JPH10218252A - 多成分収容用容器 - Google Patents

多成分収容用容器

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Publication number
JPH10218252A
JPH10218252A JP9042949A JP4294997A JPH10218252A JP H10218252 A JPH10218252 A JP H10218252A JP 9042949 A JP9042949 A JP 9042949A JP 4294997 A JP4294997 A JP 4294997A JP H10218252 A JPH10218252 A JP H10218252A
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JP
Japan
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liquid
container
resin
storage chamber
resin container
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Application number
JP9042949A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shichi
宏幸 志知
Soichi Kuroki
宗一 黒木
Takao Yoshida
孝夫 吉田
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
    • B65D81/32Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging two or more different materials which must be maintained separate prior to use in admixture
    • B65D81/3261Flexible containers having several compartments
    • B65D81/3266Flexible containers having several compartments separated by a common rupturable seal, a clip or other removable fastening device

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Package Specialized In Special Use (AREA)
  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 薬剤や投与物と安全な投与液とを分けて簡単
に収容保存でき、また使用直前に無菌的な操作により両
者を簡単に混合できる多成分収容用容器を提供。 【構成】 内部に液と該液に溶解される混合物とが分け
て収容される多成分収容用容器において、可撓壁を有す
る樹脂容器と、上記樹脂容器に上記液が液密に収容され
る液収容室及び上記混合物が液密に収容される物収容室
とが形成され、上記物収容室は、上記樹脂容器の一部に
内壁面同士が密着された剥離可能なピールシール領域が
設けられて、該ピールシール領域の一方又は両方の内壁
面の一部に孔が形成されて、該孔に上記混合物が配され
ると共に、該孔をカバー部材で液密に覆って形成されて
おり、上記孔以外の上記ピールシール領域の剥離によ
り、上記液収容室と物収容室とが連通しうることを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟な可撓性壁を有す
る樹脂製容器であって、輸液、透析液、臓器保存液等の
医療用溶液や清涼飲料水等の経口投与液を収容した医療
用或いは飲食用容器に関するものであり、特に、使用の
直前に液に薬剤や栄養固形物等が溶解混合されて用いら
れる多成分収容用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、輸液、透析液及び臓器保存液等を
収納した医療用容器において、容器を複数の室に分け、
一方の室に電解質溶液等の医療用溶液を収納し、他方に
粉末薬剤を収納したものが提供されている(特開平6−
14975号公報)。かかる医療用容器の室を分ける仕
