JPH1176367A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JPH1176367A
JPH1176367A JP9252771A JP25277197A JPH1176367A JP H1176367 A JPH1176367 A JP H1176367A JP 9252771 A JP9252771 A JP 9252771A JP 25277197 A JP25277197 A JP 25277197A JP H1176367 A JPH1176367 A JP H1176367A
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JP
Japan
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sheet
chamber
liquid
agent chamber
solid
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Application number
JP9252771A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
    • B65D81/32Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging two or more different materials which must be maintained separate prior to use in admixture
    • B65D81/3261Flexible containers having several compartments
    • B65D81/3266Flexible containers having several compartments separated by a common rupturable seal, a clip or other removable fastening device

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造上、内容物の保管が長期間安全にできる
構造を簡単に設けることができ、またピンホール等の上
記構造不良等が少ない医療用容器を提供。 【構成】 液剤を収容する液剤室と固形剤を収容する固
形剤室とからなり、使用時に該両室内が連通可能に設け
られる医療用容器において、上記固形剤室は2枚のシー
トを重ねて該シートの周縁同士を接着して形成されると
共に、上記一のシートは樹脂シートからなり、他のシー
トは水分難透過性又は水分非透過性シートからなり、上
記固形剤室が接続される上記液剤室の接続部には剥離可
能な接着シール部が形成されると共に上記2枚のシート
の周縁同士の一部の周縁部が上記液剤室の接続部に液密
に接続されて、使用時に該接着シール部を剥離すること
により上記液剤室と上記固形剤室とが連通しうることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、長期安定保存のために液剤と
水分等によって容易に変質、変色する固形剤とを異なる
室に分けて配した医療用容器に関するものであり、かか
る内容物を長期間安全に保存することのできる医療用容
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、抗生物質、蛋白質製剤等の凍結乾
燥した固形剤とその溶解液とを保存時に別々に収容し
て、使用時に容易に無菌混合して使用できる医療用容器
の提供がなされている。例えば、樹脂容器からなる医療
用容器を二つの室に分け、一の室には薬液を充填し、二
の室には凍結乾燥物を充填したものがある(特開平6−
14975号公報)。そして、かかる薬液容器の各室は
剥離可能な熱接着シール部で仕切られ、薬液収容室を外
側から圧迫することにより、接着シール部が剥離開放さ
れて使用時に医療用容器内の凍結乾燥物と薬液との混合
ができるものである。従って、このような薬液容器は容
器圧迫のみで簡単に薬剤を薬液に混注、混合することが
