JP4299553B2 - 医療用容器 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、2室に区分された可撓性医療用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸液に際し、2種以上の液体(薬液)を混合して使用する場合がある。この場合、従来では、別途準備した2つの薬液を使用時に混合することにより準備していた。最近では、薬液の投与を速やかなものとすること、ならびに混合忘れなどを防止することより、1つの医療用容器の薬剤室を剥離可能な仕切部により2つの薬剤室に区分し、それぞれに、あらかじめ混合すると、経時的に変質、劣化する薬剤を分離して収納したいわゆる複室の医療用容器が使用されるようになってきている。しかし、このような複室の医療用容器の場合、仕切部の開通を行うことなく、医療用容器に、輸液セットの薬剤排出用針を穿刺すると薬剤が流出してしまう。
【0003】
特許文献1(特開2002−136570号公報)に示されるものがある。この医療用複室容器は、複数の収納部と、該収納部を仕切る仕切り用弱シール部と、前記収納部に接続された薬剤排出口と、少なくとも1つの前記収納部と前記薬剤排出口との間を仕切る排出用弱シールとを備え、前記複数の収納部の少なくとも1つに液状薬剤が収納され、前記仕切り用弱シール部及び排出用弱シール部は前記収納部内の圧力を高めることにより開封するとともに、前記排出用弱シール部を開封するために必要な圧力が、前記仕切り用弱シール部を開封するために必要な圧力より大きいもしくは同等なものとなっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−136570号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1のものでは、薬液の排出を可能とするためには、排出用の弱シール部の開封が必要であり、その作業は、実質的に仕切部の開封を同時に行うものとなる。このため、仕切部の開封を行うことなく、輸液セットの薬剤排出用針を穿刺しても薬剤が流出することはない。
しかし、特許文献1のものでは、その全ての実施例において、排出用の弱シール部を備えている。このため、排出用の弱シール部と排出ポート間にデッドスペースが形成されるとともに、医療用容器内に形成される各薬剤室の納容量を少ないものとする。このため、医療用容器に所定の量の薬液を収納させる場合に、容器そのものを大きくする必要がある。また、排出用弱シールは、その一部分のみ開通することにより、薬液の排出は可能となるが、排出口付近に位置する排出用弱シール部の未剥離部分が薬液を容器内に残量させるおそれもある。
また、特許文献1のものでは、排出ポート側の薬剤室11への薬液の注入に排出ポート部分を利用することができず、他の部分、例えば、容器の側面より行わなければならず、注入後の封止作業も必要となる。
そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決するものであり、仕切部を開封するための医療用容器の押圧作業を行うことなく、輸液セットの薬剤排出用針を穿刺しても薬剤が流出することがなく、かつ、医療用容器内に不要なデッドスペースの形成も、医療用容器内の薬液の残留のおそれもなく、さらに、排出ポートを利用した薬液の注入を可能とする医療用容器を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するものは、以下のものである。
(1) 可撓性材料により形成され、剥離可能な弱シール部を有する仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された容器本体と、該容器本体の前記第1の薬剤室側に取り付けられた薬剤排出ポートと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤とを備える薬剤入り医療用容器であって、
前記薬剤排出ポートは、前記容器本体に固定された筒状部材と、前記薬剤排出ポートの他端部を閉塞するとともに、薬剤排出用針により連通可能な弾性部材と、前記筒状部材内を前記弾性部材側に移動可能な筒状体と、該筒状体に設けられ、前記第1の薬剤の前記筒状部材内への流入を阻止する隔壁とを備え、前記隔壁と前記弾性部材間の距離は、使用される薬剤排出用針の前記薬剤排出ポート内への刺入可能長さより長いものとなっており、さらに、前記容器本体の前記第1の薬剤室部分の押圧による前記筒状体の移動により、前記隔壁は、前記薬剤排出用針により開通可能となるものである医療用容器。
【0007】
(2) 前記薬剤排出ポートは、前記筒状体の前記筒状部材の後端側である前記弾性部材側への移動を可能とし、かつ前記筒状体の前記筒状部材の先端側には移動を防止する移動規制機能を備えている(1)に記載の医療用容器。
(3)前記薬剤排出ポートは、前記筒状体が前記筒状部材の後端側に移動し、前記薬剤排出用針により開通可能な位置に到達した場合に、その位置に保持する位置保持機能を備えている(1)または(2)に記載の医療用容器。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。図2は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの一例の正面図である。図3は、図2の薬剤排出ポートの断面図である。図4は、図2の薬剤排出ポートの平面図である。図5は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の断面図である。
本発明の医療用容器1は、可撓性材料により形成され、剥離可能な弱シール部9aを有する仕切部9により第1の薬剤室15aと第2の薬剤室15bに区分された容器本体2と、容器本体2の第1の薬剤室15a側に取り付けられた薬剤排出ポート3と、第1の薬剤室15aに収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室15bに収納された第2の薬剤とを備える。薬剤排出ポート3は、容器本体2に固定された筒状部材31と、薬剤排出ポート3の第1の薬剤室側端部に位置し、第1の薬剤の筒状部材31内への流入を阻止する隔壁32と、薬剤排出ポート3の他端部に位置する薬剤排出用針により連通可能な連通部33とを備える。さらに、隔壁32と弾性部材33b間の距離は、使用される薬剤排出用針の薬剤排出ポート3内への刺入可能長さより長いものとなっている。さらに、隔壁32は、容器本体2の第1の薬剤室部分を押圧することにより開通可能なものとなっている。
【0009】
上記のような隔壁32を備えるため、隔壁32を開通することなく、言い換えれば、第1の薬剤室部分の押圧作業を行わずに、薬剤排出用針を排出ポートに穿刺しても、第1の薬剤室内の薬剤は流出しない。このため、容器本体の仕切部の剥離作業、すなわち、第1の薬剤室と第2の薬剤室との連通作業を行うことなく、薬液が投与されることを防止できる。
隔壁32としては、第1の薬剤室部分の押圧による仕切部9の開通作業時に開通するものであることが好ましい。隔壁32の開通は、仕切部9の開通前に開通するもの、仕切部の開通後に開通するものいずれであってもよい。特に、第1の薬剤のみの投与をより高い確率で防止するためには、隔壁32は、第1の薬剤室部分の押圧時に、仕切部の開通後に開通するものであることが好ましい。なお、隔壁32は、第2の薬剤室部分の押圧により仕切部が開通した後、さらに押圧を続けることにより、もしくは仕切部の開通と同時に開通するものであってもよい。この場合でも、第1の薬剤室部分(第2の薬剤室と一体化している)が押圧されることになる。さらには、隔壁32は、第1の薬剤室部分をある程度の力で押圧したときに開通するものであれば、仕切部9の開通前に開通するものであってもよい。この場合、第1の薬剤室部分を押圧する作業は行っているので、仕切部9の開通を作業者は自覚している。また、このようにすることにより、仕切部9の開通後に隔壁32の開通のための作業は不要となる。
