JPH11169434A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JPH11169434A
JPH11169434A JP9363593A JP36359397A JPH11169434A JP H11169434 A JPH11169434 A JP H11169434A JP 9363593 A JP9363593 A JP 9363593A JP 36359397 A JP36359397 A JP 36359397A JP H11169434 A JPH11169434 A JP H11169434A
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JP
Japan
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container
hole
wall
seal lid
resin
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JP9363593A
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤の移し換え充填等を行わずに、無菌的に
且つ簡単に薬剤収容器等を容器の胴部に接続することが
できる医療用容器を提供。 【構成】 本発明に係る医療用容器は、可撓性の樹脂壁
から形成された扁平な胴部の一部に、該胴部の内壁面同
士を剥離可能に熱溶着した接着領域を形成して上記接着
領域に貫通孔を形成し、上記接着領域の一の外壁面にシ
ール蓋を接着することにより上記貫通孔の一方を気密に
覆う共に上記接着領域の他の外壁面に樹脂製の薬剤収容
器を接着することにより上記貫通孔の他方に気密に接続
するものであり、上記シール蓋はシリコンゴムシートか
らなり、上記薬剤収容器に水分によって変質又は変色す
る易変質薬を収容し、上記シール蓋を気密に覆う水分バ
リアー性の材料からなるカバーを設け、上記カバー内に
乾燥剤を配してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、無菌充填した薬剤の収容器を
通常のプラスチック製輸液容器等に無菌的に且つ簡単に
接続できる医療用容器に関するものである。特に、水分
又は酸素等によって容易に変質、変色する易変質薬が薬
剤収容器に収容される場合において、保存期間中に外界
の水分から十分に易変質薬を保護することのできる医療
用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に医療用容器には、抗生物質等の易
変質薬とそれを溶解する液剤とを区分し、使用時に無菌
的に混合して使用される輸液容器等がある。例えば、容
器胴部に剥離可能なシール条部を形成し容器内を二室に
分け、一の室に抗生物質を収容し、他の室には溶解液を
収容したものである(特開平4−364850号公報、
特開平4−364851号公報、特開平6−14975
号公報)。そして、抗生物質などの凍結乾燥物は水分や
酸素を嫌うため、抗生物質の収容室のみが水分或いはガ
スバリアー性の包装材で包装されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来、抗生物質等の乾
燥薬剤を容器の一の収容室に入れる場合には薬剤を外界
に晒した状態で、凍結乾燥容器から輸液容器の一の室へ
の移し換え作業によって行っている。また、バリアー性
の包装材は室の全体を完全に覆っている。本発明は、薬
剤の移し換え充填等を行わずに、無菌的に且つ簡単に薬
剤収容器等を容器の胴部に接続することができる医療用
容器を提供するものである。また、易変質薬の変質を防
ぐため、収容器又は胴部の一部のみをカバーで覆って出
来る限り乾燥空間を小さくして乾燥剤の機能を長期間維
持させることができる医療用容器を提供するものであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性の樹脂
壁から形成された扁平な胴部の一部に、該胴部の内壁面
同士を剥離可能に熱溶着した接着領域を形成して上記接
着領域に貫通孔を形成し、上記接着領域の一の外壁面に
シール蓋を接着することにより上記貫通孔の一方を気密
に覆う共に上記接着領域の他の外壁面に樹脂製の薬剤収
容器を接着することにより上記貫通孔の他方に気密に接
続するものであり、上記シール蓋はシリコンゴムシート
からなり、上記薬剤収容器に水分によって変質又は変色
する易変質薬を収容し、上記シール蓋を気密に覆う水分
バリアー性の材料からなるカバーを設け、上記カバー内
に乾燥剤を配してなることを特徴とする医療用容器を提
供するものである。
【0005】本発明に係る医療用容器にあっては胴部が
