JPH09135881A - 無菌接続部付医療用容器 - Google Patents
無菌接続部付医療用容器Info
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- JPH09135881A JPH09135881A JP7321161A JP32116195A JPH09135881A JP H09135881 A JPH09135881 A JP H09135881A JP 7321161 A JP7321161 A JP 7321161A JP 32116195 A JP32116195 A JP 32116195A JP H09135881 A JPH09135881 A JP H09135881A
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- Japan
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- container
- medical container
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 無菌的に収納された一の薬剤容器と無菌的に
収納された他の薬剤容器とを容易に無菌接続できる無菌
接続部付医療容器を提供。 【構成】 可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器本体に
投与物が充填してあり、また他の薬剤収納容器又は他の
薬剤収納部が無菌的に接続又は連通される無菌接続部を
有した医療用容器にあって、上記容器本体は少なくとも
一部に、外側からの開放が可能な密封シール部を有し、
上記無菌接続部は該密封シール部から更に延在した樹脂
端部であり、該樹脂端部は、熱溶着シール可能な可撓性
シート壁からなることを特徴とする。
収納された他の薬剤容器とを容易に無菌接続できる無菌
接続部付医療容器を提供。 【構成】 可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器本体に
投与物が充填してあり、また他の薬剤収納容器又は他の
薬剤収納部が無菌的に接続又は連通される無菌接続部を
有した医療用容器にあって、上記容器本体は少なくとも
一部に、外側からの開放が可能な密封シール部を有し、
上記無菌接続部は該密封シール部から更に延在した樹脂
端部であり、該樹脂端部は、熱溶着シール可能な可撓性
シート壁からなることを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無菌接続部付医療用容
器に関するものであり、より詳細には直前に2以上の薬
剤を無菌的に調整して使用する場合における連通部或い
は接続部を備えた接続部付医療用容器に関するものであ
る。
器に関するものであり、より詳細には直前に2以上の薬
剤を無菌的に調整して使用する場合における連通部或い
は接続部を備えた接続部付医療用容器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】点滴注射に用いられる輸液等のバック、
コンテナ等の医療用容器は、一般に樹脂容器である。ま
た医療用容器には、抗生物質等の高圧蒸気滅菌ができな
い薬剤のバイアル等を接続するものや使用直前まで薬液
を分けて保存し、使用時に容器内同士が接続又は連通す
るものがある。更に、前者では予め医療用容器と薬剤バ
イアルを接続させたものがあり、その薬剤容器と医療用
容器本体との連通部が滅菌処理してある薬剤キット等の
提案がある。また、後者では薬液を分けて保存するもの
に、いわゆる剥離可能なシール部によって医療用容器を
二室以上に分けたものなどの提案がある。
コンテナ等の医療用容器は、一般に樹脂容器である。ま
た医療用容器には、抗生物質等の高圧蒸気滅菌ができな
い薬剤のバイアル等を接続するものや使用直前まで薬液
を分けて保存し、使用時に容器内同士が接続又は連通す
るものがある。更に、前者では予め医療用容器と薬剤バ
イアルを接続させたものがあり、その薬剤容器と医療用
容器本体との連通部が滅菌処理してある薬剤キット等の
提案がある。また、後者では薬液を分けて保存するもの
に、いわゆる剥離可能なシール部によって医療用容器を
二室以上に分けたものなどの提案がある。
【0003】また、二室を一室にする上述の剥離可能な
シール部(ピールシール部)以外に、外側から連通可能
な連通手段も多々提案されている。例えば、閉塞型樹脂
筒材から形成され、容器内で折り取ることにより筒材内
を連通可能にする機構を備えたクリックチップと称され
るもの(特公昭63−20550号公報)、連通路内に
設けられ、薬剤バイアルなどのゴム栓に刺針する連通針
に閉止機構を設け、連通針を刺針する際に閉止機構が開
放されるもの(実公平3−73307号公報)、容器本
体内に連通針が保持され、容器外からの操作により、薬
剤バイアルのゴム栓等を刺針して容器同士を連通させる
もの(特開平6−254136号公報)等の種々のもの
が提案されている。
シール部(ピールシール部)以外に、外側から連通可能
な連通手段も多々提案されている。例えば、閉塞型樹脂
筒材から形成され、容器内で折り取ることにより筒材内
を連通可能にする機構を備えたクリックチップと称され
るもの(特公昭63−20550号公報)、連通路内に
設けられ、薬剤バイアルなどのゴム栓に刺針する連通針
に閉止機構を設け、連通針を刺針する際に閉止機構が開
放されるもの(実公平3−73307号公報)、容器本
体内に連通針が保持され、容器外からの操作により、薬
剤バイアルのゴム栓等を刺針して容器同士を連通させる
もの(特開平6−254136号公報)等の種々のもの
が提案されている。
【0004】またピールシール部で二室を一室にする医
療用容器では、連通路内を滅菌するということはあり得
ないが、従来から市販されている薬剤バイアルを接続す
るキット型の医療用容器では連通路内を滅菌或いは無菌
処理する必要がある。このような連通路の滅菌処理等に
は、エチレンオキサイドのガス滅菌、過酸化水素により
化学剤滅菌、紫外線やガンマー線滅菌、加熱滅菌等があ
る。また最近の技術として、注射器の表面を滅菌するた
めに電子線を用いた殺菌方法が提案されている(特開平
7−16286号公報)。これは、電子線によるオゾン
を発生させて殺菌効果を高めたものである。
療用容器では、連通路内を滅菌するということはあり得
ないが、従来から市販されている薬剤バイアルを接続す
るキット型の医療用容器では連通路内を滅菌或いは無菌
処理する必要がある。このような連通路の滅菌処理等に
は、エチレンオキサイドのガス滅菌、過酸化水素により
化学剤滅菌、紫外線やガンマー線滅菌、加熱滅菌等があ
る。また最近の技術として、注射器の表面を滅菌するた
めに電子線を用いた殺菌方法が提案されている(特開平
7−16286号公報)。これは、電子線によるオゾン
を発生させて殺菌効果を高めたものである。
【0005】また、薬剤キット関係において、二室を無
菌的に一室にする連通路の無い1バック型の医療用容器
が提案されている(第9回医薬品包装シンポジウム:講
演要旨集)。これは、バックの中間をピールシール部で
2室に分け、先ず、1室に溶解液を充填し高圧蒸気滅菌
を施し、次に、他の上部室に抗生物質等の薬剤を凍結乾
燥により無菌充填するものである。このような医療用容
器では連通路がないため連通路の滅菌等の心配はない。
菌的に一室にする連通路の無い1バック型の医療用容器
が提案されている(第9回医薬品包装シンポジウム:講
演要旨集)。これは、バックの中間をピールシール部で
2室に分け、先ず、1室に溶解液を充填し高圧蒸気滅菌
を施し、次に、他の上部室に抗生物質等の薬剤を凍結乾
燥により無菌充填するものである。このような医療用容
器では連通路がないため連通路の滅菌等の心配はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
医療用容器には以下の問題点がある。医療用容器の接続
部は、通常、筒状の樹脂成形物からなるポートで形成さ
れ、かかるポート内の滅菌は、過酸化水素等をポート内
に吹き付けて行うが、ポート内に処理剤が残り、これを
除去する等の問題が生じる。接続ポートは従来、厚みの
ある樹脂スリーブとなっているため、かかるポート内を
γ線、紫外線等で外側から照射滅菌処理しても、その滅
菌保証が十分に得られない場合がある。接続部を加熱滅
菌処理するものは、その処理時の操作が煩雑であり、設
備上の品質管理が大変である。また、最近の電子線照射
滅菌では、単純にその滅菌処理を用いたとしても、連通
部に連通針等を使用しているため、従来の注射器のよう
な表面のみの滅菌では不十分となる。また、接続ポート
の肉厚は3mm程度であるため、電子線を連通路内に浸
透させることはできない。
