JP2009285318A - ガスバリア容器の包装形態 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスバリア性を有する樹脂フィルムからなる包装容器内に薬液を充填した輸液バッグを水蒸気遮断性の包装材からなる袋体で包装する場合において、袋体内部に輸液バッグと共に乾燥剤を同封し、袋体内部を低湿度状態に維持したことを特徴とするガスバリア容器の包装形態である。
【選択図】図1
Description
また、別の形態としてガスバリア性を有する樹脂を用いた直接容器に薬液を充填する形態も提案されている。
また、これを回避するためにバリア性を有する外包装内に保存しバリア性の回復を待ったとしても、外包装内部は高湿度状態であるため、必要とするバリア機能を発現することができず、ガスバリア性樹脂を用いた容器であっても外包装開封後に薬剤の変性をきたすことが確認されている。
更に、輸液製剤を充填した輸液バッグを保存・搬送する段階で、梅雨時の高湿度条件下で保存・搬送した場合には、輸液バッグ内に充填した輸液成分が変性し、品質の低下を来すという恐れがあった。
このような問題点は、何も経静脈栄養法に使用する輸液製剤にのみ生じる問題ではなく、外部空気により配合成分に変性を生じる恐れがある他の輸液製剤についてもいえることである。
包装容器内に包装した輸液バッグのガスバリア性能が持続することから、外包装袋体から取り出した後であっても、長期間バッグ内に充填した薬液の変性を防止し得る利点を有している。
また、従来品にあっては、薬剤容器自身のバリア性が乏しいため個々の薬剤ごとにガスバリア性を有する外包装体にて包装され、更に脱酸素剤が同封されていたが、本発明によりガスバリア機能は薬剤容器自身が有しているため、個々の薬剤で包装する必要がなく10〜20袋まとめて包装することが可能となり、従って、個々に必要となる外包装袋体が不要となるため使用済みのゴミを減少でき、ゴミを捨てる手間が省けると共に、環境問題への対応が図れる利点を有している。
さらに、上記したように個々の外包装袋体を必要としない点で、製造コストダウンが可能となる。
また、複数あった外包装袋体を開封する手間が省け、製品自体が嵩張らないため、作業スペースを有効に使える利点を有している。
しかしながら、この種のフィルムは、ガスバリア機能に対して湿度依存性があり、低湿度状態では高いバリア性能を発揮するものの、高湿度状態ではそのガスバリア性能が低下する問題点があった。
そのような乾燥剤としては、袋体内部を低湿度に調湿・維持することが可能なものであれば特に限定されず、具体的には、二酸化珪素、酸化カルシウム、塩化カルシウム等を主成分とするものを用いることができる。
また、乾燥剤の形態としては、フィルム状、プレート状、シート状、袋タイプ等様々なタイプの乾燥剤を用いることができ、用途に応じて選択することが可能である。
その乾燥剤の封入量は、袋体の大きさ、また袋体内部に包装する輸液バッグの個数等により一概に限定できないが、袋体内部の湿度を50%以下程度に調湿・維持する量であるのが好ましいものであることが判明した。
袋体内部の湿度が50%超える場合には、包装した輸液バッグのガスバリア性能の回復が遅れることとなる。
そのような吸湿性の包装材としては、乾燥剤をフィルムに積層したもの若しくは分散ブレンドしたもの、吸湿性樹脂等をシート状にしたものも用いることができる。具体的な市販品として、ドライキープ(佐々木化学薬品社製)、ベルサニー(帝人ファイバー社製)等があげられるが、特に限定されるものではなく吸湿機能を有する素材を用いた包材であればよい。
この脱酸素剤により袋体内部の酸素を除去することで、酸素により容易に変性をきたす栄養輸液成分の安定性がより有効に維持される利点を有している。
そのような脱酸素剤としては、水酸化鉄、酸化鉄、炭化鉄等の鉄化合物を主成分とするものが用いられる。具体的な市販品としては、エージレス(三菱ガス化学社製)、モジュラン(日本化薬社製)、セキュール(ニッソー樹脂社製)等があげられる。また、有機系の脱酸素剤を用いてもよく、所要の酸素吸収を満たすものであれば特に限定されない。
また吸湿機能、脱酸素機能を合わせ持つ材質のものを用いることもでき、具体的な市販品としてはファーマキープ(三菱ガス化学社製)等を挙げることができる。
したがって、袋体内部に大量の輸液バッグを包装し、当該輸液バッグのバリア性能が回復した状態で、袋体を開封し、袋体内部に包装されていた輸液バッグを外部に取り出しても、ある程度長期に亘ってガスバリア性能が維持されていることから、短期間のうちに使用しなければならないという緊急性を回避しうる利点を有している。
EVOHは、低湿度状態では高いバリア性機能を発揮するが、高湿度状態においては、バリア機能は低下する。
