JPH0525503B2 - - Google Patents

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JPH0525503B2
JPH0525503B2 JP61156951A JP15695186A JPH0525503B2 JP H0525503 B2 JPH0525503 B2 JP H0525503B2 JP 61156951 A JP61156951 A JP 61156951A JP 15695186 A JP15695186 A JP 15695186A JP H0525503 B2 JPH0525503 B2 JP H0525503B2
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Japan
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oxygen
container
drug solution
chemical solution
pressure steam
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Tatsuo Suzuki
Keinosuke Isono
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SHINSOZAI SOGO KENKYUSHO KK
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SHINSOZAI SOGO KENKYUSHO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、薬液容器収納体及びその製造方法に
関する。特に、高圧蒸気滅菌及び長期に渡つて薬
液の変質することのない薬液容器収納体及びその
製造方法に関する。 [従来の技術] 近年、輸液等の医療において、内容液が外界と
接触することを防止するためにクローズドシステ
ムが用いられるようになつてきている。このクロ
ーズドシステムに用いられる医療用の薬液入り容
器は、重力と容器の構造と容器の素材の柔軟性に
よつて内容液を排出することが必要である。ま
た、この種の医療用の薬液入り容器は、内容液を
滅菌するために高圧蒸気滅菌に耐える耐熱性を有
する必要がある。さらに内容液を外部から監視で
きるように、透明な材料で形成されていることが
好ましい。従来の薬液入り容器は、ガラス瓶やガ
ラスアンプルが中心であつたが、クローズドシス
テムに用いることができるようにプラスチツク製
の薬液入り容器が市場に出ている。 [発明が解決しようとする問題点] 容器内の薬液が、トリプトフアンを含む高濃度
アミノ酸輸液剤やエレメンタルダイエツト(以下
EDと略す)や輸液用脂肪乳剤や酸素の存在によ
り酸化あるいは加水分解されやすい抗生物質を含
む輸液剤等の酸素によつて酸化等による変質が起
こりやすい成分を含む場合には、容器内及び薬液
内に酸素が存在すると薬液の変質や変色の恐れが
多かつた。 そこで、従来はプラスチツク容器に薬液を封入
する際、容器内及び薬液内の酸素を窒素で置換し
その後高圧蒸気滅菌していた。しかしながら、こ
の方法では、容器内及び薬液内の酸素を確実に取
り除くことができなかつた。 また、従来の薬液容器収納体は、軟質ポリ塩化
ビニル製のものがほとんどであり、常温では、酸
素ガス透過性が低い軟質ポリ塩化ビニルでも、ガ
ラス瓶やガラスアンプルに比べて、ガス透過性が
高いのでプラスチツク容器をガスバリヤー性の高
い包装材料で包装しているが、それでも長期間保
存しておくとその雰囲気内に存在する酸素が徐々
に容器壁を透過し容器内に侵入し、薬液の変質や
変色が起こつていた。 [問題点を解決するための手段] 酸素ガス透過性の優れた合成樹脂で形成された