できるようになっている。このためこのような薬液容器
が頻用される傾向にある。また医療用容器の本体は大部
分が可撓性の樹脂容器からなるため、通常、凍結乾燥物
が易変質薬であれば水分や酸素等に対してバリアー性の
ある包装体で包装する。また、基液は主に電解質液或い
は単純な薬剤の溶解液であるため、易変質薬を収容した
室のみを上記包装体で包装したものがある(特開平4−
364851号公報、特開平4−364850号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記多
室型の医療用容器においては以下の改善が望まれる。長
期保存のために包装体で医療用容器を包装するが易変質
薬の収容室を部分的に包装するには剥離可能な接着シー
ル部の外側を軽く且つ液密にシールすると共に、容器本
体の側周端との気密性を強く維持した状態で包装材を熱
溶着シールする必要がある。かかる熱溶着シールが不完
全でピンホールなどが生じていた場合は医療用容器の長
期保存ができなくなる。従って、製造上の医療用容器の
包装において厳重なチェックが必要となる。従って、本
発明は、製造上、内容物の保管が長期間安全にできる構
造を簡単に設けることができ、またピンホール等の上記
構造不良等が少ない医療用容器を提供することを目的と
している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、液剤を収容す
る液剤室と固形剤を収容する固形剤室とからなり、使用
時に互いに該両室内が連通可能に設けられる医療用容器
において、上記固形剤室は2枚のシートを重ねて該シー
トの周縁同士を接着して形成されると共に、上記一のシ
ートは樹脂シートからなり、他のシートは水分難透過性
又は水分非透過性シートからなり、上記固形剤室が接続
される上記液剤室の接続部には剥離可能な接着シール部
が形成されると共に上記2枚のシートの周縁同士の一部
の周縁部が上記液剤室の接続部に液密に接続されて、使
用時に該接着シール部を剥離することにより上記液剤室
と上記固形剤室とが連通しうることを特徴とするを提供
することにより、上記目的を達成したものである。
【0005】本発明に係る医療用容器に収容される液剤
は、輸液、透析液、臓器保存液等の投与液或いは処理液
の母液となるものである。液剤は電解質液が主であり、
上記固形剤の単なる溶解液、希釈液等でも良く、酸素に
より容易に変質するアミノ酸等の易変質液等でも良い。
液剤は液剤室に無菌充填しても良く、また液剤室に密封
充填した後、高圧蒸気滅菌処理したものであることが望
ましい。本発明に係る医療用容器に収容される固形剤
は、粉末、顆粒、錠剤、凍結乾燥物等の乾物であり、水
分を吸湿すると直ぐに変質し易くなるものが挙げられ
る。具体的には、ビタミン類、トリプトファン、メチオ
ニンなどのアミノ酸類、フィゾスチグミン、エルゴタミ
ン、アドレナリン等の生理活性物質、ヒドララジン、ク
ロルプロマジン等の化学薬剤、ペニシリン系、クロラム
フェニコール、マクロライト系抗生物質等を挙げること
ができる。固形剤は加熱に弱いものが殆どで、かかる固
形剤は上記固形剤室に無菌充填される。
【0006】上記固形剤室は2枚の樹脂シートを重ねて
該シートの周縁同士を接着して形成される。シートはい
わゆる可撓性を有するフィルムでも良く、またシートは
真空成形等して一定の形状を持たせたものでも良い。上
記固形剤室は2枚のシートを重ねて該シートの周縁同士
が接着して形成される。接着は接着剤を介した液密なシ
ール或いは熱溶着シール等を挙げることができる。シー
ルの接着剤としては、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、
エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化水素
系溶媒などの溶媒接着剤、或いは変性オレフィン類、ホ
ットメルト類等の樹脂接着剤を介した密封シール等があ
る。また熱溶着シールとしては、ヒートシール、インパ
ルスシール等の外部加熱による接着、又は超音波接合、
高周波接合等の内部加熱による接着等を挙げることがで
きる。
【0007】一のシートは樹脂シートであり、液剤室を
形成する室壁が接続部から延在されたものであっても良