切り手段或いは隔離手段は内壁同士を熱溶着したピール
シール或いは弱シールと称されるものであり、ピールシ
ール部は使用に際して外側からの操作により簡単に剥離
できるものである。従って、かかる医療用容器は保存時
に医療用溶液と粉末薬剤とが分けて収納される一方、使
用の際にはその直前にピールシール部が剥離される。ピ
ールシール部の剥離により室と室とが無菌的に連通し、
医療用溶液に薬剤が溶解できる。また、このような医療
用容器の製造方法にあっては、通常、医療用容器の一の
室に医療用溶液を充填してその充填口をゴム栓等で密封
した後、容器と共にオートクレーブ滅菌処理をする。こ
の場合、医療用容器の他の室は空の状態で滅菌処理され
る。次に、クリーンルーム内で医療用容器の他の室に充
填口を形成し、その充填口から薬剤を無菌的に充填し、
その充填口を再び液密にシールして医療用容器の製造を
図っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
医療用容器、多成分収容用容器及びその製造方法は以下
の点で問題が見られる。医療用容器の一の室に医療用溶
液を充填してオートクレーブ滅菌処理した後、他の室も
滅菌処理されるとき、他の室にはオートクレーブ滅菌処
理の水蒸気が他の室に透過して濡れた状態となってい
る。このため、乾物等の薬剤を他の室に無菌充填する際
には、他の室に充填口を形成し、充填口から除菌乾燥エ
アを他の室内に吹き付けて内部を乾燥処理した後、薬剤
を充填しなければならない。これは、乾燥に手間がかか
る上、無菌充填における無菌保証を低下させるものであ
る。また、乾燥が十分でなければ、医療用容器の搬送或
いは保存期間中に乾物である薬剤の変質を招くおそれが
ある。更に、医療用容器は可撓性で透明性のある樹脂壁
からなり、かかる樹脂壁はオートクレーブ滅菌中に水分
を微量ではあるが含有するおそれがある。かかる樹脂壁
に存在する水分も固体の薬剤の変質を招くおそれがあ
る。また従来、経口投与の際には水道水等に投与薬を溶
かして経口投与している。しかし、最近、水道水等の安
全性や保証性が薄らいでおり、経口投与の際に安全で無
菌が保証された液と共に投与薬が提供されることが望ま
れている。このため、上記医療用容器のような多成分用
収容容器の形態が望まれている。更に、幼児等の哺乳お
いてもミルクを溶解する安全な水等の提供が望まれ、上
記多成分用収容容器の哺乳壜が望まれている。従って、
本発明は、薬剤や投与物と安全な投与液とを分けて簡単
に収容保存でき、また使用直前に無菌的な操作により両
者を簡単に混合できる多成分収容用容器を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に液と該
液に溶解される混合物とが分けて収容される多成分収容
用容器において、可撓壁を有する樹脂容器と、上記樹脂
容器に上記液が液密に収容される液収容室及び上記混合
物が液密に収容される物収容室とが形成され、上記物収
容室は、上記樹脂容器の一部に内壁面同士が密着された
剥離可能なピールシール領域が設けられて、該ピールシ
ール領域の一方又は両方の内壁面の一部に孔が形成され
て、該孔に上記混合物が配されると共に、該孔をカバー
部材で液密に覆って形成されており、上記孔以外の上記
ピールシール領域の剥離により、上記液収容室と物収容
室とが連通しうることを特徴とする多成分収容用容器を
提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0005】本発明に係る容器は、内部に液と液に溶解
される混合物とが分けて収容される多成分収容用容器で
ある。収容液としては、例えば、多成分収容用容器が飲
料用であれば、水、電解質溶液、その他の清涼飲料用溶
液である。多成分収容用容器が薬剤等の溶解投与液であ
れば、無菌充填水、蒸留水等である。多成分収容用容器
が医療用容器であれば、輸液剤、透析液、又は臓器保存
液、或いは単なる溶解液等である。収容混合物として
は、例えば、多成分収容用容器が飲料用であれば、熱等
により変質等の懸念があるミルク、ビタミン類、アミノ
酸、糖類、蛋白質類、脂質及びその他の易変性物で、飲
食時に液に溶解して摂取されるものである。多成分収容
用容器が経口投与に用いるものであれば、薬剤等の投与
物である。多成分収容用容器が医療用容器であれば、輸
液剤、透析液、又は臓器保存液、或いは溶解液等に混注
される抗生物質、その他の薬剤、ビタミン類、易変性蛋
白質、又はPH調整剤等である。
【0006】本発明に係る容器は、可撓壁を有する樹脂
容器である。可撓性壁は壁自体に腰があっても良く、撓
