEpとユニット変速比IVTRATIOか
ら、図12に示したマップによって、無段変速機構2の
現在の変速比(実変速比)RATIOを求めておく。
【0077】そして、ステップS55では、現在の運転
モードMODEpが、動力循環モードと直結モードの何
れにあるかを判定し、動力循環モードであればステップ
S56へ進む一方、直結モードであればステップS57
へ進んで、それぞれ目標とするクラッチ油圧を設定す
る。
【0078】すなわち、動力循環モードのステップS5
6では、動力循環モードクラッチ9の目標油圧DsrP
rsLCを、運転状態に応じた値kPCに設定する一
方、直結モードクラッチ10の目標油圧DsrPrsH
Cを0に設定して、動力循環モードクラッチ9が伝達ト
ルクに応じた締結力を発生するよう設定する。
【0079】一方、直結モードのステップS57では、
直結モードクラッチ10の目標油圧DsrPrsHC
を、運転状態に応じた値kPCに設定する一方、動力循
環モードクラッチ9の目標油圧DsrPrsLCを0に
設定して、直結モードクラッチ10が伝達トルクに応じ
た締結力を発生するよう設定する。
【0080】なお、締結側のクラッチに供給する油圧k
PCは、例えば、ライン圧PL等に設定すればよい。
【0081】上記ステップS56、S57で各クラッチ
の目標油圧を設定した後、ステップS58において、現
在のユニット変速比IVTRATIOから到達目標ユニ
ット変速比DIVTRATIOへ変速する際に、モード
切換を行うか否かを判定する。
【0082】この判定は、現在の運転モードMODEp
と目標運転モードMODEtが一致せず、かつ、上記ス
テップS51で求めた現在のユニット変速比IVTRA
TIOが、予め設定した範囲内になれば、運転モードの
開始を判定するもので、 MODEp≠MODEt かつ R1>IVTRATIO>R2 で、しきい値R1、R2は、回転同期点RSPに対応す
るユニット変速比IVTRATIOをiirとすると、 R1>iir かつ iir>R2 として、図12に示すように回転同期点RSPを挟んで
設定されるものである。なお、R1はユニット変速比の
Low側のしきい値で、R2がHi側のしきい値とな
る。なお、図12では、しきい値R1、R2に対応する
無段変速機構2の変速比RATIOが、共にicbとな
る例を示した。
【0083】上記判定で、運転モードの切り換えが判定
された場合には、ステップS59へ進んで、フラグfl
gMCを1にセットするとともに、ステップS60で、
クラッチの切り換えを行うために、第1ソレノイド91
と、第2ソレノイド92に指令するデューティ比の目標
値を設定する一方、運転モードの切り換えが不要の場合
には、そのままサブルーチンを終了する。
【0084】ここで、クラッチの切り換えは、締結中の
一方を徐々に解放しながら、解放中の一方を徐々に締結
して、両者のクラッチを半クラッチ状態にして運転モー
ドを切り換える。
【0085】このため、第1及び第2ソレノイド91、
92に指令するデューティ比の目標値は、例えば、図1
5に示すように、解放中のクラッチの目標油圧を所定時
間内に0から上記kPCへ漸増する一方、締結中のクラ
ッチの目標油圧を所定時間内にkPCから0へ漸減する
ように設定してサブルーチンを終了する。
【0086】次に、上記図9のステップS42で行われ
る、運転モード切換中(伝達経路切換中)の制御の一例
について、図11のサブルーチンを参照しながら詳述す
る。
【0087】フラグflgMCが1となって、運転モー
ドの切換制御中には、図11のステップS70で、ま
ず、上記ステップS53で求めた切り換え直前の運転モ
ードMODEpが動力循環モードと直結モードのどちら
にあるかを判定し、切り換え直前が動力循環モードであ
れば、直結モードへの切り換え中と判定してステップS
71へ進む一方、切り換え直前が直結モードであれば、
動力循環モードへの切り換え中と判定してステップS7
2へ進む。
【0088】動力循環モードから直結モードへ切り換え
るステップS71では、ユニット出力軸回転数RING
REVとサンギア回転数SUNREVの差の絶対値が、
予め設定した微少な値ε未満になったか否かを判定し
て、 |RINGREV−SUNREV|<ε より運転モードの切り換え終了を検知する。
【0089】そして、上記絶対値の差が所定値ε未満に
なると、動力循環モードから直結モードへの切り換えが
完了したと判定して、ステップS73へ進んでフラグf
lgMCを0にリセットして処理を終了する一方、上記
絶対値の差が所定値ε以上の場合には、切り換えが完了
していないため、フラグflgMC=1を維持したまま
処理を終了する。
【0090】一方、直結モードから動力循環モードへ切
り換えるステップS72では、一定変速機構3の減速比
をigとして、エンジン回転数IMPREVを減速比i
gで除した値、すなわち、一定変速機構出力軸3cの回
