JPH10167341A

JPH10167341A - 医療用容器の包装構造

Info

Publication number: JPH10167341A
Application number: JP8342733A
Authority: JP
Inventors: Soichi Kuroki; 宗一黒木; Tatsuo Suzuki; 龍夫鈴木; Keinosuke Isono; 啓之介磯野
Original assignee: Material Engineering Technology Laboratory Inc
Current assignee: Material Engineering Technology Laboratory Inc
Priority date: 1996-12-05
Filing date: 1996-12-05
Publication date: 1998-06-23

Abstract

(57)【要約】【目的】薬液と薬剤とを収容した医療用容器における
酸素或いは水分等によって薬剤の変質を防止しすること
のできる医療用容器の包装構造を提供。【構成】二以上の室に区分形成され、且つ室と室との
隔離シール部の少なくとも一部が剥離開封可能なシール
部で形成された樹脂製の医療用容器の全体を包装材で密
封包装する包装構造において、上記包装材はガス難透過
性壁或いはガス非透過性壁からなり、上記包装材の内壁
面を上記医療用容器の隔離シール部の外壁面に液密に熱
溶着シールして上記各室のそれぞれの外側も上記包装材
で液密に区分室を形成していることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、医療用容器の包装
構造に関するものであり、より詳しくは、樹脂製容器が
二以上の室で区分されて、少なくとも一の室に変質し易
い薬剤が収容され、また室を区分する隔離シール部が剥
離可能なシール部で形成される医療用容器の包装に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】医療用容器、特に輸液容器には他の薬剤
容器からの薬剤が混注された後に点滴使用されるものが
ある。従来、このような医療用容器は可撓性プラスチッ
ク容器本体と、本体内部に連通する管状の混注口と、混
注口の先端に薬剤容器の口部を受け入れることのできる
接続口（連結カプセル）と、からなり、接続口内に混注
口と連通している穿刺針が配せられたものが提案されて
いる（特開平８−１０３１２号公報）。かかる輸液容器
の使用操作は、先ず、混注薬剤を収容したバイアル（薬
剤容器）の口栓を容器の接続口に挿入し、口栓に穿刺針
を刺通させる。これにより、バイアル内と輸液容器内と
が連通する。連通後、輸液容器本体の胴部を手揉みして
輸液の一部をバイアル内に流入する。バイアルを振って
混注薬剤を溶解した後、再び、輸液容器内に戻す。そし
て、排出口に点滴針を刺通して患者に点滴を開始する。
また、予めバイアルを備えた医療用容器も提案されてい
る。例えば、内部に溶解液又は希釈液が収納された可撓
性容器と、該可撓性容器に連結されており、薬剤容器を
支持するための容器支持手段を有するカプセルと、前記
容器支持手段によって前記カプセル内に支持される薬剤
容器と、前記可撓性容器の内部と連通しており、薬剤容
器の口部に穿刺可能な連津手段と、連通手段を薬剤容器
の口部に穿刺していないとき、該連通手段の流体通路を
液密に閉止しており、連通手段を前記薬剤容器の口部に
穿刺したとき、前記流体通路を閉止しない非閉止状態と
なる閉止手段とからなる輸液容器が提案されている（実
公平５−４２８３３号公報）。このような医療用容器
は、抗生物質とそれを溶解する溶解液を一緒に提供する
ものである。また、最近、使用時に薬液と薬剤とを効率
良く混合するものとして、剥離可能なシール部を有した
医療用容器が用いられている。これは、容器本体を複数
の室に区分して薬液と薬剤を分けて収容したものであ
る。また、その区分の隔離シール部をイージピールシー
ル部或いは弱シール部とし、使用時に容器本体を圧迫す
るだけで容易に室と室との隔離シール部を開放し混合す
るものである。このような医療用容器は連通針等を用い
ない点で優れた構造となっている。一方、医療用容器、
例えば、上述の二室以上に区分形成され、且つ室と室と
の隔離シール部の少なくとも一部が剥離開封可能なシー
ル部で形成された上記医療用容器に限らず、一般に医療
用容器は透明性のあるプラスチック包装材で液密に密封
包装される。これは、医療用容器等にピンホールがある
と、包装材内が濡れ、事前に欠陥容器を見極めるためで
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、剥離開
封可能なシール部を有した医療用容器を従来の包装構造
で包装するには以下の問題がある。例えば、ポリビニル
アルコール、ポリ塩化ビニリデン等のガス難透過性材
料、或いはアルミニウムなどをラミネート或いは蒸着し
たガス非透過性材料を包装材に用いても医療用容器内の
薬剤が変質する場合が多々ある。これは、医療用容器の
薬液を収納した室から容器壁越しに水蒸気などが包装材
内に一旦蒸散し、かかる水蒸気が再び容器壁越しに薬剤
を収容した室に移行し、その水分が薬剤に悪影響を与え
るからである。また、ガス難透過性材料にあってはガス
の遮断性が高ものの、微量の酸素、水蒸気などが包装材
内に移行し、これが容器壁を透過して薬剤に悪影響を与
える場合もある。また、薬剤を収容する医療用容器の室
内及び室壁が十分に乾燥していないと、医療用容器の長
期間の保存中に薬剤が変質するおそれもある。従って、
本発明は、薬液と薬剤とを収容した医療用容器における
酸素或いは水分等によって薬剤の変質を防止しすること
のできる医療用容器の包装構造を提供することを目的と
している。本発明はまた、薬液と薬剤とを収容した医療
用容器における薬剤の収容室を十分に乾燥且つ無菌状態
を維持して該薬剤を充填することができる医療用容器の
包装構造の製造、組立方法を提供することを目的として
いる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、二以上の室に
区分形成され、且つ室と室との隔離シール部の少なくと
も一部が剥離開封可能なシール部で形成された樹脂製の
医療用容器の全体を包装材で密封包装する包装構造にお
いて、上記包装材はガス難透過性壁或いはガス非透過性
壁からなり、上記包装材の内壁面を上記医療用容器の隔
離シール部の外壁面に液密に熱溶着シールして上記各室
のそれぞれの外側も上記包装材で液密に区分室を形成し
ていることを特徴とする医療用容器の包装構造を提供す
ることにより、上記第一の目的を達成したものである。

