JPH1156968A - 医療用容器の包装体 - Google Patents

医療用容器の包装体

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JPH1156968A
JPH1156968A JP9228988A JP22898897A JPH1156968A JP H1156968 A JPH1156968 A JP H1156968A JP 9228988 A JP9228988 A JP 9228988A JP 22898897 A JP22898897 A JP 22898897A JP H1156968 A JPH1156968 A JP H1156968A
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container
package
moisture
medical container
packaging
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JP9228988A
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 医療用容器の安全な確認使用ができ、使用後
の廃棄処理も簡単にできる医療用容器の包装体を提供。 【構成】 可撓性の樹脂製容器本体からなり、上記容器
本体に内壁面同士の剥離可能な接着シール部が形成され
て上記本体内が複数の室に区分され、少なくとも一の室
には水分の吸収により変質、或いは変色を起こす易吸湿
変質薬が密封収容され、少なくとも他の一の室には液剤
が密封収容され、使用時に上記接着シール部を剥離して
薬剤と液剤とを無菌的に混合しうる医療用容器の包装体
において、上記本体容器壁より水分難透過性又は水分非
透過性の包装材からなり、且つ上記液剤の収容室を密封
包装する第1包装体と、上記本体容器壁より水分難透過
性又は水分非透過性の包装材からなり、且つ上記医療用
容器の全体を密封包装する第2包装体と、第2包装体内
に配せられる乾燥剤と、からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器の包装体に
関するものであり、より詳細には、長期安定保存のため
に基液と水分又は酸素等によって容易に変質、変色する
易変質薬とを異なる室に分けて配した医療用容器を安全
に保存するための包装体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に抗生物質、蛋白質製剤等の凍結乾
燥物はバイアル等に収容されている。凍結乾燥物には水
分や酸素を吸収すると容易に変質するものが多々見られ
る。またアミノ酸製剤や造影剤等の薬液も酸素の介在に
より容易に変質するものがある。また易変質薬は輸液、
透析液、或いは臓器保存溶液の基液と反応し易い場合が
ある。このため、基液と易変質薬とを保存時に別々に収
容して使用時に容易に無菌混合して使用できる医療用容
器の提供がなされている。例えば、樹脂容器からなる医
療用容器を二つの室に分け、一の室には薬液を充填し、
二の室には凍結乾燥物を充填したものがある(特開平6
−14975号公報)。そして、かかる薬液容器の各室
は剥離可能な隔離シール部で仕切られ、薬液収容室を外
側から圧迫することにより、隔離シール部が剥離開放さ
れて使用時に医療用容器内の凍結乾燥物と薬液との混合
ができるものである。従って、このよな薬液容器は容器
圧迫のみで簡単に薬剤を薬液に混注、混合することがで
きるようになっている。このためこのような薬液容器が
頻用される傾向にある。また医療用容器の本体は大部分
が可撓性の樹脂容器からなるため、通常、凍結乾燥物が
易変質薬であれば水分や酸素等に対してバリアー性のあ
る包装体で包装する。また、基液は主に電解質液或いは
単純な薬剤の溶解液であるため、易変質薬を収容した室
のみを上記包装体で包装したものがある(特開平4−3
64851号公報、特開平4−364850号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多室型
