JP2005245960A - 医療用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤の排出を防止する医療用容器を提供する。
【解決手段】 本発明の医療用容器1は、複数の薬剤室3と、複数の薬剤室3,4を仕切るための剥離可能な仕切用シール部5を有する軟質バッグ2と、複数の薬剤室3,4のうちの一つの薬剤室3に接続された排出用ポート6と、複数の薬剤室3,4内に収納された異なる薬剤11,12とを備える医療用容器1であって、排出用ポート6は、中空部6cと、薬剤室3からの中空部6cへの薬剤11の流通を規制する流通規制部9を有し、さらに、医療用容器1は、排出用ポート6が接続されていない薬剤室4内に収納され、流通規制部9の薬剤流通を可能とするための連通用部材10を備える。
【選択図】 図8

Description

本発明は、2成分以上の薬剤を内部で予め混合してから投与するための複室医療用容器に関する。
例えば、アミノ酸を含む輸液とブドウ糖を含む輸液との組合せや、抗生物質とその溶解液との組合せ、あるいは投与溶液のpHを中性付近にするためにブドウ糖溶液と重炭酸ナトリウムや水酸化ナトリウムを配合したアルカリ溶液の組み合わせ、ビタミンとブドウ糖と電解質とアミノ酸を組み合わせた輸液等は、それらを混合した状態で滅菌・保管すると投与するまでに変質するおそれがある。そこで、このように成分の異なった薬液を一の容器内で分離して収容し、薬剤投与時に混合可能な複室容器が用いられている。このような複室容器としては、例えば、容器に剥離可能な弱シール部を設け、複数の薬剤室を形成したものがある。
しかしながら、複室容器を使用する場合、医療従事者が多忙であるために弱シール部を開封し忘れたまま混合前の一成分のみを投与してしまうおそれがある。このような複室容器は、閉鎖系にすることにより無菌性を保証し、簡容な操作で各薬剤室を連通させることを特徴としているため、薬剤を混合する前でも混合前の成分を排出容易なものが多く、混合前の薬剤投与を防止するものではなかった。
上記問題点を解決するため、特開2003−159310号(特許文献1)には、複数の収納部10,11と、複数の収納部を仕切る仕切用弱シール部20と、収納部に接続された薬剤排出口32と、薬剤排出口32の周囲に形成された排出用弱シール部21を有する医療用複室容器が開示されている(特許文献1)。この複室容器は、複数の収納部を仕切るシール部20の他に排出用口32付近に別のシール部21を設けることにより、各収納部に収納されている薬剤を混合した後に患者に投与することを目的としている。
また、特開2002−136570号公報(特許文献2)には、複数の収納部10,11と、複数の収納部を仕切る封止用弱シール部20と、収納部に接続された薬剤排出口32と、薬剤排出口32の周囲に形成された排出用弱シール部21を有する医療用複室容器が開示されている。この容器も、上述した容器と同様に、複数の収納部を仕切るシール部20の他に排出用口32付近に別のシール部21を設けることにより、各収納部に収納されている薬剤を混合した後に患者に投与することを目的としている。
しかしながら、これらの容器であっても、各収納部10,11内の薬剤を混合する前に、薬剤排出用口32の周囲に設けられたシール部21が剥離され薬剤の単独投与が行われるおそれがある。
特開2003−159310号公報 特開2002−136570号公報
そこで、本発明は、上記問題点を解決するものであり、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤の排出を防止する医療用容器を提供するものである。
上記目的を達成するものは以下の通りである。
(1) 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室のうちの一つの薬剤室に接続された排出用ポートと、前記複数の薬剤室内に収納された異なる薬剤を備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、さらに、前記医療用容器は、前記排出用ポートが接続されていない前記薬剤室内に収納され、前記流通規制部の薬剤流通を可能とするための連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
また、上記目的を達成するものは以下の通りである。
(2) 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室のうちの一つの薬剤室に接続された排出用ポートと、前記複数の薬剤室に収納された異なる薬剤を備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、さらに、前記医療用容器は、前記仕切用シール部に保持されるとともに該仕切用シール部の剥離により該シール部より離脱することにより使用可能となり、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
(3) 前記連通用部材は、一端側に前記流通規制部を開通するための連通部を有し、他端側が前記仕切用シール部に保持されており、さらに、前記連通部を前記流通規制部へ誘導する誘導部を有するものである上記(2)に記載の医療用容器。
また、上記目的を達成するものは以下の通りである。
(4) 薬剤室を有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、該軟質バッグに取り付けられた排出用ポートと、該軟質バッグに取り付けられた薬剤容器と、前記薬剤室と前記薬剤容器に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、該薬剤容器は、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えており、かつ、該連通用部材は前記薬剤容器と前記薬剤室との連通を規制するとともに薬剤容器本体部から分離可能となっていることを特徴とする医療用容器。
(5) 前記薬剤室は剥離可能な仕切用シール部により複数の薬剤室に仕切られ、前記薬剤容器は、前記排出用ポートが取り付けられていない薬剤室に取り付けられ、前記複数の薬剤室には、異なる薬剤が収納されている上記(4)に記載の医療用容器。
(6) 前記医療用容器は、2つの薬剤室を有し、一方の薬剤室には前記排出用ポートが接続され、他方の薬剤室内に前記連通用部材が収納されているもしくは前記仕切用シール部に前記連通用部材が保持されている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の医療用容器。
(7) 前記流通規制部は、前記排出用ポートの前記中空部を横切るように設けられた破断可能な膜部もしくは破断可能な薄板部であり、前記連通用部材は、前記膜部もしくは前記薄板部を破断するための部材である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用容器。
(8) 前記流通規制部は、前記薬剤室内からの前記中空部への薬剤の流通を規制するための弁機構であり、前記連通用部材は、前記弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の医療用容器。
(9) 前記弁機構は、前記中空部を横切るように重なり合う複数の扇形状の弁体により構成され、前記連通用部材は、前記弁体に挿通可能なものである上記(8)に記載の医療用容器。
(10) 前記弁機構は、ボール状の弁と、該弁を支持する支持部からなり、前記連通用部材は、前記ボール状の弁を前記支持部からずらして連通状態とすることができる部材である上記(8)に記載の医療用容器。
(11) 前記弁機構は、前記排出用ポートの前記中空部の開口の周囲に配置され該開口を覆うように互いに接触する2枚のフィルムにより構成され、前記連通用部材は、該2枚のフィルムを離間させる部材である上記(8)に記載の医療用容器。
また、上記目的を達成するものは以下の通りである。
(12) 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部と前記薬剤室と隣接する空間とを有すとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室に充填された異なる薬剤と、前記空間に取り付けられた排出用ポートとを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間と隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、さらに、前記医療用容器は、前記空間と隣接しない前記薬剤室内に収納され、前記流通規制部の薬剤流通を可能とするための連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
上記目的を達成するものは以下の通りである。
(13) 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部と前記薬剤室と隣接する空間とを有すとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室に充填された異なる薬剤と、前記空間に取り付けられた排出用ポートとを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間に隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、さらに、前記医療用容器は、前記仕切用シール部に保持されるとともに該仕切用シール部の剥離により該シール部より離脱することにより使用可能となり、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
上記目的を達成するものは以下の通りである。
(14) 薬剤室と該薬剤室と隣接する空間を有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、該空間に取り付けられた排出用ポートと、前記薬剤室に取り付けられた薬剤容器と、前記薬剤室と前記薬剤容器に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間に隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、該薬剤容器は、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えており、かつ、該連通用部材は前記薬剤容器と前記薬剤室との連通を規制するとともに薬剤容器本体部から分離可能となっていることを特徴とする医療用容器。
(15) 前記薬剤室は剥離可能な仕切用シール部により複数の薬剤室に仕切られ、前記薬剤容器は、前記空間と隣接していない薬剤室に取り付けられ、前記複数の薬剤室には、異なる薬剤が収納されている上記(14)に記載の医療用容器。
(16) 前記医療用容器は、2つの薬剤室を有し、一方の薬剤室は前記空間と隣接しており、他方の薬剤室内には前記連通用部材が収納されているもしくは前記仕切用シール部に前記連通用部材が保持されている上記(12)または(13)に記載の医療用容器。
(17) 前記流通規制部は、前記薬剤室内から前記空間への流通を規制するための弁機構であり、前記連通用部材は、前記弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材である上記(12)ないし(16)のいずれかに記載の医療用容器。
(18) 前記弁機構は、前記軟質バッグの内面に取り付けられ、液密に接触可能な2枚のフィルム形成部を有し、前記連通用部材は、前記2枚のフィルム形成部を離間させる部材である上記(17)に記載の医療用容器。
(19) 前記流通規制部は、前記空間と該空間に隣接する薬剤室とを仕切るシール部に直接もしくは間接的に取り付けられている上記(12)ないし(16)のいずれかに記載の医療用容器。
(20) 前記流通規制部は、前記空間と該空間に隣接する薬剤室とを仕切るシール部に取り付けられた筒状部もしくは環状部の内孔を横切るように設けられた破断可能な膜部もしくは破断可能な薄板部であり、前記連通用部材は、前記膜部もしくは前記薄板部を破断するための部材である上記(12)ないし(16)のいずれかに記載の医療用容器。
(21) 前記連通用部材は、破断可能な脆弱部を介して前記薬剤容器本体部の先端側に設けられている上記(4),(5),(14)または(15)のいずれかに記載の医療用容器。
(22) 前記膜部は、多孔質膜である上記(7)または(20)に記載の医療用容器。
(23) 前記流通規制部は、加熱滅菌時において、前記薬剤室から前記中空部内もしくは前記空間への蒸気の流通を許容するものである上記(1)ないし(22)のいずれかに記載の医療用容器。
(24) 前記連通用部材は、前記流通規制部に挿通もしくは間に挟まれたときに、前記薬剤室内の薬液を排出用ポートもしくは前記空間に流入するための薬剤誘導路を有している上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の医療用容器。
