JP2000197687A - 医療用容器および医療用容器の製造方法 - Google Patents

医療用容器および医療用容器の製造方法

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JP2000197687A
JP2000197687A JP11000943A JP94399A JP2000197687A JP 2000197687 A JP2000197687 A JP 2000197687A JP 11000943 A JP11000943 A JP 11000943A JP 94399 A JP94399 A JP 94399A JP 2000197687 A JP2000197687 A JP 2000197687A
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Masaomi Imai
正臣 今井
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    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65DCONTAINERS FOR STORAGE OR TRANSPORT OF ARTICLES OR MATERIALS, e.g. BAGS, BARRELS, BOTTLES, BOXES, CANS, CARTONS, CRATES, DRUMS, JARS, TANKS, HOPPERS, FORWARDING CONTAINERS; ACCESSORIES, CLOSURES, OR FITTINGS THEREFOR; PACKAGING ELEMENTS; PACKAGES
    • B65D81/00Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents
    • B65D81/32Containers, packaging elements, or packages, for contents presenting particular transport or storage problems, or adapted to be used for non-packaging purposes after removal of contents for packaging two or more different materials which must be maintained separate prior to use in admixture
    • B65D81/3261Flexible containers having several compartments
    • B65D81/3266Flexible containers having several compartments separated by a common rupturable seal, a clip or other removable fastening device

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Abstract

(57)【要約】 【課題】異物の混入のおそれがなく、容器間の接続部を
容易かつ完全に滅菌処理することができ、さらに連通性
に優れた医療用容器および医療用容器の製造方法を提供
する。 【解決手段】第1の容器2と第2の容器4とが連通可能
に接続されてなる医療用容器1であって、第1の容器2
の端部20は第2の容器4の内部に位置し、該端部20
は封止されていることを特徴とする。端部20は外部か
らの操作により開封可能な接続用弱シール部31を有す
ることが好ましい。さらに、第1の容器2は医療用収容
物を収容する収容空間26と、接続用弱シール部31を
備える接続用空間3とを備えることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、各種の薬剤を別個
に収容する複数の容器を備え、各容器内に収容されてい
る薬剤を簡単な操作で無菌的に混合することができる医
療用容器および医療用容器の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】患者に輸液を行うのに先立って、バイア
ル瓶やソフトバッグ等の内の輸液剤に、例えば、ビタミ
ン剤、抗生物質等のような固体状薬剤を混合・溶解さ
せ、薬剤を調製することが行われている。
【0003】このような薬剤の調製は、まず、注射器の
穿刺針をバイアル瓶等の弾性栓に穿通しプランジャーを
引いてバイアル瓶内の輸液剤を適量注射器に採取する。
次いで、この採取した輸液剤をあらかじめ秤量した固体
状薬剤が入った容器に移し、該固体状薬剤と輸液剤とを
混合・溶解させ薬剤混合液とする。この薬剤混合液を前
記注射器で採取し、注射器の穿刺針を先のバイアル瓶等
の弾性栓に再び刺通し、プランジャーを押して薬剤混合
液をバイアル瓶やソフトバッグ内に戻すことにより行わ
れていた。
【0004】ところが、このような方法による薬剤の調
製は、操作手順が煩雑であるという欠点があり、迅速な
輸液を必要とする場合等には特に不便である。また、上
記のような薬剤の調製は、一旦輸液剤の一部を取り出
し、別の容器内で混合・溶解させるため、汚染された雰
囲気や器具に接触する可能性があり、細菌による薬剤の
汚染や異物混入のおそれがあった。
【0005】このような問題を解決するために、特開平
4−364850号公報には、固体状薬剤と溶解液(輸
液剤)とを無菌的に混合可能な容器として、軟質バッグ
からなる容器の内部空間を熱シールすることによって2
つに分離し、各々の空間に固体状薬剤と溶解液とを別々
に収容する複室容器が開示されている。この複室容器
は、はじめに溶解液を封入して高圧蒸気滅菌を行い、そ
の後無菌施設内で固体状薬剤を充填し、封入することに
より製造されている。
【0006】しかし、このような製造方法によれば、異
