JPH11285519A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JPH11285519A
JPH11285519A JP10108629A JP10862998A JPH11285519A JP H11285519 A JPH11285519 A JP H11285519A JP 10108629 A JP10108629 A JP 10108629A JP 10862998 A JP10862998 A JP 10862998A JP H11285519 A JPH11285519 A JP H11285519A
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JP
Japan
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chamber
container
package
moisture
medical container
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JP10108629A
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English (en)
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸湿性薬剤を室などに充填した時に入る水分
等を簡単且つ速やかに除去することのできる医療用容
器。 【構成】 複数の室が形成されて使用時に該各室が連通
可能に設けられ、少なくとも1の室に或いは該室に取付
られる収容部材に吸湿性薬剤が収容されてなる可撓性の
容器において、上記1の室は気密に包装され、該包装体
内に乾燥剤が配されてなり、上記1の室壁面積全体の透
湿度[SP]が2.0×10-2g/day(温度:40
℃、RH:0-90%)以上の材料で形成され、また上記包装体
は乾燥剤の乾燥機能の維持可能な水分バリアー性を有す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、使用時まで吸湿性薬剤とその
薬剤の溶解液を別々に収容して置く、点滴用等の内容物
入り医療用容器に関するものである。特に、本発明は、
吸湿性薬剤を容器に収容する際に吸着してしまった水分
を効率よく除去してその後の吸湿性薬剤を安全に収容維
持することのできる医療用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療用容器には抗生物質等の吸湿性の変
質薬剤とそれを溶解する液剤とを区分し、使用時に無菌
的に混合して使用される輸液容器等がある。例えば、容
器胴部に剥離可能なシール条部を形成し容器内を二室に
分け、一の室に抗生物質を収容し、他の室には溶解液を
収容したものである(No4,770,295のアメリカ合衆国
特許公報、特開平4−364850号公報、特開平4−
364851号公報、特開平6−14975号公報)。
そして、吸湿性薬剤は水分や酸素を嫌うため、薬剤の収
容室のみが水分或いはガスバリアー性の包装材で包装さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、抗生物質等の凍
結乾燥薬は一般にバイアルに収容される。抗生物質等を
含む無菌溶液はバイアル内に充填されて、凍結乾燥装置
に搬入される。凍結乾燥装置内で、無菌溶液は凍結され
乾燥されてバイアルとして提供される。一方、上記医療
用容器の室或いは室に接続された収容部材内に、吸湿性
の凍結乾燥薬剤を収容する場合、移し換え作業が行われ
る。凍結乾燥に使用した容器内から医療用容器の室或い
は収容部材内に吸湿性薬剤が移し換えられる。このた
め、移し換え作業環境を厳重にして、出来る限り吸湿性
薬剤が外気の水分を吸湿しないようにされる。しかしな
がら、作業環境を相対湿度40%以下に維持してかかる
移し換え作業が行われても、移し換え前の吸湿薬剤の水
分率が0.1重量%以下であったものが、移し換え後
は、3〜5重量%まで増加する場合が多々見られる。か
かる環境下で、収容薬剤の室内或いは収容部材内が気密
に密封されると、吸湿性薬剤は3〜5重量%の水分含有
率を維持したままで室内等に置かれることとなり、これ
は吸湿性薬剤を不安定な状態に置くこととなる。また、
従来のように吸湿性薬剤の収容室のみをガスバリアー性
包装体で気密に覆い、包装体内に乾燥剤を配したとして
も、収容室内の吸湿性薬剤中の水分は室壁を介して包装
体内の乾燥剤によって速やかに吸収されることはない。
このため、上記医療用容器の包装形態或いは構造のみで
は、吸湿性薬剤が必ず安全に保存されるとは限らない場
合がある。特に、室と室との連通手段を剥離可能なピー
ルシールとした場合、かかる手段の形成のために容器壁
の厚みを少なくとも200μm以上としなければならな
い。このため、充填時に入った水分を乾燥剤で取り除く
ことが極めて困難となる。従って、本発明は、吸湿性薬
剤を室などに充填した時に入る水分等を簡単且つ速やか
に除去することのできる医療用容器を提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の室が形
成されて使用時に該各室が連通可能に設けられ、少なく
とも1の室に或いは該室に取付られる収容部材に吸湿性
薬剤が収容されてなる可撓性の樹脂容器において、上記
1の室は気密に包装され、該包装体内に乾燥剤が配され
てなり、上記1の室壁面積全体の透湿度[SP]が2.
