JP2004016539A - 複室容器 - Google Patents
複室容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004016539A JP2004016539A JP2002176746A JP2002176746A JP2004016539A JP 2004016539 A JP2004016539 A JP 2004016539A JP 2002176746 A JP2002176746 A JP 2002176746A JP 2002176746 A JP2002176746 A JP 2002176746A JP 2004016539 A JP2004016539 A JP 2004016539A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chamber
- separate
- side wall
- storage chamber
- storage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Bag Frames (AREA)
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
- Package Specialized In Special Use (AREA)
Abstract
【課題】極めて簡単な構成で、しかも、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することができる複室容器を提供する。
【解決手段】複数の収容室3,5を有する複室容器において、第一の収容室3と隣接して第二の仕切部8で仕切られた別室20を形成し、別室20内に乾燥剤及び(又は)脱酸素剤Xを封入し、第一の収容室3の片側の壁を構成している部分と別室20の片側を構成している部分とを含むシート材部分1a’を水分透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成し、第一の収容室3の他側の壁を構成している部分と別室20の他側を構成している部分とを含むシート材部分1b’を水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成し、別室20の片側の壁を外側に位置させた状態で別室20を第一の収容室3に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた別室20と第一の収容室3との周縁部を互いに剥離可能に接合させた。
【選択図】 図3
【解決手段】複数の収容室3,5を有する複室容器において、第一の収容室3と隣接して第二の仕切部8で仕切られた別室20を形成し、別室20内に乾燥剤及び(又は)脱酸素剤Xを封入し、第一の収容室3の片側の壁を構成している部分と別室20の片側を構成している部分とを含むシート材部分1a’を水分透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成し、第一の収容室3の他側の壁を構成している部分と別室20の他側を構成している部分とを含むシート材部分1b’を水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成し、別室20の片側の壁を外側に位置させた状態で別室20を第一の収容室3に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた別室20と第一の収容室3との周縁部を互いに剥離可能に接合させた。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、薬液,粉末剤或いは固形剤の如き薬剤を収容し保存する可撓性複室容器の改良に関するもので、詳しくは、容器内に収容した吸湿性薬剤の吸湿,易酸化性薬剤の酸化を防止して安定した状態で該薬剤を収容保存するのに有用な可撓性複室容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の複室容器としては、乾燥剤,脱酸素剤を備えることにより、容器内に収容した薬剤の吸湿或いは酸化を防止するようにしたものが提案されている。具体的には、(1)薬剤を収容し水分非透過性および/またはガス非透過性のフィルムで構成された室内に、内部に乾燥剤および/または脱酸素剤を収容し水分透過性および/またはガス透過性のフィルムで構成された小袋を配置したもの(特開平10−236538、特開平10−236541)や(2)吸湿性および/または易酸化性を有する薬剤を収容した室全体を密封状態に覆う水分非透過性および/またはガス非透過性の外壁と外壁に覆われた前記室を構成する水分透過性および/またはガス透過性の内壁との間の空間部内に乾燥剤および/または脱酸素剤を収容したもの(特許第3060133号)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上記(1)の複室容器は、容器本体と別個に形成されて乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室内に配置するというものであるため、その分、部品点数が多くなり且つ製造に手間が掛かるため、製造コストが高くなるという欠点がある。また、室内に薬剤を収容した後に小袋を同室内に配置するというものであるため、小袋を室内に配置する作業中に雑菌等が室内に侵入してしまう可能性がある。
また、上記(2)の複室容器は、薬剤を収容した室を構成している内壁全体を外壁で被覆することにより空間部を形成し、その空間部内に乾燥剤等を収容するというものであるため、此亦、製造に手間が掛かるという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述の如き問題点を解消するべく完成されたものであり、極めて簡単な構成で安価に製造することができ、しかも、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することができる複室容器を提供することを目的とする。
【0005】
上述の如き目的を達成する本発明は、可撓性シート材にて略扁平状に形成され、薬剤を収容し且つ必要に応じて連通させることができるように第一の仕切部で仕切られた複数の収容室を有する複室容器において、前記複数の収容室の内で、吸湿性或いは易酸化性の薬剤又は吸湿性と易酸化性との特性を兼ね備えた薬剤を収容した第一の収容室と隣接して第二の仕切部で仕切られた別室を形成し、前記別室内に乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を封入し、前記略扁平状の複室容器の片側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の片側の壁を構成している部分と前記別室の片側の壁を構成している部分とを含むシート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成し、前記略扁平状の複室容器の他側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の他側の壁を構成している部分と前記別室の他側を構成している部分とを含むシート材部分を水分透過性或いはガス透過性又は水分・ガス透過性のものとして構成し、前記別室の前記片側の壁を外側させた状態で前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた前記別室と前記第一の収容室との周縁部を互いに剥離可能に接合させたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳むことにより互いに対向する前記別室の前記他側の壁と前記第一の収容室の前記他側の壁との少なくとも一方に、通気手段を設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のはつめいにおいて、前記通気手段を、前記第一の収容室の前記他側の壁に設けたメンブレン機構で構成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記通気手段を、前記別室の前記他側の壁に形成した少なくとも一つの通気孔で構成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記メンブレン機構を、疎水性マイクロポーラスメンブレン素子で構成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記メンブレン機構を、前記第一の収容室の内部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた親水性マイクロポーラスメンブレン素子と、前記