【０００５】上記樹脂製の医療用容器は、少なくとも可
撓性壁を有し非定容積性の容器である。また医療用容器
は内部の薬液等が確認できる程度の透明性を有していな
ければならない。樹脂容器は、シート及びフィルムから
成形したもの、直接ブロー成形、射出成形したもの等で
ある。樹脂容器の樹脂成形壁は単層に限らず複数の樹脂
層からなる多層構造でも、樹脂層自体が複数の樹脂のブ
レンド物でも良い。容器の樹脂素材はポリオレフィン系
樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の汎用
樹脂であり、特に、ポリオレフィン系樹脂、例えば、直
鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が望まし
い。これらのポリオレフィン系樹脂を特に内層に配する
ことにより、容器壁が薬液等に対して悪影響を与えるお
それが少ない。また後述の剥離開封が可能なシール部を
形成するにはシール温度が問題となるが、融点の異なる
樹脂のブレンド物が内層であれば、そのシール温度管理
が良好となり、製造上、剥離開封可能なシール部を安定
に得ることができる。医療用容器の室は薬液を収容する
薬液室と変質性のある薬剤を収容する薬剤収容室のみで
も良いが、その他の室が樹脂容器に設けられていても良
い。室と室とを分ける隔離シール部は、室同士の連通を
遮断するように樹脂壁同士が互いに接着されているもの
である。そして、隔離シール部の少なくとも一部は使用
時に外側から室同士を連通可能にできる剥離開封可能な
シール部である。通常、このようなシール部はピールシ
ール部又は弱シール部と称される。隔離シール部は薬液
室等を使用時に圧迫した場合に剥離開封する一方、保存
時に室と室との間を液密に遮断するものである。隔離シ
ール部が上記機能を有するために、その剥離強度は容器
内圧が０．０１〜０．５０Ｋｇｆ／ｃｍ²の範囲で昇圧
されたときに剥離することが望ましい。上記範囲を下回
る強度では、保存中の取り扱いによって隔離シール部が
不用意に剥離開封するおそれがある。上記範囲を上回る
強度では、隔離シール部の剥離開封操作に手間がかか
る。隔離シール部の形成は、シール温度、シール時間等
を厳しくコントロールして形成することができるが、よ
り確実で安全に形成するためには上述したように内層を
異なる樹脂のブレンド物とすることが望ましい。融点が
異なる樹脂層では、熱溶着シール強度と温度条件との一
定の関係が得易く、シール強度を容易にコントロールで
きるからである。医療用容器の室に収容される薬剤は、
抗生物質等の凍結乾燥品、粉末、顆粒、打錠等の固形薬
物である。また、ビタミン、生理活性物質、抗ガン剤、
特殊アミノ酸、蛋白質等がある。特に、酸素や水分の存
在により変質し易い薬剤等を対象とすることができる。
また、薬剤は室に直接収容されていても良く、また凍結
乾燥用のバイアルを介して収容されていても良い。医療
用容器の室に収容される薬液は、上記薬剤の溶解液、混
合液、希釈液、輸液成分、及び栄養剤成分の薬液等が無
菌的に収容されている。これらの薬液は通常医療用容器
に液密に充填された後に、医療用容器と共にオートクレ
ーブ滅菌処理される。薬液は一般に電解質液である。例
えば、乳酸、酢酸、重炭酸等を含むリンゲル液、糖、ア
ミノ酸、ペプチド、脂肪等を含む高カロリー輸液、透析
液、臓器保存液等の溶液である。尚、薬液は凍結乾燥薬
剤の単なる溶解液、希釈液でも良く、かかる薬液は単純
な無菌水であっても良い。