0×10-2/day(温度:40℃、RH:0-90%)以上の材
料で形成され、また上記包装体は乾燥剤の乾燥機能の維
持可能な水分バリアー性を有する。
【0005】本発明に係る医療用容器は可撓性の樹脂容
器である。即ち、容器壁が柔軟でエア針なしでの点滴溶
液等の排出が可能な容器である。このため容器本体は、
インフレーションフィルム、チューブ、シート及びフィ
ルムから成形したもの、押出成形、射出成形、又はブロ
ー成形したものである。医療用容器の樹脂素材としては
ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン系
樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹
脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂である。また樹脂容
器は単層又は多層で形成されていても良い。容器内の薬
剤と接触する最内層は、薬剤に影響を与えない、また溶
出物が生じない樹脂層であることが望ましい。このよう
な樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂が望ましく、例
えば、低、中、高−密度ポリエチレン、ポリプロピレン
等の低級オレフィン樹脂、環状ポリオレフィン、或いは
これらの2以上の共重合体等が挙げられる。
【0006】本発明に係る医療用容器は複数の室が設け
られ、各室が使用時に連通可能になっている。医療用容
器の室の数は2つ場合によって3つ以上あってもよい。
また複数の室は一の容器から形成されても良く、別体の
容器が接続されることによって複数の室が形成されても
良い。上記各室が使用時に連通可能になっているとは、
上記室と室の間に容器壁越しの操作により室内と室内と
を互いに連通する連通手段が設けられるものである。か
かる連通手段とは、閉鎖型管の端部を容器壁越しに破断
して該管を連通管とするもの、隔離部分を挟持クリップ
等で止めたもの、或いは、隔離する部分を外側からの操
作により剥離可能なピールシール部とするもの等、その
他公知の無菌的連通が可能な手段である。
【0007】特に、上記室或いは容器同士を隔てている
隔離部を剥離可能な隔離シールで形成することが望まし
い。通常ピールシール部は弱シール部とも称され、外部
から室或いは容器を圧迫し、内部が一定の昇圧状態にさ
せたときに剥離することができるシール部、或いは容器
外壁のそれぞれを把持して引っ張ったときに剥離するこ
とのできるシール等である。上記ピールシール部の剥離
強度は、室内の圧が0.01〜1.0Kgf/cm2
特に、0.05〜0.5Kgf/cm2の昇圧で剥離す
る強度が望ましい。上記範囲を下回る強度であれば、製
造、運搬、保存時等の隔離状態を保つための安全性に欠
ける。上記範囲を上回る強度であれば、用時に室と室同
士の連通操作を容易にすることができなくなるおそれが
ある。容器壁の内層同士のピールシールの形成或いは完
全密封シールを形成する場合に、これらを確実に異なら
せて形成するためには、容器壁の内層は異なる樹脂のブ
レンド物であることが望ましい。特に、異なる樹脂は、
熱溶融開始温度、或いはピカッド軟化点が異なり、相溶
性のあまりない樹脂ブレンド物からなることが望まし