なる薬剤を同じ設備で取り扱うこととした場合、相互に
コンタミネーションを起こすおそれがあるため、薬剤の
種類に応じて無菌の充填施設が必要となりコストの増大
を招くこととなる。さらに複室容器の内容物の種類、容
量等を変更する場合、充填・製造施設のほとんどを新た
に整備しなければならないという問題があった。また、
固体状薬剤を充填した後、再度の滅菌処理を行わないた
め、固体状薬剤収容部の滅菌が不十分となるおそれがあ
った。
【0007】かかる問題を解決するために、特開平8−
215285号公報には、薬剤収納室と薬液収容室とを
別々に滅菌することができる複室容器が開示されてい
る。この複室容器は、薬剤収容室および薬液収容室に各
々弱シール形成部を設け、その弱シール形成部どうしを
溶着し流体密に接続することにより作製されており、接
続された弱シール形成部を剥離したときに、薬剤収納室
と薬液収容室とが連通するよう構成されたものである。
【0008】ところが、特開平8−215285号公報
に開示された複室容器は、各弱シール形成部の溶着状態
によっては弱シール形成部が強くシールされ、薬剤収容
室と薬液収容室間が連通困難または連通不可能になる場
合があった。さらに、薬剤収納室と薬液収容室間の接続
部分の無菌性を確実に保証することが困難であるという
問題があった。
【0009】そこで、特開平9−10282号公報およ
び特開平9−10283号公報には、容器どうしの接続
部の弱シール部に熱溶融しにくい樹脂板を挿入し、接続
の際に弱シール部が強くシールされないように構成され
た医療用容器が開示されている。また、接続部に電子線
を照射し滅菌する方法が開示されている。しかし、この
医療用容器は弱シール部の易剥離性は確保されるもの
の、挿入された樹脂板に異物が付着して容器内に混入し
たり、また、接続部における容器の端部がいずれも開放
されているため、無菌性の維持が不完全となるおそれが
あり、安全面では十分なものとはいえなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、容器
の接続や殺菌を容易かつ完全に行うことができるため、
異物や細菌の混入のおそれがなく、簡単な操作で各容器
内を連通させることができる医療用容器および医療用容
器の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(31)の本発明により達成される。
【0012】(1) 第1の容器と第2の容器とが連通
可能に接続されてなる医療用容器であって、前記第1の
容器の端部は前記第2の容器の内部に位置し、前記端部
は封止されていることを特徴とする医療用容器。
【0013】(2) 前記端部は外部からの操作により
開封可能な接続用弱シール部を有する上記(1)に記載
の医療用容器。
【0014】(3) 前記第1の容器は医療用収容物を
収容する収容空間と、前記接続用弱シール部を有する接
続用空間とを備える上記(1)または(2)に記載の医
療用容器。
【0015】(4) 前記収容空間と前記接続用空間と
は外部からの操作により開封可能な弱シール部で遮断さ
れている上記(3)に記載の医療用容器。
【0016】(5) 前記接続用空間は内容物を収容し
ない上記(3)または(4)に記載の医療用容器。
【0017】(6) 前記第1の容器および前記第2の
容器のうち少なくともいずれか一方は軟質樹脂製容器で
ある上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用
容器。
【0018】(7) 前記軟質樹脂製容器は引張初期弾
性率が3000kgf/cm2以下の材料から構成される上記
(6)に記載の医療用容器。
【0019】(8) 前記第1の容器を構成する材料と
前記第2の容器を構成する材料との耐熱温度が相異なる
上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の医療用容
器。
【0020】(9) 前記第1の容器を構成する材料と
前記第2の容器を構成する材料との耐熱温度の差が5℃
以上である上記(8)に記載の医療用容器。
【0021】(10) 前記第1の容器を構成する材料
の耐熱温度は前記第2の容器を構成する材料の耐熱温度
よりも高い上記(8)または(9)に記載の医療用容
器。
【0022】(11) 前記第1の容器および前記第2
の容器のうち少なくともいずれか一方は多層構造を有す
る材料で構成されている上記(1)ないし(10)のい
ずれかに記載の医療用容器。
【0023】(12) 前記多層構造を有する材料は誘
電率が相異なる層が積層されてなる上記(11)に記載
の医療用容器。
【0024】(13) 前記多層構造を有する材料は耐
熱温度が異なる層が積層されてなる上記(11)または
(12)に記載の医療用容器。
【0025】(14) 前記第1の容器および前記第2
の容器のうち少なくともいずれか一方は450nmにおけ
る水中透過率が50%以上である上記(1)ないし(1
3)のいずれかに記載の医療用容器。
【0026】(15) 前記医療用収容物は薬液および
固体状薬剤のうち少なくともいずれか一方である上記
(1)ないし(14)のいずれかに記載の医療用容器。
【0027】(16) 第1の容器と第2の容器とが連
通可能に接続され、前記第1の容器の端部は前記第2の
容器の内部に位置し該端部は封止されている医療用容器
の製造方法であって、前記第1の容器と前記第2の容器
とを接続した後、接続部を滅菌することを特徴とする医
療用容器の製造方法。
【0028】(17) 前記接続部の滅菌は電子線照射
により行なわれる上記(16)に記載の医療用容器の製
造方法。
【0029】(18) 少なくとも前記第1の容器と前
記第2の容器とを接続する際に前記第1の容器に接続用
空間を設ける上記(16)または(17)に記載の医療
用容器の製造方法。
【0030】(19) 前記接続用空間は前記第1の容
器の一部をシールすることにより設けられる上記(1
8)に記載の医療用容器の製造方法。
【0031】(20) 前記接続用空間は封止部材を用