容器に酸素によつて変質しやすい成分を含む薬液
を充填した薬液容器と脱酸素剤が、耐熱性と高い
酸素ガス非透過性を有する包装容器内に収納、密
閉され、かつ、高圧蒸気滅菌されている薬液容器
収納体であつて、前記薬液が高度に脱酸素及び滅
菌されていることを特徴とする、薬液の変質を防
止する薬液容器収納体を提供することにより前記
問題点を解決した。 また酸素ガス透過性の優れた合成樹脂製容器に
酸素によつて変質しやすい成分を含む薬液を封入
し、この薬液容器と脱酸素剤を、耐熱性と高い酸
素ガス非透過性を有する包装容器内に収納、密閉
して、しかる後この薬液容器収納体を酸素の存在
しない雰囲気中で高圧蒸気滅菌することにより、
高圧蒸気滅菌前、滅菌時及び滅菌後に薬液容器壁
を介して該容器内及び薬液中の酸素を前記脱酸素
剤により除脱するとともに、包装容器壁を透過し
侵入した酸素を除脱し、薬液を高度に脱酸素及び
滅菌することを特徴とする薬液容器収納体の製造
方法の採用により前記問題点を解決した。 [作用] 本発明者らは、高圧蒸気滅菌時及び滅菌後も長
期に渡つて薬液が変質することがない確実性の高
い薬液容器収納体及びその製造方法を開発すべく
種々検討した結果、酸素ガス透過性の優れた合成
樹脂で形成された容器に酸素によつて変質しやす
い成分を含む薬液を充填したものと脱酸素剤を、
高い酸素ガス非透過性を有する包装材料に封入す
ることにより、高圧蒸気滅菌前および/または高
圧蒸気滅菌時に前記容器内及び前記薬液中の酸素
を前記脱酸素剤で除脱し薬液が変質することがな
いこと、また、滅菌後も長期に渡つて薬液が変質
することがないこと等を見い出し本発明を完成す
るに至つた。 本発明において特徴的なのは、脱酸素剤による
酸素の除脱作用と高圧蒸気滅菌による滅菌作用を
組み合せることにより薬液の変質を長期間防止す
ることである。医療の分野において医療用容器
(例えば、血液バツグ)の表面のカビ等の増殖を
防止するため医療用容器を脱酸素剤とともに密閉
容器に収納し医療用容器の表面でのカビ、細菌の
増殖を防止する技術が知られているが(特公昭59
−18066号公報、特開昭58−192552号公報等)、こ
れらの容器の目的とするところは、医療用容器と
密閉容器の間に無酸素層を形成することのみにあ
り、医療用容器内の内容物の酸素をほとんど除脱
できない。これらの容器の上記かかる構成は、医
療用容器を密閉容器に収納後、高圧蒸気滅菌する
ことが事実上できないことが多く、カビ発生防止
等のため密閉容器内は、脱酸素剤の作用により無
酸素状態としなければならないことに起因してい
る。高圧蒸気滅菌処理耐性とフイルムの酸素非透
過性とは相反する性質がある。即ち、一般に、フ
イルムの酸素非透過性は高圧蒸気下で大幅に低減
するので、高圧蒸気滅菌時に容器は酸素を内部に
透過し、脱酸素剤が備えられていてもほとんど酸
素除脱の効果を期待できなくなる。このため、脱
酸素剤と高圧蒸気滅菌処理を有機的に組み合せ内
容物(薬液)の品質劣化を防止する技術は知られ
ていなかつた。本発明においては、高圧蒸気滅菌
時に薬液容器の容器壁が酸素透過性を増加させる
性質を逆に積極的に利用し、高圧蒸気滅菌時に薬
液容器内及び薬液内から酸素をほとんど除脱する
とともに、薬液溶液の周囲からも酸素が除脱し、
更に、薬液容器収納体内部全体の滅菌処理も実施
しようとするものである。本発明では、この構成
により、薬液が高度に脱酸素及び滅菌されること
になるので、薬液の変質を長期間防止することが
可能となる。 以下、本発明を詳述する。 薬液を収容する容器(薬液容器)は、高圧蒸気
滅菌に供されるから、滅菌の温度に耐え得る耐熱
性を有する柔軟なプラスチツク材料で形成する必
要がある。さらに、強度、耐水蒸気透過性及び透
明性に優れていることが好ましい。このような条
件を満足するプラスチツク材料には、低密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が
