JPH04364850A - 複室容器 - Google Patents

複室容器

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JPH04364850A
JPH04364850A JP3274848A JP27484891A JPH04364850A JP H04364850 A JPH04364850 A JP H04364850A JP 3274848 A JP3274848 A JP 3274848A JP 27484891 A JP27484891 A JP 27484891A JP H04364850 A JPH04364850 A JP H04364850A
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冨士夫 井上
Yasuo Furuta
恭雄 古田
Shigeaki Kashiyama
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液剤、粉末剤もしくは固
形剤を別個に封入する可撓性複室容器の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より医療現場で使用されている連通
可能な仕切り手段を有する可撓性複室容器は、通常合成
樹脂でつくられているので、極く微量ながら水分やガス
を透過する傾向がある。従って、例えば吸湿性を有する
経時的に不安定な薬剤(例えば抗生物質)等と、溶解液
や希釈液等の液剤とを収容した複室容器を保存するには
、乾燥剤と一緒に水分、ガスバリアーフィルムの外装袋
に入れて保存することが必要であるが、乾燥剤が液剤の
水分を吸収するため、吸湿性を有する薬剤の乾燥が充分
行えず、また液剤の濃縮化が起こるという不都合を生ず
るため、従来行なわれなかった。また、易酸化性を有す
る薬剤、例えばトリプトファンを含むアミノ酸液と糖・
電解質液とを収容した複室容器(特公昭63ー2055
0号)の場合は、経時変化を防止するため、脱酸素剤と
共に高価な水分及びガスバリアー性の外装袋に入れて保
存しなければならない。そして、この場合空間容積が大
きいので、酸素吸収能力の大きい脱酸素剤を使用するか
、又は多量の脱酸素剤を使用しなければならないと共に
、水分及びガスバリアー性の外装袋を多量に必要とする
ためコストが高くなるという欠点があった。そこで、複
室容器の各室のうち、吸湿性や易酸化性を有する薬剤等
を収容する室の周りを水分不透過性やガス不透過性を有
する外壁で覆うようにした複室容器が提案されている。 例えば本願出願人が出願した特願平2ー303709号
の複室容器がこれである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
複室容器は、連通可能な仕切り手段を構成する弱シール
部の上に、さらに外壁の端部を溶着して構成されること
になる。そうすると、弱シール部自体は本来イージーピ
ールオープン性を有するのであるが、さらにその上に重
ねて溶着を行なうため溶着強度が増す上に、溶着強度に
ばらつきを生じ、弱シール部の剥離に要する力があると
きには大きく、あるときにはそれ程でもない等、イージ
ーピールオープン性が損なわれる傾向がある。従って、
材質の選定や接着温度、接着時間、接着圧力等の接着条
件の選択の自由度が狭くなり、接着がやりにくく、また
使用時の取扱いが容易であったり、容易でなかったりし
て、使用しにくいという問題点がある。また、特願平2
ー303709号中に記載された好ましい製造例で複室
容器を製造する場合、バリアーフィルムの外壁を周縁部
や弱シール部に溶着する際、隣室に収容された薬剤に熱
が及ぶことがおおいに考えられる。吸湿性や易酸化性を
有する薬剤には、易熱変性のものが多く存在することを
考慮すると、バリアーフィルム溶着時の熱により薬剤が
熱変性するという問題点が生じる。このような熱変性の
問題を解決するには、薬剤を封入した容器の周縁シール
の幅を広くし、バリアーフィルムの溶着時周縁部の溶着
の幅を狭くすることで、薬剤とバリアーフィルム溶着部
の間に距離を持たすことにより防止できる。しかし、周
