JP2008200367A - 医療用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】解除可能に区画されて収納された2つの薬剤が混合されることなく投与されることを防止でき、かつ、2つの薬剤の区画の解除が極めて容易であり、投与準備作業効率が良好である医療用容器を提供するものである
【解決手段】医療用容器1は、容器本体2と排出ポート3とを備える。排出ポート3は、薬剤9が収納された薬剤収納部8を有する排出ポート本体部31と、容器本体2内と薬剤収納部8との連通を開放可能に閉塞する閉塞部41と、排出口33と、排出口33に刺入される薬剤排出用針管により押圧され、閉塞部41を排出ポート本体部31より離脱させるための閉塞部押圧部43と、閉塞部41と一体に設けられた延出部44とを備える。医療用容器1は、延出部44の先端部に近接する位置に設けられた剥離可能な離脱抑制用弱シール部7を備える。離脱抑制用弱シール部7の未剥離時では、排出口33内への薬剤排出用針管の侵入を阻害する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内部において、輸液などの薬液に薬剤の調整や配合を行うことができる医療用容器に関するものである。
輸液に際し、2種以上の液体(薬液)を混合して使用する場合がある。この場合、従来では、別途準備した2つの薬液を使用時に混合することにより準備していた。最近では、薬液の投与を速やかなものとすること、ならびに混合忘れなどを防止することより、1つの医療用容器の薬剤室を剥離可能な仕切部により2つの薬剤室に区分することにより複室としたもの、また、破断可能部にて破断することにより容器本体内と連通可能な薬剤容器を取り付けることにより複室としたものがある。そして、このような複室容器では、それぞれに、あらかじめ混合すると、経時的に変質、劣化する薬剤を分離して収納される。しかし、このような複室の医療用容器の場合、仕切部の開通もしくは破断可能部の破断を行うことなく、医療用容器に、輸液セットの薬剤排出用針管を穿刺すると薬剤が流出してしまう。
特許文献1(特開2005−95604号公報)に示されるものを本件出願人は提案している。この輸液用容器では、薬液が収納された軟質バッグと、該軟質バッグに取り付けられた薬剤容器を有する輸液用容器であって、該薬剤容器は、薬剤が収納された薬剤収納部と、該薬剤収納部と独立して設けられ前記軟質バッグ内部の内容物を排出するための排出ポートと、前記薬剤収納部及び前記排出ポートの一端部に設けられかつ前記軟質バッグ内部に配置され、前記薬剤収納部及び前記排出ポートと前記軟質バッグ内部との連通を規制するとともに、前記薬剤収納部と前記排出ポートの両方を前記軟質バッグ内部と連通可能とする連通規制部を有している。そして、連通規制部は、指による破損により前記薬剤収納部及び前記排出ポートの一端部を開封するための脆弱部と、該脆弱部の破損操作を行うための操作部を有している。
特開2005−95604号公報
上記特許文献1のものでは、連通規制部の破損操作を行うことなく、輸液セットの薬剤排出用針管を穿刺しても薬剤が流出することはなく、安全なものとなっている。しかし、特許文献1のものでは、薬剤排出用針管の穿刺自体は、行えるので、穿刺後、薬液が排出されないことにより、連通規制部の破損操作を行っていないことに気づくのである。また、薬剤の排出のためには、軟質バッグ越しの連通規制部の破損操作を行うことが必須である。
そこで、本発明の目的は、解除可能に区画されて収納された2つの薬剤が混合されることなく投与されることを防止でき、かつ、区画部の未解除を薬剤排出用針管の接続時に作業者に教示することができ、さらに、2つの薬剤の区画の解除が極めて容易であり、投与準備作業効率が良好である医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体と、前記容器本体内に収納された薬液を排出するための排出ポートとを備える医療用容器であって、
前記排出ポートは、薬剤が収納された薬剤収納部を有する排出ポート本体部と、前記容器本体内と該薬剤収納部との連通を開放可能に閉塞する閉塞部と、前記排出ポート本体部の前記容器本体より露出する端部を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部を有する排出口と、前記排出ポート本体部内に収納され、前記排出口に刺入される薬剤排出用針管により押圧され、前記閉塞部を前記排出ポート本体部より離脱させるための閉塞部押圧部と、前記閉塞部と一体もしくは前記閉塞部に当接可能に設けられた前記容器本体内方向に延びる延出部とを備え、
前記医療用容器は、前記延出部の先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、前記延出部の移動を抑制するとともに、前記容器本体を押圧することにより剥離可能な離脱抑制用弱シール部を備え、該離脱抑制用弱シール部の未剥離時では、該離脱抑制用弱シール部により、前記延出部の移動および前記閉塞部押圧部の移動が規制されることにより、前記排出口内への薬剤排出用針管の侵入を阻害するものとなっている医療用容器。
(2) 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記閉塞部押圧部と前記延出部とを備える閉塞部材を備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている上記(1)に記載の医療用容器。
(3) 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記延出部とを備える閉塞部材と、前記閉塞部材を押圧するための閉塞部押圧部材とを備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の開口端部を液密にシールするシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている上記(1)に記載の医療用容器。
(4) 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記延出部と前記閉塞部を押圧するための閉塞部押圧部とを備える閉塞部材を備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の開口端部を液密にシールするシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている上記(1)に記載の医療用容器。
(5) 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記延出部とを備える閉塞部材と、前記閉塞部材を押圧するための閉塞部押圧部材とを備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている上記(1)に記載の医療用容器。
(6) 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記閉塞部を押圧するための閉塞部押圧部とを備える閉塞部押圧部一体化部材と、前記閉塞部に当接可能に設けられた前記延出部を備える延出部材とを備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている上記(1)に記載の医療用容器。
(7) 前記延出部は、前記薬剤収納部と連通する薬剤収納空間を備えている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の医療用容器。
また、上記目的を達成するものは、以下のものである。
(8) 可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体と、前記容器本体内に収納された薬液を排出するための排出ポートとを備える医療用容器であって、