【0010】
この実施例の医療用容器1では、シート状筒状体により形成された容器本体2を備え、この容器本体には、内部収納部を区画する仕切部9が形成されており、収納部は、第1の薬剤室15aと第2の薬剤室15bに区画されている。
また、図1に示すように、容器本体2の一端側及び他端側には、シール部5,6が設けられている。また、この実施例の医療用容器1では、第1の薬剤室15a側に設けられた薬剤排出ポート3と、第2の薬剤室15b側に設けられた薬剤容器4を備えている。
【0011】
医療用容器1の容器本体2は、軟質合成樹脂により形成されている。容器本体2は、インフレーション成形法により筒状に成形されたものが好ましい。なお、容器本体2は、例えば、ブロー成形法、共押出インフレーション法などの種々の方法により製造されたものでもよい。
容器本体2は、水蒸気バリヤー性を有することが好ましい。水蒸気バリヤー性の程度としては、水蒸気透過度が、50g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であることが好ましく、より好ましくは10g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下であり、さらに好ましくは1g/m2・24hrs・40℃・90%RH以下である。この水蒸気透過度は、JISK7129(A法)に記載の方法により測定される。
このように容器本体2が水蒸気バリヤー性を有することにより、医療用容器1の内部からの水分の蒸散が防止できる。その結果、充填される薬剤(具体的には、薬液)の減少、濃縮を防止することができる。また、医療用容器1の外部からの水蒸気の侵入も防止することができる。
【0012】
このような容器本体2の形成材料としては、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)のようなポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)が挙げられる。そして、使用する樹脂材料は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)に耐えられる耐熱性、耐水性を有していることが好ましい。
また、容器本体の形成材料として、ポリオレフィンが含有されるとき、本発明の有用性が大きいものとなる。したがって、本発明においては、容器本体2の形成材料として、ポリオレフィンを含むものであるのが好ましい。容器本体2の形成材料として、特に好ましいものとして、ポリエチレンまたはポリプロピレンに、スチレン−ブタジエン共重合体やスチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体等のスチレン系熱可塑性エラストマーあるいはエチレン−プロピレン共重合体やエチレン−ブテン共重合体,プロピレン−αオレフィン共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマーをブレンドし柔軟化した軟質樹脂を挙げることができる。この材料は、高強度で柔軟性に富み、耐熱性(特に滅菌時の耐熱性)、耐水性が高い他、加工性が特に優れ、製造コストの低減を図ることができる点で好ましい。
【0013】
また、容器本体は、前述したような材料よりなる単層構造のもの(単層体)であってもよいし、また種々の目的で、複数の層(特に異種材料の層)を重ねた多層積層体であってもよい。多層積層体の場合、複数の樹脂層を重ねたものであってもよいし、少なくとも1層の樹脂層に金属層を積層したものであってもよい。複数の樹脂層を重ねたものの場合、それぞれの樹脂の利点を併有することができ、例えば、容器本体2の耐衝撃性を向上させたり、対ブロッキング性を付与したりすることができる。また、金属層を有するものの場合、容器本体2のガスバリヤー性等を向上させることができる。例えば、アルミ箔等のフィルムが積層された場合、ガスバリヤー性の向上とともに、遮光性を付与したりすることができる。また、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる層を形成した場合、ガスバリヤー性の向上とともに、容器本体2の透明性を維持することができ、内部の視認性を確保することができる。なお、容器本体2が多層積層体である場合、その内表面部分を形成する材料が、前述した材料であるのが好ましい。
容器本体2を構成するシート材の厚さは、その層構成や用いる素材の特性(柔軟性、強度、水蒸気透過性、耐熱性等)等に応じて適宜決定され、特に限定されるものではないが、通常は、100〜500μm程度であるのが好ましく、200〜360μm程度であるのがより好ましい。
【0014】
そして、容器本体1は、仕切部9を備えており、これにより、内部が2室に区分されている。仕切部9は、容器本体1を横方向全体に横切る剥離可能な弱シール部9aと、両端の弱シール部9aの分岐部内に設けられた実質的に剥離不能な強シール部9bを備えている。
そして、弱シール部は、加熱プレスにより行うことが好ましく、金型の温度は、容器本体2の形成材料の溶融温度より10℃以上低い温度で行うことにより形成することができる。
また、医療用容器1の容積は、内部に収納する薬剤の種類等によって異なるが、通常は、第1の薬剤室の容積が、50〜3000ml程度であることが好ましく、第2の薬剤室の容積が、50〜3000ml程度であることが好ましい。
このように薬剤室15を2つに区分することにより、反応等による変質、劣化を生じる物質を含有する液体を使用するまでは別々に保存でき、使用に際し、両液を混合することが好ましいとき等に適用することができる。それぞれの薬剤室に収納される薬剤としては、薬液、散剤などが考えられる。特に、本発明の医療用容器では、第1の薬剤は、薬液であることが好ましい。第2の薬剤は、薬液もしくは散剤いずれであってもよい。好ましくは、薬液である。第1の薬剤および第2の薬剤の組合せとしては、例えば、アミノ酸電解質液とブドウ糖液、ブドウ糖液と重曹液等の組み合わせが挙げられる。
【0015】
薬剤容器4は、図1に示すように、容器本体2の第2の薬剤室側に液密に固着されている。さらに、薬剤容器4は、薬剤収容部4aと操作部4bを備え、操作部4bが、容器本体2の第2の薬剤室15b内に突出している。また、薬剤容器4は、薬剤室4aと操作部4b間に設けられた破断可能部を備えている。そして、操作部4bを容器本体2の外部から押し曲げることにより、薬剤容器4は破断可能部にて破断し、充填する薬剤は、容器本体2内に流入する。薬剤容器4内には、例えば、脂溶性ビタミンが収納される。
薬剤排出ポート3は、容器本体2内に充填された薬剤(薬液)を排出するためのものである。この実施例における排出ポート3は、図2および図3に示すように、上端(第1の薬剤室側端部)が開口した筒状部材31と、筒状部材の下端側に液密に取り付けられた薬剤排出用針により連通可能な連通部33と、筒状部材31の先端開口に固定された隔壁32とを備えている。連通部33は、キャップ部材33aと、その後端開口を封止するとともに薬剤排出用針の刺通が可能な弾性部材33bとを備えている。連通部33としては、このような形態のものに限定されるものではない。
【0016】
