JPH11114015A - 医療用容器 - Google Patents
医療用容器Info
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- JPH11114015A JPH11114015A JP9293282A JP29328297A JPH11114015A JP H11114015 A JPH11114015 A JP H11114015A JP 9293282 A JP9293282 A JP 9293282A JP 29328297 A JP29328297 A JP 29328297A JP H11114015 A JPH11114015 A JP H11114015A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 乾燥剤の機能を長期間維持することができ、
易変質薬成分を安全に長期間保存することのできる医療
用容器を提供。 【構成】 可撓性の樹脂製本体からなり、上記本体に内
壁面同士の剥離可能な接着シール部が形成されて上記本
体内が複数の室に区分され、少なくとも一の室には水分
の吸収により変質、或いは変色を起こす吸湿易変質薬が
密封収容され、少なくとも他の一の室には液剤が密封収
容され、使用時に上記接着シール部を剥離して薬剤と液
剤とを無菌的に混合しうる医療用容器において、上記本
体は難透湿性の材料からなり、上記本体の上記易変質薬
の収容室内には乾燥剤を封入した封入室が形成され、上
記封入室がポリオレフィン系で上記本体より易透湿性の
材料で形成されていることを特徴とする。
易変質薬成分を安全に長期間保存することのできる医療
用容器を提供。 【構成】 可撓性の樹脂製本体からなり、上記本体に内
壁面同士の剥離可能な接着シール部が形成されて上記本
体内が複数の室に区分され、少なくとも一の室には水分
の吸収により変質、或いは変色を起こす吸湿易変質薬が
密封収容され、少なくとも他の一の室には液剤が密封収
容され、使用時に上記接着シール部を剥離して薬剤と液
剤とを無菌的に混合しうる医療用容器において、上記本
体は難透湿性の材料からなり、上記本体の上記易変質薬
の収容室内には乾燥剤を封入した封入室が形成され、上
記封入室がポリオレフィン系で上記本体より易透湿性の
材料で形成されていることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、長期安定保存のために基液と
水分又は酸素等によって容易に変質、変色する易変質薬
とを異なる室に分けて配した医療用容器に関するもので
ある。特に、乾燥剤の脱湿機能を長期間維持して易変質
薬の収容室内を乾燥状態に十分に維持することのできる
医療用容器に関するものである。
のであり、より詳細には、長期安定保存のために基液と
水分又は酸素等によって容易に変質、変色する易変質薬
とを異なる室に分けて配した医療用容器に関するもので
ある。特に、乾燥剤の脱湿機能を長期間維持して易変質
薬の収容室内を乾燥状態に十分に維持することのできる
医療用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に保存に際して二以上の薬剤成分を
分けて収容し、使用時に各薬剤成分を無菌的に混合して
投与する構造を有する医療用容器は既に提案されている
(特開昭63−19149号公報、特開平1−2404
69号公報、特開平2−4671号公報)。これらは高
カロリー輸液剤容器に関するものであり、容器の胴壁の
横断方向に内壁同士を剥離可能に熱溶着シールして容器
内を二室に分け、一の室に糖溶液を収容し、他の室にア
ミノ酸溶液を収容したものである。このような輸液容器
では保存時に糖溶液とアミノ酸溶液とが分けて収容され
るため高圧蒸気滅菌の処理中或いは保存中に、薬剤成分
中の糖とアミノ酸とが反応して変質を起こすことがな
い。また、使用時にあっては上記二室を分ける剥離可能
なシール部を外側からの操作によって剥離すれば、各薬
剤成分を無菌的に容易に混合することができる。また、
このような複室容器にあっては一の室に抗生物質、蛋白
質製剤等の凍結乾燥物が収容され、他の室にはその溶解
液が収容されたものが提案されている(特開平4−36
4850号公報、特開平4−364851号公報、特開
平6−14975号公報)。そして、抗生物質などの凍
結乾燥物は水分や酸素を嫌うため、乾燥薬剤の収容室の
みが水分或いはガスバリアー性の包装材で包装されてい
る。
分けて収容し、使用時に各薬剤成分を無菌的に混合して
投与する構造を有する医療用容器は既に提案されている
(特開昭63−19149号公報、特開平1−2404
69号公報、特開平2−4671号公報)。これらは高
カロリー輸液剤容器に関するものであり、容器の胴壁の
横断方向に内壁同士を剥離可能に熱溶着シールして容器
内を二室に分け、一の室に糖溶液を収容し、他の室にア
ミノ酸溶液を収容したものである。このような輸液容器
では保存時に糖溶液とアミノ酸溶液とが分けて収容され
るため高圧蒸気滅菌の処理中或いは保存中に、薬剤成分
中の糖とアミノ酸とが反応して変質を起こすことがな
い。また、使用時にあっては上記二室を分ける剥離可能
なシール部を外側からの操作によって剥離すれば、各薬
剤成分を無菌的に容易に混合することができる。また、
このような複室容器にあっては一の室に抗生物質、蛋白
質製剤等の凍結乾燥物が収容され、他の室にはその溶解
液が収容されたものが提案されている(特開平4−36
4850号公報、特開平4−364851号公報、特開
平6−14975号公報)。そして、抗生物質などの凍
結乾燥物は水分や酸素を嫌うため、乾燥薬剤の収容室の
みが水分或いはガスバリアー性の包装材で包装されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、医療用容器
の易変質薬を収容した医療用容器の室をバリアー性の包
装体で気密に覆う従来の構造では、包装体がアルミニウ
ム層等を含む不透明で完全な非透湿性及びガス非透過性
のフィルムであれば問題はない。このような包装体にあ
っては外部からの水蒸気或いは酸素などが包装体内に入
るおそれは殆どない。このため、包装体内に収納した乾
燥剤或いは脱酸素剤を多量に用いることなく、水分或い
は酸素を存在させない状態に医療用容器の収容室内を長
期間維持させることができる。しかし、医療用容器にあ
っては医療用容器内の薬剤成分を確認することが必要と
され、包装体で包装した場合でも収容室内の薬剤成分が
