JP2001190639A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JP2001190639A
JP2001190639A JP2000006007A JP2000006007A JP2001190639A JP 2001190639 A JP2001190639 A JP 2001190639A JP 2000006007 A JP2000006007 A JP 2000006007A JP 2000006007 A JP2000006007 A JP 2000006007A JP 2001190639 A JP2001190639 A JP 2001190639A
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drug
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 容器壁を透過可能な成分を含有する薬液と薬
剤とを一緒に収容でき、製造が容易な医療用容器を提供
する。 【解決手段】 容器本体の容器壁を透過可能な成分を含
有する薬液が収容された薬液室4と薬液に混合する薬剤
が収容された薬剤室5とが、容器本体の内壁面を易剥離
性を有するように溶着して形成された仕切部3により区
画された第一の容器1と、第一の容器1より薬液の成分
の透過性が低い材料からなり、第1の容器1を収容して
密封された第二の容器8とを有する医薬品容器であっ
て、第一の容器1の薬剤室5の外壁を露出させた状態
で、第一の容器1より薬液の成分の透過性が低い材料か
らなる被覆部材6により薬液室4の外壁全周囲を気密に
被覆されるとともに、被覆部材6と第二の容器8との間
に薬液の成分を吸着または吸収する吸着剤または吸収剤
を収容した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連通可能な仕切部
により区画された薬液室と薬剤室とを有する医療用容器
に係り、特に薬液室から容器壁を透過して放出される薬
液中の成分が薬剤室に侵入することを防止した医療用容
器に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂製の医療用容器では、医療用容器と
しての化学的安定性を確保しつつ柔軟性等の性質を確保
できる樹脂により形成されているため、容器壁が水蒸気
透過性やガス透過性を有するものとなっている。そのた
め、吸湿性の薬剤や易酸化性の薬剤を収容する場合、外
部から容器壁を透過して侵入する水蒸気やガスにより薬
剤の品質が悪化するのを防止するために、樹脂製容器を
さらに水蒸気透過性やガス透過性が該容器より低い材料
からなる外装部材で被覆する必要があった。
【0003】しかし、樹脂製複室容器を用いて吸湿性或
いは易酸化性の薬剤や薬液と吸湿性或いは易酸化性では
ない混合用薬液等とを収容するような場合、混合用薬液
等は外装部材で被覆しなくても品質の悪化が起こらな
い。そのため、分非透過性および/またはガス非透過性
の外壁で吸湿性または易酸化性を有する薬剤や薬液を収
容した収容室だけを水覆い、混合用薬液等の収容室を露
出させた複室容器が提案されている(特開平6−149
75号)。さらに、このような複室容器の吸湿性または
易酸化性を有する薬剤等の収容室と外壁との間に脱酸素
剤や乾燥剤を収容したものも提案されている(例えば特
開平4−364850号等)。このような複室容器で
は、複室容器の一部だけを外壁で被覆するため外壁の使
用量を少なくすることができるなどの効果が得られてい
る。
【0004】ところで、このような複室容器の製造で
は、樹脂製シート材等から複数の室を有する容器本体を
形成し、一部の室に薬液を充填して密封するとともに他
の空室を密封し、これを加熱滅菌処理し、その後、他の
空室を開封して内部を乾燥させ、ここに吸湿性や易酸化
性の薬剤等を充填して密封し、この薬剤等が収容された
室の外壁面を非水分透過性及び/または非ガス透過性の
外壁用シートで被覆してこのシートを気密に溶着し、得
られた複室容器全体をさらに外装部材に収容することに
より行なわれている。
【0005】このような製造工程においては、まず、吸
湿性または易酸化性の薬剤等を容器に収容してから加熱
滅菌を行うと、滅菌時に容器壁を透過して侵入する水蒸
気やガスにより薬剤等の品質の悪化が起こる。そのた
め、混合用薬液等を容器に充填した後、吸湿性または易
酸化性の薬剤等を容器に収容する前に容器及び混合薬液
等を滅菌処理する必要がある。従って、外壁は滅菌処理
後に該薬剤等を収容してから外壁用シートで被覆して溶
着しなければならない。ところが、滅菌処理により複室