のフルキット医療用容器の包装体においては以下の問題
がある。容器を部分的に包装したものは、液剤の収容室
を覆わないため、液剤の収容室にピンホール等が生じて
いた場合でも確認できないまま、患者に使用されるおそ
れがある。このため、医療用容器の安全性を確保するこ
とが難しくなってくる。一般に水分の吸収により変質、
或いは変色を起こす易吸湿変質薬が密封収容されている
収容室は、一旦、包装がなされると、これを取り外して
使用することはない。このため、収容室を覆う包装材が
アルミニウム層等を含むと、使用後の廃棄処理の分別処
理が困難となる。従って、本発明は、医療用容器の安全
な確認使用ができ、使用後の廃棄処理も簡単にできる医
療用容器の包装体を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性の樹脂
製容器本体からなり、上記容器本体に内壁面同士の剥離
可能な接着シール部が形成されて上記本体内が複数の室
に区分され、少なくとも一の室には水分の吸収により変
質、或いは変色を起こす易吸湿変質薬が密封収容され、
少なくとも他の一の室には液剤が密封収容され、使用時
に上記接着シール部を剥離して薬剤と液剤とを無菌的に
混合しうる医療用容器の包装体において、上記本体容器
壁より水分難透過性又は水分非透過性の包装材からな
り、且つ上記液剤の収容室を密封包装する第1包装体
と、上記本体容器壁より水分難透過性又は水分非透過性
の包装材からなり、且つ上記医療用容器の全体を密封包
装する第2包装体と、第2包装体内に配せられる乾燥剤
と、からなる医療用容器の包装体を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
【0005】上記可撓性の樹脂製容器本体は、少なくと
も可撓性壁を有した非定容積性の容器である。上記容器
本体は、インフレーションフィルム、チューブ、シート
及びフィルムから成形したもの、押出成形、射出成形、
又はブロー成形したものである。医療用容器の樹脂素材
としてはポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリ
ル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂である。ま
た樹脂容器は単層又は多層で形成されていても良い。容
器内の薬剤と接触する最内層は、薬剤に影響を与えな
い、また溶出物が生じない樹脂層であることが望まし
い。このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が
望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の低級オレフィン樹脂等が挙げられる。
【0006】上記容器本体には内壁面同士を剥離可能に
接着した接着シール部が形成され、かかる接着シール部
により複数の室に容器本体内が区分されている。接着シ
ール部は接着剤を介した液密なシール或いは熱溶着シー
ル等を挙げることができる。シールの接着剤としては、
ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、炭化
水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒などの溶媒接着
剤、或いは変性オレフィン類、ホットメルト類等の樹脂
接着剤を介した密封シール等がある。また熱溶着シール
としては、ヒートシール、インパルスシール等の外部加
熱による接着、又は超音波接合、高周波接合等の内部加
熱による接着等を挙げることができる。接着シール部は
剥離可能なシール部である。剥離可能なシール部は通常
ピールシール部或いは弱シール部とも称され、外部から
室或いは容器を圧迫し、内部が一定の昇圧状態にさせた
ときに剥離することができるシール部、或いは容器外壁
のそれぞれを把持して引っ張ったときに剥離することの
できるシール等である。上記ピールシール部の剥離強度
は、室内の圧が0.01〜1.0Kgf/cm2、特
に、0.05〜0.5Kgf/cm2の昇圧で剥離する
強度が望ましい。上記範囲を下回る強度であれば、製