縁部と同様に弱シール部の幅を広く取ることは、弱シー
ル部のイージーピールオープン性に支障を生じるという
問題点がある。本発明はこのような事情を背景としてな
されたものであり、本発明の目的は特願平2ー3037
09号に記載の主たる目的すなわち複室容器で薬剤等の
保存する際使用する乾燥剤や脱酸素剤を乾燥や脱酸素の
必要がある薬剤等にのみ有効に作用させ得ることに加え
、連通可能な弱シール部のイージーピールオープン性を
損なうことがなく、かつ必要とする室を覆い得る外壁の
溶着を可能とし、さらに溶着時に室内に封入された薬剤
等の熱変性を防止できるようにした複室容器を提供しよ
うとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るためになされた本発明は下記のように構成される。 A  液剤、粉末剤もしくは固形剤を収容するための複
数の室が連通可能な仕切り手段で仕切られてなる可撓性
を有する複室容器であって、前記複数の室中の一部の室
全体を覆う水分非透過性および/またはガス非透過性の
外壁と、外壁に覆われた前記室を構成する水分透過性お
よび/またはガス透過性の内壁とを備え、かつ内壁と外
壁との空間部には乾燥剤および/または脱酸素剤を封入
した複室容器において、前記外壁に覆われない室とこの
室に隣接しかつ外壁に覆われた室との仕切り手段は、室
に外圧を加えることにより容易に剥離し得る弱シール部
が間隔を隔てて少なくとも2条配置されて構成され、さ
らに弱シール部同士間の中間部に外壁の端が溶着された
ことを特徴とする複室容器。 B  A記載の複室容器において、弱シール部は複室容
器を形成する可撓性シートの内面同士を直接溶着させる
直接溶着方式または可撓性シートの内面間に多層のフィ
ルムを挿入しこれを挟んだ状態で溶着するようにした多
層インサートフィルム挟持溶着方式のいずれかにより構
成された複室容器。 C  AまたはB記載の複室容器において、前記外壁で
覆われた室内には粉末剤を収容し、外壁で覆われない室
内には液剤を収容するようにした複室容器。 D  AまたはB記載の複室容器において、前記外壁で
覆われた室には液剤を収容し、外壁で覆われない室には
粉末剤を収容するようにした複室容器。 E  AまたはB記載の複室容器において、前記外壁で
覆われた室には液剤を収容し、外壁で覆われない室には
他の液剤を収容するようにした複室容器。
【0005】
【作用】上記のように構成された本発明によれば、隣接
する室を仕切るための仕切り手段としての弱シール部が
、間隔を隔てて少なくとも2条設けられ、かつ弱シール
部間の中間部で外壁を溶着するようにされているので、
弱シール部の上に、さらに重ねて溶着することを避ける
ように働く。また、外壁と内壁との空間部に封入された
乾燥剤や脱酸素剤は、水分透過性やガス透過性を有する
内壁を通して、内壁内に収容された薬剤等の水分や酸素
を吸収するように働く。
【0006】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図1、図2において、2は液剤4を収容する
室、6は粉末剤8等を収容する側の室である。室2には
液剤4が封入されると共に口部10が取り付けられ、一
方室6は外壁12と内壁14の2重壁で構成され、内壁
14の内側の空間部13には粉末剤8が封入され、外壁
12と内壁14との空間部15には、乾燥剤16と脱酸
素剤18とが封入されている。内壁14は図3に示すよ
うにポリエチレン(以下PEと略記する)からなる外層
20と、PEとポリプロピレン(以下PPと略記する)
との混合樹脂からなる内層22との多層フィルムからな
り、2枚の多層フィルムが周縁で溶着されて空間部13
が形成される。
【0007】一方室2は、内壁14をなす2枚の前記多
層フィルムが下方に伸び、溶着されて構成される。すな
わち、前記多層フィルムを2枚重ね合わせ、その周縁部
を溶着すると共に、その中間部において横方向に、周縁
部より強度が小さくなる状態に溶着し、かつその溶着部
は図2、図4に示すように間隔を隔てた2本の筋条をな
すようにして、仕切り手段としての弱シール部24、2
5を形成し、弱シール部24、25を境にして空間部1