見えなければならない。このため、包装体もある程度の
透明性を有する材料が要求され、包装体に透明性を賦与
すれば当然バリアー性が不完全となる。バリアー性の完
全でない水分難透過性の包装体としては、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリテトラフロロエチレン、ポリ3フッ化エチ
レン、塩酸ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のよ
うに水蒸気バリアー性の高い樹脂層、アルミニウム、珪
素、マグネシウム、チタン、銀、金等の土類金属若しく
は金属、又はその酸化物の蒸着層等を有するものであ
る。包装体における水分バリアー性層の透湿量は、一般
に1.0g/m2・day(温度:40℃、0−90%
RH)以下である。しかしながら、このような水分難透
過性の包装体で包装する医療用容器にあっては、その医
療用容器が約3年間保存される間に包装体全体の外から
水分を多量に吸収するため乾燥剤がその機能を維持でき
なくるおそれがある。このため、包装体の一部にアルミ
ニウム層を有した包装体部分を使用してできる限り外界
からの水分を吸収しないようにしている。従って、本発
明は、乾燥剤の機能を長期間維持することができ、易変
質薬成分を安全に長期間保存することのできる医療用容
器を提供することを目的としている。
の易変質薬を収容した医療用容器の室をバリアー性の包
装体で気密に覆う従来の構造では、包装体がアルミニウ
ム層等を含む不透明で完全な非透湿性及びガス非透過性
のフィルムであれば問題はない。このような包装体にあ
っては外部からの水蒸気或いは酸素などが包装体内に入
るおそれは殆どない。このため、包装体内に収納した乾
燥剤或いは脱酸素剤を多量に用いることなく、水分或い
は酸素を存在させない状態に医療用容器の収容室内を長
期間維持させることができる。しかし、医療用容器にあ
っては医療用容器内の薬剤成分を確認することが必要と
され、包装体で包装した場合でも収容室内の薬剤成分が
見えなければならない。このため、包装体もある程度の
透明性を有する材料が要求され、包装体に透明性を賦与
すれば当然バリアー性が不完全となる。バリアー性の完
全でない水分難透過性の包装体としては、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリテトラフロロエチレン、ポリ3フッ化エチ
レン、塩酸ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のよ
うに水蒸気バリアー性の高い樹脂層、アルミニウム、珪
素、マグネシウム、チタン、銀、金等の土類金属若しく
は金属、又はその酸化物の蒸着層等を有するものであ
る。包装体における水分バリアー性層の透湿量は、一般
に1.0g/m2・day(温度:40℃、0−90%
RH)以下である。しかしながら、このような水分難透
過性の包装体で包装する医療用容器にあっては、その医
療用容器が約3年間保存される間に包装体全体の外から
水分を多量に吸収するため乾燥剤がその機能を維持でき
なくるおそれがある。このため、包装体の一部にアルミ
ニウム層を有した包装体部分を使用してできる限り外界
からの水分を吸収しないようにしている。従って、本発
明は、乾燥剤の機能を長期間維持することができ、易変
質薬成分を安全に長期間保存することのできる医療用容
器を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性の樹脂
製本体からなり、上記本体に内壁面同士の剥離可能な接
着シール部が形成されて上記本体内が複数の室に区分さ
れ、少なくとも一の室には水分の吸収により変質、或い
は変色を起こす吸湿易変質薬が密封収容され、少なくと
も他の一の室には液剤が密封収容され、使用時に上記接
着シール部を剥離して薬剤と液剤とを無菌的に混合しう
る医療用容器において、上記本体は難透湿性の材料から
なり、上記本体の上記易変質薬の収容室内には乾燥剤を
封入した封入室が形成され、上記封入室がポリオレフィ
ン系で上記本体より易透湿性の材料で形成されているこ
とを特徴とする医療用容器を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
製本体からなり、上記本体に内壁面同士の剥離可能な接
着シール部が形成されて上記本体内が複数の室に区分さ
れ、少なくとも一の室には水分の吸収により変質、或い
は変色を起こす吸湿易変質薬が密封収容され、少なくと
も他の一の室には液剤が密封収容され、使用時に上記接
着シール部を剥離して薬剤と液剤とを無菌的に混合しう
る医療用容器において、上記本体は難透湿性の材料から
なり、上記本体の上記易変質薬の収容室内には乾燥剤を
封入した封入室が形成され、上記封入室がポリオレフィ
ン系で上記本体より易透湿性の材料で形成されているこ
とを特徴とする医療用容器を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
【0005】上記可撓性の樹脂製容器本体は、少なくと
も可撓性壁を有した非定容積性の容器である。上記容器
本体は、インフレーションフィルム、チューブ、シート
及びフィルムから成形したもの、押出成形、射出成形、
又はブロー成形したものである。医療用容器の樹脂素材
としてはポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリ
ル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂である。ま
た樹脂容器は単層又は多層で形成されていても良い。容
器内の薬剤と接触する最内層は、薬剤に影響を与えな
い、また溶出物が生じない樹脂層であることが望まし
い。このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が
望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の低級オレフィン樹脂、環状ポリオレフ
ィン、或いはこれらの2以上の共重合体等が挙げられ
る。
も可撓性壁を有した非定容積性の容器である。上記容器
本体は、インフレーションフィルム、チューブ、シート
及びフィルムから成形したもの、押出成形、射出成形、
又はブロー成形したものである。医療用容器の樹脂素材
としてはポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリ
