JPH0461728B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は、工作機械に関し、特に、上部工具部
と下部工具部からなる工具セツトを把持するため
の上部プレート及び下部プレートを有する形式の
プレスに関する。尚、その一方のプレートはプレ
ス・ラムとして作用し、プレス・テーブルとして
作用するもう一方のプレートに対して近付いたり
遠ざかつたりできるようになつている。そして、
少なくとも１つのＴ字スロツトが、上下部の把持
用プレートと、上下部の工具部との双方に備えら
れ、少なくとも２つのグリツパーが、上部把持用
プレートまたは上部工具部のいずれか一方と、下
部把持用プレートとのそれぞれに設けられてい
る。また、該グリツパーは、把持用プレートのＴ
字スロツトまたは上部工具部のＴ字スロツトと連
続的に一列に並ぶＴ字スロツトを有し、上部把持
用プレートないし上部工具部のＴ字スロツトは互
いに離れて位置する２つの広口部を有している。

【従来技術】

プレスの非稼働時間の大部分は工具交換時間で
占められる。工具は補助プレートを除いても500
Kg以上になる。工具を手動で交換するためにかか
る交換時間は、液圧式自動工具把持方式や液圧機
械式自動工具把持方式により減少できる。回転グ
リツパーのような手段は、ヒルマ・ゲゼルシヤフ
ト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング社
（ドイツ連邦共和国5912ヒルヘンバツハ）により
販売されており、プレス・テーブルあるいはプレ
ス・ラム上の工具の迅速な把持及び把持解除に使
われている。工具は断面Ｔ字形状にくぼんだスロ
ツト（溝）を有する。このＴ字スロツトには回転
グリツパーのタイロツドが、プレス・ラム・プレ
ートを上部工具部の上に下降させることにより、
導入され、その後、上記ロツドは工具のＴ字スロ
ツトにスナツプ止めされるため90゜回転される。 これらの回転グリツパーの欠点は、もし、タイ
ロツドを有するグリツパーの回転機構に欠陥があ
る場合、把持機構はプレスの後ろからは動かすこ
とができないため、クランプ接続はもはや外すこ
とができなくなることであろう。そのような場
合、プレスから工具を動かす方法は何もないた
め、工具を壊さなければならない。

【発明が解決しようとする問題点】

本発明は上述のごとき問題点に鑑み、これらを
有効に解決すべく創案されたものである。したが
つてその目的は、簡単でコンパクトな手段によ
り、不完全な把持機構に欠陥がある場合であつて
も工具を壊す必要がないようにしたプレスを提供
することである。

【問題点を解決するための手段】 このために、初めに述べた形式の本発明に係る
プレスは、上部把持用プレートのＴ字スロツトま
たは上部工具部のＴ字スロツト内に互いに離れて
嵌め込まれ、かつ構造的にグリツパーとは別体で
ある少なくとも２つのロツク兼クランプを備え、
該各ロツク兼クランプは、上部工具部のＴ字スロ
ツトの広口部に、または上部把持用プレートのＴ
字スロツトの広口部に導入され、その後、このＴ
字スロツト内でスライド移動し、広口部からは外
れてこの広口部と完全には上下に重ならない位置
でロツクされ、かつきつくクランプされるように
なつている。