転数と、キャリア回転数CARREVの差の絶対値が、
予め設定した微少な値ε未満になったか否かを判定し
て、 |CARREV−IMPREV/ig|<ε より運転モードの切り換え終了を検知する。
【0091】そして、上記絶対値の差が所定値ε未満に
なると、直結モードから動力循環モードへの切り換えが
完了したと判定して、ステップS74へ進んでフラグf
lgMCを0にリセットして処理を終了する一方、上記
絶対値の差が所定値ε以上の場合には、切り換えが完了
していないため、フラグflgMC=1を維持したまま
処理を終了する。
【0092】以上の図5〜図11のフローチャートを所
定時間毎に実行することにより、運転モードの切り換え
を伴う変速の際には、実際のユニット変速比IVTRA
TIOが、回転同期点RSPを挟んで設定された所定の
範囲R1、R2内に入ると、動力循環モードクラッチ9
と直結モードクラッチ10の切り換え制御を半クラッチ
状態で行いながら、無段変速機構2の変速比RATIO
を回転同期点RSPに応じた変速比icrまで変速した
後に、到達目標ユニット変速比DIVTRATIOに対
応する無段変速機構2の目標変速比RATIO1へ向け
て変速することで、ユニット変速比IVTRATIOに
段差を生じることなく、迅速かつ滑らかな変速を行うこ
とができる。
【0093】ここで、図12に示すように、動力循環モ
ードのA点から直結モードのD点へアップシフトする場
合、ユニット変速比IVTRATIOは、A点に対応す
るiiaからD点に対応するiidに向け、回転同期点
RSPに対応するicrを超えて、向けてアップシフト
(ユニット変速比の小側)することになる。
【0094】一方、無段変速機構2の変速比RATIO
は、A点に対応したicaから回転同期点RSPのic
rまでダウンシフト(変速比の大側)した後に、このi
crからD点に対応した変速比icaへ向けてアップシ
フトすることになるが、このときの変速比RATIOの
変化は、図15に示すように、回転同期点RSPで変速
方向をダウンシフトからアップシフトに変更するだけ
で、前記従来例のように、固定されることがない。
【0095】図15の時刻t1から、ユニット変速比I
VTRATIOをA点からアップシフトを開始すると、
無段変速機構2の変速比RATIOは回転同期点RSP
へ向けてダウンシフトを開始する。
【0096】そして、時刻t2になると、ユニット変速
比IVTRATIOはしきい値R1(図中B点)を超え
るため、運転モードの切り換えが開始される(ステップ
S58)。
【0097】運転モードの切り換えは、ユニット変速比
IVTRATIOがアップシフトの場合、締結していた
動力循環モードクラッチ9の油圧は、運転状態に応じた
締結力となるkPCから解放状態となる0へ向けて徐々
に減少する一方、解放状態の直結モードクラッチ10の
油圧は、解放状態の0から運転状態に応じた締結力とな
るkPCへ向けて増大し、時刻t4では、ユニット入力
軸回転数RINGREVとサンギア回転数SUNREV
の差が所定値ε未満となって、運転モードの切り換えが
終了し、時刻t4以降のクラッチ油圧は、上記ステップ
S56またはS57で設定された通常運転時の値とな
る。
【0098】一方、時刻t2〜t4のクラッチ切換中、
ユニット変速比IVTRATIOと無段変速機構2の変
速比RATIOの変速は継続的に行われ、無段変速機構
2の変速比RATIOは、ダウンシフトにより時刻t3
で回転同期点RSPに達すると、今度は、到達目標ユニ
ット変速比DRATIO=iidに対応する無段変速機
構2の変速比icdへ向けて、アップシフト側に逆転し
て変速を続ける。
【0099】すなわち、図15において、時刻t2〜t
4では、動力循環モードクラッチ9と直結モードクラッ
チ10が半クラッチ状態となって切り換えが行われると
ともに、無段変速機構2の変速比RATIOは回転同期
点RSPにおいて、変速方向を逆転して連続的に変速す
ることになって、図15に示すように、時刻t1からの
アップシフトは、実際のユニット変速比IVTRATI
Oが目標ユニット変速比DIVTRATIO1に追従す
ることが可能となる。
【0100】したがって、前記従来例のようにユニット
変速比IVTRATIOに段差を生じることがなくなっ
て、回転同期点RSPを挟んで変速する場合であって
も、迅速かつ滑らかな変速を行うことが可能となって、
変速比無限大無段変速機の運転性を大幅に向上させるこ
とが可能となるのである。
【0101】なお、運転モードの切り換え開始を判定す
るしきい値R1、R2は、ユニット変速比IVTRAT
IOのアップシフト側でしきい値R1が、同じく、ダウ
ンシフト側でしきい値R2がそれぞれ運転モードの切り
換え開始時期を決定することになるが、このR1、R2
の値を調整することで、アップシフトとダウンシフトに
応じて半クラッチ状態が開始される時期を変更すること
ができ、変速比無限大無段変速機の変速特性を容易に変
