JP5053620B2 - 医療用複室容器の弱シール部の補強方法 - Google Patents
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Description
また、例えば、固形剤として供給される薬剤のなかには、抗生物質などのように、あらかじめ生理食塩水などの溶解液に溶解した状態で保存すれば、分解、変色などの変質を生じる薬剤がある。
しかし、近年の医療現場では、医療従事者の負担が過大であるため、医療従事者が、複室容器の収容部間の連通処理を忘れる場合があり、複室容器に収容されている複数の薬剤の一部のみが誤って患者に投与されたり、複数の薬剤が完全に混合されていない状態で患者に投与されるといった医療事故を生じるおそれがある。
特許文献1には、複数の収納部と、該収納部を仕切る仕切り用弱シール部と、前記収納部に接続された薬剤排出口と、少なくとも1つの前記収納部と前記薬剤排出口との間を仕切る排出用弱シール部とを備え、前記複数の収納部の少なくとも1つに液状薬剤が収納され、前記仕切り用弱シール部及び排出用弱シール部は前記収納部内の圧力を高めることにより開封するとともに、前記排出用弱シール部を開封するために必要な圧力が、前記仕切り用弱シール部を開封するために必要な圧力より大きいことを特徴とする医療用複室容器が提案されている。この医療用複室容器によれば、複室容器内の薬剤を薬剤排出口から排出するために、一旦、仕切り用弱シール部により仕切られた複数の収納部に収容されている薬剤を混合し、その後に、排出用弱シール部を開封するという手順を要することから、複室容器からの排出前に、複数の収納部に収容されている薬剤を確実に混合することができる。
本発明の目的は、簡易な処理により医療用複室容器の弱シール部を補強する方法を提供することにある。
薬剤を収容するための第1収容部と、前記第1収容部と隣接配置される、薬液を収容するための第2収容部と、前記第1収容部に対し、前記第2収容部の反対側に隣接配置される空収容部と、前記第2収容部から前記第1収容部を通過して前記空収容部へと向かう薬液の排出方向と交差する幅方向で互いに間隔を隔てて配置され、各前記収容部の両側端部を形成する一対の側方強シール部と、各前記側方強シール部の間に架設され、前記第1収容部と前記第2収容部との間の隔壁を形成し、前記第2収容部内の圧力が高くなると開封される薬液側弱シール部と、各前記側方強シール部の間に架設され、前記第1収容部と前記空収容部との間の隔壁を形成し、前記第1収容部内の圧力が高くなると開封される排出側弱シール部と、を備え、かつ、各前記収容部が、各前記シール部によりシールされ、互いに重ね合わされる表面側フィルムおよび裏面側フィルムを備えている医療用複室容器を作製する複室容器作製工程と、
前記第1収容部の前記表面側フィルムおよび前記裏面側フィルムの少なくともいずれか一方の表面を被覆するように、かつ、前記薬液側弱シール部、前記排出側弱シール部および一対の前記側方強シール部の表面に補強フィルムを貼り重ねる工程とを有し、
前記補強フィルムを貼り重ねる工程では、前記補強フィルムの下辺の前記排出方向上流側と前記排出側弱シール部との間に非接着部が設けられるように、前記下辺の前記排出方向下流側のみを前記排出側弱シール部に重ねることによって、前記排出側弱シール部における前記第1収容部との第1境界縁から前記排出方向下流側に間隔を隔てるように前記補強フィルムを接着することを特徴としている。
また、本発明の医療用複室容器の弱シール部の補強方法においては、前記補強フィルムを貼り重ねる工程は、前記補強フィルムの上辺の前記排出方向下流側と前記薬液側弱シール部との間に非接着部が設けられるように、前記上辺の前記排出方向上流側のみを前記薬液側弱シール部に重ねることによって、前記薬液側弱シール部における前記第1収容部との第2境界縁から前記排出方向上流側に間隔を隔てるように前記補強フィルムを接着する工程を含むことが好適である。
この場合、排出側弱シール部における薬液の排出方向への圧力に対する剥離強度を、より一層向上させることができる。
