JP2001252333A - 医療用複室容器 - Google Patents

医療用複室容器

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JP2001252333A
JP2001252333A JP2000073929A JP2000073929A JP2001252333A JP 2001252333 A JP2001252333 A JP 2001252333A JP 2000073929 A JP2000073929 A JP 2000073929A JP 2000073929 A JP2000073929 A JP 2000073929A JP 2001252333 A JP2001252333 A JP 2001252333A
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medicine
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JP2000073929A
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Keinosuke Isono
啓之介 磯野
Takao Yoshida
孝夫 吉田
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】複室容器にシール不良やピンホールが生じた
り、長期間保存しても薬剤室に収容された薬剤が吸湿や
酸化等の変質を受けにくく、製造が容易な医療用複室容
器を提供する。 【解決手段】 薬剤を収容する薬剤室3と薬液を収容す
る薬液室6とが連通可能な仕切部7により仕切られた可
撓性の複室容器1において、薬液室6を露出した状態で
被覆部材11により薬剤室3が仕切部7まで気密に覆わ
れ、被覆部材11と薬液室6との間に脱ガス剤13及び
/または乾燥剤14が配置され、かつ、薬剤室3の容器
壁及び被覆部材11にガス非透過性及び/または水蒸気
非透過性の材料を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬剤を収容する薬
剤室と薬液を収容する薬液室とが連通可能な仕切部によ
り仕切られ、薬剤室だけを被覆部材により気密に覆った
可撓性の複室容器に係り、特に、薬液室に収容された薬
剤の吸湿や酸化等の変質を防止することができる医療用
複室容器に関する。
【0002】
【従来の技術】連通可能な仕切部により区画された薬液
室と薬剤室とを有する可撓性の複室容器において、吸湿
性の薬剤或いは易酸化性の薬剤と、この薬剤と混合する
ための薬液とをそれぞれ異なる室に隔離して収容したも
のが上市されている。このような複室容器は、容器材料
の成分が薬液中に溶出して薬液の品質を悪化することを
防止するために、化学的に安定な材料により形成されて
いる。この材料は、通常、酸素等のガスや水分の透過性
を有するものであるため、複室容器に吸湿性の薬剤や易
酸化性の薬剤を収容する場合、保存時に周囲の酸素や水
分が容器壁を透過して薬剤室に侵入して薬剤が変質する
のを防止する必要がある。従来、このような薬剤の変質
を防止するために水分非透過性あるいはガス非透過性の
バリヤー性材料を用いて薬剤室を気密に維持できる容器
が種々提案されていた。
【0003】例えば特開平6−14975号では、複数
の室を有する容器全体を水分或いはガスの透過性を有す
る樹脂により形成し、薬剤室だけをさらにバリヤー性材
料からなる被覆部材で気密に覆った複室容器が提案され
ている。また、特開平4−364850号、特開平4−
364851号には、前記提案の複室容器において、薬
剤室の容器壁と被覆部材との間に乾燥剤または脱酸素剤
を収容した複室容器が提案されている。さらに、特開平
8−257102号には、薬液室を化学的に安定な樹脂
により形成するとともに、薬剤室をバリヤー性材料によ
り形成し、この薬液室と薬剤室とを仕切部において連結
した複室容器が提案されている。これらは、いずれも薬
剤室がバリヤー性材料で覆われているため、周囲から水
分や酸素が薬剤室内に侵入しにくく、薬剤室に収容され
