JP4041303B2 - 輸液用容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内部において輸液などの薬液に薬剤の調製や配合を行うことができる輸液用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
患者に輸液を行うに先だって、輸液剤の入ったバイアル瓶や軟質バッグ等に、予め輸液剤に配合することが困難な薬剤、例えば、ビタミン剤、抗生物質等の薬剤を混合、溶解させ、薬液を調製することが行われている。そして、このような薬液の調製を無菌的に、また、簡単な操作で行うため、薬液が収納された軟質バッグに薬液と混合する薬剤を収納した薬剤容器を取り付け、輸液の際、薬剤容器に設けられた脆弱部を軟質バッグごしに折り曲げ破断することにより薬剤容器と軟質バッグを連通させ薬剤と薬液とを混合するようにした輸液用容器が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなタイプの輸液用容器においては、破断の際に、破断可能部の支点となる位置自体は変化しないので(回転の中心となる為)、理論上一方向の破断操作のみでは破断せず、当該支点をも完全に破断させる為には、当該方向と逆方向への破断(折り曲げ)操作が必要となる。また、何度も折り曲げ操作をした場合、軟質バッグの破断操作部との当接部分が破断操作により延ばされ、薄肉化するおそれがある。さらに、使用する際に重いバッグを持ちながら2方向で折る場合使い勝手が良くない。また、これらの問題点は、破断可能部の径が大きくなるにつれ、いっそう顕著になる。
そこで、本発明は、一方向の折り曲げ操作により確実に脆弱部を破断可能な薬剤容器を備える輸液用容器を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 薬液が収納された軟質バッグと、該軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された薬剤容器とを備える輸液用容器であって、前記薬剤容器は、前記薬剤が収納された中空の薬剤収納部と該薬剤収納部の先端側に形成され破断により前記薬剤収納部の内部の薬剤を排出可能とする破断可能部と該破断可能部より先端側に設けられ該破断可能部の破断操作を行うための操作部とを有する薬剤容器本体部と、先端及び基端が開口した筒状であり、先端が前記破断可能部より若干前記操作部側に位置し、前記破断可能部を被包し、かつ前記薬剤容器本体部の基端側に延び、前記破断可能部の外的衝撃に対する保護ならびに前記操作部による破断操作を補助するための筒状部とを備え、前記筒状部は、該筒状部の先端開口内面と前記操作部との間に若干の隙間を備え両者は接触していないものとなっており、かつ、前記破断可能部は、前記操作部の破断操作により該破断可能部のある点を支点として破断操作が開始され該支点と向かい合う部分より破断が開始し、かつ、破断可能部の破断の進行により、前記操作部と前記筒状部の接点が第二の支点となり破断操作が進行することにより、前記操作部は前記破断可能部において前記薬剤容器本体より分離されるものとなっているものである輸液用容器。
【0005】
(2) 前記筒状部の先端開口内面は、先端側に向かって縮径している(1)に記載の輸液用容器。
(3) 前記筒状部の先端側部分は、破断操作の際変形しにくいように他の部分より肉厚に形成されている(1)または(2)に記載の輸液用容器。
(4) 前記破断が開始される破断可能部付近の操作部は、操作部の破断操作中に前記筒状部と実質的に接触しないものとなっている上記(3)に記載の輸液用容器。
(5) 前記筒状部は、先端が前記破断可能部より若干前記操作部側に位置し、かつ前記薬剤収納部をほぼ被包するものである上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の輸液用容器。
(6) 前記筒状部の内面は、前記薬剤容器本体部の前記薬剤収納部の外面と、ほぼ全体に渡って近接もしくは接触している上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の輸液用容器。
(7) 前記破断可能部は、前記薬剤収納部もしくは前記薬剤収納部と前記操作部の境界部に設けられた脆弱部である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の輸液用容器。
【0006】
(8) 前記脆弱部は、前記薬剤収納部の外面に形成された環状溝形成部である上記(7)に記載の輸液用容器。
(9) 前記環状溝形成部は、断面V字状となっている上記(8)に記載の輸液用容器。
(10) 前記環状溝形成部の操作部側の縁部は、面取り加工されている上記(8)または(9)に記載の輸液用容器。
(11) 前記輸液用容器は、前記軟質バッグ内の前記薬液もしくは前記薬液と前記薬剤の混合溶液を排出するための排出ポートを備えている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の輸液用容器。
(12) 前記薬剤容器は、前記軟質バッグ内の前記薬液もしくは前記薬液と前記薬剤の混合溶液を排出するための排出ポートとなっている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の輸液用容器。
