JPH05305763A - レーザー照射によるマーク形成方法および当該方法用エンボスホイル - Google Patents

レーザー照射によるマーク形成方法および当該方法用エンボスホイル

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JPH05305763A
JPH05305763A JP4273891A JP27389192A JPH05305763A JP H05305763 A JPH05305763 A JP H05305763A JP 4273891 A JP4273891 A JP 4273891A JP 27389192 A JP27389192 A JP 27389192A JP H05305763 A JPH05305763 A JP H05305763A
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colored lacquer
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 転写技術を用いて最外層の着色ラッカー層を
支持体から転写塗布し、着色層の厚みを均等にすること
によりレーザー彫刻時の線幅、長さ等のずれの発生を防
ぐ。 【構成】 支持体1の表面に分離層2、任意の保護ラッ
カー層3、第1着色ラッカー層4、第2着色ラッカー層
5、接着層6を順次積層してエンボスホイルを生成す
る。前記第1着色ラッカー層4と第2着色ラッカー層5
は互いに異なる色で着色されており、少なくとも前記第
1着色ラッカー層4は熱エンボスホイルで転写塗布され
均等な厚みを有している。前記エンボスホイルをマーク
形成用基板7に接着して剥離層9のみを基板上に配設す
る。不図示のレーザー光を照射することにより前記保護
ラッカー層3と第1着色ラッカー層4を所望の形状に除
去され除去部分直下の第2ラッカー層5が露出しマーク
が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザー照射によって物
体の表面にマークを生成する方法に関するものである。
本願明細書中におけるマークとは装飾、ラベル、宛名印
刷、ネーム、銘刻など適当な種類の標識手段を表すもの
である。
【0002】
【従来の技術】表面にレーザー照射でマーク等を形成す
る方法では、着色ラッカーを用いて少なくとも2色の異
なる色の着色層を表面に積層塗布する。第1または最外
ラッカー層は前記表面から最も離れており、物品の表面
として見える部分であり、当該第1ラッカー層をレーザ
ーで部分単位で除去し、除去部位直下にある色が異なる
第2層を露出させて所望のマークを表面に形成してい
る。
【0003】このようなマーク生成方法は、単品または
小量しか生産しない物品の装飾やラベルなど正確さや厳
密さを要するマーク等の形成に特に適している。第1あ
るいは最外着色ラッカー層の焼去用レーザービームは、
電子コンピューターなどを利用することにより経路上を
高精度で容易に移動させることができる。この方法に適
した装置がBaasel Lasertech社から販
売されている。
【0004】また、物品の表面にマークを安全に形成す
る方法としては、例えば、EP 0393 596 A
lに見られるように、レーザー光線を用いてレーザー光
吸収層で被覆された着色層を照射し、部分単位で当該吸
収層を取り除く方法がある。しかしながら、この方法で
は当該着色層表面への積層方法は何等教示されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来はマーク形成面
に、例えば装置部品のフロントプレートなどに従来の塗
装方法を用いて異なる色の着色層を二層形成し、次に、
上部層すなわち最外ラッカー層を取り除いて装飾または
図案、ラベル、ネームなどに応じた所望の輪郭で対照的
な色の下層ラッカー層を露出させていた。しかしなが
ら、従来の方法ではラッカー層を塗布形成すると厚みに
ばらつきが生じてしまい、その結果、最外層のラッカー
をレーザービームで焼失しても厚みが比較的大きい領域
のラッカー層は完全には除去することができないといっ
た問題があった。
【0006】この場合、確かに出力レベルを大きくすれ
ば、厚みが比較的大きい部分であっても最外層ラッカー
を完全に取り除くことは可能である。しかしながら、厚
みがそれ程大きくない部分では、レーザービームで下層