いて前記第1の容器の一部を封止することにより設けら
れる上記(18)に記載の医療用容器の製造方法。
【0032】(21) 前記接続用空間は医療用収容物
を収容する収容空間と遮断されている上記(18)ない
し(20)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
【0033】(22) 前記接続用空間と前記収容空間
とは弱シール部により遮断されている上記(21)に記
載の医療用容器の製造方法。
【0034】(23) 前記接続用空間は内容物を収容
しない上記(18)ないし(22)のいずれかに記載の
医療用容器の製造方法。
【0035】(24) 前記第1の容器と前記第2の容
器との接続は熱シールにより行われる上記(16)ない
し(23)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
【0036】(25) 前記第1の容器と前記第2の容
器との接続は高周波シールおよび超音波シールの少なく
ともいずれか一方により行われる上記(16)ないし
(23)のいずれかに記載の医療用容器の製造方法。
【0037】(26) 前記第1の容器を構成する材料
と前記第2の容器を構成する材料の耐熱温度が相異なる
上記(16)ないし(25)のいずれかに記載の医療用
容器の製造方法。
【0038】(27) 前記第1の容器を構成する材料
と前記第2の容器を構成する材料の耐熱温度の差が5℃
以上である上記(26)に記載の医療用容器の製造方
法。
【0039】(28) 前記第1の容器を構成する材料
の耐熱温度は前記第2の容器を構成する材料の耐熱温度
よりも高い上記(26)または(27)に記載の医療用
容器の製造方法。
【0040】(29) 前記第1の容器および前記第2
の容器のうち少なくともいずれか一方は多層構造を有す
る材料で構成されている上記(16)ないし(28)の
いずれかに記載の医療用容器の製造方法。
【0041】(30) 前記多層構造を有する材料は誘
電率が相異なる層が積層されてなる上記(29)に記載
の医療用容器の製造方法。
【0042】(31) 前記多層構造を有する材料は耐
熱温度が異なる層が積層されてなる上記(29)または
(30)に記載の医療用容器の製造方法。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の医療用容器を添付
図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。な
お、図1において左または右方向を「側方」、上方を
「上端側もしくは上端」、下方を「下端側もしくは下
端」として説明する。
【0044】図1は、本発明の医療用容器の実施形態を
示す全体図、図2は図1に示す医療用容器のA−A線断
面図である。これらの図に示すように、本発明の医療用
容器1は、第1の容器2(以下、「容器2」という)と
第2の容器4(以下、「容器4」という)とが連通可能
に接続されてなるものであって、容器2の端部20は容
器4の内部に位置し、端部20は封止されていることを
特徴とする。このような構成とすることにより、容器2
と容器4とを簡単に接続し、連通させることができる。
また、容器内の無菌性が確実に維持され、安全性が高い
医療用容器とすることができる。さらに、接続される容
器ごとに薬剤等の充填、滅菌処理を行うことができるた
め、製造管理が簡易になり製造設備の簡略化も可能とな
り製造コストの低減を図ることができる。
【0045】容器2は、両側および上端部には、周縁シ
ール部24が形成され完全に密封シールされており、外
部からの操作等により開封したり破断することがないよ
うに構成されている。さらに上端の中央部付近には薬液
5を充填し、調製された薬剤を投与するための排出口2
7が設けられている。
【0046】また、容器2の下端は端部20を貼り合わ
せて封止されている。これにより、容器2と接続部6と
が遮断されるため、容器2の密閉性が向上し、容器2内
に異物や細菌の侵入を完全に防止することができ、医療
用容器1内部の無菌状態の維持性向上を図ることができ
る。
【0047】かかる端部20は、外部からの操作により
開封可能な接続用弱シール部31を有している。これに
より、容器2と容器4とを簡単な操作で無菌的に連通さ
せることが可能となる。接続用弱シール部31は、例え
ば熱シール等により設けることができる。
【0048】容器2は薬液5等の医療用収容物を収容す
る収容空間26と、接続用弱シール部31を備える接続
用空間3とを備えている。この収容空間26と接続用空
間3とは外部からの操作により開封可能な弱シール部2
1で遮断されている。これにより、収容空間26を接続
部6から独立した空間とし、異物や細菌の侵入からより
厳重に隔離することができ、薬液5等の保存性をさらに
向上させることができる。また、それぞれの空間の隔壁
は弱シール部21により遮断されているため連通可能で
あり、収容空間26から薬液5を外に取出すことなく容
器4内の薬剤7と混合・調製することが可能となる。
【0049】本実施形態において、弱シール部21は両
側端の周縁シール部24を結ぶ最短の直線となるよう設
けられているが、弱シール部21の形態としてはこれに
限られず、例えばV字状、曲線状、波線状、斜線状に設
けられていてもよい。なお、弱シール部21は、例えば
熱シール等により設けることができる。
【0050】接続用空間3は、内容物を収容しないこと
が好ましい。接続用空間3に薬剤等が収容されている場
合、接続部6において容器2と容器4とが熱シール等に
より接続される際、熱により収容されている薬剤が変
質、分解するおそれがある。さらに、内容物の形状によ
ってはシールが均一に行われず、接続強度にばらつきを
生じるおそれがある。したがって、接続用空間3は内容
物を収容しないものとすることにより、収容物の品質維
持、接続強度の均一化を図ることができる。
【0051】収容空間26に収容されている医療用収容
物は薬液および固体状薬剤のうち少なくともいずれか一
方であることが好ましく、本実施形態において薬液5が