第一の収容室の外部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた疎水性マイクロポーラスメンブレン素子とにより構成したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記通気手段を前記別室の前記他側の壁と前記第一の収容室の前記他側の壁との双方に設け、前記別室の前記他側の壁に設けられた通気手段を、前記別室の前記他側の壁に形成された少なくとも一つの通気孔で構成し、前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた通気手段を、メンブレン機構で構成したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記メンブレン機構を、疎水性マイクロポーラスメンブレン素子で構成したことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記メンブレン機構を、前記第一の収容室の内部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた親水性マイクロポーラスメンブレン素子と、前記第一の収容室の外部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた疎水性マイクロポーラスメンブレン素子とにより構成したことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明において、前記シート材の内で、前記別室の周縁部の一部を構成しているシート材部分を互いに剥離可能に溶着することにより、前記別室内の前記乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を前記別室から必要に応じて取り出せるよう構成したことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発明において、前記第一の収容室の前記片側の壁を構成している部分と前記別室の前記片側の壁を構成している部分とを含む前記シート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のフィルムで被覆することにより、前記第一の収容室の前記片側の壁を構成している部分と前記別室の前記片側の壁を構成している部分とを含む前記シート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成したことを特徴とする。
【0006】
本発明においては、可撓性シート材にて略扁平状に形成され、薬剤を収容し且つ必要に応じて連通させることができるように第一の仕切部で仕切られた複数の収容室を有する複室容器において、前記複数の収容室の内で、吸湿性或いは易酸化性の薬剤又は吸湿性と易酸化性との特性を兼ね備えた薬剤を収容した第一の収容室と隣接して第二の仕切部で仕切られた別室を形成し、前記別室内に乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を封入し、前記略扁平状の複室容器の片側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の片側の壁を構成している部分と前記別室の片側の壁を構成している部分とを含むシート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成し、前記略扁平状の複室容器の他側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の他側の壁を構成している部分と前記別室の他側を構成している部分とを含むシート材部分を水分透過性或いはガス透過性又は水分・ガス透過性のものとして構成し、前記別室の前記片側の壁を外側させた状態で前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた前記別室と前記第一の収容室との周縁部を互いに剥離可能に接合させるよう構成したので、本発明に依れば、簡単且つ安価に製造することの可能な複室容器が得られるようになる。
また、本発明に係る複室容器においては、従来の複室容器の如く乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室に配置するのではなく、薬剤を収容した第一の収容室と第二の仕切部を介して区画形成された別室内に乾燥剤等を収容し、別室を第一の収容室に対して折り畳むことにより別室内の乾燥剤等による乾燥作用,脱酸素作用を第一の収容室内の薬剤に対して波及させるよう構成したので、本発明に依れば、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することの可能な複室容器が得られるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、別室を後述する如く第一の収容室に対して折り畳む前の状態の、本発明の実施形態に係る複室容器の本体の一面側を示した図、図2は、図1に示した容器本体の縦断面図、図3は、別室を第一の収容室に対して折り畳んだ状態の本発明に係る複室容器の縦断面図である。
複室容器の容器本体1は、二枚の可撓性樹脂シート材1a,1bを重ね合わせ、その周縁部を互いに溶着させると共に略中央部分を横方向に沿って互いに弱シールで剥離可能に溶着させて第一の仕切部7を形成することにより、必要に応じて連通させることのできる第一の収容室3と第二の収容室5とを有する略扁平状のものとして構成されている。更に、第一の収容室3の上端部を横方向に沿って溶着させて第二の仕切部8を形成することにより別室20が形成されている。
【0008】
図示実施形態においては、第一の収容室3内には易酸化性及び(又は)吸湿性の粉末剤(図示せず)が収容され、第二の収容室5内には薬液が収容されている。また、別室20内には、乾燥剤及び(又は)脱酸素剤(以下、「乾燥剤等X」という。)が封入されている。
【0009】
第一の収容室3内に収容される粉末剤としては、例えば、抗生剤,抗癌剤,ステロイド剤,血栓溶解剤或いはビタミン剤等の吸湿性及び(又は)易酸化性の物質を挙げることができる。また、第二の収容室5内に収容される薬液としては、例えば、第一の収容室3内に収容される粉末剤の溶解液又は希釈液、例えば、生理食塩液,ブドウ糖液等を挙げることができる。更に、別室20内に収容される乾燥剤としては、例えば、シリカゲル,ゼオライト,シリカゲル成形物,脱酸素剤一体物等を挙げることができる。また、脱酸素剤としては、三菱瓦斯化学社製のエージレス(商品名),アモルファス銅を用いた脱酸素剤等を挙げることができる。
【0010】
第二の収容室5寄りの容器本体1の端部には、ゴム栓体15で閉塞されたポート部17が設けられている。また、別室20寄りの容器本体1の端部には、患者に対する施薬時に容器をフック等に吊り下げるための吊り下げ用孔19が形成されている。
【0011】
図1中に示した一点鎖線に沿って第二の仕切部8を境にして、図3に示したように別室20を第一の収容室3に対して折り畳み、互いに重ね合わせた別室20と第一の収容室3との周縁部を互いに剥離可能に接合させる。これにより、別室20内に収容された乾燥剤等Xによる乾燥作用,脱酸素作用を第一の収容室3内の薬剤に対して波及させることができる。尚、互いに重ね合わされた別室20と第一の収容室3との周縁部は、例えば、ホットメルト,接着剤,両面粘着テープ等又は溶着により剥離可能に接合させることができる。
【0012】
略扁平状の容器本体1の片側を構成している可撓性シート材1aの内の、少なくとも、別室20の片側壁と第一の収容室3の片側壁とを構成しているシート材部分1a’は、水分非透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成されている。また、略扁平状の容器本体1の他側を構成している可撓性シート材1bの内の、少なくとも、別室20の他側壁と第一の収容室3の他側壁とを構成しているシート材部分1b’は、水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成されている。このように、別室20を第一の収容室3に対して折り重ね時に外側に位置する、別室20の片側壁と第一の収容室3の片側壁とを構成しているシート材部分1a’を、水分非透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成すれば、第一の収容室3内への水分及び(又は)ガスの侵入を阻止して、第一の収容室3内に収容された薬剤を安定よく保存させることができるようになるばかりでなく、別室20内に収容した乾燥剤等Xが別室20外の水分,ガスを取り込んでしまうようなことがない。また、別室20を第一の収容室3に対して折り重ねた時に互いに対接する、別室20の他側壁と第一の収容室3の他側壁とを構成しているシート材部分1b’を、水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成すれば、別室20内に封入された乾燥剤等Xによる乾燥作用,脱酸素作用を水分透過性及び(又は)ガス透過性のシート材部分1b’を介して第一の収容室3内の薬剤に対して波及させることができる。