むことにより容器内の容積が変化するものであれば良
い。容器壁は内容物の確認できる程度に透明性を有する
ことが望ましい。後述するように、医療用容器の使用に
際して液と混合物とが容器内で混合されるため、その混
合状態を確認する上で必要となる場合がある。樹脂容器
は、インフレーションフィルム、チューブ、シート及び
フィルムから成形したもの、押出成形、射出成形、又は
ブロー成形したものである。容器の樹脂素材としてはポ
リオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹
脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹
脂、ポリアミド系樹脂等の汎用樹脂である。中でもポリ
オレフィン系樹脂を内層とする樹脂容器が液等に悪影響
を与えない点で望ましい。また樹脂容器は単層又は多層
で形成されていても良い。更に最内層は融点の異なる樹
脂のブレンド物であることが望ましい。かかるブレンド
物は、後述の完全シール部とピールシール部との異なる
シール部形成が容易になる。ブレンド物としては特に、
ポリエチレンとポリプロピレンのブレンド物が望まし
い。また樹脂容器材は単層であれ、多層であれ、水蒸
気、及びガスのバリアー性層が設けられていることが望
ましい。このようなバリアー層は、アルミニウム等の金
属層、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体、ポリビニルアルコール等がある。
【0007】本発明に係る樹脂容器には、上記液が液密
に収容される液収容室及び上記混合物が液密に収容され
る物収容室とが形成される。液収容室は一つでも二つ以
上に更に区分されて異なる液が別々に収容されていても
良い。また、物収容室も複数の収容室で構成されていて
も良い。上記物収容室は、上記樹脂容器の一部に内壁面
同士が密着された剥離可能なピールシール領域が設けら
れて、該ピールシール領域の一方又は両方の内壁面の一
部に孔が形成されて、該孔に上記混合物が配されると共
に、該孔をカバー部材で液密に覆って形成されている。
内壁面同士の剥離可能なピールシール領域のシールは弱
シールとも称され、外部から室或いは容器を圧迫し、内
部が一定の昇圧状態になったときに剥離するシール領域
である。上記ピールシール部の剥離強度は、室内の圧が
0.01〜1.0Kgf/cm2、特に、0.05〜
0.5Kgf/cm2の昇圧で剥離する強度が望まし
い。上記範囲を下回る強度であれば、製造、運搬、保存
時等の隔離状態を保つための安全性に欠ける。上記範囲
を上回る強度であれば、用時に後述の液収容室と物収容
室との連通操作を容易にすることができなくなるおそれ
がある。
【0008】ピールシール領域の一方又は両方の内壁面
の一部に孔が形成される。孔が一方の内壁面にのみ形成
される場合は、ピールシール領域を形成する前に孔開け
することが望ましく、両方の内壁面に形成される場合
は、ピールシール領域の形成後に孔開けすることが望ま
しい。孔開け操作が容易に成されるからである。また、
上記樹脂容器は、孔以外の上記ピールシール領域の剥離
により、上記液収容室と物収容室とが連通しうるもので
ある。即ち、孔はピールシール領域の一部に形成され、
残ったピールシール領域は、上記液収容室と上記物収容
室とを隔てる隔壁手段或いは仕切り手段となるものであ
る。上記孔は上記混合物が配された状態で、カバー部材
で液密に覆われて、孔部を混合物の物収容室として形成
される。カバー部材は、孔の周囲の容器外壁面に液密に
固着するものである。カバー部材は容器外壁面に接着剤
を介して液密に固着させても良く、またヒートシール、
インパルスシール等の外部加熱、或いは超音波接合、高
周波接合等の内部加熱による熱溶着シールさせても良
い。特に、熱溶着シールが製造上簡便であり、熱溶着シ
ールの場合にはカバー部材を樹脂素材とし、カバー部材
を好ましい形状に容易に加工することができる。このよ
うな樹脂製のカバー部材は、樹脂シート、真空成形物、
射出成形物とすることができる。
【0009】このように構成される多成分収容用容器で
は、液と混合物とは分けて保存するため、保存時に混合
物が液と反応しないため変色や変質を起こすおそれがな
い。また、使用時に、樹脂容器に形成されたピールシー
ル領域を剥離することにより、混合物を無菌的に液に混
合させることができる。多成分収容用容器は、かかる機
能を備え、最も特徴ある点は、液を完全に液収容室に収
容した後に、物収容室を無菌的に簡単に形成することが
