JPH05194318A - エステル化方法 - Google Patents
エステル化方法Info
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- JPH05194318A JPH05194318A JP4195832A JP19583292A JPH05194318A JP H05194318 A JPH05194318 A JP H05194318A JP 4195832 A JP4195832 A JP 4195832A JP 19583292 A JP19583292 A JP 19583292A JP H05194318 A JPH05194318 A JP H05194318A
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Abstract
と、炭素原子2ないし10個を有するアルコールとを実質
的に非水媒体中において反応させることによる揮発性生
成物エステルを製造するための改良エステル化方法にお
いて、その改良点がエステル化触媒として、アルキル基
が8ないし20個の炭素原子を有する長鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸触媒、又はそのような触媒の混合物を使用
することにより該生成物エステル中に含有される酸性硫
酸塩の量を最小化することを包含して成る前記方法であ
る。
Description
下で、低級ヒドロカルビルカルボン酸を、アルコール
で、エステル化して生成物エステルを製造する改良され
た製造方法に関し、その改良点は、長鎖アルキル置換ベ
ンゼンスルホン酸を触媒として使用することである。
ロカルビルカルボン酸を、アルコールでエステル化して
生成物エステルを製造する方法は、当業界に周知であ
る。かかる生成物エステルを製造する好ましい従来法
は、カルボン酸とアルコールを、実質的に無水の反応媒
体と、さらにエステル化触媒を含む反応器の中で、エス
テル化すること;生成物エステル−水の揮発化共沸混合
物を反応器に接続している蒸留塔から得ること;そして
分離容器中で、生成物−水共沸混合物を相分離させて生
成物エステルを回収することより成る。
第1,262,645 号は、硫酸或いはパラ−トルエンスルホン
酸をエステル化触媒として使用するかかる方法を開示し
ている。更に、希望するならば、硫酸ジメチル又は硫酸
ジエチルのような硫酸ジアルキルを触媒先駆物質として
使用して、硫酸モノアルキルと硫酸の加水分解平衡混合
物を現場で(その場で)製造してもよい。
かかる方法において硫酸のような強い鉱酸やp−トルエ
ンスルホン酸を、触媒として使用することを教示してい
る。一方、ヨーロッパ特許公報第158,499 号は、アルキ
ルスルホン酸の脱スルホン化温度が186 ℃以上で、かつ
好ましい触媒がメタンスルホン酸(CH3 SO3H)であると
いう条件の下で、触媒は、式 RSO3H〔式中、RはC1 〜
C12の置換又は非置換の肪族ハイドロカルビル基であ
る〕のアルキルスルホン酸であることをすすめている。
酸塩(SO4 -2)が存在すると、かかる生成物エステルの
貯蔵可能性に重大な支障を来たすことがわかった。例え
ば、生成物エステル中の酸性硫酸塩の量が、可成り普通
の程度の量であっても存在すると、貯蔵により生成物エ
ステルが分解して、許容されないカルボン酸が形成さ
れ、生成物エステルの不安定性の原因となることが意外
にもわかった。
24℃における初期カルボン酸酸度が約 0.010%の酢酸で
ある生成物ブチルアセテートは、その酸度が、貯蔵後15
日間で0.05%;43日間で 0.125%;そして69日間で 0.1
75%に上がることがわかった。貯蔵の間に酢酸の量がこ
のように増えると、貯蔵されている生成物エステルの商
品価値が低くなる。
は、生成物エステルの加水分解を触媒化して、カルボン
酸とアルコール出発物質に戻すので、生成物エステルの
貯蔵寿命或いは貯蔵能力を制限したり短縮するものと考
えられる。生成物エステル中のかかる酸性硫酸塩の出所
は、エステル化工程の間に使用される、現場で生成され
るスルホネートエステルの酸触媒が、硫黄酸化物(例え
ば、SO2 /SO3 )に熱分解して、それが生成物中に酸性
硫酸塩(即ち、SO4 -2)として現われるものと考えられ
る。
反応媒体中に存在するアルコールでエステル化されて形
成される。従って、かかる酸性硫酸塩を出来るだけ含ん
でいない生成物エステルを製造することが非常に望まし
い。
化手順によって生成された生成物エステル中の酸性硫酸
塩の存在は、エステル化触媒として長鎖アルキル置換ベ
ンゼンスルホン酸を使用することによって容易に最小化
し得ることを見出した。したがって本発明の目的は、生
成物エステル中の酸性硫酸塩の量を、長鎖アルキル置換
ベンゼンスルホン酸をエステル化触媒として使用するこ
とによって最小化し、それによって貯蔵安定性に優れた
生成物エステルを製造する改良エステル化方法を提供す
ることである。本発明の更なる目的及び利点は、以下逐
次明きらかにされる。
Rは、1乃至4個の炭素原子を有するヒドロカルビル
基、そしてR′は、2乃至5個の炭素原子を有するアル
キル基を示す。〕で表わされる生成物エステルを製造す
る改良方法である。
ル量の式RCOOH のカルボン酸、及び式R'OHのアルコール
〔式中、R及びR’は、上で定義した通り。〕を、カル
ボン酸、アルカノール、生成物エステル、エステル化触
媒及び約5重量%以下の水を含む実質的に無水の反応媒
体を収容する反応容器へ、連続的に供給すること;
(2)生成物エステルと水を、前記反応容器から、蒸留
によって蒸留塔へ取出すこと;(3)前記蒸留塔へ、水
を添加して生成物エステル−水共沸混合物の生成を助長
させること;及び、(4)前記生成物エステル−水共沸
混合物を、分離容器で相分離させて前記生成物エステル