茲で、水分非透過性及びガス非透過性とは、水分,ガスを完璧に遮断する場合に限らず、水分,ガスをある程度遮断する場合をも含むものと解釈する。
【0013】
尚、図1〜図3に示した実施形態においては、略扁平状の容器本体1の片側を構成している可撓性シート材1a全体を水分非透過性及び(又は)ガス非透過性の素材で構成すると共に、容器本体1の他側を構成している可撓性シート材1b全体を水分透過性及び(又は)ガス透過性の素材で構成したが、乾燥剤等Xを収容した別室20の両壁と吸湿性及び(又は)易酸化性の薬剤を収容した第一の収容室3の両壁とが少なくとも上述した如く構成されていれば、如何なる構成のものであってもよい。例えば、第二の収容室5を、夫々両壁が上述した如く構成された別室20と第一の収容室3と別体に形成し、第一の仕切部7付近で第一の収容室3と第二の収容室5とを接合して容器本体1を構成してもよい。また、可撓性シート材1a,1bを水分透過性及び(又は)ガス透過性の素材にて構成し、別室20を第一の収容室3に対して折り畳んだ時に外側に位置する、第一の収容室3の片側と別室20の片側とを構成している可撓性シート材部分1a’を、図4に示したように、水分非透過性及び(又は)ガス非透過性の素材にて構成したバリアフィルム13で被覆することにより第一の収容室3の片側壁及び別室20の片側壁に水分非透過性及び(又は)ガス非透過性を持たせるよう構成してもよい。
【0014】
水分非透過性及び(又は)ガス非透過性の素材としては、酸化ケイ素蒸着ポリエチレンテレフタラート(市販のものとしては、「シリカペット(商品名)」)のシートやアルミ加工シート等を用いることができるが、水分及び(又は)ガスが第一の収容室3の外側に位置する壁及び別室20の外側に位置する壁を透過して第一の収容室3及び別室20内に侵入するのを極力阻止することができれば、如何なる材質のものであってもよい。例えば、内層をポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂にて構成し、外層をガス透過性,水分透過性の低い樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン等のポリアミド、セロファン等の樹脂で構成した多層のものを用いることもできる。尚、図4のバリアフィルム13を不透明な素材にて構成した場合には、別室20内に収容した乾燥剤等Xと第一の収容室3内に収容した薬剤とを容器外から視認することができるようにするべく、バリアフィルム13を必要に応じて剥がすことができるよう容器本体1に貼着するのが好ましい。また、バリアフィルム13を容器本体1より剥がし易くするために、摘み片13aをバリアフィルム13に設けるとよい。更に、別室20を第一の収容室3に対して折り畳んだ時に外側に位置するシート材部分1a’の全面にバリアフィルム13を密着させてもよいし、また、その周縁部をシート材部分1aの周縁部に貼着させてもよい。
【0015】
また、図5中に破線で示したように、別室20の一辺部20aを構成しているシート材1a’,1b’の一部分を弱シールで剥離可能に溶着すれば、必要に応じて別室20の一辺部20aを剥離させて別室20を開口させることにより、乾燥剤等Xを別室20より取り出して容器本体1と分別廃棄することができるようになる。
【0016】
更に、図6(a)〜図6(d)に示したように、別室20を第一の収容室3に対して折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の適宜箇所に通気手段30を設けるよう構成すれば、別室20内に封入した乾燥剤等Xによる乾燥作用、脱酸素作用を第一の収容室3内に収容した粉末剤に対して通気性手段30を介してより効果的に波及させることができるようになる。
【0017】
図6(a)は、通気手段30として、ガス及び水分を物理的に通過させることのできる多数の小孔を備えた疎水性マイクロポーラスメンブレン30aを設けた例を示した図である。このマイクロポーラスメンブレン30aは、別室20を第一の収容室3対してに折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、第一の収容室3の壁を構成している部分に形成された孔1cを被覆するように第一の収容室3の壁部の内面に装着されている。疎水性マイクロポーラスメンブレン30a及び後述する親水性マイクロポーラスメンブレン30bとしては、4ふっ化エチレン(PTFE、市販のものとしては、「テフロン(商品名)」)にて構成した多孔質膜,高密度ポリエチレン(市販の物としては、「タイベック(商品名)」)にて構成した多孔質膜等を用いることができるが、第一の収容室3の壁部に液密に装着することができ且つそれぞれ疎水性,親水性の性質をもたせたものであれば如何なる多孔質膜をも用いることができる。尚、ふっ化エチレンの多孔質膜を熱溶着により第一の収容室3の壁部に装着する場合には、4ふっ化エチレンが第一の収容室3を構成している樹脂壁に熱溶着しないので、高密度ポリエチレンのメッシュに4ふっ化エチレンの多孔質膜を積層させて、高密度ポリエチレンのメッシュを介して4ふっ化エチレンの多孔質膜を第一の収容室3の壁部に熱溶着させるとよい。
【0018】
図6(b)は、図6(a)に示した例において、疎水性マイクロポーラスメンブレン30aに加えて、別室20を第一の収容室3対してに折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、別室20の壁を構成している部分に複数の通気孔1dを通気手段30の一構成要素として設けた例を示した図である。また、図6(c)は、疎水性性のマイクロポーラスメンブレン30aと親水性のマイクロポーラスメンブレン30bとによる二重のメンブレン構造のものとして通気性手段30を構成した例を示したものである。この場合には、第一の収容室3の壁を構成しているシート材部分に形成された孔1cを挟んで、第一の収容室3の外部側に疎水性マイクロポーラスメンブレン30aが面し、第一の収容室3の内部側に親水性マイクロポーラスメンブレン30bが面するようにして、疎水性マイクロポーラスメンブレン30aと親水性マイクロポーラスメンブレン30bとが、第一の収容室3の壁部に装着されている。更に、図6(d)は、図6(c)に示した例において、疎水性マイクロポーラスメンブレン30aと親水性マイクロポーラスメンブレン30bに加えて、別室20を第一の収容室3対してに折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、別室20の壁を構成している部分に複数の通気孔1dを通気手段30の一構成要素として設けた例を示した図である。尚、図6(b)及び図6(d)の例においては、通気孔1dを複数個設けたが、少なくとも1個設ければよい。また、図6(a)〜図6(d)に示した実施形態においては、通気手段30をマイクロポーラスメンブレン素子30a,30bにて構成し或いはこれらメンブレン素子30a,30bと通気孔1dとの組み合わせにて構成したが、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、別室20の壁を構成している部分に形成した通気孔1dのみにて通気手段30を構成したものであってもよい。
【0019】
本発明に係る複室容器を患者に対する施薬の用に供する場合には、先ず、互いに重ね合わされて周縁部が剥離可能に接合された別室20と第一の収容室3との周縁部を剥離させる。次いで、容器本体1を押圧して容器内の内圧を増加させて仕切部7を剥離させるか或いは仕切部7に相当するシート1a,1bの部分を互いに剥離させる方向に引っ張って仕切部7を剥離させることにより、第一の収容室3と第二の収容室5とを連通させて、第一の収容室3内に収容された粉末剤と第二の収容室5内に収容された薬液とを容器本体1内で混合させる。粉末剤と薬液とを混合させた後に、ゴム栓体15に輸液セットを接続することにより、その輸液セットを介して容器内の薬剤を患者に対して施薬することができる。
【0020】