できることである。オートクレーブ滅菌処理時、薬剤の
収納室となる部分は存在しないか、又はピールシール領
域となって内壁同士が密着しているため、水分等が溜ま
るおそれがない。また、かかる密着部分もオートクレー
ブ滅菌処理時に完全な滅菌がなされている。従って、物
収容室を濡らすことなく容器本体のオートクレーブ滅菌
処理ができるため、乾燥物等の固体の混合物を無菌的或
いは水分的な条件において安全に充填できる。また、液
収容室に収容した液のみを加熱処理や照射線処理により
殺菌や滅菌を施すことができる。このため、混合物のみ
をクリーンルームに無菌的に充填する場合が製造上可能
であり、コンパクトな設備の選択ができる。また、液の
みの完全な滅菌等が簡単になされ、飲料関係であれば、
例えば、幼児に授乳するミルクの溶解水、特に塩素等を
含まない水腐れの無い水をミルク粉末ともに提供でき
る。これは、医療における薬剤の経口投与時の安全な水
を一緒に提供できる場合と同様である。更に、輸液等に
おいても、抗生物質等の溶解液を安全に且つ簡単に提供
することができる。
【0010】本発明に係る請求項2記載の発明は、請求
項1記載の多成分収容用容器において、上記液は上記樹
脂容器内に液密に収容されて蒸気滅菌されたものである
ことを特徴とする。蒸気滅菌は、100℃〜150℃の
範囲、特に、105℃〜120℃の範囲で行うことが望
ましい。上記範囲を上回る温度処理では樹脂容器が熱に
より変形を起こすおそれがある。上記範囲を下回る温度
処理では、滅菌が不完全で、また滅菌処理時間が長時間
となり製造上に不都合を生じる場合がある。上記液が蒸
気滅菌されたものであれば、上記液が輸液剤等であれ
ば、液の滅菌が完全に保証され、上記液が経口投与用の
溶解水又は哺乳ミルク等の溶解液であれば、長期間水腐
れ無い状態で投与者に提供できる。更に、蒸気滅菌と共
に、ピールシール領域の内層同士の面が完全に滅菌さ
れ、使用時に収容室同士を連通する際の滅菌保証が容易
になされる。蒸気滅菌時に物収容室が存在していないた
め、従来の多成分収容用容器のように物収容室の乾燥処
理等を必要とすることがない。
【0011】本発明に係る請求項3記載の発明は、請求
項1又は2記載の多成分収容用容器において、上記樹脂
容器の少なくとも上記ピールシール領域は、内層と外層
とを有する積層構造からなり、上記内層の完全熱溶着シ
ール温度が上記外層の完全熱溶着シール温度より高くな
るような上記内層の樹脂素材と上記外層の樹脂素材とが
用いられていることを特徴とする。上記ピールシール領
域は、内層と外層とを有する積層構造からなる。ピール
シール領域は必ずしも内層と外層に限ることはなく、中
間層が存在していても良い。但し、内層と外層とは以下
の条件を満たす必要がある。また、内層と外層との積層
構造は樹脂容器全体が積層構造でも良い。上記内層と外
層の樹脂素材は、上記内層の完全熱溶着シール温度が上
記外層の完全熱溶着シール温度より高くなるようなもの
が用いられる。完全熱溶着シールとは、熱溶着したシー
ル部を剥離しようとすると、シール部において破断が生
じるシールである。そして、完全熱溶着シール温度と
は、樹脂壁をヒートシール、インパルスシール等で加熱
或いは高周波接合装置、超音波接合装置で発熱したとき
に完全熱溶着シールが可能となる樹脂温度に達したとき
である。従って、外層に完全熱溶着シール部を形成して
も内層同士に完全熱溶着シール部が必ずしも形成されな
い熱シールを行うことができる。このようなピールシー
ル領域においては、内層同士のピールシール領域の形成
後に、カバー部材等を外層面に完全熱溶着シールしたと
しても、ピールシール領域の剥離機能は失われない。即
ち、ピールシール領域と、カバー部材の付着シール領域
を重複させて形成することができ、物収容室を液密な完
全シール室として形成することができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係る多成分収容用容器の好ま
しい実施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1
は、本発明に係る多成分収容用容器として第一実施例の
医療用容器の平面図である。図2(A)乃至(D)は、
図1に示す医療用容器の製造工程を示す図である。図3
は、本発明に係る多成分収容用容器としての第二実施例
の哺乳器の平面図である。図4は、第二実施例の哺乳器
の物収容室の断面図である。図5は、第二実施例の哺乳
器に用いられる樹脂容器の縦断面図である。図6は、第