本発明は、複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室のうちの一つの薬剤室に接続された排出用ポートと、前記複数の薬剤室内に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、さらに、前記医療用容器は、前記排出用ポートが接続されていない前記薬剤室内に収納され、前記流通規制部の薬剤流通を可能とするための連通用部材を備える。
このため、本発明の医療用容器では、仕切用シール部を剥離した後でなければ、連通用部材による流通規制部の開通が行えない。つまり、仕切用シール部を剥離し異なる薬剤が混合された後でなければ、薬剤の排出ができないため、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤が排出されることを防止する。
本発明は、複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室のうちの一つの薬剤室に接続された排出用ポートと、前記複数の薬剤室に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、さらに、前記医療用容器は、前記仕切用シール部に保持されるとともに該仕切用シール部の剥離により該シール部より離脱することにより使用可能となり、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備える。
このため、本発明の医療用容器では、仕切用シール部を剥離した後でなければ、連通用部材による流通規制部の開通が行えない。つまり、仕切用シール部を剥離し異なる薬剤が混合された後でなければ、薬剤の排出ができないため、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤が排出されることを防止する。
本発明は、薬剤室を有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、該軟質バッグに取り付けられた排出用ポートと、該軟質バッグに取り付けられた薬剤容器と、前記薬剤室と前記薬剤容器に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、該薬剤容器は、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えており、かつ、該連通用部材は前記薬剤容器と前記薬剤室との連通を規制するとともに薬剤容器本体部から分離可能となっている。
このため、本発明の医療用容器では、仕切用シール部を剥離した後でなければ、連通用部材による流通規制部の開通が行えない。つまり、仕切用シール部を剥離し異なる薬剤が混合された後でなければ、薬剤の排出ができないため、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤が排出されることを防止する。
本発明は、複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部と前記薬剤室と隣接する空間とを有すとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室に充填された異なる薬剤と、前記空間に取り付けられた排出用ポートとを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間と隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、さらに、前記医療用容器は、前記空間と隣接しない前記薬剤室内に収納され、前記流通規制部の薬剤流通を可能とするための連通用部材を備える。
このため、本発明の医療用容器では、仕切用シール部を剥離した後でなければ、連通用部材による流通規制部の開通が行えない。つまり、仕切用シール部を剥離し異なる薬剤が混合された後でなければ、薬剤の排出ができないため、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤が排出されることを防止する。
本発明は、軟質樹脂製シートにより構成され、複数の薬剤室と、該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部と、前記薬剤室と隣接する空間を有する軟質バッグと、前記複数の薬剤室に充填された異なる薬剤と、前記空間に取り付けられた排出用ポートとを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間に隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、さらに、前記医療用容器は、前記仕切用シール部に保持されるとともに該仕切用シール部の剥離により該シール部より離脱することにより使用可能となり、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備える。
このため、本発明の医療用容器では、仕切用シール部を剥離した後でなければ、連通用部材による流通規制部の開通が行えない。つまり、仕切用シール部を剥離し異なる薬剤が混合された後でなければ、薬剤の排出ができないため、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤が排出されることを防止する。
本発明は、薬剤室と該薬剤室と隣接する空間を有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、該空間に取り付けられた排出用ポートと、前記薬剤室に取り付けられた薬剤容器と、前記薬剤室と前記薬剤容器に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間に隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、該薬剤容器は、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えており、かつ、該連通用部材は前記薬剤容器と前記薬剤室との連通を規制するとともに薬剤容器本体部から分離可能となっている。
このため、本発明の医療用容器では、仕切用シール部を剥離した後でなければ、連通用部材による流通規制部の開通が行えない。つまり、仕切用シール部を剥離し異なる薬剤が混合された後でなければ、薬剤の排出ができないため、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤が排出されることを防止する。
本発明の輸液用容器を図面に示した実施例を用いて説明する。図1は、本発明の一実施例である医療用容器の正面図であり、図2は、図1に示す医療用容器を構成する排出用ポートの断面図であり、図3は、図1に示す医療用容器を構成する排出用ポートの上面図、図4は、図1に示す医療用容器を構成する連通用部材の拡大図、図5は、図4に示す連通用部材の上面図、図8は、本発明の一実施例である医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用容器1は、複数の薬剤室3,4と複数の薬剤室3,4を仕切るための剥離可能な仕切用シール部5とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグ2と、複数の薬剤室3,4のうちの一つの薬剤室3に接続された排出用ポート6と、複数の薬剤室3,4内に収納された異なる薬剤11,12を備える医療用容器1であって、排出用ポート6は、排出用ポート6内に形成された中空部6cと、薬剤室3からの中空部6cへの薬剤11の流通を規制する流通規制部9を有し、さらに、医療用容器1は、排出用ポート6が接続されていない薬剤室4内に収納され、流通規制部9の薬剤流通を可能とするための連通用部材10を備える。
本発明の実施例の医療用容器1は、2つの薬剤室3,4を有し、一方の薬剤室3には排出用ポート6が接続され、他方の薬剤室4内には連通用部材10が収納されている。
本発明の医療用容器1の複数の薬剤室3,4には、異なった成分の薬剤11,12が収容されている。
医療用容器1は、図1に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を有し、仕切用シール部5を有する軟質バッグ2と、第1の薬剤室3に接続された排出用ポート6と、排出用ポート6が接続されていない薬剤室4内に収納された連通用部材10と、第1の薬剤室3に収納された薬剤11と、第2の薬剤室4に収納された薬剤12を有している。
軟質バッグ2は、軟質樹脂製シートにより構成され、図1に示す実施例では、中央付近に水平に仕切用シール部5を形成することにより、軟質バッグ2が区分けされ、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4が形成されている。また、軟質バッグ2の全周にはシール部が設けられている。そして、軟質バッグ2の一端部及び他端部には、側部に設けられたシール部より幅広のシール部14,15が設けられている。そして、本発明の実施例において、仕切用シール部5の両端部は、軟質バッグ2の側部に設けられたシール部と接合している。軟質バッグの側部に形成されたシール部のうち仕切用シール部5の両端部と接合する部分は他の部分より5〜30mm程度幅広であることが好ましい。
仕切用シール部5は、剥離可能な弱シール部により形成されている。仕切用シール部は、手指で強く押したときに剥離して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4が連通するものとなっている。仕切用シール部5の剥離強度としては、輸送中に軟質バッグ2に対して加えられる圧力では剥離せず、軟質バッグを手指で強く押したときに剥離する程度であることが好ましい。なお、この仕切用シール部で2つ折りにしたり、この部分をクリップなどで保護したりすることにより、剥離強度を弱めに設定することができる。仕切用シール部5は、軟質バッグ2のシール形成部分を融着することにより形成することが好ましい。融着としては、熱融着、高周波融着等であることが好ましい。軟質バッグ2はこのように、仕切用シール部5に区分された複数の薬剤室3,4を有しているため、異なる成分の複数の薬剤を無菌的に軟質バッグ2内にて混合することができる。なお、軟質バッグ2としては、上述したように2つの薬剤室を有しているものに限定されず、3つ以上の薬剤室を有しているものであってもよい。また、図1に示す実施例において仕切用シール部は、軟質バッグ2に対して水平に直線状に設けられているがこれに限定されるものではない。
軟質バッグ2は、軟質樹脂製シートにより構成されている。軟質樹脂製シートの製造に使用される合成樹脂としては、ある程度の耐熱性を有するものが好ましく、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー、ポリプロピレンとポリエチレンもしくはポリブテンの混合物等、ポリオレフィンを含む混合物)、さらにはこれらの部分架橋物、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、軟質塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーン、ポリウレタン、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合のようなスチレン系エラストマー等の各種熱可塑性エラストマーあるいはこれらを任意に組み合わせたもの(ブレンド樹脂、ポリマーアロイ、積層体等)により袋状に形成されたもの、さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートのようなポリエステル、ナイロンのようなポリアミドといった硬質素材の樹脂層と上述した軟質素材(例えば、ポリエチレン)の樹脂層からなる多層構造シートが使用される。これらの軟質樹脂により成形されることにより、後述する軟質バッグ2の排出用ポート6が接続されていない第2の薬剤室4内に収納された連通用部材10を用いて排出用ポート6を開通させる操作が容易となる。
好ましい軟質材料として、密度の異なる複数のポリエチレンの混合物あるいは多層化シートまたは、スチレン系エラストマーやオレフィン系エラストマーを配合して軟質化したポリプロピレン系樹脂組成物が挙げられる。これらは、オートクレーブ滅菌の高温に耐え得る耐熱性を有し、しかも柔軟性及び透明性に富むため取扱性に優れる。さらに、軟質バッグ2への成形、加工や薬剤容器の融着による固着が容易で製造コストの低減も図れるという利点がある。軟質バッグ2を構成するシート材の厚さは、特に限定されず、シートの構成材料によって異なるが、例えば上述のポリプロピレン系樹脂組成物の場合、20〜500μm程度であるのが好ましい。また、軟質バッグ2としては、引張弾性率で500MPa以下、好ましくは50〜300MPaの押出フィルムあるいはインフレーション成形したチューブを用いることが望ましい。