(13) 前記薬剤容器は、前記筒状部を介して前記軟質バッグに取り付けられている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の輸液用容器。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例である輸液用容器の正面図、図2は、図1の輸液用容器に使用される薬剤容器の正面図、図3は、図2の薬剤容器の側面図、図4は、図2の薬剤容器の断面図、図5は、図2の薬剤容器に使用される薬剤容器本体部の正面図、図6は、図5の薬剤容器本体部の側面図、図7は、図5の薬剤容器本体部の断面図、図8は、図7の薬剤容器本体部の破断可能部付近の拡大図、図9は、図5の薬剤容器本体部の底面図、図10は、図5の薬剤容器本体部から蓋部を取り除いた状態の平面図(薬剤は図示せず)、図11は、図5の薬剤容器本体部を構成する蓋部の平面図、図12は、図11の蓋部の底面図、図13は、図11の蓋部の側面図、図14は、図11の蓋部の断面図、図15は、図2の薬剤容器に使用される筒状部の正面図、図16は、図15の筒状部の断面図である。
【0009】
本発明の輸液用容器1は、薬液9が収納された軟質バッグ2と、軟質バッグ2に取り付けられ薬液9と混合するための薬剤11が収納された薬剤容器3を備える。そして、薬剤容器3は、薬剤11が収納された中空の薬剤収納部30と薬剤収納部30の先端側に形成され破断により薬剤収納部30の内部の薬剤11を排出可能とする破断可能部33と破断可能部33より先端側に設けられ破断可能部33の破断操作を行うための操作部34とを有する薬剤容器本体部5と、先端及び基端が開口した筒状であり、先端が破断可能部33より若干操作部34側に位置し、かつ破断可能部33付近を被包し、破断可能部33の外的衝撃に対する保護ならびに操作部34による破断操作を補助するための筒状部6とを備えている。
【0010】
また、本発明の輸液用容器1は、薬液9が収納された軟質バッグ2と、軟質バッグ2に取り付けられ薬液9と混合するための薬剤11が収納された薬剤容器3を備えている。そして、薬剤容器3は、薬剤11が収納された中空の薬剤収納部30と薬剤収納部30の先端側に形成され破断により薬剤収納部30の内部の薬剤11を排出可能とする破断可能部33と破断可能部33より先端側に設けられ破断可能部33の破断操作を行うための操作部34とを有する薬剤容器本体部5と、先端及び基端が開口した筒状であり、先端が破断可能部33より若干操作部34側に位置し、破断操作による操作部34の薬剤容器本体部5からの分離を補助するための筒状部6とを備えている。
また、輸液用容器1は、軟質バッグ2内の薬液9もしくは薬液9と薬剤11の混合溶液を排出するための排出ポート4を備えている。
【0011】
輸液用容器1は、図1に示すように、軟質バッグ2と、薬剤容器3と、排出ポート4を備えている。
軟質バッグ2は、ある程度の耐熱性のある軟質合成樹脂、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物等、ポリオレフィンを含む混合物)、さらにはこれらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合のようなスチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)により袋状に形成されたもの、さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ナイロンのようなポリアミドといった硬質素材の樹脂層と上述した軟質素材(例えば、ポリエチレン)の樹脂層からなる多層構造シートが使用される。これらの軟質樹脂により成形されることにより、軟質バッグ2の外部から、薬液収納部10と薬剤収納部30とを連通させる操作を容易に行うことができる。
【0012】
好ましい軟質樹脂材料として、軟質ポリ塩化ビニルが挙げられる。この軟質ポリ塩化ビニルは、オートクレーブ滅菌の高温に耐え得る耐熱性を有し、しかも柔軟性に富むため取扱性に優れる。さらに、軟質バッグ2への成形、加工や薬剤容器3の融着による固着が容易で製造コストの低減も図れるという利点がある。また、軟質バッグ2の好適な構成材料として、ポリプロピレンにスチレン−ブタジエン共重合体をブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、耐水性、耐熱性、柔軟性、加工性に優れる点で好ましい。軟質バッグ2を構成するシート材の厚さは、特に限定されず、例えば軟質ポリ塩化ビニル製シート材の場合、20〜500μm程度であるのが好ましい。また、軟質バッグ2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成形したチューブを用いることが望ましい。
【0013】
軟質バッグ2は、上記樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに周縁部を融着して形成したもの、上記樹脂を用いて押し出し成形により筒状に形成したものの開口周縁を融着することにより作製したものなどのいずれでもよい。
この軟質バッグ2の内部には、薬液収納部10が形成され、輸液剤(薬液9)が収容されている。輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0014】
また、図1に示すように、軟質バッグ2の上端側及び下端側には、上端側シール部23a、下端側シール部23bが設けられ、シール部23aには、ハンガー等に吊り下げるための孔(吊り下げ部)25が設けられている。また、軟質バッグ2は、シール部分23aの端部寄りの位置に薬剤容器3を固定するための薬剤容器固定部27(非シール部分)を備え、シール部分23bの中央部分には排出ポート4を固定するための排出ポート固定部28(非シール部分)を備えている。さらに、薬液の品質保持のために、軟質バッグ2に酸素バリア性や遮光性等を付与するためにアルミ箔等のフィルムを積層してもよい。また、酸素バリア性付与のために、軟質バッグ2の表面に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる蒸着膜等の薄膜を形成してもよい。これら酸化物被膜は透明であるため、軟質バッグ2の透明性を維持することができ、薬液収納部10と薬剤収納部30とを連通させる操作を行った際の連通状態の確認や、輸液剤(薬液)と薬剤との混合・溶解状態等が視認し易くなるため好適である。
