JPH1085305A - 医療用容器 - Google Patents
医療用容器Info
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- JPH1085305A JPH1085305A JP8269332A JP26933296A JPH1085305A JP H1085305 A JPH1085305 A JP H1085305A JP 8269332 A JP8269332 A JP 8269332A JP 26933296 A JP26933296 A JP 26933296A JP H1085305 A JPH1085305 A JP H1085305A
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- Japan
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- container
- chamber
- opening
- resin
- filling
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 薬剤の充填容器を簡単且つ無菌的に接続する
ことができ、また薬剤の充填容器と樹脂容器との連通操
作を簡単にすることのできる医療用容器を提供。 【構成】 本発明に係る医療用容器は、複数の室を有
し、該室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から
の開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され
た樹脂容器であって、第一室には薬液が収容され、また
他の少なくとも第二室には接続用の開口が形成され、且
つ該接続用開口には上記薬液と混合される薬剤を充填し
ている充填容器の開口が液密に接続され、上記充填容器
の開口には、第二室の外側から開封可能な易開封部材が
設けられていることを特徴とする。
ことができ、また薬剤の充填容器と樹脂容器との連通操
作を簡単にすることのできる医療用容器を提供。 【構成】 本発明に係る医療用容器は、複数の室を有
し、該室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から
の開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され
た樹脂容器であって、第一室には薬液が収容され、また
他の少なくとも第二室には接続用の開口が形成され、且
つ該接続用開口には上記薬液と混合される薬剤を充填し
ている充填容器の開口が液密に接続され、上記充填容器
の開口には、第二室の外側から開封可能な易開封部材が
設けられていることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、使用時に、樹脂容器内の薬液
と充填容器内の薬剤を無菌的に簡単に混合することがで
きる医療用容器、特に、樹脂容器と充填容器とを簡単に
接続することのできる医療用容器に関するものである。
のであり、より詳細には、使用時に、樹脂容器内の薬液
と充填容器内の薬剤を無菌的に簡単に混合することがで
きる医療用容器、特に、樹脂容器と充填容器とを簡単に
接続することのできる医療用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】点滴注射に用いられる輸液、透析液、臓
器保存液等のバック、コンテナ等の医療用容器は、一般
に樹脂容器である。また輸液にはその使用時に抗生物質
などが混合されて点滴注射されるものがある。従来、こ
のような混合には注射器が使用され、抗生物質の入った
バイアルに溶解液が注射器を介して入れられる。抗生物
質と溶解液とが混合され、混合液は注射器でバイアル内
から吸い出される。そして、輸液容器の排出口に注射器
が刺通され、その混合液が輸液容器内に充填される。ま
た、最近、輸液容器とバイアルとが一体となっているも
のが提案されている。このような輸液容器には連結口が
設けられ、かかる連結口にはバイアルがそのゴム栓を対
向させて接続される。そして、連結口とバイアルとの間
に連通針が配せられ、使用時に連通針がゴム栓に刺通す
ることにより、バイアル内と輸液容器内が無菌的に連通
できるようになっている。これらの構造は、抗生物質等
の薬剤が輸液に溶解した状態では不安定で保存に耐えな
いこと、及び抗生物質等の薬剤が輸液のように高圧蒸気
滅菌できないことなどに由来する。また最近、ダブルバ
ックと称する輸液容器が提案され、かかる輸液容器は、
アミノ酸剤の収納室と糖の収納室とが区分されて形成さ
れている。そして、かかる室同士の隔離条部或いは隔離
壁はその一部又は全部がピールシール部或いは弱シール
部として形成され、使用時には外側からの開放が可能な
隔離条部或いは隔離壁となっている。このため、かかる
ダブルバックは製造時及び保存時に互いに反応を起こす
アミノ酸と糖とを分離して収容し、使用時に無菌的に容
易に混合できるようにしている。
器保存液等のバック、コンテナ等の医療用容器は、一般
に樹脂容器である。また輸液にはその使用時に抗生物質
などが混合されて点滴注射されるものがある。従来、こ
のような混合には注射器が使用され、抗生物質の入った
バイアルに溶解液が注射器を介して入れられる。抗生物
質と溶解液とが混合され、混合液は注射器でバイアル内
から吸い出される。そして、輸液容器の排出口に注射器
が刺通され、その混合液が輸液容器内に充填される。ま
た、最近、輸液容器とバイアルとが一体となっているも
のが提案されている。このような輸液容器には連結口が
設けられ、かかる連結口にはバイアルがそのゴム栓を対
向させて接続される。そして、連結口とバイアルとの間
に連通針が配せられ、使用時に連通針がゴム栓に刺通す
ることにより、バイアル内と輸液容器内が無菌的に連通
できるようになっている。これらの構造は、抗生物質等
の薬剤が輸液に溶解した状態では不安定で保存に耐えな
いこと、及び抗生物質等の薬剤が輸液のように高圧蒸気
滅菌できないことなどに由来する。また最近、ダブルバ
ックと称する輸液容器が提案され、かかる輸液容器は、
アミノ酸剤の収納室と糖の収納室とが区分されて形成さ
れている。そして、かかる室同士の隔離条部或いは隔離
壁はその一部又は全部がピールシール部或いは弱シール
部として形成され、使用時には外側からの開放が可能な
隔離条部或いは隔離壁となっている。このため、かかる
ダブルバックは製造時及び保存時に互いに反応を起こす
アミノ酸と糖とを分離して収容し、使用時に無菌的に容
易に混合できるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
薬剤の充填容器を備えた輸液容器或いは腹膜透析用容器
等の医療用容器には以下の問題点がある。従来の医療用
容器では、バイアル支持カプセル及び連結口に連通針を
必要とし、接続機構が極めて複雑となり製造が簡単にで
きない。バイアル等の無菌的な接続が困難である。従来
の医療用容器では、その操作において連通針を刺通する
操作を必要とし、またその刺通操作にゴム栓からコアリ
ング汚染を生じるおそれがある。そこで、最近、ダブル
バックを利用した第二室に直接凍結乾燥品を無菌的に充
填したものが提供されている(特開平5−3904号公
報等)。これは、凍結乾燥品の容器が工夫されており、
容器壁に凍結乾燥物がこびり付いて定量分注の妨げにな
ることを防止している。しかしながら、このような医療
用容器ではその無菌充填操作においての汚染の危険性を
全て解消したとはいえない。また、大量の凍結乾燥品か
ら定量スプーンを使用して第二室内に所定量を分注する
方法が考えられるが、かかる方法では凍結乾燥品のケー
キが必ずしも均一な力価を保持して分布しているとは限