軟質バッグ2は、上記いずれかの樹脂を用いてブロー成形することにより作製したもの、上記樹脂により形成された2枚のシートの周縁部を溶着して形成したもの、上記樹脂により形成された1枚のシートを折り返すとともに周縁部を溶着して形成したもの、上記樹脂を用いて押し出し成形により筒状に形成したものの開口周縁を溶着することにより作製したものなどのいずれでもよい。
複数の薬剤室には、輸液剤(薬液)が収容されている。軟質バッグ2には、薬剤室毎に異なった成分のものが収容されていることが好ましい。このような輸液剤としては、例えば、腹膜透析液、経中心静脈輸液剤、経末梢静脈輸液剤、経末梢静脈用注射剤、液状栄養剤などのように2つ以上の液剤を輸液の際に混合する必要のあるものが好ましい。また、輸液剤としては、例えば生理食塩水、電解質溶液、リンゲル液、高カロリー輸液、ブドウ糖液、注射用水、アミノ酸電解質溶液等が挙げられるが、これに限定されるものではない。例えば、薬剤室の一方にブドウ糖電解質液、他方にアミノ酸液を収納し、更に両室にビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、パンテノール、ニコチン酸アミドなどの水溶性ビタミンを安定性などを考慮して適宜振り分け収納することができる。この場合、後述する薬剤室に取り付ける薬剤容器にビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKなど脂溶性ビタミンを主とした液剤を収納することにより、ビタミン配合高カロリー総合輸液剤とすることができる。
また、軟質バッグ2の他端側のシール部15には、ハンガー等に吊り下げるための孔(吊り下げ部)17が設けられている。さらに、薬液の品質保持のために、軟質バッグ2に酸素バリア性や遮光性等を付与するためにアルミ箔等のフィルムを積層してもよい。また、酸素バリア性付与のために、軟質バッグ2の表面に酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ケイ素等の酸化物からなる蒸着膜等の薄膜を形成してもよい。あるいは、これらの薄膜を有する樹脂フィルムを中間層として設けてもよい。
排出用ポート6は、図1に示すように、軟質バッグ2の一端部の中央付近に取り付けられている。排出用ポート6は、排出用ポート6内に形成された中空部6cと、薬剤室3からの中空部6cへの薬剤11の流通を規制する流通規制部9を有している。排出用ポート6は、図1に示すように、筒状部材であり、下端部に排出口6bが設けられ、上端部に流通規制部9が設けられ、内部に中空部6cが形成されている。
流通規制部9は、排出用ポート6の中空部6cを横切るように設けられた破断可能な膜部であり、連通用部材10は、膜部を破断するための部材である。膜部は、輸送時等に加えられる圧力により破断しないものであり、かつ、排出用ポート6が接続されていない薬剤室4に収納された連通用部材10により容易に破断可能なものである。膜部としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸セルロース等の濾過フィルターに用いられている合成樹脂、ナイロン等の親水性ポリエステル、ポリウレタン等により構成された合成樹脂フィルム、シート、アルミ等の金属箔、合成樹脂フィルムと金属箔との積層体であることが好ましく、特に好ましくは、ポリプロピレンである。また、流通規制部9は、加熱滅菌時において、薬剤室から中空部内への蒸気の流通を許容するものであることが好ましい。具体的に、膜部としては、多孔質膜であることが好ましい。膜部が多孔質膜であれば、医療用容器を加熱滅菌する際、加熱蒸気が多孔質膜を通過し排出用ポート6内を確実に滅菌することができる。多孔質膜である膜部は、合成樹脂を多孔質処理することにより形成されたものであることが好ましい。また、膜部としては硬質の多孔質膜であることが好ましい。膜部9は、熱融着、高周波融着、接着剤等により排出用ポート6の先端に接合されることが好ましい。また、膜部9は、排出用ポート6の先端から排出口側となる位置に接合されていてもよい。これにより、薬剤を混合する前に誤って膜部を破断することをより防止できる。本発明の実施例の膜部9は連通用部材10のみにより開通できるものとなっているため、混合前に薬剤室3と排出用ポート6とが流通しないものとなっている。
排出用ポート6の排出口6bには排出用針(図示せず)にて挿通可能なシール材18が配置されている。シール材18は、弾性体により形成されていることが好ましい。シール材18としては、排出用針を刺通可能なものである。また、シール材18は、自己閉塞性を有し、針管を弾性体から抜き取った後は、その穿刺孔が閉塞し、薬液の漏れを防止するものであることが好ましい。シール材18の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、架橋型エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミドなどの可撓性高分子材料、ポリアミドエラストマー、ポリエステルエラストマー等の熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマー)、天然ゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴムのような各種ゴム材料等の弾性材料、あるいはこれらのうちの任意の2以上を組み合わせたものが挙げられ、シール性、再シール性の点からは弾性材料を含有しているものが好ましい。
また、排出用ポート内部に形成された中空部(排出路)6cの長さとしては、排出用針が排出口6bに挿通された状態で針が流通規制部9に接触しない程度の長さであることが好ましい。これにより、排出口6b側からの流通規制部9の開通を防止できる。
また、排出用ポートは、排出口側からの流通規制部の破断を防止するための破断防止部を有していることが好ましい(図示せず)。破断防止部としては、流通規制部より排出口側に設けられていることが好ましい。破断防止部としては、排出用針が通過不可能であるとともに薬剤が通過可能な構成をしていることが好ましい。例えば、破断防止部としては、流通規制部より排出口側に形成された破断防止用の網目状部であることが好ましい。また、破断防止部は、流通規制部より排出口側に設けられた排出用針が通過できない小径部であってもよい。
排出用ポートに用いられる硬質材料としては、例えば、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、環状ポリオレフィン(具体的には、ZEONEX(登録商標、日本ゼオン株式会社)、APEL(登録商標、三井化学株式会社製))、ポリプロピレン、ポリプロピレンホモポリマー、高密度ポリエチレンのようなポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、アイオノマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、芳香族または脂肪族ポリアミド等の各種樹脂、あるいはこれらを任意に組みあわせたものが挙げられる。
連通用部材10は、図1に示すように、排出用ポート6が接続されていない第2の薬剤室4に収納されている。連通用部材10は、仕切用シール部5の剥離後に使用可能となっている。このため、仕切用シール部5を剥離して連通用部材10を第1の薬剤室3側に移動させないと流通規制部9を開通することができない。すなわち、第1の薬剤室3に収容された薬剤11と第2の薬剤室4に収容された薬剤12が混合される前には連通用部材10を用いて流通規制部9の開通操作を行うことができないものとなっている。また、薬剤室が3室以上の場合、連通用部材は、排出用ポートが接続された薬剤室から最も多くの仕切用シール部を介した薬剤室に収納されていることが好ましい。これにより、2成分以上の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止できる。
連通用部材10は、膜部9を破断可能であり、軟質バッグの内面を傷つけないような形状であることが好ましい。連通用部材10は、図4,5に示すように、断面が十字状の棒状部材であり、担持部10aと、担持部10aより径の小さい挿通部10bからなる。また、連通用部材10は、流通規制部9に挿通もしくは間に挟まれたときに、薬剤室内の薬液を排出用ポートに流入するための薬剤誘導路10cを有していることが好ましい。本発明の連通用部材10では、図4、図5に示すように、十字の壁の間が薬剤誘導路10cとなっている。これにより、連通用部材10を流通規制部9に挿通した状態であっても十分量の薬液が排出される。薬剤誘導路としては、連通用部材に形成された溝部もしくは連通用部材内部に形成された薬剤誘導孔であってもよい。連通用部材には担持し易いように滑り止め部が設けられていてもよい。また、連通用部材10の先端部は膜部を破断容易なように先端側に向かって縮径している。
また、連通用部材18は、図6に示すように、断面が十字状の棒状部材であり、担持部10aと、担持部10aより径の小さい挿通部10bと、挿通部10bに取り付けられた重り部(もしくは抜け止め部)10dからなるものであってもよい。挿通部に重り部が設けられていることにより、医療用容器の排出口側を下側に向けて連通操作を行う場合、連通用部材10の挿通部10bが下側を向くため連通用部材10を流通規制部9に取り付けやすくなる。本発明の実施例では、重り部10dは、連通用部材10に取り付けられた金属製のリングである。重り部としては、挿通部の先端部に金属を埋め込むことにより作製してもよく、また、挿通部の先端部を金属粉末を混合した樹脂により作製したものであってもよい。
挿通用部材10の構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル等であることが好ましい。重り部の材質としては、溶出性がなく、薬剤を変質させず、防錆性がある金属を用いることが好ましく、例えば、ステンレス鋼、コバルト鋼等を用いることが好ましい。また、連通用部材は、流通規制部を挿通もしくは間に挟まれたときに排出口と反対側に抜けることを防止するストッパーを有していることが好ましい。上述した連通用部材18の重り部10dは、ストッパーの役目も果たす。
本発明の医療用容器1の製造方法について説明する。まず、シール部14の排出用ポート取付部及びシール部15の一部分を除いた全周部分及び仕切用シール部5をヒートシールした軟質バッグ2を準備する。そして、シール部15の未シール部分から軟質バッグ2内に第2の薬剤室4に収容する薬剤12及び連通用部材10を収容し、未シール部をヒートシールする。これにより、薬剤12を収容した第2の薬剤室4が形成される。そして、排出用ポート取付部から第1の薬剤室3に収容する薬剤11を注入した後、排出用ポート取付部に排出用ポート6をヒートシールにより取り付けることにより、本発明の医療用容器1の製造が完了する。
なお、医療用容器1の製造方法としては、次のようなものであってもよい。まず、排出用ポート取付部及びシール部14,15のうち排出用ポート取付部からみて左右どちらかの一部分を除いた全周部分、仕切用シール部5をヒートシールした軟質バッグ2を準備し、排出用ポート取付部に排出用ポート6をヒートシールにより取り付ける。その後、シール部14の未シール部から薬剤11を充填し、シール部15の未シール部から薬剤12及び連通用部材10を収容した後、未シール部をヒートシールする。また、後述する図13、図17および図21の弁機構を有する排出用ポートを取り付ける場合は、排出用ポートを取り付けた後、排出口側から強制圧力により薬剤11を注入することが可能であるが、この場合、注入後に排出用ポートの中空部と第1の薬剤室3との連通を防止するため、排出用ポート中空部の体積以上の空気もしくは窒素等のガスを充填することが好ましい。
次に、本発明の医療用容器1の使用方法について図1,図8を用いて説明する。まず、医療用容器1の第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を図8に示すように剥離させる。これにより、第2の薬剤室4から連通用部材10を第1の薬剤室3側に移動させることができるとともに、第1の薬剤室4の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合される。そして、医療用容器1の排出口側を上側に向けて、液面に浮遊している連通用部材10をバッグ2ごしに担持し、連通用部材10を膜部9に突き刺すことにより流入孔6aが形成され排出用ポート6内と薬剤室内とが連通する。その後、排出用ポート6の排出口6bに排出用針を挿通して薬剤を投与する。
本発明の医療用容器によれば、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤を排出することを確実に防止することができる。
また、流通規制部21は、図9,図10,図11に示すように、排出用ポート20の中空部20cを横切る破断可能な薄板部であり、連通用部材22は薄板部を破断するための部材であってもよい。流通規制部21を有する排出用ポート20は、上述した排出用ポート6と流通規制部21を除いて同じ構造をしているため相違点を中心に説明する。
