JP4316718B2 - 輸液用容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、内部において輸液などの薬液に薬剤の調製や配合を行うことができる輸液用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶や軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調整することが行われている。
このような薬液の調整は、液体状の薬剤の場合はそのまま、固体状の薬剤の場合は注射器で溶解液を加え溶解したのち、注射器に吸引し輸液剤が充填されたバイアル瓶もしくは軟質バッグに注入混合して行われている。
しかし、このような薬液の調整は、操作手順が煩雑であるという欠点があり、迅速な輸液を必要とする場合等には特に不便である。また、上記のような薬液の調整は、一旦輸液剤の一部を取り出し、別の容器内で混合・溶解させるため汚染された雰囲気や器具に接触する可能性があり、薬液の細菌による汚染や異物混入のおそれがあった。
【0003】
このような問題を解決するために、特開平4−364851号公報には、薬剤と溶解液(輸液剤)とを無菌的に混合可能な容器として、軟質バッグからなる容器の内部空間をシール部によりヒートシールすることによって2つに分離し、各々の空間に薬剤と溶解液とを収容する容器が開示されている。薬液の調製が必要となったとき、この容器の外部を押圧してシール部を破断し、薬剤と溶解液とを混合させるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この容器全体は、柔軟なシート材で構成されているため、容器の外部から圧力が加わると、ピンホールが発生する場合がある。このようにピンホールが生じると、そこからガス、例えば空気中の水分、酸素、二酸化炭素等が侵入し、容器内の薬剤を変質させる場合がある。あるいは、外部からの圧力や衝撃により前記シール部が容易に破断し、必要時以外に、溶解液が漏れ出して薬剤と溶解液とが混合してしまい、薬剤の安定性・安全性の維持が困難になる場合がある。
【0005】
さらに、柔軟なシート材は一般的にガス透過性が比較的高いため、溶解液あるいは外部から薬剤を収納した空間内へのガスの侵入により薬剤が水分、酸素等に触れて分解・変質等する場合がある。そのため、容器の薬剤が収容されている部分をガス不透過性の包装材で二重に包装し、該包装材の内部に脱酸素剤や乾燥剤を封入することが行われる。
しかし、このように薬剤が収容されている部分のみを包装材で包装したり脱酸素剤等を封入するのでは、製造工程が煩雑になり、また容器が嵩高になり運搬・保管に不利である。
【0006】
本発明の目的は、破断可能な破断可能部を有する流通規制部を備え、内部において輸液などの薬液に薬剤の調製や配合を行うことができる輸液用容器において、破断可能部における破断が確実な流通規制部を備える輸液用容器を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1)薬液が収納された軟質バッグと、該軟質バッグに固定された薬剤容器とからなる輸液用容器であって、前記薬剤容器は、中空の薬剤収納部形成部と、該薬剤収納部形成部の一端を閉塞する流通規制部と、前記薬剤収納部形成部の他端開口部を閉塞する弾性体と、前記薬剤収納部形成部内に収納された薬剤とを備え、前記流通規制部は、前記軟質バッグの薬液収納部内に突出しており、かつ、前記流通規制部は、必要時に破断により前記薬剤収納部形成部を前記軟質バッグ内部の前記薬液収納部と連通可能とする破断可能部と、前記破断可能部の破断操作を行うための操作部とを備え、前記操作部は、中空に形成されており、かつ前記破断可能部に近い位置に設けられた内底面部を備え、さらに、前記流通規制部を破断し、前記軟質バッグに収容されている薬液に前記薬剤容器に収容されている薬剤が混合した薬剤混合後の薬液に対して識別可能な色に形成されており、かつ、前記破断可能部による破断後、前記流通規制部より分離し、前記薬剤混合後の薬液の液面に浮上し、前記液面を確認可能とするものである輸液用容器。
(2) 前記操作部は、薬剤混合後の薬液の色と相違した色を有する材料により形成されている上記(1)に記載の輸液用容器。
(3) 前記操作部は、側面に向かい合うように2つ設けられた通液部を有している上記(1)または(2)に記載の輸液用容器。