【０００７】包装材はガス難透過性壁或いはガス非透過
性壁からなる。即ち、包装材は、ガス難透過性の樹脂素
材、或いは樹脂にガス非透過性の金属がラミネート或い
は蒸着等がなされた素材からなる。具体的に包装材は、
シート、或いはフィルム等の肉薄壁で構成される樹脂成
形材であり、樹脂は熱可塑性樹脂である。熱可塑性樹脂
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びその他のポリ
オレフィン、スチレン系樹脂、ポリビニルアルコール、
エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリア
クリロニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ジェン
系樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ポリ
カーボネート等である。樹脂成形材は上記樹脂の単層或
いは二以上の樹脂からなる多層成形物でも良い。また樹
脂成形材はシート、フィルムに限らず、ブロー成形物、
或いは押出成形物として提供されるものでも良い。ガス
難透過性壁を有する包装材としてはポリビニルアルコー
ル、ポリ塩化ビニリデン、珪素蒸着物等のガスバリアー
性の高い樹脂層、無機層を中間層等に有した多層系の樹
脂成形材を挙げることができる。また、ガス非透過性壁
を有する包装材としては、樹脂層の他にアルミニウム等
の金属層がラミネート或いは蒸着される樹脂成形材であ
る。

【０００８】本発明において上記包装材はその内壁面を
上記医療用容器の上記隔離シール部に位置する外壁面に
液密に熱溶着シールして、上記各室のそれぞれの外側も
上記包装材で液密に区分室を形成している。内壁面と外
壁面との熱溶着シールは完全な固着シール部でも剥離可
能なシール部でも良い。但し、かかるシール部は液密性
が保たれているものである。このように構成される医療
用容器の包装構造において、上記薬液等が収容された医
療用容器の室から薬液中の水分が保存中に医療用容器壁
を通って包装材内に蒸散する。かかる水分は、従来、他
の室壁を透過して再び他の室内に移行して薬剤を変質さ
せるが、本発明では各室の外側の包装部分も室毎に液密
に区分室が形成されているため、かかる水分が包装材内
で直接他の室に移行するおそれはない。また、包装材は
ガス難透過性壁或いはガス非透過性壁で構成されるの
で、包装材外の水蒸気や酸素が包装材内に移行するおそ
れが少なく、これにより、外界の酸素等も薬剤収容室内
に移行するおそれもない。また、上記薬液収容室からで
る水蒸気も包装材内で維持され、薬液中からの水分の減
少も防止できる。更に、包装材の区分室は薬液収容室を
密封状態で包装する。このため、薬剤収容室自体にピン
ホールが生じている場合、包装材の区分室内が濡れるの
で容易にピンホールを確認することができる。

【０００９】請求項２記載の本発明は請求項１記載の医
療用容器の包装構造において、上記包装材壁の内層を形
成する樹脂の融点は、上記医療用容器の隔離シール部の
内層を形成する樹脂の融点と同一又はそれ以下の温度で
あることを特徴とすることができる。包装材の内層或い
は医療用容器の内層とは、包装材等が単層からなる樹脂
成形材であればその層、包装材等が多層からなる樹脂成
形材であればその最内層をいう。包装材の内壁面を隔離
シール部に熱溶着シールする際に、内壁面を液密に隔離
シール部に密着させるには包装材の内壁面はある程度溶
融していなければならない。内壁面を溶融させる温度は
包装材の内層の融点に依存する。包装材の内層の融点が
隔離シール部の内層の融点を上回ると、包装材の内層を
容器隔離シール部の外壁面に十分に密着するようなシー
ル温度でシールするときに隔離シール部内の内層同士も
溶融して再シールされるおそれがある。かかる隔離シー
ル部の内層同士の溶融再シールは、医療用容器としての
隔離シール部の剥離開封可能な機能を損なうおそれがあ
る。確かに、隔離シール部の内層まで高温にならないよ
うに包装材の内壁面と隔離シール部の外壁面との熱溶着
シールは可能である。しかし、かかるシール手段の温度
調整に頼ったのでは、製造上の歩留まりを上げることが
できない。従って、包装材壁の内層の樹脂融点は医療用
容器における隔離シール部の内層の樹脂融点と同一又は
それ以下の温度であることが望ましい。