排出用ポート20は、筒状部材であり、上端部に流通規制部21を有し、下端部に排出口20bを有し、内部に中空部20cを有している。流通規制部21は、排出用ポート20の中空部20cを閉塞するように排出用ポート20と一体に形成された薄板部である。
薄板部21は、連通用部材を挿通することにより破断可能に形成されている。この実施例の薄板部21には中心から放射線状に破断可能な脆弱部21aが形成されている。脆弱部21aは、そのほかの部分より薄い肉薄部である。この実施例において流通規制部21は、排出用ポート20と一体に作製されているが、これに限定されず、別部材として作製して排出用ポートの先端部に取りつけてもよい。流通規制部の構成材料としては、排出用ポート6と同様であることが好ましい。
連通用部材22としては、連通用部材10と同様の構成であることが好ましい。図12に示す実施例では、連通用部材22は、坦持部22aとそれより径の小さい挿通部22bと、薬剤誘導路22cとからなる。流通規制部22を流通規制部21に突き刺すと、図12に示すように、脆弱部21aに切り込みが入り薄板部21が破断され、薬剤が排出される流入口20aが形成される。流通規制部21及び連通用部材22を有する医療用容器も、上述した医療用容器1と同様の方法で製造されることが好ましい。また、流通規制部21及び連通用部材22を有する医療用容器も、上述した医療用容器1と同様の方法で薬剤投与を行うことができる。
また、流通規制部は、薬剤室内からの中空部への薬剤の流通を規制するための弁機構であり、連通用部材は、弁機構の間に挿通もしくは挟まれることにより弁を開通するための部材であってもよい。
弁機構24としては、図13,図14,図15に示すように、中空部23cを横切るように重なり合う複数の扇形状の弁体24aにより構成され、連通用部材26は、弁体24aに挿通可能なものである。弁機構24を有する排出用ポート23は、流通規制部24の構成のみ上述した排出用ポート6と異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
弁機構24は、中空部23cの先端を横切るように重なり合う複数の扇形の薄板状の弁体24aにより構成されている。開通していない状態では、図14,図15に示すように、隣接する弁体24a同士が隙間なく配置され中空部23cの先端を覆っている。連通用部材26を挿通すると、図16に示すように、それぞれの弁体24aは排出口23b側に湾曲する。そして、それぞれの弁体24aが湾曲した状態では、隣接する弁体24aの間に隙間ができ、薬剤流入口23aが形成される。弁体24aの先端部には、図14,図15に示すように、複数の弁体24aが隙間なく重なり合うように先端側に突出する突出部24bが設けられている。突出部24b同士が排出用ポート先端部の中央付近で重ね合わされることにより、弁体24a同士は隙間なく重なり合うものとなっている。突出部24bを有することにより、加熱滅菌の際に薬剤室の内圧が高くなったとしても、弁体24aが排出口側に開通することがないため、薬剤を混合する前に薬液が排出用ポート内に流入することがない。
また、流通規制部24は、加熱滅菌時において、薬剤室3から中空部23c内への蒸気の流通を許容するものであることが好ましい。本発明の弁機構24の弁体24aは、開通していない状態では、薬剤室3から中空部23cへ蒸気が入り込むことができる程度に重なり合っている。これにより、排出用ポート23内を確実に滅菌することができる。
連通用部材26は、弁機構24を開通することができるものであればいかなる形状であってもよい。連通用部材26としては連通用部材10と同様の構成であることが好ましい。実施例では、連通用部材26は、坦持部26aとそれより径の小さい挿通部26bと、薬剤誘導路26cとからなる。
連通用部材26を弁機構24に突き刺すことにより、図16に示すように、それぞれの弁体24aが排出口側に湾曲して、隣接する弁体24aの間には隙間が生じる。この結果、弁機構24には、流入口23aが形成される。
このような流通規制部24及び連通用部材26を有する医療用容器の製造方法及び使用方法については上述した医療用容器1と同様であることが好ましい。
また、弁機構28としては、図17,図18,図19,図20に示すように、ボール状の弁29と、弁29を支持する支持部30からなり、連通用部材31は、ボール状の弁29を支持部30からずらして連通状態とするとができる部材であってもよい。弁機構28を有する排出用ポート27は、下端部に排出口27bを有し、上端部に弁機構28を有し、内部に中空部27cを有している。排出用ポート27は、上端部の構造のみ排出用ポートと異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
支持部30は、排出用ポート27の上端部に設けられ、ボール状の弁29を収納するための筒状収納部である。支持部30は、上端が閉塞されている。支持部30と排出用ポート27の境界面34には薬剤流入口27aが設けられている。流入口27aの周囲にはボール状の弁29が流入口27aからはずれないようにするための支持用リブ36が設けられている。また、流入口27aをボール状の弁29で確実に覆うことができるように凹部形状となっていることが好ましい。また、支持部30の側壁には薬剤流入孔32が設けられている。薬剤は、薬剤流入孔32と流入口27aを通じて中空部27c内に流入するものとなっている。また、支持部30の上端側壁には、開通操作のときに連通用部材35を挿通するための挿通口38が設けられている。
ボール状の弁29は、流入口27aを覆うとともに、開通操作のときに支持用リブ36を乗り越えることができる程度の大きさに作製されている。ボール状の弁は、支持部と同様の材質により作製されていることが好ましい。また、ボール状の弁は、弾性材料により作製されていてもよい。また、薬剤室3と中空部27cとが連通する前は、ボール状の弁29が流入口27aを覆った状態で、弁29が支持部30の上端側壁の内面に接触している。また、流通規制部28は、加熱滅菌時において、薬剤室3から中空部27c内への蒸気の流通を許容するものであることが好ましい。本発明の実施例において、ボール状の弁29は、加熱滅菌時において薬剤室3から中空部23cへ蒸気が入り込む程度に流入口27aを覆っている。これにより、排出用ポート27内を確実に滅菌することができる。
以上のような構成により、弁機構28は、薬剤室3と排出用ポート27との連通を規制している。そして、ボール状の弁29を連通用部材35により流入口27aからずらすことにより薬剤室と排出用ポート27とが連通する。支持部30の構成材料としては、排出用ポートに用いられる構成材料と同様であることが好ましい。
ボール状の弁29は、流入口27aを確実に覆うことができるとともに、開通操作のときに支持用リブ36を乗り越えることができる程度の大きさに作製されている。ボール状の弁は、支持部と同様の材質により作製されていることが好ましい。また、ボール状の弁は、弾性材料により作製されていてもよい。弾性材料で作製すれば、流入口27aを確実に閉塞できるとともに、連通用部材35により容易にずらすことができる。弁機構28が以上のような構成であると、医療用容器を加熱滅菌した際、ボール状の弁29と流入口27aとの間から高温蒸気が排出用ポート内に入り込むため、排出用ポート27内を確実に滅菌することができる。
連通用部材35は、ボール状の弁をずらすことができるものであれば、いかなる形状であってもよい。連通用部材35としては、棒状部材であることが好ましい。連通用部材35は、坦持部35aと坦持部35aより径の小さい挿通部35bからなる。この連通用部材35を挿通口38に挿通してボール状の弁29を横にずらすことにより薬剤室と中空部27cとは連通する。また、連通用部材35は、連通用部材10のように薬剤誘導路を有していてもよい。
このような流通規制部28及び連通用部材35を有する医療用容器の製造方法及び使用方法については上述した医療用容器1と同様であることが好ましい。
また、弁機構41は、図21,図22,図23,図24に示すように、排出用ポート40の中空部40cの開口40aの周囲に配置され開口40cを覆うように互いに接触する2枚のフィルムにより構成され、連通用部材44は、2枚のフィルム41aを離間させる部材であってもよい。排出用ポート40は、下端部に形成された排出口40bと上端部に形成された弁機構41と、内部に形成された中空部40cとを有している。排出用ポート40は、排出用ポート6と上端部の構成のみ異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
排出用ポート40の上端部には、フィルム41aが接触する部分となっており、図21,図23に示すように、両側面には上端側に向かって内側に湾曲する湾曲面40bが形成されている。湾曲面40bには、それぞれ中空部40cと連通する開口40aが形成されている。フィルム41aは、矩形状に作製されている。フィルム41aは、図23に示すように、湾曲面40bの下端部付近に取りつけられ、湾曲面40bの開口40aを覆うように湾曲面40b上に配置されている。そして、それぞれのフィルム41aの上側部分は湾曲面40bの上端側で接触している。流通規制部41は、加熱滅菌時において、薬剤室から中空部40c内への蒸気の流通を許容するものであることが好ましい。本発明の実施例では、フィルム41aは、薬剤が開口40aから流入しないとともに、加熱滅菌時において蒸気が開口40aから中空部40c内に入り込む程度の閉塞性をもって開口40aを覆っていることが好ましい。これにより、排出用ポート40内を確実に滅菌することができる。フィルムの構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルであることが好ましい。
連通用部材44は、図24に示すように、断面が三角形の楔型形状の部材である。図24に示すように、連通用部材22を2枚のフィルム41aの間に挟むことによりフィルム41aが湾曲面40bと離間して隙間が生じ、薬剤室の薬液が中空部40c内に流通するものとなる。
また、弁機構は、排出口側から強制圧力による薬剤の注入が可能な形状となっていてもよい。このような構成により、輸液剤で頻繁に行われる抗生物質、抗不整脈薬、抗潰瘍剤、強心剤、制癌剤等の治療薬またはミネラル類の調整のために行われる注射器等による混注が可能となる。
以上のような流通規制部41及び連通用部材44を有する医療用容器の製造方法及び使用方法については上述した医療用容器1と同様であることが好ましい。
次に、本発明の他の実施例である医療用容器について説明する。図25は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。
本発明は、複数の薬剤室3,4と複数の薬剤室3,4を仕切るための剥離可能な仕切用シール部5とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグ2と、複数の薬剤室3,4のうちの一つの薬剤室3に接続された排出用ポート6と、複数の薬剤室3,4に収納された異なる薬剤11,12を備える医療用容器45であって、排出用ポート6は、排出用ポート6内に形成された中空部6cと、薬剤室3からの中空部6cへの薬剤11の流通を規制する流通規制部9を有し、さらに、医療用容器45は、仕切用シール部5に保持されるとともに仕切用シール部5の剥離によりシール部5より離脱することにより使用可能となり、流通規制部9の薬剤流通を可能とする連通用部材10を備える。
本発明の医療用容器45と上述した医療用容器1とは、医療用容器45が仕切用シール部5に流通規制部9の薬剤の流通を可能とするための連通用部材10が保持されている点において相違している。そのほかの構成においては、上述した通りであるため説明を省略する。本発明の医療用容器45によっても、医療用容器1と同様の効果を得ることができる。また、流通規制部9及び連通用部材10の代わりに、上述した連通用規制部及び連通用部材を用いてもよい。本発明の実施例において、シール部5の連通用部材10を保持する部分は、図25に示すように、その他の部分より幅広に形成されている。
また、医療用容器45は、2つの薬剤室3,4を有し、一方の薬剤室3には排出用ポート6が接続され、仕切用シール部5には連通用部材10が保持されている。医療用容器45の製造方法は、軟質バッグ2を準備する際、連通用部材10が仕切用シール部5内に保持されるように仕切用シール部を形成することを除いて、医療用容器1の製造方法と同様であることが好ましい。
医療用容器45は、第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を図8に示すように剥離させる。これにより、連通用部材10を仕切用シール部5から離脱させることができるとともに、第1の薬剤室4の薬剤11と第2の薬剤12が混合される。そして、医療用容器45の排出口側を上側に向けて、液面に浮遊している連通用部材10をバッグ2ごしに担持し、連通用部材10を膜部9に突き刺すことにより薬剤流入口6aが形成され排出用ポート6内と薬剤室内が流通する。その後、排出用ポート6の排出口6bに排出用針を挿通して薬剤を投与する。