筒状部材31、キャップ部材33aの形成材料としては、硬質または半硬質樹脂が好適である。筒状部材31の形成材料としては、超音波融着、ヒートシールなどにより容器本体に融着可能なものが好ましい。また、キャップ部材33aの形成材料としては、硬質または半硬質樹脂が好適である。さらに、キャップ部材33aの形成材料としては、超音波融着、高周波融着などにより筒状部材31に融着可能なものが好ましい。また、筒状部材31は、後端にキャップ部材の先端部を収納する環状凹部を有するフランジ部41を備えている。また、キャップ部材33aは、上記フランジ部41と当接するフランジ部33cと、上記筒状部材の環状凹部に収納される先端部33dを備えている。そして、筒状部材31とキャップ部材33aを両者のフランジ部の当接面において、液密に固着されている。
【0017】
筒状部材31、キャップ部材33aの形成材料としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなど、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど、スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)など、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、例えば、6ナイロン,66ナイロンなどが使用される。
弾性部材33bの形成材料としては、合成ゴム、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなど、天然ゴム、例えば、ラテックスゴム、スチレン系エラストマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマーなど、ウレタン系エラストマー、例えば、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱可塑性ポリエステルポリウレタンなどが使用できる。
【0018】
隔壁32としては、第1の薬剤室に収納されている第1の薬剤(薬液)を通過させないものであるとともに、第1の薬剤室の押圧により負荷される圧力により破損可能なものが用いられる。隔壁32としては、薄膜が好適である。薄膜としては、樹脂製薄膜、金属製薄膜、積層フィルムなどが使用できる。また、薄膜は、無孔質薄膜、多孔質薄膜のいずれであってもよい。多孔質薄膜を用いる場合には、液体非透過性のものが用いられる。
樹脂製薄膜としては、フッ素系樹脂フィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、ケイ素樹脂系フィルムなどが使用できる。フッ素系樹脂フィルムとしては、例えば、PTFE、ETFEなどが使用でき、ポリオレフィンフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが使用でき、ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、セルロースフィルム、例えば、再生セルロースなどが使用できる。樹脂製薄膜の厚みは、使用する薄膜の強度によっても相違するが、10μm〜200μm程度が好適と考える。
【0019】
さらに、隔壁32は、脆弱に形成された易破損可能部を備えていることが好ましい。具体的には、薄膜に、易破損可能部である脆弱部を設けることが好ましい。脆弱部としては、例えば、隔壁に部分的に形成された薄肉部が好適である。脆弱部の形態は、どのようなものでもよいが、例えば、隔壁を横切るものであることが好ましい。特に、隔壁の中心部を横切るものが好ましい。
また、樹脂製薄膜としては、構造的に易破損可能なものであってもよい。このような樹脂製薄膜としては、結晶性樹脂による一軸延伸フィルム(言い換えれば、一軸配向フィルム)が好適である。結晶性樹脂としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなど、また、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが好適である。そして、一軸延伸フィルムは、配向方向(延伸方向)に平行に容易に破断可能であるため、第1の薬剤室の押圧による破損が容易なものとなる。
【0020】
また、金属薄膜としては、アルミニウム薄膜が好適である。アルミニウム薄膜を用いる場合には、筒状部材との固着のための接着層を設けることが好ましい。接着層は、薄膜の一方の面の全面もしくは筒状部材の端部と接触する部分に設けられる。接着層としては、低融点樹脂が用いられる。具体的には、低融点ポリエチレンが好適である。
隔壁としては、多層構造フィルムであってもよい。多層構造フィルムとしては、上述した樹脂フィルムの多層構造フィルム、また、上述した樹脂フィルムと上述した金属薄膜との多層構造フィルムが考えられる。そして、多層構造フィルムとしては、隔壁に脆弱部を付与するものが好ましい。例えば、多層構造フィルムのいずれかの層に、部分的な脆弱部もしくは欠損部を形成することが考えられる。具体的には、多層のいずれかの層に、脆弱部(具体的には、部分的破断部)、部分的欠損部を設けることが考えられる。部分的破断部としては、例えば、ミシン目状の連続しないスリットが好適である。部分的欠損部としては、所定形状、例えば、細い帯状、隔壁の中心付近から放射状に延びるスリット(欠損部)などが好適である。
そして、この実施例の排出ポート3では、隔壁32は、 図3に示すように、筒状部材31の第1の薬剤室内に位置する開口端を封止するように固定されている。隔壁の固定は、熱融着、高周波融着、超音波融着、接着剤により行われる。好ましくは、熱融着である。また、図5に示す実施例の排出ポート40のように、隔壁32は、筒状部材31の第1の薬剤室内に位置する開口端を封止するよう開口端の側面全周に固定されていてもよい。このようにすることにより、隔壁の固着面積を広くすることができ、隔壁の筒状部材への固定が確実なものとなる。
【0021】
また、薬剤排出ポートとしては、図6および図7に示すものであってもよい。図6は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。図7は、図6のA−A線断面図である。
この例の薬剤排出ポート50の基本構成は、上述した排出ポート3と同じである。相違は、筒状部材31の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)の構造のみである。隔壁32、連通部33については、上述したものと同じである。この排出ポート50は、隔壁32よりわずかに弾性部材側に設けられた隔壁保護部34を備えている。隔壁保護部34は、筒状部材31の開口端にその開口を横切るように設けられている。特に、この実施例では、隔壁保護部34は、細い棒状部であり、開口の中心を挟むようにほぼ平行に2本設けられている。なお、隔壁保護部34を構成する棒状部は、開口の中心に1本のみ設けてもよい。さらには、3本以上設けてもよい。また、この例では、通常状態において、隔壁の一方の面は、隔壁保護部に接触する状態となっている。しかし、隔壁保護部は、隔壁が押圧された時にのみ接触するものであってもよい。このような隔壁保護部を設けることにより、隔壁の不用意な開通を防止できる。
【0022】
また、図8に示す薬剤排出ポート60のように、隔壁保護部34に、易破損可能部34aを設けてもよい。易破損可能部34aは、隔壁保護部34の他の部分に比べて強度の低い部分となっている。具体的には、易破損可能部34aは、隔壁保護部34の他の部分に比べて断面積の小さい脆弱部となっている。隔壁保護部34としては、易破損可能部34aを備えない以外は、上述したものと同じである。また、この例では、通常状態において、隔壁の一方の面は、隔壁保護部34に接触する状態となっている。しかし、隔壁保護部は、隔壁が押圧された時にのみ接触するものであってもよい。このような隔壁保護部を設けることにより、隔壁の不用意な開通を防止できる。さらに、隔壁保護部は、この易破損可能部部分にて破断もしくは変形するため、隔壁の開通を隔壁保護部が妨げることを防止できる。
【0023】