上記(i)の場合、排出側弱シール部における薬液の排出方向への圧力に対する剥離強度を向上させるという効果に加えて、第1収容部にガスバリア性を付与するという効果が得られることから、例えば、酸素との反応による酸化劣化、水蒸気の流入による分解・変質といった不具合が生じ易い薬剤および薬液を、第1収容部に安定して収容することができる。
本発明の医療用複室容器の弱シール部の補強方法においては、さらに、前記補強フィルムを、各前記側方強シール部において前記第1収容部との境界縁から前記幅方向外方に間隔を隔てるように接着することが好適である。
前述のように、第1収容部には、第1収容部に収容されている薬剤により、各シール部の厚み方向に膨らみが生じているが、補強フィルムを上記したように接着させることで、補強フィルムを第1収容部の表面においてより一層均一に被覆させることができ、排出側弱シール部と薬液側弱シール部との間および各側方強シール部間で、補強フィルムに対し均一に張力をかけることができる。しかも、このことにより、上記排出方向への圧力に対する排出側弱シール部の剥離強度を向上させる効果を、より一層確実に発揮させ、かつ、その効果を、排出側弱シール部の幅方向において均等に発揮させることができる。
本発明の医療用複室容器の弱シール部の補強方法において、医療用複室容器の前記排出側弱シール部は、前記排出側弱シール部の開封時に前記排出側弱シール部に作用する圧力によって、他の部分よりも容易に開封される易開封部分を備えていることが好ましい。
しかし、上記医療用複室容器は、排出側弱シール部に易開封部分を備えていることから、たとえ、収容部の領域が拡大されていたとしても、前記排出側弱シール部に作用する圧力によって、排出側弱シール部の確実な開封を実現することができる。
易開封部分を上記のとおり設計することで、排出側弱シール部に作用する圧力によって、排出側弱シール部の開封をより一層確実に実現することができる。
図1および図2を参照して、医療用複室容器10は、
薬剤を収容するための第1収容部11と、
第1収容部11と隣接配置される、薬液を収容するための第2収容部12と、
第1収容部11に対し、第2収容部12の反対側に隣接配置される空収容部13と、
第2収容部12から第1収容部11を通過して空収容部13へと向かう薬液の排出方向14と交差する幅方向15で互いに間隔を隔てて配置され、各収容部の両側端部を形成する一対の側方強シール部16と、
各側方強シール部16の間に架設され、第1収容部11と第2収容部12との間の隔壁を形成し、第2収容部12内の圧力が高くなると開封される薬液側弱シール部17と、
各側方強シール部16の間に架設され、第1収容部11と空収容部13との間の隔壁を形成し、第1収容部11内の圧力が高くなると開封される排出側弱シール部18と、
一対の側方強シール部16、薬液側弱シール部17および排出側弱シール部18に接着される、排出側弱シール部18を補強するための補強フィルム20と、
を備えており、かつ、
各収容部(すなわち、第1収容部11、第2収容部12および空収容部13)が、各シール部(すなわち、各側方強シール部16、薬液側弱シール部17および排出側弱シール部18)によりシールされ、互いに重ね合わされる表面側フィルム24および裏面側フィルム25を備えている。
なお、図2において、後述する排出ポート27は、断面ではなく、側面視の外観を示している。
まず、図3(a)を参照して、2枚の樹脂フィルムを重ね合わせ、その状態で、上記樹脂フィルムの周縁部分を熱シールすることにより、一対の側方強シール部16を含む周縁強シール部26を形成する。こうして、薬液側弱シール部17や排出側弱シール部18が形成されていない状態の容器10aが形成される。なお、こうして形成される容器10aの周縁強シール部26のうち、空収容部となる部分13aと連通する部分には、筒状に形成され、かつ、密栓される排出ポート27を、あらかじめ取り付けておく。
さらに、図3(c)を参照して、第1収容部となる部分11aに、密栓前の排出ポート27aから薬剤29を注入し、熱シールにより排出側弱シール部18を形成する。その後、排出ポート27を密栓して、複室容器が作製される(複室容器作製工程)。