医療用容器には以下の問題点がある。医療用容器の接続
部は、通常、筒状の樹脂成形物からなるポートで形成さ
れ、かかるポート内の滅菌は、過酸化水素等をポート内
に吹き付けて行うが、ポート内に処理剤が残り、これを
除去する等の問題が生じる。接続ポートは従来、厚みの
ある樹脂スリーブとなっているため、かかるポート内を
γ線、紫外線等で外側から照射滅菌処理しても、その滅
菌保証が十分に得られない場合がある。接続部を加熱滅
菌処理するものは、その処理時の操作が煩雑であり、設
備上の品質管理が大変である。また、最近の電子線照射
滅菌では、単純にその滅菌処理を用いたとしても、連通
部に連通針等を使用しているため、従来の注射器のよう
な表面のみの滅菌では不十分となる。また、接続ポート
の肉厚は3mm程度であるため、電子線を連通路内に浸
透させることはできない。
【0007】また二室を一室にして接続路を不要とする
薬剤キットでは、設備が重複し、薬剤容器の充填管理が
製造上、難しいという問題がある。例えば、ペニシリン
系の抗生物質とセファロスポリン系の抗生物質とは、同
じ場所で薬剤容器に充填密封することはできない。この
ような異なる薬剤を同じ棟などで充填すれば、コンタミ
ネーションなどを起こすおそれがあり、病院内で使用す
る際に、耐性菌の管理ができなくなるからである。従っ
て、二室を一室にする薬剤キットでは、異なる抗生物質
を別棟で製造しなければならず、薬剤の種類に応じて完
全な充填製造設備を個別に設けなければならない不具合
がある。また、薬剤メーカーは必ずしも多様な薬剤を取
り扱っていない。このため、二薬剤の容器の無菌収容は
同一メーカーで行われない場合が殆どである。
薬剤キットでは、設備が重複し、薬剤容器の充填管理が
製造上、難しいという問題がある。例えば、ペニシリン
系の抗生物質とセファロスポリン系の抗生物質とは、同
じ場所で薬剤容器に充填密封することはできない。この
ような異なる薬剤を同じ棟などで充填すれば、コンタミ
ネーションなどを起こすおそれがあり、病院内で使用す
る際に、耐性菌の管理ができなくなるからである。従っ
て、二室を一室にする薬剤キットでは、異なる抗生物質
を別棟で製造しなければならず、薬剤の種類に応じて完
全な充填製造設備を個別に設けなければならない不具合
がある。また、薬剤メーカーは必ずしも多様な薬剤を取
り扱っていない。このため、二薬剤の容器の無菌収容は
同一メーカーで行われない場合が殆どである。
【0008】従って、本発明の目的は、無菌的に収納さ
れた一の薬剤容器と無菌的に収納された他の薬剤容器と
を容易に無菌接続できる無菌接続部付医療容器を提案す
ることにある。
れた一の薬剤容器と無菌的に収納された他の薬剤容器と
を容易に無菌接続できる無菌接続部付医療容器を提案す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、可撓性の熱可
塑性樹脂壁を有する容器本体に投与物が充填してあり、
また他の薬剤収納容器又は他の薬剤収納部が無菌的に接
続又は連通される無菌接続部を有した医療用容器にあっ
て、上記容器本体は少なくとも一部に、外側からの開放
が可能な密封シール部を有し、上記無菌接続部は該密封
シール部から更に延在した樹脂端部であり、該樹脂端部
は、熱溶着シール可能な可撓性シート壁からなることを
特徴とする無菌接続部付医療用容器を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
塑性樹脂壁を有する容器本体に投与物が充填してあり、
また他の薬剤収納容器又は他の薬剤収納部が無菌的に接
続又は連通される無菌接続部を有した医療用容器にあっ
て、上記容器本体は少なくとも一部に、外側からの開放
が可能な密封シール部を有し、上記無菌接続部は該密封
シール部から更に延在した樹脂端部であり、該樹脂端部
は、熱溶着シール可能な可撓性シート壁からなることを
特徴とする無菌接続部付医療用容器を提供することによ
り、上記目的を達成したものである。
【0010】本発明に係る医療用容器において、上記外
側からの開放可能な密封シール部が該容器本体の外側か
ら剥離開封可能なピールシール部であることを特徴とす
ることにより、容器の操作性及び経済性が向上し、二つ
の薬剤容器又は収容部を製造上、容易且つ無菌的に提供
することができる。本発明に係る医療用容器において、
上記無菌接続部は、上記可撓性シート壁内が照射滅菌さ
れている滅菌接続部であることを特徴とすることによ
り、従来、煩雑を極めた化学的滅菌処理をしなくても、
照射滅菌により接続部を簡単に無菌に維持することがで
きる。本発明に係る医療用容器において、上記無菌接続
部は、上記可撓性シートの厚みが1600μm〜10μ
mの範囲にあり、且つ上記可撓性シート壁内が電子線照
射滅菌されている滅菌接続部であることを特徴とするこ
とにより、設備が経済的且つ安全性の極めて高い滅菌設
備により接続部を滅菌することができ、製造ラインを簡
単な設備とすることができる。本発明に係る医療用容器
において、上記可撓性シートがポリオレフィン系樹脂シ
ートからなることを特徴とすることにより、電子線の照
射時に体内に害を及ぼす変質物等の発生がない。本発明
に係る医療用容器において、上記無菌接続部は、上記可
撓性シートの厚みが100μm〜10μmの範囲にあ
り、且つ上記可撓性シート壁内が紫外線照射滅菌されて
いる滅菌接続部であることを特徴とすることにより、簡
単な紫外線設備による接続部の滅菌が可能となる。本発
明に係る医療用容器において、上記可撓性シートが波長
250nmにおける紫外線透過率が厚み10μmで60
%以上で、その密度が0.95〜0.85g/cm3の
範囲にあるポリオレフィン系樹脂シートであることを特
徴とすることにより、シート壁の強度が十分に得られた
厚みで紫外線が十分に透過し、シート樹脂自体の変質に
よる悪影響はない。
側からの開放可能な密封シール部が該容器本体の外側か
ら剥離開封可能なピールシール部であることを特徴とす
ることにより、容器の操作性及び経済性が向上し、二つ
の薬剤容器又は収容部を製造上、容易且つ無菌的に提供
することができる。本発明に係る医療用容器において、
上記無菌接続部は、上記可撓性シート壁内が照射滅菌さ
れている滅菌接続部であることを特徴とすることによ
り、従来、煩雑を極めた化学的滅菌処理をしなくても、
照射滅菌により接続部を簡単に無菌に維持することがで
きる。本発明に係る医療用容器において、上記無菌接続
部は、上記可撓性シートの厚みが1600μm〜10μ
mの範囲にあり、且つ上記可撓性シート壁内が電子線照
射滅菌されている滅菌接続部であることを特徴とするこ
とにより、設備が経済的且つ安全性の極めて高い滅菌設
備により接続部を滅菌することができ、製造ラインを簡
単な設備とすることができる。本発明に係る医療用容器
において、上記可撓性シートがポリオレフィン系樹脂シ
ートからなることを特徴とすることにより、電子線の照
射時に体内に害を及ぼす変質物等の発生がない。本発明
に係る医療用容器において、上記無菌接続部は、上記可
撓性シートの厚みが100μm〜10μmの範囲にあ
り、且つ上記可撓性シート壁内が紫外線照射滅菌されて
いる滅菌接続部であることを特徴とすることにより、簡
単な紫外線設備による接続部の滅菌が可能となる。本発
明に係る医療用容器において、上記可撓性シートが波長
250nmにおける紫外線透過率が厚み10μmで60
%以上で、その密度が0.95〜0.85g/cm3の
範囲にあるポリオレフィン系樹脂シートであることを特
徴とすることにより、シート壁の強度が十分に得られた
厚みで紫外線が十分に透過し、シート樹脂自体の変質に
よる悪影響はない。
【0011】本発明に係る医療用容器において、上記無
菌接続部は、上記密封シール部から更に延在した樹脂端
部を熱シールされて内部が液密にされ、該内部を上記容
器本体の高圧蒸気滅菌と共に滅菌し、上記樹脂端部の熱
シール部は、無菌雰囲気中で開放されてなることを特徴
とすることにより、容器同士の接続をするまでの間、接
続部を無菌的に維持することができ、二種以上の薬剤を
別々の棟或いはメーカーで製造し、これを無菌的に接続
することが容易になる。本発明に係る医療用容器におい
て、上記無菌雰囲気が過酸化水素ガス中であることを特
徴とすることにより、過酸化水素による確実な滅菌状態
での接続部の接続ができる。
菌接続部は、上記密封シール部から更に延在した樹脂端
部を熱シールされて内部が液密にされ、該内部を上記容
器本体の高圧蒸気滅菌と共に滅菌し、上記樹脂端部の熱
シール部は、無菌雰囲気中で開放されてなることを特徴
とすることにより、容器同士の接続をするまでの間、接
続部を無菌的に維持することができ、二種以上の薬剤を
別々の棟或いはメーカーで製造し、これを無菌的に接続
することが容易になる。本発明に係る医療用容器におい
て、上記無菌雰囲気が過酸化水素ガス中であることを特