造、運搬、保存時等の隔離状態を保つための安全性に欠
ける。上記範囲を上回る強度であれば、用時に室と室同
士の連通操作を容易にすることができなくなるおそれが
ある。
【0007】剥離可能なシール部を熱溶着により形成す
る場合には、容器本体の最内壁層が異なる樹脂ブレンド
物であることが望ましい。特に、異なる樹脂は熱溶融開
始温度、或いはピカッド軟化点が異なり、相溶性のあま
りない樹脂ブレンド物からなることが望ましい。かかる
ブレンド物層を有することより、ピールシール接着のシ
ール温度条件設定が簡単にできる。ピールシール接着に
求められるシール強度、即ち、使用時の外力による易剥
離性と、保存時に剥離が生じないシール強度との関係を
厳密に設定することができる。内層に相溶性の異なる樹
脂を溶融混合しこれをシート状に成形すると、ミクロ的
に熱接着性の異なる部分に分離した内層表面とすること
ができる。そして、任意の温度におけるそのシートの表
面相互のミクロ的な部分の熱溶融性を決めることによ
り、シール強度の強弱を正確に付け、上記効果を容易に
達成するものである。
【0008】接着シール部による複数の室は2つでも良
く、必要により接着シール部を2以上設けて3つ以上の
室を設けても良い。かかる室を区分する接着シール部は
一条のシール部に限らず二条以上のシール部で形成され
ていても良い。上記室の少なくとも一の室には水分によ
る易吸湿変質薬が配せられる。一の室に易吸湿変質薬が
配されるとは、易吸湿変質薬を容器本体の室内に直接収
容しても良く、また他の可撓性容器を容器本体に接続し
て他の可撓性容器を易吸湿変質薬を収容した室としても
良く、またこれらの室に連結口を設けて易吸湿変質薬を
収容した容器の開口と連結してあっても良い。易吸湿変
質薬は、粉状、塊状、顆粒状等の乾燥固形物或いは希に
液剤等を挙げることができ、特に、凍結乾燥により移し
換え収容した抗生物質、生理活性物質、、ホルモン、ビ
タミン、合成薬剤等である。尚、易吸湿性変質薬には酸
素により容易に変質する酸素易変質剤も含まれるため、
このような薬剤にあっては脱酸素剤等を必要とする。他
の室に収容される液剤は、単純な溶解用の無菌水でも良
く、また電解質、糖、アミノ酸、ビタミン等を含む輸液
でも良い。かかる液剤は他の室に密封収容された後に通
常、高圧蒸気滅菌処理されることが安全上望ましい。高
圧蒸気滅菌処理は100℃〜140℃で行われる。従っ
て、このように構成される医療用容器は液剤の収容室を
外部から圧迫して上記接着シール部を使用時に剥離する
だけで、薬剤と薬液とを無菌的に混合しうるものであ
る。
【0009】本発明に係る包装体における第1包装体は
上記医療用容器の本体壁より水分難透過性又は水分非透
過性の包装材からなる。第1包装体は上記液剤の収容室
を完全に密封状態で覆うものである。従って、容器本体
の室と室との境界に包装材の端部が位置し、包装材が容
器本体の接着シール部の領域近傍を挟んだ状態で密封シ
ールし、室と室との境界の外壁面に包装材が熱溶着或い
は接着剤等を介して固着される。上述したように医療用
容器の本体壁は主にポリオレフィン系樹脂から製造され
る。ポリオレフィン系樹脂は水分難透過性であるが、長
期間の保存時にあっては容器壁から水分が若干透過す
る。本体壁の厚みは通常、0.2mm〜0.8mmの範
囲にあり、かかる本体壁の透湿度は0.5〜2.5g/
2・24hr(温度25℃、0−90%RH差)であ
る。従って、第1包装体に係る包装材の透湿度は、1.
0、特に0.5g/m2・24hr(温度25℃、0−
90%RH差)以下であることが望ましい。上記範囲を
上回ると、収容室の液剤が蒸散して第1包装体外に出る
と乾燥剤が直ぐに機能低下してしまうおそれがある。ま
た長期間の間に液剤量が減少して、使用時における混合
後の薬剤濃度が変わる不具合がある。
【0010】第1包装体は2枚のシート或いはフィルム
状の包装材を重ねて周縁を接着シールして成形したも
の、シート又はフィルムを筒状に形成して端部を接着シ
ールしたもの、或いは筒状のインフレーションシート又
はフィルムの端部を接着シールして成形したものであ
る。かかるシート又はフィルムからなる包装材は内層に