このように構成した本発明に係る複室容器においては、乾燥剤等Xが封入された別室30を易酸化性及び(又は)吸湿性の粉末剤が収容された第一の収容室3に対して重ね合わせるよう構成したので、乾燥剤等Xによる乾燥作用,脱酸素作用を第一の収容室3の水分透過性及び(又は)ガス透過性の壁を介して第一の収容室3内の粉末剤に対して波及させて、第一の収容室3内の粉末剤を安定よく保管収容することができるようになる。また、本発明に係る複室容器においては、従来の複室容器の如く乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室内に配置するのではなく、薬剤を収容した第一の収容室3と第二の仕切部8を介して区画形成された別室20内に乾燥剤等Xを収容し、別室20を第一の収容室3に対して折り畳むことにより別室20内の乾燥剤等Xによる乾燥作用、脱酸素作用を第一の収容室3内の薬剤に対して波及させるよう構成したので、本発明に依れば、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することの可能な複室容器が得られるようになる。
【0021】
尚、特定の実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は、それに限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えてものを含むことは明らかである。例えば、上述した実施形態においては、容器本体を二つの薬剤収容室を有するものとして構成したが、三つ以上の薬剤収容室を有するものとして構成してもよい。また、上述した実施形態においては、第一の収容室3内に粉末剤を封入し、第二の収容室5内に液剤を封入したが、目的に応じて液剤を第一の収容室3内に封入し、粉末剤を第二の収容室5内に封入するようにしてもよい。尚、この場合には、二つ折りにした第一の収容室3の内側には脱酸素剤のみを封入する。更に、図示実施形態においては、二枚の可撓性シート材を重ね合わせて溶着することにより容器本体を形成したが、ブロー成形等により容器本体を筒状に形成して所定箇所を溶着することにより複室容器を形成するようにしてもよい。
【0022】
【発明の効果】
上述した如く、本発明においては、可撓性シート材にて略扁平状に形成され、薬剤を収容し且つ必要に応じて連通させることができるように第一の仕切部で仕切られた複数の収容室を有する複室容器において、前記複数の収容室の内で、吸湿性及び(又は)易酸化性の薬剤を収容した第一の収容室と隣接して第二の仕切部で仕切られた別室を形成し、前記別室内に乾燥剤及び(又は)脱酸素剤を封入し、前記略扁平状の複室容器の片側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の片側の壁を構成している部分と前記別室の片側の壁を構成している部分とを含むシート材部分を水分非透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成し、前記略扁平状の複室容器の他側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の他側の壁を構成している部分と前記別室の他側を構成している部分とを含むシート材部分を水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成し、前記別室の前記片側の壁を外側に位置させた状態で前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた前記別室と前記第一の収容室との周縁部を互いに剥離可能に接合させるよう構成したので、本発明に依れば、簡単且つ安価に製造することの可能な複室容器が得られる。また、本発明に係る複室容器においては、従来の複室容器の如く乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室内に配置するのではなく、乾燥剤等を収容した別室を薬剤が収容された第一の収容室に対して折り畳むことにより重ね合わされた別室の水分透過性及び(又は)ガス透過性の壁と第一の収容室の水分透過性及び(又は)ガス透過性の壁を介して、別室内の乾燥剤等による乾燥作用、脱酸素作用を第一の収容室内の薬剤に対して波及させるよう構成したので、本発明に依れば、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することの可能な複室容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】別室を第一の収容室に対して折り畳む前の状態の、本発明の実施形態に係る複室容器の容器本体の一面側を示した図である。
【図2】図1に示した容器本体の縦断面図である。
【図3】図1及び図2に示した別室を第一の収容室に対して折り畳んで互いに重ね合わされた別室と第一の収容室との周縁部を剥離可能に接合して成る、本発明に係る複室容器の縦断面図である。
【図4】別室を第一の収容室に対して折り畳んだ時に外側に位置する別室の壁と第一の収容室の壁とを含むシート材部分にバリアフィルムを貼着した別の実施形態に係る複室容器の容器本体の一面側を示した図である。
【図5】別室の一辺部を弱シールして剥離可能に形成した更に別の実施形態に係る複室容器の容器本体の一面側を示した図である。
【図6】別室を第一の収容室に対して折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室の壁と別室の壁とを構成しているシート材部分の適宜箇所に通気手段を設けた更に別の実施形態に係る複室容器の部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
1a,1b 容器本体を構成している可撓性シート材
1a’,1b’ 別室と第一の収容室との壁を構成しているシート材部分
3 第一の収容室
5 第二の収容室
7 第一の仕切部
8 第二の仕切部
13 バリアフィルム
20 別室
30 通気手段
X 乾燥剤等
【発明の属する分野】
本発明は、薬液,粉末剤或いは固形剤の如き薬剤を収容し保存する可撓性複室容器の改良に関するもので、詳しくは、容器内に収容した吸湿性薬剤の吸湿,易酸化性薬剤の酸化を防止して安定した状態で該薬剤を収容保存するのに有用な可撓性複室容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の複室容器としては、乾燥剤,脱酸素剤を備えることにより、容器内に収容した薬剤の吸湿或いは酸化を防止するようにしたものが提案されている。具体的には、(1)薬剤を収容し水分非透過性および/またはガス非透過性のフィルムで構成された室内に、内部に乾燥剤および/または脱酸素剤を収容し水分透過性および/またはガス透過性のフィルムで構成された小袋を配置したもの(特開平10−236538、特開平10−236541)や(2)吸湿性および/または易酸化性を有する薬剤を収容した室全体を密封状態に覆う水分非透過性および/またはガス非透過性の外壁と外壁に覆われた前記室を構成する水分透過性および/またはガス透過性の内壁との間の空間部内に乾燥剤および/または脱酸素剤を収容したもの(特許第3060133号)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上記(1)の複室容器は、容器本体と別個に形成されて乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室内に配置するというものであるため、その分、部品点数が多くなり且つ製造に手間が掛かるため、製造コストが高くなるという欠点がある。また、室内に薬剤を収容した後に小袋を同室内に配置するというものであるため、小袋を室内に配置する作業中に雑菌等が室内に侵入してしまう可能性がある。
また、上記(2)の複室容器は、薬剤を収容した室を構成している内壁全体を外壁で被覆することにより空間部を形成し、その空間部内に乾燥剤等を収容するというものであるため、此亦、製造に手間が掛かるという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述の如き問題点を解消するべく完成されたものであり、極めて簡単な構成で安価に製造することができ、しかも、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することができる複室容器を提供することを目的とする。
【0005】