この際、補強フィルム20は、排出側弱シール部18において、第1収容部11との第1境界縁19から排出方向14下流側に間隔を隔てるように接着され、薬液側弱シール部17において、第1収容部11との境界縁21から排出方向14上流側に間隔を隔てるように接着され、さらに、各側方強シール部16において、第1収容部11との境界縁22から幅方向15外方に間隔を隔てるように接着される。
再び、図1および図2を参照して、医療用複室容器10を形成するための樹脂フィルムには、第1収容部11に収容される薬剤や、第2収容部12に収容される薬液と、直接に接触することを考慮し、医薬的に薬剤との接触が許容されている樹脂材料からなるフィルムが用いられる。
他の樹脂フィルムとしては、例えば、ガスバリア性を有する樹脂フィルム(以下、「ガスバリア性フィルム」という。)、遮光性を有する樹脂フィルム(以下、「遮光性フィルム」という。)などが挙げられる。
無機酸化物の蒸着層を形成する無機酸化物としては、例えば、アルミナ(アルミニウム酸化物)、シリカ(ケイ素酸化物)、マグネシウム酸化物、チタン酸化物などが挙げられ、なかでも、フィルムの透明性を維持するという観点より、好ましくは、アルミナが挙げられる。
樹脂フィルムの厚みは、特に限定されないが、一般に、100〜300μmであって、この厚みは、医療用複室容器の使用目的、樹脂フィルムの機械的強度、柔軟性などに合わせて、適宜増減できる。なお、これに限定されないが、医療用複室容器が、例えば、内容量が500mL程度までの大きさの輸液バッグ、血液バッグ、経腸栄養用バッグ、流動食用バッグなどの用途に用いられる場合には、樹脂フィルムの厚みは、好ましくは、220μm以下であり、より好ましくは、160〜200μmである。
また、補強フィルム20は、上記の積層フィルムであってもよく、ガスバリア性フィルムや遮光性フィルムであってもよい。
ガスバリア性フィルムとしては、上記と同様のガスバリア性フィルムが挙げられる。また、酸素との反応による酸化劣化が生じ易い薬剤としては、例えば、アミノ酸、ビタミン類、脂肪酸などを、後述する固形剤として調製したもの、または、アミノ酸、ビタミン類、脂肪酸などを、溶解液に溶解し、薬液として調製したものなどが挙げられる。水蒸気の流入による薬剤の分解・変質といった不具合が生じ易い薬剤としては、例えば、抗生物質などが挙げられる。
遮光性フィルムとしては、上記と同様の遮光性フィルムが挙げられる。また、紫外線の吸収による変質が生じ易い薬剤としては、例えば、ビタミン類などを溶解液に溶解し、薬液として調製したものなどが挙げられる。
接着剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリウレタン樹脂などが挙げられ、具体的には、例えは、三井化学ポリウレタン(株)製のポリウレタン樹脂(商品名「タケラック(登録商標)」シリーズ、商品名「タケネート(登録商標)」シリーズ)などが挙げられる。
一方、薬液側弱シール部17と、排出側弱シール部18とは、そのシール強さが、側方強シール部16に比べて小さくなるように、弱く(具体的には、低温および/または短時間で)熱シールされている。
図1および図2(さらに、後述する図4〜図6)では、図示を省略しているが、第1収容部11には、薬剤29として、固形剤が収容されており、第2収容部12には、薬液28が収容されている(図3(c)参照)。
薬剤29としては、固形剤や薬液などが挙げられる。
固形剤としては、これに限定されないが、薬剤を構成する1または2以上の化合物を、例えば、常法に従い粉末状に調製したもの、例えば、常法に従い賦形し、細粒、顆粒、錠剤などの剤形に調製したもの、例えば、水その他の溶媒に溶解させた溶液を、常法により凍結乾燥し、凍結乾燥粉末などの形態に調製したもの、などが挙げられる。
一方、第2収容部12には、薬液28が収容される。第2収容部12に薬液を収容することで、第2収容部12を押圧することにより、第2収容部12内の圧力を高めることができ、さらに、薬液28による液圧を薬液側弱シール部17に負荷させ、薬液側弱シール部17を開封させることができる。
図1、図2、図3(a)〜図3(d)、図4および図5を参照して、補強フィルム20は、弱シール部の補強工程において、薬液側弱シール部17と、排出側弱シール部18と、一対の側方強シール部16との各シール部の表面に接着される。