【００１０】請求項３記載の本発明は請求項１又は２記
載の医療用容器の包装構造において、上記医療用容器内
には薬剤が収容され、上記医療用容器を覆う包装材壁の
少なくとも一部がガス難透過性で、且つ透明性であり、
上記薬剤を収容した上記室を包む包装材内に脱酸素剤又
は乾燥剤を配してなることを特徴とすることができる。
上記医療用容器を覆う包装材壁の少なくとも一部がガス
難透過性で、且つ透明性である。従って、包装材壁には
医療用容器内の薬剤及び薬液の確認ができる部分がある
ことである。医療用容器において内部の確認は極めて重
要であり、投与前に薬剤、薬液の異常を発見する場合に
必要とされる。包装材壁が透明性を有するにはアルミニ
ウム等をラミネートした不透明な包装材壁で形成するこ
とはできない。即ち、ガス非透過性壁を包装材全体に用
いることはできず、一部において透明なガス難透過性壁
を配する必要がある。しかし、如何にガスバリアー性の
高い樹脂層からなるガス難透過性包装材壁であっても、
外部から微量ながら酸素や水蒸気等の移行を生じる。か
かる微量酸素等は薬剤の変質を招くおそれがある。そこ
で、医療用容器を覆う包装材壁の少なくとも一部に透明
壁を設けた場合には脱酸素剤又は乾燥剤、並びにこれら
を一緒にして区分された包装材の区分室内に入れること
が望ましい。脱酸素剤又は乾燥剤は包装材外から透過し
てくる酸素又は水蒸気等を除脱すると共に、医療用容器
の容器壁及び薬剤収容室内に存在する微量の酸素又は水
蒸気を除脱する作用を有し、薬剤の変質を完全に防止す
ることができる。また、包装材は隔離シール部を境に液
密に区分室が形成されているため、薬液収容室内からで
た包装材内の水蒸気などを直接乾燥剤等が除脱してその
効果寿命を極端に縮めることはない。脱酸素剤として
は、アスコルビン酸、カテコール系化合物を主体とした
有機系のもの、或いは鉄等の金属及びハロゲン化金属か
らなる粉末状のものなどがある。具体的には、商品名
「エージレス」（三菱瓦斯化学株式会社）やその他のメ
ーカー等から市販されているものである。脱酸素剤とし
ては、酸素吸収のみ行うもの、酸素を吸収して炭酸ガス
を発生するもの等がある。乾燥剤としては、それ自身吸
湿性の強い物質であって化学的乾燥剤でも物理的乾燥剤
でも良い。好ましい乾燥剤としてはシリカゲル、活性ア
ルミナ、塩化カルシウム、モレキュラーシーブス等の多
孔質構造物等がある。

【００１１】請求項４記載の本発明は請求項３項の何れ
かに記載の医療用容器の包装構造において、上記包装材
壁は、酸素透過量が０〜５０cc/m²*24hrs*atm（２０
℃）のガス難透過性壁或いはガス非透過性壁からなるこ
とを特徴とする。包装材壁のガス難透過性又はガス非透
過性が上記範囲内にあれば、脱酸素剤の使用等を踏まえ
て薬剤の変質を十分に防止できるものである。尚、酸素
透過量が０の値は包装材がガス非透過性であることを示
す。

【００１２】請求項５記載の本発明は請求項１〜３項の
何れかに記載の医療用容器の包装構造において、上記医
療用容器に点滴用の排出口を設け、上記排出口を有した
上記室を覆う上記包装材部分に開封部を形成してなるこ
とを特徴とすることができる。排出口は一般に使用時に
点滴用の連通針が刺通される。このため、排出口を有し
た上記室を覆う包装材部分が容易に開封されれば、包装
材を医療用容器本体に大部分残したまま排出口から点滴
を簡単に開始できる。上記開封部としては例えば、上記
開封部は、離切用リボンが設けられ、該離切用リボンの
引き取りにより上記包装材壁が破断するように形成した
ものである。また上記開封部は、上記包装材が破断性を
有し、破断方向に設けた包装材の切れ込みであるもので
ある。また、上記包装材は２枚の部材を重ね、該部材同
士の周縁を熱溶着シールして形成し、上記開封部は、上
記周縁シール部の少なくとも一部であって剥離可能なピ
ールシール部である等の構成を採用することができる。

【００１３】次に、請求項６記載の本発明は請求項１記
載の医療用容器の包装構造についての好ましい製造、組
立方法について以下に述べる。尚、請求項１記載の医療
用容器の包装構造の製造、組立方法はこれに限るもので
はない。請求項１記載の医療用容器の包装構造の製造、
組立方法において、上記医療用容器の隔離シール部を上
記包装材の収納前又は収納後の該補包装材越しに形成
し、上記医療用容器の一の室に薬液を充填すると共に、
上記ガス非透過性壁からなる包装材に該医療用容器を密
封包装する共に、該医療用容器の隔離シール部に沿って
熱溶着シールを行った後にオートクレーブ滅菌し、その
後、該一の室以外の他の室を覆う包装部分の一部を開放
して、該開放口から上記薬液と混合されるべき薬剤を上
記室に充填し、該室及び該包装部分の開放口を再び液密
にシールすることを特徴とする医療用容器の包装構造の
製造、組立方法を提供することにより、上記目的を達成
したものである。