ル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂である。ま
た樹脂容器は単層又は多層で形成されていても良い。容
器内の薬剤と接触する最内層は、薬剤に影響を与えな
い、また溶出物が生じない樹脂層であることが望まし
い。このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が
望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン等の低級オレフィン樹脂、環状ポリオレフ
ィン、或いはこれらの2以上の共重合体等が挙げられ
る。
【0006】上記容器本体には内壁面同士を剥離可能に
接着した接着シール部が形成され、かかる接着シール部
により複数の室に容器本体内が区分されている。接着シ
ール部は接着剤を介した液密なシール或いは熱溶着シー
ル等を挙げることができる。シールの接着剤としては、
ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、炭化
水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒などの溶媒接着
剤、或いは変性オレフィン類、ホットメルト類等の樹脂
接着剤を介した密封シール等がある。また熱溶着シール
としては、ヒートシール、インパルスシール等の外部加
熱による接着、又は超音波接合、高周波接合等の内部加
熱による接着等を挙げることができる。接着シール部は
剥離可能なシール部である。剥離可能なシール部は通常
ピールシール部或いは弱シール部とも称され、外部から
室或いは容器を圧迫し、内部が一定の昇圧状態にさせた
ときに剥離することができるシール部、或いは容器外壁
のそれぞれを把持して引っ張ったときに剥離することの
できるシール等である。上記ピールシール部の剥離強度
は、室内の圧が0.01〜1.0Kgf/cm2、特
に、0.05〜0.5Kgf/cm2の昇圧で剥離する
強度が望ましい。上記範囲を下回る強度であれば、製
造、運搬、保存時等の隔離状態を保つための安全性に欠
ける。上記範囲を上回る強度であれば、用時に室と室同
士の連通操作を容易にすることができなくなるおそれが
ある。
接着した接着シール部が形成され、かかる接着シール部
により複数の室に容器本体内が区分されている。接着シ
ール部は接着剤を介した液密なシール或いは熱溶着シー
ル等を挙げることができる。シールの接着剤としては、
ケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、炭化
水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒などの溶媒接着
剤、或いは変性オレフィン類、ホットメルト類等の樹脂
接着剤を介した密封シール等がある。また熱溶着シール
としては、ヒートシール、インパルスシール等の外部加
熱による接着、又は超音波接合、高周波接合等の内部加
熱による接着等を挙げることができる。接着シール部は
剥離可能なシール部である。剥離可能なシール部は通常
ピールシール部或いは弱シール部とも称され、外部から
室或いは容器を圧迫し、内部が一定の昇圧状態にさせた
ときに剥離することができるシール部、或いは容器外壁
のそれぞれを把持して引っ張ったときに剥離することの
できるシール等である。上記ピールシール部の剥離強度
は、室内の圧が0.01〜1.0Kgf/cm2、特
に、0.05〜0.5Kgf/cm2の昇圧で剥離する
強度が望ましい。上記範囲を下回る強度であれば、製
造、運搬、保存時等の隔離状態を保つための安全性に欠
ける。上記範囲を上回る強度であれば、用時に室と室同
士の連通操作を容易にすることができなくなるおそれが
ある。
【0007】剥離可能なシール部を熱溶着により形成す
る場合には、容器本体の最内壁層が異なる樹脂ブレンド
物であることが望ましい。特に、異なる樹脂は熱溶融開
始温度、或いはピカッド軟化点が異なり、相溶性のあま
りない樹脂ブレンド物からなることが望ましい。かかる
ブレンド物層を有することより、ピールシール接着のシ
ール温度条件設定が簡単にできる。ピールシール接着に
求められるシール強度、即ち、使用時の外力による易剥
離性と、保存時に剥離が生じないシール強度との関係を
厳密に設定することができる。内層に相溶性の異なる樹
脂を溶融混合しこれをシート状に成形すると、ミクロ的
に熱接着性の異なる部分に分離した内層表面とすること
ができる。そして、任意の温度におけるそのシートの表
面相互のミクロ的な部分の熱溶融性を決めることによ
り、シール強度の強弱を正確に付け、上記効果を容易に
達成するものである。
る場合には、容器本体の最内壁層が異なる樹脂ブレンド
物であることが望ましい。特に、異なる樹脂は熱溶融開
始温度、或いはピカッド軟化点が異なり、相溶性のあま
りない樹脂ブレンド物からなることが望ましい。かかる
ブレンド物層を有することより、ピールシール接着のシ
ール温度条件設定が簡単にできる。ピールシール接着に
求められるシール強度、即ち、使用時の外力による易剥
離性と、保存時に剥離が生じないシール強度との関係を
厳密に設定することができる。内層に相溶性の異なる樹
脂を溶融混合しこれをシート状に成形すると、ミクロ的
に熱接着性の異なる部分に分離した内層表面とすること
ができる。そして、任意の温度におけるそのシートの表
面相互のミクロ的な部分の熱溶融性を決めることによ
り、シール強度の強弱を正確に付け、上記効果を容易に
達成するものである。
【0008】接着シール部による複数の室は2つでも良
く、必要により接着シール部を2以上設けて3つ以上の
室を設けても良い。かかる室を区分する接着シール部は
一条のシール部に限らず二条以上のシール部で形成され
ていても良い。上記室の少なくとも一の室には水分によ
る易変質薬が配せられる。一の室に易変質薬が配される
とは、易変質薬を容器本体の室内に直接収容しても良
く、また他の可撓性容器を容器本体に接続して他の可撓
性容器を易変質薬を収容した室としても良く、またこれ
らの室に連結口を設けて易変質薬を収容した容器の開口
と連結してあっても良い。易変質薬は、粉状、塊状、顆
粒状等の乾燥固形物或いは希に液剤等を挙げることがで
き、特に、凍結乾燥により移し換え収容した抗生物質、
生理活性物質、ホルモン、ビタミン、合成薬剤等であ
る。尚、易変質薬には酸素により容易に変質する酸素易
変質剤も含まれるため、このような薬剤にあっては脱酸
素剤等を必要とする。他の室に収容される液剤は、単純