可撓性の樹脂壁からなり、扁平に形成される。このため
容器本体は、インフレーションフィルム、チューブ、シ
ート及びフィルムから成形したもの、押出成形、射出成
形、又はブロー成形したものである。医療用容器の樹脂
素材としてはポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化
ビニリデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリア
クリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂であ
る。また樹脂容器は単層又は多層で形成されていても良
い。容器内の薬剤と接触する最内層は、薬剤に影響を与
えない、また溶出物が生じない樹脂層であることが望ま
しい。このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂
が望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレン、
ポリプロピレン等の低級オレフィン樹脂、環状ポリオレ
フィン、或いはこれらの2以上の共重合体等が挙げられ
る。
【0006】本発明に係る医療用容器では、上記胴部の
一部に内壁面同士を剥離可能に熱溶着した接着領域を形
成する。接着領域の面積は上記貫通孔が形成でき、貫通
孔の周囲に剥離可能な接着領域が存在する広さであれば
良い。接着領域は胴部内との間を仕切るものであり、使
用時に接着領域が剥離されて取り付けられた上記収容器
内と胴部内とが液密に連通されるようになっている。接
着領域はヒートシール、インパルスシール等の外部加熱
による接着、又は超音波接合、高周波接合等の内部加熱
による接着等を挙げることができる。接着領域は剥離可
能なシール部である。剥離可能なシール部は通常ピール
シール部或いは弱シール部とも称され、外部から室或い
は容器を圧迫し、内部を一定の昇圧状態にさせたときに
剥離することができるシール部、或いは容器外壁のそれ
ぞれを把持して引っ張ったときに剥離することのできる
シール等である。上記ピールシール部の剥離強度は、胴
部内の圧が0.01〜1.0Kgf/cm2、特に、
0.05〜0.5Kgf/cm2の昇圧で剥離する強度
が望ましい。上記範囲を下回る強度であれば、製造、運
搬、保存時等の隔離状態を保つための安全性に欠ける。
上記範囲を上回る強度であれば、用時に連通操作を容易
にすることができなくなるおそれがある。
【0007】剥離可能なシール部を熱溶着で形成する場
合、容器等の最内壁層が異なる樹脂のブレンド物である
ことが望ましい。特に、異なる樹脂は熱溶融開始温度、
或いはピカッド軟化点が異なり、相溶性のあまりない樹
脂ブレンド物からなることが望ましい。かかるブレンド
物層を有することより、ピールシール接着のシール温度
条件設定が簡単にできる。ピールシール接着に求められ
るシール強度、即ち、使用時の外力による易剥離性と、
保存時に剥離が生じないシール強度との関係を厳密に設
定することができる。内層に相溶性の異なる樹脂を溶融
混合しこれをシート状に成形すると、ミクロ的に熱接着
性の異なる部分に分離した内層表面とすることができ
る。そして、任意の温度におけるそのシートの表面相互
のミクロ的な部分の熱溶融性を決めることにより、シー
ル強度の強弱を正確に付け、上記効果を容易に達成する
ものである。
【0008】本発明に係る医療用容器では上記接着領域
に貫通孔を形成する。尚、貫通孔は上記接着領域の形成
前に形成しても良い。貫通孔は通常ポンチ等で簡単に孔
開けできる。上記接着領域及び貫通孔を形成した後、上
記接着領域の一の外壁面にシール蓋を接着することによ
り上記貫通孔の一方を気密に覆う。本発明に係る上記シ
ール蓋はシリコンゴムシートからなる。かかるシリコン
ゴムシートの厚みは20〜2000μmの範囲であるこ
とが望ましい。かかる厚みのシリコンシートであれば、
その透湿度が50〜2000g/m2・day(温度:
40℃、90−0%RH)の範囲で得られる。このた
め、シール蓋から水分が容易に透過して上記乾燥剤は薬
剤収容器内から透過してくる水分を速やかに吸収するこ
とができる。
【0009】上記シール蓋はカバーにより気密に覆わ
れ、カバーは水分バリアー性の材料からなる。水分バリ
アー性の材料としては、実質的に水蒸気を透過しない水
分非透過性材料と水蒸気を透過させ難い水分難透過性材
料とがある。水分難透過性材料はその厚み100μmに
おいて、その透湿度が5.00〜0.50g/m2・d
ay(温度:40℃、90−0%RH)、特に、2.0
0〜0.50g/m2・day(温度:40℃、90−
0%RH)の範囲にあることが望ましい。また、水分非
透過性材料はその厚み100μmにおける透湿度が0.