二実施例の哺乳器の製造工程における樹脂容器の平面図
である。図7は、第二実施例の哺乳器の製造工程におけ
る樹脂容器の要部平面図である。
【0013】本実施例に係る医療用容器1は図1乃至図
2に示す如く、内部に溶解液2と溶解液2に溶解される
薬剤3、3、・・とが分けて収容される多成分収容用容
器である。しかして、医療用容器1は、可撓壁を有する
樹脂容器4と、樹脂容器4に溶解液2が液密に収容され
る液収容室5及び薬剤3が液密に収容される物収容室6
とが形成され、物収容室6は、樹脂容器4の一部に内壁
面同士が密着された剥離可能なピールシール領域7が設
けられて、ピールシール領域7の一方の内壁面の一部に
孔8が形成されて、孔8に薬剤3が配されると共に、孔
8をカバー部材9で液密に覆って形成されており、孔8
以外のピールシール領域7の剥離により、液収容室5と
物収容室6とが連通しうる。医療用容器1の溶解液2は
樹脂容器4内に液密に収容されて蒸気滅菌されたもので
ある。医療用容器1の樹脂容器4の少なくともピールシ
ール領域7は、内層と外層とを有する積層構造からな
り、内層の完全熱溶着シール温度が外層の完全熱溶着シ
ール温度より高くなるような内層の樹脂素材と外層の樹
脂素材とが用いられている。
【0014】第一実施例に係る医療用容器1を更に詳し
く説明すると、医療用容器1は、水溶液中で保存が効か
ない薬剤3を使用直前に溶解液2に溶解して輸液投与す
る輸液バックである。医療用容器1の本体である樹脂容
器4は、インフレーション成形した筒状の透明で柔軟な
可撓性樹脂シートから成形する。樹脂シートは肉厚が2
50μmで、内層が厚み50μmの直鎖状低密度ポリエ
チレンとポリプロピレンとのブレンド物で、外層が厚み
200μmの低密度ポリエチレンの二層構造からなる。
直鎖状低密ポリエチレンは融点が126℃で、ポリプロ
ピレンは融点が160℃である。また、内層は直鎖状低
密度ポリエチレンとポリプロピレンとを65:35の割
合でブレンドしたものである。樹脂容器4は上述の樹脂
シートの裁断端部4A及び4Bが完全熱溶着シールさ
れ、完全熱溶着シール部4A、4Bは固着シール部で殆
ど剥離せず、剥離しようとするとシートの破断が生じる
非剥離シール部となっている。完全熱溶着シール部4A
には熱溶着シールの際に排出ポート10が内部と連通し
て取付られ、排出ポート10内には刺通可能な栓体が配
されている。
【0015】樹脂容器4にはピールシール領域7が形成
され、ピールシール領域7は樹脂容器4壁の内層同士が
剥離可能に密着シールされている。ピールシール領域7
を境界に上部は樹脂容器4の液収容室5として形成さ
れ、液収容室5には溶解液2が所定量収容されている。
ピールシール領域7は収容室5を0.2Kgf/cm2
以上で圧迫した時に剥離するようになっている。液収容
室5の溶解液2は電解質溶液であり、樹脂容器4と共に
高圧蒸気滅菌されている。ピールシール領域7の片面の
壁には所定の位置に複数の孔8、8・・・が形成され、
孔6にはタブレット状の薬剤3が無菌的に配されてい
る。孔8が形成されるピールシール領域7はカバー部材
9で覆われ、カバー部材9は矩形状の直鎖状低密度ポリ
エチレンシートからなる。カバー部材9は樹脂容器4の
外層面と孔8の部分を除いて液密に熱溶着シールされて
いる。従って、カバー部材4と孔8との部分に物収容室
6が形成される。カバー部材9には吊り孔等が形成され
て、使用時にスタンド等に医療用容器1を吊すことがで
きるようになっている。
【0016】次に、医療用容器1の製造方法を図2に従
って簡単に説明する。上述のインフレションシートを所
定の大きさに裁断して、所定の位置に孔8を形成する。
そして、シートの裁断端部4A、4Bを熱溶着シールし
て図2(A)に示す樹脂容器4を形成する。尚、裁断端
部4Bの熱溶着シールの際に排出ポート10を取り付け
る。裁断端部4A、4Bの熱溶着シールはインパルスシ
ール機で温度170℃で5秒間行い、完全熱溶着シール
部とする。図2(B)に示す如く、樹脂容器4の孔8が
形成された部分にピールシール領域7を形成する。ピー
ルシール領域7はインパルスシール機で温度140℃で
15秒間行い、ピールシール領域7は剥離可能なシール
部とする。図2(C)に示す如く、排出ポート10から
樹脂容器4の液収容室5に溶解液2を充填する。充填
後、排出ポート10内に栓体を配して液収容室5を液密
に閉じ、樹脂容器4と共に溶解液2を温度110℃で高
圧蒸気滅菌処理する。滅菌処理後、樹脂容器4をクリー
ンルーム内に搬入し、図2(D)に示す如くピールシー