な溶解用の無菌水でも良く、また電解質、糖、アミノ
酸、ビタミン等を含む輸液でも良い。かかる液剤は他の
室に密封収容された後に通常、高圧蒸気滅菌処理される
ことが安全上望ましい。高圧蒸気滅菌処理は100℃〜
140℃で行われる。従って、このように構成される医
療用容器は液剤の収容室を外部から圧迫して上記接着シ
ール部を使用時に剥離するだけで、薬剤と薬液とを無菌
的に混合しうるものである。
く、必要により接着シール部を2以上設けて3つ以上の
室を設けても良い。かかる室を区分する接着シール部は
一条のシール部に限らず二条以上のシール部で形成され
ていても良い。上記室の少なくとも一の室には水分によ
る易変質薬が配せられる。一の室に易変質薬が配される
とは、易変質薬を容器本体の室内に直接収容しても良
く、また他の可撓性容器を容器本体に接続して他の可撓
性容器を易変質薬を収容した室としても良く、またこれ
らの室に連結口を設けて易変質薬を収容した容器の開口
と連結してあっても良い。易変質薬は、粉状、塊状、顆
粒状等の乾燥固形物或いは希に液剤等を挙げることがで
き、特に、凍結乾燥により移し換え収容した抗生物質、
生理活性物質、ホルモン、ビタミン、合成薬剤等であ
る。尚、易変質薬には酸素により容易に変質する酸素易
変質剤も含まれるため、このような薬剤にあっては脱酸
素剤等を必要とする。他の室に収容される液剤は、単純
な溶解用の無菌水でも良く、また電解質、糖、アミノ
酸、ビタミン等を含む輸液でも良い。かかる液剤は他の
室に密封収容された後に通常、高圧蒸気滅菌処理される
ことが安全上望ましい。高圧蒸気滅菌処理は100℃〜
140℃で行われる。従って、このように構成される医
療用容器は液剤の収容室を外部から圧迫して上記接着シ
ール部を使用時に剥離するだけで、薬剤と薬液とを無菌
的に混合しうるものである。
【0009】本発明に係る医療用容器は、上記本体は難
透湿性の材料からなり、上記本体の上記易変質薬の収容
室内には乾燥剤を封入した封入室が形成され、上記封入
室がポリオレフィン系樹脂で上記本体より易透湿性の材
料で形成されていることを特徴とする。上記本体壁は難
透湿性材料であることが望ましい。本体壁の透湿度は、
1.0g/m2・24hr(温度40℃、0−90%R
H差)以下、特に0.5〜0.01g/m2・24hr
(温度40℃、0−90%RH差)であることが望まし
い。このような難透湿性材料であれば、外界からの水蒸
気の本体内への透過速度が遅く、本体内の易変質薬は外
界からの水分による影響を受け難い。このような難透湿
性材料としては具体的に、ポリ塩化ビニリデン、ポリテ
トラフロロエチレン、ポリ3フッ化エチレン、塩酸ゴ
ム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のように水蒸気バ
リアー性の高い樹脂層、アルミニウム、珪素、マグネシ
ウム、チタン、銀、金等の土類金属若しくは金属、又は
その酸化物の蒸着層等を有するものである。特に、本体
内には薬剤成分が収容されることから薬剤成分に影響を
与えない材料が好ましく、このような難透湿性と薬品安
全性とを備えた材料としては、環状オレフィンの重合体
或いは環状オレフィンと他のエチレン、プロピレン等と
の共重合体等が特に望ましく、本体はこのような樹脂を
内層として有していることが望ましい。
透湿性の材料からなり、上記本体の上記易変質薬の収容
室内には乾燥剤を封入した封入室が形成され、上記封入
室がポリオレフィン系樹脂で上記本体より易透湿性の材
料で形成されていることを特徴とする。上記本体壁は難
透湿性材料であることが望ましい。本体壁の透湿度は、
1.0g/m2・24hr(温度40℃、0−90%R
H差)以下、特に0.5〜0.01g/m2・24hr
(温度40℃、0−90%RH差)であることが望まし
い。このような難透湿性材料であれば、外界からの水蒸
気の本体内への透過速度が遅く、本体内の易変質薬は外
界からの水分による影響を受け難い。このような難透湿
性材料としては具体的に、ポリ塩化ビニリデン、ポリテ
トラフロロエチレン、ポリ3フッ化エチレン、塩酸ゴ
ム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のように水蒸気バ
リアー性の高い樹脂層、アルミニウム、珪素、マグネシ
ウム、チタン、銀、金等の土類金属若しくは金属、又は
その酸化物の蒸着層等を有するものである。特に、本体
内には薬剤成分が収容されることから薬剤成分に影響を
与えない材料が好ましく、このような難透湿性と薬品安
全性とを備えた材料としては、環状オレフィンの重合体
或いは環状オレフィンと他のエチレン、プロピレン等と
の共重合体等が特に望ましく、本体はこのような樹脂を
内層として有していることが望ましい。
【0010】上記本体の上記易変質薬収容室内には乾燥
剤を封入した封入室が形成され、上記封入室がポリオレ
フィン系樹脂で上記本体壁より易透湿性の壁で形成され
ていることを特徴とする。上記封入室は本体の内壁に取
り付けられて固定されていても、固定されていなくても
良いが、乾燥剤を完全に封入した室となっている。そし
て、封入室の最外層は易変質薬と接するため、薬剤成分
に影響を与えないポリオレフィン系樹脂であることが望
ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の汎用樹脂を挙げることができ
る。また封入室は上記本体より易透湿性の材料である。
封入室の壁は本体壁に比べて透湿度が5〜100倍、特
に10〜100倍であることが望ましい。このように封
入室の壁が本体壁より透湿速度が速いため、本体壁を透
過する収容室内の水分を封入室の乾燥剤で速やかに吸収
することができ、収容室内を外界の相対湿度のほぼ1/
5以下に維持することができる。乾燥剤としては、それ
自身吸湿性の強い物質であって化学的乾燥剤でも物理的
乾燥剤でも良い。好ましい乾燥剤としてはシリカゲル、
活性アルミナ、塩化カルシウム、モレキュラーシーブス
等の多孔質構造物等がある。
剤を封入した封入室が形成され、上記封入室がポリオレ
フィン系樹脂で上記本体壁より易透湿性の壁で形成され
ていることを特徴とする。上記封入室は本体の内壁に取
り付けられて固定されていても、固定されていなくても
良いが、乾燥剤を完全に封入した室となっている。そし
て、封入室の最外層は易変質薬と接するため、薬剤成分
に影響を与えないポリオレフィン系樹脂であることが望
ましい。ポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の汎用樹脂を挙げることができ