含まれる。 上記プラスチツク容器に収容される酸素によつ
て変質しやすい成分を含む薬液には、少なくとも
一種の高カロリー液剤成分(経中心静脈栄養成
分)特にトリプトフアンを含む高濃度アミノ酸輸
液剤や脂肪乳剤、あるいは経腸的高カロリー輸液
に用いられるED、また酸素の存在により酸化あ
るいは加水分解されやすい抗生物質を含む輸液剤
等が含まれる。 酸素ガス透過性の優れた上記プラスチツク容器
に前記薬液を分注する。次に、上記薬液入りプラ
スチツク容器を脱酸素剤とともに、耐熱性と高い
酸素ガス非透過性を有する包装材料で包装する
(包装容器に収納、密閉すること。以下同じ)。こ
の脱酸素剤により、包装材料内の酸素を除脱し更
にプラスチツク容器壁を経て容器内及び薬液内の
酸素を除脱する。特に、高圧蒸気滅菌時にはプラ
スチツク容器壁は酸素を透過しやすい状態にある
ので、この時に容器内及び薬液内の酸素をほとん
ど除脱することができる。 また、前記脱酸素剤の周囲に空間が存在するよ
うにするのが好ましい。前記脱酸素剤がその周囲
に空間が存在しないように包装材料で包装する
と、容器内、薬液内及び包装材料内の酸素を除脱
する効果が悪くなり、高圧蒸気滅菌時または保存
時に、上記プラスチツク容器内の薬液が酸素によ
り変質しやすくなる。前記脱酸素剤の周囲に空間
を存在させる方法は、上記薬液入りプラスチツク
容器と脱酸素剤を包装材料に入れるとき、空気や
不活性ガス等を入れる方法や、脱酸素剤を片面か
ら他面に連通する孔を有する構造体で覆う方法
や、凹凸を有する板の上に脱酸素剤と薬液入りプ
ラスチツク容器を位置させ包装材料に入れる方法
や、包装材料に凸部を設ける方法や、トレー部と
シート状蓋体から構成される包装材料を用いる方
法等がある。 また、容器内及び薬液中を不活性ガスで置換し
て封をしても良い。例えば、プラスチツク容器に
薬液を注入後、薬液内に不活性ガスをバンブリン
グすることにより容器内及び薬液中に存在する酸
素の量をすくなくする方法でもよいし、また、予
め不活性ガスで置換された薬液を不活性ガスと共
に注入する方法でもよい。また、用いられる不活
性ガスは種々あるが、コストの面から窒素ガスが
好ましい。 また、脱酸素剤を用いる量は、高圧蒸気滅菌時
及び長期保存中に、薬液中において、薬液の酸素
での酸化等による変質が起こらない酸素濃度を保
つことができる量が必要である。例えば、400ml
の高濃度アミノ酸輸液剤を入れたプラスチツク容
器をアルミニウムを蒸着した層を有するプラスチ
ツクフイルムで包装し包装材料内を窒素ガスで置
換した場合は、薬液中に溶存する酸素の量は最大
4mlであるので、脱酸素剤の酸素吸収量が4ml以
上であることが必要であり、長期保存中も安定し
た状態を保つためには、酸素吸収量が40ml以上の
脱酸素剤を用いることが好ましい。 前記脱酸素剤としては、鉄等の金属およびハロ
ゲン化金属からなる粉末状のもの、アスコルビン
酸やカテコールを主剤とした有機系のものが知ら
れている。これらの脱酸素剤は、三菱瓦斯化学(株)
[商品名:エージレス]やその他のメーカー数社
から市販されている。 また、脱酸素剤の作用としては、前記包装材料
を透過した酸素を除脱しプラスチツク容器内に酸
素が侵入しないようにする作用と、高圧蒸気滅菌
前及び高圧蒸気滅菌時にプラスチツク容器内と薬
液中の酸素をプラスチツク容器壁を経て除脱する
作用がある。そこで、自己反応型の脱酸素剤と水
分依存型脱酸素剤を併用するのが好ましい。すな
わち、自己反応型の脱酸素剤は、高圧蒸気滅菌前
に包装材料内及び容器内と薬液内の酸素の除脱、
さらに高圧蒸気滅菌後の保存中に包装材料を経て
包装材料内に透過してくる酸素を除脱する働きを
する。また水分依存型脱酸素剤は、高圧蒸気滅菌
時の包装材料内は高湿になりその水分と反応して
脱酸素効果を発揮するので、主に高圧蒸気滅菌時