【0015】
薬剤容器3は、図2に示すように、薬剤容器本体部5と、筒状部6からなる。薬剤容器3は、図1に示すように、軟質バッグ2と薬剤容器3間に配置された薬剤容器接合用部材51により、軟質バッグ2に液密に固着されている。薬剤容器3は、操作部34が薬液収納部10内に突出するように軟質バッグ2に固定されている。なお、薬剤容器3は、軟質バッグ2を構成するシート材間に直接挟持され、融着固定されていてもよい。また、薬剤容器3は、筒状部6を介して軟質バッグ2に取り付けられていることが好ましい。具体的に、薬剤容器3の筒状部6は、超音波融着、高周波融着、熱融着等により軟質バッグ2の薬剤容器固定部27に液密に取り付けられている。このように筒状部6を介して薬剤容器3を取り付けることにより、融着の際に発生する熱等のエネルギーの影響が薬剤収納部30内の薬剤11に及ぶことを防止することができる。
【0016】
薬剤容器本体部5は、薬剤収納部30と、破断可能部33と、操作部34と、蓋部35からなる薬剤を収納可能な容器体である。
薬剤収納部30は、図5,図6,図7に示すように、先端(図7に示す下側)が操作部34の基端部により閉塞された筒状本体部31と、筒状本体部31内に薬剤11を収納した後、筒状本体部31の基端開口を密封する蓋部35からなる。
薬剤収納部30の先端内面(操作部34の基端部)は円錐状に形成されている。なお、先端内面の形状としては、円錐状に限られず、ドーム状、略半球状、円錐台形状等であってもよい。筒状本体部31は、先端から基端部付近まで徐々に拡径する拡径部31aと、拡径部31aの基端側に設けられ同一内径の円筒部31bと、円筒部31bの基端部に設けられたフランジ部36からなる。
【0017】
拡径部31aのテーパーは、中心軸に対してある程度大きな角度に作製されていることが好ましい。具体的に、拡径部31aは、直径/長さ比が、最大径部で3/8以上1/1以下かつ最小径部で1/5以上3/8以下に作製されていることが好ましい。また、薬剤収納部30の先端内径(破断部分の内径)の内径は、ある程度大きく作製されていることが好ましい。具体的に内径は、5〜15mmであることが好ましい。また、薬剤収納部容積は、1〜30mlであることが好ましい。また、薬剤収納部の長さは、20〜70mmであることが好ましい。このように、薬剤収納部が先端から基端に向かって拡径する拡径部を備え、また、破断部分の内径がある程度大きく作製されることにより、薬剤及び/又は薬液との混合溶液が薬剤収納部内に残留することを防止することができる。また、フランジ部36の基端側は、凹部状に作製され蓋部35を取り付ける蓋部取付部37となっている。
【0018】
蓋部35は、図11,図12に示すように円盤状に作製され、底面側に筒状本体部31の円筒部31bの基端開口内面と近接するように形成された円筒部39を備えている。蓋部35の円盤状部分の外径は、凹部状に形成された蓋部取付部37の内径とほぼ同じ大きさに作製されている。また、蓋部35底面の円筒部39の外周となる位置には、蓋部取付部37に融着する際のとけしろとなる断面半楕円形、断面半円形、断面三角形等の環状凸部42が設けられている。このような構成により、薬剤収納部30に薬剤11を収納した後、蓋部35を蓋部取付部37に対して、超音波融着、高周波融着、熱融着等により固定すれば、薬剤収納部30を確実に密封することができる。
なお、本発明の実施例では図示しないが、薬剤収納部の基端部に蓋部の少なくとも一部に針管等を刺通可能な弾性部材を取り付け、薬剤容器から薬剤及び/又は薬液の混合溶液を排出可能、すなわち排出ポートと兼用してもよい。
【0019】
薬剤収納部30内に収納される薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。また、薬剤容器3の薬剤収納部30内は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。このように、薬剤収納部30が減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上するとともに、破断可能部33の破断時に、輸液剤(薬液9)を吸引し、より迅速に薬剤収納部30へ導入することができる。
【0020】
破断可能部33は、薬剤収納部30もしくは薬剤収納部30と操作部34の境界部に設けられた薄肉脆弱部である。実施例において、薄肉脆弱部(破断可能部)は、薬剤収納部30の先端部(拡径部31aの先端部)の外面に形成された環状溝形成部である。このため、操作部34をバッグの外から折り曲げると、破断可能部33が切断され、薬剤収納部30から操作部34が分離する。また、溝形成部は、断面がV字状となっている。具体的には、30〜90°、特に、40〜50°であることが好ましい。このような角度に溝形成部を作製することにより、操作部34を折り曲げた際、破断可能部の中心に応力が集中して確実に破断するものとなる。また、溝形成部は、破断容易な形状であればいかなる形状のものであってもよく、実施例のようなV字形状に限られず半円形状、半楕円形状等であってもよい。また、溝形成部の肉厚を溝形成部付近の肉厚より相対的に薄く作製することにより破断容易としてもよい。また、破断可能部を他の部分より脆弱な材料により作製してもよい。具体的には、多色成形によって、破断可能部付近のみ容易に破断可能な材料で環状に作製して、その他の部分を破断容易でない材料にて作製することが好ましい。また、本発明の実施例では、溝形成部は環状溝形成部であり薬剤収納部の外周面全周に連続して設けられているが、これに限られず断続的に設けられていてもよい。
