JPH11151285A - 医療用容器 - Google Patents

医療用容器

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JPH11151285A
JPH11151285A JP9337811A JP33781197A JPH11151285A JP H11151285 A JPH11151285 A JP H11151285A JP 9337811 A JP9337811 A JP 9337811A JP 33781197 A JP33781197 A JP 33781197A JP H11151285 A JPH11151285 A JP H11151285A
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JP
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moisture
chamber
sheet
barrier sheet
disposed
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JP9337811A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Shichi
宏幸 志知
Takao Yoshida
孝夫 吉田
Tatsuo Suzuki
龍夫 鈴木
Hiroshi Motobayashi
博志 本林
Keinosuke Isono
啓之介 磯野
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Material Engineering Technology Laboratory Inc
Original Assignee
Material Engineering Technology Laboratory Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複室容器等に収容した易変質薬の安全な保存
を行うために、乾燥剤と脱酸素剤との機能を十分に発揮
させることができるように包装した医療用容器を提供。 【構成】 胴部が扁平な可撓性の樹脂壁からなり、上記
胴部の内壁面同士が剥離可能に接着されたシール部が形
成されて、該シール部により内部が二室以上に区分され
てなる医療用容器において、上記各室の少なくとも一の
室に水分及び酸素によって変質又は変色する薬剤成分を
収容し、上記一の室の両面をシートで気密に覆い、上記
一の面に配したシートは水分バリアー性シートで形成さ
れ、且つ上記水分バリアー性シートと上記一の室との間
に乾燥剤を配し、また上記他の面に配したシートはガス
バリアー性シートで形成され、且つガスバリアー性シー
トと上記一の室との間に脱酸素剤を配してなることを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医療用容器に関するも
のであり、より詳細には、長期安定保存のために基液と
水分及び酸素等によって容易に変質、変色する易変質薬
とを異なる室に分けて配した医療用容器に関するもので
ある。特に、乾燥剤の脱湿機能及び脱酸素剤の脱酸素機
能を十分に発揮させて易変質薬を長期間安定に保存する
ことができる医療用容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に保存に際して二以上の薬剤成分を
分けて収容し、使用時に各薬剤成分を無菌的に混合して
投与する構造を有する医療用容器は既に提案されている
(特開昭63−19149号公報、特開平1−2404
69号公報、特開平2−4671号公報)。これらは高
カロリー輸液剤容器に関するものであり、容器の胴壁の
横断方向に内壁同士を剥離可能に熱溶着シールして容器
内を二室に分け、一の室に糖溶液を収容し、他の室にア
ミノ酸溶液を収容したものである。このような輸液容器
では保存時に糖溶液とアミノ酸溶液とが分けて収容され
るため高圧蒸気滅菌の処理中或いは保存中に、薬剤成分
中の糖とアミノ酸とが反応して変質を起こすことがな
い。また、使用時にあっては上記二室を分ける剥離可能
なシール部を外側からの操作によって剥離すれば、各薬
剤成分を無菌的に容易に混合することができる。また、
このような複室容器にあっては一の室に抗生物質、蛋白
質製剤等の凍結乾燥物が収容され、他の室にはその溶解
液が収容されたものが提案されている(特開平4−36
4850号公報、特開平4−364851号公報、特開
平6−14975号公報)。そして、抗生物質などの凍
結乾燥物は水分や酸素を嫌うため、乾燥薬剤の収容室の
みが水分或いはガスバリアー性の包装材で包装されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、脱酸素剤は
全く乾燥した空間ではその機能を十分に発揮しない。脱
酸素剤が機能するには極僅かな水分を必要とする。この
ため、乾燥剤と脱酸素剤とを一緒に密封包装した場合、
脱酸素剤が十分に機能しなくなるおそれがある。従っ
て、本発明は、複室容器等に収容した易変質薬の安全な
保存を行うために、乾燥剤と脱酸素剤との機能を十分に