【００１４】本発明は医療用容器内に薬液及び薬剤を充
填する順序、及びその間の包装材による包装順序等に特
徴がある。即ち、先ず、樹脂材から医療用容器の本体を
形成し、本体に剥離可能な隔離シール部を形成し、また
一の室等に排出口ポート等を設ける。そして、排出口ポ
ート等から先ず薬液を充填し、かかる排出口をゴム栓等
で密封する。そして、かかる状態の医療用容器を包装材
に完全に密封包装を一旦する。尚、医療用容器の隔離シ
ール部の形成は、医療用容器本体を包装材に収納する
前、また包装材に収納後に包装材越しに行っても良い。
また、隔離シール部にそって包装材を熱溶着シールして
包装材も区分する。このような包装状態の医療用容器を
オートクレーブ滅菌処理する。オートクレーブ滅菌処理
は温度１００℃〜１５０℃、特に１０５℃〜１３０℃の
範囲で行う。これにより、医療用容器内の薬液を完全に
蒸気滅菌すると共に、薬剤等が収容される該一の室以外
の他の室も包装体内にあって滅菌状態を維持する。この
ため、他の室内の滅菌状態を維持したままで薬剤を充填
するクリーンルーム等の無菌室まで搬送し、そこで、包
装部分の一部を開放して開放口を無菌的に維持すること
が容易となる。そして、医療用容器の他の室に上記薬剤
を無菌的に充填することができる。尚、充填に際しては
薬剤のみを室に充填しても良く、薬剤の容器ごと室に収
容しても良く、また容器の開口と室の開放口を液密に接
続しても良い。かかる無菌室内で充填後、再び医療用容
器の他の室の開放口とをシールし、包装材の開放口もシ
ールすることにより、無菌維持操作が一層簡単になされ
る。また包装材をガス非透過性壁で構成して蒸気滅菌す
ると、滅菌中に包装材内に水蒸気が侵入し、更に医療用
容器の他の室にも水蒸気が侵入することはない。このた
め、滅菌後に薬剤を収容するために室の乾燥操作をする
必要がなく、そのまま乾燥させた薬剤を他の室に充填す
ることができる。尚、包装材がガス難透過性壁で構成さ
れていれば、高温滅菌中では包装材のガスバリアー性が
機能せず、薬液等が収容される他の室に水蒸気等が浸透
してしまう。

【００１５】請求項７記載の本発明はまた請求項６記載
の医療用容器の包装構造の製造、組立方法において、上
記包装材に少なくとも一部の包装材壁は、ガス難透過性
層とガス非透過性層で形成され、該ガス難透過性層をガ
ス非透過性層の外側に配し、且つ該ガス非透過性層が該
ガス難透過性層から剥離可能に設けられており、上記室
及び包装部分の開口を液密にシールした後に上記包装壁
のガス非透過性層を剥離して製造、組立することを特徴
とすることができる。これにより、包装材の一部が透明
な請求項３記載の医療用容器の包装構造が得られ、しか
も、滅菌中に包装材内に水蒸気が侵入し、更に医療用容
器の他の室にも水蒸気を侵入させないようにすることが
できるので、室を乾燥することなく薬剤の室への充填が
簡単にできる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の包装構造の
好ましい実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図
１は、本発明に係る医療用容器の包装構造を示す第一実
施例の正面図である。図２は、第一実施例に用いられる
医療用容器の正面図である。図３は、図１のＩ−Ｉ線に
沿った断面図である。図４は、図３のＢ部の医療用容器
壁の拡大断面図である。図５は、図３のＡ部の包装材壁
の拡大断面図である。図６は、第一実施例の包装材に使
用される樹脂シートの拡大断面図である。図７は、第一
実施例の医療用容器の包装構造の製造中の正面図であ
る。図８は、第一実施例の医療用容器の包装構造の変形
例を示す正面図である。

【００１７】図１乃至図７に示す如く第一実施例に係る
医療用容器の包装構造は、二以上の室１１、１２に区分
形成され、且つ室１１と室１２との隔離シール部１３、
１３の剥離開封が可能なシール部で形成された樹脂製の
医療用容器１の全体を包装材２で密封包装するものであ
る。しかして、上記包装材２はガス難透過性壁２１及び
ガス非透過性壁２２からなり、包装材２の内壁面を医療
用容器１の隔離シール部１３、１３の外壁面に液密に熱
溶着シールして各室１１、１２のそれぞれの外側も包装
材２で液密に区分室２３、２４が形成されている。

【００１８】第一実施例に係る医療用容器の包装構造を
更に詳しく説明すると、医療用容器１は図４に示す如く
柔軟な透明樹脂シート１０、１０を所定の大きさに裁断
して成形される。シート１０は肉厚が２５０μｍで、内
層１００が厚み５０μｍの直鎖状低密度ポリエチレンと
ポリプロピレンとのブレンド物で、外層１０１が厚み２
００μｍの低密度ポリエチレンの２層構造からなる。直
鎖状低密ポリエチレンは融点が１２６℃で、ポリプロピ
レンは融点が１６０℃である。また、内層は直鎖状低密
度ポリエチレンとポリプロピレンとを６５：３５の割合
でブレンドしたものである。図２に示す如く、医療用容
器１は裁断樹脂シートを二枚重ねてその互いの周縁が熱
溶着シールされて成形される。周縁シール部１４は固着
シール部で殆ど剥離せず、剥離しようとするとシートの
破断が生じる非剥離シール部である。医療用容器１は二
条の隔離シール部１３、１３によって薬液収容室１１と
薬剤収容室１２により区分されている。隔離シール部１
３は剥離開封可能なシール部として形成され、薬液収容
室１１を０．２Ｋｇｆ／ｃｍ²以上で圧迫した時に剥離
開封する。薬液収容室１１内には薬液３が収容され、薬
液３は薬剤の溶解液である。薬剤収容室１２内にはバイ
アル１５ごと薬剤４が収容されている。尚、周縁シール
部１４には薬液収容室１１の排出口１６が設けられてい
る。排出口１６は樹脂製の排出ポートと排出ポートの開
口を閉止するゴム栓とからなり、ゴム栓に点滴用針が刺
通されるようになっている。