【0021】
また、図8に示すように、環状溝形成部38の操作部34側の縁部41は、面取り加工されている。具体的に、先端側外側面縁部41は、丸みを帯びるように作製されている。このため、切断分離された操作部34により、特に破断操作時に、薬液収納部10内面が傷付けられることがない。また、破断操作時に操作部34のエッヂが筒状部に接触することに起因する破片の発生、操作時の引っ掛かりを防止することができる。なお、面取り形状としては、上述した形状に限られない。
操作部34は、板状本体部34aと、板状本体部34aの両面に軸方向に沿って板状本体部34aと垂直に複数形成された補強部34bを備えている。補強部34bは、破断操作する際担持される担持部となり、基端から先端に向かって縮径している。また、補強部34bを有することにより操作部34は折り曲げ方向に変形しにくいものとなり、破断操作の際加えられた力は確実に破断可能部に集中する。
【0022】
筒状部6は、先端及び基端が開口した筒状であり、先端が破断可能部33より若干操作部34側に位置し、かつ破断可能部33付近を被包し、筒状部6は、破断可能部33の外的衝撃に対する保護ならびに操作部34による破断操作を補助するものとなっている。
このような構成により、破断可能部33は、図25、図26,図27,図28に示すように、操作部34の破断操作により破断可能部33のある点を支点33aとして破断操作が開始され、この支点33aと向かい合う部分33bより破断が開始する。そして、破断可能部33の破断の進行により、操作部34と筒状部6の接点が第二の支点40となって、支点33aに応力がかかることにより、さらに破断操作が進行し、操作部34は破断可能部33において薬剤容器本体5より分離される。具体的に、筒状部6の先端は、溝形成部38の先端側側縁部41から0〜5mm先端側に位置していることが好ましい。
【0023】
筒状部6は、図15,図16に示すように基端部に設けられた同一内径の第1の円筒部60aと、円筒部60aの先端側に設けられたテーパー状に縮径する第1のテーパー部60bと、第1のテーパー部60bの先端側に設けられ同一内径の第2の円筒部60cと、円筒部60cの先端側に設けられた縮径部60dと、第1の円筒部60aの基端に設けられたフランジ部61からなる。また、筒状部6の先端側部分(第2の円筒部60cと縮径部60d)は、破断操作の際変形しにくいように他の部分より肉厚に形成されている。フランジ部61の基端側面には、フランジ部36の先端側面と超音波融着、高周波融着、熱融着する際に使用されるとけしろとなる断面半円形、断面半楕円形、断面三角形等の環状凸部62が設けられている。
【0024】
また、筒状部6は、先端が破断可能部33より若干操作部34側に位置し、かつ薬剤収納部30をほぼ被包していることが好ましい。具体的には、筒状部6の内面は、薬剤容器本体部5の薬剤収納部30の外面と、ほぼ全体に渡って近接もしくは接触していることが好ましい。これにより、薬剤収納部30は、筒状部6内でしなることがないため(曲がらないため)、操作部34を折り曲げることにより加えられた力が確実に破断可能部33に集中する。
また、筒状部6内で薬剤収納部30がしならないものであれば、筒状部6の内面と薬剤収納部30の外面とがほぼ全体に渡って近接もしくは接触していなくてもよい。
【0025】
また、破断を開始する破断可能部33付近の操作部34は、操作部34の破断操作中に筒状部6の先端開口部内面(縮径部60d内面)と破断可能部33の支点33aと向かい合う部分33b側の操作部34とが、実質的に接触しないものであることが好ましい。実施例では、破断可能部33の操作部34側と筒状部先端開口内面(縮径部60d内面)との間に若干隙間ができるように形成されているため接触しないものとなっている。
また、薬剤容器本体部5と筒状部6は、薬剤容器本体部5のフランジ部36の先端側面と筒状部6のフランジ部61の基端側面を、超音波融着、熱融着、高周波融着等することにより液密に接合されている。
【0026】
薬剤容器本体部5、筒状部6の構成材料としては、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン(具体的には、ZEONEX(日本ゼオン株式会社製)、APEL(三井化学株式会社製)、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組み合わせたものが挙げられる。これらの中でも、安全性が高く、軟質バッグ2との密着性に優れるという点で、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルが好ましい。
【0027】
排出ポート4は、薬剤11及び/または薬液9を排出するための部分である。排出ポート4は、先端(図1に示す下側)及び基端(図1に示す上側)が開口した筒状部材と、筒状部材の先端側に先端開口(混合溶液排出口)を密封するように配置された弾性部材と、弾性部材を固定するキャップ(弾性部材支持部材)からなる。弾性部材は、針管を刺通可能なものであり、必要時に針管を刺通して、薬液収納部10内の混合溶液を輸液することができる。また、排出ポート4は、図1に示すように、軟質バッグ2と排出ポート4間に配置された排出ポート接合用部材52により、軟質バッグ2に液密に固着されている。なお、排出ポート4は、軟質バッグ2を構成するシート材間に直接挟持され、融着固定されていてもよい。また、排出ポート4の構成材料は、薬剤容器本体部5、筒状部6から選択でき同一の材料である。