(4) 前記操作部は、前記内底面部となる部分に製造時の樹脂吐出ゲートを有するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の輸液用容器。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の輸液用容器を図面に示した実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の実施例の輸液用容器の正面図である。図2は、図1の輸液用容器の薬剤容器付近の拡大断面図である。図3は、図1の輸液用容器の流通規制部を破断した状態を示す説明図である。
【0009】
本発明の輸液用容器1は、薬液が収納された軟質バッグ2と、薬剤が収納された薬剤容器3とからなる輸液用容器である。薬剤容器3は、薬剤収納部31と、必要時に指等による破断により薬剤収納部31を軟質バッグ2内部の薬液収納部と連通可能とする破断可能部41および破断可能部41の破断操作を行うための操作部43とからなる流通規制部4とを備える。さらに、薬剤容器3の操作部43は、破断可能部による破断後、流通規制部より分離する部分であり、かつ、操作部43は、中空に形成されている。
【0010】
操作部を中空に形成することにより、破断可能部に近い中空内底面部が形成される。この中空内底面部となる部分より、製造時に樹脂を金型に吐出することにより、樹脂吐出ゲートと破断可能部を近い位置にすることができ、これにより、肉厚の微妙な破断可能部形成部分に樹脂を確実に流入させることができ、設計通りの肉厚の偏りのない破断可能部を備える流通規制部となる。操作部を中空に形成しないと、ゲート位置を流通規制部の側面もしくは端面としなければならず、破断可能部にゲート位置に近い部分と遠い部分が形成され、破断可能部の偏肉の原因となる。偏肉が生じると、破断可能部に予定以上に脆弱な部分が形成されることになり、保管時、運搬時などの使用時以外での破断の危険性が高くなる。
【0011】
本発明の輸液用容器1は、軟質バッグ2とこれに固定された薬剤容器3からなる。
軟質バッグ2は、ある程度の耐熱性のある軟質合成樹脂、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物等、ポリオレフィンを含む混合物)、さらにはこれらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合のようなスチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)により袋状に形成されたもの、さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ナイロンのようなポリアミドといった硬質素材の樹脂層と上述した軟質素材(例えば、ポリエチレン)の樹脂層からなる多層構造シートが使用される。これらの軟質樹脂により成形されることにより、軟質バッグ2の外部から、薬液収納部と薬剤収納部31とを連通させる操作を容易に行うことができる。
【0012】
好ましい軟質樹脂材料として、軟質ポリ塩化ビニルが挙げられる。この軟質ポリ塩化ビニルは、オートクレーブ滅菌の高温に耐え得る耐熱性を有し、しかも柔軟性に富むため取扱性に優れる。さらに、軟質バッグ2への成形、加工や薬剤容器3の融着による固着が容易で製造コストの低減も図れるという利点がある。また、軟質バッグ2の好適な構成材料として、ポリプロピレンにスチレン−ブタジエン共重合体をブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、耐水性、耐熱性、柔軟性、加工性に優れ、製造コストの低減を図れる点で好ましい。軟質バッグ2を構成するシート材の厚さは、特に限定されず、シート2a,2bの構成材料によって異なるが、例えば軟質ポリ塩化ビニル製シート材の場合、20〜500μm程度であるのが好ましい。また、軟質バッグ2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成形したチューブを用いることが望ましい。
【0013】
軟質バッグ2は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を溶着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに周縁部を溶着して形成したもの、上記樹脂を用いて押し出し成形により筒状に形成したものの開口周縁を溶着することにより作製したものなどのいずれでもよい。
【0014】
この軟質バッグ2の内部には、薬液収納部が形成され、輸液剤(薬液)が収容されている。輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0015】