発揮させることができるように包装した医療用容器を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、胴部が扁平な
可撓性の樹脂壁からなり、上記胴部の内壁面同士が剥離
可能に接着されたシール部が形成されて、該シール部に
より内部が二室以上に区分されてなる医療用容器におい
て、上記各室の少なくとも一の室に水分及び酸素によっ
て変質又は変色する薬剤成分を収容し、上記一の室の両
面をシートで気密に覆い、上記一の面に配したシートは
水分バリアー性シートで形成され、且つ上記水分バリア
ー性シートと上記一の室との間に乾燥剤を配し、また上
記他の面に配したシートはガスバリアー性シートで形成
され、且つガスバリアー性シートと上記一の室との間に
脱酸素剤を配してなることを特徴とする医療用容器を提
供するものである。
【0005】本発明に係る医療用容器は胴部が扁平な可
撓性の樹脂壁からなる。このため容器本体は、インフレ
ーションフィルム、チューブ、シート及びフィルムから
成形したもの、押出成形、射出成形、又はブロー成形し
たものである。医療用容器の樹脂素材としてはポリオレ
フィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニリデン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ
アクリルニトリル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリ
アミド系樹脂等の汎用樹脂である。また樹脂容器は単層
又は多層で形成されていても良い。容器内の薬剤と接触
する最内層は、薬剤に影響を与えない、また溶出物が生
じない樹脂層であることが望ましい。このような樹脂と
しては、ポリオレフィン系樹脂が望ましく、例えば、
低、中、高−密度ポリエチレン、ポリプロピレン等の低
級オレフィン樹脂、環状ポリオレフィン、或いはこれら
の2以上の共重合体等が挙げられる。
【0006】本発明に係る医療用容器の上記胴部の内壁
面同士が剥離可能に接着されたシール部が形成される。
シール部は容器内部を区分して複数室に形成するもので
あり、使用時にシール部が剥離されて各室が連通される
ようになっている。各室を区分するためのシール部は一
部に剥離可能な接着部があり、使用時に連通可能であれ
ば良く、区分をするシール部の全体が剥離可能な接着部
である必要はない。また、かかる区分するためのシール
部は一条に限らず2条以上のシール部が存在していても
良い。剥離可能なシール部の接着は接着剤を介した液密
なシール或いは熱溶着シール等を挙げることができる。
シールの接着剤としては、ケトン系溶媒、エステル系溶
媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭化
水素系溶媒などの溶媒接着剤、或いは変性オレフィン
類、ホットメルト類等の樹脂接着剤を介した密封シール
等がある。また熱溶着シールとしては、ヒートシール、
インパルスシール等の外部加熱による接着、又は超音波
接合、高周波接合等の内部加熱による接着等を挙げるこ
とができる。上記接着領域は剥離可能なシール部であ
る。剥離可能なシール部は通常ピールシール部或いは弱
シール部とも称され、外部から室或いは容器を圧迫し、
内部が一定の昇圧状態にさせたときに剥離することがで
きるシール部、或いは容器外壁のそれぞれを把持して引
っ張ったときに剥離することのできるシール等である。
上記ピールシール部の剥離強度は、室内の圧が0.01
〜1.0Kgf/cm2、特に、0.05〜0.5Kg
f/cm2の昇圧で剥離する強度が望ましい。上記範囲
を下回る強度であれば、製造、運搬、保存時等の隔離状
態を保つための安全性に欠ける。上記範囲を上回る強度
であれば、用時に連通操作を容易にすることができなく
なるおそれがある。
【0007】剥離可能な接着領域を熱溶着により形成す
る場合には、容器本体の最内壁層が異なる樹脂ブレンド
物であることが望ましい。特に、異なる樹脂は熱溶融開
始温度、或いはピカッド軟化点が異なり、相溶性のあま
りない樹脂ブレンド物からなることが望ましい。かかる
ブレンド物層を有することより、ピールシール接着のシ
ール温度条件設定が簡単にできる。ピールシール接着に
求められるシール強度、即ち、使用時の外力による易剥
離性と、保存時に剥離が生じないシール強度との関係を
厳密に設定することができる。内層に相溶性の異なる樹
脂を溶融混合しこれをシート状に成形すると、ミクロ的
に熱接着性の異なる部分に分離した内層表面とすること
ができる。そして、任意の温度におけるそのシートの表
面相互のミクロ的な部分の熱溶融性を決めることによ
り、シール強度の強弱を正確に付け、上記効果を容易に
達成するものである。
【0008】本発明に係る医療用容器の上記各室の少な
くとも一の室に易変質薬が収容される。易変質薬は水分
及び酸素によって容易に変質又は変色するものであり、
抗生物質、生理活性物質、化学薬品類等を挙げることが
できる。尚、他の室には、通常、易変質薬の溶解液、希
釈液、混合液等が高圧蒸気滅菌処理されて滅菌収容され
ている。これらは、蒸留水、電解質溶液、或いは糖やア
ミノ酸等を含む栄養補給溶液等である。
【0009】上記一の室の両面はシートで気密に覆われ
る。シートは通常フィルム等を含み、樹脂製及び金属層
或いはその蒸着層を有するラミネート材でも良い。具体