収容されている。薬液5としては、例えば生理食塩水、
高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用蒸留水、各種電解
質を含む溶液等が挙げられる。
【0052】さらに、収容空間26には、医療用収容物
として薬液の他に例えば固体状の薬剤や、酸素ガス、窒
素ガス、空気、ヘリウムガス等の気体や、医療用器具等
が収容されていてもよい。医療用器具が例えば使用に先
立ちその表面に潤滑化処理を施こすことが好ましいカテ
ーテル等である場合、カテーテル表面に付与すべきゼリ
ー状の潤滑剤や蒸留水等を容器4の収容空間46に収容
することができる。
【0053】本実施形態において、容器2は柔軟な樹脂
製シートから形成された軟質樹脂製容器である。容器2
を構成する樹脂製シートの構成材料は特に限定されず、
例えばポリエチレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポ
リプロピレン等のポリオレフィンや、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(EVA)等のポリオレフィンを50重量
%以上を含むポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)のようなポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリア
ミド、ポリエーテル、ポリスチレン、各種エラストマー
等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に
組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積
層体等)が挙げられる。
【0054】また、容器2を構成する軟質樹脂製シート
は、引張初期弾性率が3000kgf/cm2以下であること
が好ましい。この樹脂製シートの引張初期弾性率が30
00kgf/cm2を超えると、容器2が硬質なものとなり連
通操作が困難になる場合がある。
【0055】さらに、容器2は図3に示すような多層構
造を有する材料で構成されることが好ましい。この場
合、容器が単層構造である場合に比べ密封性が向上し、
開封操作等により万が一、いずれかの層が破断しても内
容物が容器の外に漏出したり、細菌が容器内に侵入する
おそれがない。
【0056】図3に示すような多層構造を有する樹脂製
シートは、誘電率の異なる層が積層されてなるものであ
ることが好ましい。これにより、容器2の内層25a、
中間層25b、外層25cの誘電率を各々相異なるもの
とすることにより、容器2と容器4とを高周波シールま
たは超音波シールによって接続する場合、外層25cと
容器4の内層45aおよび内層45aどうしは強固にシ
ールされる一方、融着部33と重なり合う位置にある容
器2の内層25aどうしは全くあるいは殆どシールされ
ないよう選択的にシール強度を変えることが可能とな
る。したがって、従来の医療用容器のように容器どうし
の接続部において薬剤等の流路を確保するために熱溶融
しにくい樹脂板等を介在させる必要がなく、製造工程上
も簡略化することができる。さらに、上記樹脂板等を介
在させないため容器2の密封性が向上し、薬液5等の保
存性の向上を図ることができる。
【0057】また、多層構造を有する材料としては、積
層される層ごとに厚さを変え、例えば内層を外層よりも
薄くすることにより弱シール部を形成し易いラミネート
シートとしてもよい。さらに、構成材料として多層構造
を有する材料を用いることにより、容器2に水蒸気バリ
ア性、酸素バリア性、遮光性等を付与し、収容物の品質
保持性の向上を図ることができる。このような機能を発
揮し得る層としては、例えばアルミ薄膜や酸化チタン、
酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる蒸着
薄膜等が挙げられる。
【0058】容器2を構成する材料の耐熱温度は、容器
4を構成する材料の耐熱温度と相違することが好まし
く、その耐熱温度の差が5℃以上であることがより好ま
しく、容器2を構成する材料の耐熱温度は容器4を構成
する材料の耐熱温度よりも高いことがさらに好ましい。
ここでいう「耐熱温度」とは、容器を構成する材料の融
点、熱変形温度もしくは軟化点を意味する。
【0059】このような構成とすることにより、容器ど
うしを熱シールによって接続する場合、耐熱温度の低い
材料で構成された部分は溶融して強固にシールされる
が、耐熱温度の高い材料で構成された部分は溶融せずシ
ールされないように、選択的シールを行うことができ
る。
【0060】具体的には、容器2の構成材料が容器4の
構成材料よりも耐熱温度が高いものとすることにより、
例えば、容器2と容器4とを接続する際、容器4の構成
材料のみが溶融する温度で熱シールした場合、図2の融
着部33および容器4のシートどうしは確実にシールさ
れるが、容器2を構成する材料は溶融しないため、容器
2は全くあるいはほとんどシールされず、薬液5の流路
は確保される。したがって、従来の医療用容器のよう
に、接続部において薬剤等の通路を確保するために熱融
着しにくい樹脂板等を介在させる必要がなく、製造工程
上も簡略化することができる。
【0061】さらに、容器を構成する材料の耐熱温度の
差を5℃以上とすることにより、シール強度の選択的調
節をより簡易に行うことができる。また、図3に示す多
層構造を有する医療用容器1においても同様に、少なく
とも内層と最外層を構成する材料の耐熱温度を相違させ
ることにより、選択的にシール強度を変えることができ
る。
【0062】なお、容器2は、全ての部分が多層構造を
有する材料から構成されるものであってもよく、部分的
に多層構造を有する材料で構成されたものであってもよ
い。部分的に多層構造を有する材料で構成される場合、
少なくとも接続部6または融着部33に用いられること
が好ましい。
【0063】容器4は、両側および下端部には、周縁シ
ール部44が形成され完全に密封シールされており、外