接着層を有し、また中間層又は外層に水分難透過性又は
水分非透過性の層を有する多層シート又はフィルムから
なる。また包装材はガス難透過性の性質を共に有したも
のであっても良い。
【0011】具体的な水分難透過性又は水分非透過性包
装材としては、包装壁が殆ど、又は全くガスを透過させ
ないアルミニウム等の金属層、また、ポリオレフィン、
ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、ポリ
3フッ化エチレン、塩酸ゴム等のように水分難透過性の
樹脂層、又はアルミニウム、珪素、マグネシウム、チタ
ン、銀、金等の土類金属若しくは金属、又はその酸化物
の蒸着層等を有するものである。
【0012】本発明に係る包装体の第2包装体は、第1
包装体と同様に上記医療用容器の本体壁より水分難透過
性又は水分非透過性の包装材からなる。第2包装体は包
装体の成形、その包装材の特性、機能、及び構造が第1
包装体と同様であるが、医療用容器の全体を密封包装し
て設けられている。第2包装体内には乾燥剤が配され
る。乾燥剤としては、それ自身吸湿性の強い物質であっ
て化学的乾燥剤でも物理的乾燥剤でも良い。好ましい乾
燥剤としてはシリカゲル、活性アルミナ、塩化カルシウ
ム、モレキュラーシーブス等の多孔質構造物等がある。
かかる乾燥剤を封入することにより、第2包装体の外側
から透過する水分を吸収すると共に、第1包装体を介し
て液剤の収容室内からの水分を吸収する。
【0013】このように構成された本発明に係る医療用
容器の包装体によれば、液剤の収容室に微細なピンホー
ル等が生じていた場合、第1包装体内が曇り、医療用容
器の異常が使用前に容易に確認することができる。この
ため、医療用容器の安全性が保たれる。また使用に当た
っては、第2包装体を外し、医療用容器の安全性を確認
して第1包装体を取り外す。そして、液剤の収容室に外
圧をかけて接着シール部を剥離する。これにより、医療
用容器の室と室とが無菌的に混合され、投与が可能とな
る。投与後、廃棄する際に、第1包装体及び第2包装体
がアルミニウム層或いは焼却時に塩素系物質を排出する
ような塩化ビニリデン系の樹脂フィルム等を分別廃棄す
ることが簡単にできる。
【0014】本発明に係る請求項2記載の医療用容器の
包装体は、請求項1記載の包装体において、上記第2包
装体の包装材は酸素透過度が50cc/m2・24hr(温
度:25℃、dry)以下のガス難透過性又はガス非透過
性であり、上記第2包装体内に脱酸素剤が配されてい
る。上記医療用容器における易吸湿変質薬においては、
酸素によっても容易に変質するような薬剤がある。従っ
て、このような場合、第2包装体は水分難透過性又は水
分非透過性の性質を有するだけでなく、酸素等を透過さ
せないガス難透過性又はガス非透過性の包装材でもある
ことが望ましく、また脱酸素剤が第2包装体内に収容さ
れることが望ましい。
【0015】第2包装体に係る包装材の酸素透過度は、
50cc/m2・24hr(温度:25℃、dry)以下、特に、
30cc/m2・24hr以下、また好ましくは5cc/m2・24
hr以下、更には1cc/m2・24hr以下であることが望ま
しい。酸素透過量が上記範囲を上回る包装材では、脱酸
素剤を包装体内に配しても長期間の酸素の除脱ができな
くなるおそれがある。具体的なガス難透過性又はガス非
透過性包装材としては、包装壁が殆ど、又は全くガスを
透過させないアルミニウム等の金属層、またポリ塩化ビ
ニリデン、ポリエステル、ナイロン、エチレン−ビニル
アルコール共重合体、フッ素系樹脂等のようにガスバリ
アー性の高い樹脂層、又はアルミニウム、珪素、マグネ
シウム、チタン、銀、金等の土類金属若しくは金属、又
はその酸化物の蒸着層等を有するものである。脱酸素剤
としては、アスコルビン酸、カテコール系化合物を主体
とした有機系のもの、或いは鉄等の金属及びハロゲン化
金属からなる粉末状のものなどがある。具体的には、商
品名「エージレス」(三菱瓦斯化学株式会社)やその他
のメーカー等から市販されているものである。脱酸素剤
としては、酸素吸収のみ行うもの、酸素を吸収して炭酸