徴とすることにより、過酸化水素による確実な滅菌状態
での接続部の接続ができる。
【0012】
【作用】上記医療用容器にあっては、図1に示す如く無
菌接続部の筒状の薄肉樹脂シートには他の薬剤容器の口
部が接続されることとなる。そして、無菌接続部である
筒状シートの樹脂端部と薬剤容器の口部(薄肉樹脂端
部)とは液密に熱溶着され、容器と容器とが連通可能な
状態となっている。かかる接続部では、γ線、電子線、
及び紫外線の照射滅菌が容易にできる。特に、電子線照
射滅菌は、γ線照射滅菌のように大がかりな設備を必要
とせず、また紫外線照射滅菌よりは滅菌の確立性が高
い。また化学滅菌剤により滅菌する場合も、予め接続部
内を無菌的に維持し、無菌状態のクリーンボックス等で
容器同士の無菌的な接続が可能となる。
菌接続部の筒状の薄肉樹脂シートには他の薬剤容器の口
部が接続されることとなる。そして、無菌接続部である
筒状シートの樹脂端部と薬剤容器の口部(薄肉樹脂端
部)とは液密に熱溶着され、容器と容器とが連通可能な
状態となっている。かかる接続部では、γ線、電子線、
及び紫外線の照射滅菌が容易にできる。特に、電子線照
射滅菌は、γ線照射滅菌のように大がかりな設備を必要
とせず、また紫外線照射滅菌よりは滅菌の確立性が高
い。また化学滅菌剤により滅菌する場合も、予め接続部
内を無菌的に維持し、無菌状態のクリーンボックス等で
容器同士の無菌的な接続が可能となる。
【0013】また、無菌接続部は、剥離可能な密封シー
ル部の存在により、容器本体からの充填液が浸透してお
らず、充填された投与薬剤は照射線、化学滅菌剤による
影響を受けない。そして、上述のように無菌接続部が肉
薄の樹脂シート等で形成されるため、上記透過性があれ
ば内部の滅菌も確実となる。更に、容器本体の投与薬剤
の充填棟と他の薬剤容器への投与薬剤の充填を別棟です
ることができるため、品種毎の薬剤容器を別棟で製造保
管し、製造時に容器本体と薬剤容器とをドッキングライ
ンに乗せることができるので、重複した容器本体の充填
設備などを必要しない。また、種々の薬剤管理も容易で
ある。
ル部の存在により、容器本体からの充填液が浸透してお
らず、充填された投与薬剤は照射線、化学滅菌剤による
影響を受けない。そして、上述のように無菌接続部が肉
薄の樹脂シート等で形成されるため、上記透過性があれ
ば内部の滅菌も確実となる。更に、容器本体の投与薬剤
の充填棟と他の薬剤容器への投与薬剤の充填を別棟です
ることができるため、品種毎の薬剤容器を別棟で製造保
管し、製造時に容器本体と薬剤容器とをドッキングライ
ンに乗せることができるので、重複した容器本体の充填
設備などを必要しない。また、種々の薬剤管理も容易で
ある。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る無菌接続部付医療用容器
の好ましい実施例を添付図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る無菌接続部付医療用容器の第一実施
例の半断面図、図2は第一実施例の医療用容器に他の薬
剤容器を接続させた半断面図、図3は第一実施例の無菌
接続部付医療用容器の接続部を滅菌する電子線装置の概
略図、図4は第一実施例の使用時の状態を示す半断面図
である。
の好ましい実施例を添付図面を参照しながら詳述する。
図1は本発明に係る無菌接続部付医療用容器の第一実施
例の半断面図、図2は第一実施例の医療用容器に他の薬
剤容器を接続させた半断面図、図3は第一実施例の無菌
接続部付医療用容器の接続部を滅菌する電子線装置の概
略図、図4は第一実施例の使用時の状態を示す半断面図
である。
【0015】図1乃至図4に示す如く、本実施例の無菌
接続部付医療用容器1は、可撓性の熱可塑性樹脂壁を有
する容器本体2に薬剤6が充填してあり、また他の薬剤
容器11が無菌的に接続される無菌接続部5を有した容
器であり、容器本体2は少なくとも一部に、外側からの
開放が可能な密封シール部3を有し、無菌接続部5は密
封シール部3から更に延在した樹脂端部であり、樹脂端
部は、熱溶着シール可能な可撓性シート壁からなる。
接続部付医療用容器1は、可撓性の熱可塑性樹脂壁を有
する容器本体2に薬剤6が充填してあり、また他の薬剤
容器11が無菌的に接続される無菌接続部5を有した容
器であり、容器本体2は少なくとも一部に、外側からの
開放が可能な密封シール部3を有し、無菌接続部5は密
封シール部3から更に延在した樹脂端部であり、樹脂端
部は、熱溶着シール可能な可撓性シート壁からなる。
【0016】本実施例に係る無菌接続部付医療用容器1
を更に詳しく説明すると、医療用容器1の容器本体2
は、非定型性の柔軟な樹脂容器からなる。本実施例にお
いて具体的に、容器本体2は、低密度ポリエチレン及び
ポリプロピレンの混合組成物を押し出し成形により作製
した2枚のシートから形成される。即ち、かかるシート
が所定の長さに裁断され、その周縁端が熱溶着により完
全密着シールがされる。周端シール部2Aには、樹脂成
形物からなる排出口4が熱溶着と共に取り付けられる。
また、本実施例では、上記周端シール部2Aの他に、外
側からの開放が可能な密封シール部3が容器本体2の側
周端シール部2A、2A間を横断して形成され、容器本
体2の薬剤6の収納部2Bを形成しない樹脂端部が無菌
接続部5として形成される。即ち、本実施例では、直鎖
状低密度ポリエチレン(密度:0.916g/cm3、
MI:2)とポリプロピレン(密度:0.90g/cm
3、MI:0.7)を7:3の割合で混練りし、これを
延伸成形してシートとする。そして、肉厚200μm、
幅100mm、及び長さ250mmのシートを重ねて作
製する。容器本体2は周端シール部2Aをインパルスシ
ーラー(富士インパルス株式会社製オートシーラFA−
300−5W)で形成する。シール条件はシール時間
1.5秒間、冷却時間5秒間である。一方、剥離可能な
密封シール部3は、上下から加熱金型で5mm幅、長さ
15mmの区間を押さえシールする。かかるシール条件
は、130℃〜150℃の間で、12秒間プレス状態に
置いた。尚、プレスによりシール面が完全に潰れないよ
うにストッパーを設け過大なプレス圧が及ばないように
調整する。
を更に詳しく説明すると、医療用容器1の容器本体2
は、非定型性の柔軟な樹脂容器からなる。本実施例にお
いて具体的に、容器本体2は、低密度ポリエチレン及び
ポリプロピレンの混合組成物を押し出し成形により作製
した2枚のシートから形成される。即ち、かかるシート
が所定の長さに裁断され、その周縁端が熱溶着により完
全密着シールがされる。周端シール部2Aには、樹脂成
形物からなる排出口4が熱溶着と共に取り付けられる。
また、本実施例では、上記周端シール部2Aの他に、外
側からの開放が可能な密封シール部3が容器本体2の側
周端シール部2A、2A間を横断して形成され、容器本
体2の薬剤6の収納部2Bを形成しない樹脂端部が無菌
接続部5として形成される。即ち、本実施例では、直鎖
状低密度ポリエチレン(密度:0.916g/cm3、
MI:2)とポリプロピレン(密度:0.90g/cm
3、MI:0.7)を7:3の割合で混練りし、これを
延伸成形してシートとする。そして、肉厚200μm、
幅100mm、及び長さ250mmのシートを重ねて作
製する。容器本体2は周端シール部2Aをインパルスシ
ーラー(富士インパルス株式会社製オートシーラFA−
300−5W)で形成する。シール条件はシール時間
1.5秒間、冷却時間5秒間である。一方、剥離可能な
密封シール部3は、上下から加熱金型で5mm幅、長さ
15mmの区間を押さえシールする。かかるシール条件
は、130℃〜150℃の間で、12秒間プレス状態に
置いた。尚、プレスによりシール面が完全に潰れないよ
うにストッパーを設け過大なプレス圧が及ばないように
調整する。
【0017】容器本体2には周端シール部2A及び密封
シール部3により、薬剤6の収納部2Bが形成される。
薬剤6は、後述する他の薬剤容器11の薬剤15の溶解
液で、排出口4から収納部2Bに充填される。排出口4
をゴム栓体で密封した後、薬剤6は容器本体2と共に高
圧蒸気滅菌される。高圧蒸気滅菌処理は、局方の高圧蒸
気滅菌方法に基づいて行われ、且つ剥離可能な密封シー
ル部3が処理中に剥離或いは完全接着しない程度にクリ
ップで把持しながら滅菌される。高圧蒸気滅菌の温度は
100〜130℃で行われる。
シール部3により、薬剤6の収納部2Bが形成される。
薬剤6は、後述する他の薬剤容器11の薬剤15の溶解
液で、排出口4から収納部2Bに充填される。排出口4
をゴム栓体で密封した後、薬剤6は容器本体2と共に高
圧蒸気滅菌される。高圧蒸気滅菌処理は、局方の高圧蒸
気滅菌方法に基づいて行われ、且つ剥離可能な密封シー
ル部3が処理中に剥離或いは完全接着しない程度にクリ
ップで把持しながら滅菌される。高圧蒸気滅菌の温度は
100〜130℃で行われる。