また、図4および図5では、医療用複室容器10を形成する樹脂フィルム同士が接着され、排出側弱シール部18や薬液側弱シール部17を形成している部分について、太線で示しており、排出側弱シール部18の表面のうち、補強フィルム20が接着されている部分30や、薬液側弱シール部17の表面のうち、補強フィルム20が接着されている部分31についても、それぞれ太線で示している。
排出側弱シール部18は、補強フィルム20が図4に示すように接着されていることにより、第1収容部11がその外側から内側へと押圧されており、排出方向14に作用する圧力に対し、開封されにくくなっている。それゆえ、薬液側弱シール部17の開封につられて開封されることがなく、排出側弱シール部18の開封前に、第1収容部11に収容される薬剤と第2収容部12とに収容される薬液とを、十分に混合することができる。
薬液側弱シール部17は、薬液側強シール部17から第2収容部12側へと接着される補強フィルムが設けられていないため、薬液側弱シール部17に対し、排出方向14に作用する圧力については、補強効果が生じない。すなわち、第2収容部12を押圧して、薬液側弱シール部17に対し、排出方向14に作用させる圧力については、弱シール部本来の剥離強度が保たれている。
すなわち、上記医療用複室容器によれば、例えば、第2収容部12を押圧して、薬液側弱シール部17を開封した場合に、第1収容部11と第2収容部12とに収容されている薬剤が互いに十分に混合される前に、排出側弱シール部18が開封される、という事態の発生を防止することができる。
図6(a)および図6(b)を参照して、排出側弱シール部18は、排出側弱シール部18の開封時に、排出側弱シール部18に作用する圧力によって容易に開封される易開封部分32を備えている。
なお、図6(a)では、補強フィルム20のうち、排出側弱シール部18(または空収容部13)の表面に接着されている部分30に、ハッチングを付している。
図7を参照して、易開封部分32aは、図6(b)に示す場合と同様に、排出側弱シール部18が薬液側弱シール部17側に向かって突出する平面視略V字状に形成されている。この易開封部分32aは、排出側弱シール部18が排出方向14上流側に向かって突出する突出部33を備えており、かつ、突出部33のうち排出方向14上流側端部における空収容部13との第2境界縁34が、突出部33と隣接する排出側弱シール部18における第1収容部11との第1境界縁19よりも、排出方向14上流側に配置されている。
図8を参照して、易開封部分32bは、図6(b)に示す場合と同様に、排出側弱シール部18が排出方向14上流側に向かって突出する突出部33を備えており、かつ、突出部33のうち排出方向14上流側端部における空収容部13との第2境界縁34が、突出部33と隣接する排出側弱シール部18における第1収容部11との第1境界縁19よりも、排出方向14上流側に配置されている。この易開封部分32bは、排出側弱シール部18から薬液側弱シール部17側に向かって突出する平面視略U字状に形成されており、突出部33の頂部35bは、図6(b)に示す突出部33よりも緩やかな突起となっている。
このように、複数の易開封部分32を設けることで、排出側弱シール部18に排出方向14への圧力がかかったときに、排出側弱シール部18のより一層確実な開封を実現することができる。
医療用複室容器の製造に用いた材料は、下記のとおりである。
医療用複室容器10を形成するための樹脂フィルムには、ポリエチレンからなる2層の中間層と、ポリエチレンとポリプロピレンとの混合樹脂からなる外層および内層と、を有する、総厚み200μmの4層フィルムを用いた。
補強フィルム20には、ポリエチレン製の基材フィルムと、その一方側表面(外側表面)に形成されたアルミナ蒸着膜とを有する、総厚み200μmのガスバリア性フィルム、または、厚さ200μmのポリエチレンフィルムを用いた。
実施例1
実施例1として、下記の手順により、下記表1の実施例1の欄に示す医療用複室容器を製造した。
次に、複室容器の第1収容部11が補強フィルム20で覆われるように、排出側弱シール部18、薬液側弱シール部17および各側方強シール部16に、補強フィルム20を接着した。