く、別体としても良い。一のシートは水分難透過性及び
ガス難透過性又は水分・ガス非透過性シートである必要
はないが、かかる機能を有するシートであっても良い。
また一のシートは透明性があってもなくても良い。但
し、上記液剤を高圧蒸気滅菌処理すると同時に、上記固
形剤室内を蒸気滅菌したい場合には、樹脂シートは水分
透過性或いは水分難透過性シートであることが必要とさ
れる。また上記固形剤の形態を使用前に確認する必要が
あることから樹脂シートはある程度の透明性を有してい
ることが望ましい。樹脂シートは単層シートもしくは多
層シートでも良く、樹脂シートの最内層は熱可塑性樹脂
であることが望ましい。最内層が熱可塑性樹脂であれ
ば、2枚のシート同士を液密に接着する際、或いは上記
液剤室の接続部に液密に接着する際にピンホール等を生
じさせることなく熱接着シールすることが容易となる。
このため、最内層の熱可塑性樹脂はポリオレフィン系樹
脂、特に融点の低い、ある程度透明性のある低密度、線
状低密度、中密度ポリエチレン等であることが望まし
い。また、このような樹脂が内層であることは他の樹脂
の内層に比べて医療用薬剤にも悪影響を与えない。
【0008】他のシートは水分難透過性又は水分非透過
性シートからなる。他のシートの透湿度は、1.0、特
に0.5g/m2・24hr(温度25℃、0−90%
RH差)以下であることが望ましい。上記範囲を上回る
と、固形剤室の固形剤を外界から透過してくる水分など
から長期間保護することが十分にできないおそれがあ
る。他のシートは全体が厚手のポリエチレンやポリプロ
ピレンなどの水分難透過性のポリオレフィン系の樹脂か
らなっていても良く、また最内層に上述の一の樹脂シー
トと同様なポリオレフィン系の接着層を有し、中間層又
は外層に水分難透過性又は水分非透過性の層を有する多
層シート又はフィルムからなるものでも良い。またシー
トはガス難透過性の性質を共に有したものであっても良
い。上記中間層或いは外層に具体的に用いられる水分難
透過性又は水分非透過性層としては、壁が殆ど、又は全
くガスを透過させないアルミニウム等の金属層、また、
ポリオレフィン、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフロ
ロエチレン、ポリ3フッ化エチレン、塩酸ゴム等のよう
に水分難透過性の樹脂層、又はアルミニウム、珪素、マ
グネシウム、チタン、銀、金等の土類金属若しくは金
属、又はその酸化物の蒸着層等を有するものである。中
でも高圧蒸気滅菌処理にかけて、その機能が低下せず、
また有害な物質の発生のおそれも少ない珪酸蒸着層が望
ましい。
【0009】上記固形剤室が接続される上記液剤室の接
続部には剥離可能な接着シール部が形成される。上記液
剤室は通常可撓性の樹脂容器からなり、1枚を折り重ね
又は2枚の樹脂シートを重ねてその周縁部を熱溶着シー
ルして形成したもの、インフレーションシートの裁断端
部を熱溶着シールして形成したもの、及びブロー成形し
たものである。上記固形剤室が接続される接続部は剥離
可能な接着シール部が形成される。このため、接着シー
ル部が剥離されると、かかる接続部が開放される。接着
シール部は接着剤を介して液密にシールしても良く、熱
溶着シールしても良く、上述の接着方法により接着シー
ル部を形成することができる。
【0010】接着シール部は剥離可能なシール部であ
る。剥離可能なシール部は通常ピールシール部或いは弱
シール部とも称され、外部から室或いは容器を圧迫し、
内部が一定の昇圧状態にさせたときに剥離することがで
きるシール部、或いは容器外壁のそれぞれを把持して引
っ張ったときに剥離することのできるシール等である。
上記ピールシール部の剥離強度は、室内の圧が0.01
〜1.0Kgf/cm2、特に、0.05〜0.5Kg
f/cm2の昇圧で剥離する強度が望ましい。上記範囲
を下回る強度であれば、製造、運搬、保存時等の隔離状
態を保つための安全性に欠ける。上記範囲を上回る強度
であれば、用時に室と室同士の連通操作を容易にするこ
とができなくなるおそれがある。
【0011】上記液剤は上述のように血管から体内に投
与されるものがあることから、上記液剤室はポリオレフ
ィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等か
ら形成される。室壁は単層又は多層で形成されていても
良い。容器内の薬剤と接触する最内層は、薬剤に影響を
与えない、また溶出物が生じない樹脂層であることが望
ましい。このような樹脂としては、ポリオレフィン系樹
脂が望ましく、例えば、低、中、高−密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等の低級オレフィン樹脂等が挙げら
れる。また剥離可能なシール部を熱溶着により形成する
ことから、最内壁層が異なる樹脂ブレンド物であること
が望ましい。特に、異なる樹脂は熱溶融開始温度、或い
はピカッド軟化点が異なり、相溶性のあまりない樹脂ブ
レンド物からなることが望ましい。かかるブレンド物層
を有することより、ピールシール接着のシール温度条件
設定が簡単にできる。ピールシール接着に求められるシ
ール強度、即ち、使用時の外力による易剥離性と、保存
時に剥離が生じないシール強度との関係を厳密に設定す
ることができる。内層に相溶性の異なる樹脂を溶融混合
しこれをシート状に成形すると、ミクロ的に熱接着性の
異なる部分に分離した内層表面とすることができる。そ
して、任意の温度におけるそのシートの表面相互のミク
ロ的な部分の熱溶融性を決めることにより、シール強度
の強弱を正確に付け、上記効果を容易に達成するもので
ある。
【0012】上記2枚のシートの周縁同士の一部の周縁
部が上記液剤室の接続部に液密に接続される。シートの
周縁部を上記液剤室の接続部の外壁又は内壁に接着させ
て液密に接続することができる。接続部の接着には接着
剤を介して接着しても良く、また熱溶着シールにより接
着しても良い。このような接着部での接続により、使用
時に上記接着シール部を剥離すると、上記液剤室と上記
固形剤室とを連通することができる。
【0013】次に、上記医療用容器の簡単な製造方法を
示すと、先ず、排出口等を備えた上記液剤室をシート或
いはブロー成形により成形し、上記液剤室の一部の周
縁、即ち上記接続部に剥離可能な接着シール部を形成す
る。次に、接続部に2枚のシートの一部の周縁を接着し
て接合すると共にシートの互いの全周縁同士を液密に接
着シールする。次に、上記液剤室に液剤を密封充填し、
充填後、上記液剤室及び接続された上記固形剤室内を高
圧蒸気滅菌処理する。高圧蒸気滅菌処理は温度100℃
〜140℃、好ましくは105℃〜120℃の範囲で行
うことが望ましいく、上記範囲を下回ると、滅菌に時間
がかかると共に十分な滅菌保証がなされないおそれがあ
る。上記範囲を上回ると、樹脂容器或いは室が熱変形す
るおそれがある。滅菌後、上記接続容器を無菌・無塵雰
囲気内に供給し、かかる雰囲気内で上記固形剤室の周縁
の一部を切開して開放し、かかる開放口から固形剤を無
菌的に充填し、開放口を再び接着シールして液密に閉じ
る。これにより、得られる医療用容器では、上記固体剤
室の一のシート面を水分難透過性或いは水分非透過性の
カバーシートからなる包装材で被着することにより、固
形剤室内の気密性及び液密が維持され、外部からの水分
の侵入が防止され、固形剤の長期間の保存が可能とな
る。また、カバーシート状の包装材の取付けは、容器の
側縁部での正確な貼り付けを必要としないため、製造
上、ピンホール等の危険性も生じない。
【0014】本発明に係る請求項2記載の医療用容器
は、請求項1記載の医療用容器において、上記固形剤室
の一のシートの外側を密封して覆う水分難透過性又は水
分非透過性のカバーシートが設けられることを特徴とす
る。カバーシートは上述の他のシートと同様なものを使
用することができる。かかるカバーシートは、一のシー
トの室壁形状に合わせて形成し、かかる部分を液密に覆
い、その周縁部を熱溶着シールするだけで設けることが
できる。熱溶着シールは容易で、シール部でピンホール
等を生じさせるおそれがない。
【0015】本発明に係る請求項3記載の医療用容器
は、請求項2記載の医療用容器において、上記一のシー
トと上記カバーシートの間に乾燥剤が配されていること
を特徴とする。乾燥剤としては、それ自身吸湿性の強い
物質であって化学的乾燥剤でも物理的乾燥剤でも良い。