た薬剤の吸湿や酸化を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吸湿性
或いは易酸化性の薬剤は製造工程中にも湿度及び/また
は酸素含有量が十分に低い雰囲気下で取り扱う必要があ
るが、このような複室容器では薬剤室の容器壁が酸素等
のガス或いは水分の透過性を有するものであるため、製
造工程中で薬剤を薬剤室に充填して密封しても被覆部材
で気密にシールするまでは水分や酸素含有量の十分に低
い雰囲気を保たなければならない。そのため、脱ガス剤
及び/または乾燥剤の収容作業や被覆部材の密封作業な
どを、全て水分や酸素含有量の低い雰囲気下で行わなけ
ればならず、製造に手間がかかるという問題点があっ
た。さらに、このような複室容器では、バリヤー性材料
からなる部材にシール不良やピンホールが発生したり長
期間保存すると、バリヤー性材料からなる部材の内部に
水分や酸素等が侵入するが、これが直接或いは薬剤室の
容器壁を透過して薬剤室に侵入してしまうため、吸湿や
酸化による薬剤の変質を生じるという問題点もあった。
【0005】本発明の目的は、このような問題点を解決
することであり、製造工程を簡素化でき、しかも、複室
容器にシール不良やピンホールを生じたり、長期間保存
しても薬剤室に収容された薬剤が吸湿や酸化等の変質を
受けにくい医療用複室容器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の医療用複室容器は、薬剤を収容する薬剤室と薬液を
収容する薬液室とが連通可能な仕切部により仕切られ、
前記薬液室を露出した状態で前記薬剤室が被覆部材によ
り仕切部まで気密に覆われた複室容器において、前記薬
剤室の容器壁及び前記被覆部材がガス非透過性及び/ま
たは水蒸気非透過性を有することを特徴とするものであ
る。
【0007】本発明の医療用容器は、薬液室に薬液を充
填して密封し、薬剤室に薬剤を収容して密封するととも
に薬剤室を被覆部材により仕切部まで気密に被覆するこ
とにより製造されるが、薬剤室の容器壁がガス非透過性
及び/または水蒸気非透過性を有するため、製造工程中
で薬剤室に薬剤を収容して密封すれば、被覆部材で被覆
していなくても薬剤室内には酸素等のガスや水分が侵入
しにくく、その後の作業を水分や酸素含有量の低い雰囲
気下で行う必要がなく、製造が容易である。また、薬剤
室の容器壁及び被覆部材がガス非透過性及び/または水
蒸気非透過性を有すると、被覆部材にシール不良やピン
ホール等が生じてたり、あるいは長期間保存されて、被
覆部材内部に酸素や水分などが侵入しても、被覆部材内
部から酸素や水分が薬剤室内に容易に侵入することはな
く、薬剤の変質を防止することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の医療用複室容器におい
て、収容対象となる薬剤は、後述の薬液に混合して使用
可能なものであれば特に制限されず、水分を吸湿するこ
とにより或いは酸素等のガスと反応することにより変質
する吸湿性薬剤や易酸化性薬剤、例えば抗生剤、抗癌
剤、ステロイド剤、血栓溶解剤、ビタミン剤などであっ
てもよい。一方、薬液は、使用前に前述の薬剤と混合し
て、溶解、分散、或いは希釈等する液であり、例えば蒸
留水、生理食塩水、10%以下のブドウ糖液等の安定な
糖液、重炭酸塩含有液、並びに無機電解質及び有機電解
質等を含んだ輸液、透析液、及び臓器保存液などが挙げ
られる。
【0009】本発明の薬液室の容器壁は、少なくとも薬
液を収容して加熱滅菌或いは保存される際に材料成分が
薬液中に溶出して品質を悪化させることがない材料から
なる内壁面を有するものが好ましい。この内壁面を構成
する材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、塩
化ビニル、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル系
樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル共重合
体、アイオノマー等の樹脂のようなガス透過性及び/水
蒸気透過性を有する材料を用いてもよく、特に、ポリオ
レフィン系樹脂が好ましい。前記ポリオレフィン樹脂と