また、軟質バッグ2の一端側のシール部23bには、ハンガー等に吊り下げるための孔(吊り下げ部)25が設けられている。さらに、薬液の品質保持のために、軟質バッグ2に酸素バリア性や遮光性等を付与するためにアルミ箔等のフィルムを積層してもよい。また、酸素バリア性付与のために、軟質バッグ2の表面に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる蒸着膜等の薄膜を形成してもよい。
これら酸化物被膜は透明であるため、軟質バッグ2の透明性を維持することができ、薬液収納部と薬剤収納部31とを連通させる操作を行った際の連通状態の確認や、輸液剤(薬液)と薬剤との混合・溶解状態等が視認し易くなるため好適である。
【0016】
軟質バッグ2は、薬剤容器3を固定するための固定部22を備えている。軟質バッグ2の開口部である固定部22には、薬剤容器3が固着されている。薬剤容器3は、中空の本体部(薬剤収納部形成部)32と、中空本体部の一端(先端)を閉塞する流通規制部4と、中空本体部の他端(開口部)を閉塞する弾性体(栓体)61と、弾性体61の外周部を被包するキャップ62とを備えている。
【0017】
そして、薬剤容器3は、薬剤容器3と軟質バッグ2の開口部間に設けられた薬剤容器接合用部材5により、軟質バッグ2に液密に固着されている。そして、流通規制部4は、図2に示すように、中空に形成された操作部43とこの操作部43とこ中空本体部32間に設けられた破断可能部41と、操作部43に設けられた通液部44を備える。通液部44は、向かい合うように2つ設けられているが、これに限定されるものではなく、1〜8個程度が好適である。通液部を設けることにより、中空本体部内に薬液が残留することを防止できる。
【0018】
破断可能部41は、クサビ状の環状凹部が形成された部分であり、他の部分に比べて肉薄となっている。このため、破断可能部41は、他の部分に比べて脆弱であり、操作部43をバッグの外方より押すことにより、この破断可能部41部分にて破断し、操作部43は、流通規制部(本体部)より分離する。そして、分離した操作部43を中空に形成することにより、破断可能部41は偏肉のない状態となっている。中空本体部32の内底面33と破断可能部41との距離は、1〜2mmであることが好ましい。
【0019】
さらに、この操作部43を薬剤混合後の薬液に対して識別可能な色に形成してもよい。薬液と容易に識別できるとともに、薬液面に浮上するため薬液残量の確認も容易となる。薬剤混合後の薬液のに対して識別可能な色とは、使用される薬液および薬剤により相違し一義的なものではなく、例えば、薬剤混合後の薬液の色が黄色であれば黄色以外(例えば、赤色、青色、緑色、黒色)のものが、赤色であれば赤色以外(例えば、黄色、青色、緑色、黒色)のものとされる。なお、薬剤混合後の薬液の色が無色の場合には、有色であればどのような色でもよい。
【0020】
薬剤容器3の薬剤収納部31には、適量の薬剤が収容されているとともに、薬剤収納部31は、内部の薬剤が目視可能に透明に形成されていることが好ましい。収納される薬剤としては、粉末、顆粒状などの固体状、液体状等いかなるものでもよい。薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。また、薬剤容器3の薬剤収納部31は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。このように、薬剤収納部31が減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上するとともに、破断可能部41の破断時に、輸液剤を吸引し、より迅速に薬剤収納部31へ導入することができる。
【0021】
薬剤収納部31は、薬剤を収容し、かつ輸液剤を導入してそれを溶解・混合するのに十分な容積を有している。流通規制部4は、軟質バッグ2の内側(薬液収納部内)に突出している。また、軟質バッグ2は、薬剤容器3を固定するための固定部22を備える。
【0022】
薬剤容器3の本体部32と流通規制部4とは、別部材を接合したものでもよく、また、この実施例のように一体的に形成されたもののいずれでもよい。特に、破断可能部41に相当する部分付近を境にして別部材で形成し、破断可能部より先端側(操作部43)の部分を、薬剤混合後の薬液の色と識別可能な材料により形成してもよい。さらに、この場合には、破断可能部41部分に脆い樹脂を介在させることにより、破断可能部41を形成してもよい。
【0023】
また、薬剤容器3の本体部32および流通規制部4は、硬質材料、特に硬質の樹脂材料から構成されていることが好ましい。また、硬質材料で構成することにより、操作部43の操作による破断可能部41の破断を容易、確実に行うことができる。また、薬剤容器3の少なくとも中空本体部32は、内部の視認性を確保するために、透明または半透明な材料で構成されているのが好ましい。