3、室2が形成される。
【0008】外壁12は図5に示すように、内層26が
PEで、外層28が水分非透過性、ガス非透過性のバリ
アーフィルムからなる多層フィルムであり、バリアーフ
ィルムとして例えばポリエチレンテレフタレート(以下
PETと略記する)とポリ塩化ビニリデンとPEの3重
層または、PETとポリビニルアルコールのシリカ蒸着
フィルムとPEの3重層およびアルミ加工フィルム等が
使用されている。そして外壁は、内壁14を覆う状態に
2枚の上記多層フィルムが配置され、その左右と上部が
上記周縁の溶着部上に、空間部13に封入された薬剤に
溶着熱が及ばないように溶着されると共に、下部が弱シ
ール部24、25の中間部に溶着され、シールされた構
造をなしている。従って、溶着時に弱シール部24、2
5上に重ねて溶着することが回避できると共に収容され
た薬剤の熱変性が防止できる。シールをする際内壁14
と外壁12との空間部15に乾燥剤16と脱酸素剤18
が封入される。乾燥剤としては、例えばシリカゲル、ゼ
オライト等を成分とする市販のものが使用可能であり、
また、脱酸素剤としても市販のもの、例えば三菱瓦斯化
学社製「エージレス」(登録商標)やアモルファス銅を
用いた脱酸素剤等が使用できる。
【0009】なお、各部の溶着に当たって溶着温度は、
内壁14の周縁部と室2の周縁部とが最も高く、弱シー
ル部24、25はこれより低くする。一方、内壁14と
外壁12との溶着部の溶着温度は、弱シール部24、2
5の中間部の内層フィルム22同士が溶着しない程度、
すなわち弱シール部24、25の溶着温度より若干高い
温度を限界とするよう設定される。その結果溶着強度は
、内壁14、室2、外壁12の各周縁部と、内壁14、
外壁12間の接着部とがほぼ等しく、弱シール部24、
25はこれらより弱くなる。
【0010】複室容器の好ましい製造例を図6に示す。 すなわち、(イ)内層がPEとPPとの混合樹脂で、外
層がPEからなる2層フィルムに、口部用の孔を開ける
。(ロ)ついで、PE側の孔の部分に口部10を溶着し
た後、(ハ)口部10を中心としフィルムを折り曲げ2
枚重ね合わせの状態にする。(ニ)次に重ね合わせたフ
ィルムの周縁を、薬液および粉末剤の封入用充填口29
、30をそれぞれ残して、溶着温度約170〜200℃
でシールする。(ホ)ついで、中間部を仕切るための2
条の弱シール部24、25を溶着温度約110〜130
℃で形成する。ここで、弱シール部25は幅10mm、
弱シール部24は幅5mm程度であるのが好ましい。(
ヘ)次に、液剤4を封入し、薬液用充填口29および粉
末剤用充填口30の双方をシールした後高圧蒸気滅菌を
行なう。(ト)滅菌終了後、容器外部を乾燥させると共
に、粉末剤充填口30のシールを無菌条件下でカットし
、空室31内を無菌、無塵のエアーにより乾燥・洗浄を
行なう。(チ)その後、粉末剤を空室31へ無菌条件下
で封入し、充填口をシールする。(リ)ついで、室31
の外側に、バリアー性の多層フィルム32、33を溶着
して取り付ける。ここで、32、33のうち、一方は透
明であり、もう一方は不透明なバリアーフィルムである
ことが好ましい。なお、室31の周縁部への溶着の際、
充填された薬剤に熱が及ばないように、予め室31の周
縁シールの幅を広めにしておき、バリアーフィルムの溶
着部と室31の間にある程度の距離、好ましくは約5m
m程度の間隔を保って溶着できるようにする。また、弱
シール部24、25に沿って溶着する部分は、弱シール
部24、25の中間の位置で、この弱シール部に重なら
ないように溶着される。溶着温度はガスバリアーフィル
ムとして透明なフィルムを用いる場合は約150〜17
0℃で溶着され、不透明なアルミ加工フィルムを用いる
場合は約130〜150℃で溶着される。(ヌ)その後
、乾燥剤16と脱酸素剤18を内壁と外壁の間の空間部
に入れ側部をシールする。この際、空間部の酸素を除去
するため、N2置換するのが好ましい。弱シール部24
、25の形成は、加熱された弱シール部形成用金型をシ
リンダ装置により押し当てて行なうが、この弱シール部
形成用金型は所定間隔を隔てた2本の突条が電源ヒータ
により温度調節可能に、かつシリンダ装置により上下動