い。かかるブレンド物層を有することより、同一の内層
で、完全な密封シール接着のシール温度条件設定が簡単
にできる一方、ピールシール接着のシール温度条件設定
も簡単にできる。特にピールシール接着に求められるシ
ール強度、即ち、使用時の外力による易剥離性と、保存
時に剥離が生じないシール強度との関係を厳密に設定す
ることができる。これは、内層に相溶性の異なる樹脂を
溶融混合し、これをシート状に成形することによって、
ミクロ的に熱接着性の異なる部分に分離した表面とした
ものである。そして、任意の温度におけるそのシートの
表面相互のミクロ的な部分の熱溶融性を決めることによ
り、シール強度の強弱を正確に付け、上記効果を容易に
達成するものである。
【0008】本発明に係る医療用容器の複数の室の内の
少なくとも1の室或いはその室に取り付けられる収容部
材に吸湿性薬剤が収容される。上記吸湿性薬剤は直接上
記1の室に収容されても良く、また室壁にポンチ等で取
付口を形成、取付口に収容部材を連結して、その収容部
材に上記吸収性薬剤を収容しても良い。収容部材を介し
て室内に吸収性薬剤を収容することは、凍結乾燥に使用
した容器から収容部材に移し換えて操作を簡単にする点
で望ましい一方、部材が増える欠点がある。従って、製
造過程、或いは移し換え過程の操作の難易を考慮して直
接的、或いは間接的な移し換え操作を選択することがで
きる。上記吸湿性薬剤は主に凍結乾燥して得られる薬剤
であるが、これに限る必要はなく、極めて吸湿性があり
その水分の吸湿によって薬剤の特性を変質させるもので
あれば含まれる。具体的には凍結乾燥された抗生物質等
が挙げられる。
【0009】本発明に係る医療用容器の上記1の室に包
装体によって気密に包装され、その包装体内には乾燥剤
が配せられる。上記包装体によって上記1の室のみを気
密に包装しても良く、また他の室の全てを気密に包装し
ても良い。但し、他の室をも包装する場合は、包装体内
も室毎に気密に区分して仕切る必要がある。かかる仕切
り形態は医療用容器の室と室との境目の外側に包装体を
溶着密封して包装体内を仕切っても良く、また挟持具等
で包装体越しに容器をクリップしても良い。上記乾燥剤
としては、それ自身吸湿性の強い物質であって化学的乾
燥剤でも物理的乾燥剤でも良い。好ましい乾燥剤として
はシリカゲル、活性アルミナ、塩化カルシウム、モレキ
ュラーシーブス等の多孔質構造物等がある。乾燥剤の能
力は特に、空気1L中に残存する水分を5×10-3mg
以下まで乾燥させるものが望ましい。かかる乾燥剤であ
れば絶対湿度を上記範囲まで下げることができる。ま
た、乾燥剤の水分吸着能率としては、5〜30重量%程
度であることが望ましい。このような乾燥剤の使用量と
しては0.2〜10gの範囲で使用されることが望まし
い。上記範囲を下回る使用量では保存期間中の包装体内
の乾燥を十分に維持することが困難となる。また上記範
囲を上回る使用量では嵩ばって好ましくない。
【0010】上記包装体は乾燥剤の乾燥機能の維持可能
な水分バリアー性を有するものである。上記包装体の壁
の水分バリアー性は、外界と接する包装体壁の総面積
S、使用する乾燥剤全体の水分吸着率(W)によって決
定される。即ち、常温で、湿度90%の環境下で包装体
内に3年間に透過する水分量(w)は、w=S(m2