しては、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポ
リエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の低級オレフィン樹脂、環状ポリ
オレフィン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エ
チレン−アクリル共重合体、アイオノマー、或いはこれ
らの2以上の混合物などが挙げられる。このような材料
は単層若しくは複数層積層し、または前記材料と積層可
能な他の材料と複数層に積層した形態で用いることがで
きる。
【0010】本発明の薬剤室の容器壁は、酸素等のガス
及び/或いは水分を全く透過しない或いは極微量にしか
透過しないガス非透過性及び/または水分非透過性の材
料からなるものであり、少なくとも前記薬液室の容器壁
の内壁面を構成する材料より水蒸気透過性及び/または
ガス透過性の低い材料からなる層を有する材料である。
このような層を構成する材料としては、例えば、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポ
リビニルアルコール、エチレンビニルアルコール、ポリ
塩化ビニリデン、ナイロン等のポリアミド、セロファン
などのガス透過性或いは水蒸気透過性の低い樹脂を用い
ることができる。このような樹脂材料層は単層或いは複
数層積層して用いることが可能である。
【0011】複数層積層する場合、該ガス透過性或いは
水蒸気透過性の低い樹脂を複数層積層してもよいが、ポ
リエチレンやポリプロピレン等の薬液室の容器壁の内壁
面を構成する材料として例示したような該ガス透過性或
いは水蒸気透過性を有する材料層と組合わせて積層して
もよい。さらに、前記ガス透過性及び/または水蒸気透
過性を有する材料、或いは前記ガス非透過性及び/また
は水蒸気非透過性の材料の表面、裏面、若しくは両面、
又は中間層に、金属、無機物などの非樹脂層からなるガ
ス非透過性及び/水蒸気非透過性の材料層を積層して水
蒸気透過性あるいはガス透過性をより低減してもよい。
前記非樹脂層としては、例えばアルミ等の金属薄膜層、
アルミナ蒸着層、シリカ蒸着層等のセラミック蒸着層な
どが挙げられる。このように積層する場合、ガス透過性
或いは水蒸気透過性を有する材料からなる内壁に、前記
ガス透過性或いは水蒸気透過性の低い樹脂層や非樹脂層
を有する外壁を貼付けて構成することも可能である。
【0012】本発明においては、薬液室と薬剤室とが、
連通可能な仕切部を介して連結されており、例えば別々
に製造された薬液室と薬剤室とが連結していてもよく、
薬液室と薬剤室とが一体に成型されて仕切部が形成され
たものであってもよい。本発明において仕切部は、閉鎖
時に薬液室と薬剤室とを隔離でき、開口時に薬液室と薬
剤室とを連通可能できるものであれば特に制限されるも
のではなく、例えば外部より除去または破壊することに
より連通可能な閉塞部材を有する壁、容器壁の内壁面を
易剥離性を有するように溶着した溶着部などであっても
よい。ここで易剥離性を有するように内壁面を溶着する
には、好ましくは容器壁の内壁面を、適度の相溶性を有
するとともに適度の溶融温度差、例えば8℃以上の温度
差を有する樹脂の混合物から成形し、これを溶着するこ
とにより形成することができる。
【0013】本発明の医療用複室容器の被覆部材は、前
記薬液室の容器壁と同じ材料から形成してもよく、ま
た、異なる材料から形成してもよいが、薬液室の内壁よ
りガス透過性及び/または水蒸気透過性が低い材料から
形成するのが好ましい。薬液室と異なる材料から形成す
る場合、薬剤室の容器壁のガス透過性及び/または水蒸
気透過性を、被覆部材のガス透過性及び/または水蒸気
透過性より高くすることができる。このようにすると、
逆の場合に比べて薬剤室内に酸素等のガスや水分が特に
侵入しにくくなり、薬剤の吸湿や酸化等の変質防止効果
が大きい。
【0014】以下、本発明を図面を用いて説明する。図
1は、本発明の一実施形態に係る医療用複室容器の縦断
面図である。図において、1はこの実施形態の医療用複
室容器であり、薬剤2を収容した薬剤室3と、薬液5を
収容した薬液室6とが仕切部7を介して設けられてい