容器が熱変形することがあり、位置合わせ等の溶着作業
が容易ではなく、手間を要していた。また、薬剤等を容
器に収容するには、クリーンルームなどの無菌環境下で
充填作業が行われるため、無菌環境下に複室容器を搬入
しなければならず、容器内部だけでなく外表面をも搬入
前に滅菌処理する必要がある。しかし、通常、複室容器
には薬液側に容器本体から突出して流出口などが設けら
れていて、外表面が凹凸を有する形状となっている。そ
のため、容器の外表面を滅菌する際、紫外線照射では全
体をくまなく照射することが困難であり、また、過酸化
水素水による滅菌では過酸化水素水が凹みに残留してそ
の除去が困難であるなど、凹凸部分の滅菌処理が行い難
くて、外表面の滅菌処理に手間を要していた。
【0006】さらに、外壁と収容室の壁面との間隙に脱
酸素剤或いは乾燥剤を収容するには、外壁が一部の収容
室だけを覆う容積の小さいものであるため、狭い開口部
から狭い隙間内に脱酸素剤や乾燥剤等を収容しなければ
ならず、その収容作業に著しく手間を要していた。その
上、このような複室容器を保存すると、薬液等が収容さ
れて外壁に被覆されていない収容室と外装部材の間の空
間では、水蒸気等薬液から放出される成分の存在量が経
時的に高くなるため、外装部材内側に結露が生じ易く、
この部分が無菌状態にされていないと黴などの微生物が
繁殖しやすい。そのため、外装部材内側を製造工程中で
無菌状態にしておくのが好ましいが、クリーンルーム内
等の無菌環境下で容器を外装部材により被覆しなければ
ならず、製造工程が複雑であった。従って、このような
従来の複室容器は、外壁材料の使用量は減らせるとして
も製造に手間を要するものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記従来
の問題点を解決するためになされたものであり、容器壁
を透過可能な成分を含有する薬液と薬剤とを一緒に収容
でき、しかも製造が容易な医療用容器を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の医療用容器は、容器本体の容器壁を透過可能な成分
を含有する薬液が収容された薬液室と該薬液に混合する
薬剤が収容された薬剤室とが、連通可能な仕切部により
区画された第一の容器と、該第一の容器より前記薬液の
成分の透過性が低い材料からなり、該第1の容器を収容
して密封された第二の容器とを有する医薬品容器であっ
て、前記第一の容器の薬剤室の外壁を露出させた状態
で、前記第一の容器より前記薬液の成分の透過性が低い
材料からなる被覆部材により前記薬液室の外壁全周囲を
気密に被覆されるとともに、該被覆部材と第二の容器と
の間に前記薬液の成分を吸着または吸収する吸着剤また
は吸収剤を収容したことを特徴とするものである。
【0009】本発明によれば、第一の容器の薬液室の容
器壁が、第一の容器より該薬液の成分の透過性が低い材
料からなる被覆部材により気密に被覆されるとともに、
薬剤室の容器壁が該被覆部材で覆われていないので、薬
液室から被覆部材内に放出された該薬液の成分が直接薬
剤室に侵入することはない。また薬液室が被覆部材で被
覆されていて、第二の容器内へ放出される該薬液の成分
を少なく抑えることができるので、薬剤室の容器壁が露
出した状態で配置されていても、薬剤室内に該薬液の成
分が第二の容器内を経由して侵入することを抑制でき
る。しかも、薬剤室が第2の容器内に密封されているた
め、外部から侵入する他の成分も少なく、従って、薬剤
室の薬剤の品質が悪化することを有効に防止することが
できる。
【0010】しかも、この発明の医療容器は、薬液室を
被覆部材で被覆するため、薬液を薬液室に充填後、薬剤
を薬剤室に収容する前に加熱滅菌するとしても、加熱滅
菌前に薬液室の外壁を外装部材により被覆して溶着して
おくことができるため、滅菌による熱変形を受けていな
い第一の容器に被覆部材を溶着することができ、溶着作
業が容易である。また、薬液室を被覆部材で被覆するた
め、薬剤を収容する際無菌環境下に第1の容器を搬入す
る前に被覆部材を装着することができ、薬液室側に形成
された流出口を被覆部材で被覆して流出口周辺の凹凸を
覆って表面形状を平滑化することができ、容器外表面の
滅菌処理を容易に行うことができる。さらに、被覆部材
と第二の容器との間に吸着剤または吸収剤を収容するた
め、第1の容器全体を収容できる大きな容量及び開口部
を有する第二の容器内に吸着剤または吸収剤を挿入する
ので、収容作業が容易である。その上、保存時には薬液
室が被覆部材で被覆されているため、第1の容器壁を透
過した薬液の成分は被覆部材内に留まり、該薬液の成分
が増加する部分が被覆部材内側となるが、薬液の加熱滅