表1に示すように、補強フィルム20は、排出側弱シール部18の表面において、排出側弱シール部18と第1収容部11との第1境界縁19から排出方向14下流側に、約3mmの間隔を隔てて接着した。すなわち、補強フィルム20の接着部分30のうち、排出方向14上流側の端縁38と、排出側弱シール部18と第1収容部11との第1境界縁19との間隔を約3mmとした。なお、補強フィルム20の接着部分30のうち、排出方向14下流側の端縁39については、排出側弱シール部18と空収容部13との第2境界縁34に合わせた。
補強フィルム20を、下記表1の比較例1の欄に示すように接着したこと以外は、実施例1と同様にして医療用複室容器を得た。
具体的に、補強フィルム20は、薬液側弱シール部17および各側方強シール部16の表面において、実施例1と同様に接着した。すなわち、薬液側弱シール部17の表面において、薬液側弱シール部17と第1収容部11との境界縁21から排出方向14上流側に、約5mmの間隔を隔てて接着し、かつ、各側方強シール部16の表面において、各側方強シール部16と第1収容部11との境界縁22から幅方向15外方に、約5mmの間隔を隔てて接着した。
補強フィルム20を、下記表1の比較例2の欄に示すように接着したこと以外は、実施例1と同様にして医療用複室容器を得た。
具体的に、補強フィルム20は、薬液側弱シール部17および各側方強シール部16の表面において、実施例1と同様に接着した。
補強フィルム20を、下記表2の比較例3の欄に示すように接着したこと以外は、実施例1と同様にして医療用複室容器を得た。
具体的に、補強フィルム20は、薬液側弱シール部17および各側方強シール部16の表面において、実施例1と同様に接着した。
比較例4
補強フィルム20を、下記表2の比較例4の欄に示すように接着したこと以外は、実施例1と同様にして医療用複室容器を得た。
一方、排出側弱シール部18の表面には、補強フィルム20を接着せず、第1収容部11の表面において、排出側弱シール部18と第1収容部11との第1境界縁19から、この第1境界縁19より排出方向14上流側に約5mmの間隔を隔てた位置(接着部分30の排出方向14上流側端縁38)までの間に接着した。なお、補強フィルム20の接着部分30の排出方向14下流側の端縁39は、第1境界縁19に一致している。
補強フィルム20を、下記表2の比較例5の欄に示すように接着したこと以外は、実施例1と同様にして医療用複室容器を得た。
具体的に、補強フィルム20は、薬液側弱シール部17と、各側方強シール部16とにおいて、実施例1と同様に接着した。
実施例1および比較例1〜5で作製された医療用複室容器を、平らなテーブル上に載置して、第2収容部12を手のひらで押圧することにより、薬液側弱シール部17を開封させ、第2収容部12と第1収容部11とを連通させた。次いで、連通した2つの収容部11,12を手のひらで押圧することにより、排出側弱シール部18を開封させ、2つの収容部11,12と、空収容部13とを連通させた。
◎:十分な補強効果が得られた
○:補強効果が認められた。
△:程度が小さいものの、補強効果が認められた。
×:補強効果が認められなかった。
一方、比較例5では、排出側弱シール部18の補強効果が認められず、比較例1、2および4では、補強効果が認められたものの、実用上不十分であった。
なお、上記発明は、本発明の例示の実施形態として提供したが、これは単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。上記発明の属する技術分野の当業者によって明らかな本発明の変形例は、後記特許請求の範囲に含まれるものである。
11 第1収容部
12 第2収容部
13 空収容部
14 排出方向
15 幅方向
16 側方強シール部
17 薬液側弱シール部
18 排出側弱シール部
19 第1境界縁
20 補強フィルム
21 境界縁
22 境界縁
23 厚み方向
24 表面側フィルム
25 裏面側フィルム
28 薬液
29 薬剤
30 補強フィルム20の接着部分
31 補強フィルム20の接着部分
32 易開封部分
33 突出部
34 第2境界縁
Claims (9)