本発明は、このガスバリア性を有する樹脂フィルム(EVOHフィルム)からなる輸液バッグについて、低湿度条件下に保存することで、バリア性の早期回復及び機能維持性を図るものである。
その点を、以下の試験例により確認した。
[方法]
パレセーフ(登録商標:味の素KK製)[アミノ酸・ビタミンB1加総合電解質液:点滴静注用]処方により試験液を調製し、以下の輸液バッグに充填後、外包装体に各条件下で密封した。
<試験液1>
製造直後の試験液を、ポリエチレン(PE)フィルムバッグに充填し、滅菌した後、アルミ蒸着の外包装で脱酸素剤(エージレス)と共に密封した。
<試験液2>
製造直後の試験液を、バリアフィルムバッグ(EVOH製)に充填し、滅菌した後、アルミ蒸着の外包装で脱酸素剤(エージレス)と共に密封した。
<試験液3>
製造直後の試験液を、バリアフィルムバッグ(EVOH製)に充填し、滅菌した後、アルミ蒸着の外包装で脱酸素剤(エージレス)及び乾燥剤と共に密封した。
すなわち、試験液であるパレセーフの処方として各種アミノ酸が含有されているが、アミノ酸成分の中で一番酸素に敏感な成分であるシステインを対象として、ガスバリア性の評価を行った。
試験液中のシステインの含量低下は、酸素の影響による酸化劣化であることから、システイン含量の低下が無ければ、試験液充填バッグバリア性が維持されており、バッグ内部への酸素の侵入が少ないものと評価される。
測定日は、開封直後(0日)、1週、2週、4週及び6週後とした。
その結果を、下記表2及び図1に示した。
なお、試験液1の輸液バッグ(PEフィルム製)では、ガスバリア性でないことから、開封後の経時的なシステイン含有量の低下は著しいものであり、外包装体から取り出した後の早期の使用が求められる結果となっている。
Claims (11)
- ガスバリア性を有する樹脂フィルムからなる包装容器内に薬液を充填した輸液バッグを水蒸気遮断性の包装材からなる袋体で包装する場合において、袋体内部に輸液バッグと共に乾燥剤を同封し、袋体内部を低湿度状態に維持したことを特徴とするガスバリア容器の包装形態。
- ガスバリア性を有する樹脂フィルムが、エチレンビニルアルコール共重合体若しくはポリビニルアルコールからなる積層樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア容器の包装形態。
- 水蒸気遮断性の包装材からなる袋体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエチレンと環状ポリオレフィンの混合物、金属蒸着フィルム、無機蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデン、DLCコートフィルム、アルミ箔から選ばれる単独若しくは2種以上の積層フィルムからなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア容器の包装形態。
- 水蒸気遮断性の包装材の内層側に吸湿性の包装材を備えた袋体を用いることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のガスバリア容器の包装形態。
- 袋体内部にさらに脱酸素剤を同封した請求項1、2、3又は4に記載のガスバリア容器の包装形態。
- 薬液を充填した輸液バッグが、栄養輸液を複室容器に充填した栄養輸液バッグであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のガスバリア容器の包装形態。
- ガスバリア性を有する樹脂フィルムからなる包装容器内に薬液を充填した輸液バッグを水蒸気遮断性の包装材からなる袋体で包装し、袋体内部に輸液バッグと共に乾燥剤並びに脱酸素剤を同封し、袋体内部を低湿度状態に維持することからなる、輸液バッグのガスバリア性を持続させる方法。
- ガスバリア性を有する樹脂フィルムが、エチレンビニルアルコール共重合体若しくはポリビニルアルコールからなる積層樹脂フィルムである請求項7に記載の輸液バッグのガスバリア性を持続させる方法。
- 水蒸気遮断性の包装材からなる袋体が、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエチレンと環状ポリオレフィンの混合物、金属蒸着フィルム、無機蒸着フィルム、ポリ塩化ビニリデン、DLCコートフィルム、アルミ箔から選ばれる単独若しくは2種以上の積層フィルムである請求項7又は8に記載の輸液バッグのガスバリア性を持続させる方法。
- 袋体内部にさらに脱酸素剤を同封する請求項7、8又は9に記載の輸液バッグのガスバリア性を持続させる方法。
- 薬液を充填した輸液バッグが、栄養輸液を複室容器に充填した栄養輸液バッグである請求項7〜10のいずれかに記載の輸液バッグのガスバリア性を持続させる方法。
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