上述の如き目的を達成する本発明は、可撓性シート材にて略扁平状に形成され、薬剤を収容し且つ必要に応じて連通させることができるように第一の仕切部で仕切られた複数の収容室を有する複室容器において、前記複数の収容室の内で、吸湿性或いは易酸化性の薬剤又は吸湿性と易酸化性との特性を兼ね備えた薬剤を収容した第一の収容室と隣接して第二の仕切部で仕切られた別室を形成し、前記別室内に乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を封入し、前記略扁平状の複室容器の片側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の片側の壁を構成している部分と前記別室の片側の壁を構成している部分とを含むシート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成し、前記略扁平状の複室容器の他側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の他側の壁を構成している部分と前記別室の他側を構成している部分とを含むシート材部分を水分透過性或いはガス透過性又は水分・ガス透過性のものとして構成し、前記別室の前記片側の壁を外側させた状態で前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた前記別室と前記第一の収容室との周縁部を互いに剥離可能に接合させたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳むことにより互いに対向する前記別室の前記他側の壁と前記第一の収容室の前記他側の壁との少なくとも一方に、通気手段を設けたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のはつめいにおいて、前記通気手段を、前記第一の収容室の前記他側の壁に設けたメンブレン機構で構成したことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記通気手段を、前記別室の前記他側の壁に形成した少なくとも一つの通気孔で構成したことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記メンブレン機構を、疎水性マイクロポーラスメンブレン素子で構成したことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記メンブレン機構を、前記第一の収容室の内部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた親水性マイクロポーラスメンブレン素子と、前記第一の収容室の外部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた疎水性マイクロポーラスメンブレン素子とにより構成したことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記通気手段を前記別室の前記他側の壁と前記第一の収容室の前記他側の壁との双方に設け、前記別室の前記他側の壁に設けられた通気手段を、前記別室の前記他側の壁に形成された少なくとも一つの通気孔で構成し、前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた通気手段を、メンブレン機構で構成したことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記メンブレン機構を、疎水性マイクロポーラスメンブレン素子で構成したことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、前記メンブレン機構を、前記第一の収容室の内部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた親水性マイクロポーラスメンブレン素子と、前記第一の収容室の外部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた疎水性マイクロポーラスメンブレン素子とにより構成したことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発明において、前記シート材の内で、前記別室の周縁部の一部を構成しているシート材部分を互いに剥離可能に溶着することにより、前記別室内の前記乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を前記別室から必要に応じて取り出せるよう構成したことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10のいずれか一項に記載の発明において、前記第一の収容室の前記片側の壁を構成している部分と前記別室の前記片側の壁を構成している部分とを含む前記シート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のフィルムで被覆することにより、前記第一の収容室の前記片側の壁を構成している部分と前記別室の前記片側の壁を構成している部分とを含む前記シート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成したことを特徴とする。
【0006】
本発明においては、可撓性シート材にて略扁平状に形成され、薬剤を収容し且つ必要に応じて連通させることができるように第一の仕切部で仕切られた複数の収容室を有する複室容器において、前記複数の収容室の内で、吸湿性或いは易酸化性の薬剤又は吸湿性と易酸化性との特性を兼ね備えた薬剤を収容した第一の収容室と隣接して第二の仕切部で仕切られた別室を形成し、前記別室内に乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を封入し、前記略扁平状の複室容器の片側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の片側の壁を構成している部分と前記別室の片側の壁を構成している部分とを含むシート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成し、前記略扁平状の複室容器の他側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の他側の壁を構成している部分と前記別室の他側を構成している部分とを含むシート材部分を水分透過性或いはガス透過性又は水分・ガス透過性のものとして構成し、前記別室の前記片側の壁を外側させた状態で前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた前記別室と前記第一の収容室との周縁部を互いに剥離可能に接合させるよう構成したので、本発明に依れば、簡単且つ安価に製造することの可能な複室容器が得られるようになる。
また、本発明に係る複室容器においては、従来の複室容器の如く乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室に配置するのではなく、薬剤を収容した第一の収容室と第二の仕切部を介して区画形成された別室内に乾燥剤等を収容し、別室を第一の収容室に対して折り畳むことにより別室内の乾燥剤等による乾燥作用,脱酸素作用を第一の収容室内の薬剤に対して波及させるよう構成したので、本発明に依れば、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することの可能な複室容器が得られるようになる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、別室を後述する如く第一の収容室に対して折り畳む前の状態の、本発明の実施形態に係る複室容器の本体の一面側を示した図、図2は、図1に示した容器本体の縦断面図、図3は、別室を第一の収容室に対して折り畳んだ状態の本発明に係る複室容器の縦断面図である。
複室容器の容器本体1は、二枚の可撓性樹脂シート材1a,1bを重ね合わせ、その周縁部を互いに溶着させると共に略中央部分を横方向に沿って互いに弱シールで剥離可能に溶着させて第一の仕切部7を形成することにより、必要に応じて連通させることのできる第一の収容室3と第二の収容室5とを有する略扁平状のものとして構成されている。更に、第一の収容室3の上端部を横方向に沿って溶着させて第二の仕切部8を形成することにより別室20が形成されている。
【0008】
図示実施形態においては、第一の収容室3内には易酸化性及び(又は)吸湿性の粉末剤(図示せず)が収容され、第二の収容室5内には薬液が収容されている。また、別室20内には、乾燥剤及び(又は)脱酸素剤(以下、「乾燥剤等X」という。)が封入されている。
【0009】
第一の収容室3内に収容される粉末剤としては、例えば、抗生剤,抗癌剤,ステロイド剤,血栓溶解剤或いはビタミン剤等の吸湿性及び(又は)易酸化性の物質を挙げることができる。また、第二の収容室5内に収容される薬液としては、例えば、第一の収容室3内に収容される粉末剤の溶解液又は希釈液、例えば、生理食塩液,ブドウ糖液等を挙げることができる。更に、別室20内に収容される乾燥剤としては、例えば、シリカゲル,ゼオライト,シリカゲル成形物,脱酸素剤一体物等を挙げることができる。また、脱酸素剤としては、三菱瓦斯化学社製のエージレス(商品名),アモルファス銅を用いた脱酸素剤等を挙げることができる。
【0010】