【0028】
次に、薬剤容器3の薬剤容器本体部5の製造方法について添付図面を参照して詳細に説明する。図17は、本発明の実施例である輸液用容器に使用される薬剤容器を構成する薬剤容器本体部の製造方法に使用される金型の説明図(薬剤容器本体部の側面から見た図)である。
金型70は、薬剤11が収納される中空の薬剤収納部30と薬剤収納部30の先端側に形成され破断により薬剤収納部30の内部に収納される薬剤11を排出可能とする破断可能部33と破断可能部33の先端側に設けられ破断可能部33の破断操作を行うための操作部34とを有する薬剤容器本体部5の形成用金型である。そして、金型70は、薬剤容器本体部5の外面形状を形成するための外部金型71と、外部金型71内に挿入され薬剤容器3の内部形状を形成するためのコアピン72とを備える。そして、コアピン72の外部金型71内に侵入する先端面は、頂点がコアピン72の中心軸状に位置する急激に縮径する円錐状先端面となっており、さらに、コアピン72の中心軸のほぼ延長線上となる位置に溶融樹脂注入ゲート73を備えている薬剤容器本体部5の形成用金型である。
【0029】
外部金型71は、内部形状が薬剤容器本体部5の外面形状を形成している。外部金型71は、操作部34及び破断可能部33の先端側部分の外面形状を形成する第1部分71aと、第1部分71aの下側に位置し破断可能部33付近の外面形状を形成する第2部分71bと、第2部分の下側に位置し筒状本体部31及びフランジ部36の外面形状を形成する第3部分71cからなる。また、外部金型71の先端部中央(コアピン72のほぼ延長線上となる位置)には溶融樹脂注入ゲート73が設けられている。
【0030】
コアピン72は、円錐状先端面が破断可能部付近となるように外部金型71内に挿入されている。コアピン72は、外部形状が薬剤容器本体部5の内面形状を形成している。具体的に、コアピン72の円錐状先端面付近は第2部分71bとともに破断可能部33を形成する部分となっている。なお、コアピンの先端面の形状としては、円錐状に限られず、ドーム状、略半球状、円錐台形状等であってもよい。また、コアピン72の先端又は基端部を除く部分は基端側に向かって拡径するテーパー状部分と、それに連続する円筒部分とで形成され、第2部分71bの下端側部分及び第3部分71cとともに拡径部31a及び円筒部31bを形成する部分となっている。また、コアピン72の基端部分は、第3の外部金型71cのフランジ形状部分とともにフランジ部36を形成する部分となっている。また、コアピン72の基端部は、コアピン72と一体に作製されたコアピン支持部となっている。
【0031】
樹脂圧のコアピンへの影響をうけにくくしてコアピンの左右の傾きを防止するため、コアピンのテーパー状部分のコアピンの中心軸に対する傾きをある程度大きく、また、コアピンの先端直径をある程度大きく、また、コアピンのテーパー状部分の長さをある程度短く作製することが好ましい。
具体的には、コアピン72は、少なくとも薬剤収納部30の後端部を形成する部分を除く部分は、先端面に向かって縮径するテーパー状となっており、コアピン72は、テーパー状部分の直径/長さ比が最大径部で3/8以上1/1以下かつ最小径部で1/5以上3/8以下であり、かつ、コアピンのテーパー部の長さは20〜50mmであり、かつ、前記コアピンの先端の直径が5〜15mmであることが好ましい。
【0032】
また、薬剤容器本体部の形成用金型により形成される薬剤容器本体部の前記薬剤収納部の容積は1〜50mlであり、かつ、薬剤収納部の長さが5〜50mmであってもよい。
以上のようにコアピン及び外部金型を構成することにより、溶融樹脂注入ゲート73から薬剤容器本体部5形成空間に溶融樹脂を充填して冷却することにより形成空間内部に薬剤容器本体部5が作製される。作製された薬剤容器本体部5は、コアピン72を取り外して金型内から取り出される。
【0033】
次に、本発明の他の実施例である輸液用容器について添付図面を参照して詳細に説明する。
輸液用容器20は、図18に示すように、軟質バッグ2と、薬剤容器21と、排出ポート4を備えている。上述した輸液用容器1との相違点は、薬剤容器21のみである。軟質バッグ2、排出ポート4については、上述したものと同様であるため説明を省略する。
薬剤容器21は、図18,図19に示すように、薬剤容器本体部50と、筒状部90からなる。薬剤容器21は、図18に示すように、軟質バッグ2と薬剤容器21間に配置された薬剤容器接合用部材51により、軟質バッグ2に液密に固着されている。薬剤容器21は、操作部34が薬液収納部内10内に突出するように軟質バッグ2に固定されている。なお、薬剤容器21は、軟質バッグ2を構成するシート材間に直接挟持され、融着固定されていてもよい。
【0034】
薬剤容器本体部50は、薬剤収納部80と破断可能部33と操作部34と蓋部35からなる薬剤を収納可能な容器体である。
薬剤収納部80は、図21,図22に示すように、先端(図22に示す下側)が操作部34の基端部により閉塞された筒状本体部81と、筒状本体部81内に薬剤11を収納した後、筒状本体部81の基端開口を密封する蓋部35からなる。
薬剤収納部80は、薬剤を収容するのに十分な容積を有している。なお、蓋部35は上述したものと同様である。薬剤収納部80の先端内面は(操作部34の基端部)は円錐面状に形成されている。なお、先端内面の形状としては、円錐状に限られず、ドーム状、略半球状、円錐台形状等であってもよい。
【0035】