ル領域7に形成された各孔8にタブレット状の薬剤3を
配する。配した後、カバー部材9でピールシール領域7
を覆い、孔8を除く部分の樹脂容器4の外層面にカバー
部材9を完全熱溶着シールする。完全熱溶着シールはイ
ンパルスシール機で温度140℃で15秒間行い、外層
面とカバー部材9の内面とを液密に密着させる。これに
より、図1に示す如く物収容室6を形成し、医療用容器
1を製造する。
【0017】このように構成した医療用容器1は、溶解
液2と薬剤3とは分けて保存するため、保存時に薬剤3
が溶解液2に溶解していないため変色や変質を起こすお
それがない。また、使用時に、樹脂容器4に形成された
ピールシール領域7を剥離することにより、薬剤3を無
菌的に溶解液2に混合させることができる。また、オー
トクレーブ滅菌処理時、薬剤3の物収納室6となる部分
は存在しないため、水分等が溜まるおそれがない。ま
た、ピールシール領域7の密着部分もオートクレーブ滅
菌処理時に完全な滅菌がなされている。従って、乾燥物
等の固体の薬剤3を無菌的或いは水分的な条件において
安全に物収納室6に充填できる。上記実施例では、医療
用容器1の充填物を輸液用剤とした。しかし、本発明で
は、かかる輸液用剤に限る必要はなく、人工腎臓用環流
液、人工腎臓用透析液、人工腎臓補充液、腹膜用透析液
等の透析液及び臓器保存液にも有用に適用することがで
きる。また溶解液2を蒸留水等にして経口投与のため容
器としても良い。上記各実施例では、インフレーション
樹脂シートから容器本体を成形したが、可撓性で透明性
を有する限り、ブロー成形物、射出成形物、真空成形物
等であっても良い。
【0018】次に、本発明に係る多成分収容用容器とし
ての第二実施例の哺乳器について添付図面の図3〜図7
に従って詳述する。図3〜図7に示す如く、哺乳器11
はブロー成形された樹脂容器14からなる。図5に示す
如く、樹脂容器14は内層が直鎖状低密度ポリエチレン
とプロピレンとのブレンド層で、外層が直鎖状低密度ポ
リエチレン層からなる透明な可撓性壁からなる(内層と
外層は図4で図示せず。)。図6に示す如く、樹脂容器
14の下部は特に薄肉で柔軟性を多分に有し、扁平な上
述と同様のピールシール領域17が形成されている。図
7に示す如く、樹脂容器14のピールシール領域7の一
部はくり貫かれて矩形状の孔16が形成されている。図
3に示す如く樹脂容器14の上部には授乳用の人工乳首
が取り付けられる開口21が形成され、開口21は図示
しないがシール材により液密シールされ、更に、キャッ
プ22が取付られている。樹脂容器14はピールシール
領域17を除く内部が液収容室15として形成され、液
収容室15には蒸気滅菌された蒸留水12が収容されて
いる。
【0019】図4に示す如く、ピールシール領域17の
孔16には一対のカバー部材19、20に覆われ、カバ
ー部材19はポリエチレンの真空成形物であり、カバー
部材20はポリエチレンシートからなる。一対のカバー
部材19、20はピールシール領域17を挟持して互い
に完全熱溶着シールがなされ、カバー部材19、20の
内面とピールシール領域17の外層面とも完全熱溶着シ
ールされている。従って、孔16部はカバー部材19、
20により形成される物収容室18となっており、物収
容室18にはミルク粉末13が密封状態で収容されてい
る。
【0020】次に、第二実施例の哺乳器1の製造方法を
簡単に説明すると、先ず、ブロー成形により上記樹脂容
器14を形成する。樹脂容器14の下部をヒートシール
してピールシール領域17を形成する。ピールシール領
域17に矩形状の孔16を形成する。次に、除菌した蒸
留水12を開口21から充填し、開口21を液密にシー
ルした後、高圧蒸気滅菌処理を行う。滅菌処理後、その
まま樹脂容器14を無菌室に搬入し、カバー部材19に
無菌的にミルク粉末13を充填し、カバー部材19とカ
バー部材20との間に樹脂容器14のピールシール領域
17を配する。そして、カバー部材19、20同士の熱
溶着シールを行い、カバー部材19、20同士及びカバ
ー部材とピールシール領域17の外層面を完全に固着さ
せる。かかる熱溶着シール温度は、ピールシール領域1
7の剥離機能が低下しない状態の温度で行う。このよう
に構成された哺乳器21にあっては、第一実施例の容器
と同様な作用効果を奏する以外に、哺乳器21は塩素等
を含まない水腐れの無いミルクの溶解液を提供できる。
また、蒸留水である。このため、使用時に液を沸騰させ
ることなく、温度50℃程度の加温でよく、また、蒸留
水であるため、アレルギー等の心配もない。また、ミル