部からの操作等により開封したり破断することがないよ
うに構成されている。さらに中央部付近には弱シール部
41が形成され、収容空間46が設けられている。弱シ
ール部41は、例えば熱シール等により設けることがで
きる。また、弱シール部41は、図示のような直線状に
設ける以外に、弱シール部21と同様、V字状、曲線
状、波線状、斜線状等種々の形態としてもよい。
【0064】収容空間46には、医療用収容物として薬
液5と混合されるべき薬剤7が収容されている。薬剤7
としては、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン
剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュ
リン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パー
キンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈
用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げ
られる。さらに、収容空間46の収容物としては薬剤7
の他に、医療用途に用いられるものであれば特に限定さ
れず、例えば薬液や、酸素ガス、窒素ガス、空気、ヘリ
ウムガス等の気体や、医療用器具等であってもよい。医
療用器具が例えば使用に先立ちその表面に潤滑化処理を
施こすことが好ましいカテーテル等である場合、カテー
テル表面に付与すべきゼリー状の潤滑剤や蒸留水等を容
器2の収容空間26に収容することができる。
【0065】容器4は、その構成材料について特に限定
されないが、容器2と同様の樹脂製シートからなる軟質
樹脂製容器であることが好ましい。容器4を構成するシ
ートの樹脂材料としては、上記容器2と同様のものを挙
げることができる。また、容器2の場合と同様、樹脂製
シートは引張初期弾性率が3000kgf/cm2以下である
ことが好ましい。
【0066】さらに容器4は多層構造を有する樹脂製シ
ートで構成されたものが好ましい。多層構造を有する材
料は、容器2の場合と同様、誘電率の相異なる層、ある
いは耐熱温度の相異なる層が積層されてなるものである
ことがより好ましい。
【0067】容器2と容器4とは、弱シール部41から
接続端43までの間の接続部6において接続されてい
る。図1および図2に示すように、容器2の端部20は
容器4の内部に位置し、容器2と容器4との重なり部分
を融着部33において強固に融着し、さらに容器4のシ
ートどうしを強固に融着する。これにより容器2と容器
4とは連通可能に接続され、医療用容器1内は完全に密
封される。
【0068】容器2と容器4との接続方法としては特に
限定されず、例えば接着剤を用いた接着、熱シール、高
周波シール、超音波シール等が挙げられるが、熱シール
または高周波シールおよび超音波シールが好ましい。こ
れらの方法により容器を接続する場合、シールする際に
容器の内部を接着剤成分等により汚染するおそれがな
い。
【0069】また、接続用弱シール部31および端部2
0および弱シール部21は、接続端43と重ならないよ
うに配置されることが好ましい。接続端43では強固な
シール部が形成されるため、接続端43が接続用弱シー
ル部31や弱シール部21と重なる場合、これらの弱シ
ール部におけるシール強度が増大してしまい、易開封性
が損なわれるおそれがある。さらに、接続用弱シール部
31や弱シール部21が接続端43と重なる場合、樹脂
のクモリや表面の凹凸が目立ち医療用容器1の外観を損
なう場合がある。
【0070】本発明の医療用容器1は、容器2および容
器4のうち少なくともいずれか一方は450nmにおける
水中透過率が50%以上であることが好ましい。水中透
過率が50%未満であると、内容物の保存状態や、内容
物の混合・調製状態等を外部から視認することが困難に
なり、取扱性、操作性に劣るものとなる場合がある。な
お、ここでいう「水中透過率」とは、吸光度測定用セル
に蒸留水を満たした容器を入れ、測定温度20℃におい
て吸光光度計により測定された波長450nmの光の透過
率を意味する。
【0071】次に、本発明の医療用容器の製造方法につ
いて説明する。
【0072】本発明は、上記のような第1の容器と第2
の容器とが連通可能に接続され、第1の容器の端部は第
2の容器の内部に位置し該端部は封止されている医療用
容器の製造方法であって、前記第1の容器と前記第2の
容器とを接続した後、接続部を滅菌することを特徴とす
る。
【0073】これにより、容器と容器とを容易に接続す
ることができ、さらに、接続部分の滅菌を容易かつ完全
に行うことができる。このため、医療用容器内の無菌性
が確実に維持され安全性が向上する。また、接続される
各容器、例えば薬剤容器毎の製造・管理が容易となり、
高価な設備を必要とせず、製造コストの低減を図ること
ができる。
【0074】以下、本発明の医療用容器の製造方法につ
いて、図1に示す医療用容器1の場合を例に挙げて説明
する。まず、容器2と容器4とを別々に製造する。容器
2および容器4を構成する樹脂製シートは、例えば、チ
ューブ押出成形、Tダイ成形、インフレーション成形等
の押出成形、射出成形、ブロー成形等により製膜された
ものを使用することができる。容器2と容器4とは、シ
ートの構成材料、製膜方法が同一であっても、異なって
いてもよい。
【0075】容器2は、2枚の樹脂製シートまたは筒状
樹脂製シートの上端と両側端の3辺を強固に融着して周
辺シール部24を形成し、上端部の中央付近には硬質樹
脂からなる排出口27を設ける。一方、容器2の端部2
0を熱シール等により貼り合わせ、接続用弱シール部3
1を設けて封止する。端部20を封止することにより、
接続部と容器2が遮断され容器2内の無菌性、安全性が
さらに向上する。周辺シール部24と接続用弱シール部
31のシール強度は、シールされる部分のシートに付与
される熱エネルギーや電子線エネルギー等の大きさを加