を得ることから実質的に成り、かつこの改良法は、一般
式
するアルキル基を表わす。〕を有するアルキルベンゼン
スルホン酸を、前記エステル化触媒として使用すること
によって、前記生成物エステル中に含まれる酸性硫酸塩
の量を最小にすることから成る。
ダイヤグラムの概要図である。図は、生成物エステルと
水が、反応器から蒸留塔へ移送され、生成物エステル−
水共沸混合物が生成され、次いで生成物エステル−水共
沸混合物がデカンターで相分離されて、希望すれば精製
される粗生成物エステルが得られる態様を示している。
乃至5個の炭素原子を有するアルコールと、ヒドロカル
ビル基中に1乃至4個の炭素原子を有するヒドロカルビ
ルカルボン酸とを、実質的に無水の反応媒体中、エステ
ル化触媒の存在下で反応させ、前記生成物エステルを、
生成物エステル−水共沸混合物から相分離によって回収
することから成る生成物エステルを製造するエステル化
法において、長鎖アルキル置換ベンゼンスルホン酸触媒
を使用して生成物エステル中の望ましくない酸性硫酸塩
の生成を最小化することを改良点とするものである。
は、狭く臨界的ではなく、希望しかつ適切である限り、
従来のエステル化法で採用されている通常の条件に対応
させることが出来る。実際に、かかる反応条件と処理技
術は、個々の要望を満足させ、特定の生成物エステルを
製造することが出来るように広範に変化させ且つ調整さ
れる。
COOR' 〔式中、Rは、1乃至4個の炭素原子を有する線
状ヒドロカルビル基、及びR’は、2乃至5個の炭素原
子を有するアルキル基である〕で表わされる。
テート、n−プロピルアセテート、イソ−プロピルアセ
テート、n−ブチルアセテート、イソ−ブチルアセテー
ト、n−ペンチルアセテート、2−メチル−1−ブチル
アセテート、及び3−メチル−1−ブチルアセテートの
ようなアミルアセテート、エチルプロピオネート、n−
プロピルプロピオネート、イソ−プロピルプロピオネー
ト、n−ブチルプロピオネート、イソ−ブチルプロピオ
ネート、n−ペンチルプロピオネートのようなアミルプ
ロピオネート、2−メチル−1−ブチルプロピオネート
及び3−メチル−1−ブチルプロピオネート、エチルア
クリレート、n−プロピルアクリレート、イソ−プロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチ
ルアクリレート、アミルアクリレート、n−プロピルメ
タクリレート、n−ブチルメタクリレート、n−ブチル
ブチレート等である。
ピル及びブチルのアセテート並びにプロピオネートであ
る。そしてより好ましいエステルは、アセテート、特
に、n−ブチルアセテートである。
出発物質は、式ROOH〔式中、Rは、1乃至4個の炭素原
子を有するハイドロカルビル基を表わす。〕で表わされ
る。カルボン酸を例示すると、酢酸、プロピオン酸、ブ
タン酸、イソブタン酸、アクリル酸及びメタクリル酸で
ある。
ロピオン酸であって、特に酢酸が好ましい。カルボン酸
出発物質は、精製された単一カルボン酸が最も好ましい
が、希望するならこれらの酸の混合酸を使用することが
出来る。
出発物質は式R'OH〔式中、R' は、2乃至5個の炭素原
子を有するアルキル基を示す。〕で表わされる。アルコ
ールを例示すると、エタノール、n−プロパノール、イ
ソ−プロパノール、n−ブタノール、イソ−ブタノー
ル、第二−ブタノール、第三−ブタノール、1−ペンタ
ノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1
−ブタノール、及びそれらの混合物で例示されるアミル
アルコール等である。好ましいアルコールは、n−プロ
パノール、イソ−プロパノール、n−ブタノール及びイ
ソ−ブタノールであって、特にn−ブタノールが好まし
い。精製された単一アルコール出発物質を使用すること
が一層好ましいが、希望によっては、好ましくは同じ数
の炭素原子を有しているアルコールの混合物を使用され
得ることは勿論理解されるところである。例えば、アミ
ルアルコールは、通常、混合C5 アルコールの形で市販
されている。
ステル化触媒は、一般式
有するアルキル基を表わす。〕で表わされる長鎖アルキ
ルベンゼンスルホン酸である。かかる酸並びにその製法
は周知である。
個の酸化合物自体と、それらの混合物を包含することは
理解されるところである。例えば、これら個々の酸自体
を単品で使用することに加えて、これらの酸の商用或い
は工業級化合物(即ち、R”で示されるアルキル基が、
通常、8乃至20個の範囲の炭素原子の平均数を表わして
いるような、かかる酸単品の混合物、例えば、一般に、
洗剤の製造に使用されている混合物)を併用することは
有利なことであるし或いは望ましいことである。
ると、n−オクチルベンゼンスルホン酸、n−ノニルベ
ンゼンスルホン酸、n−デシルベンゼンスルホン酸、n
−ウンデシルベンゼンスルホン酸、n−ドデシルベンゼ
ンスルホン酸、n−トリデシルベンゼンスルホン酸、n
−テトラデシルベンゼンスルホン酸、n−ペンタデシル
ベンゼンスルホン酸、n−ヘキサデシルベンゼンスルホ
ン酸、n−ヘプタデシルベンゼンスルホン酸、n−オク
タデシルベンゼンスルホン酸、n−ノニルデシルベンゼ
ンスルホン酸、n−エイコシルベンゼンスルホン酸、及
びそれらの混合が包含される。
広く利用出来る商用級混合物の例としては、当量重量が
約318 で、R”が約11.5個の炭素原子の平均アルキル鎖
長を表わしているステパン(Stepan)社製造のBio −Soft
(商標)S−100 、平均アルキル鎖長がC11- C12であ
る線状アルキルベンゼンスルホン酸である AAS−98S(Co
ntinental Chemical Co.) 、各々C13の線状アルキルベ
ンゼンスルホン酸(平均分子量342 )及びC11の線状ア
ルキルベンゼンスルホン酸(平均分子量318 )であるVi
sta SA697 及びVista SA597 (両方共Vista Chemical C