【００１９】包装材２は柔軟な異なる２枚の樹脂シート
を矩形状に裁断して成形される。図５に示す如く、包装
材２の樹脂シート２１は透明性を有した酸素透過量が５
０cc/m²*24hrs*atm（２０℃）以下のガス難透過性シー
トからなり、樹脂シート２２はガス非透過性シートから
なる。樹脂シート２１及び２２はポリエチレンテレフタ
レート105（ＰＥＴ）、アルミニウム104（Ａｌ）、延伸
ナイロン102（ＯＮＹ）、ポリ塩化ビニリデン103（ＰＶ
ＤＣ）及び直鎖状低密度ポリエチレン101（ＬＬＤＰ
Ｅ）等の積層シートからなり、樹脂シート２１は外層か
らＯＮＹ102(１５μｍ)／ＰＶＤＣ103(１５μｍ)／ＯＮ
Ｙ102(１５μｍ)／ＬＬＤＰＥ101(１００μｍ)の多層シ
ートからなり、樹脂シート２２は外層からＰＥＴ105(１
２μｍ)／Ａｌ104(９μｍ)／ＯＮＹ102(１５μｍ)／Ｌ
ＬＤＰＥ101(１００μｍ)の多層シートからなる。尚、
直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）は融点が１２
６℃以下のものが用いれている。樹脂シート２１は、ア
ルミニウム層の剥離可能なシート２１’からアルミニウ
ム層を剥離したものである。図６に示す如く樹脂シート
２１’は外層からＰＥＴ105(１２μｍ)／Ａｌ104(９μ
ｍ)／ＯＮＹ102(１５μｍ)／／ＯＮＹ102(１５μｍ)／
ＰＶＤＣ103(１５μｍ)／ＯＮＹ102(１５μｍ)／ＬＬＤ
ＰＥ101(１００μｍ)の多層シートからなり、多層シー
トはＯＮＹ102(１５μｍ)／／ＯＮＹ102(１５μｍ)の層
間で分離可能となっている。

【００２０】図１に示す如く包装材２は樹脂シート２１
及び２２を二枚重ねてその互いの周縁が熱溶着シールさ
れて成形される。周縁シール部２５の他に区分シール部
２６が形成される。区分シール部２６は医療用容器１の
隔離シール部１３、１３間に沿って形成され、包装材２
の内壁面と医療用容器１の外壁面が液密にシールされる
ことにより形成されている。区分シール２６により包装
材２は二つの区分室２３、２４が形成され、薬液収容室
１１は区分室２３に液密に覆われ、薬剤収容室１２は区
分室２４に液密に覆われている。区分室２３に位置する
周縁シール部２５には切込み２７が形成され、また包装
材２は切込み２７の切れ込み方向に破断容易になってい
る。従って、切込み２７の位置が包装材２の開封部とな
っている。また、包装材２の周縁シール部２５に吊り孔
２８が形成され吊り孔２８は点滴時のスタンドに掛けら
れる。

【００２１】次に、第一実施例に係る医療用容器の包装
構造の製造、組立方法の好ましい実施例を詳説する。第
一実施例における医療用容器の包装構造の製造、組立方
法において、医療用容器１の隔離シール部１３を形成
し、医療用容器１の一の室１１に薬液３を充填し、次
に、ガス非透過性壁からなる包装材２１’、２２に医療
用容器１を収納して密封包装する共に、医療用容器１の
隔離シール部１３に沿って熱溶着シールを行った後にオ
ートクレーブ滅菌し、その後、一の室１１以外の他の室
１２を覆う包装部分の一部を開放して、開放口２９から
薬液３と混合されるべき薬剤４を室１２に充填し、室１
２及び包装部分の開放口２９を液密にシールする。

【００２２】医療用容器の包装構造を更に詳しく説明す
ると、医療用容器１を上記樹脂シート１０、１０から成
形する。樹脂シート１０、１０を重ねてその互いの周縁
を熱溶着シールする。ヒートシール温度は１７０℃で、
５秒間行い、互いの周縁を固着シール部１４とする。
尚、かかるヒートシールの際に周縁に排出口１６を取り
付ける。次に、所定の中間部に上述の隔離シール部１３
を二条形成する。これにより、薬液収容室１１及び薬剤
収容室１２を形成する。隔離シール部１３のヒートシー
ル温度は１４０℃で１２秒間行う。かかるヒートシール
温度条件では樹脂シートの内層１００のポリプロピレン
が十分に溶融しないため剥離可能なシール部として形成
される。次に、排出口１６から所定の量の薬液３を薬液
収容室１１に充填する。充填後、排出口１６をゴム栓で
液密に閉じる。