る。また封入室は上記本体より易透湿性の材料である。
封入室の壁は本体壁に比べて透湿度が5〜100倍、特
に10〜100倍であることが望ましい。このように封
入室の壁が本体壁より透湿速度が速いため、本体壁を透
過する収容室内の水分を封入室の乾燥剤で速やかに吸収
することができ、収容室内を外界の相対湿度のほぼ1/
5以下に維持することができる。乾燥剤としては、それ
自身吸湿性の強い物質であって化学的乾燥剤でも物理的
乾燥剤でも良い。好ましい乾燥剤としてはシリカゲル、
活性アルミナ、塩化カルシウム、モレキュラーシーブス
等の多孔質構造物等がある。
【0011】このように構成される医療用容器にあって
は、保存時に易変質薬を収容した室には本体外からの極
僅かな水分が透過してくる。そして、収容室内が本体外
の相対湿度と平衡に達しようとするが、封入室の乾燥剤
が収容室内の水分を速やかに吸収する。かかる吸収速度
は本体外からの透過水分速度より速く、相対湿度が同じ
であれば約5倍の速さで吸収する。ここで、収容室内の
相対湿度が本体外の相対湿度の1/5であっても、透過
度係数が相対湿度の大小により無視できる程度に変化し
なければ、本体外からの透湿速度と同程度となる。この
ため、収容室内の相対湿度は本体外の相対湿度に対して
20%以下、特に10%以下、更には5%以下まで可能
になる。従って、上記封入室内の易変質薬を乾燥状態に
おくことが出来る。また、乾燥剤は外界から透過してく
る水分を直接吸収しない。従来のように包装体内の全体
を常に相対湿度1%以下に保つ必要がないため、長期間
の間医療用容器を保存しても乾燥剤は水分吸収量が少な
くて済み、その機能を長く維持することができる。
は、保存時に易変質薬を収容した室には本体外からの極
僅かな水分が透過してくる。そして、収容室内が本体外
の相対湿度と平衡に達しようとするが、封入室の乾燥剤
が収容室内の水分を速やかに吸収する。かかる吸収速度
は本体外からの透過水分速度より速く、相対湿度が同じ
であれば約5倍の速さで吸収する。ここで、収容室内の
相対湿度が本体外の相対湿度の1/5であっても、透過
度係数が相対湿度の大小により無視できる程度に変化し
なければ、本体外からの透湿速度と同程度となる。この
ため、収容室内の相対湿度は本体外の相対湿度に対して
20%以下、特に10%以下、更には5%以下まで可能
になる。従って、上記封入室内の易変質薬を乾燥状態に
おくことが出来る。また、乾燥剤は外界から透過してく
る水分を直接吸収しない。従来のように包装体内の全体
を常に相対湿度1%以下に保つ必要がないため、長期間
の間医療用容器を保存しても乾燥剤は水分吸収量が少な
くて済み、その機能を長く維持することができる。
【0012】本発明に係る請求項2記載の医療用容器
は、上記請求項1記載の医療用容器において、上記本体
は最内層が2以上の異なるポリオレフィンからなるブレ
ンド層で形成され、上記封入室は最外層がポリオレフィ
ン或いは2以上の異なるポリオレフィンのブレンド層で
形成され、上記易変質収容室には上記易変質薬を充填す
るための開口をシールした密封シール部が形成され、該
密封シール部のシールの際に上記封入室が密封シール部
に取付られていることを特徴とする。上記本体の最内層
が2以上の異なるポリオレフィンからなるブレンド層で
あれば、上述したように剥離可能なシール部の形成及び
その剥離機能の調整形成が容易にできる。また、乾燥剤
の密封室をポリオレフィンで形成すれば、上記最内層に
熱溶着シールを完全にすることができ、上記易変質薬の
収容室内で、乾燥剤の封入室を充填開口等の密封シール
部に容易に取り付けることができる。
は、上記請求項1記載の医療用容器において、上記本体
は最内層が2以上の異なるポリオレフィンからなるブレ
ンド層で形成され、上記封入室は最外層がポリオレフィ
ン或いは2以上の異なるポリオレフィンのブレンド層で
形成され、上記易変質収容室には上記易変質薬を充填す
るための開口をシールした密封シール部が形成され、該
密封シール部のシールの際に上記封入室が密封シール部
に取付られていることを特徴とする。上記本体の最内層
が2以上の異なるポリオレフィンからなるブレンド層で
あれば、上述したように剥離可能なシール部の形成及び
その剥離機能の調整形成が容易にできる。また、乾燥剤
の密封室をポリオレフィンで形成すれば、上記最内層に
熱溶着シールを完全にすることができ、上記易変質薬の
収容室内で、乾燥剤の封入室を充填開口等の密封シール
部に容易に取り付けることができる。
【0013】本発明に係る請求項3記載の医療用容器
は、上記請求項1又は2記載の医療用容器において、上
記本体は環状ポリオレフィン或いは環状オレフィンと他
のオレフィンとの共重合体の難透湿性層が形成されてい
ることを特徴とする。上記環状ポリオレフィン類は薬剤
成分に悪影響を当たるおそれが少なく、そのフィルム或
いはシートに単層或いは多層の内の一の層として存在す
れば難透湿性層としても働く。このため本体壁として使
用するフィルム或いはシートには上記環状ポリオレフィ
ン層が厚み50μm〜700μmの値の範囲で存在して
いることが望ましく、そのシート或いはフィルムの透湿
度が0.5〜0.01g/m2・24hr(温度40
℃、0−90%RH差)であることが望ましい。上記環
状ポリオレフィン類は、既に公知(特開平5−3174
11号公報に記載)の熱可塑性ノルボルネン系樹脂、例
えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル
−2−ノリボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−ブチル−2−ノルボルネン等である。また、環
状オレフィンと他のオレフィンとの共重合体としては、
既に公知(特開平8−155007号公報に記載)の環
状オレフィンとエチレンとのランダム共重合体、或いは
これらの水素添加物等を挙げることができる。このよう
な環状ポリオレフィン類のシート或いはフィルムを本体
壁とすれば外界からの水蒸気の侵入を極めて少なくする
ことができ、収容室に収容される易変質薬を安全に維持
することができる。
は、上記請求項1又は2記載の医療用容器において、上
記本体は環状ポリオレフィン或いは環状オレフィンと他
のオレフィンとの共重合体の難透湿性層が形成されてい
ることを特徴とする。上記環状ポリオレフィン類は薬剤
成分に悪影響を当たるおそれが少なく、そのフィルム或
いはシートに単層或いは多層の内の一の層として存在す