筒状本体部81は、図21,図22に示すように、筒状部90により被包される先端側小径部82と、小径部82の基端側に設けられ、小径部より大径かつ基端に向かってテーパー状に拡径する拡径部83と、拡径部83の基端側に設けられ同一内径の円筒部84と円筒部84の基端部に設けられたフランジ部86からなる。なお、拡径部83のテーパーは、中心軸に対してある程度大きな角度に作製されていることが好ましい。具体的に、5〜45°であることが好ましい。また、薬剤収納部(筒状本体部81)80の先端部(小径部82内径の先端)の内径は、ある程度大きく作製されていることが好ましい。具体的に薬剤収納部の先端内径(破断部分の内径)は、5〜15mmであることが好ましい。このように、薬剤収納部80が、先端から基端に向かって拡径する拡径部を備え、また、薬剤収納部80の先端開口内径をある程度大きく作製することにより、薬剤11と薬液9との混合液が薬剤収納部内に残留することを防止することができる。
【0036】
また、薬剤収納部80と筒状部90は、筒状部90を薬剤収納部80の破断可能部付近に固定する係合機構を有している。実施例では、小径部82の外周面に凸部85が設けられ、筒状部90の内周面に凹部95が設けられ両者の嵌合により、筒状部90が薬剤収納部80の破断可能部付近に固定されている。凸部85は、小径部外周面上に中心軸に対して等角度となるように4つ設けられている。凹部95も、凸部85に対応する位置に4つ設けられている。また、係合機構としては、薬剤収納部80に凹部が、筒状部材90に凸部を有するものであってもよい。また、係合機構としては、薬剤収納部80もしくは筒状部90の、一方に環状凸部が設けられ、他方に環状凹部が設けられていてもよい。
また、拡径部83及び円筒部84の肉厚は、折り曲げ操作中に曲がらないように肉厚に作製されていることが好ましい。肉厚としては、径の大きさにもよるが、0.5〜2.0mmであることが好ましい。
【0037】
フランジ部86の基端側は凹部状に作製され蓋部35を取り付ける蓋部取付部87となっている。このような構成により、薬剤収納部80に薬剤11を収納した後、蓋部35を蓋部取付部87に対して高周波融着、熱融着等により取り付ければ、薬剤収納部80を確実に密封することができる。薬剤収納部80内に収納される薬剤としては、上述したものが使用される。
また、薬剤収納部80内は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上するとともに、破断可能部33の破断時に、薬液9が薬剤収納部80内に吸引され、迅速に薬剤収納部80に導入することができる。
なお、本発明の実施例では図示しないが、薬剤収納部80の基端部に蓋部の代わりに針管等を刺通可能な弾性部材を取り付け、薬剤容器21から薬剤11と薬液9の混合溶液を排出可能としてもよい。
【0038】
破断可能部33は、薬剤収納部80の場合と同様である。破断可能部33は、薬剤収納部80もしくは薬剤収納部80と操作部34の境界部に設けられた薄肉脆弱部である。実施例において、薄肉脆弱部(破断可能部)は、薬剤収納部80の先端部(筒状本体部81の先端部)の外面に形成された環状溝形成部である。このため、操作部34をバッグの外から折り曲げることにより、破断可能部33が切断されて薬剤収納部80から操作部34が分離する。また、溝形成部は、断面がV字状となっている。具体的には、30〜90°であることが好ましい。このような角度に溝形成部を作製することにより、操作部34を折り曲げた際、破断可能部33の中心に応力が集中して確実に破断される。また、溝形成部は、破断容易な形状であればいかなる形状のものであってもよく、実施例のようなV字形状に限られず半円形状、半楕円形状等であってもよい。また、溝形成部の肉厚を溝形成部付近の肉厚より相対的に薄く作製することにより破断容易としてもよい。また、破断可能部33を他の部分より脆弱な材料により作製してもよい。具体的には、多色成形によって、破断可能部付近のみ容易に破断可能な材料で環状に作製して、その他の部分を破断容易でない材料にて作製することが好ましい。
また、本発明の実施例では、溝形成部は環状溝形成部であり薬剤収納部80の外周面全周に連続して設けられているが、これに限られず断続的に設けられていてもよい。
【0039】
また、図8に示すように、環状溝形成部38の操作部側の縁部41は、面取り加工されている。具体的に先端側外側面縁部41は、丸みを帯びるように作製されている。このため、破断操作により薬剤収納部80内部に切断分離された操作部34によって薬液収納部10内面(シート内面)が傷つけられることがない。また、破断操作時に操作部34のエッヂが筒状部90に接触することに起因する破片の発生、操作時の引っ掛かりを防止することができる。なお、面取り形状としては、上述した形状に限られない。
操作部34は、板状本体部34aと、板状本体部34aの両面に軸方向に沿って板状本体部34aと垂直に複数形成された補強部34bを備えている。補強部34bは、破断操作する際担持される担持部となり、基端から先端に向かって縮径している。また、補強部34bを有することにより操作部34は折り曲げ方向に変形しにくいものとなり、破断操作の際加えられた力は確実に破断可能部33に集中することとなる。
【0040】
筒状部90は、先端及び基端が開口した筒状であり、先端が破断可能部33より若干操作部34側に位置し、かつ破断可能部33付近を被包し、破断可能部33の外的衝撃に対する保護ならびに破断操作による操作部34の薬剤容器本体部50からの離脱を補助する。
このような構成により、破断可能部33は、図25,図26,図27,図28に示すように、操作部34の破断操作により破断可能部33のある点を支点33aとして破断操作が開始され支点33aと向かい合う部分33bより破断が開始する。そして、破断可能部33の破断の進行により、操作部34と筒状部90の接点が第二の支点40となって支点33aに応力がかかることになり、さらに破断操作が進行し、操作部34は破断可能部33において薬剤容器本体50より分離される。具体的に、筒状部90の先端は、溝形成部38の先端側側縁部41から0〜5mm先端側に位置していることが好ましい。