ガスを発生するもの等がある。
【0016】本発明に係る医療用容器の包装体は、請求
項1又は2記載の医療用容器の包装体において、上記医
療用容器は接着シール部の近傍で折り曲げられた状態で
上記第2包装体で包装され、上記乾燥剤が薬剤の収容室
と液剤の収容室との間に配されていることを特徴とす
る。上記医療用容器を接着シール部で折り曲げた状態と
して第2包装体で包装した場合、かかる接着シール部は
医療用容器の運搬中等に容易に剥離することがないよう
に維持される。また、乾燥剤は医療用容器の薬剤の収容
室と溶解液の収容室との間に配されるため、折り曲げて
包装した効果と相まって乾燥剤が収容室の薬剤に集中的
に作用させることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の包装体の好
ましい実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1
は第一実施例に係る医療用容器の包装体の側断面につい
ての概要図である。図2は第一実施例に係る包装体に収
納される医療用容器本体の平断面図である。図3は第一
実施例に係る包装体の医療用容器に第1包装体を取り付
けた平面図である。図4は第一実施例に係る包装体にお
ける第1包装体の包装材の拡大断面図である。図5は第
一実施例に係る包装体の医療用容器に薬剤を充填した状
態を示す平面図である。
【0018】第一実施例に係る医療用容器の包装体1
は、図1〜図5に示す如く可撓性の樹脂製容器本体2か
らなり、上記容器本体2に内壁面同士の剥離可能な接着
シール部3が形成されて上記本体2内が複数の室4、5
に区分され、一の室4には水分の吸収により変質、或い
は変色を起こす易吸湿変質薬である凍結乾燥剤6が密封
収容され、他の室5には液剤である溶解液7が密封収容
され、使用時に接着シール部3を剥離して凍結乾燥剤6
と溶解液7とを無菌的に混合しうる医療用容器の包装体
である。包装体1は上記本体2の容器壁より水分難透過
性及び水分非透過性の包装材8A、8Bからなり、且つ
上記溶解液7の収容室5を密封包装する第1包装体8
と、上記本体2の容器壁より水分難透過性の包装材から
なり、且つ上記医療用容器2の全体を密封包装する第2
包装体9と、第2包装体9内に配せられる乾燥剤10
と、からなる。上記第2包装体9の包装材は酸素透過度
が50cc/m2・24hr(温度:25℃、dry)以下のガス
難透過性であり、上記第2包装体9内に脱酸素剤11が
配されている。上記医療用容器2は接着シール部3の近
傍で折り曲げられた状態で上記第2包装体9で包装さ
れ、上記乾燥剤9が凍結乾燥剤6の収容室4と溶解液7
の収容室5との間に配されている。
【0019】本実施例に係る包装体1を更に詳しく説明
すると、包装体1に収納される容器本体2は医療用容器
である。容器本体2はブロー成形物であり、ブロー成形
物の胴壁の厚みは250μmで、その容量は160ml
で、長さが150mmで、幅が80mmである。ブロー
成形物の胴壁は外層と内層との二層に成形され、外層は
厚みが220μmの直鎖状低密度ポリエチレン(密度:
0.935g/cm3、MI:2、融点:121℃)か
らなる。内層は厚みが30μmの直鎖状低密度ポリエチ
レン(密度:0.935g/cm3、融点:121℃)
とポリプロピレン(密度:0.900g/cm3、M
I:0.7、融点:165℃)とを2:1の割合で混合
したブレンド物の層からなる。ブロー成形物はブロー成
形時のブロー吹出口が医療用容器における排出ポート1
5として形成されている。図2に示す如く、容器本体2
の胴部にはその胴部の横断方向に沿って2条の熱接着シ
ール部3、3が形成され、接着シール3、3は容器本体
2内を収容室4と収容室5の2室に区分している。接着
シール部3、3は剥離可能なピールシールで形成され、
そのシール強度は、容器本体2の内部圧を0.2Kgf
/cm2のにした時に剥離するように形成されている。
【0020】図2及び図3に示す如く容器本体2の収容
室5には溶解液7が密封収容され、収容室5は第1包装
体8に覆われている。包装体8は2枚のフィルム8A、