に容器内及び薬液内の酸素を確実に除脱すること
ができるからである。 前記耐熱性と高い酸素ガス非透過性を有する包
装材料は、エチレン.ビニルアルコール共重合体
フイルムやポリ塩化ビニリデンフイルムの層を有
する三層ラミネートフイルムやアルミニウム層を
有するラミネートフイルムがある。アルミニウム
層を有するラミネートフイルムは不透明である
が、その酸素ガス非透過性能は湿度による影響を
受けない。また、前記合成樹脂製の三層ラミネー
トフイルムは、透明であるので包装材料内の薬液
の異物検査や変質度合いの検査等を容易に行うこ
とができるが、その酸素ガス非透過性能は湿度に
よる影響を受けやすい。そこで、上記薬液入りプ
ラスチツク容器を包装材料で包装後、高圧蒸気滅
菌するときには、この三層ラミネートフイルムの
外層は、ポリアミド樹脂等の耐熱性があり比較的
水蒸気透過性の高い樹脂をラミネートすることが
好ましい。すなわち、前述の水分依存型脱酸素剤
の脱酸素効果を高めるためと、後述の高圧蒸気滅
菌時の中間層のエチレン−ビニルアルコール共重
合体フイルムやポリ塩化ビニリデンフイルムの層
が吸湿し酸素ガスを透過しやすくなるので、外層
に比較的水蒸気透過性の高い樹脂を用いることに
より短時間で吸湿した水分を蒸散させやすくする
ことができ、その結果短時間でもとの高い酸素ガ
ス非透過性に復元するからである。この三層ラミ
ネートフイルムの内層には、水蒸気透過性の低い
樹脂をラミネートすることが好ましい。すなわ
ち、上記プラスチツク容器内の薬液が容器壁を透
過しても、このシートの内層が水蒸気透過性の低
い樹脂であれば、中間層のエチレン−ビニルアル
コール共重合体フイルムやポリ塩化ビニリデンフ
イルムがほとんど吸湿することがなく、この包装
材料は高い酸素ガス非透過性を保つことができる
からである。この内層には未延伸ポリプロピレン
フイルムや未延伸ポリエチレンフイルムをラミネ
ートすることが好ましく、熱溶着性が良好とな
る。 さらに、高圧蒸気滅菌後、オーブン等の乾燥機
内で前述の三層ラミネートフイルムが吸湿した水
分を積極的に蒸散させることが好ましい。さら
に、前述の乾燥を不活性ガス雰囲気中で行うのが
より好ましい。すなわち、三層ラミネートフイル
ムの酸素ガス非透過性が短時間で復元するので、
薬液の酸素での酸化等による変質を、より確実
に、より長期間防止することができる。 また、包装材料として、上述の三層ラミネート
フイルムを片面に、あるいはトレー部とシート状
蓋体から構成される包装材料にあつてはトレー部
またはシート状蓋体に用い、一方の面あるいはト
レー部またはシート状蓋体の残部には上述のエチ
レン−ビニルアルコール共重合体フイルムのかわ
りにアルミニウム層を有するラミネートフイルム
を用いてもよい。このようにすれば、包装材料の
片面あるいはトレー部またはシート状蓋体のどち
らか一方が透明になるので、包装材料内の薬液の
異物検査や変質度合いの検査等を容異に行うこと
ができ、また酸素ガス非透過性能の湿度による影
響を少なくすることができる。 また、上述の透明な三層ラミネートフイルムを
用いる場合、薬液によつては紫外線によつて変質
しやすいものがるので、三層ラミネートフイルム
の少なくとも一層には、ベンゾフエノン系やサリ
チル酸フエニル系等の紫外線吸収剤を含有させた
り、あるいは紫外線を透過させにくくするために
着色したりすることが好ましい。 次に、上記のごとく包装材料で包装した薬液容
器収納体を高圧蒸気滅菌する。滅菌方法として
は、オートクレーブ、タワーオートクレーブ、ロ
ートマツト等が用いられる。オートクレーブの場
合、高圧蒸気滅菌時の圧力をその雰囲気中に不活
性ガスを導入することによつて維持することがよ
り好ましい。タワーオートクレーブ及びロートマ
ツトの場合、水中を不活性ガスで置換し酸素が実
質的に存在しない状態にすることがより好まし
い。用いる不活性ガスは窒素ガスが好ましい。 このようにして製造された包装材料で包装され