o.製造)、分枝ドデシルベンゼンスルホン酸であるStep
antan (商標)H−100(Stepan Co.) 、アルキル基
(R")が、約1%のC10、40%のC11、28%のC12及び
31%のC13+ から成る線状アルキルベンゼンスルホン酸
(Alfa Products Co.) 等が包含される。
ルベンゼンスルホン酸触媒は、R”が10乃至14個の炭素
原子を有するアルキル基で、そして最も好ましい触媒
は、上述した市販のBio − Soft (商標)S−100 であ
る。
やかな発熱平衡反応である。基本的な方法は、通常のエ
ステルバッチ(回分式)蒸留ケトル反応器の中で実施さ
れる。この場合、生成物エステルと水が、通常のエステ
ルバッチ蒸留塔の中で、エステル、アルコール及び水の
間の二成分及び三成分不均質共沸混合物の混合物として
平衡エステル化反応から除去され、そしてデカンターで
相分離される。本発明では、任意好適な従来のエステル
型反応器及び蒸留塔を使用することが出来る。然しなが
ら、長時間にわたる酸腐食問題の可能性を考慮するなら
ば、それらのユニットの構築は、耐食性の材料、例えば
316 ステンレススチールが好ましい。更に、エステルバ
ッチ蒸留塔は、少なくとも30のオルダシャウ(Oldersha
w) トレー或いはプレートを有しているのが好ましく、
そしてそれらトレー或いはプレートの上限の数は実用面
だけを考慮して抑さえるのが好ましい。
質的に等モル量のアルコールと酸を、初期装入反応器に
添加して始めることである。初期装入原料を例示する
と、例えば、酢酸35−50wt%、ブタノール10−50wt%、
酢酸ブチル0−50wt%及び水0−5wt%から成る。初期
装入原料を反応器へ添加し終ってから、エステル化触媒
を添加すべきである。次いで、反応内容物をゆっくりと
加熱して、エステルバッチ蒸留塔を、全還流に到達させ
る。この方法によって極めて短時間(例えば、1時間以
下)で平衡に到達する。
して操作が一定確実になるのを高めることである。例え
ば、酢酸ブチルの場合、酢酸35wt%、n−ブタノール10
wt%、酢酸ブチル50wt%及び水5wt%でより成る大略の
出発組成物に、次いでエステル化触媒を添加することに
よって、このことは達成される。このように一定状態の
組成物を反応器へ装入すると、エステルバッチ蒸留塔
は、約1時間半で迅速に一定条件に到達する。蒸留塔へ
の添加を希望するならば、遅滞なく開始しなければなら
ない。このような開始手順は、装置の型式及び粗生成物
エステルの有効性等の特定の条件に依存するが、プラン
ト内での時間を節約することが出来る。
流に至ったならば該蒸留塔は定常状態になる。平衡の間
に反応器温度は生成物エステル及び水の生成に起因して
若干下がる。反応器温度と蒸留塔温度とのライニングア
ウト(lining out)は平衡が達成されたことの良好な徴候
である。
連続的に、好ましくは実質的に等モル比において反応器
に供給される。ここに使用される実質的に等モル比の表
現は約1ないし1.5 :1の範囲におけるアルコール対酸
のモル比を包含する。勿論、上記は上記反応物の等モル
比を包含し、所望により、より高い、又はより低いアル
コール対酸の比をも採用することができる。一般的に酸
に対してアルコールのわずかに過剰(例えばn−ブタノ
ール対酢酸の約1.05:1モル比)を使用することが好ま
しい。
本方法の反応速度を高める任意の触媒量であることがで
きる。しかしながら、触媒が迅速な反応を明らかに生ず
ることが好ましい。したがってエステルバッチスチル反
応器(esters batch still reactor)の反応媒体中におけ
る本発明のアルキル置換ベンゼンスルホン酸エステル化
触媒の濃度はH2SO4 の重量%として計算して約0.1 ない
し約5.0 重量%の酸性度の範囲内であることができる。
該濃度はH2SO4 の重量%として計算して好ましくは約
0.1ないし約 2.0重量%、更に好ましくは約0.2 ないし
約0.8 重量%の範囲内に保たれる。触媒水準は一定のま
まであることが好ましく、滴定によって毎日監視するこ
とができる。酸性度水準が容認可能な水準以下に低下し
た場合は補充触媒を反応器に添加して所望の反応速度を
達成することができる。
られた反応温度及び反応圧力において行うことができ
る。例えば本明細書に記載の方法は大気圧から約75psia
までの範囲にわたる圧力、所望により更に高い圧力にお
いて行うことができ、好ましい圧力は大気圧から約45ps
iaまでの範囲にわたる。例えばブチルアセテートを生成
する場合においては反応器及び蒸留塔を大気圧よりもわ
ずかに高い、例えば16ないし20psiaの圧力において維持
することが一般的に好ましい。同様に、エステル化反応
は一般的に約80℃ないし 180℃、好ましくは約85℃ない
し約 140℃の範囲にわたる温度において行われる。勿
論、任意の一つの個々の環境下における最も好ましい反
応条件は個々の生成物エステル及び作業者の所望する処
理効率(processing efficiency) に大きく関係し、この
ような条件は本明細書に説明されるような本発明のより
一層好ましい見地にしたがって、及び/又は簡単な日常
実験を通じて当業者により容易に定められるべきであ
る。例えばBio Soft(商標)S−100 触媒を使用する場
合においては、ブチルアセテートは約120 ℃の反応器温
度及び大気圧において容易に得ることができるけれど、
大気圧よりもわずかに高い圧力(例えば約16〜20psia)
においては約135 ℃の反応器温度を効率的に使用できる
ことがわかった。勿論、塔頂留出物カルボン酸の低い酸
性度及び粗製生成物エステルの高い純度を維持するため
には過度に高い反応温度を強行しないことが望ましい。
最も好ましくは本発明のエステル化方法はアルコールが
蒸留塔に入るのを防止し、アルコールが低沸点水共沸混