らない。従って、本発明は、薬剤の充填容器を簡単且つ
無菌的に接続することができ、また薬剤の充填容器と樹
脂容器との連通操作を簡単にすることのできる医療用容
器を提供することを目的としている。
薬剤の充填容器を備えた輸液容器或いは腹膜透析用容器
等の医療用容器には以下の問題点がある。従来の医療用
容器では、バイアル支持カプセル及び連結口に連通針を
必要とし、接続機構が極めて複雑となり製造が簡単にで
きない。バイアル等の無菌的な接続が困難である。従来
の医療用容器では、その操作において連通針を刺通する
操作を必要とし、またその刺通操作にゴム栓からコアリ
ング汚染を生じるおそれがある。そこで、最近、ダブル
バックを利用した第二室に直接凍結乾燥品を無菌的に充
填したものが提供されている(特開平5−3904号公
報等)。これは、凍結乾燥品の容器が工夫されており、
容器壁に凍結乾燥物がこびり付いて定量分注の妨げにな
ることを防止している。しかしながら、このような医療
用容器ではその無菌充填操作においての汚染の危険性を
全て解消したとはいえない。また、大量の凍結乾燥品か
ら定量スプーンを使用して第二室内に所定量を分注する
方法が考えられるが、かかる方法では凍結乾燥品のケー
キが必ずしも均一な力価を保持して分布しているとは限
らない。従って、本発明は、薬剤の充填容器を簡単且つ
無菌的に接続することができ、また薬剤の充填容器と樹
脂容器との連通操作を簡単にすることのできる医療用容
器を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の室を有
し、該室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から
の開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され
た樹脂容器であって、第一室には薬液が収容され、また
他の少なくとも第二室には接続用の開口が形成され、且
つ該接続用開口には上記薬液と混合される薬剤を充填し
ている充填容器の開口が液密に接続され、上記充填容器
の開口には、第二室の外側から開封可能な易開封部材が
設けられていることを特徴とする医療用容器を提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。
し、該室と室との隔離条部の少なくとも一部が外側から
の開放可能なピールシール部又は弱シール部で形成され
た樹脂容器であって、第一室には薬液が収容され、また
他の少なくとも第二室には接続用の開口が形成され、且
つ該接続用開口には上記薬液と混合される薬剤を充填し
ている充填容器の開口が液密に接続され、上記充填容器
の開口には、第二室の外側から開封可能な易開封部材が
設けられていることを特徴とする医療用容器を提供する
ことにより、上記目的を達成したものである。
【0005】上記樹脂容器は、少なくとも可撓性壁を有
し非定容積性の容器である。樹脂容器は、シート及びフ
ィルムから成形したもの、直接ブロー成形、射出成形し
たもの等である。また容器の樹脂素材はポリオレフィン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の汎
用樹脂であり、特に、ポリオレフィン系樹脂、例えば、
直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等である。
本発明において、樹脂容器の室は薬液を収容する第一室
と充填容器が接続される第二室のみでも良いが、その他
の室が樹脂容器に設けられていても良い。室と室とを分
ける隔離条部は、室同士の連通を遮断するように樹脂壁
同士が互いに接着されているものである。そして、隔離
条部の少なくとも一部は使用時に外側から室同士を連通
可能にできるピールシール部又は弱シール部で形成され
る。ピールシール部と弱シール部はその機能が一般に共
通するものであり、保存時に室と室との間を遮断し、使
用時に樹脂容器の外側から容易に開放される機能を有す
るものである。そして、ピールシール部は一般に樹脂容
器の内層を融点の異なる複数の樹脂組成物で形成し、内
層同士の熱溶着シール強度を温度条件によりコントロー
ルしてシール部の外側からの剥離を可能にするものであ
る。また弱シールとは一般に熱溶着シール強度をシール
温度、シール時間などを厳しくコントロールしてシール
部の外側からの開放を可能にするものである。しかしな
がら、製造上、できり限り歩留まりを良くするために、
隔離条部はこれらの樹脂条件及びシール条件を含めたも
ので形成することが望ましい。そして、隔離条部が上記
機能を有するために、その剥離強度は容器内圧が0.0
1〜0.20Kgf/cm2の範囲で昇圧されたときに
剥離することが望ましい。
し非定容積性の容器である。樹脂容器は、シート及びフ
ィルムから成形したもの、直接ブロー成形、射出成形し
たもの等である。また容器の樹脂素材はポリオレフィン
系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の汎
用樹脂であり、特に、ポリオレフィン系樹脂、例えば、
直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等である。
本発明において、樹脂容器の室は薬液を収容する第一室
と充填容器が接続される第二室のみでも良いが、その他
の室が樹脂容器に設けられていても良い。室と室とを分
ける隔離条部は、室同士の連通を遮断するように樹脂壁
同士が互いに接着されているものである。そして、隔離
条部の少なくとも一部は使用時に外側から室同士を連通
可能にできるピールシール部又は弱シール部で形成され
る。ピールシール部と弱シール部はその機能が一般に共
通するものであり、保存時に室と室との間を遮断し、使
用時に樹脂容器の外側から容易に開放される機能を有す
るものである。そして、ピールシール部は一般に樹脂容
器の内層を融点の異なる複数の樹脂組成物で形成し、内
層同士の熱溶着シール強度を温度条件によりコントロー
ルしてシール部の外側からの剥離を可能にするものであ
る。また弱シールとは一般に熱溶着シール強度をシール
温度、シール時間などを厳しくコントロールしてシール
部の外側からの開放を可能にするものである。しかしな
がら、製造上、できり限り歩留まりを良くするために、
隔離条部はこれらの樹脂条件及びシール条件を含めたも
ので形成することが望ましい。そして、隔離条部が上記
機能を有するために、その剥離強度は容器内圧が0.0
1〜0.20Kgf/cm2の範囲で昇圧されたときに
剥離することが望ましい。
【0006】樹脂容器の第一室に収容される薬液は一般
に電解質液である。例えば、乳酸、酢酸、重炭酸等を含
むリンゲル液、糖、アミノ酸、ペプチド、脂肪等を含む
高カロリー輸液、透析液、臓器保存液等の溶液である。
尚、薬液は凍結乾燥薬剤の単なる溶解液、希釈液でも良
く、かかる薬液は単純な無菌水であっても良い。薬液
は、樹脂容器内に液密に収容された後にオートクレーブ
滅菌処理されるものである。樹脂容器の第二室には充填
容器の開口と接続するための接続用開口が形成される。
接続用開口は樹脂シート、或いはフィルムから成形した
樹脂容器であれば、そのヒートシール成形時に取り付け
る接続用ポートを開口としても良い。接続用開口は樹脂
容器がブロー成形物であれば、そのブロー用開口を接続
用開口としても良い。接続用開口は可撓性の樹脂容器壁
の所定位置を孔開けし、これを接続用開口としても良
い。尚、第二室内を外部から照射滅菌する場合には、接
続用開口は可撓性の樹脂容器壁の所定位置に形成するこ
とが望ましい。かかる接続用開口であれば、開口壁の反
対側の外壁からの照射滅菌が簡単且つ確実にできるから
である。
に電解質液である。例えば、乳酸、酢酸、重炭酸等を含