【実施例】

本発明の好適な実施例を図面に従つて詳細に説
明する。 第１，２図に示すように、工具セツト３は、下
部工具部３ｂと、該下部工具部３ｂの上方所望高
さに配置された上部工具部３ａとで構成されると
ともに、上部把持用プレート１の下方の下部把持
用プレート２上に運ばれるようになつている。他
の実施態様として、工具セツト３は、第３図に示
された一対のサポート１９上に配置することもで
きる。このようにするためには、工具セツト３
は、クレーンあるいはフオークリフト（図示せ
ず）によつてサポート１９上に配置され、次い
で、近接スイツチ１６ａを備えたストツパー１６
に至るまで、各サポート１９及び下部把持用プレ
ート２のどちらにも配置されたローラ列２０上で
押される。一対のサポート１９は、下部把持用プ
レート２に着脱自在に止められる。 上記上部工具部３ａ並びに下部工具部３ｂは、
夫々補助プレート４ａ，４ｂを有する。補助プレ
ート４ａ，４ｂに取り付けられる工具および付属
品は、プレスの外で前以てこれらプレートに固定
しておかれる。プレスのラムとして、例えば精密
打ち抜きプレスのラムとして作用する下部把持用
プレートは、下死点に位置している。つまり、た
とえ工具の高さＨが同じでなくても、シートの高
さは常に一定に保たれる。 第３図は、下部補助プレート４ｂを備えた下部
工具部３ｂを下部把持用プレートに締め付けた状
態を示している。これはクランプバー１８を押す
ことによつて成し遂げられる。クランプバー１８
は、下部把持用プレート２のスロツト５に合わせ
て下部補助プレート４ｂの底に固着され、下部把
持用プレート２に設けられた４つのグリツパー８
によつて下部補助プレート及び下部把持用プレー
トをしつかりと締め付けるようになつている。下
部グリツパー８の締め付け動作は、挿入された工
具セツト３がストツパーまで来たとき、ストツパ
ー１６の近接スイツチ１６ａによつて開始され
る。締め付け力はクランプバー１８により下部補
助プレート４ｂあるいは下部工具部３ｂに伝えら
れる。 把持用プレート１，２並びに、上部工具部３ａ
及び下部工具部３ｂ、あるいは補助プレート４
ａ，４ｂのどちらも２つの平行なＴ字スロツトを
備えている。それぞれの把持用プレート１，２に
配置されている４つのグリツパー８（第１０図に
は、２つだけが代表して示されている。）もまた
Ｔ字スロツト７を有しており、このスロツト７
は、把持用プレート１，２のＴ字スロツト５と連
続して一列となるように形成されている。把持用
プレート１，２と一体構造のグリツパー８は液圧
により、又は機械的に、あるいは流体力学的に制
御される。 第１０図には１つだけが代表して示されている
が、２つのＴ字スロツト５に対応して設けられて
いる２つのロツククランプバー９のそれぞれは、
互いに離れた２つのカム１０を有するとともに上
部把持用プレート１のＴ字スロツト５及び上部グ
リツパー８のＴ字スロツト７に移動自在に嵌め込
まれている。ロツククランプバー９の一端には駆
動装置１１が接続されている。各ロツククランプ
バー９はこの駆動装置１１により、一端位置から
他端位置に移動せしめられる。駆動装置の動力は
液圧、空圧、電気あるいは機械の何れであつても
よい。 プレスのラムとして作用する下部把持用プレー
ト２が工具セツト３とともに上昇するとき、ロツ
ククランプバー９は第３図に示される第１位置に
ある。上部補助プレート４ａが上部把持用プレー
ト１に対して接するようになつたとき、上部把持
用プレート１の近接スイツチ１７（第４図参照）
は接続されて駆動装置１１を動かす信号を発生す
る。ロツククランプバー９がこの第１位置にある
とき、そのカム１０は、上部補助プレート４ａの
Ｔ字スロツト６に部分的に形成された２カ所の広
口部１２を通つて該スロツト６内に入る。この広
口部１２は、第１０図にその形状がよく示される
ように、Ｔ字スロツト６の長手方向に延在する開
口の一部が、カム１０が通過できるように部分的
に幅広にされた部分である。バー９が駆動装置１
１により押し込まれると、カム１０は第２位置に
移動し、上部補助プレート４ａのＴ字スロツトに
嵌合する。この時点より、上部工具部３ａの上部
補助プレート４ａに対する締め付け動作が上部グ
リツパー８により開始される。 第５図および第７図は、上部グリツパー８が締
め付けを開始する前であつて、ロツククランプバ
ー９が押し込み位置でかつ未ロツク位置にある状
態を示している。また、第６図および第８図は、
ロツククランプバー９が上部把持用プレート１に
おいてロツクおよび締め付け位置にある状態を示
している。ロツククランプバー９は、締め付け
中、固定された駆動装置１１に対して、第５図に
丸で囲んだ連結部１３により、わずかながら垂直
移動できる（第９図参照）。ロツククランプバー
９の両端位置を位置決めするためのモニター２１
は第５図の断面図に示されている。このモニター
