JP2792635B2 - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JP2792635B2
JP2792635B2 JP4084571A JP8457192A JP2792635B2 JP 2792635 B2 JP2792635 B2 JP 2792635B2 JP 4084571 A JP4084571 A JP 4084571A JP 8457192 A JP8457192 A JP 8457192A JP 2792635 B2 JP2792635 B2 JP 2792635B2
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container
adhesive band
wall
wall adhesive
chambers
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千春 宮嶋
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HEKISUTO MARION RUSERU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製の多層
シートで作られた偏平な多室からなる医療用容器に関す
る。さらに詳しくは、アミノ酸輸液剤とブドウ糖輸液剤
のように、栄養学的観点から混合投与が望ましいが、混
合すると経時的に変質する恐れがある輸液剤、或いはあ
る種の抗生物質剤のように、製剤学的安定性の問題から
投与直前に液剤に溶かして用いられるものなどに使用す
るための、異種薬剤の隔離収容及び無菌的混合が可能な
容器に関する。
【0002】
【従来の技術】多層シートからなる偏平な容器の内壁
を、帯状に剥離可能に熱接着して多室を形成した上記用
途の医療用容器は、特開昭63−19149号公報、特
開平1−240469号公報、特開平2−4671号公
報等に開示されている。
【0003】前記開示の医療用容器は、各室に薬液が収
容された状態で容器壁を手で圧迫するなどして熱接着帯
を幅広く剥離できることから、薬液の混合が極めて容易
にできる。しかし、熱接着帯を剥離する際に過度の力が
加わったり、誤って容器を落としたりすると、容器壁の
剥離部位と容器周縁の液密性を保つために必要な強溶着
部位との境界付近でピンホールが生じ易い問題点があっ
た。
【0004】したがって本発明の課題は、プラスチック
製の多層シートからなる容器の内壁を剥離可能に接着し
て多室を形成した容器であって、薬液の混合が安全、確
実且つ容易にできる品質の優れた医療用容器を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、先ず、収容液混合後の容器落下試験に
よってピンホールの生じた容器と生じなかった容器につ
いて分析した。その結果、ピンホールの発生は、密閉系
で薬液を排出し易くするため、或いは容器壁の透明度を
損なわないようにするため、薄いシートが使われている
こと、容器壁接着の際の熱によってシートが部分的にさ
らに薄くなっていること、薬液に過度の外力が加わると
前記境界付近(強溶着部周辺)に応力集中が生じること
などに起因すると考えられた。そこで、剥離可能な熱接
着帯の両端に続く強溶着部に、衝撃緩和能を持たせる工
夫をしたところ、医療現場で予測される程度の衝撃によ
ってはピンホールが発生しなかった。本発明は、この知
見に基づき完成したものである。
【0006】 すなわち、本発明は、プラスチック製の
多層シートからなる偏平な容器の内部が、複数の室を形
成する位置に設けられ、且つ容器を圧迫することにより
剥離可能な内壁接着帯及びその両端に続く強溶着部によ
ってシールされ、複数の室が形成された容器において、
内壁接着帯とその両端に続く強溶着部との境界付近に内
壁接着帯よりも剥離強度の高い衝撃緩和用の溶着領域を
有していることを特徴とする医療用容器を提供するもの
である。
【0007】本発明医療用容器の素材は、生体に有害な
物質を溶出しない熱可塑性のプラスチックを用いる。例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、或いはそれらの混
合物等が使用できる。
【0008】 前記の「衝撃緩和用の溶着領域」とは、
容器壁を普通の力で圧迫し、内壁接着帯を剥離する際は
剥がれないが、過度の力で急激に圧迫したり、容器を落
とした場合は剥がれる溶着領域を意味する。
【0009】 衝撃緩和作用の溶着領域は、次のように
して形成できる。例えば、一対のヒートシール金型で容
器壁を挟み、加圧下に加熱して強溶着部を形成する際、
金型の該当部分の間隔が、シート2枚重ねの厚みの0.