減することにより調節することができる。
【0076】さらに、接続用弱シール部31の上端側に
弱シール部21を形成する。これにより容器2に接続用
空間3が設けられ、容器2の上端側に薬液5を収容可能
な収容空間26、該収容空間26と遮断された接続用空
間3が形成される。接続用空間3が形成されることによ
り、収容空間26を接続部6から独立した空間とするこ
とができ、異物や細菌の侵入から厳重に隔離することが
できる。また、薬液5を収容空間26にのみ収容するこ
とができるため、接続部6において熱シール等により接
続する際、あるいは接続部6の滅菌を行う際に、薬液5
が熱や電子線等の影響により変質、分解することを回避
できる。さらに、接続用空間3を収容物のない状態とす
ることにより、接続部6のシールが均一に行われ、接続
強度にばらつき等を生じるおそれがない。したがって、
容器の密封性が確実に担保され内容物の品質維持性、安
全性の向上を図ることができる。
【0077】また、弱シール部21を形成して接続用空
間3を設けることにより、収容空間26と接続用空間3
とを容易に連通させることができ、さらに、接続用空間
3を介して容器4と連通させることができる。
【0078】次に、排出口27から収容空間26に薬液
5を充填・密封し、その後、容器2を滅菌する。このと
きの滅菌方法としては、収容物の種類および容器の構成
材料等により適宜選択され、例えば、高圧蒸気滅菌、エ
チレンオキサイドガス滅菌、ガンマ線滅菌、電子線滅
菌、紫外線滅菌等、通常医療器具の滅菌に用いられる各
種滅菌方法が挙げられる。
【0079】容器4は、容器2と同様にして製造するこ
とができ、2枚の樹脂製シートまたは筒状シートの3辺
を強固に融着して周辺シール部44を形成し袋状物とす
る。この袋状物を上記の滅菌法のいずれかにより滅菌処
理する。袋状物の開口部から薬剤7を無菌的に充填した
後、弱シール部41を設け、薬剤7を収容する密閉され
た収容空間46を形成する。
【0080】次に、容器2と容器4とを接続する。ま
ず、図1および図2に示すように容器4の上端の開口部
において2枚のシートの間に容器2の端部20を挿入す
る。このとき、接続用弱シール部31および弱シール部
21が接続端43と重ならないようにすることが好まし
い。この状態で接続部6をシールし、完全に密封する。
容器2と容器4との間のシール部分は、図2に示すよう
な融着部33となる。
【0081】容器2と容器4との接続方法としては特に
限定されないが、上述したように、熱シールにより行わ
れることが好ましい。熱シールによる場合、容器2を構
成する材料の耐熱温度が容器4を構成する材料の耐熱温
度よりも高いことがより好ましく、その耐熱温度の差が
5℃以上であることがさらに好ましい。これにより、す
でに述べたように選択的にシール強度を調節することが
でき、容器どうしを強固に接続する一方で容器内の流路
を容易に確保することができる。さらに、容器2および
容器4のうち少なくともいずれか一方を多層構造を有す
る材料で構成することにより、シール強度を選択的に調
節することが容易になる。
【0082】また、容器2と容器4との接続は、高周波
シールおよび超音波シールの少なくともいずれか一方に
より行われることが好ましい。この場合、容器2および
容器4のうちいずれか一方は多層構造を有する材料で構
成されていることが好ましく、かかる多層構造は誘電率
が相異なる層から構成されていることがより好ましい。
これにより、シール強度を選択的に調節することがで
き、容器どうしを強固に接続しながら、容器内の流路を
容易に確保することができる。
【0083】本発明の方法において、接続用空間3は少
なくとも容器2および容器4とを接続する際に設けられ
ていればよく、本実施形態のように予め容器2の作製時
に弱シール部21を形成して接続用空間3を設ける他、
封止部材を用いて容器の一部を封止することにより接続
用空間3を一時的に設けてもよい。
【0084】例えば、弱シール部21を有しない容器2
を作製した後、薬液5を排出口27が設けられている側
へ集め、端部20側の空間に内容物が収容されないよう
にして容器2を封止する。その後、図示の実施形態の場
合と同様、容器2と容器4とを接続することができる。
この場合、接続用空間3を設ける際に用いられる封止部
材としては、容器2の外部から適用することにより、容
器2内の空間を遮断可能なものであれば特に限定され
ず、例えばクリップ等が挙げられる。
【0085】容器2と容器4とを接続した後、接続部6
を滅菌する。これにより、接続部の無菌性を向上させ、
医療用容器の安全性、内容物の品質保持性を向上させる
ことができる。例えば、容器の接続時に付与される熱等
によって、接続部6に存在する細菌をある程度減少させ
ることは可能であるが、完全な無菌状態を保証すること
は困難である。したがって、本発明のように容器を接続
した後、接続部6を滅菌処理することにより、安全性を
保証することができる。
【0086】接続部6の滅菌方法は特に限定されず、例
えば、高圧蒸気滅菌、エチレンオキサイドガス滅菌、ガ
ンマ線滅菌、電子線滅菌、紫外線滅菌等、通常医療器具
の滅菌に用いられる各種滅菌方法が挙げられるが、なか
でも電子線滅菌が好ましい。電子線滅菌によれば滅菌処
理後に滅菌剤の残留等の問題がない。また、容器を透過
し、滅菌に必要かつ十分なエネルギーを外部から付与す
ることができるため、処理時間が短く取扱性にも優れ
る。
【0087】以上、本発明の医療用容器を図示の各実施
形態について説明したが、本発明は、これらに限定され
るものではなく、医療用容器としては図示のものに限ら
れず、輸液バッグ、血液バッグ、血小板保存バッグ、人
工透析バッグ、薬液バッグ等その他、医療用具キットの
包装体等に応用することも可能である。
【0088】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0089】(実施例1) 1.医療用容器の製造 図1に示す医療用容器1を製造した。まず、インフレー
ションフィルム成形機にて、内層25aがポリプロピレ