のラッカーに影響を与える危険性があり、少なくともか
なりの損傷を受けるか、あるいは場合によっては完全に
除去されてしまう可能性もある。また、ラッカー層の厚
みにばらつきがあると、レーザービームの出力レベルを
略一定に保っていても、レーザービームによって画成さ
れる線の幅あるいは長さにばらつきが生じてしまい、こ
のためマークの外観の出来が影響されるいった問題があ
った。このため、満足のいく品質であり、かつ有用性に
富むマークをレーザーで形成するには、レーザービーム
によって部分単位で除去される最外層ラッカーの塗布厚
みをできるだけ均等にする必要があった。
【0007】しかしながら、当然のことながら、上記の
ような精度が必要なマークを物品表面に形成する場合製
造コストは非常に高価となり、このため利用範囲も非常
に高価なあるいは高品質の装置等といった狭い範囲に限
られていた。
【0008】本発明は上記従来技術の有する課題に鑑み
なされたものであり、その目的はレーザービーム彫刻を
行って比較的低コストで物品の表面に満足のいく品質の
マークを作成することが可能なマーク形成方法を提供す
ることにある。
【0009】本発明の第2の目的は、特別なマーク形成
用装置などの過剰出費が不要で、高品質のマークを作成
することが可能な物品表面へのマーク形成方法を提供す
ることにある。
【0010】さらに、本発明の第3の目的は、完成後の
図柄の汎用性が高いマークを簡単な操作で形成するマー
ク形成方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は互いに色が異なる少なくとも2層のラッカ
ー層を外部から物品表面側へと順次第1着色ラッカー
層、第2着色ラッカー層と積層形成し、少なくとも最外
層の一部をレーザー照射で除去して当該部位直下の前記
第2層を露出させてマークを形成する方法であって、当
該マーク形成方法は、 少なくとも前記最外着色ラッカ
ー層、すなわち前記第1着色ラッカー層を転写操作によ
って支持体から物品表面へ転写することを特徴としてい
る。
【0012】着色ラッカー層を少なくとも1層物品表面
に塗布する工程と、本発明の他の態様に係るマーク形成
方法は、前記着色ラッカー層とは色が異なる着色ラッカ
ー層を少なくとも1層さらに前記着色ラッカー層の表面
に塗布するものであり、少なくとも当該着色ラッカー層
を支持体から転写塗布する塗布工程と、レーザー処理を
行って少なくとも後に塗布形成された前記着色ラッカー
層を選択的に除去し、当該除去部位直下の少なくとも1
着色ラッカー層をマークに応じた所望の形状で露出させ
る工程とからなることを特徴としている。
【0013】
【作用および効果】本発明のマーク形成方法は上記のよ
うな構成をしており、少なくとも第1および第2の異な
る色の層を着色ラッカーで物品表面に交互に塗布形成す
る。前記第1着色ラッカー層は、外側に露出した層であ
り、物品表面に塗布された少なくとも第1および第2着
色層の中では当該表面から最も外側に形成された層であ
る。前記第1ラッカー層は転写操作によって支持体から
物品表面へと転写する。少なくとも前記第1または最外
着色ラッカー層は部分毎にレーザーで照射除去し、当該
除去部位直下に形成されている異なる色の第2着色ラッ
カー層を外部に露出させてマークを形成する。
【0014】この方法では、プラスチックホイルあるい
は金属ストリップ等の支持体の表面に極めて均等な厚み
で着色ラッカー層を塗布または形成することができるた
め多大な費用を要さずに上記目的が達成できる。次に、
マーク形成面に上述の着色ラッカー層を転写すると、当
該形成面にも略均等な厚みで着色ラッカー層が形成され
る。このラッカー層の除去に使用するレーザーの出力は
ラッカーの厚みに応じて容易に調整することができる。
マーク形成面上を前記レーザービームで走査して実際に
除去するのは最上層または最外層の着色ラッカーだけで
あり、レーザー彫刻の到達深度あるいはマークラインの
幅はレーザー出力を可変することにより調整することが
できる。
【0015】従って、本発明の方法によれば、最外層ま
たは最上層の着色ラッカー層の厚みがばらつきにより従
来発生していた装飾またはラベル等の所望のマークパタ
ーンにおけるずれ等の発生する可能性は少なくとも実質
的に減少することが分かる。
【0016】物品表面への最外着色ラッカー層の転写は
通常の転写操作で行うことができ、余分な時間や労力を
必要としない。このように、本発明のマーク形成方法で