本発明の医療用容器によれば、2以上の成分の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止することができる。
また、本発明の実施例である医療用容器が3室以上の薬剤室を有している場合、連通用部材は、排出用ポートが接続された薬剤室から最も多くの仕切用弱シール部を介した仕切用シール部に保持されていることが好ましい。これにより、2成分以上の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止できる。
また、本発明の実施例では、仕切用シール部5内に連通用部材10のすべての部分が保持されているが、これに限定されるものではなく、以下の医療用容器50のように連通用部材10の一部のみ仕切用シール部に保持されていてもよい。 図26は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図であり、図27は、医療用容器を構成する排出用ポート付近の部分断面図であり、図28は、医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明は、複数の薬剤室3,4と複数の薬剤室3,4を仕切るための剥離可能な仕切用シール部5とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグ2と、複数の薬剤室3,4のうちの一つの薬剤室3に接続された排出用ポート51と、複数の薬剤室3,4に収納された異なる薬剤11,12を備える医療用容器50であって、排出用ポート51は、排出用ポート51内に形成された中空部51cと、薬剤室3からの中空部51cへの薬剤11の流通を規制する流通規制部52を有し、さらに、医療用容器50は、仕切用シール部5に保持されるとともに仕切用シール部5の剥離によりシール部5より離脱することにより使用可能となり、流通規制部52の薬剤流通を可能とする連通用部材54を備える。
また、連通用部材54は、一端側に流通規制部52を開通するための連通部55を有し、他端側が仕切用シール部5に保持されており、さらに、連通部55を流通規制部52へ誘導する誘導部56を有する。
本発明の実施例によれば、2以上の成分の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止することができるとともに、薬剤室からの中空部への薬剤の流通を容易に行うことができる。
本発明の実施例である医療用容器50と、上述した医療用容器1との相違点は、流通規制部52、連通用部材54及び排出用ポート51の上端部に連通用部材54の誘導部56が形成されている点である。流通規制部52は、弁機構である。以下、相違点を中心に説明する。
また、連通用部材54は、長い棒状部材であり、先端部に連通部55を有し、基端部には仕切用シール部5により固定される固定部58を有している。また、連通用部材54は、排出用ポート51の縦方向に向かって軟質バッグ2内に配置され、基端部が仕切用シール部5に保持され、先端部が排出用ポート51の他端部に設けられた誘導部56により位置決めされている。連通部55は、尖端部となっていることが好ましい。連通部55の形状としては流通規制部52を流通可能とするものであればいかなる形状であってもよい。また、固定部58は、T字状部となっている。連通用部材54の基端部の形状としては、仕切用シール部5に確実に固定されるものであればいかなる形状であってもよい。仕切用シール部5の連通用部材54の基端部を保持する部分は、図26に示すように、その他の部分より幅広に形成されている。
誘導部56は、連通用部材54の連通部55を流通規制部52に方向づける部分である。誘導部56は、排出用ポート51の上端部に形成された上端が閉塞した筒状部である。誘導部56の上端側壁には、流通規制部54の進行方向を決める誘導孔57が形成されている。連通用部材54の先端部は、図27に示すように、誘導孔57に挿通されており、連通用部材54を先端側に押すと、連通部55が流通規制部52に向かって確実に進行するものとなっている。また、誘導部56の側壁には、薬剤が流入可能な薬剤流入孔59が形成されている。薬剤室の薬剤は、薬剤流入孔59から開通した流通規制部52を介して排出用ポート51内に介して排出用ポート51内に流入するものとなっている。
また、連通用部材54には、連通用部材54が誘導部56から抜けることを防止するストッパー53が設けられている。ストッパー53は、連通部55の基端側に設けられている。また、連通用部材54には、連通用部材54が流通規制部52から抜けることを防止するストッパーが設けられていることが好ましい。この実施例では、ストッパー53が抜け防止用ストッパーでもある。また、連通用部材54の基端部には、固定部58が設けられている。固定部58は、操作部として用いることができる。
図26,図27に示すように、連通用部材54は、基端部の固定部58が仕切用シール部5に固定されているため仕切用シール部5を剥離していない状態では流通規制部52側に移動させることができない。このため、仕切用シール部5を剥離した状態、つまり第1の薬剤室3の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合された状態でなければ連通用部材54を用いて流通規制部52を開通できないものとなっている。
次に、医療用容器50の製造方法について説明する。まず、排出用ポート取付部及びシール部14を除いてシールした軟質バッグ2、連通用部材54と連結した排出用ポート51を準備する。本発明の実施例においては、シール部14の排出用ポート取付部及びシール部14,15の一部分を除いた全周部分をヒートシールした軟質バッグ2を準備する。そして、排出用ポート51に連結した連通用部材54を縦向きに固定部58が仕切用シール部5が形成される部分にくるように配置して軟質バッグ2の中央付近を水平かつ直線状に弱シールする。そして、排出用ポート51を排出用ポート取付部にヒートシールにより取り付ける。その後、シール部15の未シール部から軟質バッグ2内に第2の薬剤室4に収容する薬剤12を注入して未シール部をシールする。これにより、第2の薬剤室4が形成される。また、シール部15の未シール部から軟質バッグ2内に第2の薬剤室4に収容する薬剤12を注入して未シール部をシールして第1の薬剤室3が形成される。以上より、本発明の医療用容器50が製造される。
次に、本発明の医療用容器50の使用方法について説明する。
まず、医療用容器50の第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を図28に示すように剥離する。これにより、連通用部材54の固定部58が仕切用シール部5から開放され、連通用部材54は移動可能となる。また、仕切用シール部5を剥離させることにより、第1の薬剤室3の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合される。その後、連通用部材54を流通規制部52側に押すと、連通用部材54の連通部55は誘導部56に誘導されて流通規制部52に到達し、流通規制部52を開通する。そして、排出用ポート51の排出口51bに排出用針を挿通することにより薬剤を投与する。
また、本発明の実施例である医療用容器が3室以上の薬剤室を有している場合、連通用部材は、排出用ポートが接続された薬剤室から最も多くの仕切用弱シール部を介した薬剤室に収納されていることが好ましい。これにより、2成分以上の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止できる。
次に、本発明の他の実施例である医療用容器について説明する。図29は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図であり、図30は、本発明の他の実施例である医療用容器の使用方法を説明するための説明図であり、図31は、本発明の他の実施例である医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用容器60は、薬剤室3を有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグ61と、軟質バッグ61に取り付けられた排出用ポート6と、軟質バッグ61に取り付けられた薬剤容器63と、薬剤室7に収納された薬剤13と、薬剤容器63に収納された上記薬剤7と異なる薬剤とを備える医療用容器60であって、排出用ポート6は、排出用ポート6内に形成された中空部6cと、薬剤室7からの中空部6cへの薬剤13の流通を規制する流通規制部9を有し、薬剤容器63は、流通規制部9の薬剤流通を可能とする連通用部材65を備えており、かつ、連通用部材65は薬剤容器63と薬剤室7との連通を規制するとともに薬剤容器本体部62から分離可能となっている。
本発明の医療用容器60と、上述した医療用容器1との相違点は、医療用容器60には、薬剤室7内に薬剤容器63の一部として形成された連通用部材65が配置されている点、薬剤室7が仕切用シール部により仕切られていない点、軟質バッグ61の他端部の形状である。その他の構成は医療用容器1と同様であるため説明を省略する。また、この発明の医療用容器60の排出用ポート6の代わりに上述した排出用ポートを用いてもよい。
医療用容器60は、図29に示すように、薬剤室7を有する軟質バッグ61と、薬剤室7に収納された薬剤13と、軟質バッグ61の一端部に取り付けられた排出用ポート6と、他端部に取り付けられた薬剤容器63を備えている。
連通用部材65は、破断可能な脆弱部66を介して薬剤容器本体部62の先端側に設けられている。薬剤容器63は、図29に示すように、薬剤容器本体部62と、連通用部材65と、薬剤容器本体部62との間に設けられた破断可能部66を有している。
薬剤容器としては、公知のクリックチップ機構を有する薬剤容器であることが好ましい。薬剤容器本体部62は、内部に薬剤を収納可能な筒状部である。薬剤容器本体部62は、先端側に向かってテーパー状に縮径している。薬剤容器には予め薬剤室に収容された薬剤と混合した状態では安定して保存することが困難な薬剤、例えば、薬剤13が生理食塩水等の水溶液(溶解液)の場合は、タンパク製剤、抗生物質等の凍結乾燥薬剤や粉末剤等が収容されていることが好ましい。また、全体として総合ビタミン剤を配合させたいときは、薬剤容器に脂溶性ビタミンを主に配合した脂溶性ビタミン液を収容することが好ましい。また、薬剤室7に収容された薬剤13としては、薬剤容器に収納された薬剤を溶解する溶解用液であることが好ましい。溶解溶液としては、生理食塩水、電解質溶液等であることが好ましい。
連通用部材65は、薬剤容器本体部62の先端側に設けられている。連通用部材65は、薬剤容器本体部62と隣接した部分の形状を除いて、連通用部材10とほぼ同じ形状をしている。連通用部材65は、薬剤容器本体部62の先端側に設けられ、担持部65aと担持部65aの先端側に設けられ担持部65aより径の小さい挿通部65bとからなる。挿通部65bには、上述した連通用部材10のように重り部が設けられていてもよい。また、連通用部材65は、上述したような薬剤誘導路65cを有している。担持部65aは、連通用部材65を薬剤容器本体部62から分離させる操作及び流通規制部9に連通用部材65を突き刺す際に担持される部分である。
破断可能部66は、実施例では薬剤容器本体部62と連通用部材65との間に設けられた薄肉部である。このような構成により、連通用部材65を薬剤容器本体部62に対して折り曲げると破断可能部66が破断して連通用部材65が薬剤容器本体部62から分離するものとなっている。連通用部材65が分離することにより、薬剤容器本体部62の先端には開口が形成され薬剤容器本体部62と第2の薬剤室4が連通するものとなっている。また、連通用部材としては、薄肉部を介して薬剤容器本体部に接合されているものに限定されず、薬剤容器本体部の先端部を閉塞する開封可能なキャップであってもよい。薬剤容器61の構成材料としては、上述した排出用ポートと同様のものが好ましい。
医療用容器60の製造方法は、薬剤容器63を軟質バッグ61の他端部に取り付けること、軟質バッグ61に仕切用シール部を形成しないことを除いて、上述した医療用容器1の製造方法と同じである。
本発明の医療用容器60の使用方法としては、まず、図30に示すように、連通用部材65を薬剤容器本体部62に対して折り曲げ、連通用部材65を分離する。これにより、薬剤容器63の薬剤は、薬剤室7内の薬剤13と混合される。
そして、医療用容器60の排出口側を上側に向けて、液面に浮遊している連通用部材65を軟質バッグ61ごしに担持し、図31に示すように、連通用部材65を膜部9に突き刺すことにより流入孔6aが形成され排出用ポート6内と薬剤室内とが連通する。その後、排出用ポート6の排出口6bに排出用針を挿通して薬剤を投与する。
上述した構成により、2成分以上の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止できる。