更することができる。
【0102】また、動力循環モードクラッチ9と直結モ
ードクラッチ10の切り換えは、回転同期点RSPとな
る以前に開始されるが、両者の切り換えは、半クラッチ
状態で行われるため、切り換え時にショックを発生する
のを抑制して迅速な変速制御を行うことが可能となるの
である。
【0103】上記ではユニット変速比IVTRATIO
のアップシフト側で回転同期点RSPを超える場合につ
いて述べたが、ダウンシフト側についても同様であり、
実際のユニット変速比IVTRATIOがしきい値R2
(図15のC点)を超えると、運転モードの切り換えが
開始されて、直結モードから動力循環モードへ半クラッ
チ状態で移行しながら、無段変速機構2の変速比RAT
IOは回転同期点RSPまで達した後に反転して到達目
標ユニット変速比DIVTRATIOへ向かうのであ
る。
【0104】図16、図17は第2の実施形態を示し、
前記第1実施形態の運転モードの切り換え開始の判定
を、無段変速機構2の変速比RATIOによって行うよ
うにしたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同
様である。
【0105】図16は、前記第1実施形態の図10に示
したクラッチ油圧設定処理のうち、ステップS58の判
定を、無段変速機構2の変速比RATIOに基づいて行
うステップS58Aに変更した以外は同一のものであ
る。
【0106】ステップS58Aでは、現在のユニット変
速比IVTRATIOから到達目標ユニット変速比DI
VTRATIOへ変速する際に、モード切換を行うか否
かを判定する。
【0107】この判定は、現在の運転モードMODEp
と目標運転モードMODEtが一致せず、かつ、上記ス
テップS54で求めた無段変速機構2の現在の変速比
(実変速比)RATIOが、図17に示すように、予め
設定した値MCPよりも大きければ、運転モードの開始
を判定するもので、 MODEp≠MODEt かつ RATIO>MCP で、しきい値MCPは、回転同期点RSPに対応する無
段変速機構2の変速比icrに対し、無段変速機構2の
変速比のハイ側(小側)に予め設定されたものである。
【0108】この場合では、無段変速機構2の変速比R
ATIOが、しきい値MCPを超えている間(しきい値
MCPよりも回転同期点RSP側にある間)は、運転モ
ードの切り換えが行われ、両クラッチの切り換え開始の
判定演算を簡易にすることができる。
【0109】また、この場合では、ユニット変速比IV
TRATIOのアップシフト方向及びダウンシフト方向
ともに、同一の変速比MCPから運転モードの切り換え
が開始され、アップシフト方向では図中B’点に対応し
たユニット変速比IVTRATIOよりもHi側で、ダ
ウンシフト方向では図中C’点に対応したユニット変速
比IVTRATIOよりもLow側で、運転モードの切
り換えが開始される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す変速比無限大無段変
速機の概略構成図。
【図2】同じく変速比無限大無段変速機の制御概念図。
【図3】トロイダル型無段変速機の変速機構を示す概念
図。
【図4】同じく無段変速機構の油圧回路。
【図5】変速制御の一例を示し、メインルーチンのフロ
ーチャート。
【図6】センサ信号読み込み処理のサブルーチンを示す
フローチャート。
【図7】目標値演算処理のサブルーチンを示すフローチ
ャート。
【図8】無段変速機構制御のサブルーチンを示すフロー
チャート。
【図9】伝達経路切換制御のサブルーチンを示すフロー
チャート。
【図10】同じくクラッチ油圧設定処理のサブルーチン
を示すフローチャート。
【図11】同じく伝達経路切換制御のサブルーチンを示
すフローチャート。
【図12】ユニット変速比IVTRATIOの逆数と変
速比RATIOの関係を示すマップで、A点からD点へ
アップシフトする場合の、変速比RATIOとユニット
変速比IVTRATIOの関係を示す。
【図13】車速VSPとスロットル開度TVOに対応し
た目標入力軸回転数のマップ。
【図14】無段変速機構の目標変速比RATIO1に対
応するステップモータのステップ数のマップ。
【図15】作用を説明するグラフで、アップシフトする
場合の、ユニット変速比IVTRATIO、クラッチ油
圧、変速比RATIOと時間の関係を示す。
【図16】第2の実施形態を示し、クラッチ油圧設定処
理のサブルーチンを示すフローチャート。
【図17】ユニット変速比IVTRATIOの逆数と変
速比RATIOの関係を示すマップで。
【図18】従来例を示し、ユニット変速比IVTRAT
IOの逆数と変速比RATIOの関係を示すマップで、
A点からD点へアップシフトする場合の、変速比RAT
IOとユニット変速比IVTRATIOの関係を示す。
【図19】同じく従来例で、回転同期点RSPを挟んで