は、特別な構造や装置等の費用を伴わずに、物品表面へ
レーザービーム除去によって形成する装飾等のマークの
品質を飛躍的に向上することが可能である。
【0017】また、本発明に係る方法によれば、プラス
チックホイルあるいは金属ストリップ等の柔軟性を有す
る支持体に印刷技術等を用いて部分単位でラッカー層を
塗布形成することが可能である。この場合、当然のこと
ながら異なる部位に異なる色のラッカーを塗布すること
が可能である。部位毎に色が異なる着色ラッカー層を用
いて物品表面にマークを作成したり、あるいは物品表面
を装飾することにより、従来価格的に無理であったデザ
インオプションを妥当な価格で提供することが可能とな
る。
【0018】すなわち、マーク形成面を異なる色領域に
分割し、レーザービームを用いて各色領域にマークを作
成することができる。例えば、装置部品のフロントプレ
ートと他の部分で異なる色を用いて所定のマークを作成
することによりマークを強調したり、あるいはマークに
特定の操作手順との関連性を与えたりすることが可能と
なる。このような複数色の領域を予め作成したい場合
は、マーク面を適当に被覆し、次に各領域を所望の色の
ラッカーでスプレー塗布するといった作業を何度も行
う。このような作業の場合、ラッカー層の厚みはスプレ
ー塗布するラッカーの粘性、顔料着色性、流動性で変化
するため、当然のことながら各色領域のラッカーの厚み
を略均等にすることは不可能となる。
【0019】本発明は、第1または最外着色ラッカー層
だけでなく、第1および第2層の双方を転写操作によっ
て支持体からマーク形成面に転写することを特徴として
いる。この場合、ラッカー層の塗布形成といった点では
精度を大幅に向上することができる。この形成方法は、
第2あるいは下層着色ラッカー層が上述のように複数色
の色領域で構成されている場合に特に好ましく、この方
法によれば装置部品のフロントプレートのラベルやネー
ムなどのマークに複数色を塗布することが可能となり、
場合によっては作業も幾分簡素化できる。
【0020】さらに、マーク形成面の力学抵抗を高める
ため、レーザー処理の前あるいは後に一定の機械的強度
を有する透明保護ラッカー層を前記第1または最外着色
ラッカー層を塗布するのが好ましい。
【0021】実際には、前記ラッカー層の全てを塗布す
る転写ホイルは、支持体またはバッキングフィルムと、
転写自在に塗布されたラッカー層とから構成されている
ことを特徴としている。
【0022】前記第1または最外着色ラッカー層は少な
くともエンボスホイルで塗布するのが好ましく、熱エン
ボスホイルで塗布するのが一層好ましい。このような熱
エンボスホイルは、熱エンボスホイルの一般製造方法と
して周知な作業で容易に製造することができる。
【0023】本発明に係るマーク形成方法用エンボスホ
イル、特に熱エンボスホイルは、互いに色が異なる第1
および第2着色ラッカー層が積層されたものであり、当
該第1着色ラッカー層は第2ラッカー層よりも支持体ま
たはバッキングフィルムに近接する側に形成される。前
記二層のラッカー層は、マークあるいは装飾効果を考慮
して着色する。例えば、マーク形成面または物品面上で
は最上層または最外層となる前記第1着色ラッカー層を
黒色に着色し、レーザービームによって露出する第2ラ
ッカー層、すなわち前記第1ラッカー層直下の層を白色
に着色してもよい。さらに、機械的強度を比較的良好に
保ちながらもレーザービームによる前記第1または最外
ラッカー層の除去が容易となり、着色や添加物の添加の
結果レーザービームによる損傷が最小となるよう前記着
色ラッカー層の特性を調整することが可能である。
【0024】このようなエンボスホイルのバッキングフ
ィルムは厚みが6−100μm、好ましくは19−38
μmのポリエステルフィルムであるのが望ましい。これ
らのフィルムは十分な強度と可撓性を有しており前記バ
ッキングまたは支持体フィルムから形状の異なる面への
装飾層の転写に使用できる。支持体から物品表面への装
飾または着色ラッカー層の転写は、周知の方法、例えば
ストローク動作やロール動作から成る方法や、あるいは
装飾用ホイルを射出成形モールド内に装着し、モールド
の背後からプラスチック材を注入して物品、例えば装置
部品のフロントプレート等を形成する方法などを用いて
行うことができる。
【0025】前記保護ラッカー層としては透明ラッカー
層を使用し、1−2μmの厚みとするのが望ましい。前
記エンボスホイルの表面に初めから保護ラッカー層が塗