また、薬剤排出ポートとしては、図9および図10に示すものであってもよい。図9は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。図10は、図9のB−B線断面図である。
この例の薬剤排出ポート70は、隔壁32より弾性部材33b側に設けられ、第1の薬剤室部分の押圧時に隔壁32と接触する隔壁開通補助部35を備えている。
この例の薬剤排出ポート70の基本構成は、上述した排出ポート3と同じである。相違は、筒状部材31の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)の構造のみである。隔壁32、連通部33については、上述したものと同じである。この排出ポート70は、隔壁32より他端側(弾性部材33b側)に若干離間する位置に設けられた隔壁開通補助部35を備えている。隔壁開通補助部35は、筒状部材31の開口端より若干他端側に設けられ、筒状部材の通路を横切るように設けられた棒状体であり、その隔壁側の面には、隔壁側に向かって突出する針状部35aを備えている。この例では、隔壁開通補助部は、筒状体の通路の中心を通るように1本のみ設けられている。しかし、隔壁開通補助部は、2本以上設けてもよい。そして、開通補助部35の針状部35aの先端は、通常状態において、隔壁に接触しないものとなっている。そして、容器本体を押圧し、隔壁が押圧により変形した時にのみ接触するものとなっている。このような隔壁開通補助部を設けることにより、隔壁の開通を容易かつ確実なものとすることができる。
【0024】
また、薬剤排出ポートとしては、図11ないし図13に示すものであってもよい。図11は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。図12は、図11のC−C線断面図である。図13は、図11のD−D線断面図である。
この例の薬剤排出ポート80の基本構成は、上述した排出ポート3と同じである。相違は、隔壁36が筒状部材31の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)に一体に形成されている点である。連通部33については、上述したものと同じである。
この排出ポート80は、筒状部材31の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)に一体に形成された隔壁36を備えている。この隔壁36も上述した隔壁32と同様に、容器本体2の第1の薬剤室部分を押圧することにより開通可能なものとなっている。なお、この隔壁36は、筒状部材31と一体ではなく、別個に形成したものを、筒状部材31の先端部に固定したものであってもよい。
【0025】
隔壁36は、図12および図13に示すように、中央部が後端側(弾性部材側)に窪んだ円錐もしくは多角錐状となっている。さらに、この例の隔壁36は、その中心より周縁側に延びる易破損可能部37を備えている。特に、この例では、隔壁36は、放射状に延びる易破損可能部37を備えている。易破損可能部37は、隔壁36の他の部分に比べて強度の低い部分となっている。この例では、易破損可能部37は、隔壁36の他の部分に比べて断面積の小さい脆弱部となっている。具体的には、隔壁36の中心部に設けられた中心脆弱部37aと、周縁部に設けられた環状脆弱部37bと、両者を接続するように設けられた放射状脆弱部37cを備えている。なお、環状脆弱部37bは、図11に示すような円状のものに限られず、放射状脆弱部37cの端部を接続する矩形状のものであってもよい。
このような隔壁36とすることにより、隔壁の開通を容易かつ確実なものとすることができる。特に、容器本体2の第1の薬剤室部分を押圧することにより、窪んでいる隔壁36の中心に強く圧力がかかり、中心部の脆弱部が破断するとともに放射状の脆弱部も破断するため、隔壁は容易に開通する。さらに、環状脆弱部部分にて折れ曲がり易いため、開通後の隔壁が薬液の流通を阻害することも少ない。
【0026】
また、薬剤排出ポートとしては、図14および図15に示すものであってもよい。図14は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。図15は、図14のE−E線断面図である。
この例の薬剤排出ポート85の基本構成は、上述した排出ポート3と同じである。相違は、隔壁86と筒状部材31の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)の構造のみである。連通部33については、上述したものと同じである。
この排出ポート85は、筒状部材31の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)に離脱可能に、かつ実質的に液密に取り付けられた隔壁86を備えている。この隔壁86は、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧により、変形または変位もしくは薬剤排出ポートより離脱し、第1の薬剤室と薬剤排出ポート内を連通するものである。
この例の排出ポート85では、隔壁86が取付けられている筒状部材31の先端部は、易変形部87となっている。この例では、易変形部87は、環状の薄肉部により形成されている。また、易変形部87は、筒状部材の先端側に向かって拡径するように形成されている。このため、容器本体2の第1の薬剤室部分を押圧することにより、筒状部材31に負荷される圧力により、易変形部87は変形し、保持している隔壁86を離脱させる。
【0027】
隔壁86は、ある程度の保形性を有する樹脂板もしくは硬質弾性体により形成されている。また、樹脂板としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなど、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど、スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)など、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、例えば、6ナイロン,66ナイロンなどが使用される。また、硬質弾性体としては、合成ゴム、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなど、天然ゴム、例えば、ラテックスゴムなどの硬質ゴム、スチレン系エラストマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマーなど、ウレタン系エラストマー、例えば、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱可塑性ポリエステルポリウレタンなどの硬質エラストマーが使用できる。
【0028】
そして、隔壁86は、図15に示すように、中央が第1の薬剤室側に突出した形状となっている。このようにすることにより、易変形部87の変形時における筒状部材31からの離脱を容易なものとする。また、隔壁86は、液密性を高くするするために、筒状部材31に弱くシールされているものであってもよい。
なお、隔壁38としては、上述したように、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧により、筒状部材より離脱するものが好ましい。しかし、これに限定されるものではなく、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧により、変形することにより、また、変位すること、例えば、図15に示す隔壁86が、筒状部材の中心軸に対して斜めになるなどにより、第1の薬剤室と薬剤排出ポート内を連通するものであってもよい。
【0029】