40g/m2・day(温度:40℃、90−0%R
H)以下で実質的に水蒸気を透過させないものである。
【0010】水分難透過性或いは非透過性材料の具体的
なものには、殆ど、又は全く水分を透過させない非透明
性のアルミニウム等の金属層、またポリ塩化ビニリデ
ン、ポリテトラフロロエチレン、ポリ3フッ化エチレ
ン、塩酸ゴム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のよう
に水分バリアー性の高い透明性のある樹脂層、更にはア
ルミニウム、珪素、マグネシウム、チタン、銀、金等の
土類金属若しくは金属、又はその酸化物の蒸着層等を有
するものである。本発明において用いられる水分バリア
ー性の材料の壁における具体的な透湿度は3.00g/
2・day(温度:40℃、90−0%RH)以下、
特に、1.20〜0.00g/m2・day(温度:4
0℃、90−0%RH)の範囲にあることが望ましい。
上記範囲内であれば外界から水蒸気がカバー内或いは収
容器内に浸透しても、それ以上の速さで乾燥剤が水分を
吸収することができるので易変質薬が変質を起こすおそ
れがない。
【0011】上記接着領域及び貫通孔を形成した後に、
上記接着領域の他の外壁面に樹脂製の薬剤収容器を接着
することにより上記貫通孔の他方に気密に接続する。薬
剤収容器は樹脂製で射出成形、ブロー成形、真空成形、
その他の方法によりカップ状に形成し、好ましくは開口
に取付フランジを形成すると良い。取付フランジを貫通
孔の周縁面に固着シールすることにより、薬剤容器を貫
通孔に気密に接続することが簡単にできる。上記薬剤収
容器に水分によって変質又は変色する易変質薬が収容さ
れる。易変質薬としては、凍結乾燥した抗生物質、生理
活性蛋白質等や化学物質等を挙げることができる。かか
る易変質薬を上記薬剤収容器に収容した場合、外界の水
分(水蒸気)が収容器内に僅かに透過して来る。かかる
水分は易変質薬の長期保存を妨げる。
【0012】上記カバー内には乾燥剤が配され、カバー
内の空間は出来る限り小さく形成されることが望まし
い。乾燥剤としては、それ自身吸湿性の強い物質であっ
て化学的乾燥剤でも物理的乾燥剤でも良い。好ましい乾
燥剤としてはシリカゲル、活性アルミナ、塩化カルシウ
ム、モレキュラーシーブス等の多孔質構造物等がある。
乾燥剤の能力は特に、空気1L中に残存する水分が5×
10-3mg以下まで乾燥させるものが望ましい。かかる
乾燥剤であれば絶対湿度を上記範囲まで下げることがで
きる。尚、本発明に係る医療用容器の胴部内には上記薬
剤収容器内の薬剤成分の溶解液、希釈液、或いは電解質
成分を含む輸液剤等が充填され、高圧蒸気滅菌処理され
て収容されている。
【0013】本発明に係る医療用容器にあっては、胴部
内の全体に充填される液剤と、上記収容器内の薬剤とは
使用時に接着領域を外部操作で剥離することにより容易
に混合できる。従って、従来の複室容器の機能を備えた
医療用容器と同等の使い勝手を有する。その一方で、上
記薬剤収容器内の薬剤をその容器内で無菌充填し且つ凍
結乾燥等ができ、そして、かかる薬剤収容器を接着領域
に接続するのみで簡単に製造することができる。またそ
の接続に際しては、上記収容器と胴部の貫通孔との接続
を無菌雰囲気の清浄エリア中で簡単に行うことができ
る。収容器の薬剤の無菌充填と胴部内の液剤の充填及び
高圧蒸気滅菌処理等とが別々に別々の場所でできるた
め、多種薬剤管理充填の管理製造が容易となる。医療用
容器の本体と薬剤収容器とを個々に清浄エリア内に搬入
できる。特に、上記薬剤収容器に収容される薬剤成分は
熱に弱いものがある。このため、薬剤成分を高圧蒸気滅
菌処理できないものがり、無菌充填のみ許されるものが
ある。かかる薬剤成分を用いる輸液容器等も従来からあ
り、かかる輸液容器等は液剤と共に薬剤の蒸気滅菌処理
ができなくなる。そこで、上記接着領域を形成した後、
液剤を胴部内に充填し滅菌処理し、その後、収容器等を
無菌的に接続するようにすれば上記問題は簡単に解決す
ることができる。
【0014】また、水分によって容易に変質する易変質
薬を上記樹脂製の薬剤収容器に収容した場合、外界の水
分が樹脂製の収容器内に僅かに透過して来る。かかる水
分は易変質薬の長期保存を妨げる。このため、シール蓋
を水分バリアー性のカバーで気密に覆ってカバー内に乾
燥剤を配すれば、外界の水分が薬剤収容器内に侵入して