布されている場合は、レーザー処理で除去しなくてはな
らない。前記エンボスホイル表面に塗布されている第2
着色ラッカー層の厚みが第1着色ラッカー層よりも大き
いほうが好ましく、例えば、第2層の厚みが2−10μ
mである場合は第1層の厚みは1−5μmとなるのが好
ましい。比較的厚みが小さい第1着色ラッカー層でマー
ク形成面に最外層を形成し、また第2着色ラッカー層の
厚みを前記第1層よりも大きくしておくと、所望の領域
内から前記第1着色ラッカー層を完全に除去できる程度
に前記第1または最外層着色ラッカー層除去用レーザー
ビームの出力を高めた場合や、あるいは当該領域内の下
層にある第2着色ラッカー層が第1ラッカー層と共にわ
ずかながら除去された場合でも、残存している第2層ま
たは下層ラッカーの厚みは装飾パターン等がマークとし
て十分効果を奏する程度は保証される。また前記第2着
色ラッカー層が存在しているため物品表面は十分保護さ
れる。
【0026】本発明の好適態様においては、支持体ある
いはバッキングフィルムから成る熱エンボスフィルムな
どのエンボスホイルを使用しており、前記支持体または
バッキングフィルムはポリエステル製であることを特徴
としている。また、この支持体またはバッキングフィル
ムの表面には分離層、オプションとして保護ラッカー
層、互いに色が異なる少なくとも第1および第2着色ラ
ッカー層、接着層が順次積層されており、色が異なる第
1および第2着色ラッカー層が少なくとも形成されてい
る。
【0027】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明に係るマー
ク形成方法の好適な実施例を説明する。
【0028】図1には、支持体またはバッキングフィル
ム1からなる熱エンボスホイルが模式的に示されてお
り、当該バッキングフィルムの厚みは約6−100μm
であり、好ましくは19−38μmである。
【0029】前記フィルム1には、熱エンボスホイルの
生成方法としては周知である通常の工程で以下の層を順
次積層する。
【0030】分離層2: 熱で軟化し、支持体1と他の
層との分離または剥離が行われる層通常、この分離層2
の厚みは最大1μmである。
【0031】保護ラッカー層3: 透明保護層であり、
熱エンボスホイルで装飾した物品の自由面を機械的損傷
から略保護するものである。従って、保護ラッカー層3
は、機械的作用に対して適度な強度を有していなくては
ならない。本発明では、当該保護層の厚みは1−2μm
である。
【0032】第1着色ラッカー層4: カーボンブラッ
ク等で着色されたラッカー層であり、厚みは約1−5μ
m。レーザービームで除去することができる。
【0033】第2着色ラッカー層5: 前記第1着色ラ
ッカー層4とは色が異なる層であり、前記第1着色層が
黒色であれば、白色あるいはアイボリー色などで着色す
る。当該第2着色ラッカー層5の場合は、前記第1着色
ラッカー層4と同様に、熱エンボスホイルの全面を必ず
しも同一色に着色しなくてもよく、またマークおよび装
飾形成面全体を同一色に着色しなくても構わない。むし
ろ、前記着色層4と5の各々の層に色が異なる領域を複
数形成してもよい。
【0034】接着層6: 熱エンボスホイルでは周知な
接着層であり、厚みが約1−10μmである。この熱エ
ンボスホイル用接着層は一定の熱が加えられると粘着性
を帯びる組成となっている。加熱せずに処理するエンボ
スホイルの場合、前記接着層は、加圧によって活性化す
る層か、あるいは恒久的に接着性あるいは粘着性を有す
る材質からなる層で構成することも可能である。後者の
場合、エンボスホイルをロール状に巻き取りできるよう
前記ラッカー層3、4、5とは反対側の前記支持体1の
表面に、支持体層1へ接着層6が付着するのを防ぐため
のシリコン等の被覆を塗布形成する必要がある。
【0035】前記分離層2、ラッカー層3−5、接着層
6を以下の組成で生成する。