【0018】本実施例の医療用容器1にあって、容器本
体2の高圧蒸気滅菌後、無菌接続部5は他の薬剤容器1
1が熱溶着シールにより取り付けられたとき、シート壁
内が電子線により滅菌され、無菌状態に維持される。他
の薬剤容器11は、バイアル瓶12と、バイアル瓶12
の口部に取り付けられる連結部付蓋体13と、蓋体13
をバイアル瓶12の口部に液密に固定するシール部材1
4とからなり、バイアル瓶12内には抗生物質である薬
剤15が無菌充填される。バイアル瓶12はガラス成形
物であり、蓋体13はプラスチック成形物であり、シー
ル部材14はゴム製材である。薬剤14は凍結乾燥して
バイアル瓶12内に収容され、その使用時に容器本体2
内の薬剤6に溶解される。蓋体13には、パイプ上の連
結部16が形成され、連結部16の先端は閉止されてい
る。連結部16の先端には折り取りの切れ込み17が形
成され、図4に示す如く、切れ込み17の折り取りによ
り連結部16の先端部が開放される。従って、連結部1
6の先端は、可撓性のシート壁などを介して開放可能な
クリックチップ機構となっている。
体2の高圧蒸気滅菌後、無菌接続部5は他の薬剤容器1
1が熱溶着シールにより取り付けられたとき、シート壁
内が電子線により滅菌され、無菌状態に維持される。他
の薬剤容器11は、バイアル瓶12と、バイアル瓶12
の口部に取り付けられる連結部付蓋体13と、蓋体13
をバイアル瓶12の口部に液密に固定するシール部材1
4とからなり、バイアル瓶12内には抗生物質である薬
剤15が無菌充填される。バイアル瓶12はガラス成形
物であり、蓋体13はプラスチック成形物であり、シー
ル部材14はゴム製材である。薬剤14は凍結乾燥して
バイアル瓶12内に収容され、その使用時に容器本体2
内の薬剤6に溶解される。蓋体13には、パイプ上の連
結部16が形成され、連結部16の先端は閉止されてい
る。連結部16の先端には折り取りの切れ込み17が形
成され、図4に示す如く、切れ込み17の折り取りによ
り連結部16の先端部が開放される。従って、連結部1
6の先端は、可撓性のシート壁などを介して開放可能な
クリックチップ機構となっている。
【0019】無菌接続部5は、上述のように熱溶着シー
ル可能な可撓性のシートを2枚合わせて形成され、2枚
のシート間には蓋体13の連結部16の先端が挿入され
る。連結部16は熱溶着シールにより2枚のシート間に
固着され、無菌接続部5は、周端シール部2A、2A、
密封シール部3、及び熱溶着シール部9により密封室1
0が形成される。図3に示す如く、容器本体2は電子線
照射装置50のコンベア51上に載置され、無菌接続部
5のみが電子線照射される。即ち、容器本体2のうち、
密封シール部3と熱溶着シール部9の間が電子線照射さ
れ、熱溶着シール部9の外側から連結部16の外表面及
び密封室10内が滅菌される。
ル可能な可撓性のシートを2枚合わせて形成され、2枚
のシート間には蓋体13の連結部16の先端が挿入され
る。連結部16は熱溶着シールにより2枚のシート間に
固着され、無菌接続部5は、周端シール部2A、2A、
密封シール部3、及び熱溶着シール部9により密封室1
0が形成される。図3に示す如く、容器本体2は電子線
照射装置50のコンベア51上に載置され、無菌接続部
5のみが電子線照射される。即ち、容器本体2のうち、
密封シール部3と熱溶着シール部9の間が電子線照射さ
れ、熱溶着シール部9の外側から連結部16の外表面及
び密封室10内が滅菌される。
【0020】図3に示す如く、電子線照射装置50は、
ベルトコンベア51の上方に設けられ、機枠52と、機
枠52に形成される窓枠53、窓枠53に取り付けられ
た窓箔54、窓枠53の上方を覆っている加速管54、
及び加速管55内の真空チャンバ内に設けられた電子線
発生部56からなる。また電子線発生部56はグリッド
57、ガンフレーム58、及びフィラメント59とから
なる。フィラメント59は通電され、加熱させられて熱
電子を発生する。熱電子は所定の電圧が印加されたフィ
ラメント59とグリッド57との間で加速され、窓箔5
4からコンベア51上に照射される。尚、機枠52は電
子線照射により二次的に発生するX線等の外部漏出を防
止するため鉛遮蔽がされている。従って、コンベア51
の速度とフィラメント59の通電量により、照射電子線
量が調整され、加速電圧により、電子線の浸透性を調整
することができる。
ベルトコンベア51の上方に設けられ、機枠52と、機
枠52に形成される窓枠53、窓枠53に取り付けられ
た窓箔54、窓枠53の上方を覆っている加速管54、
及び加速管55内の真空チャンバ内に設けられた電子線
発生部56からなる。また電子線発生部56はグリッド
57、ガンフレーム58、及びフィラメント59とから
なる。フィラメント59は通電され、加熱させられて熱
電子を発生する。熱電子は所定の電圧が印加されたフィ
ラメント59とグリッド57との間で加速され、窓箔5
4からコンベア51上に照射される。尚、機枠52は電
子線照射により二次的に発生するX線等の外部漏出を防
止するため鉛遮蔽がされている。従って、コンベア51
の速度とフィラメント59の通電量により、照射電子線
量が調整され、加速電圧により、電子線の浸透性を調整
することができる。
【0021】電子線照射滅菌はその加速電圧が1MeV
未満、特に低エネルギー型の500KV〜50KVのも
のであれば、電子線の所定の浸透性が得られる一方、X
線等の放出がほとんどないため、その遮蔽設備を必要と
せず、生産ラインにコンパクトに配することができる。
即ち、1MeV未満による電子線の浸透性は1700g
/m2以下、特に加速電圧500KVによる電子線の浸
透性は約1000g/m2以下で、樹脂肉薄部での浸透
性が十分に得られる。従って、無菌接続部5の可撓性シ
ートの厚みが、1600μm〜10μm、特に800μ
m〜30μmの範囲内にあるため、電子線照射により、
接続部5内部が確実に滅菌されると共に、上記範囲を上
回る厚みがあると、接続部5の破断のおそれも少ない。
また、電子線照射が容器1の両面からなされるように、
電子線照射装置50は、図示しないが後段に更に1台設
けられ、容器1はコンベア51上で180度反転される
ようになっている。微生物の殺菌においては、特開平7
−16286号公報にも記載されるように、放射線菌で
指標となるB.pumilus(spores)E-601で約0.2Mrad
(2kGy)のD値を有する。1cm2当たり、通常1
00オーダーの菌が付着しているが、安全性を十分考慮
すれば、102オーダーまでの付着があるとの仮定も成
り立つ。また滅菌保証レベル(SAL)は生存率10-6
%である。従って、本実施例での電子線照射装置50は
樹脂シート内が6×0.2Mrad以上、好ましく8×
0.2Mrad以上で滅菌されるように通電量とコンベ
ア速度が調整される。シート壁のシート厚みが200μ
mであることから、本実施例では加速電圧は200KV
以上のものが使用され、無菌接続部5が滅菌される。
未満、特に低エネルギー型の500KV〜50KVのも
のであれば、電子線の所定の浸透性が得られる一方、X
線等の放出がほとんどないため、その遮蔽設備を必要と
せず、生産ラインにコンパクトに配することができる。
即ち、1MeV未満による電子線の浸透性は1700g
/m2以下、特に加速電圧500KVによる電子線の浸
透性は約1000g/m2以下で、樹脂肉薄部での浸透
性が十分に得られる。従って、無菌接続部5の可撓性シ
ートの厚みが、1600μm〜10μm、特に800μ
m〜30μmの範囲内にあるため、電子線照射により、
接続部5内部が確実に滅菌されると共に、上記範囲を上
回る厚みがあると、接続部5の破断のおそれも少ない。
また、電子線照射が容器1の両面からなされるように、
電子線照射装置50は、図示しないが後段に更に1台設
けられ、容器1はコンベア51上で180度反転される
ようになっている。微生物の殺菌においては、特開平7
−16286号公報にも記載されるように、放射線菌で
指標となるB.pumilus(spores)E-601で約0.2Mrad
(2kGy)のD値を有する。1cm2当たり、通常1
00オーダーの菌が付着しているが、安全性を十分考慮
すれば、102オーダーまでの付着があるとの仮定も成
り立つ。また滅菌保証レベル(SAL)は生存率10-6
%である。従って、本実施例での電子線照射装置50は
樹脂シート内が6×0.2Mrad以上、好ましく8×
0.2Mrad以上で滅菌されるように通電量とコンベ
ア速度が調整される。シート壁のシート厚みが200μ
mであることから、本実施例では加速電圧は200KV
以上のものが使用され、無菌接続部5が滅菌される。
【0022】このように構成された無菌接続部付医療用
容器1にあっては、その無菌接続部5の形成により、他
の薬剤容器11を無菌接続部5に熱溶着シールのみで簡