むリンゲル液、糖、アミノ酸、ペプチド、脂肪等を含む
高カロリー輸液、透析液、臓器保存液等の溶液である。
尚、薬液は凍結乾燥薬剤の単なる溶解液、希釈液でも良
く、かかる薬液は単純な無菌水であっても良い。薬液
は、樹脂容器内に液密に収容された後にオートクレーブ
滅菌処理されるものである。樹脂容器の第二室には充填
容器の開口と接続するための接続用開口が形成される。
接続用開口は樹脂シート、或いはフィルムから成形した
樹脂容器であれば、そのヒートシール成形時に取り付け
る接続用ポートを開口としても良い。接続用開口は樹脂
容器がブロー成形物であれば、そのブロー用開口を接続
用開口としても良い。接続用開口は可撓性の樹脂容器壁
の所定位置を孔開けし、これを接続用開口としても良
い。尚、第二室内を外部から照射滅菌する場合には、接
続用開口は可撓性の樹脂容器壁の所定位置に形成するこ
とが望ましい。かかる接続用開口であれば、開口壁の反
対側の外壁からの照射滅菌が簡単且つ確実にできるから
である。
【0007】上記接続用開口には上記薬液と混合される
薬剤を充填している充填容器の開口が液密に接続され
る。充填容器は、透明性があり、またガスバリアー性及
び水蒸気バリアー性の高い容器であり、好ましくは紫外
線などを十分に遮断しうる容器である。従って、充填容
器はバイアルなどのガラス製、また樹脂製でも良い。最
近、破損し難く軽量であること、及び焼却廃棄処理が容
易である等の利点を有した樹脂製容器が用いられてい
る。充填容器の充填薬剤は粉末、顆粒の他に凍結乾燥品
でも良い。また、薬剤は、抗生物質、抗ガン剤等の比較
的不安定な薬剤、生理活性物質、ビタミン、又は重炭酸
塩等の電解質剤等が挙げられる。これらは、殆どが無菌
調整されるものである。充填容器の開口は薬剤の充填口
でも良く、また充填口以外に別に形成した開口であって
も良い。尚、充填容器の開口と第二室の接続用開口との
接続は開口同士が直接液密に接続されていても良く、ま
た接続部材を介して液密に接続されていても良い。開口
同士が直接液密に接続される場合は、充填容器の開口は
樹脂製であることが要求される。
薬剤を充填している充填容器の開口が液密に接続され
る。充填容器は、透明性があり、またガスバリアー性及
び水蒸気バリアー性の高い容器であり、好ましくは紫外
線などを十分に遮断しうる容器である。従って、充填容
器はバイアルなどのガラス製、また樹脂製でも良い。最
近、破損し難く軽量であること、及び焼却廃棄処理が容
易である等の利点を有した樹脂製容器が用いられてい
る。充填容器の充填薬剤は粉末、顆粒の他に凍結乾燥品
でも良い。また、薬剤は、抗生物質、抗ガン剤等の比較
的不安定な薬剤、生理活性物質、ビタミン、又は重炭酸
塩等の電解質剤等が挙げられる。これらは、殆どが無菌
調整されるものである。充填容器の開口は薬剤の充填口
でも良く、また充填口以外に別に形成した開口であって
も良い。尚、充填容器の開口と第二室の接続用開口との
接続は開口同士が直接液密に接続されていても良く、ま
た接続部材を介して液密に接続されていても良い。開口
同士が直接液密に接続される場合は、充填容器の開口は
樹脂製であることが要求される。
【0008】上記充填容器の開口には、第二室の外側か
ら開封可能な易開封部材が設けられる。外側から開封可
能なとは、第二室の容器壁越しの指などの操作により易
開封部材が一部破断して充填容器の開口が開放されるこ
と、或いは易開封部材が充填容器の開口から外れてその
開口が開放されることである。従って、易開封部材は、
このような構造を有したものである限り、本発明での使
用が可能である。このように構成された医療用容器にあ
っては、その使用に際して先ず、第二室の外側から易開
封部材を操作して充填容器の開口を開放し、充填容器内
と第二室内とを連通させる。次に、樹脂容器の第一室を
外部から圧迫し、その内部圧の増加により隔離条部の一
部又は全部を開放し、第一室と第二室とを連通させる。
これにより、第一室内の薬液の一部を充填容器内に注入
し、薬剤を溶解する。そして、薬剤を十分に溶解した
後、樹脂容器或いは充填容器などに設けられた点滴口を
介して患者に投与する。
ら開封可能な易開封部材が設けられる。外側から開封可
能なとは、第二室の容器壁越しの指などの操作により易
開封部材が一部破断して充填容器の開口が開放されるこ
と、或いは易開封部材が充填容器の開口から外れてその
開口が開放されることである。従って、易開封部材は、
このような構造を有したものである限り、本発明での使
用が可能である。このように構成された医療用容器にあ
っては、その使用に際して先ず、第二室の外側から易開
封部材を操作して充填容器の開口を開放し、充填容器内
と第二室内とを連通させる。次に、樹脂容器の第一室を
外部から圧迫し、その内部圧の増加により隔離条部の一
部又は全部を開放し、第一室と第二室とを連通させる。
これにより、第一室内の薬液の一部を充填容器内に注入
し、薬剤を溶解する。そして、薬剤を十分に溶解した
後、樹脂容器或いは充填容器などに設けられた点滴口を
介して患者に投与する。
【0009】このような医療用容器にあっては以下の利
点が見られる。従来の医療用容器では連通針等などの連
通手段により樹脂容器内と充填容器内とを連通させる
が、かかる操作では充填容器を回転させて行うため手間
がかかり、薬液と薬剤とを混合する場合にも時間がかか
る。一方、本発明に係る医療用容器では、連通操作が容
易にでき、また薬液と薬剤との混合も細い連通針を使用
しないので簡単に行うことができる。従来の医療用容器
にあっては、樹脂容器と充填容器との間の連通手段を無
菌的に配する必要がある。また連通手段を樹脂容器と充
填容器との間に滅菌して配する必要がある。このため製
造上、困難性を伴い、且つ連通手段の滅菌保証が十分に
なされないおそれがあった。また保存時においても外部
との接触を避け、無菌性を維持しなければならないた
め、樹脂容器と充填容器との密封接続構造が煩雑になっ
ていた。これに対して、本発明に係る医療用容器では、
充填容器の開口を第二室の開口に接続した後に第二室の
滅菌処理が可能である。即ち、かかる医療用容器の構造
上、充填容器の接続前にあっては、単純形状の充填容器
の開口部、第二室及びその開口部を化学滅菌、加熱滅
菌、及び照射滅菌などの処理により無菌的に維持して相
互に接続することが簡単にできる。また充填容器を接続
した後、第二室内を加熱滅菌或いは照射滅菌などするこ
とが簡単にできる。このため、接続部での無菌保証が十
分になされ、充填容器と樹脂容器との間に煩雑な密封構
造を設ける必要がない。また充填容器内の薬剤は移し替
えて樹脂容器内に投入されないので、従来の様に凍結乾
燥用容器壁に凍結乾燥物がこびり付いて定量分注の障害
となることもない。大量の凍結乾燥品から定量スプーン
を使用して充填室内に所定量を分注する方法のように均
一な力価分布を心配する必要もない。
点が見られる。従来の医療用容器では連通針等などの連
通手段により樹脂容器内と充填容器内とを連通させる
が、かかる操作では充填容器を回転させて行うため手間
がかかり、薬液と薬剤とを混合する場合にも時間がかか
る。一方、本発明に係る医療用容器では、連通操作が容
易にでき、また薬液と薬剤との混合も細い連通針を使用
しないので簡単に行うことができる。従来の医療用容器
にあっては、樹脂容器と充填容器との間の連通手段を無
菌的に配する必要がある。また連通手段を樹脂容器と充
填容器との間に滅菌して配する必要がある。このため製
造上、困難性を伴い、且つ連通手段の滅菌保証が十分に
なされないおそれがあった。また保存時においても外部
との接触を避け、無菌性を維持しなければならないた
め、樹脂容器と充填容器との密封接続構造が煩雑になっ
ていた。これに対して、本発明に係る医療用容器では、
充填容器の開口を第二室の開口に接続した後に第二室の
滅菌処理が可能である。即ち、かかる医療用容器の構造