れば難透湿性層としても働く。このため本体壁として使
用するフィルム或いはシートには上記環状ポリオレフィ
ン層が厚み50μm〜700μmの値の範囲で存在して
いることが望ましく、そのシート或いはフィルムの透湿
度が0.5〜0.01g/m2・24hr(温度40
℃、0−90%RH差)であることが望ましい。上記環
状ポリオレフィン類は、既に公知(特開平5−3174
11号公報に記載)の熱可塑性ノルボルネン系樹脂、例
えば、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル
−2−ノリボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネ
ン、5−ブチル−2−ノルボルネン等である。また、環
状オレフィンと他のオレフィンとの共重合体としては、
既に公知(特開平8−155007号公報に記載)の環
状オレフィンとエチレンとのランダム共重合体、或いは
これらの水素添加物等を挙げることができる。このよう
な環状ポリオレフィン類のシート或いはフィルムを本体
壁とすれば外界からの水蒸気の侵入を極めて少なくする
ことができ、収容室に収容される易変質薬を安全に維持
することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は第一実
施例に係る医療用容器の側断面についての概要図であ
る。図2は第一実施例に係る医療用容器の使用時の側断
面についての概要図である。
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は第一実
施例に係る医療用容器の側断面についての概要図であ
る。図2は第一実施例に係る医療用容器の使用時の側断
面についての概要図である。
【0015】第一実施例に係る医療用容器1は、図1及
び図2に示す如く可撓性の樹脂製容器本体2からなり、
上記容器本体2に内壁面同士の剥離可能な接着シール部
3が形成されて上記本体2内が複数の室4、5に区分さ
れ、一の室4には水分の吸収により変質、或いは変色を
起こす吸湿易変質薬である凍結乾燥剤6が密封収容さ
れ、他の室5には液剤である溶解液7が密封収容され、
使用時に接着シール部3を剥離して凍結乾燥剤6と溶解
液7とを無菌的に混合しうる医療用容器である。医療用
容器1の本体2は難透湿性の材料からなり、上記本体2
の上記凍結乾燥剤6の収容室4内には乾燥剤8を封入し
た封入室9が形成され、封入室9がポリオレフィン系で
本体2より易透湿性の材料で形成されている。
び図2に示す如く可撓性の樹脂製容器本体2からなり、
上記容器本体2に内壁面同士の剥離可能な接着シール部
3が形成されて上記本体2内が複数の室4、5に区分さ
れ、一の室4には水分の吸収により変質、或いは変色を
起こす吸湿易変質薬である凍結乾燥剤6が密封収容さ
れ、他の室5には液剤である溶解液7が密封収容され、
使用時に接着シール部3を剥離して凍結乾燥剤6と溶解
液7とを無菌的に混合しうる医療用容器である。医療用
容器1の本体2は難透湿性の材料からなり、上記本体2
の上記凍結乾燥剤6の収容室4内には乾燥剤8を封入し
た封入室9が形成され、封入室9がポリオレフィン系で
本体2より易透湿性の材料で形成されている。
【0016】上記本体2は最内層が2以上の異なるポリ
オレフィンからなるブレンド層で形成され、封入室9は
最外層が低密度ポリエチレン層で形成され、凍結乾燥剤
6の収容室4には凍結乾燥剤6を充填するための開口1
0をシールした密封シール部11が形成され、密封シー
ル部11のシールの際に封入室9が密封シール部11に
取付られている。上記本体2は環状オレフィンと他のオ
レフィンとの共重合体の難透湿性層が形成されている。
オレフィンからなるブレンド層で形成され、封入室9は
最外層が低密度ポリエチレン層で形成され、凍結乾燥剤
6の収容室4には凍結乾燥剤6を充填するための開口1
0をシールした密封シール部11が形成され、密封シー
ル部11のシールの際に封入室9が密封シール部11に
取付られている。上記本体2は環状オレフィンと他のオ
レフィンとの共重合体の難透湿性層が形成されている。
【0017】本実施例に係る医療用容器1を更に詳しく
説明すると、医療用容器1の本体2は壁の厚みが250
μmで、その容量は160mlで、長さが150mm
で、幅が80mmである。外層と中間層と内層との三層
に成形され、外層は厚みが200μmの直鎖状低密度ポ
リエチレン(密度:0.935g/cm3、MI:2、
融点:121℃)からなる。中間層は厚みが200μm
の環状ポリオレフィン(三井石油化学工業株式会社製の
アペル APL6013)層からなる。内層は厚みが50μ
mの直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.935g/
cm3、融点:121℃)とポリプロピレン(密度:
0.900g/cm3、MI:0.7、融点:165
℃)とを2:1の割合で混合したブレンド物の層からな
る。また本体2の壁の透湿度は0.4〜0.5g/m2
・24hr(温度40℃、0−90%RH差)である。
説明すると、医療用容器1の本体2は壁の厚みが250
μmで、その容量は160mlで、長さが150mm
で、幅が80mmである。外層と中間層と内層との三層
に成形され、外層は厚みが200μmの直鎖状低密度ポ
リエチレン(密度:0.935g/cm3、MI:2、
融点:121℃)からなる。中間層は厚みが200μm
の環状ポリオレフィン(三井石油化学工業株式会社製の
アペル APL6013)層からなる。内層は厚みが50μ
mの直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.935g/
cm3、融点:121℃)とポリプロピレン(密度:
0.900g/cm3、MI:0.7、融点:165
℃)とを2:1の割合で混合したブレンド物の層からな
る。また本体2の壁の透湿度は0.4〜0.5g/m2
・24hr(温度40℃、0−90%RH差)である。
【0018】上記本体2には医療用容器における排出ポ
ート70として形成されている。本体2の胴部にはその
胴部の横断方向に沿って熱接着シール部3が形成され、
接着シール3は容器本体2内を収容室4と収容室5の2
室に区分している。接着シール部3は剥離可能なピール
シールで形成され、そのシール強度は、容器本体2の内
部圧を0.2Kgf/cm2のにした時に剥離するよう
に形成されている。容器本体2の収容室5には溶解液7