単に接続することができる。そして、無菌接続部5を無
菌的に維持するにあたっては、その無菌接続部5に電子
線を照射するだけで容易に達成される。このため、製造
上のバリデーション等を考慮した場合、容器と容器との
無菌接続が極めて確実で且つ容易にできる。従って、図
4に示す如く、使用前或いは使用直前に剥離可能な密封
シール部3が開封され、蓋体13の連通部16の切れ込
み17が折り取られ、連通部16が開放されることによ
り、医療用容器1と他の薬剤容器11とは無菌的な接続
がクローズドなシステムでなされる。これにより、薬剤
6と薬剤15とが混合され、排出口4より薬剤6と薬剤
15との混合薬液が患者に投与される。本実施例におい
て、容器1と容器11との間には、滅菌時のガスや過酸
化水素水等が残留しないため、安全に薬剤6を流通させ
ることができる。本実施例の電子線照射は設備を極めて
コンパクト化することができるため、生産ラインでの設
置が簡単かつ経済的にできる。更に、容器1と容器11
とは、別室で充填密封が可能であるため、多種類の薬剤
15を容器1の薬剤6に接続して提供する場合でも、重
複した設備を設ける必要もない。
容器1にあっては、その無菌接続部5の形成により、他
の薬剤容器11を無菌接続部5に熱溶着シールのみで簡
単に接続することができる。そして、無菌接続部5を無
菌的に維持するにあたっては、その無菌接続部5に電子
線を照射するだけで容易に達成される。このため、製造
上のバリデーション等を考慮した場合、容器と容器との
無菌接続が極めて確実で且つ容易にできる。従って、図
4に示す如く、使用前或いは使用直前に剥離可能な密封
シール部3が開封され、蓋体13の連通部16の切れ込
み17が折り取られ、連通部16が開放されることによ
り、医療用容器1と他の薬剤容器11とは無菌的な接続
がクローズドなシステムでなされる。これにより、薬剤
6と薬剤15とが混合され、排出口4より薬剤6と薬剤
15との混合薬液が患者に投与される。本実施例におい
て、容器1と容器11との間には、滅菌時のガスや過酸
化水素水等が残留しないため、安全に薬剤6を流通させ
ることができる。本実施例の電子線照射は設備を極めて
コンパクト化することができるため、生産ラインでの設
置が簡単かつ経済的にできる。更に、容器1と容器11
とは、別室で充填密封が可能であるため、多種類の薬剤
15を容器1の薬剤6に接続して提供する場合でも、重
複した設備を設ける必要もない。
【0023】本実施例では、容器1を2枚の樹脂シート
から成形したが、本発明では、これに限る必要はなく、
例えば、インフレーション形成したチューブから容器を
製造してもよく、またブロー成形した端部を無菌接続部
として形成しても良い。本実施例では、容器1の樹脂素
材に直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの混
合物を用いた。このような樹脂組成物は、周端シール部
2Aのような完全固着シール部と、密封シール部3のよ
うな剥離可能なピールシール部とを同時に形成する為に
は好ましい。また、両者共にポリオレフィン系樹脂とす
ることにより、電子線照射時に薬剤6に悪影響を与える
変質物等がでない点でも望ましい。しかしながら、本発
明においては、かかる本実施例の樹脂素材に限る必要は
ない。例えば、可撓性の熱シール可能な樹脂容器であれ
ば、かかる実施例の樹脂に限ることはなく、例えば、低
密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、軟質
ポリエステル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の可撓性に富
んだ材料を用いることができる。尚、樹脂シートは多層
フィルムであっても良く、特に、ポリエチレン系樹脂層
を多層にし、内層がその外側の層より薄くして強度を弱
めて、剥離可能なシール部のできやすいラミネートシー
トとしても良い。
から成形したが、本発明では、これに限る必要はなく、
例えば、インフレーション形成したチューブから容器を
製造してもよく、またブロー成形した端部を無菌接続部
として形成しても良い。本実施例では、容器1の樹脂素
材に直鎖状低密度ポリエチレンとポリプロピレンとの混
合物を用いた。このような樹脂組成物は、周端シール部
2Aのような完全固着シール部と、密封シール部3のよ
うな剥離可能なピールシール部とを同時に形成する為に
は好ましい。また、両者共にポリオレフィン系樹脂とす
ることにより、電子線照射時に薬剤6に悪影響を与える
変質物等がでない点でも望ましい。しかしながら、本発
明においては、かかる本実施例の樹脂素材に限る必要は
ない。例えば、可撓性の熱シール可能な樹脂容器であれ
ば、かかる実施例の樹脂に限ることはなく、例えば、低
密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、軟質
ポリエステル樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂、塩化ビニ
ル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の可撓性に富
んだ材料を用いることができる。尚、樹脂シートは多層
フィルムであっても良く、特に、ポリエチレン系樹脂層
を多層にし、内層がその外側の層より薄くして強度を弱
めて、剥離可能なシール部のできやすいラミネートシー
トとしても良い。
【0024】本実施例では、外側からの開放可能な密封
シール部3にピールシール部を設けたが、本発明はこれ
に限る必要はない。例えば、開放可能な密封シール部
が、挟持クリップやラバーストッパーなどの把持密封手
段を設けても良く、また密封シール部の一部にクリック
チップやプッシュアウト方式の連通手段を設けたもので
も良い。但し、開放操作性の観点及び製造容易性の観点
からピールシール部であることが望ましい。本実施例で
は、薬剤6を薬剤15の溶解液とした。しかし、本発明
では、電解質、糖質、アミノ酸などの栄養素、及びビタ
ミン等を含んだ輸液剤、薬液等であっても良い。本実施
例では、他の薬剤容器11の薬剤15を凍結乾燥した固
形物としたが、本発明では液剤等であっても良い。薬剤
15は抗生物質以外の薬剤、例えば総合ビタミン剤、抗
ガン剤、抗精神薬等であっても良い。本実施例では、バ
イアル瓶12に薬剤15が収納された容器11を接続し
たが、本発明では、無菌或いは滅菌処理された薬剤が収
納される収容部材のようなものであっても良い。本実施
例では、電子線による滅菌を無菌接続部5に用いたが、
本発明では、これに限ることはなく、電子線の他にγ線
による照射滅菌でも良い。
シール部3にピールシール部を設けたが、本発明はこれ
に限る必要はない。例えば、開放可能な密封シール部
が、挟持クリップやラバーストッパーなどの把持密封手
段を設けても良く、また密封シール部の一部にクリック
チップやプッシュアウト方式の連通手段を設けたもので
も良い。但し、開放操作性の観点及び製造容易性の観点
からピールシール部であることが望ましい。本実施例で
は、薬剤6を薬剤15の溶解液とした。しかし、本発明
では、電解質、糖質、アミノ酸などの栄養素、及びビタ
ミン等を含んだ輸液剤、薬液等であっても良い。本実施
例では、他の薬剤容器11の薬剤15を凍結乾燥した固
形物としたが、本発明では液剤等であっても良い。薬剤
15は抗生物質以外の薬剤、例えば総合ビタミン剤、抗
ガン剤、抗精神薬等であっても良い。本実施例では、バ
イアル瓶12に薬剤15が収納された容器11を接続し
たが、本発明では、無菌或いは滅菌処理された薬剤が収
納される収容部材のようなものであっても良い。本実施
例では、電子線による滅菌を無菌接続部5に用いたが、
本発明では、これに限ることはなく、電子線の他にγ線
による照射滅菌でも良い。
【0025】次に、本発明に係る無菌接続部付医療用容
器の第二実施例を図5〜図8を参照しながら説明する。
図5〜図8に示す如く第二実施例の医療用容器21は、
可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器本体22に薬剤6
が充填してあり、また他の薬剤収容部24が無菌的に接
続される無菌接続部25を有した容器であり、容器本体
22は少なくとも一部に、外側からの開放が可能な密封
シール部23を有し、無菌接続部25は密封シール部2
3から更に延在した樹脂端部であり、樹脂端部は、熱溶
着シール可能な可撓性シート壁からなる点は、第一実施
例の医療用容器1とほぼ同様な構成となっている。第二
実施例の医療用容器21が第一実施例の医療用容器と相
違する点は以下の点にある。容器本体22の樹脂素材は
医療用容器1と同様にポリオレフィン系樹脂シートであ
るが、その特性は、波長250nmにおける紫外線透過
率(厚み10μmで)が60%以上で、その密度が0.