も、容器内の水分は透湿性乃至透過性のあるシリコンゴ
ムシート壁を直ぐに透過して乾燥剤に吸収される。この
場合、カバーとシール蓋との空間を出来る限り小さくで
きるので、乾燥剤の除湿空間も少なくて済む。シリコン
ゴムシート壁は極めて透湿性があるので、薬剤容器壁か
ら透過する水分を上回る速度で乾燥剤が容器内の水分を
吸収することができる。
【0015】本発明に係る請求項2記載の医療用容器
は、上記請求項1記載の医療用容器において、上記シー
ル蓋を構成するシリコンゴムシートが20〜2000μ
mの範囲の厚みを有することを特徴とする。上記シリコ
ンゴムシートは医療用上の安全性も高く、透湿性も十分
にある。また、シリコンゴムシートの厚みが上記範囲内
であれば、その壁の透湿度は50乃至2000g/m2
・day(温度:40℃)の範囲となる。上記壁の透湿
度が上記範囲内にあれば、一般的なポリオレフィン系の
収容器壁の透湿度の103オーダ以上の大きさとするこ
とができる。このため、収容器壁を透過して収容器内に
一旦侵入した水分は乾燥剤が速やかに吸収し、その水分
の侵入速度以上にシール蓋を介して乾燥剤が吸収する水
分の速度が速くなる。そして、薬剤収容器内は殆ど水分
が存在しない乾燥状態となる。また、乾燥剤はシール蓋
及び収容器の壁を介して透過してくる僅かな水分のみを
除脱するため、その除脱機能を長期間維持することがで
きる。上記壁の厚みが上記範囲を上回れば、シリコンゴ
ムシートを介して乾燥剤による除湿速度が悪くなるおそ
れがあり、上記範囲を下回れば、壁としての機械的強度
に問題が生じる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は第一実
施例に係る医療用容器の断面図である。図2は第一実施
例に係る医療用容器の平面図である。図3は第一実施例
に係る医療用容器の使用時の要部断面図である。図4は
第一実施例に係る医療用容器における薬剤収容器を備え
たバイアルの分解断面図である。図5は図4に示すバイ
アルの断面図である。
【0017】第一実施例に係る医療用容器1は、図1〜
図5に示す如く可撓性の樹脂壁から形成された扁平な胴
部2の一部に、胴部2の内壁面同士を剥離可能に熱溶着
した接着領域3を形成して接着領域3に貫通孔4を形成
し、接着領域3の一の外壁面にシール蓋5を接着するこ
とにより貫通孔4の一方を気密に覆う共に上記接着領域
3の他の外壁面に樹脂製の薬剤収容器6を接着すること
により上記貫通孔4の他方に気密に接続するものであ
り、シール蓋5はシリコンゴムシートからなり、薬剤収
容器6に水分によって変質又は変色する易変質薬である
抗生物質10を収容し、シール蓋5を気密に覆う水分バ
リアー性の材料からなるカップ状の収容カバー8を設
け、収容カバー8内に乾燥剤9を配してなる。上記シー
ル蓋5を構成するシリコンゴムシートが20〜2000
μmの範囲の厚みを有する。
【0018】本実施例に係る医療用容器1を更に詳しく
説明すると、医療用容器1の胴部2は壁の厚みが200
μmのシートから形成され、その容量は160mlで、
長さが150mmで、幅が80mmである。胴部2の壁
は外層と内層との二層に成形され、外層は厚みが150
μmの直鎖状低密度ポリエチレン(密度:0.935g
/cm3、MI:2、融点:121℃)からなる。内層
は厚みが50μmの直鎖状低密度ポリエチレン(密度:
0.935g/cm3、融点:121℃)とポリプロピ
レン(密度:0.900g/cm3、MI:0.7、融
点:165℃)とを2:1の割合で混合したブレンド物
の層からなる。胴部2壁の透湿度は5g/m2・day
(温度:40℃)である。胴部2には排出ポート20が
取付られ、排出ポート20はゴム栓で密封されている。
胴部2内には溶解液7が収容され、溶解液7は容器1と
共に蒸気滅菌処理されている。
【0019】胴部2の一部には対向する内壁面同士が接
着されられた接着領域3が形成され、接着領域3は胴部
2内の内部圧を約0.2Kgf/cm2にした時に剥離
するような接着強度に形成されている。接着領域3には
円形状の貫通孔4が形成され、貫通孔4の一方の開口は
シール蓋5で気密に覆われ、他方の開口は抗生物質10
が収容された薬剤容器6が気密に接続されている。シー
ル蓋5は図3に示す如くシリコンゴムシート5Aからな
り、シリコンゴムシート5Aは取付リング状部材11を