- 薬剤を収容するための第1収容部と、前記第1収容部と隣接配置される、薬液を収容するための第2収容部と、前記第1収容部に対し、前記第2収容部の反対側に隣接配置される空収容部と、前記第2収容部から前記第1収容部を通過して前記空収容部へと向かう薬液の排出方向と交差する幅方向で互いに間隔を隔てて配置され、各前記収容部の両側端部を形成する一対の側方強シール部と、各前記側方強シール部の間に架設され、前記第1収容部と前記第2収容部との間の隔壁を形成し、前記第2収容部内の圧力が高くなると開封される薬液側弱シール部と、各前記側方強シール部の間に架設され、前記第1収容部と前記空収容部との間の隔壁を形成し、前記第1収容部内の圧力が高くなると開封される排出側弱シール部と、を備え、かつ、各前記収容部が、各前記シール部によりシールされ、互いに重ね合わされる表面側フィルムおよび裏面側フィルムを備えている医療用複室容器を作製する複室容器作製工程と、
前記第1収容部の前記表面側フィルムおよび前記裏面側フィルムの少なくともいずれか一方の表面を被覆するように、かつ、前記薬液側弱シール部、前記排出側弱シール部および一対の前記側方強シール部の表面に補強フィルムを貼り重ねる工程とを有し、
前記補強フィルムを貼り重ねる工程では、前記補強フィルムの下辺の前記排出方向上流側と前記排出側弱シール部との間に非接着部が設けられるように、前記下辺の前記排出方向下流側のみを前記排出側弱シール部に重ねることによって、前記排出側弱シール部における前記第1収容部との第1境界縁から前記排出方向下流側に間隔を隔てるように前記補強フィルムを接着することを特徴とする、医療用複室容器の弱シール部の補強方法。 - 前記補強フィルムを貼り重ねる工程は、前記補強フィルムの上辺の前記排出方向下流側と前記薬液側弱シール部との間に非接着部が設けられるように、前記上辺の前記排出方向上流側のみを前記薬液側弱シール部に重ねることによって、前記薬液側弱シール部における前記第1収容部との第2境界縁から前記排出方向上流側に間隔を隔てるように前記補強フィルムを接着する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
- 前記補強フィルムが、前記表面側フィルムと前記裏面側フィルムとの両方の表面を被覆するように接着されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
- 前記補強フィルムが、空気および水蒸気の通過を阻止するガスバリア性フィルムであることを特徴とする、請求項3に記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
- 前記補強フィルムが、紫外線の通過を阻止するUVバリア性フィルムであることを特徴とする、請求項3に記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
- さらに、前記補強フィルムを、各前記側方強シール部において前記第1収容部との境界縁から前記幅方向外方に間隔を隔てるように接着することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
- 前記排出側弱シール部が、前記排出側弱シール部の開封時に前記排出側弱シール部に作用する圧力によって、他の部分よりも容易に開封される易開封部分を備えていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
- 前記易開封部分は、前記排出側弱シール部が前記排出方向上流側に向かって突出する突出部を備えており、かつ、前記突出部のうち前記排出方向上流側端部における前記空収容部との第2境界縁が、前記突出部と隣接する前記排出側弱シール部における前記第1収容部との第1境界縁よりも、前記排出方向上流側に配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
- 前記易開封部分が、前記排出側弱シール部に2つ以上備えられていることを特徴とする、請求項7または8に記載の医療用複室容器の弱シール部の補強方法。
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