可能とされたものである。なお、上記製造例において、
各溶着温度は、フィルムの材質および溶着強度の設定等
により、それぞれ最適な温度範囲が選択されるものであ
り、上記溶着温度範囲に、何ら限定されるものではない
。一方、外壁で覆われた室内に薬液を封入し、他の室内
に液剤または粉末剤を封入する場合の製造方法(図示せ
ず)としては、例えば、上記製造例と同様な行程で口部
を取り付けた後、各室へそれぞれの薬剤を充填し、側部
(充填口)をシールし加熱殺菌を行なう。加熱殺菌後外
壁を溶着し、脱酸素剤を内壁と外壁との空間部に入れた
後、側部をシールすることにより行なわれる。
【0011】以上のように構成された実施例においては
、外壁12は水分非透過性、ガス非透過性のバリアーフ
ィルムで構成されると共に、内壁14は外層がPE、内
層がPEとPPとの混合樹脂からなる水分透過性、ガス
透過性の多層フィルムから構成されているので乾燥剤、
脱酸素剤はそれぞれ粉末剤の乾燥や易酸化性を有する薬
剤の酸化防止を効率よく行なうことができる。また、内
壁14、外壁12は透明であり、内部の状態を目視でき
る。そして、室2に指等で一定の圧力を加えることによ
り弱シール部24、25が剥離し、室2と空間部13が
連通され、液剤と粉末剤が無菌状態で混合されて溶解す
る。なお、上記実施例の粉末剤として例えば、抗生剤、
抗癌剤、ステロイド剤、血栓溶解剤またはビタミン剤等
の易酸化性、易熱変性の物質が挙げられ、液剤としてこ
れらの溶解液または希釈液、例えば生理食塩液やブドウ
糖液および注射用蒸留水などが挙げられる。
【0012】内壁としては、上記実施例に記載された多
層フィルム以外にも、PE、PPおよびこれらの混合樹
脂から選ばれる一種以上の組合せによる単層もしくは多
層フィルムを使用することも可能であり、好ましくは、
内壁の内層を直鎖状低密度ポリエチレン(以下LLDP
Eと略記する)とPPとの混合樹脂とし、外層をLLD
PEとした2層フィルムを用いることができる。外壁に
はポリ塩化ビニリデン、PET、アルミ加工フィルム、
エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、シリ
カ蒸着フィルムの単層もしくは 多層のシートを使用す
ることも可能である。なお、内壁と外壁の接着を良好に
するために少なくとも外壁を多層フィルムとし、外壁の
最内層の材質と内壁もしくは内壁の最外層の材質とを同
一にすることが望ましい。例えば、内壁の最外層がLL
DPEの場合、外壁の最内層にはLLDPEを用いるこ
とが望ましい。また、外壁の一部または全部にアルミ加
工フィルムを使用した場合には、内部を遮光することが
可能であり、薬剤の変質防止等に優れた効果をしめす。 好ましくは、乾燥剤や脱酸素剤を封入した側のバリアー
フィルムを不透明なアルミ加工フィルムとし、他方を透
明なバリアーフィルムとするのがよい。なお、外壁に使
用されるアルミ加工フィルムは、必要に応じその一部ま
たは全部が剥離可能であってもよい。また、乾燥剤や脱
酸素剤を外から見えなくするため、及び粉末剤の溶解状
態を確認しやすくするため、内壁と乾燥剤・脱酸素剤の
間に不透明のシート34を挿入してもよい。図7にその
例を示す。ここで、外壁33は不透明、32は透明なバ
リアーフィルムをそれぞれ使用している。なお、シート
34は、収納される粉末剤の色に対応して、その溶解状
態を確認しやすい色で酸素及び水分の吸着に支障を来さ
ないように細孔を明けたシートを選ぶのが好ましい。シ
ート34挿入の反対側は内壁、外壁共に透明であるため
、内部の粉末剤35は目視可能である。さらに、透明バ
リアーフィルム側の空間部の脱酸素、乾燥を良好に行う
ため、図7に示すように、内壁同士の溶着部に孔37を
明けてもよい。
【0013】前記実施例では外壁で覆われた室内に粉末
剤を封入し、外壁で覆われない室内に液体を封入したが
、目的に応じて粉末剤を液剤に、液剤を粉末剤に変えて
封入することも可能である。外壁で覆われた室内に液剤
を封入し、他の室内に粉末剤を封入する例としては、例
えば液剤としてシステインまたはトリプトファンをそれ
ぞれ添加したアミノ酸液等の易酸化性の物質が挙げられ