２１は、ロツククランプバー９の端部位置をコン
トロールするためだけのものである。したがつ
て、たとえば、リードスイツチもしくは、その他
のそのようなよく知られたエンドスイツチが用い
られる。 プレスの構造の形式によれば、上記と異なり、
上部把持用プレート１がラムとして作用できる場
合がある。その場合もまた、ロツククランプバー
９は上部把持用プレート１のスロツト５に固着さ
れる。比較的小さいプレスではまた、把持用プレ
ス１および２の夫々に１つのスロツト５のみを有
することが可能であり、また、２つの代わりに１
つのロツククランプバー９のみを有することが可
能である。 第１１図に一実施例を概略的に示す。この実施
例においては、上部グリツパー８はプレスの上部
把持用プレート１に固着され、２つのカム１０を
有するロツククランプバー９並びにこれと協働す
る駆動装置１１は上部工具部３ａのＴ字スロツト
６に移動自在に嵌め込まれている。カム１０が入
る広口部のみならずＴ字スロツト５は、この場
合、上部把持用プレート１に備えられている。 第１２図及び第１３図は、さらに別の実施例を
それぞれ概略的に示している。これらの実施例で
は、いずれも上部工具部３ａにグリツパー８が固
着されている。第１２図の実施例では、第１１図
の実施例と同様に、２つのカム１０を有するロツ
ククランプバー９並びにこれと協働する駆動装置
１１が、上部工具部３ａのＴ字スロツトに移動自
在に嵌め込まれている。そして、カム１０が入る
広口部１２のみならずＴ字スロツト５は、上部把
持用プレート１に備えられている。また、第１３
図の実施例では、２つのカム１０を有するロツク
クランプバー９並びにこれと協働する駆動装置１
１が、上部把持用プレート１のＴ字スロツトに移
動自在に嵌め込まれている。そして、カム１０が
入る広口部１２のみならずＴ字スロツト６は、上
部工具部３ａに備えられている。 第１４図乃至第１７図に変形例を概略的に示
す。ロツク兼クランプ手段１０は上部把持用プレ
ート１のＴ字スロツトまたは上部工具部３ａのＴ
字スロツト６のどちらかに固着されている。ここ
で、工具セツト３は水平に移動せしめられ、その
結果広口部１２に挿入される手段１０はスロツト
５または６に押し込まれることができ、その後工
具セツト３の上部工具部３ａは上部把持用プレー
ト１にクランプされる。 プレスの摺動・締め付け機構に故障が発生すれ
ば、どんな状況でも工具は取り外すことができ
る。なぜなら、ロツク兼クランプ手段、すなわち
駆動装置を有するスライドバーは、容易に動かす
ことができるからである。それ故、これまでのよ
うに工具の破壊は避けられる。これと同時に、望
ましい高さの工具をプレスの予備調整なしで把持
できる。先行技術のシステムと比較して、工具交
換は短時間にできる。制御およびモニターは最少
となる。なお、上述した各実施例では、各図に示
すようにカム１０の形状が広口部１２の形状と一
致するように、夫々がその平面形状において矩形
をなしているが、カムの平面形状は、広口部を通
過できて且つＴ字スロツトに嵌まり込むように両
横へ突出する鍔状部分を有していれば良く、例え
ば広口部が矩形であつたとしても、カムは円形に
したり或いは楕円形とすることも可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第２図はプレスにおける工具セツト
の交換及び把持の一連の工程を示す概略正面図、
第３図はプレスの下部把持用プレート上に固着さ
れた補助プレートを備えた工具セツトの一部分解
破断正面図であつて上部把持用プレートのＴ字ス
ロツトにロツククランプバーが嵌めこまれている
状態を示す図、第４図は第３図の一部断面側面
図、第５図は締め付けクランプバーが押し込まれ
た位置ではあるがロツク位置ではない位置にある
状態を示しているプレスの上部把持用プレートの
縦断面図、第６図はロツククランプバーがロツク
位置及びクランプ位置にあることを示しているプ
レスの上部把持用プレートの縦断面図、第７図は
第５図の線−における断面図、第８図は第６
図の線XI−XIにおける断面図、第９図は第５図中
丸で囲んだ連結部の分解斜視図、第１０図は締め
付けクランプバー、２つの上部グリツパー及び２
つのＴ字スロツトを備えた上部補助プレートの分
解斜視図、第１１図乃至第１３図は他の実施例の
部分概略図、第１４図乃至第１７図は水平に摺動
する工具セツトを備えた変形例の概略図である。 １，２……把持用プレート、３……工具セツ
ト、３ａ……上部工具部、３ｂ……下部工具部、
４ａ……上部補助プレート、４ｂ……下部補助プ
レート、５，６……Ｔ字スロツト、８……グリツ
パー、９……スライドバー、１０……ロツク兼ク
ランプ用手段、１１……駆動装置、１２……凹
部、１３……連結部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上部工具部３ａと下部工具部３ｂとからなる