【0041】
筒状部90は、ほぼ同一内径の円筒状に作製されている。また、筒状部90の内径は、小径部82の外径より若干大きく作製され、内部形状は小径部82の外部形状に対応する形状となっている。
また、筒状部90の外部形状は、小径部82を被包した状態で、拡径部83の延長線上となるように形成されている。また、筒状部90の基端部形状は、拡径部83の先端側縮径部に対応した形状となっている。このように、筒状部90を形成することにより、薬剤収納部側破断面が露出し、軟質バッグ2内が傷つくことを防止できる。
【0042】
また、筒状部90の内面は、薬剤容器本体部50の薬剤収納部80の外面と、ほぼ全体に渡って近接もしくは接触していることが好ましい。これにより、薬剤収納部80は、筒状部90でしなら(曲がら)ないため、操作部34を折り曲げることにより加えられた力が確実に破断可能部33に集中する。
また、破断を開始する破断可能部33付近の操作部34は、操作部34の破断操作中に筒状部90の先端開口部内面と実質的に接触しないものであることが好ましい。実施例では、破断可能部33の操作部側と筒状部先端開口内面との間に若干隙間ができるように形成されているため接触しないものとなっている。
筒状部90の先端開口内面と操作部34の内面との隙間は、破断操作中に先端開口内面と、破断可能部33と同じ側の操作部34が接触しない程度であることが好ましい。
【0043】
薬剤容器本体部50と筒状部90の構成材料としては、薬剤容器本体部5,筒状部6において説明したものが使用される。
次に、輸液用容器1(薬剤容器3)の使用方法について添付図面を参照して詳細に説明する。なお、輸液用容器20の使用方法も輸液用容器1の使用方法と同様である。図25は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断可能部破断前)、図26は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断中)、図27は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断中)、図28は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断後)である。
薬剤容器3の筒状部6を一方の手で固定して他方の手で軟質バッグ2ごしに操作部34を担持して下側に折り曲げるように操作する。破断操作の第1段階では、図25,図26に示すように、破断可能部33の折り曲げ方向側に位置する支点33aが第1の支点となり操作部34が時計回りに回転して破断可能部33の折り曲げ方向と反対側に位置する部分(支点33aと向かい合う部分)33bが切断される。
【0044】
そして、そのままさらに下側に折り曲げると、図27,図28に示すように、支点33aより若干先端側部分と筒状部6の先端開口との接触部分が第2の支点40となり、操作部34が時計回りに回転して下側(折り曲げ方向側)に位置する支点33aが切断される(破断操作第2段階)。これにより、操作部34が薬剤収納部30から完全に分離され薬液収納部10と薬剤収納部30が連通し、薬液9が薬剤収納部30に流入して薬剤11と混合される。さらに、薬剤11と薬液9を確実に混合するため、薬剤収納部30内部に薬液9が流入するように軟質バッグ2の薬液収納部10を押してもよい。なお、破断操作第1の段階から第2の段階において支点が移動しても、折り曲げ方向と反対側に位置する部分(支点33aと向かい合う部分)33bの縁部41は、筒状部6の縮径部60dの内面と接触しない。
以上のように、一度の折り曲げ操作により破断可能部33が完全に切断され薬剤収納部30が開封される。このため、従来の複数回の折り曲げ操作をした場合の、軟質バッグ2内面と操作部34が当接することによる軟質バッグのシートの薄肉化を防止することができる。
以上、本発明の薬剤容器3について説明してきたが、薬剤容器本体部5と筒状部6は上記に限られるものではない。
【0045】
【発明の効果】
本発明の輸液用容器は、薬液が収納された軟質バッグと、該軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された薬剤容器とを備える輸液用容器であって、前記薬剤容器は、前記薬剤が収納された中空の薬剤収納部と該薬剤収納部の先端側に形成され破断により前記薬剤収納部の内部の薬剤を排出可能とする破断可能部と該破断可能部より先端側に設けられ該破断可能部の破断操作を行うための操作部とを有する薬剤容器本体部と、先端及び基端が開口した筒状であり、先端が前記破断可能部より若干前記操作部側に位置し、かつ前記破断可能部付近を被包し、前記破断可能部の外的衝撃に対する保護ならびに前記操作部による破断操作を補助するための筒状部とを備えている。
このため、本発明の輸液用容器を構成する薬剤容器の破断可能部(脆弱部)は、一度の折り曲げ操作により破断される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例である輸液用容器の正面図である。
【図2】図2は、図1の輸液用容器に使用される薬剤容器の正面図である。
【図3】図3は、図2の薬剤容器の側面図である。
【図4】図4は、図2の薬剤容器の断面図である。
【図5】図5は、図2の薬剤容器に使用される薬剤容器本体部の正面図である。
【図6】図6は、図5の薬剤容器本体部の側面図である。