好ましい乾燥剤としてはシリカゲル、活性アルミナ、塩
化カルシウム、モレキュラーシーブス等の多孔質構造物
等がある。このような乾燥剤をカバーシートと上記一の
シートの間に配することにより、固形剤中の水分を除去
すると共に、他のシート或いはカバーシートを介して外
部から透過してくる水分を除去する。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は第一実
施例に係る医療用容器の断面概略図である。図2は第一
実施例に係る医療用容器の固形剤室部分の正面図であ
る。図3は第一実施例に係る医療用容器の固形剤室部分
の裏面図である。図4は第一実施例に係る医療用容器に
外包装を設けた断面概略図である。図5は第一実施例に
係る医療用容器の使用時の断面概略図である。
【0017】第一実施例に係る医療用容器1は、図1〜
図5に示す如く液剤2を収容する液剤室3と固形剤4を
収容する固形剤室5とからなり、使用時に両室3、5内
が連通可能に設けられる輸液容器である。医療用容器1
の固形剤室5は2枚のシート3A、5Aを重ねてシート
3A、3Bの周縁6同士を接着して形成されると共に、
上記一のシート3A(以下、樹脂シートという。)は樹
脂シートからなり、他のシート5A(以下、機能シート
5A)は水分難透過性又は水分非透過性シートからな
り、固形剤室5が接続される液剤室3の接続部7には剥
離可能な二条の接着シール部8、8が形成されると共に
上記2枚のシート3A、5Aの周縁6同士の一部の周縁
部6Aが液剤室3の接続部7に液密に接続されて、使用
時に接着シール部を8、8剥離することにより液剤室3
と固形剤室5とが連通しうる。尚、樹脂シート3Aは液
剤室3を形成するシートの接続部7から更に延在させた
部分からなる。
【0018】上記固形剤室5の樹脂シート3の外側を密
封して覆う水分非透過性のカバーシート9が設けられ
る。上記樹脂シート3Aと上記カバーシート9の間に乾
燥剤10が配されている。
【0019】本実施例に係る医療用容器1を更に詳しく
説明すると、液剤室3はブロー成形物であり、ブロー成
形物の胴壁の厚みは250μmで、その容量は160m
lで、長さが150mmで、幅が80mmである。ブロ
ー成形物の胴壁は外層と内層との二層に成形され、外層
は厚みが220μmの直鎖状低密度ポリエチレン(密
度:0.935g/cm3、MI:2、融点:121
℃)からなる。内層は厚みが30μmの直鎖状低密度ポ
リエチレン(密度:0.935g/cm3、融点:12
1℃)とポリプロピレン(密度:0.900g/c
3、MI:0.7、融点:165℃)とを2:1の割
合で混合したブレンド物の層からなる。ブロー成形物は
ブロー成形時のブロー吹出口が医療用容器1における排
出ポート91として形成されている。図1〜3に示す如
く、液剤室3の底部は一旦切断された後に熱シールされ
て切断開口が閉止され、かかる切断開口部が上記固形剤
室5との接続部7となっている。接続部7には熱接着シ
ール部8、8が形成され、接着シール8、8は剥離可能
なピールシールで形成され、そのシール強度は、液剤室
3の内部圧を0.2Kgf/cm2のにした時に剥離す
るように形成されている。
【0020】上記固形剤室5は液剤室3の接続部7から
延在された樹脂シート3A部分と機能シート5Aとを重
ね、互いの周縁部6を完全に熱溶着シールして形成され
る。また機能シート5Aの周縁部6の一部6Aは接続部
7の外壁面に完全な熱溶着シールにより形成される。機
能シート5Aは透明で、樹脂シート3Aとの接着層と、
中間層と、外層とからなり、接着層は厚みが800μm
の直鎖状低密度ポリエチレン層である。中間層は厚みが
10μmのポリエチレンテレフタレートのシリカ蒸着層
であり、外層は厚みが50μmの直鎖状低密度ポリエチ
レンとプロピレンとのブレンド物層である。機能シート
5Aは、水分難透過性及びガス難透過性で、透湿度が
0.3g/m2・24hr(温度:25℃、90%RH)及
び酸素透過度が0.7cc/m2・24hr(温度:25℃、
乾燥)である。
【0021】図3に示す如く、固形剤室5における樹脂
シート3Aの外壁面はカバーシート9で気密に覆われ、
カバーシート9の周縁部9Aは樹脂シート3Aの外壁面
に熱溶着シールして取り付けられる。また、カバーシー