×365(日)×3(年)×蒸気圧差(p)×包装体の
壁の透湿率[P]g/m2・day(温度25℃、RH:0
-90%)である。ここで、包装体内の蒸気圧が0に近似で
きることから蒸気圧差(p)は1とすることができる。
w≦Wより、包装体の壁の透湿率[P]は、[P]≦
9.13×W(g)/S(cm2)となる。例えば、Sが
100cm2で、Wが0.4gであれば、包装体壁の透湿
率[P]は3.6×10-2g/m2・day(温度25
℃、RH:0-90%)以下としなければならない。包装材料
の壁における具体的な透湿度は1.20〜0.0g/m
2・day(温度25℃、RH:0-90%)、更に、0.50
〜0.0g/m2・day(温度25℃、RH:0-90%)の
範囲にあることが望ましい。上記包装体の材料は上記要
件を満たす限り、どのようなシートを使用しても良い
が、好ましくは、殆ど、又は全く水分を透過させない非
透明性のアルミニウム等の金属層、またポリ塩化ビニリ
デン、ポリテトラフロロエチレン、ポリ3フッ化エチレ
ン、塩酸ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のよう
に水分バリアー性の高い透明性のある樹脂層、更にはア
ルミニウム、珪素、マグネシウム、チタン、銀、金等の
土類金属若しくは金属、又はその酸化物の蒸着層等を有
するものである。
【0011】上記1の室壁の面積全体の透湿度[SP]
が2.0×10-2/day(温度:40℃、RH:0-90%)以
上、特に4.0×10-2/day(温度:40℃、RH:0-9
0%)以上、更には20.0×10-2/day(温度:40
℃、RH:0-90%)以上の材料で形成されることが望まし
い。通常、上記1の室壁全体の面積Sは通常、100cm
2程度に設定される。このため、室壁全体が均一なシー
トで形成される場合は、そのシートの透湿率[P]は、
[P]=2.0g/m2・day(温度:40℃、0-90%
RH差)以上である必要がある。一般に、ポリオレフィン
系樹脂シートの平均的な透湿率[P]100は3〜5g/
2・day(温度:40℃、0-90%RH差、厚み:100μ
m)程度である。従って、上記室壁全体の透湿度を有す
る室壁がポリオレフィン系樹脂材料であれば、そのシー
トの厚みを200μm未満とする必要がある。しかし、
厚みが200μm程度の容器壁等では剥離可能ピールシ
ール部等を安定に形成することができない。
【0012】また、上記1の室壁の総和の全透湿度が上
記範囲以下であれば良く、室壁の一部に透湿性の極めて
優れた材料を用いて、室壁の全透湿度が上記範囲以下と
なっても良い。例えば、上記1の室壁の全体の1/5程
度の壁に透湿性の高いシリコンゴムシート等を配しても
良い。シリコンゴムシート500μmの透湿率[P]
500は140.0g/m2・day(温度:40℃、0-90
%RH差、厚み:500μm)である。従って、上記室壁の4
/5が通常の肉厚250〜1000μm程度のポリオレ
フィン系樹脂シートであっても、室壁全体の透湿度は1
/5程度の易透湿性壁によって上記条件を満たすことが
できる。
【0013】このように構成された本発明に係る医療用
容器にあっては、他の1の室に吸湿性薬剤を充填し、そ
の室を密封した場合、その吸湿性薬剤の水分含量が0.