前記排出ポートは、薬剤が収納されるとともに前記容器本体内方向に延びかつ閉塞する先端部を備える薬剤収納部材と、該薬剤収納部材の他端側部分を収納する排出ポート本体部と、前記排出ポート本体部の前記容器本体より露出する端部を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部を有する排出口と、前記薬剤収納部材の他端側に設けられ、該薬剤収納部材内と前記容器本体内との連通を開放可能に閉塞する閉塞部と、前記排出ポート本体部内に収納されるとともに、前記排出口に刺入される薬剤排出用針管により前記薬剤収納部材を押圧し前記排出ポート本体部より離脱させる薬剤収納部材押圧部材とを備え、さらに、前記薬剤収納部材または前記薬剤収納部材押圧部材は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記排出ポート本体部内の前記シール部より前記封止部側空間は、前記薬剤収納部材内と連通せずかつ実質的に空室となっており、
前記医療用容器は、前記薬剤収納部材の前記先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、前記薬剤収納部材の前記排出ポート本体部から離脱する方向への移動を抑制するとともに、前記容器本体を押圧することにより剥離可能な離脱抑制用弱シール部を備えており、該離脱抑制用弱シール部の未剥離時では、該離脱抑制用弱シール部により、前記薬剤収納部材の前記排出ポート本体部から離脱する方向への移動および前記薬剤収納部材押圧部材の移動が規制されることにより、前記排出口内への薬剤排出用針管の侵入を阻害するものとなっている医療用容器。
(9) 前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備えている上記(8)に記載の医療用容器。
(10) 前記容器本体は、剥離可能な弱シール部により形成された仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分されており、かつ、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤を備え、前記排出口を有する排出ポートは、前記容器本体の前記第1の薬剤室に固定されている上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の医療用容器。
(11) 前記離脱抑制用弱シール部は、前記容器本体内より、前記排出ポート部分を区分するものとなっている上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の医療用容器。
本発明の医療用容器では、容器本体を押圧して離脱抑制用弱シール部を剥離しない状態では、解除可能な区画部である閉塞部は排出ポート本体部より離脱不能であり、薬剤を投与不能であるとともに薬剤排出用針管の接続も不能である。このため、医療用容器が収納している2種類の薬剤が未混合状態であることを薬剤排出用針管の接続作業時に作業者に教示し、押圧操作を促すことができる。そればかりではなく、従来のような軟質バッグ越しの連通規制部の破損操作ではなく、単に容器本体を押圧することにより離脱抑制用弱シール部を剥離することのみにより、薬剤排出用針管の接続が可能になるとともに、針管の接続作業により、閉塞部もしくは薬剤収納部材は、排出ポート本体部より離脱することにより、排出ポート内に収納されていた薬剤は、容器本体内に収納されている薬液と混合される。よって、投与準備作業が極めて容易である。
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。図2は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの一例の正面図である。図3は、図2の排出ポートのA−A線断面図である。図4は、図2の排出ポートのB−B線断面図である。図5は、図2ないし図4に示した排出ポートを説明するための説明図(図2の排出ポートにおいて、排出ポート本体部および排出口部分のみ断面にて示した図)である。
図6は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の説明図(排出ポート本体部および排出口部分のみ断面にて示した図)である。図7は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の説明図(排出ポート本体部および排出口部分のみ断面にて示した図)である。図8は、図7の排出ポートのC−C線断面図である。図9は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の断面図である。
本発明の医療用容器1は、可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体2と、容器本体2内に収納された薬液を排出するための排出ポート3とを備える。排出ポート3は、薬剤9が収納された薬剤収納部8を有する排出ポート本体部31と、容器本体2内と薬剤収納部8との連通を開放可能に閉塞する閉塞部41と、排出ポート本体部31の容器本体2より露出する端部を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部32を有する排出口33と、排出ポート本体部31内に収納され、排出口33に刺入される薬剤排出用針管により押圧され、閉塞部41を排出ポート本体部31より離脱させるための閉塞部押圧部43と、閉塞部41と一体もしくは閉塞部41に当接可能に設けられた容器本体内方向に延びる延出部44とを備える。医療用容器1は、延出部44の先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、延出部44の移動を抑制するとともに、容器本体2を押圧することにより剥離可能な離脱抑制用弱シール部7を備える。離脱抑制用弱シール部7の未剥離時では、離脱抑制用弱シール部7により、延出部44の移動および閉塞部押圧部43の移動が規制されることにより、排出口33内への薬剤排出用針管の侵入を阻害するものとなっている。
この実施例の排出ポート3は、非連通排出ポートである。図3に示すように、閉塞部41が排出ポート3より、離脱しない状態では、排出ポート3は、容器本体2内の薬剤室11と連通しないものとなっている。
この実施例の医療用容器1は、可撓性材料により形成され、内部に薬剤収納部である薬剤室11を有する容器本体2と、容器本体2の薬剤室11に取り付けられた排出ポート3と、薬剤室11に充填された薬液とを備える薬剤入り医療用容器である。
また、図1に示すように、容器本体2の一端側及び他端側には、シール部5,6が設けられている。
医療用容器1の容器本体2は、軟質合成樹脂により形成されている。容器本体2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、容器本体2は、例えば、ブロー成形法、共押出インフレーション法などの種々の方法により製造されたものでもよい。
容器本体2は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように容器本体2が水蒸気バリヤー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤(具体的には、薬液)の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
このような容器本体2の形成材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。