また、薬剤排出ポートとしては、図16ないし図22に示すものであってもよい。図16は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の正面図である。図17は、図16の薬剤排出ポートの平面図である。図18は、図17のF−F線断面図である。図19は、図17のG−G線断面図である。図20(a)および図20(b)は、本発明の医療用容器の薬剤排出ポートの作用を説明するための説明図である。
この例の薬剤排出ポート90は、筒状部材31内を弾性部材33b側に移動可能な筒状体91を備え、隔壁32は、この筒状体に設けられている。そして、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧による筒状体91の弾性部材側への移動により、隔壁は、使用される薬剤排出用針98により開通可能なものとなっている。そして、図16、図18および図19に示すように、排出ポート90は、筒状部材31内の先端側(第1の薬剤室側)に収納された筒状体91を備えている。筒状体91の下端側には、筒状体91の通路を閉塞するように、隔壁32が設けられている。隔壁32としては、排出ポート3において説明したものが使用される。特に、隔壁32は、図18に示すように、筒状体91の下端開口面を閉塞するように設けることが好ましい。また、排出ポート90は、筒状体91の筒状部材31の後端側(弾性部材側)への移動を可能とし、かつ筒状体91の筒状部材31の先端側には移動を防止する移動規制機能を備えている。そして、この移動規制機能は、筒状体91が筒状部材の後端側に移動し、薬剤排出用針により開通可能な位置に到達した場合に、その位置に保持する位置保持機能を備えている。このような位置保持機能を備えることにより、薬剤排出用針の隔壁への刺通時に筒状体が第1の薬剤室側に移動することを防止できる。
【0030】
筒状体91は、筒状部材31の内径とほぼ等しい外径を備えており、筒状部材31内に収納された状態では、その側面より筒状部材内への第1の薬剤の流入を阻止している。例えば、筒状体91は、その側面において筒状部材31の内面に弱シールされていてもよい。そして、筒状体91の側面には、第1の係合突起92a,92bと第2の係合突起95a,95bが設けられている。第1の係合突起92a、92bはほぼ向かい合う位置に設けられている。第2の係合突起95aと95bはほぼ向かい合う位置に設けられている。これら係合突起は、筒状体91の下端側に向かって薄くなる傾斜面と、上端側に筒状体91より略垂直状に突出する係合面を有するくさび状に形成されている。なお、第2の係合突起95a,95bは設けないものとしてもよい。
【0031】
また、筒状部材31は、上記第1の係合突起92a、92bと係合する係合突起受け部93a,93bを備えている。係合突起受け部93a,93bは、図17,図18および図19に示すように、筒状部材31の内面に形成された溝部94a,94bに設けられている。この溝部94a,94bは、第1の係合突起92a,92bを摺動可能に収納する。係合突起受け部93a,93bは、図18に示すように、下端に向かう複数の傾斜面を備えるノコギリ歯状のものとなっている。そして、筒状体91の第1の係合突起92a,92bの係合面と、係合突起受け部93a,93bの係合面の当接により、筒状体91は、筒状部材31の先端側への移動が規制されるとともに、筒状体91が筒状部材31の後端側に移動した場合にも、移動位置より筒状体91が先端側に移動することも規制する。なお、係合突起92a、92bは、その傾斜面が係合突起受け部93a,93bの傾斜面を摺動し乗り越えることが可能である。このため、筒状体91は、筒状部材31の下端側への移動が可能である。
【0032】
さらに、筒状部材31は、上記第2の係合突起95a、95bと係合する係合部97a,97bを備えている。係合部97a,97bは、図18,図19に示すように、筒状部材31の内面に形成された溝部96a,96bに設けられている。この溝部96a,96bは、第2の係合突起95a,95bを摺動可能に収納する。係合部97a,97bは、図19に示すように、第2の係合突起95a,95bと当接する係合面を備えている。
そして、図20(a)に示すように、筒状体91は、移動させない状態では、使用される薬剤排出用針を弾性部位33bに刺通しても、筒状体91の隔壁32に到達しない位置に配置されている。なお、図20(b)に示すように、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧により、筒状体91は、弾性部材側に移動することにより、薬剤排出用針98により隔壁32は、刺通可能となり、排出用針により刺通されることにより開通する。なお、上述した溝部96a,96bは、筒状体91が、下端側に移動する際の筒状体31内の脱気通路として機能する。
【0033】
また、このような容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧による筒状体91の弾性部材側への移動により、隔壁32が使用される薬剤排出用針98により開通可能なタイプのものとして、図21に示すようなものであってもよい。
この例の薬剤排出ポート100は、筒状部材31内を弾性部材33b側に移動可能な筒状体99を備え、隔壁32は、この筒状体99に設けられている。そして、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧による筒状体99の弾性部材側への移動により、隔壁32は、図21に示すように、使用される薬剤排出用針98により開通可能なものとなっている。隔壁32は、筒状体99の下端側にその通路を閉塞するように設けられている。隔壁32としては、排出ポート3において説明したものが使用される。特に、隔壁32は、図21に示すように、筒状体99の下端開口面を閉塞するように設けることが好ましい。また、筒状体99は、筒状部材31内を液密状態にて摺動可能な弾性環状リブ99aを備えている。弾性環状リブ99aは、いわゆるOリングである。また、この排出ポート100は、筒状体99の筒状部材31の第1の薬剤室側への離脱を防止する離脱防止部39aを備えている。この実施例では、離脱防止部39aは、筒状部材31の内面に設けられた突起により構成されている。また、筒状部材31は、筒状体99の筒状部材31の連通部33側への移動を規制する移動規制部39cを備えている。この実施例では、移動規制部39cは、筒状部材31の内面に設けられるとともに、弾性環状リブ99aが乗り越え可能な突起により構成されている。さらに、筒状部材31は、筒状体99が連通部33側に移動し、薬剤排出用針98により、刺通可能な位置に到達した時に係合し、筒状体99の第1の薬剤室側への移動を規制する位置保持機能を備えている。この例では、位置保持機能は、係合部39bにより構成されている。この例の排出ポート100では、係合部39bは、筒状部材31の内面に形成されるとともに、筒状体99の環状リブ99aと係合可能な環状凹部により構成されている。
【0034】
そして、筒状体99は、移動させない状態では、図21の破線に示す位置にあるため、使用される薬剤排出用針を弾性部位33bに刺通しても、筒状体99の隔壁32に到達しない。しかし、図21に示すように、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧により、筒状体99は、連通部33側に移動することにより、薬剤排出用針98により隔壁32は、刺通可能となり、排出用針により刺通されることにより開通する。
【0035】
また、薬剤排出ポートとしては、図22ないし図23に示すものであってもよい。図22は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の正面図である。図23は、図22のH−H線断面図である。