ト9の上方延在部分には吊り孔14が形成され、吊り孔
14は医療用容器1の使用時にスタンドなどに吊すのに
利用される。カバーシート9は非透明で、最内層が直鎖
状低密度ポリエチレン層であり、中間層がアルミニウム
層であり、外層が延伸ポリプロピレン層であり、水分・
ガス非透過性で、水分及び酸素が実質的に殆ど遮断され
る。カバーシート9と樹脂シート3Aとの間には乾燥剤
10が配され、乾燥剤10は水分吸収型のモレキュラー
シーブスからなる。液剤室3の液剤は薬剤の溶解液から
なり、液剤室3内に密封された後、高圧蒸気滅菌処理に
より滅菌がなされている。固形剤室5の固形剤4は水分
の吸湿により変質し易い凍結乾燥物が無菌的に密封収容
されている。
【0022】医療用容器1は接続部7で折り曲げられた
状態で包装体11に密封収納される。包装体11の包装
材は内層からポリエチレン層/シリカ蒸着層/ポリエチ
レンテレフタレート層で形成される透明フィルムからな
る。このため、包装材の透湿度が0.5g/m2・24hr
(温度:25℃、90%RH)及び酸素透過度が0.5
cc/m2・24hr(温度:25℃、乾燥)である。包装体
11内には脱酸素剤12が密封収納される。脱酸素剤1
2は炭酸ガス非発生型の除酸素剤である。包装体11の
周縁シール部11Aは剥離可能な弱シールにより形成さ
れている。そして、周縁シール部11Aのコーナーは一
部剥離されて開封部14として形成されている。
【0023】次に、医療用容器の製造方法について説明
する。先ず、ブロー成形により液剤室3を容器成形す
る。次に、液剤室3の底部を切断し、片面を切除して樹
脂シート3Aを残す。次に二条の接着シール部8、8を
形成し接続部7を設ける。接続部7に機能シート5Aを
熱溶着シールするとともに残した樹脂シート3Aの三方
の周縁部にも熱溶着シールして機能シート5Aをその周
縁部6を介して取り付ける。これにより、固形剤室5を
形成するとともに液剤室3に接続する。接着シール部8
のシール条件温度は130℃前後で行われ剥離可能なシ
ールとする。また、周縁部6のシール条件温度は170
℃で行われ完全且つ液密に固着される。液剤室3を洗滌
乾燥し、溶解液7を除菌フィルタを通した後に排出ポー
ト91を介して液剤室3に充填する。充填後、排出ポー
ト91にゴム栓をしてこれを容器の排出口とする。次
に、液剤室3及び固形剤室5を温度110℃で高圧蒸気
滅菌処理して、溶解液7の蒸気滅菌処理をすると共に、
固形剤室5内も蒸気滅菌する。滅菌後、固形剤室5内を
乾燥した後、これを無菌室に搬入し、一旦、固形剤室5
の周縁部6の一部を切開開放して、かかる開口から凍結
乾燥剤6を無菌充填する。無菌充填後、開放端部を再び
完全に液密に熱溶着シールする。次に、矩形状のカバー
シート9を樹脂シート3Aの外壁面に取付け、カバーシ
ート9の周縁部9Aにインパルスシーラを当てて温度条
件を130℃として完全な熱溶着シールして取り付け
る。かかる取付の際に乾燥剤10をカバーシート9と樹
脂シート3Aとの間に挿入する。尚、カバーシート9に
薄手の水分透過性で且つ熱接着性のポリオレフィンシー
トを重ねて乾燥剤10を両シート間に予め密封収容して
袋状にカバーシート9を形成しておき、かかる袋状カバ
ーシート9を樹脂シート3Aにポリオレフィンシートを
介して直接取り付けて、製造上の操作を簡便なものにし
ても良い。次に、医療用容器1を接続部7で折り曲げ、
脱酸素剤12と共に包装体11で密封包装する。
【0024】このように構成された本発明に係る医療用
容器1によれば、その製造において、機能シート5Aが
簡単に樹脂シート3Aに熱溶着シールにより取付られ
る。この場合、接着部7はの外表面、即ち、外層の直鎖
状低密度ポリエチレン面に機能シート5Aの周縁内面の
直鎖状低密度ポリエチレン層にが120℃〜140℃の
熱シール条件により固着される。このため、液剤室3の
接続部7の内壁面同士に剥離可能な熱溶着シール部が存
在しても、その剥離シール機能を破壊することなく、確
実に周縁部6を接着部7の外壁面に固着することができ
る。また、カバーシート9は矩形状に形成され、樹脂シ
ート3Aの片面のみを覆って密封シールするが、容器の
側縁部等をオーバーラップさせて2枚のシートで覆って