菌時にこの被覆部材内側も同時に滅菌することが容易な
ため黴などを防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を説明す
る。本発明の医療用容器において、薬液は、後述の薬剤
の溶解、分散、或いは希釈等に使用されるとともに、保
存時等に容器本体の容器壁を透過可能な水等の成分を含
有する液であり、例えば蒸留水、生理食塩水、10%以
下のブドウ糖等の安定な糖液、重炭酸塩含有液、並びに
無機電解質及び有機電解質等を含んだ輸液、透析液、及
び臓器保存液などが挙げられる。また、薬剤としては、
前記薬液に混合して使用可能なものであれば特に制限さ
れないが、前記薬液の成分により吸湿、変質等の品質の
悪化を生じる恐れがある薬剤が好ましく、例えば抗生
剤、抗癌剤、ステロイド剤、血栓溶解剤、ビタミン剤な
ど、吸湿性薬剤、易酸化性薬剤であってもよい。
【0012】本発明の医療用容器において、第1の容器
は、押出成形、インフィレション成形、射出成形等によ
り成形した樹脂製のフィルム、チューブ、シート、箱
体、ポート部材等を接合等の加工して形成した形成体、
若しくは樹脂製のブロー成形品などである。第一の容器
を構成する樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、塩化
ビニル、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル系樹
脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合
体、アイオノマー等の樹脂が挙げられ、単層又は複数層
に形成されている。医療用の薬剤や薬液を収容するた
め、該薬剤や薬液と接触する最内層は、該薬剤や薬液に
影響を与えず、溶出物が生じない樹脂層であることが望
ましい。このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹
脂が望ましく、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン、ポリプロピレン等の低級オレフィン樹脂、環状
ポリオレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル共重合体、アイオノマー、或い
はこれらの2以上の混合物などが挙げられる。本発明で
は、このような樹脂を単層あるいは多層積層して使用す
ることができる。
【0013】本発明において、第一の容器の薬液室と薬
剤室を仕切る仕切部は、該薬液室と薬剤室を連通するこ
とができる開口可能な閉塞部を有するものであり、例え
ば外部より除去または破壊することにより連通可能な閉
塞部材を有する壁、容器本体の内壁面を易剥離性を有す
るように溶着した溶着部などが挙げられる。易剥離性を
有するように容器本体の内壁面を溶着するには、好まし
くは容器本体の内壁を構成する樹脂層が、適度の相溶性
を有するとともに、適度の溶融温度差、例えば8℃以上
の温度差を有する樹脂の混合物からなるのが好適であ
る。このような内壁層を、全構成樹脂の溶融温度以上の
温度で溶着することにより易剥離性が発現できる。
【0014】本発明において、第2の容器及び被覆材料
は、第一の容器より前記薬液の成分の透過性が低い樹
脂、或いは他の材料材料からなるものである。この第二
の容器及び被覆部材を構成する材料は同一であっても、
異なるものであってもよく、例えば被覆部材を構成する
材料が第2の容器の材料より前記薬液の成分の透過性が
低い材料であってもよい。第二の容器及び被覆部材に樹
脂を使用する場合、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコー
ル、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、
ナイロン等のポリアミド、セロファンなどのガス透過性
或いは水蒸気透過性の低い、所謂ガスバリアー性または
水蒸気バリアー性の樹脂を用いることができ、このよう
な樹脂を単層或いは複数層積層して用いることが可能で
ある。
【0015】複数層積層する場合、該ガス透過性の低い
樹脂を複数層積層してもよいが、ポリエチレンやポリプ
ロピレン等の前記ガス透過性が高い樹脂として例示した
ような樹脂層と組合わせて積層してもよい。さらに、単
層或いは複数層の積層体の表面、裏面、若しくは両面、
又は中間層に、金属、無機物などからなる非樹脂層を積
層して水蒸気透過性あるいはガス透過性をより低減して
もよい。前記非樹脂層としては、例えばアルミ等の金属
薄膜層、アルミナ蒸着層、シリカ蒸着層等のセラミック