【図7】図7は、図5の薬剤容器本体部の断面図である。
【図8】図8は、図7の薬剤容器本体部の破断可能部付近の拡大図である。
【図9】図9は、図5の薬剤容器本体部の底面図である。
【図10】図10は、図5の薬剤容器本体部から蓋部を取り除いた状態の平面図である。
【図11】図11は、図5の薬剤容器本体部を構成する蓋部の平面図である。
【図12】図12は、図11の蓋部の底面図である。
【図13】図13は、図11の蓋部の側面図である。
【図14】図14は、図11の蓋部の断面図である。
【図15】図15は、図2の薬剤容器に使用される筒状部の正面図である。
【図16】図16は、図15の筒状部の断面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例である輸液用容器に使用される薬剤容器を構成する薬剤容器本体部の製造方法に使用される金型の説明図(薬剤容器本体部の側面から見た図)である。
【図18】 図18は、本発明の他の実施例である輸液用容器の正面図である。
【図19】図19は、図18の輸液用容器に使用される薬剤容器の正面図である。
【図20】図20は、図18の薬剤容器の断面図である。
【図21】図21は、図18の薬剤容器に使用される薬剤容器本体部の正面図である。
【図22】図22は、図21の薬剤容器本体部の断面図である。
【図23】図23は、図18の薬剤容器に使用される筒状部の正面図である。
【図24】図24は、図23の筒状部の断面図である。
【図25】図25は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断可能部破断前)である。
【図26】図26は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断中)である。
【図27】図27は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断中)である。
【図28】図28は、本発明の実施例である輸液用容器の使用方法を説明するための説明図(破断後)である。
【符号の説明】
1 輸液用容器
2 軟質バッグ
3 薬剤容器
4 薬液排出ポート
5 薬剤容器本体部
6 筒状部
9 薬液
10 薬液収納部
11 薬剤
20 輸液用容器
21 薬剤容器
30 薬剤収納部
33 破断可能部
34 操作部
50 薬剤容器本体部
80 薬剤収納部
90 筒状部
Claims (13)
- 薬液が収納された軟質バッグと、該軟質バッグに取り付けられ前記薬液と混合するための薬剤が収納された薬剤容器とを備える輸液用容器であって、前記薬剤容器は、前記薬剤が収納された中空の薬剤収納部と該薬剤収納部の先端側に形成され破断により前記薬剤収納部の内部の薬剤を排出可能とする破断可能部と該破断可能部より先端側に設けられ該破断可能部の破断操作を行うための操作部とを有する薬剤容器本体部と、先端及び基端が開口した筒状であり、先端が前記破断可能部より若干前記操作部側に位置し、前記破断可能部を被包し、かつ前記薬剤容器本体部の基端側に延び、前記破断可能部の外的衝撃に対する保護ならびに前記操作部による破断操作を補助するための筒状部とを備え、前記筒状部は、該筒状部の先端開口内面と前記操作部との間に若干の隙間を備え両者は接触していないものとなっており、かつ、前記破断可能部は、前記操作部の破断操作により該破断可能部のある点を支点として破断操作が開始され該支点と向かい合う部分より破断が開始し、かつ、破断可能部の破断の進行により、前記操作部と前記筒状部の接点が第二の支点となり破断操作が進行することにより、前記操作部は前記破断可能部において前記薬剤容器本体より分離されるものとなっていることを特徴とする輸液用容器。
- 前記筒状部の先端開口内面は、先端側に向かって縮径している請求項1に記載の輸液用容器。
- 前記筒状部の先端側部分は、破断操作の際変形しにくいように他の部分より肉厚に形成されている請求項1または2に記載の輸液用容器。
- 前記破断が開始される破断可能部付近の操作部は、操作部の破断操作中に前記筒状部と実質的に接触しないものとなっている請求項3に記載の輸液用容器。
- 前記筒状部は、先端が前記破断可能部より若干前記操作部側に位置し、かつ前記薬剤収納部をほぼ被包するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の輸液用容器。
- 前記筒状部の内面は、前記薬剤容器本体部の前記薬剤収納部の外面と、ほぼ全体に渡って近接もしくは接触している請求項1ないし5のいずれかに記載の輸液用容器。
- 前記破断可能部は、前記薬剤収納部もしくは前記薬剤収納部と前記操作部の境界部に設けられた脆弱部である請求項1ないし6のいずれかに記載の輸液用容器。
- 前記脆弱部は、前記薬剤収納部の外面に形成された環状溝形成部である請求項7に記載の輸液用容器。
- 前記環状溝形成部は、断面V字状となっている請求項8に記載の輸液用容器。
- 前記環状溝形成部の操作部側の縁部は、面取り加工されている請求項8または9に記載の輸液用容器。
- 前記輸液用容器は、前記軟質バッグ内の前記薬液もしくは前記薬液と前記薬剤の混合溶液を排出するための排出ポートを備えている請求項1ないし10のいずれかに記載の輸液用容器。
- 前記薬剤容器は、前記軟質バッグ内の前記薬液もしくは前記薬液と前記薬剤の混合溶液を排出するための排出ポートとなっている請求項1ないし11のいずれかに記載の輸液用容器。
- 前記薬剤容器は、前記筒状部を介して前記軟質バッグに取り付けられている請求項1ないし12のいずれかに記載の輸液用容器。
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