第二の収容室5寄りの容器本体1の端部には、ゴム栓体15で閉塞されたポート部17が設けられている。また、別室20寄りの容器本体1の端部には、患者に対する施薬時に容器をフック等に吊り下げるための吊り下げ用孔19が形成されている。
【0011】
図1中に示した一点鎖線に沿って第二の仕切部8を境にして、図3に示したように別室20を第一の収容室3に対して折り畳み、互いに重ね合わせた別室20と第一の収容室3との周縁部を互いに剥離可能に接合させる。これにより、別室20内に収容された乾燥剤等Xによる乾燥作用,脱酸素作用を第一の収容室3内の薬剤に対して波及させることができる。尚、互いに重ね合わされた別室20と第一の収容室3との周縁部は、例えば、ホットメルト,接着剤,両面粘着テープ等又は溶着により剥離可能に接合させることができる。
【0012】
略扁平状の容器本体1の片側を構成している可撓性シート材1aの内の、少なくとも、別室20の片側壁と第一の収容室3の片側壁とを構成しているシート材部分1a’は、水分非透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成されている。また、略扁平状の容器本体1の他側を構成している可撓性シート材1bの内の、少なくとも、別室20の他側壁と第一の収容室3の他側壁とを構成しているシート材部分1b’は、水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成されている。このように、別室20を第一の収容室3に対して折り重ね時に外側に位置する、別室20の片側壁と第一の収容室3の片側壁とを構成しているシート材部分1a’を、水分非透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成すれば、第一の収容室3内への水分及び(又は)ガスの侵入を阻止して、第一の収容室3内に収容された薬剤を安定よく保存させることができるようになるばかりでなく、別室20内に収容した乾燥剤等Xが別室20外の水分,ガスを取り込んでしまうようなことがない。また、別室20を第一の収容室3に対して折り重ねた時に互いに対接する、別室20の他側壁と第一の収容室3の他側壁とを構成しているシート材部分1b’を、水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成すれば、別室20内に封入された乾燥剤等Xによる乾燥作用,脱酸素作用を水分透過性及び(又は)ガス透過性のシート材部分1b’を介して第一の収容室3内の薬剤に対して波及させることができる。
茲で、水分非透過性及びガス非透過性とは、水分,ガスを完璧に遮断する場合に限らず、水分,ガスをある程度遮断する場合をも含むものと解釈する。
【0013】
尚、図1〜図3に示した実施形態においては、略扁平状の容器本体1の片側を構成している可撓性シート材1a全体を水分非透過性及び(又は)ガス非透過性の素材で構成すると共に、容器本体1の他側を構成している可撓性シート材1b全体を水分透過性及び(又は)ガス透過性の素材で構成したが、乾燥剤等Xを収容した別室20の両壁と吸湿性及び(又は)易酸化性の薬剤を収容した第一の収容室3の両壁とが少なくとも上述した如く構成されていれば、如何なる構成のものであってもよい。例えば、第二の収容室5を、夫々両壁が上述した如く構成された別室20と第一の収容室3と別体に形成し、第一の仕切部7付近で第一の収容室3と第二の収容室5とを接合して容器本体1を構成してもよい。また、可撓性シート材1a,1bを水分透過性及び(又は)ガス透過性の素材にて構成し、別室20を第一の収容室3に対して折り畳んだ時に外側に位置する、第一の収容室3の片側と別室20の片側とを構成している可撓性シート材部分1a’を、図4に示したように、水分非透過性及び(又は)ガス非透過性の素材にて構成したバリアフィルム13で被覆することにより第一の収容室3の片側壁及び別室20の片側壁に水分非透過性及び(又は)ガス非透過性を持たせるよう構成してもよい。
【0014】
水分非透過性及び(又は)ガス非透過性の素材としては、酸化ケイ素蒸着ポリエチレンテレフタラート(市販のものとしては、「シリカペット(商品名)」)のシートやアルミ加工シート等を用いることができるが、水分及び(又は)ガスが第一の収容室3の外側に位置する壁及び別室20の外側に位置する壁を透過して第一の収容室3及び別室20内に侵入するのを極力阻止することができれば、如何なる材質のものであってもよい。例えば、内層をポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂にて構成し、外層をガス透過性,水分透過性の低い樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン等のポリアミド、セロファン等の樹脂で構成した多層のものを用いることもできる。尚、図4のバリアフィルム13を不透明な素材にて構成した場合には、別室20内に収容した乾燥剤等Xと第一の収容室3内に収容した薬剤とを容器外から視認することができるようにするべく、バリアフィルム13を必要に応じて剥がすことができるよう容器本体1に貼着するのが好ましい。また、バリアフィルム13を容器本体1より剥がし易くするために、摘み片13aをバリアフィルム13に設けるとよい。更に、別室20を第一の収容室3に対して折り畳んだ時に外側に位置するシート材部分1a’の全面にバリアフィルム13を密着させてもよいし、また、その周縁部をシート材部分1aの周縁部に貼着させてもよい。
【0015】
また、図5中に破線で示したように、別室20の一辺部20aを構成しているシート材1a’,1b’の一部分を弱シールで剥離可能に溶着すれば、必要に応じて別室20の一辺部20aを剥離させて別室20を開口させることにより、乾燥剤等Xを別室20より取り出して容器本体1と分別廃棄することができるようになる。
【0016】
更に、図6(a)〜図6(d)に示したように、別室20を第一の収容室3に対して折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の適宜箇所に通気手段30を設けるよう構成すれば、別室20内に封入した乾燥剤等Xによる乾燥作用、脱酸素作用を第一の収容室3内に収容した粉末剤に対して通気性手段30を介してより効果的に波及させることができるようになる。
【0017】
図6(a)は、通気手段30として、ガス及び水分を物理的に通過させることのできる多数の小孔を備えた疎水性マイクロポーラスメンブレン30aを設けた例を示した図である。このマイクロポーラスメンブレン30aは、別室20を第一の収容室3対してに折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、第一の収容室3の壁を構成している部分に形成された孔1cを被覆するように第一の収容室3の壁部の内面に装着されている。疎水性マイクロポーラスメンブレン30a及び後述する親水性マイクロポーラスメンブレン30bとしては、4ふっ化エチレン(PTFE、市販のものとしては、「テフロン(商品名)」)にて構成した多孔質膜,高密度ポリエチレン(市販の物としては、「タイベック(商品名)」)にて構成した多孔質膜等を用いることができるが、第一の収容室3の壁部に液密に装着することができ且つそれぞれ疎水性,親水性の性質をもたせたものであれば如何なる多孔質膜をも用いることができる。尚、ふっ化エチレンの多孔質膜を熱溶着により第一の収容室3の壁部に装着する場合には、4ふっ化エチレンが第一の収容室3を構成している樹脂壁に熱溶着しないので、高密度ポリエチレンのメッシュに4ふっ化エチレンの多孔質膜を積層させて、高密度ポリエチレンのメッシュを介して4ふっ化エチレンの多孔質膜を第一の収容室3の壁部に熱溶着させるとよい。
【0018】
図6(b)は、図6(a)に示した例において、疎水性マイクロポーラスメンブレン30aに加えて、別室20を第一の収容室3対してに折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、別室20の壁を構成している部分に複数の通気孔1dを通気手段30の一構成要素として設けた例を示した図である。また、図6(c)は、疎水性性のマイクロポーラスメンブレン30aと親水性のマイクロポーラスメンブレン30bとによる二重のメンブレン構造のものとして通気性手段30を構成した例を示したものである。この場合には、第一の収容室3の壁を構成しているシート材部分に形成された孔1cを挟んで、第一の収容室3の外部側に疎水性マイクロポーラスメンブレン30aが面し、第一の収容室3の内部側に親水性マイクロポーラスメンブレン30bが面するようにして、疎水性マイクロポーラスメンブレン30aと親水性マイクロポーラスメンブレン30bとが、第一の収容室3の壁部に装着されている。更に、図6(d)は、図6(c)に示した例において、疎水性マイクロポーラスメンブレン30aと親水性マイクロポーラスメンブレン30bに加えて、別室20を第一の収容室3対してに折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、別室20の壁を構成している部分に複数の通気孔1dを通気手段30の一構成要素として設けた例を示した図である。尚、図6(b)及び図6(d)の例においては、通気孔1dを複数個設けたが、少なくとも1個設ければよい。また、図6(a)〜図6(d)に示した実施形態においては、通気手段30をマイクロポーラスメンブレン素子30a,30bにて構成し或いはこれらメンブレン素子30a,30bと通気孔1dとの組み合わせにて構成したが、第一の収容室3の壁と別室20の壁とを構成しているシート材部分1b’の内の、別室20の壁を構成している部分に形成した通気孔1dのみにて通気手段30を構成したものであってもよい。