上、充填容器の接続前にあっては、単純形状の充填容器
の開口部、第二室及びその開口部を化学滅菌、加熱滅
菌、及び照射滅菌などの処理により無菌的に維持して相
互に接続することが簡単にできる。また充填容器を接続
した後、第二室内を加熱滅菌或いは照射滅菌などするこ
とが簡単にできる。このため、接続部での無菌保証が十
分になされ、充填容器と樹脂容器との間に煩雑な密封構
造を設ける必要がない。また充填容器内の薬剤は移し替
えて樹脂容器内に投入されないので、従来の様に凍結乾
燥用容器壁に凍結乾燥物がこびり付いて定量分注の障害
となることもない。大量の凍結乾燥品から定量スプーン
を使用して充填室内に所定量を分注する方法のように均
一な力価分布を心配する必要もない。
【0010】本発明に係る請求項2記載の医療用容器
は、請求項1記載の医療用容器における滅菌保証を確実
にすることを目的とするものであり、請求項2記載の医
療用容器において、上記第一室内の薬液は樹脂容器と共
にオートクレーブ滅菌処理され、また上記第二室内及び
易開封部材の外表面が照射滅菌処理されていることを特
徴とする。薬液のオートクレーブ滅菌処理は温度100
℃乃至150℃、特に好ましいくは105℃乃至140
℃の範囲でなされている。滅菌処理温度が上記範囲下回
れば、薬液の滅菌に時間がかかり製造上問題が生じる。
一方、上記範囲を上回れば、樹脂容器が熱に耐えられ
ず、また隔離条部の機能が低下する場合がある。また上
記接続用開口は上記樹脂容器の第二室壁に形成されるこ
とが望ましい。第二室壁に接続用開口を形成する構造
は、第二室の外側からの照射滅菌が確実となる。即ち、
接続用開口が形成される第二室の反対側の外壁から電子
線照射すれば、その外壁越しに第二室内及び第二室内に
存在する易開封部材の外表面を確実に照射滅菌処理する
ことができる。照射線としてはγ線、紫外線、電子線な
どがある。一般に、薬液については加熱処理などによる
オートクレーブ滅菌は可能であるが、充填容器の薬剤に
ついては加熱処理ができない場合が多々ある。このた
め、充填容器内の薬剤は無菌充填され、医療用容器にお
いては充填容器と樹脂容器との接続部の滅菌保証が問題
となる。本発明に係る医療用容器では、接続部である充
填容器の易開封部材の外表面及び第二室内を密封状態
で、外部から確実に滅菌処理できる構造であるため、接
続部での滅菌保証が確実に成される。
は、請求項1記載の医療用容器における滅菌保証を確実
にすることを目的とするものであり、請求項2記載の医
療用容器において、上記第一室内の薬液は樹脂容器と共
にオートクレーブ滅菌処理され、また上記第二室内及び
易開封部材の外表面が照射滅菌処理されていることを特
徴とする。薬液のオートクレーブ滅菌処理は温度100
℃乃至150℃、特に好ましいくは105℃乃至140
℃の範囲でなされている。滅菌処理温度が上記範囲下回
れば、薬液の滅菌に時間がかかり製造上問題が生じる。
一方、上記範囲を上回れば、樹脂容器が熱に耐えられ
ず、また隔離条部の機能が低下する場合がある。また上
記接続用開口は上記樹脂容器の第二室壁に形成されるこ
とが望ましい。第二室壁に接続用開口を形成する構造
は、第二室の外側からの照射滅菌が確実となる。即ち、
接続用開口が形成される第二室の反対側の外壁から電子
線照射すれば、その外壁越しに第二室内及び第二室内に
存在する易開封部材の外表面を確実に照射滅菌処理する
ことができる。照射線としてはγ線、紫外線、電子線な
どがある。一般に、薬液については加熱処理などによる
オートクレーブ滅菌は可能であるが、充填容器の薬剤に
ついては加熱処理ができない場合が多々ある。このた
め、充填容器内の薬剤は無菌充填され、医療用容器にお
いては充填容器と樹脂容器との接続部の滅菌保証が問題
となる。本発明に係る医療用容器では、接続部である充
填容器の易開封部材の外表面及び第二室内を密封状態
で、外部から確実に滅菌処理できる構造であるため、接
続部での滅菌保証が確実に成される。
【0011】本発明に係る請求項3記載の医療用容器
は、請求項3記載の医療用容器における照射滅菌処理物
の内、簡易な設備で、且つ大量ライン処理可能な滅菌処
理物を提供することを目的とするものである。即ち、請
求項3記載の医療用容器は、請求項2記載の医療用容器
において上記照射滅菌処理が電子線照射滅菌処理であ
り、また上記樹脂容器壁の厚みが1600μm乃至10
μmであることを特徴とする。照射線滅菌処理は、γ
線、電子線、及び紫外線による照射線処理である。しか
し、滅菌の確実性とその経済性及び大量生産適応性の点
から以下の電子線照射滅菌処理が望ましい。電子線照射
滅菌において、電子線の透過性は主に加速電圧により決
定され、高エネルギー型では最高13000g/m2で
あり、これは、水(比重1g/m2)の厚みで1300
0μmである。しかし、加速電圧装置が大型化するとX
線の遮蔽設備が大がかりになり、また樹脂素材を変質さ
せるおそれがある。このため、中低エネルギー型の1M
eV以下、特に低エネルギー型の500KV以下の加速
電圧装置が望ましく、かかる装置では中エネルギー型で
約1500g/m2 、低エネルギー型で約800g/m
2が限界であるため、電子線透過の厚みは樹脂素材で1
600μm、特に800μmが最適な限度とされる。こ
のことから、電子線滅菌はその加速電圧が1MeV未
満、特に低エネルギー型の500KV〜50KVのもの
であれば、電子線の所定の浸透性が得られる一方、X線
等の放出がほとんどないため、その遮蔽設備を必要とせ
ず、生産ラインにコンパクトに配することができる。即
ち、加速電圧500KVによる電子線の浸透性は約80
0g/m2以下で、特に800μm以下の樹脂壁では浸
透性が十分に得られる。一方、樹脂壁はその強度の点か
ら10μm以上であることが望ましい。
は、請求項3記載の医療用容器における照射滅菌処理物
の内、簡易な設備で、且つ大量ライン処理可能な滅菌処
理物を提供することを目的とするものである。即ち、請
求項3記載の医療用容器は、請求項2記載の医療用容器
において上記照射滅菌処理が電子線照射滅菌処理であ
り、また上記樹脂容器壁の厚みが1600μm乃至10
μmであることを特徴とする。照射線滅菌処理は、γ
線、電子線、及び紫外線による照射線処理である。しか
し、滅菌の確実性とその経済性及び大量生産適応性の点
から以下の電子線照射滅菌処理が望ましい。電子線照射
滅菌において、電子線の透過性は主に加速電圧により決
定され、高エネルギー型では最高13000g/m2で
あり、これは、水(比重1g/m2)の厚みで1300
0μmである。しかし、加速電圧装置が大型化するとX
線の遮蔽設備が大がかりになり、また樹脂素材を変質さ
せるおそれがある。このため、中低エネルギー型の1M
eV以下、特に低エネルギー型の500KV以下の加速
電圧装置が望ましく、かかる装置では中エネルギー型で
約1500g/m2 、低エネルギー型で約800g/m
2が限界であるため、電子線透過の厚みは樹脂素材で1
600μm、特に800μmが最適な限度とされる。こ
のことから、電子線滅菌はその加速電圧が1MeV未
満、特に低エネルギー型の500KV〜50KVのもの
であれば、電子線の所定の浸透性が得られる一方、X線
等の放出がほとんどないため、その遮蔽設備を必要とせ
ず、生産ラインにコンパクトに配することができる。即
ち、加速電圧500KVによる電子線の浸透性は約80
0g/m2以下で、特に800μm以下の樹脂壁では浸
透性が十分に得られる。一方、樹脂壁はその強度の点か
ら10μm以上であることが望ましい。
【0012】従って、第二室の容器壁越しに接続部に照
射滅菌をする場合、充填容器内の薬剤の影響を考慮し
て、易開封部材の厚みは上記範囲1600μmを大きく
上回るもの、特に3mm以上とし、また樹脂容器壁の厚
みは上記範囲1600μmを下回るものであることが望