合物として塔頂留出物を通過するのを防止し、かつ/又
はジアルキルエーテル副生物にエーテル化することを防
止するためにできるだけ多量のアルコールの消費を促進
するように定常状態の作業条件下において行われる。す
なわち、反応媒体中のカルボン酸酸性度を例えば滴定に
よって監視し、前記酸性度水準を定常状態に維持するこ
とが好ましい。
て、実質的に無水の反応媒体、すなわち約5重量%より
も多くない水を含有する媒体、好ましくは約3重量%以
下の水を含有する反応媒体を包含する。反応器における
水の量を上記のような少量に制限することにより高反応
速度が可能となり、かつ反応器における最大生成物エス
テル濃度が保証される。上記のような水の低濃度は達成
可能である。なぜならばエステル化工程により水が副生
物として生成されるけれど、生成された生成物エステル
と水との両方は反応器から容易に蒸留されて蒸留塔に輸
送され、そこで水が大きな百分率(例えば約25〜30%)
を占める水性共沸混合物が形成されるからである。
物エステルと共に十分な水性共沸混合物を保証するのに
一般的に十分でないので若干量の水を蒸留塔に添加して
生成物エステル−水共沸混合物の形成を助けることもま
た一般的に好ましい。他方において、もしも生成物エス
テル−水共沸混合物の含水量が大き過ぎるならば、その
ようなこともまた望ましくない。蒸留塔において生成物
エステル共沸混合物塔頂留出物の除去のために低すぎる
か、又は高すぎる温度を使用することは、いずれも望ま
しくない。例えばもしも蒸留塔における温度が生成物エ
ステル−水共沸混合物の沸点以上に高過ぎるならば過剰
のカルボン酸が塔頂留出物に運ばれることがあり、そし
てもしも前記温度が低過ぎる(過剰の水が蒸留塔に添加
されることによって生ずるような)ならば粗製生成物エ
ステルが過剰のアルコール汽水共発(carryover) によっ
て汚染されることがある。したがって蒸留塔の温度は蒸
留塔における任意の適当な点(例えば蒸留塔への水の下
部添加点のわずかに上方)において監視して該温度を生
成物エステル−水共沸混合物の沸点又はその付近におい
て適切に制御することが好ましい。塔に添加される水の
量は、得られる生成物エステルの量及びその粗製生成物
の純度の両方の見地から最も効果的な結果を達成するこ
とのできる量であることが好ましい。更に、水は蒸留塔
の底部に接近したトレーに添加して生成物エステルの反
応器からの共沸混合物としての除去を促進することが好
ましいけれど還流を確立し、かつ粗製生成物を除去され
た塔頂留出物中におけるカルボン酸の量を最小化するた
めに、生成物エステル−水共沸混合物の相分離の際にデ
カンターから得られる粗製生成物エステルの若干部分と
共に若干の水を蒸留塔の頂部又はその付近のトレーに添
加することもまた好ましい。更に蒸留塔に添加される水
は生成物エステル−水共沸混合物の相分離の際にデカン
ターから由来することが好ましいけれど、そのような必
要はない。蒸留塔に添加される水は所望によっては、生
成物エステル−水共沸混合物の相分離を促進するために
デカンターに好ましく添加される新鮮な水と同一の水源
からの水のような新鮮な水でもよい。いかなる場合にお
いても水の純度は生成物の品質及び生産性に対して有意
の効果を示すことができる。したがって新鮮な水の水源
は脱イオン水であるか、又は或る種の、他の高純度型の
水かであることが好ましい。更に、蒸留塔の上部位置及
び下部位置に対して十分な水の流量を採用して高度に効
果的な定常流量エステル化方式を達成することが明らか
に一般的に好ましい。例えばブチルアセテートの場合に
おいてはブタノール供給物の1ポンド当り、それぞれ約
0.5 ポンド及び0.3 ポンドの水の流量で十分であること
ができる。
共沸混合物の相分離の際に得られる粗製生成物エステル
の若干を蒸留塔の頂部部分に添加することはカルボン酸
が塔頂留出物に進み生成物エステルを汚染することを防
止する助けとなる還流を生じさせるのに好ましい。約
1:1の還流比を維持するために少なくとも十分な量の
上記粗製生成物エステルを(水と共に)蒸留塔の頂部に
戻すことが一般的に好ましい。勿論、所望により、より
高い還流比(例えば3:1まで又はそれ以上)を得るた
めに、より多量の生成物エステルを再循環させることが
できる。
置換ベンゼンスルホン酸触媒の使用に包含される有利な
ファクターは多くあり、その少なからぬものが本明細書
に記載のように貯蔵の際におけるカルボン酸の生成に対
して非常に安定な生成物エステルの生成である。上記し
たように、この安定性は、本発明の長鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸触媒が不安定なスルホン酸エステルの生成
(例えばアルコールと触媒自体との反応から)を抑制
し、したがって生成物エステルにおける酸性硫酸塩、及
び生成物の貯蔵の際における対応するカルボン酸酸性度
の問題の出現を防止することの結果であると思われる。
予想外にも、ガラスから由来することのあるもののよう
な或る種の中性酸性硫酸塩の存在は貯蔵の際においてカ
ルボン酸酸性度の増加を明らかに生じさせないこともわ
かった。確かに、n−ブチルアセテートのカルボン酸酸
性度はガラス容器中に貯蔵した場合に、硫酸塩含量が増
加したにも拘らず時間と共に変化しなかったことがわか
った。この硫酸塩の増加はガラスからの汚染によって生
じたものと考えられる(典型的にはガラス容器中に貯蔵
された少量のエステル試料の硫酸塩含量は1ppm から5
ppm に増加したことがわかった)。すなわち、ガラスに
起源する上記硫酸塩はエステルのそのカルボン酸への加
水分解を生じさせるに当って、アルコールとスルホン酸
触媒自体との反応に起源する酸性硫酸塩によって生ずる
前記加水分解と対照的に、明らかに触媒的でない。本発
明を使用することによって得ることのできる生成物エス
テル中に含有される酸性硫酸塩の量を最小化する主要な