また、容器本体の形成材料として、ポリオレフィンが含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、容器本体2の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。容器本体2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体,プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
また、容器本体は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、容器本体2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、容器本体2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、容器本体2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、容器本体2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
容器本体2を構成するシート材の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、薬剤室の容積が、50〜5000ml程度であることが好ましい。
排出ポート3は、容器本体2内に充填された薬剤(薬液)を排出するためのものであり、容器本体2を形成する2枚のシート間にその端部側(延出部側)が挿入され、固定されている。
この実施例の医療用容器1では、排出ポート3は、排出ポート本体部31と、封止部32を有する排出口33と、排出ポート本体部31内に収納された閉塞部材4を備えている。閉塞部材4は、閉塞部41と閉塞部押圧部43と延出部44を一体に備えている。そして、薬剤収納部8は、排出ポート本体部31内面と閉塞部41と封止部32により区画される空間により形成されている。
閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端部を液密状態にシールするとともに排出ポート本体部31内面を摺動するシール部45を備えている。具体的には、閉塞部41は、略円盤状に形成されるとともに、側面に環状シール部材45が設けられている。図3および図5に示すものでは、環状シール部材45は、閉塞部41の側面に形成された環状溝内にその内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部31内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
閉塞部押圧部43は、シャフト状に形成されるとともに、先端が閉塞部41の基端面に接続されており、さらに、基端には、薬剤排出用針管が当接可能な針管当接部42を備えている。針管当接部としては、円状、楕円状、多角形状などの板状部であることが好ましい。また、閉塞部押圧部43のシャフト状部分は、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。
延出部44は、閉塞部41の先端面より、容器本体2の薬剤室11の中央方向に所定長延びるものとなっている。延出部44としては、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。延出部44としては、図3に示すように、先端に向かって、容器本体2のシート間方向の厚さが徐々に肉薄となるものであってもよい。このようにすることにより、延出部44の先端部による離脱抑制用弱シール部7に剥離方向への力の付与を抑制する。
また、延出部44を薬剤混合後の薬液に対して識別可能な色に形成してもよい。薬液と容易に識別できるとともに、薬液面に浮上するため薬液残量の確認も容易となる。薬剤混合後の薬液に対して識別可能な色とは、使用される薬液および薬剤により相違し一義的なものではなく、例えば、薬剤混合後の薬液の色が黄色であれば黄色以外(例えば、赤色、青色、緑色、黒色)のものが、赤色であれば赤色以外(例えば、黄色、青色、緑色、黒色)のものとされる。なお、薬剤混合後の薬液の色が無色の場合には、有色であればどのような色でもよい。
また、閉塞部押圧部43の針管当接部42の下面は、封止部32の上面に近接もしくは当接している。当接していることが好ましい。近接する場合には、その距離は、5mm以下であることが好ましい。
封止部32は、排出ポート本体部の後端開口を封止するとともに薬剤排出用針管の刺通が可能な弾性部材により形成されており、この実施例では、キャップ部33aにより、ポート本体部31の後端に固定されることにより、排出口33を構成している。
そして、この実施例では、排出ポート3の薬剤収納部8内には、図3ないし図5に示すように、適量の薬剤9が収容されている。また、排出ポート3の薬剤収納部8は、内部の薬剤が目視可能に透明に形成されていることが好ましい。また、収納される薬剤としては、粉末、顆粒状などの固体状、液体状等いかなるものでもよい。薬剤としては、輸液剤に配合・溶解させるものであって、例えば抗生物質、ビタミン剤(総合ビタミン剤)、各種アミノ酸、ヘパリン等の抗血栓剤、インシュリン、抗腫瘍剤、鎮痛剤、強心剤、静注麻酔剤、抗パーキンソン剤、潰瘍治療剤、副腎皮質ホルモン剤、不整脈用剤、補正電解質、抗ウィルス薬、免疫賦活剤等が挙げられる。また、排出ポート3内は、常圧でもよいが、減圧または真空状態としてもよい。このように、薬剤収納部が減圧または真空状態であると、薬剤の変質分解・劣化等の防止効果が向上するとともに、閉塞部41の排出ポートからの離脱を抑制する。
そして、医療用容器1は、延出部44の先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、延出部44の移動を抑制するとともに、容器本体2を押圧することにより剥離可能な離脱抑制用弱シール部7を備える。離脱抑制用弱シール部7の未剥離時では、排出口33の封止部32に薬剤排出用針管を刺入させても、封止部32を越えたところで、閉塞部押圧部43の針管当接部42に当接する。それ以上刺入を進行させようとしても、延出部44に近接するとともに先端側に位置する離脱抑制用弱シール部7により、延出部44ひいては、閉塞部41および閉塞部押圧部43に移動が規制されているため、刺入進行が不能なものとなっている。よって、作業者は、薬剤排出用針管が穿刺不能状態であることより、離脱抑制用弱シール部7が未破断であることを認識する。
この実施例の医療用容器1では、離脱抑制用弱シール部7は、延出部44を含む排出ポート3の上方を取り囲むように形成され、容器本体2内の薬剤室11から隔離された区画室71が形成されている。
この実施例の離脱抑制用弱シール部7は、シート材を帯状に熱シール(熱融着、高周波融着、超音波融着等)することにより形成することができる。離脱抑制用弱シール部7は、図1に示す実施例では、反転したU字形状に形成されている。また、離脱抑制用弱シール部は、短辺が上側となる台形状、排出ポートが頂点となる三角形状、排出ポートが底辺となる三角形状、四角形状等の多角形状、略半円形状、略半楕円形状であってもよい。そして、離脱抑制用弱シール部7は、容器本体2を押圧することにより剥離する。
排出ポート3の延出部44の先端部は、離脱抑制用弱シール部7の内側に近接もしくは当接している。当接していることが好ましい。近接する場合には、その距離は、5mm以下であることが好ましい。
そして、この実施例の医療用容器1は、薬剤室11と連通する混注ポート13を備えている。しかし、混注ポートを備えないものであってもよい。混注ポート13としては、公知のものが使用できる。