ましい。また、易開放部材がシート、フィルム等の肉薄
部材の場合には、アルミ層、酸化珪素層等の電子線遮蔽
層を有するものが望ましい。また、微生物の殺菌におい
ては、特開平7−16286号公報にも記載されるよう
に、放射線菌で指標となるB.pumilus(spores)E-601で約
0.2Mrad(2kGy)のD値を有する。1cm2
当たり、通常100オーダーの菌が付着しているが、安
全性を十分考慮すれば、102オーダーまでの付着があ
るとの仮定も成り立つ。また滅菌保証レベル(SAL)
は生存率10-6%である。従って、本発明において電子
線照射処理は第二室内及び易開封部材の外表面が6×
0.2Mrad以上、好ましく8×0.2Mrad以上
で滅菌されるように通電量とコンベア速度が調整されて
行われる。このような医療用容器は滅菌が確実に保証さ
れ大量生産に乗せることができる。
射滅菌をする場合、充填容器内の薬剤の影響を考慮し
て、易開封部材の厚みは上記範囲1600μmを大きく
上回るもの、特に3mm以上とし、また樹脂容器壁の厚
みは上記範囲1600μmを下回るものであることが望
ましい。また、易開放部材がシート、フィルム等の肉薄
部材の場合には、アルミ層、酸化珪素層等の電子線遮蔽
層を有するものが望ましい。また、微生物の殺菌におい
ては、特開平7−16286号公報にも記載されるよう
に、放射線菌で指標となるB.pumilus(spores)E-601で約
0.2Mrad(2kGy)のD値を有する。1cm2
当たり、通常100オーダーの菌が付着しているが、安
全性を十分考慮すれば、102オーダーまでの付着があ
るとの仮定も成り立つ。また滅菌保証レベル(SAL)
は生存率10-6%である。従って、本発明において電子
線照射処理は第二室内及び易開封部材の外表面が6×
0.2Mrad以上、好ましく8×0.2Mrad以上
で滅菌されるように通電量とコンベア速度が調整されて
行われる。このような医療用容器は滅菌が確実に保証さ
れ大量生産に乗せることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明
に係る医療用容器の第一実施例の断面図である。図2
(A)及び(B)は第一実施例の医療用容器に用いられ
る充填容器の易開封蓋の半打栓状態の断面図及び完全打
栓状態の断面図である。図3は第一実施例の医療用容器
における第二室の開口に充填容器の開口を接続する際の
断面図である。図4は第一実施例の医療用容器における
第二室の開口に充填容器の開口を接続した断面図であ
る。図5は第一実施例の医療用容器における第二室を電
子線照射滅菌装置に適用する際の概略工程図である。図
6は第一実施例の医療用容器における操作時の易開封蓋
を開放した状態を示す断面図である。図7は本発明に係
る医療用容器の第二実施例の部分断面図である。図8は
第二実施例の医療用容器に於ける充填容器の開口に設け
られる易開封用シール材の断面図である。
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は本発明
に係る医療用容器の第一実施例の断面図である。図2
(A)及び(B)は第一実施例の医療用容器に用いられ
る充填容器の易開封蓋の半打栓状態の断面図及び完全打
栓状態の断面図である。図3は第一実施例の医療用容器
における第二室の開口に充填容器の開口を接続する際の
断面図である。図4は第一実施例の医療用容器における
第二室の開口に充填容器の開口を接続した断面図であ
る。図5は第一実施例の医療用容器における第二室を電
子線照射滅菌装置に適用する際の概略工程図である。図
6は第一実施例の医療用容器における操作時の易開封蓋
を開放した状態を示す断面図である。図7は本発明に係
る医療用容器の第二実施例の部分断面図である。図8は
第二実施例の医療用容器に於ける充填容器の開口に設け
られる易開封用シール材の断面図である。
【0014】図1乃至図6に示す如く、本実施例の医療
用容器1は、複数の室3、4を有し、室3と室4との隔
離条部5の少なくとも一部が外側からの開放可能なピー
ルシール部又は弱シール部で形成された樹脂容器2であ
って、第一室3には薬液6が収容され、また他の少なく
とも第二室4には接続用の開口7が形成され、且つ接続
用開口7には薬液6と混合される薬剤10を充填してい
る充填容器8の開口11が液密に接続され、充填容器8
の開口11には、第二室4の外側から開封可能な易開封
蓋12が設けられている。医療用容器1において、第一
室3内の薬液6は樹脂容器2と共にオートクレーブ滅菌
処理され、また第二室2内及び易開封蓋12の外表面が
照射滅菌処理されている。医療用容器1において、照射
滅菌処理が電子線滅菌処理であり、また樹脂容器壁2A
の厚みが1600μm乃至10μmである。
用容器1は、複数の室3、4を有し、室3と室4との隔
離条部5の少なくとも一部が外側からの開放可能なピー
ルシール部又は弱シール部で形成された樹脂容器2であ
って、第一室3には薬液6が収容され、また他の少なく
とも第二室4には接続用の開口7が形成され、且つ接続
用開口7には薬液6と混合される薬剤10を充填してい
る充填容器8の開口11が液密に接続され、充填容器8
の開口11には、第二室4の外側から開封可能な易開封
蓋12が設けられている。医療用容器1において、第一
室3内の薬液6は樹脂容器2と共にオートクレーブ滅菌
処理され、また第二室2内及び易開封蓋12の外表面が
照射滅菌処理されている。医療用容器1において、照射
滅菌処理が電子線滅菌処理であり、また樹脂容器壁2A
の厚みが1600μm乃至10μmである。
【0015】本実施例の医療用容器1を更に詳しく説明
すると、医療用容器1に用いられる樹脂容器2は押出成
形したインフレーションシートを所定の長さに裁断し、
両端周縁部を熱シールにより固着して袋状に形成されて
いる。樹脂容器2は直鎖状低密度ポリエチレン及びポリ
プロピレンの混合組成物を内層とし、外層を上記直鎖状
低密度ポリエチレンとして二色形成されている(図示を
省略)。混合組成物は、直鎖状低密度ポリエチレン(密
度:0.935g/cm3、MI:1.0、融点:12
6℃)とポリプロピレン(密度:0.900g/c
m3、MI:0.7、融点:160℃)とを90:10
の割合で混合したものである。樹脂容器壁2Aの肉厚は
240μmに形成され、樹脂容器2の胴部の折り径が7
0mmで、長さが200mmである。また、樹脂容器2
内の容積は150mlである。樹脂容器2の一端部には
熱シールの際に点滴口9が設けられ、点滴口9は口部材
と密栓と止め材とから構成されている。また、樹脂容器
の他端シール部には孔開けされた吊り部100が形成さ
れている。
すると、医療用容器1に用いられる樹脂容器2は押出成
形したインフレーションシートを所定の長さに裁断し、
両端周縁部を熱シールにより固着して袋状に形成されて
いる。樹脂容器2は直鎖状低密度ポリエチレン及びポリ
プロピレンの混合組成物を内層とし、外層を上記直鎖状
低密度ポリエチレンとして二色形成されている(図示を
省略)。混合組成物は、直鎖状低密度ポリエチレン(密
度:0.935g/cm3、MI:1.0、融点:12
6℃)とポリプロピレン(密度:0.900g/c
m3、MI:0.7、融点:160℃)とを90:10
の割合で混合したものである。樹脂容器壁2Aの肉厚は
240μmに形成され、樹脂容器2の胴部の折り径が7
0mmで、長さが200mmである。また、樹脂容器2
内の容積は150mlである。樹脂容器2の一端部には
熱シールの際に点滴口9が設けられ、点滴口9は口部材
と密栓と止め材とから構成されている。また、樹脂容器
の他端シール部には孔開けされた吊り部100が形成さ
れている。
【0016】樹脂容器2は隔離条部5を境に第一室3と
第二室4が形成され、第一室3と第二室4は通常隔離条