た薬液入りプラスチツク容器は、長期間の保存に
おいても内部の薬液の酸素での酸化等による変質
が殆んど起こらない。 [実施例] さらに、図面に基づいて本発明を詳細に説明す
る。第1図に示すように、本発明の薬液容器収納
体11は、プラスチツク容器12、包装材料1
3、脱酸素剤14、薬液15から構成される。プ
ラスチツク容器12は、既述の柔軟なプラスチツ
ク材料で作製されるが、なかでも酸素ガス透過性
に優れ、水蒸気透過性の低い直鎖状低密度ポリエ
チレンが適している。このプラスチツク容器12
は、種々の方法が作製される。例えば、直鎖状低
密度ポリエチレンのインフレーシヨン成形によつ
て得たチユーブ状のシートの一方の開放端は熱溶
着し、プラスチツク容器を懸垂するための懸垂口
を設け、他方の開放端に排出口を挿入し熱溶着す
る方法、直鎖状低密度ポリエチレンの押出成形に
よつて得られたシート二枚を重ね合わせ、その周
縁部を熱溶着する方法、直鎖状低密度ポリエチレ
ンで上端部に小口径の排出口とそれに続く容器部
を有するブロー成形品を成形し、そのブロー成形
品の側方周縁部または/及び下方周縁部の近傍を
熱溶着することによつて得る方法等がある。これ
らの方法のうち、ブロー成形品を用いる方法が排
出口部を熱溶着していないので、漏れの危険性が
無いので最適であり、本実施例ではこの方法を用
いた。既述の薬液15を排出口16から注入す
る。このとき、薬液15と窒素ガスを同時に注入
する。注入後、排出口16の開口部をプラスチツ
ク材料で密封しゴム栓を装着し、さらにゴム栓外
表面を無菌維持するために、使用時に容易に剥離
することができるようにプラスチツクフイルムを
シールする。 次に薬液15を収容したプラスチツク容器12
を脱酸素剤14とともに、既述の包装材料13に
入れる。このとき、脱酸素剤14を片面から他面
に連通する孔を有する構造体17で覆つて一緒に
封入した。 次に、この薬液容器収納体11を実質的に酸素
の存在しない水蒸気よりなる雰囲気中で高圧蒸気
滅菌する。この滅菌は、例えばオートクレーブに
よつて行われる。薬液容器収納体11を複数個の
単位でオートクレーブ内に収容する。ついで、ボ
イラーからスチームをオートクレーブ内に所定時
間導入してオートクレーブ内の空気を排出する。
排出後、所定温度のスチームをオートクレーブ内
に導入し滅菌する。滅菌中のオートクレーブ内の
圧力を確保するために、不活性ガスを適宜導入す
る。滅菌後、オートクレーブ内に所定量の冷却水
を導入し薬液を充分に冷却し取り出す。 また第2図a,bに示すように、凹凸を有する
板37の上に、脱酸素剤34と薬液入りプラスチ
ツク容器を乗せ、包装材料33に入れることによ
り、脱酸素剤34の酸素除脱効果を高めることも
できる。 実施例 1 必須アミノ酸を主成分とする濃度12%のアミノ
酸輸液を、直鎖状低密度ポリエチレン製のバツグ
に充填し、排出口を直鎖状低密度ポリエチレンフ
イルムで密封しゴム栓を装着して、その上をポリ
プロピレンとポリエチレをブレンドした樹脂をラ
ミネートしたポリエステルフイルムで封をした。 この薬液入りバツグを、二軸延伸ナイロンフイ
ルム(厚さ20μm)を外層としエチレン−ビニル
アルコール共重合体フイルム(厚さ20μm)を中
間層とし未延伸ポリプロピレンフイルムを内層と
する三層ラミネートフイルムで包装した。このと
き、自己反応型及び水分依存型の脱酸素剤(商品
名:エージレス 三菱瓦斯化学(株)製)を同封し、
窒素ガスを充填して脱酸素剤が薬液入りバツグと
包装材料に密着しないように封入した。この包装
材料で包装された薬液入りバツグを115℃で40分
間高圧蒸気滅菌をした。滅菌時及び冷却時に圧力
を保持するために、オートクレーブ内に窒素ガス
を所定量導入した。冷却後、包装材料で包装され
た薬液入りバツグを取り出した。このようにし
て、所望の薬液容器収納体を破袋することなく得