【0036】 分離層2: トルエン 95部 エタノール 5部 エステルワックス(滴点90℃) 0.1部 保護ラッカー層3: メチルエチルケトン 35部 エチルアセテート 10部 シクロヘキサノン 8部 メチルメタクリレート(軟化点108℃) 8部 ヒドロキシ官能アクリレート(EGA/キシレン 1:1中に60%、OH含有量4.4%) 4部 ヒドロキシ官能アクリレート(EGA中に60%、 OH含有量6%) 4部 硝酸セルロース(低粘性、アルコール中に35%) 8部 ポリエチレン分散系(キシレン中に24%) 7部 芳香族イソシアネート(エチルアセテート中に50%、 NCO含有率8%) 16部 第1着色ラッカー層4(黒色): メチルエチルケトン 30部 ブチルアセテート98/100 28部 シクロヘキサノン 20部 PVC/PVAコポリマー(85/15) 11部 カーボンブラック 11部 第2着色ラッカー層5(白色): メチルエチルケトン 38部 アセトン 11部 シクロヘキサノン 11部 ポリビニルブチラール(軟化点125℃) 6部 直鎖ポリウレタン(融点220℃) 8部 TiO2 26部 接着層6: トルエン 15部 アセトン 15部 エタノール 38部 メチル−/n−ブチル−メタクリレートコポリマー (キシレン中に40%、tg=78℃) 15部 ポリエチルメタクリレート(tg=63℃) 5部 ポリビニルアセテート(エタノール中に50%) 4部 SiO2 2部 TiO2 6部 次に、図2aを参照する。同図には、例えば装置の成形
品であるフロントプレートなどの基板7の断面が示され
ており、この基板7の表面8にはラッカー層3ー5から
成る剥離層9と図1に示されている熱エンボスホイルか
らなる接着層6が従来の熱エンボス操作によって塗布さ
れている。
【0037】図2aに示されているように、略均等に被
覆された装飾面を当該実施例中では黒色である第1また
は最外着色ラッカー層4まで保護ラッカー層3から順に
レーザービーム処理で除去し、装飾、ラベル、パターン
等の所望のマーク図柄を作成し、特に第1または最外着
色ラッカー層4とは色が異なる第2または下層着色ラッ
カー層5が、層3と4を除去して形成した凹部11の底
面10に線や文字等の形状で露出するよう除去する。図
2bには、レーザービームが第2着色ラッカー層5の端
部に至るまで第1着色ラッカー層を正確に切削する理想
的状態が示されている。実際には、下層の露出部分が均
等に見えるよう第2の着色ラッカー層5もわずかな量で
はあるが除去するのが一般的である。物品表面の着色ラ
ッカー層5が複数の異なる色の領域で構成されている場
合は、当然ながら前記第2着色ラッカー層5の露出部分
10には異なった色が露出する。
【0038】上記実施例において、保護ラッカー層3が
すでに熱エンボスホイルの表面に形成されている場合、
すなわち製品または物品のマークまたは装飾が完成した
状態では、前記保護ラッカー層3をレーザー処理で除去
すると第2着色ラッカー層5の表面10が露出してく
る。
【0039】場合によっては、保護ラッカー層で第2ラ
ッカー層5の表面10を保護するのも望ましい。この場
合、保護ラッカー層3が形成されていない熱エンボスホ
イルを使用し、物品表面にすでに塗布されている層の表
面をレーザーで処理した後に保護ラッカー層を塗布し前
記凹部11を充填することができる。機械的強度が高ま
るよう表面10を保護するには、図2bに示されている
ように、保護ラッカー層3が塗布されている状態で凹部
11のみを充填するよう保護ラッカーを塗布することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマーク形成方法用熱エンボスホイルの
部分断面図
【図2】2a)マーク状熱エンボスホイルが表面に配設
された基板の断面図、2b)レーザー処理を実施した後
の図2aの基板の断面図
【符号の説明】
1 バッキングフィルム 2 分離層 3 保護ラッカー層 4 第1着色ラッカー層 5 第2着色ラッカー層 6 接着層 7 基板 8 基板表面 9 剥離層 10 底面 11 凹部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明の他の態様に係るマーク形成方法
は、着色ラッカー層を少なくとも1層物品表面に塗布す
る工程と、前記着色ラッカー層とは色が異なる着色ラッ
カー層を少なくとも1層さらに前記着色ラッカー層の表
面に塗布するものであり、少なくとも当該着色ラッカー
層を支持体から転写塗布する塗布工程と、レーザー処理
を行って少なくとも後に塗布形成された前記着色ラッカ
ー層を選択的に除去し、当該除去部位直下の少なくとも
1着色ラッカー層をマークに応じた所望の形状で露出さ
せる工程とからなることを特徴としている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明のマーク形成方法は上記のような構
成をしており、少なくとも第1および第2の異なる色の
層を着色ラッカーで物品表面に交互に塗布形成する。前