95〜0.85g/cm3の範囲にあるものであり、ま
たシートの厚みが100μm〜10μmの範囲に制限さ
れるものである。
器の第二実施例を図5〜図8を参照しながら説明する。
図5〜図8に示す如く第二実施例の医療用容器21は、
可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器本体22に薬剤6
が充填してあり、また他の薬剤収容部24が無菌的に接
続される無菌接続部25を有した容器であり、容器本体
22は少なくとも一部に、外側からの開放が可能な密封
シール部23を有し、無菌接続部25は密封シール部2
3から更に延在した樹脂端部であり、樹脂端部は、熱溶
着シール可能な可撓性シート壁からなる点は、第一実施
例の医療用容器1とほぼ同様な構成となっている。第二
実施例の医療用容器21が第一実施例の医療用容器と相
違する点は以下の点にある。容器本体22の樹脂素材は
医療用容器1と同様にポリオレフィン系樹脂シートであ
るが、その特性は、波長250nmにおける紫外線透過
率(厚み10μmで)が60%以上で、その密度が0.
95〜0.85g/cm3の範囲にあるものであり、ま
たシートの厚みが100μm〜10μmの範囲に制限さ
れるものである。
【0026】本実施例の医療用容器21を更に説明する
と、容器本体22は直鎖状低密度ポリエチレン(密度:
0.910)からなり、その厚みが50μmのものが用
いられる。また成形方法は第一実施例と同様であるが、
開放可能な密封シール部23にはクリックチップ26が
設けられている。また、無菌接続部25には薬剤収容部
24が接続され、収容部24はインフレション成形した
筒状のシートから形成され、その厚みが30μmで、一
の端部に完全シール部28が形成され、粉末薬剤27が
収容部24に充填された後に、中間部に外側からの剥離
が可能なピールシール部29が形成される。そして、ピ
ールシール部29より延在した端部30が容器本体22
の無菌接続部25内に挿入され、熱溶着シールにより熱
溶着シール部31が形成され両者が接続される。
と、容器本体22は直鎖状低密度ポリエチレン(密度:
0.910)からなり、その厚みが50μmのものが用
いられる。また成形方法は第一実施例と同様であるが、
開放可能な密封シール部23にはクリックチップ26が
設けられている。また、無菌接続部25には薬剤収容部
24が接続され、収容部24はインフレション成形した
筒状のシートから形成され、その厚みが30μmで、一
の端部に完全シール部28が形成され、粉末薬剤27が
収容部24に充填された後に、中間部に外側からの剥離
が可能なピールシール部29が形成される。そして、ピ
ールシール部29より延在した端部30が容器本体22
の無菌接続部25内に挿入され、熱溶着シールにより熱
溶着シール部31が形成され両者が接続される。
【0027】図6に示す如く、容器本体22と薬剤収容
部24の接続に際しては、端部30内にシール防止用の
耐熱性のポリプロピレン樹脂板32が挿入される。かか
る樹脂板32が配された状態で、容器本体2の完全な密
封シール部31が形成されると、熱シールにより樹脂板
32は熱溶融せず、端部30の内面同士が熱溶着しない
ようになっている。従って、容器本体2内と端部30内
は連通可能状態となっている。樹脂板32は、熱溶着シ
ール部31を形成する際に熱溶着しない樹脂であれば特
に限定されないが、医療用容器内の投与剤との接触があ
ることからポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、樹
脂板32は板状に限ることはなく、熱溶着シール部31
の熱シール時の温度に対して耐熱性がある限り薄いシー
ト、フィルムなどであっても良い。
部24の接続に際しては、端部30内にシール防止用の
耐熱性のポリプロピレン樹脂板32が挿入される。かか
る樹脂板32が配された状態で、容器本体2の完全な密
封シール部31が形成されると、熱シールにより樹脂板
32は熱溶融せず、端部30の内面同士が熱溶着しない
ようになっている。従って、容器本体2内と端部30内
は連通可能状態となっている。樹脂板32は、熱溶着シ
ール部31を形成する際に熱溶着しない樹脂であれば特
に限定されないが、医療用容器内の投与剤との接触があ
ることからポリオレフィン系樹脂が好ましい。また、樹
脂板32は板状に限ることはなく、熱溶着シール部31
の熱シール時の温度に対して耐熱性がある限り薄いシー
ト、フィルムなどであっても良い。
【0028】図7に示す如く、無菌接続部25は紫外線
照射装置61により紫外線が照射され、無菌接続部25
が滅菌される。紫外線照射装置61は、ベルトコンベア
62の上方に設けられ、高出力紫外線ランプ63が配さ
れる。高出力紫外線ランプ63は、低圧水銀ランプであ
り、波長250〜260nm付近の放射線強度の高いも
のが用いられる。高出力紫外線ランプ63は照射部の窓
面で100mWcm2以上であることが望ましく、この
ため、装置的にコンパクトなものとするため、紫外線ラ
ンプ63は200w〜1kwの範囲のものが望ましい。
また照射部の窓面からベルトコンベアまでの距離Bは、
25mm以下、特に10mm以下である。距離Bが25
mm以下にあれば、窓面の照射率の70%程度の確保が
される。紫外線照射装置61は、図示しないが後段に更
に1台設けられ、容器21はコンベア62上で180度
反転されるようになっている。
照射装置61により紫外線が照射され、無菌接続部25
が滅菌される。紫外線照射装置61は、ベルトコンベア
62の上方に設けられ、高出力紫外線ランプ63が配さ
れる。高出力紫外線ランプ63は、低圧水銀ランプであ
り、波長250〜260nm付近の放射線強度の高いも
のが用いられる。高出力紫外線ランプ63は照射部の窓
面で100mWcm2以上であることが望ましく、この
ため、装置的にコンパクトなものとするため、紫外線ラ
ンプ63は200w〜1kwの範囲のものが望ましい。
また照射部の窓面からベルトコンベアまでの距離Bは、
25mm以下、特に10mm以下である。距離Bが25
mm以下にあれば、窓面の照射率の70%程度の確保が
される。紫外線照射装置61は、図示しないが後段に更
に1台設けられ、容器21はコンベア62上で180度
反転されるようになっている。
【0029】微生物の殺菌において、紫外線に対する抵
抗力のあるB.subtilis(spores)を99.9%殺菌するに
は、ほぼ33.3mW・sec/cm2の照射線量が必
要とされる。10-3オーダーまでの付着を避けた後、滅
菌保証レベル(SAL)である生存率10-6%が保証さ
れる。従って、本実施例での紫外線照射装置51で30
秒以内に滅菌するには、端部30内に少なくとも1.1
1mW・sec/cm2以上の紫外線量が到達するよう
に高出力紫外線照射装置61が調整される。
抗力のあるB.subtilis(spores)を99.9%殺菌するに
は、ほぼ33.3mW・sec/cm2の照射線量が必
要とされる。10-3オーダーまでの付着を避けた後、滅
菌保証レベル(SAL)である生存率10-6%が保証さ
れる。従って、本実施例での紫外線照射装置51で30
秒以内に滅菌するには、端部30内に少なくとも1.1
1mW・sec/cm2以上の紫外線量が到達するよう
に高出力紫外線照射装置61が調整される。
【0030】無菌接続部25は、柔軟性の樹脂シートの
みから形成されるため平坦となっている。無菌接続部2
5は、平坦であることが望ましく、紫外線照射方向から
の厚みが25mm以下、好ましくは10mm以下であ
る。無菌接続部25の厚みが薄ければ、紫外線照射にで
きる限り接近させた状態で滅菌処理ができるため、その
滅菌が確実なものとなる。本実施例では10mm以下
で、紫外線照射装置61の照射窓をかかる距離まで近づ
けることが可能である。また、無菌接続部25の樹脂端
部は容器本体22の樹脂素材と同様であることから、そ
の特性は、波長250nmにおける紫外線透過率(厚み
10μmで)が60%以上で、その密度が0.95〜
0.85g/cm3の範囲にあるものであり、またシー
トの厚みが100μm〜10μmの範囲に制限されるも
のである。従って、樹脂素材の特性及び厚みが上記範囲
内にあれば、無菌接続部25は、上記紫外線照射装置6
1で十分な照射滅菌がなされる一方、無菌接続部25が
容易に破断するおそれがない。
みから形成されるため平坦となっている。無菌接続部2
5は、平坦であることが望ましく、紫外線照射方向から
の厚みが25mm以下、好ましくは10mm以下であ
る。無菌接続部25の厚みが薄ければ、紫外線照射にで
きる限り接近させた状態で滅菌処理ができるため、その
滅菌が確実なものとなる。本実施例では10mm以下
で、紫外線照射装置61の照射窓をかかる距離まで近づ
けることが可能である。また、無菌接続部25の樹脂端
部は容器本体22の樹脂素材と同様であることから、そ
の特性は、波長250nmにおける紫外線透過率(厚み
10μmで)が60%以上で、その密度が0.95〜
0.85g/cm3の範囲にあるものであり、またシー