る。この薬剤室3と薬液室5は直鎖状低密度ポリエチレ
ンとポリプロピレンとの混合物からなる内層、アルミニ
ウム箔から成る中間層、及び直鎖状低密度ポリエチレン
とポリプロピレンから成る外層とから3層に構成された
2枚の四角形状のシート材8からなり、周縁部9で該シ
ート材8が強度に溶着され、仕切部7で易剥離性を有す
るように溶着されて形成されている。薬剤室3には抗生
物質からなる粉末薬剤が収容され、薬液室6には使用前
に粉末薬剤を溶解するための生理食塩水が収容されてい
る。薬液室6の内壁面は従来から薬液容器に使用されて
いる材料であり、成分の溶出による薬液の品質の悪化は
ない。
【0015】薬剤室3の外側は被覆材11で仕切部6ま
で気密に被覆されている。被覆部材11はポリエチレン
からなる内層とポリエチレンテレフタレートから成る外
層とを有するものであり、下端縁が仕切部7の外表面に
強度に溶着されているとともに残りの周縁が互いに強度
に溶着されている。さらに、被覆部材11の内部には乾
燥剤13及び脱酸素剤14が収容されている。なお12
は薬液室6に設けられた流出口である。
【0016】この医療用複室容器1を製造するには、特
に制限されるものではないが、例えば、下記のようにし
て製造することができる。まず、適寸に切断したシート
材8を重ね、一方の端部に流出口12を配置した状態で
下端部及び両側部を溶着するとともに、中間部を易剥離
性を有するように溶着することにより仕切部7を形成し
て、薬液室3及び薬液室5を形成する。次に、流出口1
2から薬液5を薬液室6に充填して流出口12を密封し
た後、オートクレーブ内で高圧蒸気滅菌する。滅菌終了
後、薬剤室3内部を完全に乾燥させた後、薬剤室3の両
面を覆うように被覆部材11を配置し、該被覆部材11
同士を両側部で溶着するとともに仕切部7の外表面に下
端部を溶着する。、該薬剤室3に薬剤を無菌充填し、薬
剤室3の上端部のシート材8同士を気密に溶着し、さら
に乾燥剤13及び脱酸素剤14を配置して該薬剤室3を
覆うように被覆部材11の上端部を溶着することにより
製造することができる。
【0017】この製造工程においては、薬剤室3の容器
壁がガス非透過性及び/または水蒸気非透過性を有する
ため、薬剤室3に薬剤を収容して密封した後は薬剤室内
に酸素等のガスや水分は侵入しにくく、被覆部材で被覆
していなくてもその後の作業を水分や酸素含有量の低い
雰囲気下で行う必要がなく、製造が容易である。
【0018】このように製造された医療用複室容器1
は、従来の容器と同様に使用することが可能であり、薬
液室5の容器壁を外部から押圧して仕切部7を開口させ
ることにより、薬液と薬剤とを混合し、その後容器1を
ハンガーを用いて吊り下げ、流出口12から混合液を流
出させて使用することが可能である。
【0019】このような医療用複室容器1によれば、薬
剤室3の容器壁及びこの容器壁を気密に覆う被覆部材1
1が共に水分透過性及び/またはガス透過性の低い材
料、即ち、非透過性材料により形成されていて、しかも
薬液室3の容器壁と被覆部材11との間に脱ガス剤13
或いは乾燥剤14が配置されているので、薬液室6から
放出される水分や容器1の周囲の雰囲気中の酸素等のガ
スや水分は被覆部材11の内部には極微量にしか侵入せ
ず、この極微量に侵入した酸素等のガスや水分も脱ガス
剤14及び乾燥剤13により除去することができる。ま
た薬剤に残留している水分も除去できる。そのため、薬
剤室3周囲の酸素等のガスや水分は極めて少なく、容器
壁を透過して薬剤室3に酸素等のガスや水分が侵入する
ことはほぼ完全に防止することができる。被覆部材11
にシール不良やピンホールが生じて気密性が確保でき
ず、該シール部分やピンホールから酸素等のガスや水分
が侵入した場合や、長期間保存されて乾燥剤13や脱酸
素剤14の能力が低下して被覆部材11内の酸素や水分
の濃度が増加した場合には、薬剤室3の容器壁がバリヤ
ー性の材料からなるため、酸素や水分が薬剤室3内に侵
入しにくい。そのため、薬剤室3への酸素や水分の侵入
を防止して、薬剤が吸湿したり酸素により変質すること
を防止できる。
【0020】なお、上記実施形態においては、3層に構
成されたシート材8を用いて複室容器を製造したが、直
鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの混合物等
からなる内層を有し、酸素等のガスや水分の透過性を有
する樹脂材料により形成された内壁に、アルミニウム箔
層等のガス及び/または水蒸気非透過性の材料層を有
し、酸素等のガスや水分の非透過性を有する外壁を貼付
けた材料を用いてもよい。その場合、薬液室5に外壁を
貼付けずに用いることも可能である。なお、この外壁は
薬液室及び薬剤室を形成後に内壁に貼付てもよく、形成
前に貼付けてもよい。
【0021】次に別の実施形態を図2を用いて説明す
る。図2はこの実施形態の医療用複室容器の縦断面図で
ある。この医療用容器1では、薬液室5の容器壁は直鎖
状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂に
より形成され、薬剤室3の容器壁はポリエチレンテレフ
タレートにより形成されている。薬液室5の上端部及び
薬剤室3の下端部がそれぞれ仕切部7となっていて、薬
液室5の上端部を外側から薬剤室3の下端部の先端によ
り挟み込んで溶着されることにより薬液室5と薬剤室3
とが気密に連結されている。さらに、薬剤室3は連結部
分を被覆部材11により気密に被覆され、仕切部7の外
側に溶着されている。その他は図1の容器と同様の構成
であり、同様に使用することができる。
【0022】このような医療用複室容器1を製造するに
は、薬液室5の容器壁を形成するためのシートを、排出
口12を下端部に配置して下端部及び両側部で強度に溶
着し、上端部を易剥離性を有するように溶着して仕切部
7を形成し、流出口12から薬液を充填した後、密封し
て高圧蒸気滅菌することにより薬液5が収容された薬液
室6を形成する。一方、バリアー性のシート材料を重ね
て上端部及び両端部を強度に溶着するとともに下部を下
端に溶着していない対向壁を残して易剥離性を有するよ
うに溶着して仕切部7を形成し、滅菌処理後、無菌状態
で薬剤を収容して上端部を溶着することにより薬剤室3
を形成する。次に、薬液室5の上端部を薬剤室3の下端
部のシート材料間に配置して溶着することにより、薬液
室5と薬剤室3を連結する。そして、薬剤室3を被覆部
材11で被覆し、仕切部7の表面に溶着するとともに残
りの周囲を溶着することにより複室容器1を製造する。
【0023】このような医療用複室容器1によれば、図
1の容器と同様に、製造が容易であり、薬剤室6に収容
された薬剤を酸素等のガスによる変質や水分の吸湿を防
止することができ、また、被覆部材11にシール不良や
ピンホール等が発生したり長期間保存しても、薬剤室3
に酸素等のガスや水分が侵入することを防止できる。さ
らに、このような構成の医療用複室容器1では、薬液を
収容した薬液室5だけを高圧加熱滅菌処理することがで
きるため、薬液室5と薬剤室3とが一体に形成された複
室容器のように薬剤を収容する前に薬剤室を乾燥させる
手間がなく、製造が容易である。
【0024】図3は、さらに別の実施形態に係る医療用
複室容器の縦断面図である。この実施形態では、排出口
12を設けてシート材を両端部及び下端部で強度に溶着
するとともに、易剥離性を有するように中間部分を溶着
して仕切部7を形成し、さらに仕切部7より上方に延長
して溶着されていない延長部16を形成することにより
薬液室5が形成されている。延長部16の対向壁には開
口部16aが設けられている。薬剤室6は、フランジ部
17を有する半球状の環状ポリオレフィンからなる収容
部材18と、フランジ部と略同じ大きさの外形を有する
環状ポリオレフィンからなる蓋部材19とからなり、延
長部16の一方の壁の開口部16aの周囲の外表面にフ
ランジ部を溶着し、延長部16の他方の壁の開口部16
aの周囲の外表面に蓋部材19を溶着し、さらに収容部
材18のフランジ部17に対応する延長部16の内側
と、蓋部材19に対応する延長部16の内側との間を易
剥離性を有するように溶着して形成されている。さら
に、この収容部材18と蓋部材19とからなる薬剤室3
が図2と同じ被覆部材11により気密に覆われている。
【0025】このような構成の医療用複室容器1であっ
ても、製造が容易であり、薬剤はバリヤー性材料からな