記第1着色ラッカー層は、外側に露出した層であり、物
品表面に塗布された少なくとも第1および第2着色層の
中では当該表面から最も外側に形成された層である。前
記第1ラッカー層は転写操作によって支持体から物品表
面へと転写する。少なくとも前記第1または最外着色ラ
ッカー層は部分毎にレーザーで照射除去し、当該除去部
位直下に形成されている異なる色の第2着色ラッカー層
を外部に露出させてマークを形成する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】場合によっては、保護ラッカー層で第2ラ
ッカー層5の表面10を保護するのも望ましい。この場
合、保護ラッカー層3が形成されていない熱エンボスホ
イルを使用し、物品表面にすでに塗布されている層の表
面をレーザーで処理した後に保護ラッカー層を塗布し前
記凹部11を充填することができる。機械的強度が高ま
るよう表面10を保護するには、図2bに示されている
ように、保護ラッカー層3が塗布されている状態で凹部
11のみを充填するよう保護ラッカーを塗布することも
できる。以下、本発明の実施態様を項分け記載する。
【実施態様1】互いに色が異なる少なくとも2層のラッ
カー層を外部から物品表面側へと順次第1着色ラッカー
層、第2着色ラッカー層と積層形成し、少なくとも最外
層の一部をレーザー照射で除去して当該部位直下の前記
第2層を露出させてマークを形成する方法において、少
なくとも前記最外着色ラッカー層、すなわち前記第1着
色ラッカー層を転写操作によって支持体から物品表面へ
転写することを特徴とするマーク形成方法。
【実施態様2】前記第1および第2着色ラッカー層を転
写操作によって支持体から物品表面に転写することを特
徴とする実施態様1記載のマーク形成方法。
【実施態様3】前記最外着色ラッカー層に透明保護ラッ
カー層を塗布ことを特徴とする実施態様1記載のマーク
形成方法。
【実施態様4】前記レーザー処理が行われる前に前記透
明保護ラッカー層を塗布することを特徴とする実施態様
3記載のマーク形成方法。
【実施態様5】前記レーザー処理を行った後に前記透明
保護ラッカー層を塗布することを特徴とする実施態様3
記載のマーク形成方法。
【実施態様6】支持体フィルムと、当該フィルム表面に
剥離自在に塗布形成された前記ラッカー層で構成された
転写ホイルを用いて前記ラッカー層の全てを塗布するこ
とを特徴とする実施態様1記載のマーク形成方法。
【実施態様7】少なくとも前記最外層着色ラッカー層、
すなわち前記第1着色ラッカー層はエンボスホイルで塗
布することを特徴とする実施態様1記載のマーク形成方
法。
【実施態様8】互いに色が異なる少なくとも前記第1お
よび第2着色ラッカー層は支持体フィルムから成るエン
ボスホイルを用いて積層形成されるものであり、当該支
持体フィルムの表面には分離層と、任意の保護ラッカー
層と、互いに色が異なる少なくとも前記第1および第2
着色ラッカー層と、接着層とが順次積層形成されている
ことを特徴とする実施態様7記載のマーク形成方法。
【実施態様9】前記エンボスホイルは熱エンボスホイル
であることを特徴とする実施態様8記載のマーク形成方
法。
【実施態様10】前記支持体フィルムはポリエステルで
組成されていることを特徴とする実施態様8記載のマー
ク形成方法。
【実施態様11】着色ラッカー層を少なくとも1層物品
表面に塗布する工程と、前記着色ラッカー層とは色が異
なる着色ラッカー層を少なくとも1層さらに前記着色ラ
ッカー層の表面に塗布するものであり、少なくとも当該
着色ラッカー層を支持体から転写塗布する塗布工程と、
レーザー処理を行って少なくとも後に塗布形成された前
記着色ラッカー層を選択的に除去し、当該除去部位直下
の少なくとも1着色ラッカー層をマークに応じた所望の
形状で露出させる工程とからなることを特徴とする物品
表面へのマーク形成方法。
【実施態様12】実施態様11記載のマーク形成方法に
使用するエンボスホイルであって、該エンボスホイルは
支持体フィルムで構成されており、当該フィルムの表面
には分離層と、第1ラッカー層と、第2ラッカー層と、
接着層とが順次積層形成されており、前記第1ラッカー
層は第1の色で着色されており、選択的レーザー照射処
理で除去可能であり、また前記第2ラッカー層は第2の
色で着色されており、さらに前記接着層は前記支持体フ
ィルムから前記物品表面に転写された前記第1および第
2ラッカー層アセンブリを固定するものであることを特