ク粉末13も無菌的に容易に蒸留水12に溶解できる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る多成分
収容用容器によれば、可撓壁を有する樹脂容器と、上記
樹脂容器に上記液が液密に収容される液収容室及び上記
混合物が液密に収容される物収容室とが形成され、上記
物収容室は、上記樹脂容器の一部に内壁面同士が密着さ
れた剥離可能なピールシール領域が設けられて、該ピー
ルシール領域の一方又は両方の内壁面の一部に孔が形成
されて、該孔に上記混合物が配されると共に、該孔をカ
バー部材で液密に覆って形成されており、上記孔以外の
上記ピールシール領域の剥離により、上記液収容室と物
収容室とが連通しうるので、薬剤や投与物と安全な投与
液とを分けて簡単に収容保存でき、また使用直前に無菌
的な操作により両者を簡単に混合できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る多成分収容用容器として
第一実施例の医療用容器の平面図である。
【図2】図2(A)乃至(D)は、図1に示す医療用容
器の製造工程を示す図である。
【図3】図3は、本発明に係る多成分収容用容器として
の第二実施例の哺乳器の平面図である。
【図4】図4は、第二実施例の哺乳器の物収容室の断面
図である。
【図5】図5は、第二実施例の哺乳器に用いられる樹脂
容器の縦断面図である。
【図6】図6は、第二実施例の哺乳器の製造工程におけ
る樹脂容器の平面図である。
【図7】図7は、第二実施例の哺乳器の製造工程におけ
る樹脂容器の要部平面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器 1A、1B 裁断端部 2 溶解液 3 薬剤 4 樹脂容器 5 液収容室 6 物収容室 7 ピールシール領域 8 孔 9 カバー部材 10 排出ポート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に液と該液に溶解される混合物とが
    分けて収容される多成分収容用容器において、 可撓壁を有する樹脂容器と、上記樹脂容器に上記液が液
    密に収容される液収容室及び上記混合物が液密に収容さ
    れる物収容室とが形成され、 上記物収容室は、上記樹脂容器の一部に内壁面同士が密
    着された剥離可能なピールシール領域が設けられて、該
    ピールシール領域の一方又は両方の内壁面の一部に孔が
    形成されて、該孔に上記混合物が配されると共に、該孔
    をカバー部材で液密に覆って形成されており、 上記孔以外の上記ピールシール領域の剥離により、上記
    液収容室と物収容室とが連通しうることを特徴とする多
    成分収容用容器。
  2. 【請求項2】上記液は上記樹脂容器内に液密に収容され
    て蒸気滅菌されたものであることを特徴とする請求項2
    記載の多成分収容用容器。
  3. 【請求項3】上記樹脂容器の少なくとも上記ピールシー
    ル領域は、内層と外層とを有する積層構造からなり、上
    記内層の完全熱溶着シール温度が上記外層の完全熱溶着
    シール温度より高くなるような上記内層の樹脂素材と上
    記外層の樹脂素材とが用いられていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の多成分収容用容器。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005067726A (ja) * 2003-08-25 2005-03-17 Fukoku Co Ltd 少容量混注用容器およびこれを用いたマルチバッグ
JP2006117279A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Chuei Products Co Ltd 小袋付き樹脂製複室袋
JP2006255378A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Fukoku Co Ltd 少容量容器
US9004761B2 (en) 2006-05-01 2015-04-14 Baxter International Inc. Multiple chamber container with mistake proof administration system

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