介して貫通孔4の一方の開口に取付られている。シリコ
ンゴムシート5Aの周縁部は取付リング状部材11及び
乾燥剤9の収容カバー8に挟持され、乾燥剤9はカバー
8内に気密に配せられている。シリコンゴムシート5A
は外径が20mmの円盤形状であり、その厚みが100
μmで、その壁の透湿度が350g/m2・day(温
度:40℃)である。取付リング部材11は薄肉の高密
度ポリエチレン樹脂成形物であり、熱溶着シールによっ
て胴部2の外壁に液密に固着されている。収容カバー8
はアルミニウム箔がラミネートされた多層シートを真空
成形したものであり、上記取付リング部材11に熱溶着
シールによって気密に固着されている。このため、カバ
ー8の壁の透湿度は0.05g/m2・day(温度:
40℃、90−0%RH)以下であり、酸素の透過度が
0.1cc/m2・day・atm(温度:25℃、9
0%RH)以下である。乾燥剤9は5gのモレキュラー
シーブスからなる。
【0020】上記貫通孔4の他方の開口には薬剤収容器
6が取り付けられ、収容器6内には凍結乾燥物10が収
容されている。収容器6は透明な熱可塑性樹脂成形物か
らなり、収容器6はカップ状に形成され、その開口には
フランジ部6Aが形成されている。フランジ部6Aと貫
通孔4の周縁部とが気密に熱溶着シールされ、収容器6
はフランジ部6Aを介して胴部2の外壁面に取付られて
いる。収容器6は外層、中間層、及び内層からなる樹脂
シートから形成される。外層は厚みが100μmの低密
度ポリエチレン層で形成され、中間層は厚みが3000
μmの環状ポリオレフィン系樹脂(三井石油化学工業株
式会社製のアペル APL6013)層からなる。内層は厚
みが100μmの直鎖状低密度ポリエチレン層からな
る。そして、収容器6壁の透湿度[P1]は0.05g/
2・24hr(温度40℃、0−90%RH差)程度
である。
【0021】次に、本発明に係る医療用容器の製造方法
を簡単に説明する。図2に示す如く上述のインフレーシ
ョンシートを所定の長さに裁断し、裁断端部22、24
を密封シールして容器本体である胴部2を成形する。密
封シールの際に裁断端部22に排出ポート20を取り付
ける。密封シールは温度170℃のシール条件で行い、
端部22、24を剥離不能な固着シールとする。胴部2
の一部に内壁面同士を接着させた剥離可能な接着領域3
を形成する。接着領域3は温度140℃のシール条件で
行う。接着領域3に貫通孔4を形成する。貫通孔4はポ
ンチにより行う。上記取付リング部材11にシリコンゴ
ムシート5Aを貼り付け、かかる取付リング部材11を
接着領域3の外壁面に熱溶着シールによって貼着して、
貫通孔4の一方の開口を気密に覆う。熱溶着シールは温
度130℃のシール条件で行う。また、胴部2の反対側
から無菌維持用シール材等を接着領域3の外壁面に熱溶
着シールによって貼着して、貫通孔4の他方の開口を気
密に覆う。熱溶着シールは温度130℃のシール条件で
行う。従って、上記貼着処理を行っても、接着領域3の
剥離可能なシール機能が失われない。尚、無菌維持用シ
ール材等は内層がポリエチレンとポリプロピレンとから
なるブレンド樹脂からなり、中間層にアルミニウム蒸着
層を有しているものが望ましい。次に、排出ポート20
から溶解液7を胴部2内に充填し、排出ポート20にゴ
ム栓をして密封する。密封後、かかる容器1を温度11
0℃で高圧蒸気滅菌処理する。
【0022】一方、図4に示す如くシートを真空成形し
て取付フランジ6Aを有したカップ状の薬剤収容器6を
成形し、図5に示す如くバイアル26に配する。バイア
ル26は半打栓可能なゴム栓28が取り付けられる開口
30を有した上部半体32と薬剤収容器6を配する下部
半体34とからなる。薬剤収容器6を下部半体34に取
り付け、次に、上部半体32と下部半体34とを組み合
わせる。上部半体32の開口30から凍結乾燥用溶液を
除菌フィルタを介して充填する。充填後、ゴム栓28を
開口30に半打栓状態で打栓し、凍結乾燥容器内にバイ
アル26を搬入する。凍結乾燥を完了させ、収容器6内
に抗生物質10を凍結乾燥物として生成した後、ゴム栓
28を開口30に完全打栓する。バイアル26を無菌を
維持した環境のクリーンルーム内に配する。上記クリー
ンルーム内に滅菌処理後の上記容器1を搬入し、胴部2
の貫通孔4から無菌維持用シール材等を剥がす。一方、