部5によって完全に隔離区分されている。隔離条部5は
ピールシール部及び弱シール部の形成技術が用いられ、
第一室3内が0.1kgf/cm2圧に達した時に剥離
開放されるようになっている。第一室3には薬液6が充
填され、薬液6は樹脂容器2と共にオートクレーブ滅菌
処理されている。薬液6は後述の凍結乾燥品である薬剤
10を溶解する生理食塩水であり、生理食塩水は除菌フ
ィルタを通して第一室3に充填されている。図4に示す
如く第二室4の樹脂容器壁2Aには接続口7が孔開け形
成され、接続口7は易開封蓋12を介して充填容器8の
開口11が液密に接続されている。第二室4内及び易開
封蓋12の外表面は後述の電子線滅菌処理がなされてい
る。
第二室4が形成され、第一室3と第二室4は通常隔離条
部5によって完全に隔離区分されている。隔離条部5は
ピールシール部及び弱シール部の形成技術が用いられ、
第一室3内が0.1kgf/cm2圧に達した時に剥離
開放されるようになっている。第一室3には薬液6が充
填され、薬液6は樹脂容器2と共にオートクレーブ滅菌
処理されている。薬液6は後述の凍結乾燥品である薬剤
10を溶解する生理食塩水であり、生理食塩水は除菌フ
ィルタを通して第一室3に充填されている。図4に示す
如く第二室4の樹脂容器壁2Aには接続口7が孔開け形
成され、接続口7は易開封蓋12を介して充填容器8の
開口11が液密に接続されている。第二室4内及び易開
封蓋12の外表面は後述の電子線滅菌処理がなされてい
る。
【0017】易開封蓋12はポリエチレンの成形物から
なり、易開封蓋12の外表面13は接続口11の周縁に
液密に固着されている。充填容器8はガラス製であり、
その開口11は易開封蓋12で液密に覆われている。易
開封蓋12には環状フック13及び筒状の挿入支持部1
4が形成され、環状フック13と支持部14との間に充
填容器8の開口11のフランジ15が嵌入されている。
また、支持部14には半打栓時のエア排出のための溝1
6が形成されている。また易開封蓋12には切れ込み部
17が形成され、易開封蓋12の外表面への押し込みに
より切れ込み部17に沿って易開封蓋12の外壁の一部
が離切されるようになっている。かかる離切により充填
容器8の開口11が開放される。充填容器8内には薬剤
10が収容され、薬剤10は無菌充填された溶液を凍結
乾燥した乾燥品である。
なり、易開封蓋12の外表面13は接続口11の周縁に
液密に固着されている。充填容器8はガラス製であり、
その開口11は易開封蓋12で液密に覆われている。易
開封蓋12には環状フック13及び筒状の挿入支持部1
4が形成され、環状フック13と支持部14との間に充
填容器8の開口11のフランジ15が嵌入されている。
また、支持部14には半打栓時のエア排出のための溝1
6が形成されている。また易開封蓋12には切れ込み部
17が形成され、易開封蓋12の外表面への押し込みに
より切れ込み部17に沿って易開封蓋12の外壁の一部
が離切されるようになっている。かかる離切により充填
容器8の開口11が開放される。充填容器8内には薬剤
10が収容され、薬剤10は無菌充填された溶液を凍結
乾燥した乾燥品である。
【0018】次に、医療用容器1の製造方法について説
明する。樹脂容器2を製造するには、先ず、共押出しで
インフレション成形した肉厚が240μmで、折り径が
70mmの筒状樹脂シートを200mmの長さに裁断す
る。裁断端部のシート間に点滴口9の口ポート部材を挿
入して、裁断端部の一端をヒートシールで液密に閉じる
と共に一端に口ポート部材を取付ける。また他端の裁断
端部もヒートシールで閉じる。かかる裁断端部のヒート
シール条件はシール温度が170℃で挟圧時間が5秒間
である。これにより、両方の裁断端部に互いの樹脂シー
トを剥離不能にするヒートシール部を形成する。次に、
樹脂容器2に第一室3及び第二室4を形成するため、容
器2の所定の胴部にヒートシールを行い隔離条部5を形
成する。かかる隔離条部5のシール条件は形成はヒート
シール形成温度が130℃で、12秒間である。これに
より、第一室3内に約0.1kgf/cm2圧をかけた
ときに隔離可能となるピールシール部或いは弱シール部
を形成する。排出口9から薬液6を無菌充填し、排出口
9にゴム栓及び止め材を取り付けて第一室3を液密に閉
じる。そして、薬液6を樹脂容器2と共に110℃でオ
ートクレーブ滅菌する。樹脂容器2の第ニ室4の外壁を
化学滅菌消毒剤であるホルマリンで処理した後に、第二
室4の所定外壁を孔開けして接続口7を形成し、無菌室
に搬入する。
明する。樹脂容器2を製造するには、先ず、共押出しで
インフレション成形した肉厚が240μmで、折り径が
70mmの筒状樹脂シートを200mmの長さに裁断す
る。裁断端部のシート間に点滴口9の口ポート部材を挿
入して、裁断端部の一端をヒートシールで液密に閉じる
と共に一端に口ポート部材を取付ける。また他端の裁断
端部もヒートシールで閉じる。かかる裁断端部のヒート
シール条件はシール温度が170℃で挟圧時間が5秒間
である。これにより、両方の裁断端部に互いの樹脂シー
トを剥離不能にするヒートシール部を形成する。次に、
樹脂容器2に第一室3及び第二室4を形成するため、容
器2の所定の胴部にヒートシールを行い隔離条部5を形
成する。かかる隔離条部5のシール条件は形成はヒート
シール形成温度が130℃で、12秒間である。これに
より、第一室3内に約0.1kgf/cm2圧をかけた
ときに隔離可能となるピールシール部或いは弱シール部
を形成する。排出口9から薬液6を無菌充填し、排出口
9にゴム栓及び止め材を取り付けて第一室3を液密に閉
じる。そして、薬液6を樹脂容器2と共に110℃でオ
ートクレーブ滅菌する。樹脂容器2の第ニ室4の外壁を
化学滅菌消毒剤であるホルマリンで処理した後に、第二
室4の所定外壁を孔開けして接続口7を形成し、無菌室
に搬入する。
【0019】一方、充填容器8に薬剤10を無菌的に充
填するために、先ず充填容器8及び易開封蓋12を洗浄
及び無菌処理する。無菌処理はアルコール、ホルマリ
ン、エチレンオキサドなどの化学滅菌処理、γ線などの
照射滅菌処理、及び加熱滅菌処理を用いて行う。本実施
例では電子線照射滅菌処理して行う。次に、クリンルー
ム内で薬剤10の溶液を除菌フィルタに通して開口11
から充填し、図2(A)に示す如く開口11に易開封蓋
12を半打栓状態にして取り付ける。これを凍結乾燥機
に配して薬剤溶液を凍結乾燥して薬剤10として図2
(B)に示す如く易開封蓋12を完全打栓して開口11
を密封し無菌室に搬入する。無菌室において第二室4の
接続口7の周縁壁と易開封蓋12の外壁面とを温度12
0℃の条件で熱溶着により無菌的に完全に溶着する。ま
た本実施例では更に第二室4及び易開封蓋12の外壁面
の滅菌保証を高めるために電子線照射滅菌処理する。
填するために、先ず充填容器8及び易開封蓋12を洗浄
及び無菌処理する。無菌処理はアルコール、ホルマリ
ン、エチレンオキサドなどの化学滅菌処理、γ線などの
照射滅菌処理、及び加熱滅菌処理を用いて行う。本実施
例では電子線照射滅菌処理して行う。次に、クリンルー
ム内で薬剤10の溶液を除菌フィルタに通して開口11
から充填し、図2(A)に示す如く開口11に易開封蓋
12を半打栓状態にして取り付ける。これを凍結乾燥機
に配して薬剤溶液を凍結乾燥して薬剤10として図2
(B)に示す如く易開封蓋12を完全打栓して開口11
を密封し無菌室に搬入する。無菌室において第二室4の
接続口7の周縁壁と易開封蓋12の外壁面とを温度12
0℃の条件で熱溶着により無菌的に完全に溶着する。ま
た本実施例では更に第二室4及び易開封蓋12の外壁面
の滅菌保証を高めるために電子線照射滅菌処理する。
【0020】図5に示す如く電子線照射装置50は、ベ
ルトコンベア51の上方に設けられ、機枠52と、機枠
52に形成される窓枠53、窓枠53に取り付けられた