徴とするエンボスホイル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ゲルハルト ツィナー ドイツ連邦共和国 ディーイー−8566 ラ インブルク ブロイテンシュトラーセ 16

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに色が異なる少なくとも2層のラッ
    カー層を外部から物品表面側へと順次第1着色ラッカー
    層、第2着色ラッカー層と積層形成し、少なくとも最外
    層の一部をレーザー照射で除去して当該部位直下の前記
    第2層を露出させてマークを形成する方法において、 少なくとも前記最外着色ラッカー層、すなわち前記第1
    着色ラッカー層を転写操作によって支持体から物品表面
    へ転写することを特徴とするマーク形成方法。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2着色ラッカー層を転
    写操作によって支持体から物品表面に転写することを特
    徴とする請求項1記載のマーク形成方法。
  3. 【請求項3】 前記最外着色ラッカー層に透明保護ラッ
    カー層を塗布ことを特徴とする請求項1記載のマーク形
    成方法。
  4. 【請求項4】 前記レーザー処理が行われる前に前記透
    明保護ラッカー層を塗布することを特徴とする請求項3
    記載のマーク形成方法。
  5. 【請求項5】 前記レーザー処理を行った後に前記透明
    保護ラッカー層を塗布することを特徴とする請求項3記
    載のマーク形成方法。
  6. 【請求項6】 支持体フィルムと、当該フィルム表面に
    剥離自在に塗布形成された前記ラッカー層で構成された
    転写ホイルを用いて前記ラッカー層の全てを塗布するこ
    とを特徴とする請求項1記載のマーク形成方法。
  7. 【請求項7】 少なくとも前記最外層着色ラッカー層、
    すなわち前記第1着色ラッカー層はエンボスホイルで塗
    布することを特徴とする請求項1記載のマーク形成方
    法。
  8. 【請求項8】 互いに色が異なる少なくとも前記第1お
    よび第2着色ラッカー層は支持体フィルムから成るエン
    ボスホイルを用いて積層形成されるものであり、当該支
    持体フィルムの表面には分離層と、任意の保護ラッカー
    層と、互いに色が異なる少なくとも前記第1および第2
    着色ラッカー層と、接着層とが順次積層形成されている
    ことを特徴とする請求項7記載のマーク形成方法。
  9. 【請求項9】 前記エンボスホイルは熱エンボスホイル
    であることを特徴とする請求項8記載のマーク形成方
    法。
  10. 【請求項10】 前記支持体フィルムはポリエステルで
    組成されていることを特徴とする請求項8記載のマーク
    形成方法。
  11. 【請求項11】 着色ラッカー層を少なくとも1層物品
    表面に塗布する工程と、 前記着色ラッカー層とは色が異なる着色ラッカー層を少
    なくとも1層さらに前記着色ラッカー層の表面に塗布す
    るものであり、少なくとも当該着色ラッカー層を支持体
    から転写塗布する塗布工程と、 レーザー処理を行って少なくとも後に塗布形成された前
    記着色ラッカー層を選択的に除去し、当該除去部位直下
    の少なくとも1着色ラッカー層をマークに応じた所望の
    形状で露出させる工程とからなることを特徴とする物品
    表面へのマーク形成方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載のマーク形成方法に使
    用するエンボスホイルは支持体フィルムで構成されてお
    り、当該フィルムの表面には分離層と、第1ラッカー層
    と、第2ラッカー層と、接着層とが順次積層形成されて
    おり、前記第1ラッカー層は第1の色で着色されてお
    り、選択的レーザー照射処理で除去可能であり、また前
    記第2ラッカー層は第2の色で着色されており、さらに
    前記接着層は前記支持体フィルムから前記物品表面に転
    写された前記第1および第2ラッカー層アセンブリを固
    定するものであることを特徴とする。
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