【００２３】一方、包装材２を２枚の異なるガス非透過
性シート２１’、２２から成形する。ガス非透過性シー
ト２１’、２２を内層がＬＬＤＰＥとなるように互いに
重ね、一端のみを開放して全ての周縁シール部２５を形
成する。そして、かかる包装材２の一端の開口３０から
上記医療用容器１を収納する。また、脱酸素剤５及び乾
燥剤６を収納する。収納後、図７に示す如く包装材２の
区分シール部２６を形成する。区分シール部２６を医療
用容器１の隔離シール部１３の領域の外側に形成する。
区分シール部２６のヒートシール温度は１３０℃で１０
秒間行う。かかる低温度域であるため、隔離シール部１
３の剥離開封機能は低下しない。次に、一端の開放口３
０を仮止めシール部３２を形成する。これにより、区分
室２３、２４は薬液収納室１１及び薬剤収納室１２を液
密に覆う。

【００２４】次に、医療用容器１を包装材２と共にオー
トクレーブ滅菌処理する。オートクレーブ滅菌処理温度
は１１５℃である。かかる処理により、医療用容器１内
の薬液収容室１１内の薬液３が滅菌される。また、かか
る薬液３の滅菌だけでなく、薬液収容室１１の外側も滅
菌され、且つ包装材２により滅菌が維持される。このた
め、薬液収容室１１の外側にカビなどが繁殖するおそれ
がない。更に、空の薬剤収容室１２内も包装材２により
無菌状態が維持される。また、包装材２の樹脂シート２
１’、２２は水蒸気を遮断するガス非透過性であるた
め、薬剤収容室１２がオートクーレブ滅菌処理中の水蒸
気等によって濡れて薬剤４が充填できなくなることはな
い。また、脱酸素剤５及び乾燥剤６により薬剤収容室１
２内及びその樹脂壁から効率良く酸素及び水分が除脱さ
れる。

【００２５】かかる医療用容器１の包装状態で、これを
無菌室に搬入し、無菌室内で仮止めシール部３２を剥離
開放し、包装材２の区分室２４を開放する。そして、薬
剤４及び薬剤容器１５を医療用容器１の薬剤収容室１２
に挿入し、薬剤収容室１２の開放口１９及び包装材２の
区分室２４の開放口３０の完全なシールを行う。これに
より、薬剤４の薬剤収容室１２への無菌充填が極めて容
易になされる。包装材２にシールを施した後、包装材２
の樹脂シート２１’からガス非透過性層から剥離して樹
脂シート２１の包装材壁を形成する。従って、オートク
レーブ滅菌処理時に水蒸気等がガス非透過性層で完全に
できる一方、かかる層の剥離により包装材２内の医療用
容器１が十分に見えるようになる。そして、包装材２の
周縁シール部２５に切込み２７及び吊り孔２８を形成
し、第一実施例の医療用容器の包装構造とする。尚、第
一実施例の医療用容器の包装構造の好ましい製造、組立
方法を上記に示したが、第一実施例の医療用容器の包装
構造の製造、組立にはかかる方法に限ることはない。一
般的な方法、例えば、先に、薬液２及び薬剤４を無菌的
に充填した後に、包装材２にそのまま挿入してから単純
に密封包装及び区分シール部２６などを形成しても良
い。

【００２６】このように構成された医療用容器１の包装
構造においては、医療用容器１は、薬液収容室１１と薬
剤収容室１２とを覆う包装材２が区分室２３、２４とな
っているため、薬液収容室１１内から透過した包装材２
内の水蒸気が薬剤収容室１２に移行するおそれがない。
このため、保存中に、薬剤が変質することがない。ま
た、包装材２はガス難透過壁或いはガス非透過壁である
ため、包装材２の外側からの水蒸気や酸素等が包装材２
内に移行するおそれが少ない。このため、区分室２４内
から水蒸気や酸素が薬剤収容室１２内に透過することが
極力防止することができる。従って、薬液と薬剤とを収
容した医療用容器における薬剤を水分や酸素により変質
させることがない。また、包装材２の内層と医療用容器
の内層との間の融点を調整することにより、医療用容器
の剥離開封可能な隔離シール部１３の機能を損なうこと
なく、包装材２による上記包装が簡単にできる。更に、
包装材２の区分室２４内に乾燥剤６又は脱酸素剤５、並
びに両方を入れることにより、区分室２４内の水分或い
は酸素を積極的に除脱することができる。そして、この
ような積極的除脱効果は、一部がガス難透過性壁で覆わ
れる場合に望ましい。尚、医療用容器１を使用する場合
は、先ず、包装材２越しに医療用容器１の薬液収容室１
１を圧迫し、隔離シール部１３、１３を剥離開封する。
これにより、薬液収容室１１と薬剤収容室１２とが連通
し、薬液３に薬剤４を混合する。次に、切込み２７に沿
って包装材２を開封し、開封後、排出口１６に点滴針等
を刺通し、吊り孔２８をスタンドに引っかけ、患者に点
滴を開始する。