凍結乾燥後のバイアル26の上部半体32を下部半体3
4から取り外す。そして、貫通孔4の開口に薬剤収容器
6を無菌的に接続する。接続は取付フランジ6Aを開口
の周縁の胴部2の外壁面に固着シールして行う。固着シ
ールは温度130℃で行う。次に収容カバー8内に乾燥
剤9を充填し、シリコンゴムシートの周縁部を挟持しな
がら収容カバー8を取付リング部材に熱溶着シールによ
って固着する。
【0023】このように構成される医療用容器1にあっ
てはその製造時に以下の利点がある。先ず接着領域3を
容易に形成し、貫通孔4を簡単に形成することができ
る。薬剤収容器6を熱接着等により扁平な胴部2の壁に
容易に取り付けることができる。また薬剤収容器6の接
続に際しては無菌雰囲気中に配して、その接続部、即
ち、収容器6の口部及び貫通孔4の開口部を無菌維持用
シール材などを使用して接続の直前まで無菌に維持して
置くことができる。このため、薬剤収容器6と容器本体
である胴部2との無菌接続が安全且つ簡単にできる。薬
剤収容器6内に抗生物質10等のように高圧蒸気滅菌処
理できないものを対象する場合の医療用容器1に適した
ものとなる。製造上、高圧蒸気滅菌処理の際に、貫通孔
4の開口に無菌維持用シール材14などを貼着してその
開口を滅菌することも容易にできる。
【0024】このように構成される医療用容器1にあっ
てはその保存時に以下の利点がある。抗生物質10はほ
ぼ完全に変質が防止され、抗生物質10の変質を防止す
る乾燥剤9の機能が長く維持される。上記薬剤収容器6
は透明な樹脂製容器であるためその保存時に容器内の抗
生物質10の状態を確認でき、医療用容器として望まし
い形態となっている。上記薬剤収容器6は樹脂製容器で
あるため、外界から水分が水蒸気として微量ながら侵入
する。しかし、侵入した水分はシリコンゴムシートのシ
ール蓋5の壁を速やかに通過して乾燥剤に吸収される。
このため、収容器6内の抗生物質10が変質するおそれ
がない。即ち理論上、外部からの水分が収容器6内に透
過する速度dM/dtは以下の式で得られる。dM/d
t=[A1]・[P1]([W1]−[w2])。ここで、[A1]は
収容器6の壁面積である。[P1]は、収容器6の壁の透
湿度である。[W1]は収容器6外の水蒸気圧である。[w
2]は収容器6内の水蒸気圧である。また収容器6内の水
分がシール蓋5を透過して乾燥剤9に吸収される速度d
m/dtは以下の式で得られる。dm/dt=[A2]・
[P2]([w2]−[W3])。ここで、[A2]は上記シール蓋
5の壁面積で容器6の壁面積の1/2程度である。[P
2]は、上記室壁の透湿度である。[W3]は乾燥剤が配
された空間の水蒸気圧であり、その水蒸気圧は0に近似
することができる。
【0025】ここで、収容器内の水蒸気圧[w2]はdM
/dt=dm/dtになったときに一定となる。このと
き、[A1]・[P1]([W1]−[w2])=[A2]・[P2]
([w2]−W3)、更には[A1]・[P1]([W1]−[w2])
=[A2]・[P2]・[w2]となる。従って、収容室内の水
蒸気圧[w2]は、以下の式に[w2]=[A1]・[P1]・[W
1]/([A1]・[P1]+[A2]・[P2])、又は[w2]=[W
1]/{1+([A2]・[P2]/[A1]・[P1])}となる。
このため、収容器内の水蒸気圧[w2]は外界の水蒸気圧
[W1]に比例し、([A2]・[P2]/[A1]・[P1])が1
より過大な値になればこれに反比例する。従って、医療
用容器1にあっては、[P2]=350g/m2・day
(温度:40℃、90−0%RH)>>>[P1]=
0.05g/m2・day(温度:40℃、90−0%
RH)が103オーダーを遥かに上回るため、反比例関
係から[w2]<<<[W1]となり、収容器6内は乾燥
剤9が存在するカバー8内と同様な乾燥状態と見て良
い。実際に温度が40℃で相対湿度が90%の環境に1
カ月間の過酷試験を行っても抗生物質10の力価は低下
しなかった。また、このような構成にあっては、乾燥剤
9は収容器6を間接的に透過した水分のみを吸収し、乾
燥する除湿空間が狭いため、全体を包装材で覆う場合よ
り乾燥剤9の使用量を少なくすることができる。
【0026】このように構成された医療用容器1にあっ
ては、その使用時に容器本体を外部から押圧する。これ
により接着領域3が剥離する。剥離により薬剤収容器6