【0024】
薬剤容器3に用いられる透明硬質材料としては、くもり価(ヘイズ率)が75%以下のものであることが好ましい。薬剤容器3に使用される樹脂としては、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン(具体的には、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、APAL(三井化学株式会社製))、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2との密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。
【0025】
薬剤容器3は、破壊のための応力を破断可能部41に集中させるために、また、柔軟なバッグ2との接続部分の形状をバッグ2に対して維持させる為に、大きな変形は許容できないように比較的硬質に作製されることが好ましい。しかし、破壊のための変形応力が破断可能部41ならびに操作部43に集中しやすくなるよう容器の壁の厚みを増やしたり、応力によって操作部43以外の部分が変形しにくい構造に設計することにより、軟質バッグ2と同様な軟質素材を利用することもできる。
【0026】
そして、薬剤容器3は、薬剤容器3と軟質バッグ2の開口部間に設けられた薬剤容器接合用部材5により、軟質バッグ2に液密に固着されている。薬剤容器接合用部材5は、薬剤容器形成材料および軟質バッグ形成材料の両者と接着(熱融着)可能な材料により形成された筒状部材である。薬剤容器接合用部材5は、内部に薬剤容器3の本体部32を収納可能となっている。また、薬剤容器接合用部材5の軟質バッグ2の外部に露出する部分は、拡径部となっている。
【0027】
薬剤容器接合用部材5の形成材料としては、上述した軟質バッグ2の形成材料である軟質透明性樹脂、また、上述した薬剤容器3の形成材料である透明硬質材料などが好適であり、くもり価(ヘイズ率)が75%以下のものであることが好ましい。薬剤容器接合用部材5の形成材料は、軟質バッグ2および薬剤容器3と熱融着できる素材が好適である。また、軟質バッグ2と薬剤容器3が、異なる材料により形成されている場合には、薬剤容器接合用部材5は、軟質バッグ2との熱融着性が高い材料を外層とし、薬剤容器3との熱融着性が高い材料を内層とする多層構造物としてもよい。具体的には、ポリプロピレンやポリエチレンが一般的である。
【0028】
なお、薬剤容器接合用部材5を設けることなく、薬剤容器3を直接軟質バッグ2に固着してもよい。この場合には、薬剤容器3の軟質バッグ2との接触部分は、二色成形、インサート成形などの方法により軟質バッグ2の形成材料との相溶性(熱融着性)の高い樹脂により形成されていることが好ましい。また、薬剤容器3の軟質バッグ2への固定は、嵌合などの物理的固定、高周波シール、熱シールなど化学的固定などにより行うことができる。高周波シールや熱シールの場合は、両容器の熱融着面で融着が可能な素材を選ぶ必要があり、高周波シールでは塩化ビニル樹脂が好適であり、ポリプロピレンやポリプロピレンと各種樹脂の混合物も可能であり、熱シールでは、ポリオレフィン系樹脂や各種樹脂、エラストマーとの混合物や多層構造物が好適である。なお、弾性材料等の柔軟性を有する材料で形成すれば、シール時に金型による押圧により、より確実に融着することができる。
【0029】
そして、薬剤容器3は、軟質バッグ2の固定部22において、シート材間に、間接もしくは直接挟持され、融着されて固定されている。このため、薬剤容器3の軟質バッグ2に対する固定を容易かつ確実に行うことができ、また、両者の接合性、密着性(密封性)が高いため、液漏れ等も確実に防止することができる。
【0030】
薬剤容器3の開口端(流通規制部4と反対側の端部)には、薬液(液体)を排出する排出口が設けられている。この排出口は、弾性材料で構成された弾性体61を有する。弾性体61は、その上からキャップ(弾性体支持部材)62により、薬剤容器接合用部材5および薬剤容器3の開口端に固定されている。
【0031】
弾性体61は、針管(図示せず)を刺通可能なものであり、必要時にこの針管を刺通して、輸液用容器1内の薬液を輸液することができる。また、弾性体61は、自己閉塞性を有し、針管を弾性体61から抜き取った後は、その穿刺孔が閉塞し、薬液の漏れを防止する。弾性体61の構成材料としては、可撓性を有する高分子材料が好ましく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたものが挙げられる。
【0032】