利点のほかに多数の他の利点が本発明の特定のアルキル
ベンゼンスルホン酸触媒の使用に起因することがあると
思われる。例えば上記の非常に安定な触媒は高い触媒活
性を示し、また反応器中に非常に安定な反応媒体を提供
することを助ける。確かに本発明の触媒は、従来の慣用
の触媒について通常に要求されているようなエステル化
工程中における頻繁な触媒補充添加に対する現在の必要
性を大いに最小化すると思われる。更に本発明の長鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸触媒は腐食問題を最小化し、
またエステル化中における加熱コイルの炭化又は汚損を
生ずるとは思われないことが考えられる。更にその上、
本発明の触媒のすぐれた安定性の故に、特定の生成物エ
ステル生成作業の完了時に、使用済みの長鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸触媒を含有する反応がま残留物を反応
器から容易にストリップし(例えば同じ製造装置及び設
備を使用して異なる生成物エステルを目的とする新しい
製造実験を開始することが望まれる場合)、貯蔵し、次
いで再使用することができ、したがって所望により一つ
の生成物エステル生成作業から別の生成物エステル生成
作業への触媒残留物の再循環が可能となることが考えら
れる。確かに、本発明の触媒を含有する反応がま残留物
は処分前に2〜3回再循環させ得ることが予期される
(しかしながら完全活性を回復させるために若干の補充
触媒を必要とすることがある)。一般的に、従来慣用の
エステル化触媒を含有する反応がま残留物は、使用済み
触媒組成物中に含有される腐食からの種々の量の炭化物
及び金属の故に容易に再使用することができない。
は周知の、及び文献に記載された広範囲の用途を有す
る。例えばアルキルアセテート及びアルキルプロピオネ
ートのようなエステルは、例えばペイントの溶剤とし
て、及び殺虫剤、除草剤などのような農薬の原料として
特に有用であり、一方においてアルキルアクリレート及
びアルキルメタクリレートのようなエステルは塗料、接
着剤及びプラスチックに、ならびに織物、皮革仕上げ剤
及びペイントに使用されるポリマー用及び樹脂用のモノ
マーとして特に有用である。
図を概略的に示す図面を参照して本発明の好ましい実施
態様を更に説明することができる。
エステルバッチスチルがま)が示され、この反応器にカ
ルボン酸(1)及びアルコール(2)を、生成物エステ
ル及び水を蒸留塔(4)(例えば慣用のエステルバッチ
スチル蒸留塔)に蒸発させるのに十分な温度において、
連続的に供給することができる。反応器のアルコール/
カルボン酸反応媒体中に触媒(3)(すなわちアルキル
置換ベンゼンスルホン酸)が存在し、そして必要に応じ
て、又は所望により補充触媒をエステル化反応に増分的
に添加することができる。
エステル、アルコール及び水の間の二元及び三元の不均
質共沸混合物として、平衡エステル化反応系から、冷却
器又は凝縮器(7)を備えた管路(9)を経由して取り
出すことができる。凝縮された液体は次いで慣用のエス
テル−水共沸混合物デカンター(6)に輸送されること
ができ、そこで相分離が行われる。デカンター(6)の
粗製生成物エステルに富む最上層は管路(10)を経由し
て慣用の生成物エステル精製蒸留器(11)に供給して軽
質分を留去し、所望の精製された生成物エステルを管路
(16)を経由して得ることができる。デカンター(6)
の前記粗製生成物エステルに富む最上層の一部を管路
(12)を経由して蒸留塔(4)の頂部に戻して所望の還
流比を維持することができる。
otropic water)の必要量を満たすため、及び蒸留塔頂留
出物からのカルボン酸を最小化するために管路(8)及
び(13)を経由してデカンター(6)の底部水性層を、
管路(9)を経由する生成物エステル−水共沸混合物と
共に蒸留塔(4)に添加することができる。
由してデカンター(6)に添加して相分離を促進し、か
つ蒸留塔(4)に対して十分な水を提供することができ
る。更に所望により、管路(9)は排ガス管路(27)を
有することができ、一方において反応器(5)はストリ
ップされた貯蔵残留物用タンク(図示省略)に接続する
ことができる。過剰の水は例えば管路(14)を経由して
下流に除去することができる。
経由して得られる例えばカルボン酸及びアルコールのよ
うな軽質分は、第二の慣用のデカンター(26)のカルボ
ン酸に富む最上層が管路(19)を経由して反応器(5)
に再循環することができるように、冷却器(30)におい
てそれらを凝縮させ、次いで前記デカンター(26)にお
いて相分離させることにより再生することができる。管
路(17)は排ガス管路(18)を有することができる。前
記デカンター(26)の最下層は管路(20)を経由して、
水を第一のデカンター(6)から最終の慣用精製蒸留器
又はストリッピング蒸留器(15)に運ぶ管路(14)に輸
送することができる。前記ストリッピング蒸留器(15)
の頂部から管路(21)を経由して得られる例えば生成物
エステルなどのような蒸発ガスは冷却器(31)を経由し
て凝縮され、次いで所望により再循環管路(19)に添加
されるか、又は排ガス管路(22)を経由して廃棄される
ことができる。最後に前記ストリッピング蒸留器(1
5)の底部から管路(23)を経由して回収される過剰
の水は任意の適当な環境的に正しい方法において所望ど
おりに処分することができる。
り、限定的なものではない。本明細書及び特許請求の範
囲に記載されるすべての部、百分率及び割合は特に示さ
れない限り重量によることを理解すべきである。
る酸性硫酸塩(SO4 -2)の量を定量するために本発明で
採用する方法は、以下に記すイオンクロマトグラフィー
(IC)である:
酸塩を検出するのに基本的なことは、生成物エステルの
サンプルを、水酸化ナトリウムの稀釈溶液で抽出するこ