トの厚みが100μm〜10μmの範囲に制限されるも
のである。従って、樹脂素材の特性及び厚みが上記範囲
内にあれば、無菌接続部25は、上記紫外線照射装置6
1で十分な照射滅菌がなされる一方、無菌接続部25が
容易に破断するおそれがない。
【0031】このように構成された無菌接続部付医療用
容器21は、無菌接続部25の樹脂シートの厚み及びそ
の特性が制限され、また無菌接続部25が平坦な形状を
していることにより、紫外線照射装置61により照射滅
菌することができる。紫外線照射装置61は、γ線照射
装置や電子線照射装置に比べて、設備が極めて簡易且つ
経済的であり、医療用容器1の滅菌ラインの確立も容易
にできる。医療用容器21の使用に際しては、薬剤先ず
容器本体22のクリックチップ23を折り取って開放
し、薬剤収納部の剥離可能なシール部11及び薬剤容器
21の剥離可能なシール部24を外側から開封する。こ
れにより、図5に示す如く、薬剤容器21と容器本体2
は連通し、溶解液3がポンピング等により一部薬剤容器
21側に流入され薬剤22と混合する。完全に混合後、
容器本体2に戻し、排出口4に連通針等を刺針して患者
に混合薬剤を投与する。従って、容器本体22と薬剤収
容部24との間には、滅菌時のガスや過酸化水素水等が
残留しないため、安全に薬液を流通させることができ
る。また、紫外線照射は設備を極めてコンパクト化する
ことができるため、生産ラインでの設置が簡単かつ経済
的にできる。また、連通路の十分な滅菌性も確保でき
る。更に、容器21と薬剤収容部24とは、別室での薬
剤の充填密封が可能であるため、多種類の薬剤を容器本
体2に接続して提供する場合でも、重複した設備を設け
る必要もない。
容器21は、無菌接続部25の樹脂シートの厚み及びそ
の特性が制限され、また無菌接続部25が平坦な形状を
していることにより、紫外線照射装置61により照射滅
菌することができる。紫外線照射装置61は、γ線照射
装置や電子線照射装置に比べて、設備が極めて簡易且つ
経済的であり、医療用容器1の滅菌ラインの確立も容易
にできる。医療用容器21の使用に際しては、薬剤先ず
容器本体22のクリックチップ23を折り取って開放
し、薬剤収納部の剥離可能なシール部11及び薬剤容器
21の剥離可能なシール部24を外側から開封する。こ
れにより、図5に示す如く、薬剤容器21と容器本体2
は連通し、溶解液3がポンピング等により一部薬剤容器
21側に流入され薬剤22と混合する。完全に混合後、
容器本体2に戻し、排出口4に連通針等を刺針して患者
に混合薬剤を投与する。従って、容器本体22と薬剤収
容部24との間には、滅菌時のガスや過酸化水素水等が
残留しないため、安全に薬液を流通させることができ
る。また、紫外線照射は設備を極めてコンパクト化する
ことができるため、生産ラインでの設置が簡単かつ経済
的にできる。また、連通路の十分な滅菌性も確保でき
る。更に、容器21と薬剤収容部24とは、別室での薬
剤の充填密封が可能であるため、多種類の薬剤を容器本
体2に接続して提供する場合でも、重複した設備を設け
る必要もない。
【0032】次に、本発明に係る無菌接続部付医療用容
器の第三実施例を図9〜図11を参照して説明する。図
9に示す如く第三実施例の無菌接続部付医療用容器71
は、可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器本体72に薬
剤6が充填してあり、また他の薬剤容器74が無菌的に
接続される無菌接続部75を有した容器であり、容器本
体72は少なくとも一部に、外側からの開放が可能な密
封シール部73を有し、無菌接続部75は密封シール部
73から更に延在した樹脂端部であり、樹脂端部は、熱
溶着シール可能な可撓性シート壁からなる点は、第一実
施例の医療用容器1とほぼ同様な構成となっている。第
三実施例の医療用容器71が第一実施例の医療用容器と
相違する点は以下の点にある。
器の第三実施例を図9〜図11を参照して説明する。図
9に示す如く第三実施例の無菌接続部付医療用容器71
は、可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器本体72に薬
剤6が充填してあり、また他の薬剤容器74が無菌的に
接続される無菌接続部75を有した容器であり、容器本
体72は少なくとも一部に、外側からの開放が可能な密
封シール部73を有し、無菌接続部75は密封シール部
73から更に延在した樹脂端部であり、樹脂端部は、熱
溶着シール可能な可撓性シート壁からなる点は、第一実
施例の医療用容器1とほぼ同様な構成となっている。第
三実施例の医療用容器71が第一実施例の医療用容器と
相違する点は以下の点にある。
【0033】無菌接続部75は、密封シール部から更に
延在した樹脂端部が熱シールされ、その熱シール部76
と密封シール部73との間に液密な無菌接続室77が形
成され、無菌接続室77は、容器本体72内の薬剤6の
高圧滅菌処理時において滅菌されることである。そし
て、熱シール部76は他の薬剤容器74との接続に際し
て、無菌雰囲気中で開放されるものである。本実施例の
無菌接続部付医療用容器71を更に説明すると、医療用
容器71の容器本体72は、インフレーション成形され
たチューブシートを所定の長さに裁断し、排出口4を取
り付けた状態で一端が熱溶着シールされる。またチュー
ブシートの中間に外側からの剥離可能な密封シール部7
3が形成され、端部シール部72Aと密封シール部73
により薬剤6の充填室が形成され、これにより容器本体
72が成形される。また、密封シール部73より更に延
在した樹脂部分の端部で熱溶着シールがなされ、その熱
シール部76と密封シール部との間に無菌接続室77が
形成される。そして、成形された容器本体72内には排
出口4から薬剤6が充填された後、薬剤6の充填室と共
に、無菌接続室77も高圧蒸気滅菌により滅菌処理さ
れ、無菌接続室77は無菌に維持される。
延在した樹脂端部が熱シールされ、その熱シール部76
と密封シール部73との間に液密な無菌接続室77が形
成され、無菌接続室77は、容器本体72内の薬剤6の
高圧滅菌処理時において滅菌されることである。そし
て、熱シール部76は他の薬剤容器74との接続に際し
て、無菌雰囲気中で開放されるものである。本実施例の
無菌接続部付医療用容器71を更に説明すると、医療用
容器71の容器本体72は、インフレーション成形され
たチューブシートを所定の長さに裁断し、排出口4を取
り付けた状態で一端が熱溶着シールされる。またチュー
ブシートの中間に外側からの剥離可能な密封シール部7
3が形成され、端部シール部72Aと密封シール部73
により薬剤6の充填室が形成され、これにより容器本体
72が成形される。また、密封シール部73より更に延
在した樹脂部分の端部で熱溶着シールがなされ、その熱
シール部76と密封シール部との間に無菌接続室77が
形成される。そして、成形された容器本体72内には排
出口4から薬剤6が充填された後、薬剤6の充填室と共
に、無菌接続室77も高圧蒸気滅菌により滅菌処理さ
れ、無菌接続室77は無菌に維持される。
【0034】無菌接続部付医療用容器71は図10に示
す如く、クリーンボックス81に搬送され、クリーンボ
ックス81内は過酸化水素ガスの雰囲気で満たされる。
また、過酸化水素ガス雰囲気の後段には、無菌エアが導
入された無菌維持室82が配され、医療用容器71の無
菌接続部75は熱シール部76付近でカッテングされ、
無菌接続室77が開放される。そして、図10に示す如
く、他の薬剤容器74も医療用容器71と同様にクリー
ンボック81に搬送される。尚、他の薬剤容器74は医
療用容器71と同様な形状をしている。但し、薬剤容器
74は図11に示す如く医療用容器71より一回り小型
で、充填される薬剤78は薬剤6と混合されるものであ
り、例えば、薬剤6は糖質及び電解質を含む高カロリー
輸液剤であり、薬剤78はアミノ酸製剤である。図11
に示す如く、無菌維持室82で無菌接続部75がカッテ
ングされた開放端部には、薬剤容器74の開放端部が挿
入され、熱溶着シールされ、無菌接続室77は再び他の
薬剤容器74の接続部と連通された状態で無菌に維持さ
れる。このような構成においても、医療用容器71の無
菌接続部75は、他の薬剤容器74と簡単に接続される
構造となっており、薬剤容器同士の無菌的接続が簡単に
できる。
す如く、クリーンボックス81に搬送され、クリーンボ
ックス81内は過酸化水素ガスの雰囲気で満たされる。
また、過酸化水素ガス雰囲気の後段には、無菌エアが導
入された無菌維持室82が配され、医療用容器71の無
菌接続部75は熱シール部76付近でカッテングされ、
無菌接続室77が開放される。そして、図10に示す如
く、他の薬剤容器74も医療用容器71と同様にクリー
ンボック81に搬送される。尚、他の薬剤容器74は医
療用容器71と同様な形状をしている。但し、薬剤容器
74は図11に示す如く医療用容器71より一回り小型
で、充填される薬剤78は薬剤6と混合されるものであ
り、例えば、薬剤6は糖質及び電解質を含む高カロリー
輸液剤であり、薬剤78はアミノ酸製剤である。図11