   工具セツト３を把持するための上部プレート１と
   下部プレート２を有し、その一方のプレートは、
   プレス・ラムとして作用するとともに、プレス・
   テーブルとして作用する他方のプレートに対して
   接離移動可能であり、上記把持用の上下部プレー
   ト１，２と上記上下部の工具部３ａ，３ｂとの双
   方に少なくとも１つのＴ字スロツト５，６を備
   え、また、上記上部把持用プレート１または上記
   上部工具部３ａのいずれか一方と上記下部把持用
   プレート２とに設けられた少なくとも２つのグリ
   ツパー８を有し、夫々の該グリツパーは、上記把
   持用の上下部プレート１，２のＴ字スロツト５と
   連続的に一列に並んだＴ字スロツト７または上記
   上部工具部３ａのＴ字スロツト６と連続的に一列
   に並んだＴ字スロツト７を有し、さらに、上記上
   部把持用プレート１のＴ字スロツト５または上記
   上部工具部３ａのＴ字スロツト６は互いに離れて
   位置する２つの広口部１２を有してなるプレスに
   おいて、 上記上部把持用プレート１のＴ字スロツト５内
   または上記上部工具部３ａのＴ字スロツト６内に
   互いに離れて嵌め込まれ、かつ、構造的にグリツ
   パー８とは別体である少なくとも２つのロツク兼
   クランプ手段１０を備え、該ロツク兼クランプ手
   段は、上記上下部の工具部３ａ，３ｂのＴ字スロ
   ツト６の広口部１２に、または上記上下部の把持
   用プレート１，２のＴ字スロツト５の広口部１２
   に導入され、次いで該Ｔ字スロツト６，５内でか
   つ該広口部１２から外れて該広口部と完全には重
   なることのない位置でロツクされかつきつくクラ
   ンプされるようにしたことを特徴とする工具セツ
   トのための把持用プレートを備えたプレス。 ２ 上記ロツク兼クランプ手段１０は、駆動装置
   １１により上記上部把持用プレート１のＴ字スロ
   ツト５内または上記上部工具部３ａのＴ字スロツ
   ト６内において、一端位置から他端位置に移動可
   能なスライドバー９に形成された２つのカムであ
   つて、該各カムは、該Ｔ字スロツト５，６から突
   出するとともに、一端位置において、上記上部工
   具部３ａが上記上部把持用プレート１に接触した
   とき、上記上部工具部３ａのＴ字スロツト６の上
   記広口部１２または上記上部把持用プレート１の
   Ｔ字スロツト５の上記広口部１２に入り、他端位
   置において、該Ｔ字スロツト６，５の広口部１２
   より外れて該広口部と完全には重なることのない
   位置に嵌り込むようにしたことを特徴とする特許
   請求の範囲第１項に記載のプレス。 ３ 上記ロツク兼クランプ手段１０は、上記上部
   把持用プレート１のＴ字スロツト５内または上記
   上部工具部３ａのＴ字スロツト６内に移動不可に
   固着され、上記工具セツト３は、上記下部把持用
   プレート２上を一端位置から他端位置に向かつて
   水平に移動自在であり、また、一端位置におい
   て、上記上部工具部３ａが上記上部把持用プレー
   ト１に接触したとき、２つの該ロツク兼クランプ
   手段１０が、該上部工具部３ａのＴ字スロツト６
   の上記広口部１２または該上部把持用プレート１
   のＴ字スロツト５の上記広口部１２に入り込み、
   他端位置において、上記ロツク兼クランプ手段１
   ０が、該広口部１２から外れて該広口部と完全に
   は重なることのない位置で該Ｔ字スロツト５，６
   に嵌り込むようにしたことを特徴とする特許請求
   の範囲第１項に記載のプレス。 ４ 少なくとも１つの上記Ｔ字スロツト６を有す
   る１つの補助プレート４ａ，４ｂが、上記上部工
   具部３ａおよび上記下部工具部３ｂの夫々に配置
   され、上記スライドバー９は、上記上部把持用プ
   レート１のＴ字スロツト５内または上部の上記補
   助プレート４ａのＴ字スロツト６内に嵌め込まれ
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第２項に
   記載のプレス。 ５ 上記ロツク兼クランプ手段１０の夫々の形状
   は、上記上部工具部３ａまたは上記上部補助プレ
   ート４ａのＴ字スロツト６、または上記上部把持
   用プレート１のＴ字スロツト５の形状に一致して
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項又は
   第４項に記載のプレス。 ６ 上記上部工具部３ａが上記上部把持用プレー
   ト１に対してクランプされている間、上記スライ
   ドバー９を上記駆動装置１１に対して相対的に垂
   直移動させるための連結部１３が該スライドバー
   ９に設けられていることを特徴とする特許請求の
   範囲第２項に記載のプレス。