アップシフトした場合の、目標ユニット変速比、指令ユ
ニット変速比及び実ユニット変速比の関係を示す。
【符号の説明】
1 ユニット入力軸 2 無段変速機構 3 一定変速機構 5 遊星歯車機構 9 動力循環モードクラッチ 10 直結モードクラッチ 36 ステップモータ 80 変速制御コントロールユニット 81 入力軸回転数センサ 82 サンギア回転数センサ 83 ユニット出力軸回転数センサ 84 キャリア回転数センサ 85 アクセル操作量センサ 87 出力軸回転数センサ 91 第1ソレノイド 92 第2ソレノイド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村本 逸朗 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 成田 靖史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 酒井 弘正 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)発明者 西尾 元治 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 Fターム(参考) 3J051 AA04 BA02 BA03 BB02 BD02 BE09 CA05 CB07 DA02 FA01 3J052 AA01 CA21 FB27 FB34 GC13 GC23 GC42 GC72 HA02 HA13 HA19 KA01 KA09 LA01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変速比を連続的に変更可能な無段変速機
    構と一定変速機構とをユニット入力軸にそれぞれ連結す
    るとともに、無段変速機構と一定変速機構の出力軸を遊
    星歯車機構、動力循環モードクラッチ及び直結モードク
    ラッチを介してユニット出力軸に連結した変速比無限大
    無段変速機と、 車両の運転状態に応じて到達目標変速比と目標総変速比
    を設定する目標総変速比設定手段と、 この到達目標総変速比に基づいて、予め設定した回転同
    期点を境にして動力循環モードと直結モードの2つの運
    転モードのうち、いずれかを設定する運転モード設定手
    段と、 この運転モードに応じて前記動力循環モードクラッチと
    直結モードクラッチを選択的に締結して、総変速比が無
    限大を含んで動力を伝達する動力循環モードと、無段変
    速機構の出力に応じて動力を伝達する直結モードとを切
    り換えるクラッチ切換制御手段と、 前記目標総変速比と運転モードに基づいて、無段変速機
    構の変速比が予め設定した目標変速比となるように指令
    変速比を出力する変速比制御手段とを備えた変速比無限
    大無段変速機の変速制御装置において、 現在の実総変速比または無段変速機構の実変速比を演算
    する実変速比演算手段と、 現在の実総変速比から到達目標総変速比へ向けて変速す
    るときに、運転モードの切り換えが発生することを検出
    する運転モード切換判定手段と、 運転モードの切り換えが発生するときには、前記実総変
    速比または無段変速機構の実変速比が予め設定した値を
    超えたときに、前記クラッチ切換制御手段に前記動力循
    環モードクラッチと直結モードクラッチの切り換えを指
    令する運転モード切換開始手段とを備えたことを特徴と
    する変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記クラッチ切換制御手段は、締結中の
    一方を徐々に解放しながら、解放中の他方を徐々に締結
    することを特徴とする請求項1に記載の変速比無限大無
    段変速機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記運転モード切換判定手段は、実総変
    速比が回転同期点を挟んで予め設定された第1及び第2
    のしきい値の範囲内となったときに、前記動力循環モー
    ドクラッチと直結モードクラッチの切り換えを指令する
    ことを特徴とする請求項2に記載の変速比無限大無段変
    速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記運転モード切換判定手段は、無段変
    速機構の実変速比が、回転同期点よりも無段変速機のハ
    イ側に予め設定されたしきい値を、回転同期点側に超え
    たときに、前記動力循環モードクラッチと直結モードク
    ラッチの切り換えを指令することを特徴とする請求項2
    に記載の変速比無限大無段変速機の変速制御装置。
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