に示す如く、無菌維持室82で無菌接続部75がカッテ
ングされた開放端部には、薬剤容器74の開放端部が挿
入され、熱溶着シールされ、無菌接続室77は再び他の
薬剤容器74の接続部と連通された状態で無菌に維持さ
れる。このような構成においても、医療用容器71の無
菌接続部75は、他の薬剤容器74と簡単に接続される
構造となっており、薬剤容器同士の無菌的接続が簡単に
できる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の無菌接続部
付医療用容器は、可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器
本体に投与物が充填してあり、また他の薬剤収納容器又
は他の薬剤収納部が無菌的に接続又は連通される無菌接
続部を有した医療用容器にあって、上記容器本体は少な
くとも一部に、外側からの開放が可能な密封シール部を
有し、上記無菌接続部は該密封シール部から更に延在し
た樹脂端部であり、該樹脂端部は、熱溶着シール可能な
可撓性シート壁からなるので、無菌的に収納された一の
薬剤容器と無菌的に収納された他の薬剤容器とを容易に
無菌接続できる。
付医療用容器は、可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器
本体に投与物が充填してあり、また他の薬剤収納容器又
は他の薬剤収納部が無菌的に接続又は連通される無菌接
続部を有した医療用容器にあって、上記容器本体は少な
くとも一部に、外側からの開放が可能な密封シール部を
有し、上記無菌接続部は該密封シール部から更に延在し
た樹脂端部であり、該樹脂端部は、熱溶着シール可能な
可撓性シート壁からなるので、無菌的に収納された一の
薬剤容器と無菌的に収納された他の薬剤容器とを容易に
無菌接続できる。
【図1】本発明に係る無菌接続部付医療用容器の第一実
施例の半断面図である。
施例の半断面図である。
【図2】第一実施例の医療用容器に他の薬剤容器を接続
した半断面図である。
した半断面図である。
【図3】第一実施例の医療用容器の接続部を滅菌する電
子線照射装置の概略図である。
子線照射装置の概略図である。
【図4】第一実施例の医療用容器の使用時の半断面図で
ある。
ある。
【図5】本発明に係る無菌接続部付医療用容器の第二実
施例の半断面図である。
施例の半断面図である。
【図6】第二実施例の医療用容器に他の薬剤容器を接続
した半断面図である。
した半断面図である。
【図7】第二実施例の医療用容器の接続部を滅菌する電
子線照射装置の概略図である。
子線照射装置の概略図である。
【図8】第二実施例の医療用容器の使用時の半断面図で
ある。
ある。
【図9】本発明に係る無菌接続部付医療用容器の第三実
施例の断面図である。
施例の断面図である。
【図10】第三実施例の医療用容器を他の薬剤容器と無
菌接続する際の無菌接続装置の概要図である。
菌接続する際の無菌接続装置の概要図である。
【図11】第三実施例医療用容器に他の薬剤容器を接続
した状態を示す断面図である。
した状態を示す断面図である。
1、21、71 無菌接続部付医療用容器 2、22、72 容器本体 2A 周端シール部 3 剥離可能な密封シール部 4 排出口 5 無菌接続部 6 薬剤 9 熱溶着シール部 10 無菌接続室 11 他の薬剤容器
Claims (9)
- 【請求項1】 可撓性の熱可塑性樹脂壁を有する容器本
体に投与物が充填してあり、また他の薬剤容器又は他の
薬剤収納部が無菌的に接続又は連通される無菌接続部を
有した医療用容器にあって、 上記容器本体は少なくとも一部に、外側からの開放が可
能な密封シール部を有し、上記無菌接続部は該密封シー
ル部から更に延在した樹脂端部であり、該樹脂端部は、
熱溶着シール可能な可撓性シート壁からなることを特徴
とする無菌接続部付医療用容器。 - 【請求項2】 上記外側からの開放可能な密封シール部
が該容器本体の外側から剥離開封可能なピールシール部
であることを特徴とする請求項1記載の無菌接続部付医
療用容器。 - 【請求項3】 上記無菌接続部は、上記可撓性シート壁
内が照射滅菌されている滅菌接続部であることを特徴と
する請求項1又は2記載の無菌接続部付医療用容器。 - 【請求項4】 上記無菌接続部は、上記可撓性シートの
厚みが1600μm〜10μmの範囲にあり、且つ上記
可撓性シート壁内が電子線照射滅菌されている滅菌接続
部であることを特徴とする請求項3記載の無菌接続部付
医療用容器。 - 【請求項5】 上記可撓性シートがポリオレフィン系樹
脂シートからなることを特徴とする請求項4記載の無菌
接続部付医療用容器。 - 【請求項6】 上記無菌接続部は、上記可撓性シートの
厚みが100μm〜10μmの範囲にあり、且つ上記可
撓性シート壁内が紫外線照射滅菌されている滅菌接続部
であることを特徴とする請求項3記載の無菌接続部付医
療用容器。 - 【請求項7】 上記可撓性シートが波長250nmにお
ける紫外線透過率が厚み10μmで60%以上で、その
密度が0.95〜0.85g/cm3の範囲にあるポリ
オレフィン系樹脂シートであることを特徴とする請求項
6記載の無菌接続部付医療用容器。 - 【請求項8】 上記無菌接続部は、上記密封シール部か
ら更に延在した樹脂端部を熱シールされて内部が液密に
され、該内部を上記容器本体の高圧蒸気滅菌と共に滅菌
し、上記樹脂端部の熱シール部は、無菌雰囲気中で開放
されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の無菌
接続部付医療用容器。 - 【請求項9】 上記無菌雰囲気が過酸化水素ガス中であ
ることを特徴とする請求項8記載の無菌接続部付医療用
容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7321161A JPH09135881A (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 無菌接続部付医療用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7321161A JPH09135881A (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 無菌接続部付医療用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09135881A true JPH09135881A (ja) | 1997-05-27 |
Family
ID=18129493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7321161A Pending JPH09135881A (ja) | 1995-11-15 | 1995-11-15 | 無菌接続部付医療用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09135881A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114007850A (zh) * | 2019-07-01 | 2022-02-01 | 美国圣戈班性能塑料公司 | 型材连接件 |
US11878476B2 (en) | 2020-06-19 | 2024-01-23 | Saint-Gobain Performance Plastics Corporation | Composite article and method of forming a composite article |
-
1995
- 1995-11-15 JP JP7321161A patent/JPH09135881A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114007850A (zh) * | 2019-07-01 | 2022-02-01 | 美国圣戈班性能塑料公司 | 型材连接件 |
US11845230B2 (en) | 2019-07-01 | 2023-12-19 | Saint-Gobain Performance Plastics Corporation | Profile connection |
US11904552B2 (en) | 2019-07-01 | 2024-02-20 | Saint-Gobain Performance Plastics Corporation | Profile connection |
US11878476B2 (en) | 2020-06-19 | 2024-01-23 | Saint-Gobain Performance Plastics Corporation | Composite article and method of forming a composite article |
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