【0019】
本発明に係る複室容器を患者に対する施薬の用に供する場合には、先ず、互いに重ね合わされて周縁部が剥離可能に接合された別室20と第一の収容室3との周縁部を剥離させる。次いで、容器本体1を押圧して容器内の内圧を増加させて仕切部7を剥離させるか或いは仕切部7に相当するシート1a,1bの部分を互いに剥離させる方向に引っ張って仕切部7を剥離させることにより、第一の収容室3と第二の収容室5とを連通させて、第一の収容室3内に収容された粉末剤と第二の収容室5内に収容された薬液とを容器本体1内で混合させる。粉末剤と薬液とを混合させた後に、ゴム栓体15に輸液セットを接続することにより、その輸液セットを介して容器内の薬剤を患者に対して施薬することができる。
【0020】
このように構成した本発明に係る複室容器においては、乾燥剤等Xが封入された別室30を易酸化性及び(又は)吸湿性の粉末剤が収容された第一の収容室3に対して重ね合わせるよう構成したので、乾燥剤等Xによる乾燥作用,脱酸素作用を第一の収容室3の水分透過性及び(又は)ガス透過性の壁を介して第一の収容室3内の粉末剤に対して波及させて、第一の収容室3内の粉末剤を安定よく保管収容することができるようになる。また、本発明に係る複室容器においては、従来の複室容器の如く乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室内に配置するのではなく、薬剤を収容した第一の収容室3と第二の仕切部8を介して区画形成された別室20内に乾燥剤等Xを収容し、別室20を第一の収容室3に対して折り畳むことにより別室20内の乾燥剤等Xによる乾燥作用、脱酸素作用を第一の収容室3内の薬剤に対して波及させるよう構成したので、本発明に依れば、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することの可能な複室容器が得られるようになる。
【0021】
尚、特定の実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明は、それに限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えてものを含むことは明らかである。例えば、上述した実施形態においては、容器本体を二つの薬剤収容室を有するものとして構成したが、三つ以上の薬剤収容室を有するものとして構成してもよい。また、上述した実施形態においては、第一の収容室3内に粉末剤を封入し、第二の収容室5内に液剤を封入したが、目的に応じて液剤を第一の収容室3内に封入し、粉末剤を第二の収容室5内に封入するようにしてもよい。尚、この場合には、二つ折りにした第一の収容室3の内側には脱酸素剤のみを封入する。更に、図示実施形態においては、二枚の可撓性シート材を重ね合わせて溶着することにより容器本体を形成したが、ブロー成形等により容器本体を筒状に形成して所定箇所を溶着することにより複室容器を形成するようにしてもよい。
【0022】
【発明の効果】
上述した如く、本発明においては、可撓性シート材にて略扁平状に形成され、薬剤を収容し且つ必要に応じて連通させることができるように第一の仕切部で仕切られた複数の収容室を有する複室容器において、前記複数の収容室の内で、吸湿性及び(又は)易酸化性の薬剤を収容した第一の収容室と隣接して第二の仕切部で仕切られた別室を形成し、前記別室内に乾燥剤及び(又は)脱酸素剤を封入し、前記略扁平状の複室容器の片側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の片側の壁を構成している部分と前記別室の片側の壁を構成している部分とを含むシート材部分を水分非透過性及び(又は)ガス非透過性のものとして構成し、前記略扁平状の複室容器の他側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の他側の壁を構成している部分と前記別室の他側を構成している部分とを含むシート材部分を水分透過性及び(又は)ガス透過性のものとして構成し、前記別室の前記片側の壁を外側に位置させた状態で前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた前記別室と前記第一の収容室との周縁部を互いに剥離可能に接合させるよう構成したので、本発明に依れば、簡単且つ安価に製造することの可能な複室容器が得られる。また、本発明に係る複室容器においては、従来の複室容器の如く乾燥剤等を収容した小袋を薬剤が収容された室内に配置するのではなく、乾燥剤等を収容した別室を薬剤が収容された第一の収容室に対して折り畳むことにより重ね合わされた別室の水分透過性及び(又は)ガス透過性の壁と第一の収容室の水分透過性及び(又は)ガス透過性の壁を介して、別室内の乾燥剤等による乾燥作用、脱酸素作用を第一の収容室内の薬剤に対して波及させるよう構成したので、本発明に依れば、薬剤収容室の内部を汚すことなく製造することの可能な複室容器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】別室を第一の収容室に対して折り畳む前の状態の、本発明の実施形態に係る複室容器の容器本体の一面側を示した図である。
【図2】図1に示した容器本体の縦断面図である。
【図3】図1及び図2に示した別室を第一の収容室に対して折り畳んで互いに重ね合わされた別室と第一の収容室との周縁部を剥離可能に接合して成る、本発明に係る複室容器の縦断面図である。
【図4】別室を第一の収容室に対して折り畳んだ時に外側に位置する別室の壁と第一の収容室の壁とを含むシート材部分にバリアフィルムを貼着した別の実施形態に係る複室容器の容器本体の一面側を示した図である。
【図5】別室の一辺部を弱シールして剥離可能に形成した更に別の実施形態に係る複室容器の容器本体の一面側を示した図である。
【図6】別室を第一の収容室に対して折り畳んだ時に内側で重ね合わされる、第一の収容室の壁と別室の壁とを構成しているシート材部分の適宜箇所に通気手段を設けた更に別の実施形態に係る複室容器の部分縦断面図である。
【符号の説明】
1 容器本体
1a,1b 容器本体を構成している可撓性シート材
1a’,1b’ 別室と第一の収容室との壁を構成しているシート材部分
3 第一の収容室
5 第二の収容室
7 第一の仕切部
8 第二の仕切部
13 バリアフィルム
20 別室
30 通気手段
X 乾燥剤等
Claims (11)
- 可撓性シート材にて略扁平状に形成され、薬剤を収容し且つ必要に応じて連通させることができるように第一の仕切部で仕切られた複数の収容室を有する複室容器であって、前記複数の収容室の内で、吸湿性或いは易酸化性の薬剤又は吸湿性と易酸化性との特性を兼ね備えた薬剤を収容した第一の収容室と隣接して第二の仕切部で仕切られた別室を形成し、前記別室内に乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を封入し、前記略扁平状の複室容器の片側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の片側の壁を構成している部分と前記別室の片側の壁を構成している部分とを含むシート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成し、前記略扁平状の複室容器の他側を構成しているシート材の内の、少なくとも、前記第一の収容室の他側の壁を構成している部分と前記別室の他側を構成している部分とを含むシート材部分を水分透過性或いはガス透過性又は水分・ガス透過性のものとして構成し、前記別室の前記片側の壁を外側させた状態で前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳み、折り畳むことにより互いに重ね合わされた前記別室と前記第一の収容室との周縁部を互いに剥離可能に接合させたことを特徴とする複室容器。
- 前記別室を前記第一の収容室に対して折り畳むことにより互いに対向する前記別室の前記他側の壁と前記第一の収容室の前記他側の壁との少なくとも一方に、通気手段を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の複室容器。