1重量%であったものが3〜4重量%になる場合があ
る。しかし、その後、本発明に係る医療用容器にあって
は包装体内の乾燥剤が室壁を通して吸湿性薬剤中の水分
を吸収することができる。そしてその吸湿によって、2
週間以内に吸湿性薬剤の水分含量を1重量%以下までに
下げることができる。特に、薬剤の水分放出活性及び容
器壁の透湿活性を高めるために温度40℃以上の所に医
療用容器を配すると、短期間で吸湿性薬剤の水分含量を
減少させることができる。かかる水分含量の減少によ
り、その後の医療用容器の保存期間中に吸湿性薬剤の特
性が安全に維持される。また、吸湿性薬剤は温度80℃
を超えると、熱変質を起こすおそれがある。このため、
乾燥のための医療用容器の処理温度は温度80℃以下で
あることが望ましい。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1(A)及
び(B)は第一実施例に係る医療用容器の平面図及び断
面図である。図2(A)及び(B)は第二実施例に係る
医療用容器の平面図及び断面図である。図3は従来の医
療用容器の断面図である。図4は吸湿性の薬剤中の水分
含量と乾燥処理時間との関係を示す線図である。
【0015】第一実施例に係る医療用容器1は、図1に
示す如く複数の室2、3が形成されて使用時に各室2、
3が連通可能に設けられ、1の室2に取付られる収容部
材4に吸湿性薬剤101が収容されてなる可撓性の容器
である。そして、上記1の室2は気密に包装され、包装
体5内に乾燥剤6が配されてなり、上記1の室2壁面積
全体の透湿度[SP]が2.0×10-2g/day(温
度:40℃、RH:0-90%)以上の材料で形成され、上記包
装体5は乾燥剤6の乾燥機能の維持可能な水分バリアー
性を有する。上記包装体5は包装体5内への3年間に透
過する水分量(w)が乾燥剤6全体の吸湿水分量(W)
以下となるような包装壁からなる。上記1の室2壁の一
部が透湿性のシリコンゴムシート7からなる。医療用容
器1の製造方法において、上記1の室2が包装材体5で
包装された後に、容器1を温度40℃〜80℃の雰囲気
に配するものである。
【0016】本実施例に係る医療用容器1を更に詳しく
説明すると、医療用容器1はブロー成形され、その壁の
厚みが300μmで、その容量は160mlで、長さが
150mmで、幅が80mmである。容器1の壁は外層
と内層との二層に成形され、外層は厚みが250μmの
直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.935g/cm
3、MI:2、融点:121℃)からなる。内層は厚み
が50μmの直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.9
35g/cm3、融点:121℃)とポリプロピレン
(密度:0.900g/cm3、MI:0.7、融点:
165℃)とを2:1の割合で混合したブレンド物の層
からなる。かかる容器壁の透湿率は1.4g/m2・day
(温度:40℃、RH:0-90%)である。容器1のブロー
成形の吹き出し口は排出ポート11として形成され、排
出ポート11はゴム栓で密栓されている。尚、ゴム栓は
点滴用注射針等が刺通可能となっている。容器1の中央
の胴部横断方向には重なる互いの容器壁が剥離可能に熱
接着シールされ、熱接着シール部8、8は容器1内を室
2と室3とに区分している。室3には溶解液99が高圧
蒸気滅菌処理されて収容され、室3を外部から圧迫する
と熱接着シール部8、8は剥離される。即ち、熱接着シ
ール部8、8は容器1内の内部圧を約0.2Kgf/c
2にした時に剥離するような接着強度に形成されてい
る。
【0017】上記室2のほぼ中心には取付口9が形成さ
れ、取付口9には収容部材4が取付られている。収容部
材4はカップ状に形成され、その内部に凍結乾燥用容器
(バイアル等)から移し換えられた凍結乾燥物である抗
生物質101が収容されている。収容部材4には取付フ
ランジ4Aが形成され、取付フランジ4Aは取付口9の
周囲の容器外壁に熱接着されている。一方、取付口9に
対向する他の容器壁の開口はシリコンゴムシート7に気
密に塞がれ、シート7は厚みが500μmで、面積が1
6cm2で、その透湿率[P]は140g/m2・day(温
度:40℃、厚み:0.5mm、RH0-90%)である。従っ
て、かかる面積部分の透湿率[P]は、22.4×10
-2g/day(温度:40℃、RH:0-90%)となる。その他
の容器壁部分の透湿度[SP]は1.4×10-2g/da