この例の薬剤排出ポート110は、筒状部材31内を弾性部材33b側に移動可能な筒状体91を備え、隔壁32は、この筒状体に設けられている。そして、排出ポート110は、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧による筒状体91の移動により、隔壁32と接触する隔壁開通補助部101を備えている。隔壁32としては、上述したものが使用できる。
【0036】
筒状体91は、筒状部材31の内径とほぼ等しい外径を備えており、筒状部材31内に収納された状態では、その側面より筒状部材内への第1の薬剤の流入を阻止している。そして、筒状体91の側面には、係合突起95a,95bが設けられている。係合突起95aと95bはほぼ向かい合う位置に設けられている。これら係合突起は、筒状体91の下端側に向かって薄くなる傾斜面と、上端側に筒状体91より略垂直状に突出する係合面を有するくさび状に形成されている。また、筒状部材31は、上記第2の係合突起95a、95bと係合する係合部97a,97bを備えている。係合部97a,97bは、図17,図18および図19に示すように、筒状部材31の内面に形成された溝部96a,96bに設けられている。この溝部96a,96bは、係合突起95a,95bを摺動可能に収納する。係合部97a,97bは、図23に示すように、係合突起95a,95bと当接する係合面を備えている。係合部97a,97bと係合突起95a,95bの係合により、筒状体91は、筒状部材31の先端側への移動が規制されている。
【0037】
さらに、排出ポート110(具体的には、筒状部材31)は、図23に示すように、隔壁32より若干他端側(弾性部材33b側)に離間する位置に設けられた隔壁開通補助部101を備えている。隔壁開通補助部101は、筒状部材31の開口端より若干他端側に設けられ、筒状部材31の通路を横切るように設けられた棒状体であり、その隔壁側の面には、隔壁側に向かって突出する針状部101aを備えている。この例では、隔壁開通補助部は、筒状体の通路の中心を通るように1本のみ設けられている。しかし、隔壁開通補助部は、2本以上設けてもよい。そして、開通補助部101の針状部101aの先端は、通常状態において、隔壁に接触しないものとなっている。そして、容器本体2を押圧し、筒状体91が下端側に移動することにより、隔壁は、開通補助部101の針状部101aに接触し、開通する。このような隔壁開通補助部を設けることにより、隔壁の開通を容易かつ確実なものとすることができる。
【0038】
また、薬剤排出ポートとしては、図24および図25に示すものであってもよい。図24は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。図25は、図24のI−I線断面図である。
この例の薬剤排出ポート130の基本構成は、上述した排出ポート3と同じである。相違は、隔壁136と、筒状部材31の先端部分(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)の構造および後端側の形態である。連通部33については、上述したものと同じである。
この排出ポート130は、筒状部材31の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)に、閉塞部材方向に移動することにより筒状部材31より離脱可能であるとともに、実質的に液密に筒状部材31の開口を閉塞する隔壁136を備えている。この隔壁136は、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧により、押圧され、筒状部材31より離脱し、筒状部材31内の空間に収納される。そして、隔壁136の筒状部材31からの離脱により、第1の薬剤室と薬剤排出ポート内は連通する。
この例の排出ポート130では、隔壁136が取付けられている筒状部材31の先端部は、筒状部材31の本体部131aと同軸的に形成された短い筒状部131bと本体部131aと筒状部131bとを連結する連結部131cを備えている。なお、この例の排出ポート130では、筒状部の自由端側に隔壁係止部131dが設けられている。隔壁係止部131dは、筒状部131bの内方に突出するリブにより形成されている。リブとしては、1または複数の突起、または環状リブなどが好適である。また、この排出ポート130では、筒状部の第1の薬剤室側に隔壁離脱防止部131eが設けられている。隔壁離脱防止部131eは、筒状部131bの内方に突出するリブにより形成されている。リブとしては、1または複数の突起、または環状リブなどが好適である。
【0039】
隔壁136は、円盤状部材となっている。なお、円柱状部材または円筒状部材さらには中空状部材であってもよい。
隔壁136は、ある程度の保形成を有する樹脂もしくは弾性材料により形成されている。また、樹脂としては、ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマーなど、ポリエステル、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなど、スチレン系樹脂、例えば、ポリスチレン、MS樹脂(メタクリレート−スチレン共重合体)、MBS樹脂(メタクリレート−ブチレン−スチレン共重合体)など、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、例えば、6ナイロン,66ナイロンなどが使用される。また、弾性材料としては、合成ゴム、例えば、ウレタンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムなど、天然ゴム、例えば、ラテックスゴムなどの硬質ゴム、スチレン系エラストマー、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレンブチレン−スチレンコポリマーなど、ウレタン系エラストマー、例えば、熱可塑性ポリエーテルポリウレタン、熱可塑性ポリエステルポリウレタンなどの硬質エラストマーが使用できる。また、隔壁136は、排出ポート内に流入する薬剤(第1の薬剤と第2の薬剤の混合物)よりも比重が高いことが好ましい。
【0040】
また、隔壁136(および上述した隔壁86)の第1の薬剤との接触面には、シリコーン、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)などの不活性物質を塗布することが好ましい。
そして、隔壁136は、上述したように、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧により、押され、係止部131dを乗り越えることにより、筒状部材31より離脱する。離脱した隔壁136は、比重が排出ポート内に流入する薬剤よりも比重が高い場合には、排出ポート内下方に沈降する。また、薬剤よりも比重が低い場合には、ポート上方に浮遊する。
【0041】
また、隔壁としては、例えば、図26に示すようなものであってもよい。この隔壁146は、いわゆるガスケット形状となっている。この隔壁146は、先端閉塞端146aと、本体部146bを備える。さらに、本体部146bの側面には、筒状部131bの側面に液密に接触するとともに摺動可能な2つの環状リブ146c,146dを備えている。先端閉塞端は、内面が先端に向かって縮径するテーパー状となっている。また、先端閉塞端は、先端外面が先端に向かって縮径するテーパー状となっている。隔壁146の形成材料としては、上述した隔壁136において説明した弾性材料が用いられる。また、隔壁146(および上述した隔壁86)の第1の薬剤との接触面には、シリコーン、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)などの不活性物質を塗布または固定することが好ましい。