また、上述した医療用容器は、図32に示す医療用容器70のように、薬剤室は剥離可能な仕切用シール部5より複数の薬剤室3,4に仕切られ、薬剤容器61は、排出用ポート6が取り付けられていない薬剤室4に取り付けられ、複数の薬剤室3,4には、異なる薬剤11,12が収納されていてもよい。この医療用容器70は、仕切用シール部5を有している点を除いて医療用容器60と同様の構成をしている。このような構成により、仕切用シール部5を剥離していない状態では、薬剤容器62から分離された連通用部材65を流通規制部9側に移動させることができない。つまり第1の薬剤室3の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合された状態でなければ連通用部材65を用いて流通規制部9を開通できないものとなっている。
本発明の医療用容器70の使用方法としては、まず、上述したように、連通用部材65を薬剤容器本体部62に対して折り曲げ、連通用部材65を分離する。これにより、薬剤容器61の薬剤は、第2の薬剤室4内の薬剤12と混合される。そして、図33に示すように、医療用容器70の第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を剥離させる。これにより、第2の薬剤室4から連通用部材65を取り出すことができるとともに、第1の薬剤室4の薬剤11と第2の薬剤12が混合される。そして、医療用容器70の排出口側を上側に向けて、液面に浮遊している連通用部材65を軟質バッグ61ごしに担持し、図33に示すように、連通用部材65を膜部9に突き刺すことにより流入孔6aが形成され排出用ポート6内と薬剤室内とが連通する。その後、排出用ポート6の排出口6bに排出用針を挿通して薬剤を投与する。
医療用容器70の製造方法は、薬剤容器63を軟質バッグ61の他端部に取り付けること、軟質バッグ61に仕切用シール部を形成しないことを除いて、上述した医療用容器1の製造方法と同じである。
また、本発明の実施例である医療用容器が3室以上の薬剤室を有している場合、連通用部材は、排出用ポートが接続された薬剤室から最も多くの仕切用弱シール部を介した薬剤室に収納されていることが好ましい。以上のような構成によっても、2成分以上の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止できる。
次に、本発明の他の実施例である輸液用容器を図面に示した実施例を用いて説明する。図34は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図であり、図35は、図34に示す医療用容器のA−A線断面図であり、図36は、図34に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図であり、図37は、図36に示す医療用容器のB−B線断面図である。
本発明の医療用容器80は、複数の薬剤室3,4と複数の薬剤室3,4を仕切るための剥離可能な仕切用シール部5と薬剤室3と隣接する空間82とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグ81と、複数の薬剤室3,4に収容された異なる薬剤11,12と、空間82に取り付けられた排出用ポート83とを備える医療用容器80であって、軟質バッグ81は、薬剤室3と空間82との間に配置され薬剤室3から空間82への薬剤11の流通を規制するための流通規制部85を備え、さらに、医療用容器80は、空間82と隣接しない薬剤室4内に収納され、流通規制部85の薬剤流通を可能とするための連通用部材86を備える。
また、本発明の医療用容器80は、2つの薬剤室3,4を有し、一方の薬剤室3は空間82と隣接しており、他方の薬剤室4内には連通用部材86が収納されている。本発明の医療用容器80は、図34に示すように、医療用容器1と、空間82を有する点、排出用ポート83及び流通規制部85の構成のみ異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
本発明の実施例の医療用容器80は、図34に示すように、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4と、第1の薬剤室3と隣接する空間82と、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とを仕切る仕切用シール部5と、第1の薬剤室3と空間82とを仕切るとともに、第1の薬剤室3から空間82への流通を規制する流通規制部85とを備えている。空間82には、薬剤は充填されていない。
本発明の流通規制部は、薬剤室内からの空間への薬剤の流通を規制するための弁機構であり、連通用部材は、弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材である。本発明の流通規制部85は、軟質バッグ81の一の側辺から他の側辺まで形成され、第1の薬剤室3と空間82とを仕切るとともに第1の薬剤室3からの空間82への流通を規制している。弁機構85としては、図35に示すように、軟質バッグ81の内面に取り付けられ、液密に接触可能な2枚のフィルム形成部85a,85bを有し、連通用部材86は、2枚のフィルム形成部85a,85bを離間させる部材である。具体的に、弁機構85は、軟質バッグ81を構成する一のシート81aの内面に取り付けられた帯状の第1のフィルム85aと、他のシート81bの内面に取り付けられた帯状の第2のフィルム85aからなる。
図35に示すように、第1のフィルム85aと第2のフィルム85bは、内側において液密に接触しており、第1のフィルム85aと第2のフィルム85bの下端部は、接触した面が外側となるように曲げられており、曲げられた部分が軟質バッグ81の内面に取り付けられている。フィルム85aとフィルム85bは、軟質バッグ81内面に熱融着、高周波融着、接着剤等により取り付けられていることが好ましい。流通規制部85は、加熱滅菌時において、第1の薬剤室3から空間82への蒸気の流通を許容するものとなっている。このような構成により、医療用容器を加熱滅菌した際、フィルム85aとフィルム85bの間から高温蒸気が排出用ポート内に入り込むため、空間82内及び排出用ポート83内を確実に滅菌することができる。
フィルムの構成材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルであることが好ましい。
本発明の場合は、薬剤室3と空間82を仕切る部分がすべて連通規制部85となっているがこれに限定されるものではない。このような弁機構は、空間82と空間82に隣接する薬剤室3とを仕切るシール部に直接もしくは間接的に取り付けられているものであってもよい。
連通用部材86は、図34,図35に示すように、断面が三角形の楔型形状の部材である。図37に示すように、連通用部材86を2枚のフィルム85a,85bの間に進入させることにより、フィルム85aとフィルム85bが離間して隙間が生じ、薬剤室の薬液が空間82内に流入するものとなる。
排出用ポート83は、軟質バッグ81の一端部の中央付近に取り付けられている。排出用ポート83は、公知のものが使用される。排出用ポート83は、上端部に流入口を有し下端部に排出口を有する筒状部材である。排出口83bは、上述した排出用ポート6と同様の構成であることが好ましい。
本発明の医療用容器80の製造方法について説明する。まず、上述したフィルム85a,85bを上述した位置に配置して軟質バッグ内面81a,81bに熱融着により取り付ける。そして、排出用ポート取付部及びシール部14,15の一部分を除いて全周部分をシールし、また、仕切用シール部5が形成された軟質バッグ81を準備する。そして、排出用ポート取付部に排出用ポート83を取り付ける。その後、シール部15の未シール部から薬剤12及び連通用部材86を充填し、未シール部をヒートシールする。これにより、薬剤12及び連通用部材86を収容する第2の薬剤室4が形成される。また、シール部14の未シール部から薬剤11を充填し、未シール部をヒートシールする。これにより、薬剤11を収容する第1の薬剤室3が形成される。以上より、医療用容器80の製造が完了する。
次に、本発明の医療用容器80の使用方法について説明する。
まず、医療用容器80の第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を図36,図37に示すように剥離させる。これにより、第2の薬剤室4から連通用部材86を第1の薬剤室3側に移動させることができるとともに、第1の薬剤室3の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合される。そして、医療用容器80の排出口側を上側に向けて、図36,図37に示すように、液面に浮遊している連通用部材86を軟質バッグ82ごしに担持し、連通用部材86をフィルム85aとフィルム85bの間に差し込み、フィルム85aとフィルム85bを離間させる。なお、連通用部材86を差し込んだ状態で左右に移動させフィルム85aとフィルム85bの大部分を離間させることが好ましい。この操作により、流通規制部85が開口し、薬剤室から空間82内へ薬剤が流入する。その後、排出用ポート83の排出口に排出用針を挿通して薬剤を投与する。
本発明の医療用容器によれば、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤を排出することを確実に防止することができる。
流通規制部としては、図38に示す医療用容器90のように、空間92と空間92に隣接する薬剤室3とを仕切るシール部94に直接もしくは間接的に取り付けられているものであってもよい。本発明の医療用容器90の流通規制部95は、図38に示すように、空間92と空間92に隣接する薬剤室3とを仕切るシール部94に取り付けられた筒状部96もしくは環状部の内孔96cを横切るように設けられた破断可能な膜部95であり、連通用部材98は、膜部95を破断するための部材である。
医療用容器90は、第1の薬剤室3と、第2の薬剤室4と、第1の薬剤室3と隣接する空間92と、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4とを仕切るための仕切用シール部5と、第1の薬剤室3と空間92とを仕切るためのシール部94と、シール部94に取り付けられた流通規制部95を備える軟質バッグ91と、第1の薬剤室3に収容された薬剤11と第2の薬剤室4に収容された薬剤12と、軟質バッグ91のシール部14に取り付けられた排出用ポート83を有している。医療用容器90は、医療用容器80の構成と、流通規制部95、シール部94、連通用部材98の構成を除いて同様であるため、以下、相違点のみを説明する。連通用部材98としては、上述した連通用部材10と同様の構成をしていることが好ましい。連通用部材98としては、図38に示すように、断面が十字状の棒状部材であり、担持部98aと、担持部98aより径の小さい挿通部98bからなる。また、空間92には、薬剤が充填されていない。
シール部94は、図38に示すように、第1の薬剤室3と空間92とを仕切るように設けられており、側辺に向かって徐々に幅広となるように形成されている。このような構成により、薬剤が流通規制部95から排出されやすくなり、また、空間92内の空気が流通規制部から容易に抜けるものとなる。シール部94は、薬剤室の押圧により剥離しないものとなっている。
本発明の実施例において、流通規制部95はシール部94に筒状部材96を介して間接的に取り付けられている。流通規制部95は、シール部94の中央付近に設けられている。筒状部材96は円筒部材であることが好ましい。筒状部材96の構成材料としては、上述した排出用ポート6と同様であることが好ましい。膜部は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸セルロース等の濾過フィルターに用いられている合成樹脂、ナイロン等の親水性ポリエステル、ポリウレタン等により構成された合成樹脂フィルム、シート、アルミ等の金属箔、合成樹脂フィルムと金属箔との積層体であることが好ましく、特に好ましくは、ポリプロピレンである。また、流通規制部95は、加熱滅菌時において、薬剤室から中空部内への蒸気の流通を許容するものであることが好ましい。
具体的に、膜部としては、多孔質膜であることが好ましい。膜部が多孔質膜であれば、医療用容器を加熱滅菌する際、加熱蒸気が多孔質膜を通過し空間92内を確実に滅菌することができる。多孔質膜である膜部は、合成樹脂を多孔質処理することにより形成されたものであることが好ましい。また、膜部としては硬質の多孔質膜であることが好ましい。膜部95は、熱融着、高周波融着、接着剤等により筒状部材96の上端に接合されることが好まし。また、膜部は、筒状部材の先端より下端側となる位置に接合されていてもよい。これにより、薬剤を混合する前に誤って膜部を破断することをより防止できる。本発明の実施例の膜部95は連通用部材98のみにより開通できるものとなっているため、混合前に第1の薬剤室3と空間92が連通しないものとなっている。筒状部材の構成材料としては上述した排出用ポートと同様であることが好ましい。流通規制部は、シール部94の中央部付近に熱融着、高周波融着、接着剤等により取り付けられている。