45〜090の範囲内で、容器周縁から内壁接着帯方向
及び中央線から外方向に漸減したものを用いることによ
り、すなわち多層シートに加える圧力を同方向に漸減さ
せることにより、強溶着部境界付近で相対的に弱く溶着
された衝撃緩和用の溶着領域を形成することができる。
なお、ブロー形容器の場合は、加熱された中空パリソン
を挟む2つの半割金型の該当部分の間隔を前記と同様に
して、容器成形と同時に強溶着部を形成してもよい。
【0010】 剥離可能な内壁接着帯は、容器両側に形
成された強溶着部間を、ヒートシール金型により比較的
弱い条件下で溶着させることにより形成できる。例え
ば、内層がポリエチレンとポリプロピレンの混合物、外
層がポリプロピレンの2層シートで、その肉厚が300
〜500μmの場合、3〜15mm幅のヒートシール金
型を用いて2〜4kg重/cm2、120〜180℃、
5〜15秒間の条件下に、熱溶着させればよい。
【0011】
【作用】内部が剥離可能な内壁接着帯とその両端に続く
強溶着部によってシールされ、複数の室が形成された医
療用容器において、前記強溶着部に衝撃緩和用の溶着領
域を設けたことにより、衝撃によってその周辺部位に生
じる応力を減少させることができ、ピンホールの発生を
防ぐことができる。
【0012】
【実施例】 図1に一実施例として示した容器(1)
は、内層がポリエチレンとポリプロピレンの混合物、外
層がポリプロピレンの2層からなる中空パリソンを、部
分的に2つの半割金型で挟むことにより強溶着部
(2)、(4)を形成し、次いでブロー形した容器につ
いて、ヒートシール金型を用いて剥離可能な内壁接着帯
(6)を形成したものである。
【0013】 図2及び図3は、薬液を充填した図1の
容器壁を普通の握力で圧迫して内壁接着帯(6)を剥離
した場合と、急激に圧迫して剥離した場合の強溶着部
(2)の横断面拡大図をそれぞれ示したものである。後
者において強溶着部(2)の一部、すなわち衝撃緩和用
の溶着領域が(3)が剥離している。
【0014】図4は、図1の容器成形に用いた2つの半
割金型において、閉じた状態における強溶着部成形部分
(10)、(11)の横断面拡大図を示したものであ
る。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、異種薬剤の隔離収容と
投与時における無菌混合が安全、確実且つ容易にできる
医療用容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明医療容器の一実施例を示す正面図。
【図2】図1に示した容器に薬液を収容し、容器壁を普
通の握力で圧迫して接着帯を剥離した後の強溶着部の横
断面拡大図。
【図3】図1に示した容器に薬液を収容し、容器壁を急
激に圧迫して接着帯を剥離した後の強溶着部の横断面拡
大図。
【図4】図1の容器成形に用いた2つの半割金型におい
て、閉じた状態における強溶着部成形部分の横断面拡大
図。
【符号の説明】
1. 医療用容器 2. 強溶着部 3. 衝撃緩和用の溶着領域 4. 強溶着部 5. 衝撃緩和用の溶着領域 6. 内壁接着帯 7. 薬剤充填、排出口部 8. 薬剤充填口部 9. 吊り下げ部 10. 衝撃緩和用の溶着領域 11. 衝撃緩和用の溶着領域

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製の多層シートからなる偏
    平な容器の内部が、複数の室を形成する位置に設けら
    れ、且つ容器を圧迫することにより剥離可能な内壁接着
    帯及びその両端に続く強溶着部によってシールされ、複
    数の室が形成された容器において、内壁接着帯とその両
    端に続く強溶着部との境界付近に内壁接着帯よりも剥離
    強度の高い衝撃緩和用の溶着領域を有していることを特
    徴とする医療用容器。
JP4084571A 1992-03-05 1992-03-05 医療用容器 Expired - Lifetime JP2792635B2 (ja)

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JP4476435B2 (ja) 1999-07-22 2010-06-09 株式会社細川洋行 仕切部材、複室輸液容器および薬剤入り複室輸液容器の製造方法
JP2006000398A (ja) * 2004-06-17 2006-01-05 Jms Co Ltd 薬液用軟質プラスチックバッグ及びその製造方法
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