が密封収容され、溶解液7は本体2と共に高圧蒸気滅菌
処理されている。容器本体2の収容室4には凍結乾燥剤
6が無菌的に充填されて、乾燥状態で収容されている。
ート70として形成されている。本体2の胴部にはその
胴部の横断方向に沿って熱接着シール部3が形成され、
接着シール3は容器本体2内を収容室4と収容室5の2
室に区分している。接着シール部3は剥離可能なピール
シールで形成され、そのシール強度は、容器本体2の内
部圧を0.2Kgf/cm2のにした時に剥離するよう
に形成されている。容器本体2の収容室5には溶解液7
が密封収容され、溶解液7は本体2と共に高圧蒸気滅菌
処理されている。容器本体2の収容室4には凍結乾燥剤
6が無菌的に充填されて、乾燥状態で収容されている。
【0019】凍結乾燥剤6の収容室4の端部には凍結乾
燥剤6を充填するための開口10が形成され、開口10
は完全に熱接着された密封シール部11で密封されてい
る。また、密封シール部11には封入室9が取り付けら
れ、封入室9は凍結乾燥剤6の収容室4内に収容されて
いる。封入室9は樹脂製の袋状成形物からなり、内部に
5gのモレキュラーシーブスからなる乾燥剤8が充填さ
れている。また、封入室9の材質は低密度ポリエチレン
からなり、その袋状シート壁の厚みは100μmで、そ
の透湿度が5.0g/m2・24hr(温度40℃、0
−90%RH差)となっている。
燥剤6を充填するための開口10が形成され、開口10
は完全に熱接着された密封シール部11で密封されてい
る。また、密封シール部11には封入室9が取り付けら
れ、封入室9は凍結乾燥剤6の収容室4内に収容されて
いる。封入室9は樹脂製の袋状成形物からなり、内部に
5gのモレキュラーシーブスからなる乾燥剤8が充填さ
れている。また、封入室9の材質は低密度ポリエチレン
からなり、その袋状シート壁の厚みは100μmで、そ
の透湿度が5.0g/m2・24hr(温度40℃、0
−90%RH差)となっている。
【0020】次に、医療用容器1の製造方法について簡
単に説明する。先ず、共押出により容器本体2を形成
し、容器本体2に排出口70、接着シール部3及び充填
開口10を形成する。接着シール部3のシール条件温度
は130℃前後で行われ剥離可能なシールとする。接着
シール部3により形成された容器本体2の各室4、5を
洗滌乾燥し、溶解液7を除菌フィルタを通した後に排出
口70を介して収容室5に充填する。充填後、排出口7
0にゴム栓をしてこれを容器の排出口とする。次に、容
器本体2を温度110℃で高圧蒸気滅菌処理して、溶解
液7の蒸気滅菌処理をすると共に、収容室4内も滅菌状
態とする。一方、予め乾燥剤8を密封収容した封入室9
を形成し、封入室9の表面を滅菌処理して無菌室に搬入
する。また上記容器本体2も無菌室に搬入し、その収容
室4内に上記封入室9を入れて、収容室4の開口10の
近傍の内面に熱溶着により封入室9を仮止めする。容器
本体2の端部開口10から凍結乾燥剤6を無菌充填し、
無菌充填後、容器本体2の開口10の端部を熱溶着シー
ルして完全に固着シールする。この際の密封シール部1
1に上記封入室9も固定して取り付ける。凍結乾燥剤6
を収容室4に収容した後、容器本体2を接着シール部3
で折り曲げ、脱酸素剤と共に密封包装する。
単に説明する。先ず、共押出により容器本体2を形成
し、容器本体2に排出口70、接着シール部3及び充填
開口10を形成する。接着シール部3のシール条件温度
は130℃前後で行われ剥離可能なシールとする。接着
シール部3により形成された容器本体2の各室4、5を
洗滌乾燥し、溶解液7を除菌フィルタを通した後に排出
口70を介して収容室5に充填する。充填後、排出口7
0にゴム栓をしてこれを容器の排出口とする。次に、容
器本体2を温度110℃で高圧蒸気滅菌処理して、溶解
液7の蒸気滅菌処理をすると共に、収容室4内も滅菌状
態とする。一方、予め乾燥剤8を密封収容した封入室9
を形成し、封入室9の表面を滅菌処理して無菌室に搬入
する。また上記容器本体2も無菌室に搬入し、その収容
室4内に上記封入室9を入れて、収容室4の開口10の
近傍の内面に熱溶着により封入室9を仮止めする。容器
本体2の端部開口10から凍結乾燥剤6を無菌充填し、
無菌充填後、容器本体2の開口10の端部を熱溶着シー
ルして完全に固着シールする。この際の密封シール部1
1に上記封入室9も固定して取り付ける。凍結乾燥剤6
を収容室4に収容した後、容器本体2を接着シール部3
で折り曲げ、脱酸素剤と共に密封包装する。
【0021】このように構成された医療用容器1におい
ては、保存時に凍結乾燥剤6を収容した室4には本体2
外からの極僅かな水分が透過してくる。そして、収容室
4内が本体2外の相対湿度と平衡に達しようとするが、
封入室9の乾燥剤8が収容室4内の水分を速やかに吸収
する。かかる吸収速度は本体2外からの透過水分速度よ
り速く、相対湿度が同じであれば約10倍の速さで吸収
する。またここで、収容室4内の相対湿度が本体2外の
相対湿度の1/10であるとすると、例えば、温度40
℃で、本体2の外部の絶対湿度が50mmHgで、収容
室4内の絶対湿度が5.0mmHgであったとしても、
透過度係数が水蒸気圧差の大小により無視できる程度に
変化しなければ、本体2外からの水分の透湿速度と収容
室4内の透湿速度とはほぼ同程度となり平衡状態が維持
される。このため、収容室4内の相対湿度は本体2外の
相対湿度に対して10%以下に維持される。従って、保
存中でも凍結乾燥剤6の収容室4内を乾燥状態に維持し
て薬物成分の劣化を防止することができる。
ては、保存時に凍結乾燥剤6を収容した室4には本体2
外からの極僅かな水分が透過してくる。そして、収容室
4内が本体2外の相対湿度と平衡に達しようとするが、
封入室9の乾燥剤8が収容室4内の水分を速やかに吸収
する。かかる吸収速度は本体2外からの透過水分速度よ
り速く、相対湿度が同じであれば約10倍の速さで吸収
する。またここで、収容室4内の相対湿度が本体2外の
相対湿度の1/10であるとすると、例えば、温度40
℃で、本体2の外部の絶対湿度が50mmHgで、収容
室4内の絶対湿度が5.0mmHgであったとしても、
透過度係数が水蒸気圧差の大小により無視できる程度に
変化しなければ、本体2外からの水分の透湿速度と収容
室4内の透湿速度とはほぼ同程度となり平衡状態が維持
される。このため、収容室4内の相対湿度は本体2外の
相対湿度に対して10%以下に維持される。従って、保
存中でも凍結乾燥剤6の収容室4内を乾燥状態に維持し
て薬物成分の劣化を防止することができる。