y(温度:40℃、RH:0-90%)以下であるので、室2壁
の全体の透湿度[SP]はシリコンゴムシート7のみの
透湿度に近似される。また、容器1の端部12は一旦、
切開された後に端部12が固着シールされている。上記
室2の大きさは8cm×6cmの面積となっている。
【0018】上記室2は包装体5で覆われ、包装体5は
2枚のシートから構成される。重ねた各シートの周縁は
一辺に容器の胴部を挟んで互いに熱接着シールされて形
成されている。そして、包装体5の大きさは8.5cm×
7cmとなっており、両面の面積Sはほぼ120cm2とな
っている。湿度90%の環境下で包装体5内に3年間の
間に透過する水分量(w)は、w=120×10-42
×365×3(年)包装体5の壁の水蒸気透湿率[P]
g/m2・day(温度25℃、RH:0-90%)である。
一方、包装体5内には乾燥剤6が収容され、乾燥剤6は
モレキュラーシーブ6gからなり、シーブの吸湿率は2
0重量%である。このため、1.2gの水分量(W)の
吸収が可能となる。上述したように、包装体5の透湿率
はw≦Wが条件であることより、包装体5の壁の透湿率
[P]は、9.13×10-2g/m2・day(温度:
25℃、RH:0-90%)以下としなければならない。しか
し、包装体5は透明なシリカ蒸着多重層を有するシート
からなり、その透湿率[P]は0.08g/m-2・da
y(温度:25℃、RH:0-90%)であり、問題はない。
【0019】このように構成された医療用容器1にあっ
ては、製造時に抗生物質101中に3〜4重量%の水分
が含まれるようになったとしても、かかる医療用容器1
を温度60℃で7日間おけば、抗生物質101中の水分
は包装体5内の乾燥剤6によって吸収され、医療用容器
1内の抗生物質101はその水分含有量が1重量%以下
となる。このため、その後の医療用容器1の保存が安全
になされる。
【0020】次に、本発明に係る第二実施例の医療用容
器を図2に従って説明する。図2に示す医療用容器20
は、第一実施例の医療用容器1とほぼ同様な構成になっ
ているが、以下の点で異なる。上記医療用容器20の本
体は熱接着シール部8、8以下が離切され、他の収容室
21が接続されている。収容室21は厚み100μm
で、8cm×6cmの広さの直鎖状低密度ポリエチレン製イ
ンフレーションシートからなり、その透湿率は4.87
g/m2・day(温度:40℃、RH:0-09%、厚み0.
1mm)である。従って、収容室21の壁の面積全体の透
湿度[SP]は4.87×10ー2g/m2・day(温
度:40℃、RH:0-09%)である。このうに構成される
医療用容器20においても、同様な作用効果を奏するも
のであり、かかる医療用容器20を温度60℃で14日
間おけば、抗生物質101中の水分は包装体内の乾燥剤
6によって吸収され、医療用容器20内の抗生物質10
1はその水分含有量が1重量%以下となる。
【0021】図3は従来の医療用容器30であり、室2
は容器30壁の厚み300μmで、シリコンゴムもな
く、厚みも通常にして構成したもので、その容器壁の面
積全体の透湿度[SP]は1.4×10-2g/m2・d
ay(温度:40℃、RH:0-09%)である。このような
構成にあっては、医療用容器30を温度60℃で14日
間おいても、抗生物質101中の水分は包装体5内の乾
燥剤6によって十分に吸収されず、医療用容器30内の
抗生物質101はその水分含有量が2重量%以下となら
なかった。
【0022】(実験例)10個のバイアル内にペントシ
リン2gを凍結乾燥により得て、これを混ぜて所定時間
相対湿度40%の所に置き、約2g程度を正確に秤量し
て、第一実施例の医療用容器1に収容したもの(サンプ
ルE1、E2)、第二実施例の医療用容器20に収容し
たもの(サンプルE3、E4)、及び従来例の医療用容
器30に収容したもの(比較サンプルC1、C2)を作
製した。かかる各医療用容器を温度60℃のルームに入
れて、14日間のペントシリンの重量の減少及び水分含
有量の減少を求めた。また、初期の吸収水分率を求める
ためスタンダードとして、医療用容器1の室2の壁の一
部を孔開けして包装体5内と室2内とを連通させたもの
を使用し、かかる容器でペントシリンから奪った水分量
を初期の吸収水分含量率とした。その結果を表1及び表
2に示した。尚、表1の結果より、SD値は、SD=
(2.0044-1.9324)×100/2.0044=3.59(重量%)と
なり、かかる結果から表2を作成した。また、図4にE
1、E3及びC1についての乾燥時間(日)と収容ペン