キャップ62は、リング状をなし、薬剤収納部31の開口端に、例えば、螺合、嵌合、カシメ、接着、融着等の方法により固定されている。このキャップ62の材料としては、特に限定されず、例えば各種樹脂材料、金属材料等が挙げられる。
【0033】
そして、薬剤容器3は、軟質バッグ2のシール部23aにおいて、シート材間に、間接もしくは直接挟持され、融着されて固定されている。このため、薬剤容器3の軟質バッグ2に対する固定を容易かつ確実に行うことができ、また、両者の接合性、密着性(密封性)が高いため、液漏れ等も確実に防止することができる。
【0034】
図3は、図1の輸液用容器1の流通規制部4を破断した状態を示す説明図である。軟質バッグ2の外側から破断可能部41を指で折ることにより、軟質バッグ2に収容されている輸液剤と薬剤容器3に収容されている薬剤とが混合され、迅速に、かつ効率よく操作を行うことができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の輸液用容器は、薬液が収納された軟質バッグと、薬剤が収納された薬剤容器とからなる輸液用容器であって、該薬剤容器は、薬剤収納部と、必要時に破断により該薬剤収納部を前記軟質バッグ内部の薬液収納部と連通可能とする破断可能部および該破断可能部の破断操作を行うための操作部からなる流通規制部とを備え、さらに、該薬剤容器の操作部は、前記破断可能部による破断後、前記流通規制部より分離する部分であり、かつ、該操作部は、中空に形成されている。
【0036】
操作部を中空に形成することにより、破断可能部に近い中空内底面部が形成される。この中空内底面部となる部分より、製造時に樹脂を金型に吐出することにより、樹脂吐出ゲートと破断可能部を近い位置にすることができ、これにより、肉厚の微妙な破断可能部形成部分に樹脂を確実に流入させることができ、設計通りの肉厚の偏りのない破断可能部を備える流通規制部となる。操作部を中空に形成しないと、ゲート位置を流通規制部の側面もしくは端面としなければならず、破断可能部にゲート位置に近い部分と遠い部分が形成され、破断可能部の偏肉の原因となる。偏肉が生じにくいため、破断可能部に予定以上に脆弱な部分が形成されることがなく、保管時、運搬時などの使用時以外での破断の危険性が低い。
【0037】
さらに、この操作部を薬剤混合後の薬液に対して識別可能な色に形成すれば、薬液と容易に識別できるとともに、薬液面に操作部が浮上するため薬液残量の確認も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例の輸液用容器の正面図である。
【図2】図2は、図1の輸液用容器の薬剤容器付近の拡大断面図である。
【図3】図3は、図1の輸液用容器の流通規制部を破断した状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 輸液用容器
2 軟質バッグ
3 薬剤容器
4 流通規制部
31 薬剤収納部
41 破断可能部
43 操作部

Claims (4)

  1. 薬液が収納された軟質バッグと、該軟質バッグに固定された薬剤容器とからなる輸液用容器であって、
    前記薬剤容器は、中空の薬剤収納部形成部と、該薬剤収納部形成部の一端を閉塞する流通規制部と、前記薬剤収納部形成部の他端開口部を閉塞する弾性体と、前記薬剤収納部形成部内に収納された薬剤とを備え、
    前記流通規制部は、前記軟質バッグの薬液収納部内に突出しており、かつ、前記流通規制部は、必要時に破断により前記薬剤収納部形成部を前記軟質バッグ内部の前記薬液収納部と連通可能とする破断可能部と、前記破断可能部の破断操作を行うための操作部とを備え、
    前記操作部は、中空に形成されており、かつ前記破断可能部に近い位置に設けられた内底面部を備え、さらに、前記流通規制部を破断し、前記軟質バッグに収容されている薬液に前記薬剤容器に収容されている薬剤が混合した薬剤混合後の薬液に対して識別可能な色に形成されており、かつ、前記破断可能部による破断後、前記流通規制部より分離し、前記薬剤混合後の薬液の液面に浮上し、前記液面を確認可能とするものであることを特徴とする輸液用容器。
  2. 前記操作部は、薬剤混合後の薬液の色と相違した色を有する材料により形成されている請求項1に記載の輸液用容器。
  3. 前記操作部は、側面に設けられた通液部を有している請求項1または2に記載の輸液用容器。
  4. 前記操作部は、前記内底面部となる部分に製造時の樹脂吐出ゲートを有するものである請求項1ないし3のいずれかに記載の輸液用容器。
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