、粉末剤として糖もしくは電解質、またはこれらの混合
物等が挙げられる。なお、空間部15には脱酸素剤のみ
を封入する。外壁で覆われた室内に液剤を封入し、他の
室内に他の液剤を封入する例としては、例えば前者の液
剤としてシステインまたはトリプトファンをそれぞれ添
加したアミノ酸液剤あるいはビタミン剤の易酸化性また
は易熱変性の物質が挙げられ、後者の液剤としては糖・
電解質液が挙げられる。また他の例としては、前者の液
剤として脂肪乳剤等の易酸化性の物質が、後者の液剤と
しては糖・電解質液等が挙げられる。さらに、いずれか
一方の室内に固形剤を、他の室内に液剤を封入すること
も可能である。さらにまた、上記粉末剤、液剤、固形剤
の例として、経静脈または経腸(経管、経口)投与する
他の種々の栄養剤や治療剤等が挙げられる。また内壁と
外壁との空間部に封入した乾燥剤と脱酸素剤は必要に応
じていずれか一方のみ使用することも可能である。さら
にまた、前記実施例は液剤と1種の粉末剤とを封入する
2室容器の例であるが、2室以上でも適用可能である。 図8にその一例を示す。外壁36内には2種の粉末剤(
または粉末剤と固形剤)を封入する空間部38、40を
有する内壁が配置されている。42は液剤である。 粉末剤に限らず液剤および/または固形剤を封入する室
を複数個設けることも可能である。
【0014】また、前記実施例では、弱シール部の形成
は内壁を構成する2枚のシートの内面同士を直接溶着す
る、いわゆる直接溶着方式で行なっているが、これに代
えてこのシート間に多層インサートフィルムを挟んだ状
態で溶着し、弱シール部を形成させる、いわゆる多層イ
ンサートフィルム挟持溶着方式で行なってもよい。図9
は2層インサートフィルムを使用した例を示す。この場
合48は単層フィルムまたは多層フィルムからなる内壁
であり、50は内壁または内壁の最内層のシートに対し
て熱接着力の強いシート、52は反対側の内壁または内
壁の最内層のシートに対して熱接着力の弱いシートであ
り、弱シール部54、56が形成されている。例えば、
内壁48がPEまたはPPの単層フィルムである場合に
は、50はこれと同じPEまたはPPのシートであり、
52はPEとPPとの混合樹脂である。インサートフィ
ルムは各弱シール部に合わせて二分してもよい。また、
外壁12の溶着は多層インサートフィルムと一緒に溶着
してもよいが、内壁の内側で弱シール性を保持すること
が条件とされる。以上本発明のいくつかの実施例につい
て説明したが、本発明はこのような実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得ることはもちろんである。
【0015】〔比較試験〕通常の複室容器(輸液バッグ
)の弱シール部上にバリアーフィルムを溶着した場合■
と、2条の弱シール部間にバリアーフィルムを溶着した
場合■との弱シール部の開封力を測定し比較した。バリ
アーフィルムの溶着は、輸液バッグの表側に透明なバリ
アーフィルムを金型温度160℃で5秒間溶着し、裏側
にアルミバリアーフィルムを金型温度160℃で2秒間
溶着した。弱シール部の開封力測定は下記のようにして
行った。東洋精機製作所製の引張り圧縮試験機ストログ
ラフMZに直径100mmの圧縮治具60を取り付け図
10のように輸液バッグの溶液部62を50mm/mi
nの速度で押し、弱シール部が開封したときの治具に加
わる圧力を測定した。輸液バッグは、内層がLLDPE
とPPとの比が2対1の混合樹脂、外層がLLDPEの
2層フィルムからなり、溶液部には100mlの液体を
封入し、弱シール部の初期の開封力を30kgに設定し
た。試験結果を表1に示す。また、試験結果につき、A
spinーWelchのt検定を行った結果、有意水準
1%で有意差ありとなった。これらのことより、■の場
合は、■の場合に比し、開封力が小さく、かつばらつき
が少ない安定したイージーピールオープン性が確保でき
ることがわかった。
【表1】
【0016】
【発明の効果】本発明は上述の通り構成されているので
、次に記載する効果を奏する。複室容器の隣合う室の間
を仕切る弱シール部は、間隔を隔てて少なくとも2条設
けられ、かつ複室の一部の室を覆う外壁は弱シール部同