とである。例えば、酢酸ブチルの容量は、稀塩基層での
容量の3倍であるので、結果として稀塩基層での硫酸塩
の濃度の3倍になる。次いで、稀塩基抽出物を、イオン
クロマトグラフィーに注入して硫酸塩濃度を測定する。
この方法による硫酸塩の回収は 97 〜103 %である。
ーム抵抗以上。 脱イオン水中の硫酸塩濃度はIC測定で50ppb 以下必須。 NaOH 50%液体高純度低炭酸塩溶液。 Na2CO3 ACS 試薬級(アメリカ化学協会) NaHCO3 ACS 試薬級(アメリカ化学協会) Na2SO4 ACS 試薬級(アメリカ化学協会) H2SO4 高純度低金属含有量 0.01N NaOH 50% NaOH、 0.8gを1リットルに稀釈
含む標準原体水溶液を調整する。0.01N NaOH中に約1pp
m の硫酸塩を含む第2標準液を調整。この標準液を試料
(サンプル)及びブランクと共にクロマトグラフ処理す
る。
範囲であるので、汚染に絶えず気を付けねばならない。
サンプルを取り出したら相対的に硫酸塩が無い容器に移
す。ガラスのビンは、普通数ppm の硫酸塩を含んでいる
ので、サンプルと稀釈液はプラスチックのビンに貯蔵し
ておかなければならない。容器の中の硫酸塩をテストす
るため、脱イオン化した又は他の高純度の水を添加し、
強振盪し、それから水を分析して硫酸塩を検出する。使
用する容器にかかわらず、ブランク分析をして、試薬、
容器及び他の発生源から分析中にもたらされる硫酸塩を
補正しなければならない。
プルは2つの層を含んでいる場合がある。上部の層は、
主として酢酸ブチルで、下部の層は、主として水であ
る。どちらかの層を分析として硫酸塩を検出することが
出来る。サンプルの希塩基下層は、直接或いは希釈して
分析することが可能である。有機部分はカラムを損傷さ
せることなしにイオンクロマトグラフィ(IC)に直接注
入することは出来ない。上部層の酢酸ブチルのために工
程(c)の抽出手順を利用する。
スサンプルからの上部層を以下のように分析しなければ
ならない。有機サンプルの30±1グラムの各々を0.01N
NaOHの10±グラムと共に、50mLのポリエチレンプラスチ
ックビンの中で振盪する。層が分離したら直ちに、底部
の稀塩基層の若干量を注意深く取り出してICに注入す
る。
使用して二重反復試験を行ってIC分析のための2つのブ
ランクを作る。
験をするべきである。サンプルの分析は、0.01N NaOHブ
ランククロマトグラムで得た硫酸塩で補正しなければな
らない。0.01N NaOHは、恐らく、10〜50ppb の硫酸塩を
含んでいる。
の量を定量するための本発明で採用される方法を以下に
述べる。
計量容器を用いて250mL 三角フラスコに投入する。
タレイン指示薬を数滴添加し、標準0.1 Nアルコール性
水酸化カリウムで滴定してピンクの終点を少なくとも15
秒間持続させる。
%、例えば、酢酸。
関して定量するために本発明で採用する方法は、塩基で
の滴定より成る。この方法は、実際には、一塩基酸、モ
ノブチルスルホネートとして硫酸を滴定するが、その結
果は、便宜上%硫酸として記録される。この手順を以下
に記載する:
の各々に、サンプル10mLをピペットで移し、チモールブ
ルーキシレンシアノールFF指示薬を8〜10滴添加す
る。
グラムのチモールブルー(BaxterScientific Products
製Na塩)及び0.8 グラムのキシレンシアノールFF(Fish
er、カタログ#1131069 )。
を各フラスコに添加する。
プロパノール中0.1 Nモルホリン標準液で滴定して紫色
からグリーンに色を変化させる。終点に近付いたら、25
mLのビューレットで点滴する。
おり大略換算する。
概略流れ図に対応するエステル化装置を用いて行った。
35段オールダーショー(Oldershaw)トレイ蒸留塔を使用
した。
−ブタノールと酢酸との混合物を充填し、そして1.0 重
量%のビオソフト(Bio Soft、商標)S−100 をエステ
ル化触媒として使用した。蒸留塔及び反応器を窒素ガス
で加圧することによって約18〜20psiaに保持しながら反
応器の内容物を 115℃〜 120℃に加熱した。蒸留塔での
n−ブチルアセテートの塔頂還流の開始及び一定酢酸含
量を示す反応がま分析によって判定されるようにエステ
ル化平衡が0.5 時間以内に達成された。触媒の濃度は硫
酸として計算して0.29重量%であった。
ールのエステル化供給混合物を、反応がまの平衡を維持
しながら生成物エステル/水共沸混合物を気化させるの
に十分である18〜20psiaで 110〜120 ℃の温度の反応が
まに連続的に供給した。反応がま中の組成は操作中実質
的に一定のままであったが、触媒の濃度は硫酸として計
算して0.29%から0.32%に及んだ(このわずかな変動は
反応がまの液体濃度の変動のためであった)。
n−ブタノール及び水の間の2成分及び3成分不均一共
沸混合物として蒸留塔の塔頂に残り、冷却器に通した後
に、デカンター中で生成物エステルに富んだ上層と水に
富んだ下層とに相分離させた。デカンター中の水に富ん
だ下相は平均組成で300ppb(0.30ppm) の酸性スルフェー
トを含んでいた。
に富んだ上相の約半分を精製用蒸留器に運び、一方前記
粗生成物エステルの残りの半分を蒸留塔の頭部に戻し、
約1:1の還流を保持した。
ポンド当たり約 1.1〜1.6 ポンドの水を蒸留塔の塔頂に
連続して供給し、またn−ブタノール1ポンド当たり約
0.9〜1.1 ポンドの水を塔の下部水供給点(第17トレ
イ)に追加した。デカンターから回収された水相は蒸留
塔に再循環せず、その代わりに反応器に戻されるn−ブ
チルアセテート及び未反応のブタノール及び酢酸を回収
するための水ストリッピング塔に供給した。廃棄するの
に適するように水を精製した。
験によって製造された精製n−ブチルアセテートの平均
酸性スルフェート含量は20ppb であり、酢酸酸性度は0.