た。 比較例 1 脱酸素剤を用いなかつたこと以外は、実施例1
と同様にして薬液入りプラスチツク容器を得た。 以上のようにして得られた薬液入りプラスチツ
ク容器内の薬液の変質の度合いを調べるために可
視光(420nm)の透過率を測定し、その結果を表
1に示す。 透過率が95%以上であれば、その薬液は変質し
ていないとみなされる。
【表】 [発明の効果] 以上述べたように、本発明の薬液容器収納体
は、以下に示す利点を有する。 滅菌中及び滅菌後の保存中に酸素による容器
内の薬液の変質を安定して防止し、安定な状態
で薬液を保存することができる。 プラスチツク製であるので、軽く運搬に便利
である。 柔軟な薬液入りプラスチツク容器は、クロー
ズドシステムに用いることができ、空気感染を
防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の酸素による薬液の変質を防止
する薬液容器収納体の第一実施例を示す正面図、
第2a図は本発明の酸素による薬液の変質を防止
する薬液容器収納体の第二実施例を示す正面図、
第2b図は同実施例の−横断面図である。 11,31…薬液入りプラスチツク容器、1
2,32…プラスチツク容器、13,33…包装
材料、14,34…脱酸素剤、15,35…薬
液、16,36…排出口、17……連通する孔を
有する構造体、37……凹凸を有する板。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸素ガス透過性の優れた合成樹脂で形成され
    た容器に酸素によつて変質しやすい成分を含む薬
    液を充填した薬液容器と脱酸素剤が、耐熱性と高
    い酸素ガス非透過性を有する包装容器内に収納、
    密閉され、かつ、高圧蒸気滅菌されている薬液容
    器収納体であつて、前記薬液が高度に脱酸素及び
    滅菌されていることを特徴とする、薬液の変質を
    防止する薬液容器収納体。 2 前記合成樹脂が、低密度ポリエチレン、中密
    度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エ
    チレン−酢酸ビニル共重合体のいずれかである特
    許請求の範囲第1項記載の薬液容器収納体。 3 前記脱酸素剤が自己反応型と水分依存型の二
    種類であることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項に記載の薬液容器収納体。 4 酸素ガス透過性の優れた合成樹脂製容器に酸
    素によつて変質しやすい成分を含む薬液を封入
    し、この薬液容器と脱酸素剤を、耐熱性と高い酸
    素ガス非透過性を有する包装容器内に収納、密閉
    して、しかる後この薬液容器収納体を酸素の存在
    しない雰囲気中で高圧蒸気滅菌することにより、
    高圧蒸気滅菌前、滅菌時及び滅菌後に薬液容器壁
    を介して該容器内及び薬液中の酸素を前記脱酸素
    剤により除脱するとともに、包装容器壁を透過し
    侵入した酸素を除脱し、薬液を高度に脱酸素及び
    滅菌することを特徴とする薬液容器収納体の製造
    方法。 5 前記脱酸素剤の酸素吸収量が容器内及び容器
    と包装材料との間に存在する酸素量以上である特
    許請求の範囲第4項記載の薬液容器収納体の製造
    方法。 6 前記脱酸素剤が自己反応型と水分依存型の二
    種類であることを特徴とする特許請求の範囲第4
    項または第5項に記載の薬液容器収納体の製造方
    法。
JP61156951A 1986-07-02 1986-07-02 薬液容器収納体及びその製造方法 Granted JPS6311160A (ja)

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