蒸着層などが挙げられる。なお、被覆部材を第1の容器
の容器本体の溶着層に溶着するためには、好ましくは容
器本体の最外層を構成する樹脂と相溶性の高い樹脂を最
内層に用いるのが好ましい。
【0016】以下、本発明を図面を用いて説明する。図
1は、本発明の実施形態により製造する医療用容器の正
面図である。図において、1は第1の容器としての複室
容器であり、容器本体2は内層が高密度ポリエチレンと
ポリプロピレンを2:1の割合で混合した混合樹脂から
なり、外層がポリエチレンからなる2層構造のインフレ
ーションシートからなっている。この容器本体2は易剥
離性を有するように内壁を溶着した仕切部3により仕切
られて、薬液室4と薬剤室5とが形成されている。薬液
室4には流出口4aが設けられ、生理食塩水が収容さ
れ、一方、薬剤室5には吸湿性の抗生物質が収容されて
いる。また、容器本体2の薬液室外壁面には、外表面に
シリカ蒸着を施したナイロンからなる被覆部材6が、3
方の縁部で互いに溶着されるとともに、1方の縁部が仕
切部3の外表面に溶着されることにより気密に被覆され
ている。この被覆部材6は、容器本体2より水蒸気透過
性が低くなっている。なお、9は使用時に容器本体2を
吊り下げるためのハンガーである。さらにこの複室容器
1全体がナイロンからなる第2の容器としての外装部材
8に気密に収容されていて、この外装部材8と複室容器
1との間には乾燥剤10が収容されている。
【0017】このような構成の複室容器1では、薬液室
4が水蒸気透過性の低い材料からなる被覆部材6内に密
封されているので、水蒸気などの成分が薬液室4の容器
壁を透過して放出されても、外装部材8内には放出され
にくい。そのため、保存時に被覆部材6内の容積が少な
くて放出量を抑えることができ、また、該水蒸気などの
成分が薬剤室5内に侵入して、収容された薬剤が吸湿な
どにより品質の悪化や変質を起こすことが少ない。ま
た、この複室容器1では、薬剤室5が被覆部材6で覆わ
れていないため、内容物の薬剤の視認性が極めてよい。
【0018】このような医療用容器を使用するには、先
ず、外装部材8を除去するとともに被覆部材6を除去し
て、複室容器1を取り出し、薬液室4を外側から人手に
より押圧することにより薬液室4内を加圧して仕切部3
を剥離させ、薬液室4と薬剤室5とを連通させる。そし
て薬液と薬剤を混合した後、流出口から混合物を排出し
て患者に投与することができ、従来の医療用容器と同様
に使用することができる。
【0019】このような複室容器1を製造するには例え
ば次のようにして行う。まず、適寸にカットしたインフ
レーションシートを容器本体2を形成するように両側部
及び薬剤室側の端部を溶着するとともに、薬液室側の端
部を流出口4aを配置して液密に溶着する。そして、長
手方向中間部分の内側を易剥離性を有するように溶着し
て仕切部3を形成し、薬液室4及び薬剤室5を形成す
る。そして、被覆部材6用のシートを表裏両面に配置し
て、前記仕切部3の外側に気密に溶着するとともに、一
方の端部6aを開口させたまま残りの縁部を互いに気密
に溶着する。そして、薬液室5に所定量の薬液を充填し
て、被覆部材6の端部6aを気密に溶着する。これによ
り薬液室4とともに流出口4aが被覆部材6に気密に被
覆される。次に、この状態で加圧蒸気滅菌、例えばオー
トクレーブ内で110℃、30分間加熱処理を行う。滅
菌処理後、外表面全てを、例えば紫外線照射により滅菌
してクリーンルームに搬入し、無菌状態で薬液室5の端
部の溶着部分を切除して薬液室5を開口させ、内部を乾
燥した後、所定量の薬剤を収容する。そして、再度薬剤
室5の開口部分を溶着して密封する。その後、この複室
容器1を外装部材8に収容し、外装部材8と複室容器1
との間の空間に乾燥剤を配置して、溶着することによ
り、医療用容器を製造する。
【0020】このような製造方法により、複室容器1を
製造すると、薬液室4を被覆部材6で被覆する際、容器
本体2が加熱滅菌される前で熱変形を受けていないた
め、被覆部材6の溶着時に位置合わせなどが容易であ
り、溶着作業が容易である。また、薬剤室5に薬剤を収
容する際、薬液室4が被覆部材6で密封されているた
め、被覆部材6内に流出口4aが収容され、外形形状が
凹凸のない滑らかな形状となっている。そのため、外表
面を紫外線照射で滅菌する場合には被覆部材及び薬剤室
5の外表面全体をくまなく照射することが可能となり、
また過酸化水素水により滅菌する場合には液滴の除去が
容易であり、外表面の滅菌作業が容易である。さらに、
乾燥剤などの吸着剤または吸収剤を収容する際、複室容
器1全体を収容できる大きい開口や空間を有する外装部
材8内に乾燥剤を収容するため、正確な位置決めが不要