8Bの互いの周縁を熱溶着シールして形成され、周縁シ
ール部16は剥離可能な弱シールにより形成されてい
る。そして、周縁シール部16のコーナーは一部剥離さ
れて開封部17として形成されている。第1包装体8は
2枚の包装材シート8A、8Bからなり、表シート8A
と表シート8Bとは上述したように上下左右の周縁が気
密に熱溶着シールされて周縁シール部16が形成されて
いる。また、包装体8には容器本体2の接着シール部
3、3を挟んで熱溶着シールにより密封端部シール16
Aが形成され、溶解液7の収容室5が密封包装されてい
る。
【0021】図4に示す如く表シート8Aは透明で、最
内層21が直鎖状低密度ポリエチレン及びプロピレンの
ブレンド物層であり、中間層22がポリエチレンテレフ
タレートのシリカ蒸着層であり、外層23が延伸ポリプ
ロピレン層であり、水分難透過性及びガス難透過性で、
透湿度が0.4g/m2・24hr(温度:25℃、90%
RH)及び酸素透過度が0.7cc/m2・24hr(温度:
25℃、乾燥)である。裏シート8Bは非透明で、最内
層24が直鎖状低密度ポリエチレン及びプロピレンのブ
レンド物層であり、中間層25がアルミニウム層であ
り、外層26が延伸ポリプロピレン層であり、水分・ガ
ス非透過性で、透湿度及び酸素透過度が実質的に殆ど遮
断される。
【0022】図5に示す如く容器本体2の収容室4には
凍結乾燥剤6が収容され、凍結乾燥剤6は無菌充填され
て収容されている。凍結乾燥剤6及び溶解液7が収容さ
れた容器本体2は接着シール部3、3の間で折り曲げら
れた状態で第2包装体9に密封収納される。第2包装体
の包装材は内層からポリエチレン層/シリカ蒸着層/ポ
リエチレンテレフタレート層で形成される透明フィルム
からなる。このため、包装材の透湿度が0.5g/m2
・24hr(温度:25℃、90%RH)及び酸素透過度が
0.5cc/m2・24hr(温度:25℃、乾燥)である。
包装体2内には乾燥剤10及び脱酸素剤11が密封収納
される。乾燥剤11は折り曲げられた容器本体2の間に
挿入される。乾燥剤10はモレキュラーシーブスからな
り、脱酸素剤11は炭酸ガス非発生型の除酸素剤であ
る。
【0023】次に、医療用容器の製造及びその包装方法
について説明する。先ず、図2に示す如くブロー成形に
より容器本体2を成形する。次に、容器本体2の胴部に
接着シール部3、3を形成する。接着シール部3のシー
ル条件温度は130℃前後で行われ剥離可能なシールと
する。接着シール部3により形成された容器本体2の各
室4、5を洗滌乾燥し、溶解液7を除菌フィルタを通し
た後に排出ポート15を介して収容室5に充填する。充
填後、排出ポート15にゴム栓19をしてこれを容器の
排出口とする。次に、容器本体2を温度110℃で高圧
蒸気滅菌処理して、溶解液7の蒸気滅菌処理をすると共
に、収容室4内も滅菌状態とする。容器本体2の収容室
4を第1包装体8を覆って密封包装する。密封包装は周
縁シール部16の形成により行い、周縁シール部16は
インパルスシーラーにより温度135℃で形成され、剥
離可能なピールシールとして形成されている。図5に示
す如く容器本体2を無菌室に搬入し、容器本体2の端部
2Aを切開し、切開部から凍結乾燥剤6を無菌充填す
る。無菌充填後、容器本体2の端部2Aを熱溶着シール
して完全に固着シールする。凍結乾燥剤6を収容室4に
収容した後、容器本体2を接着シール部3、3で折り曲
げ、乾燥剤10及び脱酸素剤11と共に第2包装体9で
密封包装する。包装体9はピロー包装がなされる。
【0024】このように構成された医療用容器の包装体
1においては、溶解液7の収容室4に微細なピンホール
等が生じていた場合、第1包装体8内が曇り、医療用容
器2の異常が使用前に容易に確認することができる。こ
のため、医療用容器2の安全性が保たれる。また使用に
当たっては、第2包装体9を外し、医療用容器2の安全
性を確認して第1包装体8を取り外す。そして、溶解液
7の収容室4に外圧をかけて接着シール部3、3を剥離
する。これにより、医療用容器2の室4と室5とが無菌
的に連通され、凍結乾燥剤6と溶解液7が混合され投与
が可能となる。投与後、廃棄する際に、第1包装体8及