【0022】また、乾燥剤8は外界から透過してくる水
分を直接吸収しない。従来のように包装体内の全体を常
に湿度を1mmHg以下に保つ必要がないため、長期間
の間、医療用容器1を保存しても乾燥剤8は水分吸収量
が少なくて済み、その機能を長く維持することができ
る。図2に示す如く、使用時は収容室5を外側から押圧
し、接着シール部3を剥離する。これにより、凍結乾燥
剤6は無菌的に溶解液7に溶解し、排出口70からの点
滴が可能となる。上記実施例では、容器本体2に環状オ
レフィン系の難透湿性樹脂を用いたが、シリカ蒸着した
機能性樹脂層を有する難透過性フイルム等を用いても良
い。また、易変質薬は凍結乾燥剤6に限ることはなく、
凍結乾燥せずに抽出乾燥した易変質性の蛋白質等でも良
い。
分を直接吸収しない。従来のように包装体内の全体を常
に湿度を1mmHg以下に保つ必要がないため、長期間
の間、医療用容器1を保存しても乾燥剤8は水分吸収量
が少なくて済み、その機能を長く維持することができ
る。図2に示す如く、使用時は収容室5を外側から押圧
し、接着シール部3を剥離する。これにより、凍結乾燥
剤6は無菌的に溶解液7に溶解し、排出口70からの点
滴が可能となる。上記実施例では、容器本体2に環状オ
レフィン系の難透湿性樹脂を用いたが、シリカ蒸着した
機能性樹脂層を有する難透過性フイルム等を用いても良
い。また、易変質薬は凍結乾燥剤6に限ることはなく、
凍結乾燥せずに抽出乾燥した易変質性の蛋白質等でも良
い。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器は、上記本体は難透湿性の材料からなり、上記本体
の上記易変質薬の収容室内には乾燥剤を封入した封入室
が形成され、上記封入室がポリオレフィン系で上記本体
より易透湿性の材料で形成されているので、乾燥剤の機
能を長期間維持することができ、安全に長期間保存する
ことのできる。
容器は、上記本体は難透湿性の材料からなり、上記本体
の上記易変質薬の収容室内には乾燥剤を封入した封入室
が形成され、上記封入室がポリオレフィン系で上記本体
より易透湿性の材料で形成されているので、乾燥剤の機
能を長期間維持することができ、安全に長期間保存する
ことのできる。
【図1】図1は第一実施例に係る医療用容器の側断面に
ついての概要図である。
ついての概要図である。
【図2】図2は第一実施例に係る医療用容器の使用時の
側断面についての概要図である。
側断面についての概要図である。
1 医療用容器 2 容器本体 3 接着シール部 4 易変質薬収容部 5 液剤収容部 6 凍結乾燥剤 7 溶解液 8 乾燥剤 9 封入室 10 充填開口 11 密封シール部
Claims (3)
- 【請求項1】 可撓性の樹脂製本体からなり、上記本体
に内壁面同士の剥離可能な接着シール部が形成されて上
記本体内が複数の室に区分され、少なくとも一の室には
水分の吸収により変質、或いは変色を起こす吸湿易変質
薬が密封収容され、少なくとも他の一の室には液剤が密
封収容され、使用時に上記接着シール部を剥離して薬剤
と液剤とを無菌的に混合しうる医療用容器において、 上記本体は難透湿性の材料からなり、上記本体の上記易
変質薬の収容室内には乾燥剤を封入した封入室が形成さ
れ、上記封入室がポリオレフィン系で上記本体より易透
湿性の材料で形成されていることを特徴とする医療用容
器。 - 【請求項2】 上記本体は最内層が2以上の異なるポリ
オレフィンからなるブレンド層で形成され、上記封入室
は最外層がポリオレフィン或いは2以上の異なるポリオ
レフィンのブレンド層で形成され、上記易変質薬の収容
室には上記易変質薬を充填するための開口をシールした
密封シール部が形成され、該密封シール部のシールの際
に上記封入室が密封シール部に取付られていることを特
徴とする請求項1記載の医療用容器。 - 【請求項3】 上記本体は環状ポリオレフィン或いは環
状オレフィンと他のオレフィンとの共重合体の難透湿性
層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記
載の医療用容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9293282A JPH11114015A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 医療用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9293282A JPH11114015A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 医療用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11114015A true JPH11114015A (ja) | 1999-04-27 |
Family
ID=17792821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9293282A Pending JPH11114015A (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 医療用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11114015A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2007055312A1 (ja) * | 2005-11-10 | 2009-04-30 | 田辺三菱製薬株式会社 | ピラゾロン化合物含有水溶液が充填されたプラスチック容器 |
-
1997
- 1997-10-09 JP JP9293282A patent/JPH11114015A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2007055312A1 (ja) * | 2005-11-10 | 2009-04-30 | 田辺三菱製薬株式会社 | ピラゾロン化合物含有水溶液が充填されたプラスチック容器 |
JP5973118B2 (ja) * | 2005-11-10 | 2016-08-23 | 田辺三菱製薬株式会社 | ピラゾロン化合物含有水溶液が充填されたプラスチック容器 |
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