【0042】
また、隔壁としては、例えば、図27に示すようなものであってもよい。この隔壁156は、上述した隔壁146と実質的に同じである。この隔壁156は、先端閉塞端156aと本体部156bを備えている。上述した隔壁146との相違点は、本体部156bは中間部が縮径した形状となっているとともに、本体部156bの両端部が、筒状部131bの側面に液密に接触するとともに摺動可能な環状部となっている点である。隔壁146の形成材料としては、上述した隔壁136において説明した弾性材料が用いられる。また、隔壁156(および上述した隔壁86)の第1の薬剤との接触面には、シリコーン、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)などの不活性物質を塗布または固定することが好ましい。
【0043】
また、隔壁としては、例えば、図28に示すようなものであってもよい。この隔壁166は、球状体となっている。この隔壁166では、その側面が、筒状部131bの側面に液密に接触するとともに摺動可能な環状部を形成している。隔壁166の形成材料としては、上述した隔壁136において説明した弾性材料が用いられる。また、隔壁166(および上述した隔壁86)の第1の薬剤との接触面には、シリコーン、フッ素樹脂(例えば、PTFE、ETFE)などの不活性物質を塗布または固定することが好ましい。
なお、上述のような不活性物資の塗布または固定を行わず、隔壁146、156、166は、直接筒状部131bの側面に接触させてもよい。この場合には、隔壁の形成材料の硬度、弾性、接触面積等を調整し、適度な摺動抵抗を備えるものとすることが好ましい。
【0044】
また、薬剤排出ポートとしては、図29ないし図32に示すようなタイプのものであってもよい。
図29は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の正面図である。図30は、図29の薬剤排出ポートの平面図である。図31は、図29の薬剤排出ポートの分解図である。図32は、図29の薬剤排出ポートの断面図である。
この実施例の医療用容器110は、可撓性材料により形成され、剥離可能な弱シール部9aを有する仕切部9により第1の薬剤室15aと第2の薬剤室15bに区分された容器本体2と、容器本体2の第1の薬剤室15a側に取り付けられた薬剤排出ポート150と、第1の薬剤室15aに収納された第1の薬剤と、第2の薬剤室15bに収納された第2の薬剤とを備える。
【0045】
薬剤排出ポート150は、図29、図31および図32に示すように、容器本体2に固定された第1の筒状部材31aと、第1の筒状部材31内に挿入された第2の筒状部材31bと、第1の薬剤の第2の筒状部材内への流入を阻止する隔壁32と、薬剤排出ポート150の他端部を閉塞するとともに、薬剤排出用針により連通可能な連通部33とを備える。さらに、隔壁32と弾性部材33b間の距離は、使用される薬剤排出用針の薬剤排出ポート150内への刺入可能長さより長いものとなっている。さらに、隔壁32は、容器本体2の第1の薬剤室部分を押圧することにより開通可能なものとなっている。
この実施例の医療用容器110と上述した医療用容器1との相違は、薬剤排出ポートのみであり、その他の点については、上述したものと同じである。
【0046】
また、この実施例の用いられている薬剤排出ポート150の基本構成は、上述した排出ポート3と同じである。相違は、筒状部材が、容器本体2に固定された第1の筒状部材31aと、第1の筒状部材31内に挿入された第2の筒状部材31bとにより構成されている点である。そして、第2の筒状部材31bの下端部は、図31および図32に示すように、連通部33に固定されている。連通部33は、連通部33は、キャップ部材33aと、その後端開口を封止するとともに薬剤排出用針の刺通が可能な弾性部材33bとを備えている。図31に示すように、下端側に連通部33を取り付けた第2の筒状部材31bは、第1の筒状部材内に挿入される。そして、連通部33は、第1の筒状部材31aに固定されている。連通部33については、上述したものと同じである。また、隔壁32としては、上述したものが用いられる。
そして、この実施例の排出ポート150では、図32に示すように、隔壁32は、第2の筒状部材31bの第1の薬剤室側の開口端を封止するように固定されている。隔壁の固定は、熱融着、接着剤により行われる。好ましくは、熱融着である。また、図5に示す実施例の排出ポート40のように、隔壁32は、筒状部材の第1の薬剤室内に位置する開口端を封止するよう開口端の側面全周に固定されていてもよい。
【0047】
また、このような第1の筒状部材と第2の筒状部材を備えるタイプの排出ポートにおいても、図6および図7に示し、説明した薬剤排出ポート50と同様に、上述した隔壁保護部34を備えるものであってもよい。この場合、隔壁保護部は、第2の筒状部材に設けられる。また、図8に示し説明した薬剤排出ポート60と同様に、隔壁保護部34に、上述したような易破損可能部34aを設けてもよい。
さらに、図9および図10に示し説明した薬剤排出ポート70と同様に、隔壁32より弾性部材33b側に設けられ、第1の薬剤室部分の押圧時に隔壁32と接触する隔壁開通補助部35を備えるものであってもよい。この場合、隔壁開通補助部は、第2の筒状部材に設けられる。
また、図11ないし図13に示し説明した薬剤排出ポート80と同様に、隔壁32を薬剤排出ポート80において説明した隔壁36としてもよい。この場合、隔壁は、第2の筒状部材に一体に設けられる。しかし、隔壁36において説明したように、第2の筒状部材と一体ではなく、別個に形成したものを、第2の筒状部材の先端部に固定したものであってもよい。
【0048】
また、図14および図15に示し説明した薬剤排出ポート85と同様に、排出ポートは、筒状部材の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)に離脱可能に、かつ実質的に液密に取り付けられた上述した隔壁86を備えているものであってもよい。この場合、隔壁は、第2の筒状部材に設けられる。
また、図16ないし図22に示し説明した薬剤排出ポート90または薬剤排出ポート100と同様に、筒状部材内を弾性部材33b側に移動可能な筒状体91(または筒状体99)を備え、隔壁32が、この筒状体に設けられ、そして、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧による筒状体91(または筒状体99)の弾性部材側への移動により、隔壁は、使用される薬剤排出用針98により開通可能なものであってもよい。この場合、筒状体は、第2の筒状部材内を弾性部材33b側に移動可能なものとなり、筒状部材31に設けられる機構は、第2の筒状部材に設けられるものとなる。
【0049】
また、図22ないし図23に示し説明した薬剤排出ポート110と同様に、筒状部材内を弾性部材33b側に移動可能な筒状体91を備え、隔壁32がこの筒状体に設けられ、排出ポートは、容器本体2の第1の薬剤室部分の押圧による筒状体91の移動により、隔壁32と接触する隔壁開通補助部101を備えているものであってもよい。この場合、筒状体は、第2の筒状部材内を弾性部材33b側に移動可能なものとなり、筒状部材31に設けられる機構(隔壁開通補助部101を含む)は、第2の筒状部材に設けられるものとなる。