009重量%であった。42℃(107.6 °F )で23日間放置
した後、この精製n−ブチルアセテートの酢酸酸性度は
なお0.009 重量%であった。また、42℃で49、78及び11
9 日間後に、前記酸性度はそれぞれ0.011 重量%、0.01
6 重量%及び0.015 重量%であった。このことは、得ら
れた生成物エステルのn−ブチルアセテートが貯蔵に際
しての酢酸生成に対して非常に安定であることを示す。
概略流れ図に対応するエステル化装置を用いて行った。
43段オールダーショートレイ蒸留塔を使用した。
ステル化触媒としてビオ−ソフトS−100 を充填し、最
後にn−ブタノールを充填し(酢酸対n−ブタノールの
モル比:約 1.3:1.0 )、加熱を開始した。添加した触
媒の量は約1.1 重量%であるように計算したが、反応器
中の触媒含量は硫酸として計算して0.37%であった。更
に酢酸とn−ブタノールとを1:1のモル比で添加して
所望の反応がま濃度を得た。
とによって約30psiaに保持しながら反応器の加熱を開始
した。1.5 時間加熱した後、105 ℃の反応器温度に達
し、蒸留塔でのn−ブチルアセテートの塔頂還流の開始
及び反応器中の一定酢酸濃度によって判定されるように
エステル化平衡が達成された。
ールのエステル化供給混合物を、反応器の温度を19〜22
psiaで約 125〜135 ℃に保持しながら連続的に供給し
た。同時に、全操作を通して反応器の平衡を維持しなが
らエステル/水共沸混合物を生成するのに十分な量の水
を蒸留塔に添加し始めた。操作中の平均触媒濃度はH2SO
4 として計算して0.3 重量%であった。触媒は分解減量
を示さないしまたこの操作を数週間連続して行っている
間なんらの組成の追加も要しなかった。
沸混合物を冷却器によって凝縮させて、デカンター容器
中で相分離した。粗n−ブチルアセテートに富んだ上相
流の平均酸性スルフェート含量は25ppb であることが確
認された。デカンター中の水に富んだ下相の平均酸性ス
ルフェート含量は300ppbであった。
富んだ層のいくらかを精製用蒸留器に供給し、精製n−
ブチルアセテート製品を製造し、残りを蒸留塔の頭部に
戻して、約1:1の還流を保持した。
たり約1.6 ポンド〜1.8 ポンドのデカンター中の水相を
蒸留塔の頭部に戻し、またn−ブタノール1ポンド当た
り約0.40ポンド〜0.65ポンドのデカンター中の水層を蒸
留塔の下部点(第4トレイ)に供給した。デカンターか
らの残部の水を反応器に戻されるn−ブチルアセテート
及び未反応のブタノール及び酢酸を回収するための水ス
トリッピング塔に供給した。廃棄するのに適するように
水を精製した。
また蒸留塔に添加する水を用意するのに十分な新たな水
をデカンターに追加した。
ブチルアセテートの平均酸性スルフェート含量は25ppb
であり、そして平均酢酸酸性度は0.006 重量%であっ
た。
関し種々の酸触媒、すなわち、メタンスルホン酸(MSA
)、p−トルエンスルホン酸(p −TSA )、硫酸(H2S
O4 )、ビオ−ソフトS−100 (本実施例においては、
ドデシルベンゼンスルホン酸、すなわちDBSAと言う)及
びp−オクチルベンゼンスルホン酸(OBSA)の115 ℃で
のn−ブタノールとの反応性消費を説明するものであ
る。
ブタノールと反応し(25時間経たないうちに20〜25%の
程度に)、対応するスルホン酸エステル(それぞれブチ
ルp−トルエンスルホネート及びブチルメタンスルホネ
ート)を生成したことを示している。約88時間まで115
℃で連続して加熱しても、更に反応しないことが示され
た。このことは平衡が反応条件下に達成されたことを示
唆するものである。データはH2SO4 とn−ブタノールと
を混合すると、実質的に瞬時(110 ℃で30秒以内)にモ
ノ−n−ブチルスルフェートが生成されたことも示して
いる。これに対し、DBSA触媒は115 ℃で90時間に亘って
加熱した後でさえn−ブタノールとほとんどまたはまっ
たく反応しないことを示した。一方、OBSA触媒に関して
は 115℃で90時間に亘って加熱するとわずかにスルホン
酸エステルへのエステル化が認められた。このようなデ
ータは、本発明の長鎖アルキルベンゼンスルホン酸触媒
がアルコールと触媒それ自体との間の反応のために酸−
アルコールエステル化反応中に生ずることがあり得る不
安定なスルホン酸エステルの生成に対し他のエステル化
触媒よりずっと耐性があることを示している。更に、こ
のような望ましくないスルホン酸エステル副生物はエス
テル化反応中に容易に硫黄酸化物に分解して、これが生
成物エステルを貯蔵する際にカルボン酸を生成する根本
原因であると考えられる。
製エステル化装置で、5種類の異なる触媒を粗生成物エ
ステル中での同等の酸性スルフェートの生成について試
験した。5種類の触媒は次の通りであった。
に行い、同等の蒸留塔及び反応がま操作温度を得た。各
実験に関する使用した供給原料比、供給速度及び6時間
の操作中に観測された温度は次の通りであった。
反応速度を得た。反応がま触媒濃度(H2SO4 の%とし
て)並びにデカンターの生成物エステルに富んだ上層の
種々の粗生成物エステルに関して観察した結果及びデカ
ンターの生成物エステルに富んだ上層及び水に富んだ下
層両方で求めた酸性スルフェート含量は次の通りであっ
た。
ーの生成物エステルに富んだ上層及び水に富んだ下層両
方において求めた酸性スルフェート含量から、触媒
「D」、長鎖アルキルベンゼンスルホン酸触媒、すなわ
ち本発明のビオ−ソフトS−100は硫酸(B)、p−ト
ルエンスルホン酸(C)、1−デカンスルホン酸(E)
及びジエチルスルフェート(A)等の触媒を使用した場
合に達成されるものより前記粗生成物エステル及び分離
した水性層中に含有される酸性スルフェートの量の最少
化に比較的にはるかに優れているのは明らかである。
て連続エステル化操作を行った。本製造実験において