【００２７】図８は第一実施例の医療用容器の包装構造
における変形例を示す正面図である。第一実施例の医療
用容器の包装構造と相違する点は、先ず、医療用容器３
１の薬剤収容室１２には薬剤４が直接無菌充填されて液
密に収容されている。医療用容器３１の隔離シール部１
３は幅広に一条設けられている。包装材２の開封部は離
切リボン３５が設けられ、離切リボン３５を引っ張るこ
とにより包装材２が離切リボン３５に沿って開封される
ようになっている。このような構成においても第一実施
例の医療用容器の包装構造と同様な作用効果を示す。
尚、上記各実施例以外に、薬剤４はバイアル内にあって
バイアルと薬剤収容室１２を直接無菌的に接続させた構
造の医療用容器を用いても良い。また、開封部は、包装
材２が２枚のシートからなり、２枚のシートの周縁シー
ル部２５の一部が剥離可能なシール部であっても良い。

【００２８】

【発明の効果】本発明に係る医療用容器の包装構造によ
れば、上記包装材はガス難透過性壁或いはガス非透過性
壁からなり、上記包装材の内壁面を上記医療用容器の隔
離シール部の外壁面に液密に熱溶着シールして上記各室
のそれぞれの外側も上記包装材で液密に区分室を形成し
ているので、薬液と薬剤とを収容した医療用容器におけ
る酸素或いは水分等によって薬剤の変質を防止しするこ
とのできる。また医療用容器の包装構造の製造、組立方
法では、薬液と薬剤とを収容した医療用容器における薬
剤の収容室を十分に乾燥且つ無菌状態を維持して該薬剤
を充填することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明に係る医療用容器の包装構造を
示す第一実施例の正面図である。

【図２】図２は、第一実施例に用いられる医療用容器の
正面図である。

【図３】図３は、図１のＩ−Ｉ線に沿った断面図であ
る。

【図４】図４は、図３のＢ部の医療用容器壁の拡大断面
図である。

【図５】図５は、図３のＡ部の包装材壁の拡大断面図で
ある。

【図６】図６は、第一実施例の包装材に使用される樹脂
シートの拡大断面図である。

【図７】図７は、第一実施例の医療用容器の包装構造の
製造中の正面図である。

【図８】図８は、第一実施例の医療用容器の包装構造の
変形例を示す正面図である。

【符号の説明】

１薬剤容器２包装材３薬液４薬剤５脱酸素剤６乾燥剤１０医療用容器の樹脂シート１１薬液収容室１２薬剤収容室１３隔離シール部１４周縁シール部１５薬剤容器２１ガス難透過性樹脂シート２２ガス非透過性樹脂シート２３、２４区分室２５周縁シール部２６区分シール部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】二以上の室に区分形成され、且つ室と室と
の隔離シール部の少なくとも一部が剥離開封可能なシー
ル部で形成された樹脂製の医療用容器の全体を包装材で
密封包装する包装構造において、上記包装材はガス難透過性壁或いはガス非透過性壁から
なり、上記包装材の内壁面を上記医療用容器の隔離シール部の
外壁面に液密に熱溶着シールして上記各室のそれぞれの
外側も上記包装材で液密に区分室を形成していることを
特徴とする医療用容器の包装構造。
【請求項２】上記包装材壁の内層を形成する樹脂の融点
は、上記医療用容器の隔離シール部の内層を形成する樹
脂の融点と同一又はそれ以下の温度であることを特徴と
する請求項１記載の医療用容器の包装構造。
【請求項３】上記医療用容器内には薬剤が収容され、上
記医療用容器を覆う包装材壁の少なくとも一部がガス難
透過性で、且つ透明性であり、上記薬剤を収容した上記
室を包む包装材内に脱酸素剤又は乾燥剤を配しているこ
とを特徴とする請求項１又は２記載の医療用容器の包装
構造。
【請求項４】上記包装材壁は、酸素透過量が０〜５０cc
/m²*24hrs*atm（２０℃）のガス難透過性壁或いはガス
非透過性壁からなることを特徴とする請求項３記載の医
療用容器の包装構造。
【請求項５】上記医療用容器に点滴用の排出口を設け、
上記排出口を有した上記室を覆う上記包装材部分に開封
部を形成してなることを特徴とする請求項１〜３の何れ
かに記載の医療用容器の包装構造。
【請求項６】上記請求項１記載の医療用容器の包装構造
の製造、組立方法において、上記医療用容器の隔離シー
ル部を上記包装材の収納前又は収納後の該補包装材越し
に形成し、上記医療用容器の一の室に薬液を充填すると
共に、上記ガス非透過性壁からなる包装材に該医療用容
器を密封包装する共に、該医療用容器の隔離シール部に
沿って熱溶着シールを行った後にオートクレーブ滅菌
し、その後、該一の室以外の他の室を覆う包装部分の一部を
開放して、該開放口から上記薬液と混合されるべき薬剤
を上記室に充填し、該室及び該包装部分の開放口を液密
にシールすることを特徴とする医療用容器の包装構造の
製造、組立方法。
【請求項７】上記包装材に少なくとも一部の包装材壁
は、ガス難透過性層とガス非透過性層で形成され、該ガ
ス難透過性層をガス非透過性層の内側に配し、且つ該ガ
ス非透過性層が該ガス難透過性層から剥離可能に設けら
れており、上記室及び包装部分の開口を液密にシールし
た後に上記包装壁のガス非透過性層を剥離して製造、組
立することを特徴とする請求項６記載の医療用容器の包
装構造の製造、組立方法。