び第2包装体9がアルミニウム層或いは焼却時に塩素系
物質を排出するような塩化ビニリデン系の樹脂フィルム
等を分別廃棄することが簡単にできる。
【0025】上記第2包装体9の包装材はガス難透過性
であり、上記第2包装体9内に脱酸素剤11が配される
ので、凍結乾燥剤6が第2包装体9から透過してくる酸
素によっても容易に変質するおそれがない。上記医療用
容器2は接着シール部3、3の近傍で折り曲げられた状
態で上記第2包装体9で包装され、乾燥剤10が収容室
と収容室との間に配されている。上記医療用容器2を接
着シール部3、3で折り曲げた状態として第2包装体9
で包装した場合、かかる接着シール部3、3は医療用容
器2の運搬中等に容易に剥離することがないように維持
される。また、乾燥剤10は医療用容器2の凍結乾燥剤
6の収容室4と溶解液7の収容室5との間に配されるた
め、折り曲げて包装した効果と相まって乾燥剤6が収容
室4の凍結乾燥剤6に集中的に作用させることができ
る。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器の包装体は、上記本体容器壁より水分難透過性又は
水分非透過性の包装材からなり、且つ上記液剤の収容室
を密封包装する第1包装体と、上記本体容器壁より水分
難透過性又は水分非透過性の包装材からなり、且つ上記
医療用容器の全体を密封包装する第2包装体と、第2包
装体内に配せられる乾燥剤と、からなるため、医療用容
器の安全な確認使用ができ、使用後の廃棄処理も簡単に
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第一実施例に係る医療用容器の包装体の
側断面についての概要図である。
【図2】図2は第一実施例に係る包装体に収納される医
療用容器本体の平断面図である。
【図3】図3は第一実施例に係る包装体の医療用容器に
第1包装体を取り付けた平面図である。
【図4】図4は第一実施例に係る包装体における第1包
装体の包装材の拡大断面図である。
【図5】図5は第一実施例に係る包装体の医療用容器に
薬剤を充填した状態を示す平面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器の包装体 2 容器本体 3 接着シール部 4 薬剤収容部 5 液剤収容部 6 凍結乾燥剤 7 溶解液 8 第1包装体 9 第2包装体 10 乾燥剤 11 脱酸素剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性の樹脂製容器本体からなり、上記
    容器本体に内壁面同士の剥離可能な接着シール部が形成
    されて上記本体内が複数の室に区分され、少なくとも一
    の室には水分の吸収により変質、或いは変色を起こす易
    吸湿変質薬が密封収容され、少なくとも他の一の室には
    液剤が密封収容され、使用時に上記接着シール部を剥離
    して薬剤と液剤とを無菌的に混合しうる医療用容器の包
    装体において、 上記本体容器壁より水分難透過性又は水分非透過性の包
    装材からなり、且つ上記液剤の収容室を密封包装する第
    1包装体と、上記本体容器壁より水分難透過性又は水分
    非透過性の包装材からなり、且つ上記医療用容器の全体
    を密封包装する第2包装体と、第2包装体内に配せられ
    る乾燥剤と、からなる医療用容器の包装体。
  2. 【請求項2】 上記第2包装体の包装材は酸素透過度が
    50cc/m2・24hr(温度:25℃、dry)以下のガス難
    透過性又はガス非透過性であり、上記第2包装体内に脱
    酸素剤が配されている請求項2記載の医療用容器の包装
    体。
  3. 【請求項3】 上記医療用容器は接着シール部の近傍で
    折り曲げられた状態で上記第2包装体で包装され、上記
    乾燥剤が薬剤の収容室と液剤の収容室との間に配されて
    いることを特徴とする請求項1又は2記載の医療用容器
    の包装体。
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