士間の中間部で溶着されるので、弱シール部に重ねて溶
着することを回避でき、弱シール部のイージーピールオ
ープン性を確実に保持できる。上述のように外壁は弱シ
ール部同士間の中間部で熱溶着されるので、隣接する室
とは弱シール部で隔てられていることから、溶着時にそ
の室内に封入された物質が熱変性することを防止できる
。誤って外力が加えられ、一つの弱シール部が剥離して
も、残余の弱シール部により両側の室間の連通が防止で
きる。弱シール部同士間の中間部に外壁を熱溶着するの
で、その熱溶着の部分が弱シール部に掛からないように
でき、熱溶着の条件設定の自由度が増し、作業を容易に
行なうことができる。また、吸湿性や易酸化性を有する
薬剤等を内壁内の室に収容し、かつ外壁と内壁との空間
部に乾燥剤や脱酸素剤を封入すると共に、内壁は水分透
過性やガス透過性を有するようにされているので、乾燥
剤や脱酸素剤を乾燥や脱酸素の必要ある薬剤等にのみ有
効に作用させることができる。さらに、ガラスや金属等
を使用していないので、廃棄処理が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】同実施例の平面図である。
【図3】図1のA部拡大断面図である。
【図4】図1のB部拡大断面図である。
【図5】図1のC部拡大断面図である。
【図6】同実施例の製造行程を示す説明図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す説明図である。
【図8】本発明の別の実施例を示す説明図である。
【図9】本発明の別の実施例を示す部分拡大図である。
【図10】試験方法の説明図である。
【符号の説明】
12  外壁 13  空間部 14  内壁 15  空間部 16  乾燥剤 18  脱酸素剤 24  弱シール部 25  弱シール部 48  内壁 54  弱シール部 56  弱シール部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  液剤、粉末剤もしくは固形剤を収容す
    るための複数の室が連通可能な仕切り手段で仕切られて
    なる可撓性を有する複室容器であって、前記複数の室中
    の一部の室全体を覆う水分非透過性および/またはガス
    非透過性の外壁と、外壁に覆われた前記室を構成する水
    分透過性および/またはガス透過性の内壁とを備え、か
    つ内壁と外壁との空間部には乾燥剤および/または脱酸
    素剤を封入した複室容器において、前記外壁に覆われな
    い室とこの室に隣接しかつ外壁に覆われた室との仕切り
    手段は、室に外圧を加えることにより容易に剥離し得る
    弱シール部が間隔を隔てて少なくとも2条配置されて構
    成され、さらに弱シール部同士間の中間部に外壁の端部
    が溶着されたことを特徴とする複室容器。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の複室容器において、弱
    シール部は複室容器を形成する可撓性シートの内面同士
    を直接溶着させる直接溶着方式または可撓性シートの内
    面間に多層のフィルムを挿入しこれを挟んだ状態で溶着
    するようにした多層インサートフィルム挟持溶着方式の
    いずれかにより構成された複室容器。
  3. 【請求項3】  請求項1または請求項2記載の複室容
    器において、前記外壁で覆われた室内には粉末剤を収容
    し、外壁で覆われない室内には液剤を収容するようにし
    た複室容器。
  4. 【請求項4】  請求項1または請求項2記載の複室容
    器において、前記外壁で覆われた室には液剤を収容し、
    外壁で覆われない室には粉末剤を収容するようにした複
    室容器。
  5. 【請求項5】  請求項1または請求項2記載の複室容
    器において、前記外壁で覆われた室には液剤を収容し、
    外壁で覆われない室には他の液剤を収容するようにした
    複室容器。
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