流通規制部としては、上述した薄板部21と同様の構成を有する破断可能な薄板部であり、連通用部材は、薄板部を破断するための部材であってもよい。また、シール部に直接もしくは間接的に取り付けられる流通規制部としては、薬剤室内から空間への流通を規制するための弁機構であり、連通用部材は、弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材であってもよい。例えば、医療用容器80のような2枚のフィルムで作製された弁機構を、シール部に直接もしくは間接的に取り付けてもよい。
本発明の医療用容器90の製造方法について説明する。まず、シール部94及び仕切用シール部5、また、シール部15の一部分を除いて全周部分をヒートシールした軟質バッグ91を準備する。そして、シール部94の間から第1の薬剤室3に収容する薬剤11を充填して流通規制部95を有する筒状部材96をヒートシールにより取り付ける。これにより、薬剤11が収容された第1の薬剤室3が形成される。そして、シール部15の未シール部から第2の薬剤室4に充填する薬剤12を充填し、未シール部をヒートシールする。これにより、薬剤12が収容された第2の薬剤室4が形成される。また、軟質バッグ92のシール部14を形成する。以上より、医療用容器90の製造が完了する。
次に、本発明の医療用容器90の使用方法について図40を用いて説明する。
まず、医療用容器90の第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を図40に示すように剥離させる。これにより、第2の薬剤室4から連通用部材98を第1の薬剤室3側に移動させることができるとともに、第1の薬剤室3の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合される。そして、医療用容器90の排出口側を上側に向けて、図40に示すように、液面に浮遊している連通用部材98を軟質バッグ91ごしに担持して、連通用部材98を膜部95に突き刺すことにより流入孔95aが形成され空間92と薬剤室内とが連通する。その後、排出用ポート83の排出口に排出用針を挿通して薬剤を投与する。
本発明の医療用容器によれば、2以上の成分の薬剤を混合する前に、薬剤を排出することを確実に防止することができる。
次に、本発明の他の実施例である医療用容器について図41を用いて説明する。
医療用容器100は、複数の薬剤室3,4と複数の薬剤室3,4を仕切るための剥離可能な仕切用シール部5と薬剤室3と隣接する空間を有するとともに軟質樹脂製シートにより構成された軟質バッグ101と、複数の薬剤室3,4に収容された異なる薬剤11,12と、空間82に取り付けられた排出用ポート83とを備える医療用容器100であって、軟質バッグ101は、薬剤室3と空間82との間に配置され、薬剤室3から空間82への薬剤の流通を規制するための流通規制部85を有し、さらに、医療用容器100は、仕切用シール部5に保持されるとともに仕切用シール部5の剥離によりシール部5より離脱することにより使用可能となり、流通規制部85の薬剤流通を可能とする連通用部材86を備える。
この医療用容器100は、上述した医療用容器80と、連通用部材86が仕切用シール部5内に保持されている点においてのみ異なっている。以下、相違点を中心に説明する。本発明の医療用容器100によっても、医療用容器80と同様の効果を得ることができる。流通規制部としては、上述したように、空間と空間に隣接する薬剤室とを仕切るシール部に直接もしくは間接的に取り付けられているものであってもよい。また、流通規制部95及び連通用部材86の代わりに、上述した医療用容器80,医療用容器90に用いられた流通規制部及び連通用部材を用いてもよい。
また、医療用容器100は、2つの薬剤室3,4を有し、一方の薬剤室3には排出用ポート83が接続され、仕切用シール部5には連通用部材98が保持されている。医療用容器100の製造方法は、仕切用シール部5を形成する位置に連通用部材86を水平に配置した後、軟質バッグ101を水平に直線状に弱シールして仕切用シール部5を形成する点を除いて医療用容器80の製造方法と同様である。仕切用シール部5の連通用部材86を保持する部分は、図41に示すように、その他の部分より幅広に形成されている。
医療用容器100は、第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して、第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を図36,図37に示すように剥離させる。これにより、連通用部材86を仕切用シール部5から離脱させることができるとともに、第1の薬剤室3の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合される。そして、医療用容器80の排出口側を上側に向けて、図36,図37に示すように、液面に浮遊している連通用部材86を軟質バッグ101ごしに担持し、フィルム85aとフィルム85bの間に差し込み、フィルム85aとフィルム85bを離間させる。なお、連通用部材86を差し込んだ状態で左右に移動させフィルム85aとフィルム85bの大部分を離間させることが好ましい。この操作により、流通規制部85が開口し、薬剤室から空間82内へ薬剤が流入する。その後、排出用ポート83の排出口に排出用針を挿通して薬剤を投与する。
本発明の医療用容器によれば、2以上の成分の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止することができる。
また、本発明の実施例では、仕切用シール部5内に連通用部材86のすべての部分が保持されているが、これに限定されるものではなく、連通用部材の一部のみ仕切用シール部に保持されていてもよい。
次に、本発明の他の実施例である医療用容器について説明する。図42は、本発明の他の実施例の医療用容器の正面図であり、図43は、図42に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
本発明の医療用容器105は、薬剤室107と薬剤室107と隣接する空間92とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグ106と、空間92に取り付けられた排出用ポート83と、薬剤室107に取り付けられた薬剤容器63と、薬剤室107に収納された薬剤108と、薬剤容器63に収納された薬剤とを備える医療用容器105であって、軟質バッグ106は、薬剤室107と空間92との間に配置され、薬剤室107から空間92への薬剤の流通を規制するための流通規制部95を有し、薬剤容器63は、流通規制部95の薬剤流通を可能とする連通用部材65を備えており、かつ、連通用部材65は薬剤容器63と薬剤室107との連通を規制するとともに薬剤容器本体部62から分離可能となっている。
この医療用容器は、上述した医療用容器と、排出用ポート及び流通規制部の構造のみ異なっている。以下、相違点を中心に説明する。
本発明の医療用容器105は、医療用容器90と軟質バッグ106の他端部に薬剤容器63が取り付けられている点、複数の薬剤室を有しない点、軟質バッグ106の他端部の構成のみ異なっている。以下、相違点を中心に説明する。薬剤容器63としては、上述した通りである。
医療用容器105は、図42に示すように、薬剤室107と、薬剤室107と隣接する空間92と、薬剤室107と空間92とを仕切るためのシール部94とを有する軟質バッグ106と、シール部94の間に取り付けられた膜部95を有する筒状部材96と、薬剤室107に収納された薬剤108と、軟質バッグ106の一端部に取り付けられた排出用ポート83と、他端部に取り付けられた薬剤容器63とからなる。
連通用部材65は、図42に示すように、破断可能な脆弱部66を介して薬剤容器本体部62の先端側に設けられている。薬剤容器63は、薬剤容器本体部62と、連通用部材65と、薬剤容器本体部62との間に設けられた破断可能部66を有している。
流通規制部としては、上述した薄板部21と同様の構成を有する破断可能な薄板部であり、連通用部材は、薄板部を破断するための部材であってもよい。また、シール部に直接もしくは間接的に取り付けられる流通規制部としては、薬剤室内から空間への流通を規制するための弁機構であり、連通用部材は、弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材であってもよい。例えば、医療用容器80の2枚のフィルムで作製された弁機構を、シール部に直接もしくは間接的に取り付けてもよい。
医療用容器105の製造方法は、薬剤容器63を軟質バッグ106の他端部に取り付けること、軟質バッグ106に仕切用シール部を形成しないことを除いて、上述した医療用容器90の製造方法と同様である。
本発明の医療用容器105の使用方法としては、まず、図43に示すように、連通用部材65を薬剤容器本体部62に対して折り曲げ、連通用部材65を分離する。これにより、薬剤容器61の薬剤は、薬剤室107内の薬剤108と混合される。そして、医療用容器105の排出口側を上側に向けて、図43に示すように、液面に浮遊している連通用部材65を軟質バッグ106ごしに担持して、連通用部材65を膜部95に突き刺して空間92内と薬剤室内を連通させる。そして、排出用ポート83の排出口に排出用針を挿通して薬剤を投与する。
以上より、上述した構成により、2成分以上の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止できる。
また、上述した医療用容器は、図44,図45に示す医療用容器110のように、薬剤室は剥離可能な仕切用シール部5により複数の薬剤室3,4に仕切られ、薬剤容器63は、空間92と隣接していない薬剤室4に取り付けられ、複数の薬剤室3,4には、異なる薬剤11,12が収納されていてもよい。仕切用シール部5を備えている点を除いて、医療用容器105と同様の構成をしている。このような構成により、仕切用シール部5を剥離していない状態では、薬剤容器63から分離された連通用部材65を流通規制部95側に移動させることができない。つまり第1の薬剤室3の薬剤11と第2の薬剤室4の薬剤12が混合された状態でなければ連通用部材65を用いて流通規制部95を開通できないものとなっている。
流通規制部としては、上述した薄板部21と同様の構成を有する破断可能な薄板部であり、連通用部材は、薄板部を破断するための部材であってもよい。また、シール部に直接もしくは間接的に取り付けられる流通規制部としては、薬剤室内から空間への流通を規制するための弁機構であり、連通用部材は、弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材であってもよい。
本発明の医療用容器110の使用方法としては、まず、図45に示すように、連通用部材65を薬剤容器本体部62に対して折り曲げ、連通用部材65を分離する。これにより、薬剤容器63の薬剤は、第2の薬剤室4内の薬剤12と混合される。そして、医療用容器110の第2の薬剤室4の腹を手、指で強く押圧して第1の薬剤室3と第2の薬剤室4を区分する仕切用シール部5を剥離させる。これにより、第2の薬剤室4から連通用部材65を取り出すことができるとともに、第1の薬剤室4の薬剤11と第2の薬剤12が混合される。そして、医療用容器110の排出口側を上側に向けて、図45に示すように、液面に浮遊している連通用部材65を軟質バッグ111ごしに担持し、軟質バッグ111ごしに連通用部材65を担持して、連通用部材65を膜部95に突き刺して排出用ポート83内と薬剤室内を連通させる。そして、排出用ポート83の排出口に排出用針を挿通して薬剤を投与する。
また、本発明の実施例である医療用容器が3室以上の薬剤室を有している場合、連通用部材は、排出用ポートが接続された薬剤室から最も多くの仕切用弱シール部を介した薬剤室に収納されていることが好ましい。以上のような構成によっても、2成分以上の薬剤を混合する前に薬剤を排出することを確実に防止できる。
図1は、本発明の一実施例である医療用容器の正面図である。 図2は、図1に示す医療用容器を構成する排出用ポートの断面図である。 図3は、図1に示す医療用容器を構成する排出用ポートの上面図である。 図4は、図1に示す医療用容器を構成する連通用部材の拡大図である。 図5は、図4に示す連通用部材の上面図である。 図6は、図1に示す医療用容器を構成する他の実施例である連通用部材の正面図である。 図7は、図6に示す連通用部材の上面図である。 図8は、本発明の一実施例である医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図9は、本発明の医療用容器を構成する排出用ポートの他の実施例の正面図である。