で容易に吸着剤または吸収剤を挿入することができ、収
容作業が極めて容易である。その上、従来の複室容器を
外装部材に収容すると、保存時に薬剤室から放出される
水分により外装部材内側全体の湿度が高くなって、この
部分が外気と接しているため外気の温度変化が大きいと
結露して黴などが繁殖しやすかったが、この実施形態で
は、薬液室4と被覆部材6との間隙が滅菌処理されてい
るため、この部分の湿度が高くても、黴などの繁殖を防
止することができる。
【0021】なお、この実施形態では、被覆部材6の溶
着は薬液の滅菌処理前に行っているが、このようにする
と、例えば重炭酸塩含有液など、高圧蒸気滅菌処理時に
炭酸ガス等の成分が放出され易い薬液の場合にも、該成
分の放出を抑制できて好ましい。しかし、被覆部材6の
溶着を薬液の滅菌処理前に行うことに限定されるもので
はなく、薬液の滅菌処理後、或いは薬剤の収容後に薬液
室を被覆部材6で被覆することも当然に可能である。
【0022】図2は、本発明の他の実施形態の医療用容
器を示す正面図である。この実施形態においては、薬液
室5を被覆する被覆部材6が図1に比べて大きく、その
外周縁は外装部材8の一方の端部8a側の周縁と略同じ
形状となっている。そのため、外装部材8の外周縁の溶
着部8bは外装部材8同士が被覆部材6の一部の端部6
a周縁を挟み込んで溶着されている。その他は、図1の
容器と同様である。このような医療用容器によれば、図
1と同様の効果が得られる上に、被覆部材6と外装部材
8とが略同じ大きさで重なり合った状態で溶着されてい
るため、使用する際に、被覆部材6と外装部材8とを一
度に同時に開封、或いは切除または除去することが可能
であり、使用勝手がよい。なお、本発明は、上記実施形
態に限定されることはなく、本発明の要旨に反しない限
り、変更が可能である。
【0023】
【発明の効果】以上、詳述の通り、本発明の医療用容器
によれば、容器本体の容器壁を透過可能な成分を含有す
る薬液が収容された薬液室と該薬液に混合する薬剤が収
容された薬剤室とが、連通可能な仕切部により区画され
た第一の容器と、該第一の容器より前記薬液の成分の透
過性が低い材料からなり、該第1の容器を収容して密封
された第二の容器とを有する医薬品容器であって、前記
第一の容器の薬剤室の外壁を露出させた状態で、前記第
一の容器より前記薬液の成分の透過性が低い材料からな
る被覆部材により前記薬液室の外壁全周囲を気密に被覆
されるとともに、該被覆部材と第二の容器との間に前記
薬液の成分を吸着または吸収する吸着剤または吸収剤を
収容したので、容器壁を透過可能な成分を含有する薬液
と薬剤とを一緒に収容でき、しかも、製造が容易な医療
用容器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態により製造する医療用容器の
正面図である。
【図2】本発明の他の実施形態により製造する医療用容
器の正面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 容器本体 3 仕切部 4 薬液室 5 薬剤室 6 被覆部材 8 外装部材 9 ハンガー 10 乾燥剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器本体の容器壁を透過可能な成分を含
    有する薬液が収容された薬液室と該薬液に混合する薬剤
    が収容された薬剤室とが、連通可能な仕切部により区画
    された第一の容器と、該第一の容器より前記薬液の成分
    の透過性が低い材料からなり、該第1の容器を収容して
    密封された第二の容器とを有する医療用容器であって、
    前記第一の容器の薬剤室の外壁を露出させた状態で、前
    記第一の容器より前記薬液の成分の透過性が低い材料か
    らなる被覆部材により前記薬液室の外壁が気密に被覆さ
    れるとともに、該被覆部材と第二の容器との間に前記薬
    液の成分を吸着または吸収する吸着剤または吸収剤を収
    容したことを特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】 前記容器本体の容器壁を透過可能な成分
    が水であって、前記第二の容器及び前記被覆部材が前記
    容器本体より水蒸気透過性の低い材料からなり、かつ、
    前記吸着剤または吸収剤が乾燥剤である請求項1に記載
    の医療用容器。
  3. 【請求項3】 前記薬液室の外壁と前記被覆部材との間
    隙が滅菌処理されている請求項1または2に記載の医療
    用容器。
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