密封シールすることがないのでピンホールを生じるよう
な熱溶着シールをする事もない。
【0025】一方、医療用容器1は固形剤室5が機能シ
ート5A及びカバーシート9により完全に気密性を維持
して覆われ、外部の水分の侵入が防止されると共に、乾
燥剤10が固形剤室5内に作用するため、長期間の医療
用容器1の安全な保存が可能となる。また医療用容器1
を接続部7である接着シール部8、8の近傍で折り曲げ
た状態で包装体11で包装すると、かかる接着シール部
8、8は医療用容器1の運搬中等に容易に剥離すること
がないように維持できる。また脱酸素剤12を包装体1
1内に収容しているため、固形剤4の酸化防止をも十分
にする。尚、上記実施例では機能シート5Aを液剤室3
の壁を延在したものとしたが、液剤室3の壁と別体で接
続しても良い。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器において、上記固形剤室は2枚のシートを重ねて該
シートの周縁同士を接着して形成されると共に、上記一
のシートは樹脂シートからなり、他のシートは水分難透
過性又は水分非透過性シートからなり、上記固形剤室が
接続される上記液剤室の接続部には剥離可能な接着シー
ル部が形成されると共に上記2枚のシートの周縁同士の
一部の周縁部が上記液剤室の接続部に液密に接続され
て、使用時に該接着シール部を剥離することにより上記
液剤室と上記固形剤室とが連通しうるので、製造上、内
容物の保管が長期間安全にできる構造を簡単に設けるこ
とができ、またピンホール等の上記構造不良等が少な
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第一実施例に係る医療用容器の断面概略
図である。
【図2】図2は第一実施例に係る医療用容器の固形剤室
部分の正面図である。
【図3】図3は第一実施例に係る医療用容器の固形剤室
部分の裏面図である。
【図4】図4は第一実施例に係る医療用容器に外包装を
設けた断面概略図である。
【図5】図5は第一実施例に係る医療用容器の使用時の
断面概略図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 液剤 3 液剤室 3A 樹脂シート 4 固形剤 5 固形剤室 5A 機能シート 6 周縁部 7 接続部 8 接着シール部 9 カバーシート 10 乾燥剤 11 包装体 12 脱酸素剤

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液剤を収容する液剤室と固形剤を収容す
    る固形剤室とからなり、使用時に該両室内が連通可能に
    設けられる医療用容器において、上記固形剤室は2枚の
    シートを重ねて該シートの周縁同士を接着して形成され
    ると共に、上記一のシートは樹脂シートからなり、他の
    シートは水分難透過性又は水分非透過性シートからな
    り、上記固形剤室が接続される上記液剤室の接続部には
    剥離可能な接着シール部が形成されると共に上記2枚の
    シートの周縁同士の一部の周縁部が上記液剤室の接続部
    に液密に接続されて、使用時に該接着シール部を剥離す
    ることにより上記液剤室と上記固形剤室とが連通しうる
    ことを特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】 上記固形剤室の一のシートの外側を密封
    して覆う水分難透過性及びガス難透過性又は水分非透過
    性のカバーシートが設けられることを特徴とする請求項
    1記載の医療用容器。
  3. 【請求項3】 上記一のシートと上記カバーシートの間
    に乾燥剤が配されていることを特徴とする請求項2記載
    の医療用容器。
  4. 【請求項4】 上記一のシートは上記液剤室を形成する
    シートの周縁部を連結部から延在させたものであること
    を特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の医療用容
    器。
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