ン(耐熱温度:160℃)、外層25cがポリエチレン
(耐熱温度:125℃)からなる厚さ0.3mm、折り径
100mmの筒状の2層フィルムを成形し、容器2の構成
材料とした。
【0090】このフィルムを長さ150mmに裁断して、
上端および両側方を180〜210℃で熱シールし、シ
ール幅10mmの周縁シール部24を形成した。また、下
端を100〜130℃で熱シールすることにより接続用
弱シール部31を形成した。また、接続用弱シール部3
1から上端側に40mmの箇所に100〜130℃で熱シ
ールすることにより弱シール部21を形成し、さらに、
上端の中央部には排出口27を設けた。排出口27から
収容空間26内に生理食塩水100mlを充填し、排出口
27を液密に閉じた。その後、この容器2を110℃×
20分で高圧蒸気滅菌を行った。
【0091】容器4は、容器2と同様にインフレーショ
ンフィルム成形機にて、厚さ0.3mm、折り径130m
m、外層25cと同じポリエチレンからなる筒状の単層
フィルムを成形し、構成材料とした。このフィルムを長
さ80mmに裁断し、下端および両側方を150〜170
℃で熱シールすることにより、シール幅10mmの周縁シ
ール部44を形成し、袋状物を作製した。
【0092】かかる袋状物の内部に薬剤7として粉末状
の抗生物質を無菌的に充填した。その後、容器4の上端
から30mm下端側を90〜120℃で熱シールすること
により、弱シール部41を形成した。
【0093】次に、容器4の上端において上下2枚のシ
ートの間に容器2の端部20を挿入し、接続用弱シール
部31が容器4の内部に位置するよう配置した。この状
態で130〜150℃で熱シールし、容器2と容器4と
を接続した。接続後、接続部6に加速電圧10MeV程度
の電子線を照射することにより滅菌し、医療用容器1を
作製した。容器2および容器4の材料および接続方法、
滅菌方法について表1〜表3に示す。なお、表2は表1
に示す材料の詳細を示す。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
【表3】
【0097】(実施例2〜5)容器2および容器4の構
成材料を表1〜表3に示すものに代えた以外は実施例1
と同様にして医療用容器1を作製した。
【0098】(実施例6〜8)容器2および容器4の構
成材料を表1、表2および表4に示すものに代え、さら
に容器2と容器4との接続方法を熱シールから高周波シ
ールとした以外は実施例1と同様にして医療用容器1を
作製した。
【0099】
【表4】
【0100】2.医療用容器の性能評価 実施例1〜8で作製された各医療用容器の弱シール部2
1、接続用弱シール部31および弱シール部41を外側
から開封し、容器2と容器4とを連通させた。これによ
り、薬液5と薬剤7とが混合され、投与するべき混合薬
剤が調製された。
【0101】容器2と容器4とを連通させる際および混
合薬剤を調製する際に、各シール部、接続部において内
容物の漏れの有無を目視で観察し、医療用容器の気密性
について評価を行った。また、連通操作の容易さについ
て評価を行った。気密性および連通性については各々次
のように評価した。
【0102】気密性 ○・・・内容物の漏れが全くない ×・・・内容物の漏れがみられた 連通性 ○・・・連通操作が非常に容易できれいに開封できる △・・・連通操作が容易である ×・・・連通操作が困難できれいに開封できない これらの評価結果を表3および表4に示す。
【0103】これらの結果から明らかなように、容器2
と容器4とは良好に接続され密封性を保持するものであ
った。一方、接続部6において容器2のシートどうしは
全くシールされておらず、薬剤、薬液の流通が妨げられ
ることはなかった。また、弱シール部21、41および
接続用弱シール部31の開封を容易に行うことができ、
連通性に優れたものであることがわかった。
【0104】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の医療用容器
は、内部に異物や雑菌の混入がなく、容器内の無菌性が
確実に維持されるため非常に安全性に優れている。さら
に、連通操作が簡単であり、薬剤の混合・調製等を円滑
に行うことができる。
【0105】また、本発明の医療用容器の製造方法によ
れば、容器どうしを簡易な方法で接続することができ
る。さらに、接続される薬剤容器毎の製造・管理が容易
となり、例えば、各容器内の内容物の種類や容量を容易
に変更でき、それに応じた滅菌処理を選択することがで
きる。したがって、高価な設備を必要とせず、製造コス
トの低減を図ることができる。
【0106】さらに、容器を接続した後に接続部に対し
て滅菌処理を施すため、容器内の無菌状態を確実に維持
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の医療用容器の実施形態を示す全体図で
ある。
【図2】図1に示す医療用容器のA−A線断面図であ
る。
【図3】医療用容器の他の実施形態を示す部分断面図で
ある。
【符号の説明】
1 医療用容器 2 第1の容器 20 端部 21 弱シール部 24 周縁シール部 25a 内層 25b 中間層 25c 外層 26 収容空間 27 排出口 3 接続用空間 31 接続用弱シール部 33 融着部 4 第2の容器 41 弱シール部 43 接続端 44 周縁シール部 45a 内層 45b 中間層 45c 外層 46 収容空間 5 薬液 6 接続部 7 薬剤

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の容器と第2の容器とが連通可能に
    接続されてなる医療用容器であって、 前記第1の容器の端部は前記第2の容器の内部に位置
    し、前記端部は封止されていることを特徴とする医療用
    容器。
  2. 【請求項2】 前記端部は外部からの操作により開封可
    能な接続用弱シール部を有する請求項1に記載の医療用
    容器。
  3. 【請求項3】 前記第1の容器は医療用収容物を収容す
    る収容空間と、前記接続用弱シール部を有する接続用空