上述した実施例では、閉塞部材4は、閉塞部41と閉塞部押圧部43と延出部44の3つのパートを一体に備えている。しかし、このようなものに限定されるものではなく、閉塞部材としては、閉塞部、閉塞部押圧部、延出部のそれぞれが別部材となっているものでもよい。また、閉塞部と閉塞部を押圧するための閉塞部押圧部とを備える閉塞部押圧部一体化部材と、閉塞部に当接可能に設けられた延出部を備える延出部材とからなるものであってもよい。これらの場合、閉塞部は、排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、薬剤収納部は、排出ポート本体部内面と閉塞部と封止部により形成される。
また、排出ポートとしては、図6に示すようなものも好適である。
この実施例の排出ポート3aでは、閉塞部41と延出部44とを一体に備える閉塞部材4aと、閉塞部材4aを押圧するための閉塞部押圧部材4bとを備える。つまり、上述した排出ポート3では、閉塞部材4は、閉塞部41と閉塞部押圧部43と延出部44を一体に備えられていたのに対して、この実施例の排出ポート3aでは、閉塞部材4aと、閉塞部押圧部材4bの2つの部材により構成されている。そして、閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端部を液密にシールするシール部45を備えている。また、薬剤収納部8は、排出ポート本体部31内面と閉塞部41と封止部32により形成されている。
閉塞部材4aは、閉塞部41と閉塞部41の先端面より、容器本体2の薬剤室11の中央方向に所定長延びる延出部44を備えている。閉塞部41は、上述した実施例と同様に、排出ポート本体部31の開口端部を液密状態にシールするとともに排出ポート本体部31内面を摺動するシール部45を備えている。具体的には、閉塞部41は、略円盤状に形成されるとともに、側面に環状シール部材45が設けられている。図6に示すものでは、環状シール部材45は、閉塞部41の側面に形成された環状溝内にその内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部31内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
延出部44としては、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。延出部44としては、図3に示したものと同様に、先端に向かって、容器本体2のシート間方向の厚さが徐々に肉薄となるものであってもよい。このようにすることにより、延出部44の先端部による離脱抑制用弱シール部7に剥離方向への力の付与を抑制する。
閉塞部押圧部材4bは、シャフト状に形成された押圧部43を備え、その先端部には、閉塞部材4aに当接可能な閉塞部材当接部49が設けられており、基端には、薬剤排出用針管が当接可能な針管当接部42を備えている。閉塞部材当接部49および針管当接部42としては、円状、楕円状、多角形状などの板状部であることが好ましい。また、閉塞部押圧部43のシャフト状部分は、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。
また、閉塞部材4aの下面は、閉塞部押圧部材4bの閉塞部材当接部49の上面に近接もしくは当接している。当接していることが好ましい。近接する場合には、その距離は、5mm以下であることが好ましい。
また、排出ポートとしては、図7および図8に示すようなものであってもよい。
この実施例の排出ポート3bでは、閉塞部41と延出部44とを一体に備える閉塞部材4aと、閉塞部材4aを押圧するための閉塞部押圧部材4cとを備える。つまり、上述した排出ポート3では、閉塞部材4は、閉塞部41と閉塞部押圧部43と延出部44を一体に備えられていたのに対して、この実施例の排出ポート3bでは、閉塞部材4aと、閉塞部押圧部材4cの2つの部材により構成されている。そして、閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端部を液密にシールするシール部45を備えている。また、薬剤収納部8は、排出ポート本体部31内面と閉塞部41と封止部32により形成されている。
閉塞部材4aは、閉塞部41と閉塞部41の先端面より、容器本体2の薬剤室11の中央方向に所定長延びる延出部44を備えている。閉塞部41は、上述した実施例と同様に、排出ポート本体部31の開口端部を液密状態にシールするとともに排出ポート本体部31内面を摺動するシール部45を備えている。具体的には、閉塞部41は、略円盤状に形成されるとともに、側面に環状シール部材45が設けられている。図7に示すものでは、環状シール部材45は、閉塞部41の側面に形成された環状溝内にその内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部31内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
延出部44としては、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。延出部44としては、図3に示したものと同様に、先端に向かって、容器本体2のシート間方向の厚さが徐々に肉薄となるものであってもよい。このようにすることにより、延出部44の先端部による離脱抑制用弱シール部7に剥離方向への力の付与を抑制する。
閉塞部押圧部材4cは、筒状に形成された押圧部43を備え、その先端部には、閉塞部材4aに当接可能な閉塞部材当接部49が設けられており、基端には、薬剤排出用針管が当接可能な針管当接部42を備えている。筒状の押圧部43の側面には、多数の開口48が形成されている。また、針管当接部42は、筒状部押圧部43の基端閉塞部により構成されており、閉塞部材当接部49は、筒状部押圧部43の開口する先端部により構成されていることが好ましい。また、筒状部押圧部43の形状としては、円筒、楕円筒、多角筒状などものが好ましい。
また、閉塞部材4aの下面は、閉塞部押圧部材4cの閉塞部材当接部49の上面に近接もしくは当接している。当接していることが好ましい。近接する場合には、その距離は、5mm以下であることが好ましい。
そして、上述したすべての実施例の排出ポートにおいて、延出部は、薬剤収納部と連通する薬剤収納空間を備えているものであってもよい。
また、排出ポートとしては、図9に示すようなものであってもよい。
この実施例の排出ポート3cでは、閉塞部41と延出部44とを一体に備える閉塞部材4dと、閉塞部材4dを押圧するための閉塞部押圧部材4bとを備える。つまり、上述した排出ポート3では、閉塞部材4は、閉塞部41と閉塞部押圧部43と延出部44を一体に備えられていたのに対して、この実施例の排出ポート3cでは、閉塞部材4dと、閉塞部押圧部材4bの2つの部材により構成されている。なお、この実施例においても、閉塞部材4dと閉塞部押圧部材4bは、一体に形成してもよい。
そして、閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端部を液密にシールするシール部45を備えている。また、薬剤収納部8は、排出ポート本体部31内面と閉塞部41と封止部32により形成されている。
閉塞部材4dは、閉塞部41と閉塞部41の先端面より、容器本体2の薬剤室11の中央方向に所定長延びる延出部44を備えている。閉塞部41は、下面の外周縁より若干内側に配置されたシール部材45を備え、さらに、シール部材45の内側には、下方に突出する突出部51を備えている。具体的には、閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端の内径より大きい外径を有し、環状シール部材45と共同して、排出ポート本体部31の開口端を液密にシールしている。また、突出部51が、排出ポート本体部31の開口端内に侵入し、離脱可能に嵌合している。
延出部44としては、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。延出部44としては、図3に示したものと同様に、先端に向かって、容器本体2のシート間方向の厚さが徐々に肉薄となるものであってもよい。このようにすることにより、延出部44の先端部による離脱抑制用弱シール部7に剥離方向への力の付与を抑制する。