また、図24ないし図29に示し説明した薬剤排出ポート130と同様に、排出ポートは、筒状部材の先端部(第1の薬剤室内に位置する開口端部分)に離脱可能に、かつ実質的に液密に取り付けられた上述した隔壁136を備えているものであってもよい。この場合、隔壁は、第2の筒状部材に設けられる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の医療用容器は、可撓性材料により形成され、剥離可能な弱シール部を有する仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された容器本体と、該容器本体の前記第1の薬剤室側に取り付けられた薬剤排出ポートと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤とを備える薬剤入り医療用容器であって、前記薬剤排出ポートは、前記容器本体に固定された筒状部材と、該筒状部材の前記第1の薬剤室側端部に位置し、前記第1の薬剤の前記筒状部材内への流入を阻止する隔壁と、前記薬剤排出ポートの他端部を閉塞するとともに、薬剤排出用針により連通可能な連通部とを備え、前記隔壁と前記弾性部材間の距離は、使用される薬剤排出用針の前記薬剤排出ポート内への刺入可能長さより長いものとなっており、さらに、前記隔壁は、前記容器本体の前記第1の薬剤室部分を押圧することにより開通可能なものである。
【0051】
また、本発明の医療用容器は、可撓性材料により形成され、剥離可能な弱シール部を有する仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された容器本体と、該容器本体の前記第1の薬剤室側に取り付けられた薬剤排出ポートと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤とを備える薬剤入り医療用容器であって、前記薬剤排出ポートは、前記容器本体に固定された第1の筒状部材と、該第1の筒状部材内に挿入された第2の筒状部材と、該第2の筒状部材の前記第1の薬剤室側端部に位置し、前記第1の薬剤の該第2の筒状部材内への流入を阻止する隔壁と、前記薬剤排出ポートの他端部を閉塞するとともに、薬剤排出用針により連通可能な連通部とを備え、前記隔壁と前記弾性部材間の距離は、使用される薬剤排出用針の前記薬剤排出ポート内への刺入可能長さより長いものとなっており、さらに、前記隔壁は、前記容器本体の前記第1の薬剤室部分を押圧することにより開通可能なものである。
上記のような隔壁32を備えるため、隔壁32を開通することなく、言い換えれば、第1の薬剤室部分の押圧作業を行わずに、薬剤排出用針を排出ポートに穿刺しても、第1の薬剤室内の薬剤は流出しない。このため、投与前には、第1の薬剤室部分の押圧作業が行われるため、第1の薬剤室と第2の薬剤室との連通作業を行うことなく、薬液が投与されることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の医療用容器の一実施例の正面図である。
【図2】図2は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの一例の正面図である。
【図3】図3は、図2の薬剤排出ポートの断面図である。
【図4】図4は、図2の薬剤排出ポートの平面図である。
【図5】図5は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の断面図である。
【図6】図6は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。
【図7】図7は、図6のA−A線断面図である。
【図8】図8は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。
【図9】図9は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。
【図10】図10は、図9のB−B線断面図である。
【図11】図11は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。
【図12】 図12は、図11のC−C線断面図である。
【図13】図13は、図11のD−D線断面図である。
【図14】図14は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。
【図15】図15は、図11のE−E線断面図である。
【図16】図16は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の正面図である。
【図17】図17は、図16の薬剤排出ポートの平面図である。
【図18】図18は、図17のF−F線断面図である。
【図19】図19は、図17のG−G線断面図である。
【図20】図20は、本発明の医療用容器の薬剤排出ポートの作用を説明するための説明図である。
【図21】図21は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例のを説明するための説明図である。
【図22】 図22は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。
【図23】図23は、図22のH−H線断面図である。
【図24】図24は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の平面図である。
【図25】図25は、図24のI−I線断面図である。
【図26】 図26は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の隔壁付近の構造を説明するための説明図である。
【図27】 図27は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の隔壁付近の構造を説明するための説明図である。
【図28】 図28は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の隔壁付近の構造を説明するための説明図である。
【図29】図29は、本発明の医療用容器に使用される薬剤排出ポートの他の例の正面図である。
【図30】図30は、図29の薬剤排出ポートの平面図である。
【図31】図31は、図29の薬剤排出ポートの分解図である。
【図32】図32は、図29の薬剤排出ポートの断面図である。
【符号の説明】
1 医療用容器
2 容器本体
3 薬剤排出ポート
4 薬剤室
32 隔壁
Claims (3)
- 可撓性材料により形成され、剥離可能な弱シール部を有する仕切部により第1の薬剤室と第2の薬剤室に区分された容器本体と、該容器本体の前記第1の薬剤室側に取り付けられた薬剤排出ポートと、前記第1の薬剤室に収納された第1の薬剤と、前記第2の薬剤室に収納された第2の薬剤とを備える薬剤入り医療用容器であって、
前記薬剤排出ポートは、前記容器本体に固定された筒状部材と、前記薬剤排出ポートの他端部を閉塞するとともに、薬剤排出用針により連通可能な弾性部材と、前記筒状部材内を前記弾性部材側に移動可能な筒状体と、該筒状体に設けられ、前記第1の薬剤の前記筒状部材内への流入を阻止する隔壁とを備え、前記隔壁と前記弾性部材間の距離は、使用される薬剤排出用針の前記薬剤排出ポート内への刺入可能長さより長いものとなっており、さらに、前記容器本体の前記第1の薬剤室部分の押圧による前記筒状体の移動により、前記隔壁は、前記薬剤排出用針により開通可能となるものであることを特徴とする医療用容器。 - 前記薬剤排出ポートは、前記筒状体の前記筒状部材の後端側である前記弾性部材側への移動を可能とし、かつ前記筒状体の前記筒状部材の先端側には移動を防止する移動規制機能を備えている請求項1に記載の医療用容器。
- 前記薬剤排出ポートは、前記筒状体が前記筒状部材の後端側に移動し、前記薬剤排出用針により開通可能な位置に到達した場合に、その位置に保持する位置保持機能を備えている請求項1または2に記載の医療用容器。
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