    間とを備える請求項1または2に記載の医療用容器。
  4. 【請求項4】 前記収容空間と前記接続用空間とは外部
    からの操作により開封可能な弱シール部で遮断されてい
    る請求項3に記載の医療用容器。
  5. 【請求項5】 前記接続用空間は内容物を収容しない請
    求項3または4に記載の医療用容器。
  6. 【請求項6】 前記第1の容器および前記第2の容器の
    うち少なくともいずれか一方は軟質樹脂製容器である請
    求項1ないし5のいずれかに記載の医療用容器。
  7. 【請求項7】 前記軟質樹脂製容器は引張初期弾性率が
    3000kgf/cm2以下の材料から構成される請求項6に
    記載の医療用容器。
  8. 【請求項8】 前記第1の容器を構成する材料と前記第
    2の容器を構成する材料との耐熱温度が相異なる請求項
    1ないし7のいずれかに記載の医療用容器。
  9. 【請求項9】 前記第1の容器を構成する材料と前記第
    2の容器を構成する材料との耐熱温度の差が5℃以上で
    ある請求項8に記載の医療用容器。
  10. 【請求項10】 前記第1の容器を構成する材料の耐熱
    温度は前記第2の容器を構成する材料の耐熱温度よりも
    高い請求項8または9に記載の医療用容器。
  11. 【請求項11】 前記第1の容器および前記第2の容器
    のうち少なくともいずれか一方は多層構造を有する材料
    で構成されている請求項1ないし10のいずれかに記載
    の医療用容器。
  12. 【請求項12】 前記多層構造を有する材料は誘電率が
    相異なる層が積層されてなる請求項11に記載の医療用
    容器。
  13. 【請求項13】 前記多層構造を有する材料は耐熱温度
    が異なる層が積層されてなる請求項11または12に記
    載の医療用容器。
  14. 【請求項14】 前記第1の容器および前記第2の容器
    のうち少なくともいずれか一方は450nmにおける水中
    透過率が50%以上である請求項1ないし13のいずれ
    かに記載の医療用容器。
  15. 【請求項15】 前記医療用収容物は薬液および固体状
    薬剤のうち少なくともいずれか一方である請求項1ない
    し14のいずれかに記載の医療用容器。
  16. 【請求項16】 第1の容器と第2の容器とが連通可能
    に接続され、前記第1の容器の端部は前記第2の容器の
    内部に位置し該端部は封止されている医療用容器の製造
    方法であって、 前記第1の容器と前記第2の容器とを接続した後、接続
    部を滅菌することを特徴とする医療用容器の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記接続部の滅菌は電子線照射により
    行なわれる請求項16に記載の医療用容器の製造方法。
  18. 【請求項18】 少なくとも前記第1の容器と前記第2
    の容器とを接続する際に前記第1の容器に接続用空間を
    設ける請求項16または17に記載の医療用容器の製造
    方法。
  19. 【請求項19】 前記接続用空間は前記第1の容器の一
    部をシールすることにより設けられる請求項18に記載
    の医療用容器の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記接続用空間は封止部材を用いて前
    記第1の容器の一部を封止することにより設けられる請
    求項18に記載の医療用容器の製造方法。
  21. 【請求項21】 前記接続用空間は医療用収容物を収容
    する収容空間と遮断されている請求項18ないし20の
    いずれかに記載の医療用容器の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記接続用空間と前記収容空間とは弱
    シール部により遮断されている請求項21に記載の医療
    用容器の製造方法。
  23. 【請求項23】 前記接続用空間は内容物を収容しない
    請求項18ないし22のいずれかに記載の医療用容器の
    製造方法。
  24. 【請求項24】 前記第1の容器と前記第2の容器との
    接続は熱シールにより行われる請求項16ないし23の
    いずれかに記載の医療用容器の製造方法。
  25. 【請求項25】 前記第1の容器と前記第2の容器との
    接続は高周波シールおよび超音波シールの少なくともい
    ずれか一方により行われる請求項16ないし23のいず
    れかに記載の医療用容器の製造方法。
  26. 【請求項26】 前記第1の容器を構成する材料と前記
    第2の容器を構成する材料の耐熱温度が相異なる請求項
    16ないし25のいずれかに記載の医療用容器の製造方
    法。
  27. 【請求項27】 前記第1の容器を構成する材料と前記
    第2の容器を構成する材料の耐熱温度の差が5℃以上で
    ある請求項26に記載の医療用容器の製造方法。
  28. 【請求項28】 前記第1の容器を構成する材料の耐熱
    温度は前記第2の容器を構成する材料の耐熱温度よりも
    高い請求項26または27に記載の医療用容器の製造方
    法。
  29. 【請求項29】 前記第1の容器および前記第2の容器
    のうち少なくともいずれか一方は多層構造を有する材料
    で構成されている請求項16ないし28のいずれかに記
    載の医療用容器の製造方法。
  30. 【請求項30】 前記多層構造を有する材料は誘電率が
    相異なる層が積層されてなる請求項29に記載の医療用
    容器の製造方法。
  31. 【請求項31】 前記多層構造を有する材料は耐熱温度
    が異なる層が積層されてなる請求項29または30に記
    載の医療用容器の製造方法。
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