- 前記通気手段が、前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられたメンブレン機構であることを特徴とする、請求項2に記載の複室容器。
- 前記通気手段が、前記別室の前記他側の壁に形成された少なくとも一つの通気孔であることを特徴とする、請求項2に記載の複室容器。
- 前記メンブレン機構が、疎水性マイクロポーラスメンブレン素子であることを特徴とする、請求項3に記載の複室容器。
- 前記メンブレン機構が、前記第一の収容室の内部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた親水性マイクロポーラスメンブレン素子と、前記第一の収容室の外部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた疎水性マイクロポーラスメンブレン素子とにより構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の複室容器。
- 前記通気手段が、前記別室の前記他側の壁と前記第一の収容室の前記他側の壁との双方に設けられ、前記別室の前記他側の壁に設けられた通気手段が、前記別室の前記他側の壁に形成された少なくとも一つの通気孔であり、前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた通気手段が、メンブレン機構であることを特徴とする、請求項2に記載の複室容器。
- 前記メンブレン機構が、疎水性マイクロポーラスメンブレン素子であることを特徴とする、請求項7に記載の複室容器。
- 前記メンブレン機構が、前記第一の収容室の内部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた親水性マイクロポーラスメンブレン素子と、前記第一の収容室の外部側に面するよう前記第一の収容室の前記他側の壁に設けられた疎水性マイクロポーラスメンブレン素子とにより構成されていることを特徴とする、請求項7に記載の複室容器。
- 前記シート材の内で、前記別室の周縁部の一部を構成しているシート材部分を互いに剥離可能に溶着することにより、前記別室内の前記乾燥剤或いは脱酸素剤又は乾燥剤及び脱酸素剤を前記別室より必要に応じて取り出せるよう構成したことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の複室容器。
- 前記第一の収容室の前記片側の壁を構成している部分と前記別室の前記片側の壁を構成している部分とを含む前記シート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のフィルムで被覆することにより、前記第一の収容室の前記片側の壁を構成している部分と前記別室の前記片側の壁を構成している部分とを含む前記シート材部分を水分非透過性或いはガス非透過性又は水分・ガス非透過性のものとして構成したことを特徴とする、請求項1〜10に記載の複室容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002176746A JP2004016539A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 複室容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002176746A JP2004016539A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 複室容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004016539A true JP2004016539A (ja) | 2004-01-22 |
Family
ID=31174968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002176746A Pending JP2004016539A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 複室容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004016539A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008284125A (ja) * | 2007-05-17 | 2008-11-27 | Fuji Seal International Inc | 複槽薬剤バッグ封緘体及びその包装体 |
JP2013530104A (ja) * | 2010-05-07 | 2013-07-25 | ポップパック エルエルシー | 独特の開放装置を備えたパッケージ及びパッケージを開放する方法 |
KR20170023786A (ko) * | 2014-03-27 | 2017-03-06 | 아반토르 퍼포먼스 머티리얼스, 인크. | 습기 진입을 억제하기 위한 포장 시스템 및 방법 |
CN115258421A (zh) * | 2022-09-01 | 2022-11-01 | 湖南九典制药股份有限公司 | 一种提高胶囊剂稳定性的包装方法 |
-
2002
- 2002-06-18 JP JP2002176746A patent/JP2004016539A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008284125A (ja) * | 2007-05-17 | 2008-11-27 | Fuji Seal International Inc | 複槽薬剤バッグ封緘体及びその包装体 |
JP2013530104A (ja) * | 2010-05-07 | 2013-07-25 | ポップパック エルエルシー | 独特の開放装置を備えたパッケージ及びパッケージを開放する方法 |
KR20170023786A (ko) * | 2014-03-27 | 2017-03-06 | 아반토르 퍼포먼스 머티리얼스, 인크. | 습기 진입을 억제하기 위한 포장 시스템 및 방법 |
KR101964506B1 (ko) * | 2014-03-27 | 2019-04-01 | 아반토 퍼포먼스 머티리얼즈, 엘엘씨 | 습기 진입을 억제하기 위한 포장 시스템 및 방법 |
CN115258421A (zh) * | 2022-09-01 | 2022-11-01 | 湖南九典制药股份有限公司 | 一种提高胶囊剂稳定性的包装方法 |
CN115258421B (zh) * | 2022-09-01 | 2023-08-15 | 湖南九典制药股份有限公司 | 一种提高胶囊剂稳定性的包装方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3079403B2 (ja) | 複室容器 | |
KR100209830B1 (ko) | 다수의 챔버를 갖는 저장용기 | |
FI107695B (fi) | Säiliö, jossa on useita kammioita | |
JP3419139B2 (ja) | 可撓性複室容器 | |
JP5056754B2 (ja) | 容器 | |
TWI409059B (zh) | 多腔袋 | |
JP3060133B2 (ja) | 複室容器 | |
JP3060132B2 (ja) | 複室容器 | |
JP2004016539A (ja) | 複室容器 | |
JP2004016318A (ja) | 複室容器 | |
JPH11276547A (ja) | 複室容器 | |
JP3707899B2 (ja) | 複室容器 | |
JP3707898B2 (ja) | 複室容器 | |
JP3679219B2 (ja) | 複室容器 | |
JP2003230617A (ja) | 複室容器 | |
JP2003144523A (ja) | 複室容器 | |
JP3070596U (ja) | 複室容器 | |
JP2001252333A (ja) | 医療用複室容器 | |
JP2004329433A (ja) | 複室容器 | |
JP2004305722A (ja) | 薬剤バッグ | |
JP2003225283A (ja) | 複室容器 | |
JPH08215285A (ja) | 複室容器の製造方法 | |
JPH0226869Y2 (ja) | ||
JP2000334042A (ja) | 医療用注射器 | |
JPH1156968A (ja) | 医療用容器の包装体 |