図10は、図9に示す排出用ポートの断面図である。 図11は、図9に示す排出用ポートの上面図である。 図12は、図9に示す排出用ポートを用いた医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図13は、本発明の医療用容器を構成する排出用ポートの他の実施例の正面図である。 図14は、図13に示す排出用ポートの上面図である。 図15は、図13に示す排出用ポートの断面図である。 図16は、図13に示す排出用ポートを用いた医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図17は、本発明の医療用容器を構成する排出用ポートの他の実施例の正面図である。 図18は、図17に示す排出用ポートの断面図である。 図19は、図17に示す排出用ポートの上面図である。
図20は、図17に示す排出用ポートを用いた医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図21は、本発明の医療用容器を構成する排出用ポートの他の実施例の正面図である。 図22は、図21に示す排出用ポートの側面図である。 図23は、図21に示す排出用ポートの断面図である。 図24は、図21に示す排出用ポートを用いた医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図25は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図26は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図27は、図26に示す医療用容器を構成する排出用ポート部分の部分断面図である。 図28は、図26に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図29は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。
図30は、図29に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図31は、図29に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図32は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図33は、図32に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図34は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図35は、図34に示す医療用容器のA−A線断面図である。 図36は、図34に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図37は、図36に示す医療用容器のB−B線断面図である。 図38は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図39は、図38に示す医療用容器を構成する流通規制部及び筒上部材の正面図である。
図40は、図38に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図41は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図42は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図43は、図42に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。 図44は、本発明の他の実施例である医療用容器の正面図である。 図45は、図44に示す医療用容器の使用方法を説明するための説明図である。
符号の説明
1 医療用容器
2 軟質バッグ
3,4 薬剤室
5 仕切用シール部
6 排出用ポート
9 流通規制部
10 連通用部材
11,12 薬剤

Claims (24)

  1. 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室のうちの一つの薬剤室に接続された排出用ポートと、前記複数の薬剤室内に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、さらに、前記医療用容器は、前記排出用ポートが接続されていない前記薬剤室内に収納され、前記流通規制部の薬剤流通を可能とするための連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
  2. 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部とを有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室のうちの一つの薬剤室に接続された排出用ポートと、前記複数の薬剤室に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、さらに、前記医療用容器は、前記仕切用シール部に保持されるとともに該仕切用シール部の剥離により該シール部より離脱することにより使用可能となり、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
  3. 前記連通用部材は、一端側に前記流通規制部を開通するための連通部を有し、他端側が前記仕切用シール部に保持されており、さらに、前記連通部を前記流通規制部へ誘導する誘導部を有するものである請求項2に記載の医療用容器。
  4. 薬剤室を有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、該軟質バッグに取り付けられた排出用ポートと、該軟質バッグに取り付けられた薬剤容器と、前記薬剤室と前記薬剤容器に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記排出用ポートは、該排出用ポート内に形成された中空部と、前記薬剤室からの該中空部への薬剤の流通を規制する流通規制部を有し、該薬剤容器は、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えており、かつ、該連通用部材は前記薬剤容器と前記薬剤室との連通を規制するとともに薬剤容器本体部から分離可能となっていることを特徴とする医療用容器。
  5. 前記薬剤室は剥離可能な仕切用シール部により複数の薬剤室に仕切られ、前記薬剤容器は、前記排出用ポートが取り付けられていない薬剤室に取り付けられ、前記複数の薬剤室には、異なる薬剤が収納されている請求項4に記載の医療用容器。
  6. 前記医療用容器は、2つの薬剤室を有し、一方の薬剤室には前記排出用ポートが接続され、他方の薬剤室内に前記連通用部材が収納されているもしくは前記仕切用シール部に前記連通用部材が保持されている請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用容器。
  7. 前記流通規制部は、前記排出用ポートの前記中空部を横切るように設けられた破断可能な膜部もしくは破断可能な薄板部であり、前記連通用部材は、前記膜部もしくは前記薄板部を破断するための部材である請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用容器。
  8. 前記流通規制部は、前記薬剤室内からの前記中空部への薬剤の流通を規制するための弁機構であり、前記連通用部材は、前記弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材である請求項1ないし6のいずれかに記載の医療用容器。
  9. 前記弁機構は、前記中空部を横切るように重なり合う複数の扇形状の弁体により構成され、前記連通用部材は、前記弁体に挿通可能なものである請求項8に記載の医療用容器。
  10. 前記弁機構は、ボール状の弁と、該弁を支持する支持部からなり、前記連通用部材は、前記ボール状の弁を前記支持部からずらして連通状態とすることができる部材である請求項8に記載の医療用容器。
  11. 前記弁機構は、前記排出用ポートの前記中空部の開口の周囲に配置され該開口を覆うように互いに接触する2枚のフィルムにより構成され、前記連通用部材は、該2枚のフィルムを離間させる部材である請求項8に記載の医療用容器。
  12. 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部と前記薬剤室と隣接する空間とを有すとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室に充填された異なる薬剤と、前記空間に取り付けられた排出用ポートとを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間と隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、さらに、前記医療用容器は、前記空間と隣接しない前記薬剤室内に収納され、前記流通規制部の薬剤流通を可能とするための連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
  13. 複数の薬剤室と該複数の薬剤室を仕切るための剥離可能な仕切用シール部と前記薬剤室と隣接する空間とを有すとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、前記複数の薬剤室に充填された異なる薬剤と、前記空間に取り付けられた排出用ポートとを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間に隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、さらに、前記医療用容器は、前記仕切用シール部に保持されるとともに該仕切用シール部の剥離により該シール部より離脱することにより使用可能となり、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えることを特徴とする医療用容器。
  14. 薬剤室と該薬剤室と隣接する空間を有するとともに軟質樹脂製シートにより形成された軟質バッグと、該空間に取り付けられた排出用ポートと、前記薬剤室に取り付けられた薬剤容器と、前記薬剤室と前記薬剤容器に収納された異なる薬剤とを備える医療用容器であって、前記軟質バッグは、前記空間と該空間に隣接する薬剤室との間に配置され、前記薬剤室から前記空間への薬剤の流通を規制するための流通規制部を備え、該薬剤容器は、前記流通規制部の薬剤流通を可能とする連通用部材を備えており、かつ、該連通用部材は前記薬剤容器と前記薬剤室との連通を規制するとともに薬剤容器本体部から分離可能となっていることを特徴とする医療用容器。
  15. 前記薬剤室は剥離可能な仕切用シール部により複数の薬剤室に仕切られ、前記薬剤容器は、前記空間と隣接していない薬剤室に取り付けられ、前記複数の薬剤室には、異なる薬剤が収納されている請求項14に記載の医療用容器。
  16. 前記医療用容器は、2つの薬剤室を有し、一方の薬剤室は前記空間と隣接しており、他方の薬剤室内には前記連通用部材が収納されているもしくは前記仕切用シール部に前記連通用部材が保持されている請求項12または13に記載の医療用容器。
  17. 前記流通規制部は、前記薬剤室内から前記空間への流通を規制するための弁機構であり、前記連通用部材は、前記弁機構に挿通もしくは弁機構の間に挟まれることにより弁を開通するための部材である請求項12ないし16のいずれかに記載の医療用容器。
  18. 前記弁機構は、前記軟質バッグの内面に取り付けられ、液密に接触可能な2枚のフィルム形成部を有し、前記連通用部材は、前記2枚のフィルム形成部を離間させる部材である請求項17に記載の医療用容器。
  19. 前記流通規制部は、前記空間と該空間に隣接する薬剤室とを仕切るシール部に直接もしくは間接的に取り付けられている請求項12ないし16のいずれかに記載の医療用容器。
  20. 前記流通規制部は、前記空間と該空間に隣接する薬剤室とを仕切るシール部に取り付けられた筒状部もしくは環状部の内孔を横切るように設けられた破断可能な膜部もしくは破断可能な薄板部であり、前記連通用部材は、前記膜部もしくは前記薄板部を破断するための部材である請求項12ないし16のいずれかに記載の医療用容器。
  21. 前記連通用部材は、破断可能な脆弱部を介して前記薬剤容器本体部の先端側に設けられている請求項4,5,14または15のいずれかに記載の医療用容器。
  22. 前記膜部は、多孔質膜である請求項7または20に記載の医療用容器。
  23. 前記流通規制部は、加熱滅菌時において、前記薬剤室から前記中空部内もしくは前記空間への蒸気の流通を許容するものである請求項1ないし22のいずれかに記載の医療用容器。
  24. 前記連通用部材は、前記流通規制部に挿通もしくは間に挟まれたときに、前記薬剤室内の薬液を排出用ポートもしくは前記空間に流入するための薬剤誘導路を有している請求項1ないし23のいずれかに記載の医療用容器。
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