窓箔54、窓枠53の上方を覆っている加速管55、及
び加速管55内の真空チャンバ内に設けられた電子線発
生部56からなる。また電子線発生部56はグリッド5
7、ガンフレーム58、及びフィラメント59とからな
る。フィラメント59は通電され、加熱させられて熱電
子を発生する。熱電子は所定の電圧が印加されたフィラ
メント59とグリッド57との間で加速され、窓箔54
からコンベア51上に照射される。尚、機枠52は電子
線照射により二次的に発生するX線等の外部漏出を防止
するため鉛遮蔽がされている。従って、コンベア51の
速度とフィラメント59の通電量により、照射電子線量
が調整され、加速電圧により、電子線の浸透性を調整す
ることができる。かかる処理は、接合時の無菌保証を十
分且つ容易に達成するものである。かかる電子線照射装
置50により第二室4の接続口7の反対側を照射する。
従って、樹脂容器2の第二室4内及び易開封蓋12の外
壁面が照射滅菌される一方、充填容器8内は易開封蓋1
2の電子線遮蔽により電子線が照射されない。このた
め、充填容器8内の薬剤10は電子線の影響を受けない
一方、第二室4内及び易開封蓋12の外表面が確実に滅
菌される。
ルトコンベア51の上方に設けられ、機枠52と、機枠
52に形成される窓枠53、窓枠53に取り付けられた
窓箔54、窓枠53の上方を覆っている加速管55、及
び加速管55内の真空チャンバ内に設けられた電子線発
生部56からなる。また電子線発生部56はグリッド5
7、ガンフレーム58、及びフィラメント59とからな
る。フィラメント59は通電され、加熱させられて熱電
子を発生する。熱電子は所定の電圧が印加されたフィラ
メント59とグリッド57との間で加速され、窓箔54
からコンベア51上に照射される。尚、機枠52は電子
線照射により二次的に発生するX線等の外部漏出を防止
するため鉛遮蔽がされている。従って、コンベア51の
速度とフィラメント59の通電量により、照射電子線量
が調整され、加速電圧により、電子線の浸透性を調整す
ることができる。かかる処理は、接合時の無菌保証を十
分且つ容易に達成するものである。かかる電子線照射装
置50により第二室4の接続口7の反対側を照射する。
従って、樹脂容器2の第二室4内及び易開封蓋12の外
壁面が照射滅菌される一方、充填容器8内は易開封蓋1
2の電子線遮蔽により電子線が照射されない。このた
め、充填容器8内の薬剤10は電子線の影響を受けない
一方、第二室4内及び易開封蓋12の外表面が確実に滅
菌される。
【0021】次に、本実施例の医療用容器1の操作につ
いて説明すると、このように構成された本実施例の医療
用容器1では、図6に示す如く第二室4越しに易開封蓋
12を指等で押圧する。かかる押圧により易開封蓋12
の外表面の一部が切れ込み17に沿って破断し、充填容
器8の開口11が開放する。次に、第一室3を押圧して
隔離条部5を剥離開封し、第一室3と第二室4とを連通
する。第一室3の薬液6を充填容器8に注入し、薬液6
で薬剤10を溶解する。かかる溶解液を第一室3に戻
し、医療用容器1を点滴患者に適用する。従って、医療
用容器1における樹脂容器2と充填容器8との接続部は
連通手段等がないため、簡単なシール構造で十分な液密
性が維持され、医療用容器1の保存にも不安が生じな
い。また、製造時、接続部における滅菌処理等は、無菌
的組立の他に接続後の電子線滅菌照射等が可能であるた
め、接続部での滅菌保証を高めることができる。更に、
凍結乾燥品の薬剤10にあって、いわゆるビンごと接続
されるので、正確な力価、溶解容量を守ることができ、
凍結乾燥品のみをスプーン等で単純に第二室に分注充填
等する場合よりも正確となり、接続部での滅菌保証も格
段に向上する。薬液6と薬剤10との混合操作において
も、連通手段のような細い管を連通路としないため溶
解、混合に手間がかからない。
いて説明すると、このように構成された本実施例の医療
用容器1では、図6に示す如く第二室4越しに易開封蓋
12を指等で押圧する。かかる押圧により易開封蓋12
の外表面の一部が切れ込み17に沿って破断し、充填容
器8の開口11が開放する。次に、第一室3を押圧して
隔離条部5を剥離開封し、第一室3と第二室4とを連通
する。第一室3の薬液6を充填容器8に注入し、薬液6
で薬剤10を溶解する。かかる溶解液を第一室3に戻
し、医療用容器1を点滴患者に適用する。従って、医療
用容器1における樹脂容器2と充填容器8との接続部は
連通手段等がないため、簡単なシール構造で十分な液密
性が維持され、医療用容器1の保存にも不安が生じな
い。また、製造時、接続部における滅菌処理等は、無菌
的組立の他に接続後の電子線滅菌照射等が可能であるた
め、接続部での滅菌保証を高めることができる。更に、
凍結乾燥品の薬剤10にあって、いわゆるビンごと接続
されるので、正確な力価、溶解容量を守ることができ、
凍結乾燥品のみをスプーン等で単純に第二室に分注充填
等する場合よりも正確となり、接続部での滅菌保証も格
段に向上する。薬液6と薬剤10との混合操作において
も、連通手段のような細い管を連通路としないため溶
解、混合に手間がかからない。
【0022】次に、図7及び図8に従って本発明に係る
医療用容器の第二実施例を詳述する。図7は本発明に係
る医療用容器の第二実施例の部分断面図である。図8は
第二実施例の医療用容器に於ける充填容器の開口に設け
られる易開封用シール材の断面図である。本発明に係る
第二実施例の医療用容器31は第一実施例の医療用容器
1とほぼ同様な構成及び部材が使用されている。尚、類
似の構成及び部材については第一実施の医療用容器1と
同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。医療用
容器31が第一実施例の医療用容器1と異なる点は以下
の点にある。
医療用容器の第二実施例を詳述する。図7は本発明に係
る医療用容器の第二実施例の部分断面図である。図8は
第二実施例の医療用容器に於ける充填容器の開口に設け
られる易開封用シール材の断面図である。本発明に係る
第二実施例の医療用容器31は第一実施例の医療用容器
1とほぼ同様な構成及び部材が使用されている。尚、類
似の構成及び部材については第一実施の医療用容器1と
同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。医療用
容器31が第一実施例の医療用容器1と異なる点は以下
の点にある。
【0023】医療用容器31における充填容器32は透
明性のある樹脂容器で形成され、樹脂素材はポリプロピ
レンからなる。充填容器32の肉厚は厚みが4mm程度
で上述の電子線が透過しないようになっている。また樹
脂容器2の第二室4は薬液6のオートクレーブ滅菌処理
後に、樹脂シートの端部33を熱溶着シールして形成さ
れている。また充填容器32は第二室4の形成、即ち、
端部33の熱溶着シール部の形成時に取り付けられ、充
填容器32の開口34は第二室4内に配されている。
明性のある樹脂容器で形成され、樹脂素材はポリプロピ
レンからなる。充填容器32の肉厚は厚みが4mm程度
で上述の電子線が透過しないようになっている。また樹
脂容器2の第二室4は薬液6のオートクレーブ滅菌処理
後に、樹脂シートの端部33を熱溶着シールして形成さ
れている。また充填容器32は第二室4の形成、即ち、
端部33の熱溶着シール部の形成時に取り付けられ、充
填容器32の開口34は第二室4内に配されている。
【0024】開口34には破封可能な易開封シール材3
5が液密にヒートシールにより取り付けられ、易開封シ
ール材35は操作時に容易に破封される。図8に示す如
く易開封シール材35はポリエチレンテレフタレート層
36、酸化珪素層37、及びポリプロピレン層38から
なるシートから形成され、電子線の遮断効果を有し、ま
たガスバリアー性を有している。このような構成におい