る収容部材18及び蓋部材19により気密に収容され、
さらにこの薬剤室3が被覆部材11により気密に被覆さ
れているので、被覆部材11にシール不良やピンホール
が発生したり、長期間保存しても、薬剤室3内に酸素な
どのガスや水分が侵入して薬液が変質することを防止で
きる。また、この容器1では、薬液室5を高圧蒸気滅菌
した後、薬剤を収容した収容部材18を延長部16の外
側に溶着するため、薬剤室3に滅菌時に水分が侵入する
ことがなく、薬剤の乾燥状態を維持しやすい。なお、上
記各実施形態の複室容器は、そのまま保存、運搬等に供
してもよいが、全体を外包装部材中に収容してもよい。
その場合、薬剤室が2重にガス及び/または水蒸気非透
過性の材料により保護されているため、薬液室から外包
装部材中に放出される水分等が薬剤室に侵入しにくく、
吸湿や酸化等の変質は起こりにくい。
【0026】
【発明の効果】以上詳述の通り、本発明の医療用複室容
器によれば、薬剤を収容する薬剤室と薬液を収容する薬
液室とが連通可能な仕切部により仕切られ、前記薬液室
を露出した状態で前記薬剤室が被覆部材により仕切部ま
で気密に覆われた複室容器において、前記薬剤室の容器
壁及び前記被覆部材がガス非透過性及び/または水蒸気
非透過性を有するようにしたので、製造工程中で薬剤室
に薬剤を収容して密封すれば薬剤室内に酸素等のガスや
水分が侵入しにくくなるため、その後の作業を水分や酸
素含有量の低い雰囲気下で行う必要がなくて製造が容易
になり、また、被覆部材にシール不良やピンホールが生
じたり、長期間保存しても、酸素や水分が薬剤室の容器
壁を透過して侵入しにくいため、薬剤が吸湿や酸化等の
変質を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の医療用複室容器の断面図
である。
【図2】本発明の他の実施形態の医療用複室容器の断面
図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態の医療用複室容器
の断面図である。
【符号の説明】
1 医療用複室容器 2 薬液 3 薬液室 5 薬剤 6 薬剤室 7 仕切部 8 シート材 11 被覆部材

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 薬剤を収容する薬剤室と薬液を収容する
    薬液室とが連通可能な仕切部により仕切られ、前記薬液
    室を露出した状態で前記薬剤室が被覆部材により仕切部
    まで気密に覆われた複室容器において、 前記薬剤室の容器壁及び前記被覆部材がガス非透過性及
    び/または水蒸気非透過性を有することを特徴とする医
    療用複室容器。
  2. 【請求項2】 前記被覆部材と薬液室との間に脱ガス剤
    及び/または乾燥剤が配置されたことを特徴とする請求
    項1記載の医療用複室容器。
  3. 【請求項3】 前記薬剤室の容器壁が、前記薬液室と同
    一のガス透過性及び/または水蒸気透過性を有する材料
    から形成された内壁に、ガス非透過性及び/または水蒸
    気非透過性を有する外壁を貼付けたものである請求項1
    または2に記載の医療用薬液容器。
  4. 【請求項4】 前記薬液室が、前記薬剤室と同一の積層
    材料から一体に形成され、該積層材料がガス透過性及び
    /または水蒸気透過性の内層並びにガス非透過性及び/
    または水蒸気非透過性の外層を有する請求項1または2
    に記載の医療用複室容器。
  5. 【請求項5】 前記薬剤室の容器壁と前記薬液室の容器
    壁とが、仕切部において接合されている請求項1または
    2に記載の医療用複室容器。
  6. 【請求項6】 前記薬液室の容器壁から前記仕切部を介
    して延長する対向壁を有し、該対向壁の少なくとも一方
    に開口部を備え、該開口部周囲に収容部材が接合れると
    ともに他方の対向壁の対応部分に蓋部材が接合され、該
    収容部材と蓋部材とが気密に接合されて前記薬剤室が形
    成されている請求項1または2に記載の医療用複室容
    器。
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