トシリン中の水分含有率(重量%)の関係を示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】第一実施例及び第二実施例に係る医療用容
器1、20中の収容ペントシリンの水分含有率が14日
間で1重量%以下まで減少し、第一実施例に係る医療用
容器1にあっては、4日間で1重量%以下まで減少する
ことが分かる。一方、従来例に係る医療用容器30あっ
ては、収容ペントシリン中の水分含有率が14日間でも
1重量%を上回った。以上の結果から、室2壁の面積全
体の透湿度[SP]が2.0×10-2/day(温度:4
0℃、RH:0-90%)以上、特に4.0×10-2/day(温
度:40℃、RH:0-90%)以上、更には20.0×10
-2/day(温度:40℃、RH:0-90%)以上の材料で形成
されることが望ましことが分かる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器では、複数の室が形成されて使用時に該各室が連通
可能に設けられ、少なくとも1の室に或いは該室に取付
られる収容部材に吸湿性薬剤が収容されてなる可撓性の
樹脂容器において、上記1の室は気密に包装され、該包
装体内に乾燥剤が配されてなり、上記1の室壁面積全体
の透湿度[SP]が2.0×10-2/day(温度:40
℃、RH:0-90%)以上の材料で形成され、また上記包装
体は乾燥剤の乾燥機能の維持可能な水分バリアー性を有
するので、吸湿性薬剤を室などに充填した時に入る水分
等を簡単且つ速やかに除去することのできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)及び(B)は第一実施例に係る医療
用容器の平面図及び断面図である。
【図2】図2(A)及び(B)は第二実施例に係る医療
用容器の平面図及び断面図である。
【図3】図3は従来の医療用容器の断面図である。
【図4】図4は吸湿性の薬剤中の水分含量と乾燥処理時
間との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 1の室 3 他の室 4 収容部材 5 包装体 6 乾燥剤 7 シリコンゴムシート 8 剥離可能な接着シール部 9 取付口

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の室が形成されて使用時に該各室が連
    通可能に設けられ、少なくとも1の室に或いは該室に取
    付られる収容部材に吸湿性薬剤が収容されてなる可撓性
    の容器において、上記1の室は気密に包装され、該包装
    体内に乾燥剤が配されてなり、上記1の室壁面積全体の
    透湿度[SP]が2.0×10-2g/day(温度:40
    ℃、RH:0-90%)以上の材料で形成され、また上記包装体
    は乾燥剤の乾燥機能の維持可能な水分バリアー性を有す
    ることを特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】上記包装体は該包装体内への3年間に透過
    する水分量(w)が上記乾燥剤全体の吸湿水分量(W)
    以下となるような包装壁からなる請求項1記載の医療用
    容器。
  3. 【請求項3】上記1の室壁の一部が透湿性のシリコンゴ
    ムシートからなることを特徴とする請求項2記載の医療
    用容器。
  4. 【請求項4】請求項1記載の医療用容器の製造方法にお
    いて、上記1の室が包装材体で包装された後に、該容器
    を温度40℃〜80℃の雰囲気に配することを特徴とす
    る医療用容器の製造方法。
JP10108629A 1998-04-03 1998-04-03 医療用容器 Pending JPH11285519A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003534063A (ja) * 2000-05-23 2003-11-18 グラクソ グループ リミテッド キシナホ酸サルメテロール製剤のエアゾル容器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003534063A (ja) * 2000-05-23 2003-11-18 グラクソ グループ リミテッド キシナホ酸サルメテロール製剤のエアゾル容器

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