閉塞部押圧部材4bは、シャフト状に形成された押圧部43を備え、その先端部には、閉塞部材4dに当接可能な閉塞部材当接部49が設けられており、基端には、薬剤排出用針管が当接可能な針管当接部42を備えている。閉塞部材当接部49および針管当接部42としては、円状、楕円状、多角形状などの板状部であることが好ましい。また、閉塞部押圧部43のシャフト状部分は、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。
また、閉塞部材4dの下面は、閉塞部押圧部材4bの閉塞部材当接部49の上面に近接もしくは当接している。当接していることが好ましい。近接する場合には、その距離は、5mm以下であることが好ましい。
そして、本発明の医療用容器では、容器本体2を押圧することにより離脱抑制用弱シール部7は剥離し、これにより、排出口33への薬剤排出用針管の接続が可能になる。そして、排出口33に刺入される針管により、閉塞部もしくは薬剤収納部材は、排出ポート本体部31より離脱し、排出ポート3内に収納されていた薬剤9は、容器本体2内に収納されている薬液と混合される。よって、投与準備作業が極めて容易である。
なお、閉塞部押圧部材としては、図7および図8に示し上述した筒状押圧部閉塞部材4cを用いてもよい。
また、上述したすべての実施例において、離脱抑制用弱シール部7は、上記のタイプのものに限定されるものではない。例えば、図10に示す医療用容器10の離脱抑制用弱シール部7aのように、排出ポート3の延出部44の先端部に近接もしくは当接し、移動を抑制するものであれば、容器本体2に区画室を形成しないものであってもよい。この場合、離脱抑制用弱シール部7aは、図10に示すように、排出ポート3の延出部44の先端部の上部のみを取り囲む形態であることが好ましい。また、離脱抑制用弱シール部としては、図示する実施例のように連続する形態が好ましいが、図11に示す医療用容器20のように、小さな弱シールが点在することにより、離脱抑制用弱シール部7bが形成されたものでもよい。
また、上述したすべての実施例において、医療用容器は、図12に示す医療用容器30のように、容器本体102は、解除可能な仕切部19により区分された2つの薬剤収納部11,12と、それぞれの薬剤収納部に収納された薬剤を備えるものであってもよい。そして、排出ポート3は、第1の薬剤収納部11側に取付けられており、混注ポート13は、第2の薬剤収納部12側に取り付けられている。
そして、第1の薬剤室11には第1の薬剤が収納され、第2の薬剤室12には第2の薬剤が収納されている。
容器本体102としては、上述した容器本体2にて説明したものが好適に使用できる。
そして、容器本体102は、容器本体102を横方向全体に横切る仕切部19を備えており、これにより、内部が2室に区分されている。仕切部19は、中央部に位置する剥離可能な弱シール部19aと、弱シール部19aの両端部の分岐部内に設けられた実質的に剥離不能な強シール部19bを備えている。そして、弱シール部は、加熱プレスにより行うことが好ましく、金型の温度は、容器本体102の形成材料の溶融温度より10℃以上低い温度で行うことにより形成することができる。
また、医療用容器30の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、第1の薬剤室の容積が、50〜5000ml程度であることが好ましく、第2の薬剤室の容積が、50〜5000ml程度であることが好ましい。
このように薬剤室を2つに区分することにより、反応等による変質、劣化を生じる物質を含有する液体を使用するまでは別々に保存でき、使用に際し、両液を混合することが好ましいとき等に適用することができる。それぞれの薬剤室に収納される薬剤としては、薬液、散剤などが考えられる。
特に、本発明の医療用容器では、第1の薬剤は、薬液であることが好ましい。第2の薬剤は、薬液もしくは散剤いずれであってもよい。好ましくは、薬液である。第1の薬剤および第2の薬剤の組合せとしては、例えば、アミノ酸電解質液とブドウ糖液、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせが挙げられる。
そして、離脱抑制用弱シール部のシール強度は、仕切部19のシール強度と同等、若干高いものであることが好ましい。このようなものであれば、仕切部19が剥離されない状態にて薬液が投与されることがなく、かつ、容易な操作で投与準備を行うことができる。
また、離脱抑制用弱シール部は、第1の薬剤室11または第2の薬剤室12を押圧することにより、仕切用部19の剥離とほぼ同時もしくは続いて剥離するものであることが好ましい。このようにすることにより、容器本体102の第1の薬剤室11を圧迫した場合であっても、離脱抑制用弱シール部が仕切部より先に剥離することがない。さらに、この実施例の医療用容器では、第2の薬剤室12を押圧することにより、仕切部19の剥離に続いて離脱抑制用弱シール部が剥離するものであってもよい。このようなものであれば、容器本体102の第2の薬剤室12を圧迫し、仕切部19の剥離時の流体の力により、離脱抑制用弱シール部を剥離させることができる。
次に、本発明の他の実施例の医療用容器について説明する。
図13は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。図14は、図13に示した医療用容器に使用される排出ポートの断面図である。図15および図16は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の断面図である。
この実施例の医療用容器40は、可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体2と、容器本体2内に収納された薬液を排出するための排出ポート3dとを備える。排出ポート3dは、薬剤が収納されるとともに容器本体2の内方に延びかつ閉塞する先端部を備える薬剤収納部材4eと、薬剤収納部材4eの他端側部分を収納する排出ポート本体部31と、排出ポート本体部31の容器本体2より露出する端部を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部32を有する排出口33と、薬剤収納部材4eの他端側に設けられ、薬剤収納部材4e内と容器本体2内との連通を開放可能に閉塞する閉塞部41と、排出ポート本体部31内に収納されるとともに、排出口33に刺入される薬剤排出用針管により薬剤収納部材4eを押圧し排出ポート本体部31より離脱させる薬剤収納部材押圧部材4hとを備える。薬剤収納部材4eまたは薬剤収納部材押圧部材4hは、排出ポート本体部31の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、排出ポート本体部31内のシール部より封止部側空間46は、薬剤収納部材内と連通せずかつ実質的に空室となっている。
そして、医療用容器40は、薬剤収納部材4eの先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、薬剤収納部材4eの排出ポート本体部31から離脱する方向への移動を抑制するとともに、容器本体2を押圧することにより剥離可能な離脱抑制用弱シール部7を備えている。離脱抑制用弱シール部7の未剥離時では、離脱抑制用弱シール部7により、薬剤収納部材4eの排出ポート本体部31から離脱する方向への移動および薬剤収納部材押圧部材4hの移動が規制されることにより、排出口33内への薬剤排出用針管の侵入を阻害するものとなっている。
そして、この医療用容器では、薬剤収納部材押圧部材4hによって、薬剤収納部材4eが排出ポート本体部31から離脱し、容器本体2内へ移動することにより、容器本体2内の薬液に薬剤収納部材4e内の薬剤が混合される。