ても、製造時においては第二室4内を容易に滅菌するこ
とができ、また、その使用時においては、易開封シール
材35を破封するだけで容易に樹脂容器2内と充填容器
32内とを連通させることができる。上記各実施例にお
いては、樹脂容器2をインフレーションシートを所定の
長さで裁断して形成したが、本発明では樹脂容器をブロ
ー成形したものであっても良い。
5が液密にヒートシールにより取り付けられ、易開封シ
ール材35は操作時に容易に破封される。図8に示す如
く易開封シール材35はポリエチレンテレフタレート層
36、酸化珪素層37、及びポリプロピレン層38から
なるシートから形成され、電子線の遮断効果を有し、ま
たガスバリアー性を有している。このような構成におい
ても、製造時においては第二室4内を容易に滅菌するこ
とができ、また、その使用時においては、易開封シール
材35を破封するだけで容易に樹脂容器2内と充填容器
32内とを連通させることができる。上記各実施例にお
いては、樹脂容器2をインフレーションシートを所定の
長さで裁断して形成したが、本発明では樹脂容器をブロ
ー成形したものであっても良い。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器においては、複数の室を有し、該室と室との隔離条
部の少なくとも一部が外側からの開放可能なピールシー
ル部又は弱シール部で形成された樹脂容器であって、第
一室には薬液が収容され、また他の少なくとも第二室に
は接続用の開口が形成され、且つ該接続用開口には上記
薬液と混合される薬剤を充填している充填容器の開口が
液密に接続され、上記充填容器の開口には、第二室の外
側から開封可能な易開封部材が設けられているので、薬
剤の充填容器を簡単且つ無菌的に接続することができ、
また薬剤の充填容器と樹脂容器との連通操作を簡単にす
ることのできる。
容器においては、複数の室を有し、該室と室との隔離条
部の少なくとも一部が外側からの開放可能なピールシー
ル部又は弱シール部で形成された樹脂容器であって、第
一室には薬液が収容され、また他の少なくとも第二室に
は接続用の開口が形成され、且つ該接続用開口には上記
薬液と混合される薬剤を充填している充填容器の開口が
液密に接続され、上記充填容器の開口には、第二室の外
側から開封可能な易開封部材が設けられているので、薬
剤の充填容器を簡単且つ無菌的に接続することができ、
また薬剤の充填容器と樹脂容器との連通操作を簡単にす
ることのできる。
【図1】図1は本発明に係る医療用容器の第一実施例の
断面図である。
断面図である。
【図2】図2(A)及び(B)は第一実施例の医療用容
器に用いられる充填容器の易開封蓋の半打栓状態の断面
図及び完全打栓状態の断面図である。
器に用いられる充填容器の易開封蓋の半打栓状態の断面
図及び完全打栓状態の断面図である。
【図3】図3は第一実施例の医療用容器における第二室
の開口に充填容器の開口を接続する際の断面図である。
の開口に充填容器の開口を接続する際の断面図である。
【図4】図4は第一実施例の医療用容器における第二室
の開口に充填容器の開口を接続した断面図である。
の開口に充填容器の開口を接続した断面図である。
【図5】図5は第一実施例の医療用容器における第二室
を電子線照射滅菌装置に適用する際の概略工程図であ
る。
を電子線照射滅菌装置に適用する際の概略工程図であ
る。
【図6】図6は第一実施例の医療用容器における操作時
の易開封蓋を開放した状態を示す断面図である。
の易開封蓋を開放した状態を示す断面図である。
【図7】図7は本発明に係る医療用容器の第二実施例の
部分断面図である。
部分断面図である。
【図8】図8は第二実施例の医療用容器に於ける充填容
器の開口に設けられる易開封用シール材の断面図であ
る。
器の開口に設けられる易開封用シール材の断面図であ
る。
1、31 医療用容器 2 樹脂容器 3 第一室 4 第二室 5 隔離条部 6 薬液 7 接続口 8 充填容器 9 点滴口 10 薬剤 11 充填容器の開口 12 易開封蓋
Claims (3)
- 【請求項1】 複数の室を有し、該室と室との隔離条部
の少なくとも一部が外側からの開放可能なピールシール
部又は弱シール部で形成された樹脂容器であって、第一
室には薬液が収容され、また他の少なくとも第二室には
接続用の開口が形成され、且つ該接続用開口には上記薬
液と混合される薬剤を充填している充填容器の開口が液
密に接続され、上記充填容器の開口には、第二室の外側
から開封可能な易開封部材が設けられていることを特徴
とする医療用容器。 - 【請求項2】 上記第一室内の薬液は樹脂容器と共にオ
ートクレーブ滅菌処理され、また上記第二室内及び易開
封部材の外表面が照射滅菌処理されていることを特徴と
する請求項1記載の医療用容器。 - 【請求項3】 上記照射滅菌処理が電子線滅菌処理であ
り、また上記樹脂容器壁の厚みが1600μm乃至10
μmであることを特徴とする請求項2記載の医療用容
器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8269332A JPH1085305A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 医療用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8269332A JPH1085305A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 医療用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1085305A true JPH1085305A (ja) | 1998-04-07 |
Family
ID=17470897
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8269332A Pending JPH1085305A (ja) | 1996-09-19 | 1996-09-19 | 医療用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1085305A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9004761B2 (en) | 2006-05-01 | 2015-04-14 | Baxter International Inc. | Multiple chamber container with mistake proof administration system |
JP2015097594A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | インタメディック株式会社 | 薬剤収納容器及びその製造方法 |
-
1996
- 1996-09-19 JP JP8269332A patent/JPH1085305A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9004761B2 (en) | 2006-05-01 | 2015-04-14 | Baxter International Inc. | Multiple chamber container with mistake proof administration system |
JP2015097594A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | インタメディック株式会社 | 薬剤収納容器及びその製造方法 |
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