と胴部2の全体が連通し、溶解液7に抗生物質10が溶
解する。この場合、溶解液7はシール蓋5の壁と接する
が、かかる壁は耐水性があるため多少の押圧に対しても
溶解液7は漏洩するおそれがない。従って、抗生物質1
0を無菌的に溶解液7に溶解して、輸液を開始すること
ができる。上記実施例では接着領域3を形成した後に貫
通孔4を形成した。しかし、貫通孔4を形成した後にリ
ング状の接着領域を形成する方法であっても良い。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器では、可撓性の樹脂壁から形成された扁平な胴部の
一部に、該胴部の内壁面同士を剥離可能に熱溶着した接
着領域を形成して上記接着領域に貫通孔を形成し、上記
接着領域の一の外壁面にシール蓋を接着することにより
上記貫通孔の一方を気密に覆う共に上記接着領域の他の
外壁面に樹脂製の薬剤収容器を接着することにより上記
貫通孔の他方に気密に接続するものであり、上記シール
蓋はシリコンゴムシートからなり、上記薬剤収容器に水
分によって変質又は変色する易変質薬を収容し、上記シ
ール蓋を気密に覆う水分バリアー性の材料からなるカバ
ーを設け、上記カバー内に乾燥剤を配してなるので、薬
剤の移し換え充填等を行わずに、無菌的に且つ簡単に薬
剤収容器等を容器の胴部に接続することができる。ま
た、易変質薬の変質を防ぐため、収容器又は胴部の一部
のみをカバーで覆って出来る限り乾燥空間を小さくして
乾燥剤の機能を長期間維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第一実施例に係る医療用容器の断面図で
ある。
【図2】図2は第一実施例に係る医療用容器の平面図で
ある。
【図3】図3は第一実施例に係る医療用容器の使用時の
要部断面図である。
【図4】図4は第一実施例に係る医療用容器における薬
剤収容器を備えたバイアルの分解断面図である。
【図5】図5は図4に示すバイアルの断面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 胴部 3 接着領域 4 貫通孔 5 シール蓋 6 薬剤収容器 7 溶解液 8 カバー 9 乾燥剤

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可撓性の樹脂壁から形成された扁平な胴
    部の一部に、該胴部の内壁面同士を剥離可能に熱溶着し
    た接着領域を形成して上記接着領域に貫通孔を形成し、
    上記接着領域の一の外壁面にシール蓋を接着することに
    より上記貫通孔の一方を気密に覆う共に上記接着領域の
    他の外壁面に樹脂製の薬剤収容器を接着することにより
    上記貫通孔の他方に気密に接続するものであり、 上記シール蓋はシリコンゴムシートからなり、 上記薬剤収容器に水分によって変質又は変色する易変質
    薬を収容し、上記シール蓋を気密に覆う水分バリアー性
    の材料からなるカバーを設け、上記カバー内に乾燥剤を
    配してなることを特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】 上記シール蓋を構成するシリコンゴムシ
    ートが20〜2000μmの範囲の厚みを有することを
    特徴とする請求項1記載の医療用容器。
JP9363593A 1997-12-16 1997-12-16 医療用容器 Pending JPH11169434A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006111532A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Yoshindo:Kk パニペネム含有ダブルバッグ型製剤
JP2009136593A (ja) * 2007-12-10 2009-06-25 Nipro Corp 再生医療用器具の包装体

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JP2006111532A (ja) * 2004-10-12 2006-04-27 Yoshindo:Kk パニペネム含有ダブルバッグ型製剤
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