この実施例の排出ポート3dは、非連通排出ポートである。図14に示すように、閉塞部41を備える薬剤収納部材4eが排出ポート3dより、離脱しない状態では、排出ポート3dは、容器本体2内の薬剤室11と連通しないものとなっている。
容器本体2、排出ポート本体部31および封止部32を備える排出口33としては、上述した医療用容器1において説明したものと同じであるので、上述した説明を参照するものとする。
この実施例の医療用容器40における排出ポート3dは、排出口33が取り付けられた排出ポート本体部31と、薬剤収納部材4eと、薬剤収納部材押圧部材4hを備えている。この実施例における薬剤収納部材4eは、先端部が閉塞した筒状体であり、後端開口部の周縁部に閉塞部41を備えている。この閉塞部41により、容器本体2内と排出口33(言い換えれば、排出ポート本体部31内部)とを連通しないものとなっている。閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端部を液密状態にシールするとともに排出ポート本体部31内面を摺動するシール部45を備えている。具体的には、閉塞部41は、フランジに形成されるとともに、側面に環状シール部材45が設けられている。図14に示すものでは、環状シール部材45は、閉塞部41の側面に形成された環状溝内にその内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部31内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
そして、この実施例では、薬剤収納部材押圧部材4hは、排出ポート本体部31の内面と液密状態にて摺動するシール部53を備え、排出ポート本体部31内のシール部53より封止部側空間46は、薬剤収納部材4e内と連通せずかつ薬剤が収納されていないものとなっている。また、シール部53は、薬剤収納部材4eの基端部と当接可能となっており、薬剤収納部材当接部を構成している。また、シール部53は、略円盤状に形成されるとともに、側面に環状シール部材54が設けられている。図14に示すものでは、環状シール部材54は、シール部53の側面に形成された環状溝内にその内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部31内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
薬剤収納部材押圧部材4hの押圧部43は、シャフト状に形成されるとともに、先端に上述した薬剤収納部材4eの基端部と当接可能であるシール部53を備え、基端には、薬剤排出用針管が当接可能な針管当接部42を備えている。針管当接部としては、円状、楕円状、多角形状などの板状部であることが好ましい。また、閉塞部押圧部43のシャフト状部分は、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。
そして、排出ポート本体部31内のシール部より封止部側空間46は、薬剤収納部材内と連通せずかつ実質的に空室となっている。なお、排出ポート本体部31の内面および内部空間46の滅菌のためには、空間46に少量の液体(例えば、無菌水)が添加されていてもよい。実質的空室とは、完全な空室に限定されるものではなく、上記のような滅菌用の少量の液体の添加を含むものである。
そして、この実施例の医療用容器40では、使用時に穿刺された薬剤排出用針に薬剤収納部材内に充填されていた薬剤が流入することが極めて少ない。
また、この発明の医療用容器における排出ポートの形態としては、上述したものに限定されるものではなく、例えば、図15に示す排出ポート3eのようなものであってもよい。
この実施例の排出ポート3eは、図15に示すように、薬剤収納部材4fは、先端部が閉塞した筒状体であり、後端部かつシール部55より先端側となる外周面に設けられた閉塞部41を備えている。この閉塞部41により、容器本体2内と排出口33(言い換えれば、排出ポート本体部31内部)とを連通しないものとなっている。閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端部を液密状態にシールするとともに排出ポート本体部31内面を摺動するシール部45を備えている。具体的には、閉塞部41は、フランジに形成されるとともに、側面に環状シール部材45が設けられている。図15に示すものでは、環状シール部材45は、閉塞部41の側面に形成された環状溝内にその内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部31内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
さらに、この薬剤収納部材4fは、閉塞する基端部58を有するとともに、排出ポート本体部31の内面と液密状態にて摺動するシール部55を備え、排出ポート本体部31内のシール部55より封止部側空間46は、薬剤収納部材4f内と連通せずかつ薬剤が収納されていないものとなっている。図15に示すものでは、シール部55には、環状シール部材56が取り付けられている。具体的には、シール部55の側面に形成された環状溝内に環状シール部材56の内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部31内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
そして、この薬剤収納部材4fは、閉塞部41とシール部55間の側面に形成された開口部57を備えている。排出ポートより離脱した薬剤収納部材4f内の薬剤は、この開口部57を介して、容器本体内に流出する。
そして、この実施例では、排出ポート本体部31内には、薬剤収納部材押圧部材4bが収納されている。
押圧部材4bは、シャフト状に形成された押圧部43を備え、その先端部には、薬剤収納部材4fの基端部(基端面)に当接可能な薬剤収納部材当接部49が設けられており、基端には、薬剤排出用針管が当接可能な針管当接部42を備えている。薬剤収納部材当接部49および針管当接部42としては、円状、楕円状、多角形状などの板状部であることが好ましい。また、閉塞部押圧部43のシャフト状部分は、中実、中空のいずれでもよく、また、断面形状は、円状、楕円状、多角形状などどのようなものであってもよい。
また、薬剤収納部材4fの基端面は、押圧部材4bの薬剤収納部材当接部49の上面に近接もしくは当接している。当接していることが好ましい。近接する場合には、その距離は、5mm以下であることが好ましい。
また、この発明の医療用容器における排出ポートの形態としては、図16に示す排出ポート3fのようなものであってもよい。
この排出ポート3fは、排出口33が取り付けられた排出ポート本体部31と、薬剤収納部材4gと、薬剤収納部材押圧部材4hを備えている。この実施例における薬剤収納部材4gは、排出ポート本体部31の開口端部を液密にシールする閉塞部41を備えている。閉塞部41は、薬剤収納部材4gの下端面の外周部より若干内側に配置されたシール部材45を備え、さらに、シール部材45の内側には、下方に突出する突出部51を備えている。具体的には、閉塞部41は、排出ポート本体部31の開口端の内径より大きい外径を有し、環状シール部材45と共同して、排出ポート本体部31の開口端を液密にシールしている。また、突出部51が、排出ポート本体部31の開口端内に侵入し、離脱可能に嵌合している。薬剤収納部材押圧部材4hとしては、図14に示し上述したものと同じである。