は、プロピオン酸をn−ブタノールでエステル化し、n
−ブチルプロピオネートを製造した。
となるようにn−ブタノールとプロピオン酸との混合物
を充填した。酸をまず添加し、次にn−ブタノールを添
加した。n−ブタノールの添加中に、ビオ−ソフトS−
100 (0.88重量%)を反応器に添加した。
加熱し、そしてn−ブタノール及びプロピオン酸をそれ
ぞれ1.05:1.00のモル比で供給した。反応器に原料を充
填し、反応温度を達成した後、蒸留塔への水の添加を開
始した。
た。分析によって、反応器中で高い平衡エステル含率が
示された。反応媒体中にジ−n−ブチルエーテルが含ま
れていないことによって、触媒選択性が高いことが示さ
れた。
温度及び約97℃の蒸留塔塔頂温度で行った。所望の生成
物エステル−水共沸混合物を得るのに十分な新たな水
(デカンター水ではない)を蒸留塔の塔頂及び塔底に追
加した。
共沸混合物をデカンターで相分離した。
9.5%以上の純度のn−ブチルプロピオネートを得た。
精製n−ブチルプロピオネートの平均酸性スルフェート
含量は26ppb であり、酢酸酸性度は0.010 重量%であっ
た。42℃で41日及び96日間放置した後、前記酸性度はそ
れぞれ0.007 重量%及び0.019 重量%であった。
ノールとの反応によってn−プロピルアセテートを製造
した。実施例2に記載したエステル化装置及び一般手順
を用いた。
ロパノールを添加した(酢酸対n−プロパノールのモル
比:1.3 :1.0 )。アルコールを添加しながら、ビオ−
ソフトS−100 触媒(2.6 重量%)を反応器に導入し
た。反応がまの内容物を蒸留塔での還流を生じる120 ℃
に加熱した。1:1のモル比の酢酸及びn−プロパノー
ルを反応がまに更に導入し、所望の液面を得た。この時
点での反応がまの分析によって、H2SO4 として計算して
0.683 %の酸触媒濃度が示された。
加を開始しながら加熱を続けて行った。ほぼこの時に、
蒸留塔の完全還流を停止し、いくらかの塔頂共沸混合物
をデカンターに流入させた。蒸留塔への水の流れは蒸留
塔の上部及び下部供給点においてそれぞれn−プロパノ
ール供給量1ポンド当たり約0.03ポンド及び0.25ポンド
で安定化させた。
それぞれ24psia及び21psiaの蒸留塔下部及び頭部圧力で
安定運転を達成した。
55%の酸性度で一定であり、更に触媒を必要としなかっ
た。このことは触媒の高度の安定性を証明するものであ
る。
共沸混合物をデカンターで凝縮し、粗n−プロピルアセ
テートに富んだ上相と水性下相とを得た。
らかであるので、そのような改質及び変更は本願の範囲
並びに上記特許請求の範囲の精神及び範囲内にあること
が理解される。
概要図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 (1)実質的に等モル量の式: RCOOH (式中、Rは1ないし4個の炭素原子を有する線状ヒド
ロカルビル基である)のカルボン酸と、式: R'OH (式中、R’は2ないし5個の炭素原子を有するアルキ
ル基である)のアルカノールとを、該カルボン酸、アル
カノール、生成物エステル、エステル化触媒、及び約5
重量%よりも多くない水を含有する実質的に無水の反応
媒体の入った反応容器に連続的に供給し;(2)生成物
エステル及び水を蒸留によって前記反応容器から蒸留塔
へ移し;(3)前記蒸留塔に水を添加して生成物エステ
ル−水共沸混合物の生成を促進し;次いで(4)別個の
容器中において前記生成物エステル−水共沸混合物を相
分離して前記生成物エステルを得る;ことより実質的に
成る、式: RC00R' (式中、R及びR’は上記に定義したとおりである)を
有する生成物エステルの改良製造方法において、その改
良点が式: 【化1】 (式中、R”は8ないし20個の炭素原子を有するアルキ
ル基である)のアルキルベンゼンスルホン酸を前記エス
テル化触媒として使用することにより前記生成物エステ
ル中に含有される酸性硫酸塩の量を最小化することを包
含する前記改良方法。 - 【請求項2】 エステル化触媒が請求項1における式に
よって表わされる個々のアルキルベンゼンスルホン酸の
混合物を包含する請求項1の方法。 - 【請求項3】 アルコールがプロパノール又はブタノー
ルであり、しかもカルボン酸が酢酸、プロピオン酸、ア
クリル酸又はメタクリル酸である請求項1の方法。 - 【請求項4】 アルキルベンゼンスルホン酸の混合物が
式中においてR”が平均約11.5個の炭素原子を有するア
ルキル基を表わすものであり、しかもアルコールがn−
ブタノールであり、カルボン酸が酢酸である請求項2の
方法。 - 【請求項5】 アルキルベンゼンスルホン酸触媒がドデ
シルベンゼンスルホン酸である請求項1の方法。 - 【請求項6】 蒸留塔に添加される水が生成物エステル
−水共沸混合物の相分離から由来するものであり、しか
も前記相分離の生成物エステルの一部を蒸留塔に再循環
させる請求項1の方法。 - 【請求項7】 エステル化触媒が式: 【化2】 (式中、R”は炭素原子8ないし20個を有するアルキル
基である)によって表わされる個々のアルキルベンゼン
スルホン酸の混合物を包含する請求項6の方法。 - 【請求項8】 アルコールが、プロパノール又はブタノ
ールであり、しかもカルボン酸が酢酸、プロピオン酸、
アクリル酸又はメタクリル酸である請求項6の方法 - 【請求項9】 アルキルベンゼンスルホン酸の混合物が
式中においてR”が平均約11.5個の炭素原子を有するア
ルキル基を表わすものであり、しかもアルコールがn−
ブタノールであり、そしてカルボン酸が酢酸である請求
項7の方法。 - 【請求項10】 アルキルベンゼンスルホン酸触媒がド
デシルベンゼンスルホン酸である請求項6の方法。
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