そして、上述した実施例の医療用容器40においても、離脱抑制用弱シール部7は、図13のような形態のものに限定されるものではなく、上述した、図10に示す医療用容器10の離脱抑制用弱シール部7bと同様に、排出ポート3の薬剤収納部材の先端部に近接もしくは当接し、移動を抑制するものであれば、容器本体2に区画室を形成しないものであってもよい。この場合、離脱抑制用弱シール部7bは、図10に示すように、排出ポート3の延出部44の先端部の上部のみを取り囲む形態であることが好ましい。また、離脱抑制用弱シール部としては、図示する実施例のように連続する形態が好ましいが、図11に示す医療用容器20のように、小さな弱シールが点在することにより、離脱抑制用弱シール部7cが形成されたものでもよい。
さらに、上述した実施例の医療用容器40においても、図12に示す医療用容器30のように、容器本体は、解除可能な仕切部19により区分された2つの薬剤収納部11,12と、それぞれの薬剤収納部に収納された薬剤を備えるものであってもよい。
次に、本発明の他の実施例の医療用容器について説明する。
図17は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。図18は、図17に示した医療用容器に使用される排出ポートの断面図である。
この実施例の医療用容器60は、可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体2と、容器本体2内に収納された薬液を排出するための排出ポート63とを備える。
排出ポート63は、薬剤9が収納された薬剤収納部8と、破断により容器本体2内との連通を可能とする破断可能部133および破断可能部133の破断操作を行うための操作部134を備える流通規制部とを備えるポート本体部131と、ポート本体部131の他端側を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部32を有する排出口33と、ポート本体部131に収納され、ポート本体部131内を2つの室に液密に区分する区画部41と、排出口に刺入される針管が当接可能な針管当接部42とを備える空間区画部材4hを備えている。空間区画部材4hは、区画部41と針管当接部42とを連結するシャフト部43を備えている。また、この実施例のものでは、区画部41は、排出ポート本体部131の内面と液密状態にて摺動する区画部41を備えている。また、区画部41は、略円盤状に形成されるとともに、側面に環状シール部材45が設けられている。図18に示すものでは、環状シール部材45は、区画部41の側面に形成された環状溝内にその内周側部分が収納されるとともに、外周側部分は露出し、排出ポート本体部131内面に液密状態にて密着し、かつ摺動可能なものとなっている。
そして、区画部41は、破断可能部133の形成部位付近に位置していることが好ましい。区画部41は、破断可能部133より、ポート本体部131の先端側、基端側のいずれに位置するものであってもよい。そして、薬剤収納部8は、区画部41よりポート本体部131の先端側空間により構成されており、区画部41よりポート本体部131の基端側空間46は、空室となっている。なお、内部空間46および当該部分における排出ポート本体部131の内面の滅菌のためには、空間46に少量の液体(例えば、無菌水)を添加することが好ましい。
そして、この実施例の医療用容器60では、使用時に穿刺された薬剤排出用針に薬剤収納部材内に充填されていた薬剤が流入することが極めて少ない。
そして、この実施例の医療用容器60においても、図1に示した医療用容器1が備える離脱抑制用弱シール部7を備えていてもよい。さらに、離脱抑制用弱シール部7の形態としては、図10に示す医療用容器10の離脱抑制用弱シール部7bと同様に、排出ポート3の薬剤収納部材の先端部に近接もしくは当接し、移動を抑制するものであれば、容器本体2に区画室を形成しないものであってもよい。この場合、離脱抑制用弱シール部7bは、図10に示すように、排出ポート3の延出部44の先端部の上部のみを取り囲む形態であることが好ましい。また、離脱抑制用弱シール部としては、図示する実施例のように連続する形態が好ましいが、図11に示す医療用容器20のように、小さな弱シールが点在することにより、離脱抑制用弱シール部7cが形成されたものでもよい。
さらに、この実施例の医療用容器60においても、図12に示す医療用容器30のように、容器本体は、解除可能な仕切部19により区分された2つの薬剤収納部11,12と、それぞれの薬剤収納部に収納された薬剤を備えるものであってもよい。
次に、本発明の他の実施例の医療用容器について説明する。
図19は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。図20は、図19のD−D線断面図である。図21は、図20の部分拡大図である。
この実施例の医療用複室容器100は、容器本体120と、この容器本体120に取り付けられた排出ポート103とを備えている。容器本体120は、解除可能な仕切部19により区分された2つの薬剤収納部11,12と、それぞれの薬剤収納部に収納された薬剤を備えている。そして、排出ポート103は、第1の薬剤収納部11側に取り付けられており、混注ポート13は、第2の薬剤収納部12側に取り付けられている。
そして、第2の薬剤室12内には、小容器107が収納されている。そして、図19ないし図21に示すように、小容器107は、下端部付近に設けられた剥離可能な弱シール118により、密封されている。さらに、図21に示すように、小容器107を形成する一方のシート107aの下端部の表面は、容器本体120を構成する一方のシート120aの内面に固着部119a部分にて固着されており、同様に、小容器107を形成する他方のシート107bの下端部の表面は、容器本体120を構成する他方のシート120bの内面に固着部119b部分にて固着されている。そして、小容器107を形成する2枚のシートの下端部間は、固着されていない。
そして、容器本体120には、図19ないし図21に示すように、小容器107に近接するとともに、その上方に位置する剥離可能な動き規制用弱シール部117を備えている。小容器107は、下端部以外では、容器本体120に固定されていないため、その上部側が、第2の薬剤室内にて揺れるなどの動きが許容されている。このため、移動時などに小容器の動きに起因するピンホール発生などの部分破損を生じるおそれがある。しかし、この実施例の医療用複室容器100では、小容器の動き規制用弱シール部117を備えているため、小容器の不必要な動きが規制される。
動き規制用弱シール部117としては、小容器107の上部を取り囲むように形成することが好ましいが、取り囲むことなく、上方のみ、側方のみ、小容器の角部付近のみに位置するものであってもよい。また、図示する実施例では、動き規制用弱シール部117は、連続するものとなっているが、点在するものであってもよい。
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。 図2は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの一例の正面図である。 図3は、図2の排出ポートのA−A線断面図である。 図4は、図2の排出ポートのB−B線断面図である。 図5は、図2ないし図4に示した排出ポートを説明するための説明図(図2の排出ポートにおいて、排出ポート本体部および排出口部分のみ断面にて示した図)である。 図6は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の説明図(排出ポート本体部および排出口部分のみ断面にて示した図)である。 図7は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の説明図(排出ポート本体部および排出口部分のみ断面にて示した図)である。 図8は、図7の排出ポートのC−C線断面図である。 図9は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の断面図である。 図10は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図11は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図12は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図13は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図14は、図3に示した医療用容器に使用される排出ポートの断面図である。 図15は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の断面図である。 図16は、本発明の医療用容器に使用される排出ポートの他の例の断面図である。 図17は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図18は、図17に示した医療用容器に使用される排出ポートの断面図である。 図19は、本発明の医療用容器の他の実施例の正面図である。 図20は、図19のD−D線断面図である。 図21は、図20の部分拡大図である。
符号の説明
1 医療用容器
2 容器本体
3 排出ポート

Claims (11)

  1. 可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体と、前記容器本体内に収納された薬液を排出するための排出ポートとを備える医療用容器であって、
    前記排出ポートは、薬剤が収納された薬剤収納部を有する排出ポート本体部と、前記容器本体内と該薬剤収納部との連通を開放可能に閉塞する閉塞部と、前記排出ポート本体部の前記容器本体より露出する端部を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部を有する排出口と、前記排出ポート本体部内に収納され、前記排出口に刺入される薬剤排出用針管により押圧され、前記閉塞部を前記排出ポート本体部より離脱させるための閉塞部押圧部と、前記閉塞部と一体もしくは前記閉塞部に当接可能に設けられた前記容器本体内方向に延びる延出部とを備え、
    前記医療用容器は、前記延出部の先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、前記延出部の移動を抑制するとともに、前記容器本体を押圧することにより剥離可能な離脱抑制用弱シール部を備え、該離脱抑制用弱シール部の未剥離時では、該離脱抑制用弱シール部により、前記延出部の移動および前記閉塞部押圧部の移動が規制されることにより、前記排出口内への薬剤排出用針管の侵入を阻害するものとなっていることを特徴とする医療用容器。
  2. 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記閉塞部押圧部と前記延出部とを備える閉塞部材を備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている請求項1に記載の医療用容器。
  3. 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記延出部とを備える閉塞部材と、前記閉塞部材を押圧するための閉塞部押圧部材とを備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の開口端部を液密にシールするシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている請求項1に記載の医療用容器。
  4. 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記延出部と前記閉塞部を押圧するための閉塞部押圧部とを備える閉塞部材を備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の開口端部を液密にシールするシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている請求項1に記載の医療用容器。
  5. 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記延出部とを備える閉塞部材と、前記閉塞部材を押圧するための閉塞部押圧部材とを備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている請求項1に記載の医療用容器。
  6. 前記排出ポートは、前記閉塞部と前記閉塞部を押圧するための閉塞部押圧部とを備える閉塞部押圧部一体化部材と、前記閉塞部に当接可能に設けられた前記延出部を備える延出部材とを備え、前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記薬剤収納部は、前記排出ポート本体部内面と前記閉塞部と前記封止部により形成されている請求項1に記載の医療用容器。
  7. 前記延出部は、前記薬剤収納部と連通する薬剤収納空間を備えている請求項1ないし5のいずれかに記載の医療用容器。
  8. 可撓性材料により形成され、薬液が収納された容器本体と、前記容器本体内に収納された薬液を排出するための排出ポートとを備える医療用容器であって、
    前記排出ポートは、薬剤が収納されるとともに前記容器本体内方向に延びかつ閉塞する先端部を備える薬剤収納部材と、該薬剤収納部材の他端側部分を収納する排出ポート本体部と、前記排出ポート本体部の前記容器本体より露出する端部を閉塞し、かつ、薬剤排出用針管の接続が可能な封止部を有する排出口と、前記薬剤収納部材の他端側に設けられ、該薬剤収納部材内と前記容器本体内との連通を開放可能に閉塞する閉塞部と、前記排出ポート本体部内に収納されるとともに、前記排出口に刺入される薬剤排出用針管により前記薬剤収納部材を押圧し前記排出ポート本体部より離脱させる薬剤収納部材押圧部材とを備え、さらに、前記薬剤収納部材または前記薬剤収納部材押圧部材は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備え、前記排出ポート本体部内の前記シール部より前記封止部側空間は、前記薬剤収納部材内と連通せずかつ実質的に空室となっており、
    前記医療用容器は、前記薬剤収納部材の前記先端部に近接もしくは当接する位置に設けられ、前記薬剤収納部材の前記排出ポート本体部から離脱する方向への移動を抑制するとともに、前記容器本体を押圧することにより剥離可能な離脱抑制用弱シール部を備えており、該離脱抑制用弱シール部の未剥離時では、該離脱抑制用弱シール部により、前記薬剤収納部材の前記排出ポート本体部から離脱する方向への移動および前記薬剤収納部材押圧部材の移動が規制されることにより、前記排出口内への薬剤排出用針管の侵入を阻害するものとなっていることを特徴とする医療用容器。
  9. 前記閉塞部は、前記排出ポート本体部の内面と液密状態にて摺動するシール部を備えている請求項8に記載の医療用容器。
  10. 前記容器本体は、剥離可能な弱シール部により形成された仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分されており、かつ、前記第1の薬剤室に充填された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤を備え、前記排出口を有する排出ポートは、前記容器本体の前記第1の薬剤室に固定されている請求項1ないし9のいずれかに記載の医療用容器。
  11. 前記離脱抑制用弱シール部は、前記容器本体内より、前記排出ポート部分を区分するものとなっている請求項1ないし10のいずれかに記載の医療用容器。
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