的には、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリビニルアルコ
ール系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリアクリ
ル酸系樹脂、ポリアミド系樹脂等の熱可塑性の汎用樹脂
をシートに形成したものであり、単層或いは機能を持た
せるために多層シートで形成されていても良い。例え
ば、金属層としてはアルミニウム、マグネシウム、チタ
ン、金、銀等の金属或いはアルミニウム、マグネシウ
ム、ケイ素等の蒸着層等のバリアー層を有したシート等
である。
【0010】上記一の面に配したシートは水分バリア性
シートで形成され、上記水分バリアー性シートと上記一
の室との間には乾燥剤が配される。水分バリアー性シー
トの材料として、実質的に水蒸気を透過しない水分非透
過性材料と水蒸気を透過させ難い水分難透過性材料があ
る。水分難透過性材料はその厚み20μmにおいて、そ
の透湿度が2.6〜0.2g/m2・day(温度:4
0℃、90−0%RH)、特に、1.0〜0.1g/m
2・day(温度:40℃、90−0%RH)の範囲に
あることが望ましい。また、水分非透過性材料は透湿度
が0.1g/m2・day(温度:40℃、90−0%
RH)未満で実質的に水蒸気を透過させないものであ
る。水分難透過性或いは非透過性材料の具体的なものに
は、殆ど、又は全く水分を透過させない非透明性のアル
ミニウム等の金属層、またポリ塩化ビニリデン、ポリテ
トラフロロエチレン、ポリ3フッ化エチレン、塩酸ゴ
ム、ポリエチレン、ポリプロピレン等のように水分バリ
アー性の高い透明性のある樹脂層、更にはアルミニウ
ム、珪素、マグネシウム、チタン、銀、金等の土類金属
若しくは金属、又はその酸化物の蒸着層等を有するもの
である。本発明において用いられる水分バリアー性の材
料の壁における具体的な透湿度は3.00g/m2・d
ay(温度:40℃、90−0%RH)以下、特に、
1.20〜0.0g/m2・day(温度:40℃、9
0−0%RH)、更に、0.50〜0.0g/m2・d
ay(温度:40℃、90−0%RH)の範囲にあるこ
とが望ましい。上記範囲内であれば外界から水蒸気がカ
バー内に浸透しても、浸透の速さが遅いので乾燥剤が長
期間脱湿機能を維持し、更に室内に水分が浸透するのを
防止して易変質薬が変質を起こすおそれがない。乾燥剤
としては、それ自身吸湿性の強い物質であって化学的乾
燥剤でも物理的乾燥剤でも良い。好ましい乾燥剤として
はシリカゲル、活性アルミナ、塩化カルシウム、モレキ
ュラーシーブス等の多孔質構造物等がある。乾燥剤の能
力は特に、空気1L中に残存する水分が5×10-3mg
以下まで乾燥させるものが望ましい。かかる乾燥剤であ
れば絶対湿度を上記範囲まで下げることができる。
【0011】上記他の面に配したシートはガスバリア性
シートで形成され、上記ガスバリアー性シートと上記一
の室との間には脱酸素剤が配される。ガスバリアー性シ
ートの材料としては、実質的に酸素を透過しない酸素非
透過性材料と酸素を透過させ難い酸素難透過性材料があ
る。酸素難透過性材料はその厚みが20μmにおいて、
その透過度が12cc/m2・day・atm(温度:
20℃、100%RH)以下、特に1.2〜0.1cc
/m2・day・atmの範囲にあることが望ましい。
また、酸素非透過性材料は透過度が0.1cc/m2
day・atm未満で実質的に酸素を透過させないもの
である。具体的な酸素難透過性材料及び酸素非透過性材
料としては、壁が殆ど、又は全くガスを透過させないア
ルミニウム等の金属層、またポリ塩化ビニリデン、ポリ
エステル、ナイロン、エチレン−ビニルアルコール共重
合体、フッ素系樹脂等のようにガスバリアー性の高い樹
脂層、又はアルミニウム、珪素、マグネシウム、チタ
ン、銀、金等の土類金属若しくは金属、又はその酸化物
の蒸着層等を有するものである。本発明において用いら
れる酸素バリアー性の材料の壁における具体的な透過度
は1.2cc/m2・day・atm以下、また好まし
くは0.5cc〜0.0cc/m2・day・atmの
範囲にあることが望ましい。脱酸素剤としては、アスコ
ルビン酸、カテコール系化合物を主体とした有機系のも
の、或いは鉄等の金属及びハロゲン化金属からなる粉末
状のものなどがある。具体的には、商品名「エージレ
ス」(三菱瓦斯化学株式会社)やその他のメーカー等か
ら市販されているものである。脱酸素剤としては、酸素
吸収のみ行うもの、酸素を吸収して炭酸ガスを発生する
もの等がある。
【0012】このように構成される本発明に係る医療用
容器にあっては、保存時に上記水分バリアー性シートの
外側から透過した水分、上記一の室内に存在していた微
量水分、及び上記ガスバリアー性シート及び上記一の室
壁の二重壁を透過してくる極微量の水分を上記乾燥剤が
吸収する。また、上記ガスバリアー性シートの外側から
透過した酸素、上記一の室内に存在していた微量酸素、
及び上記水分バリアー性シート及び上記一の室壁の二重
壁を透過してくる極微量の酸素を上記脱酸素剤が吸収す
る。かかる構造において、上述したように上記ガスバリ
アー性シートの外側からも上記極微量の水分が透過す
る。かかる微量な水分は脱酸素剤に作用するため、脱酸
素剤の除脱機能が十分に発揮される。かかる微量水分が
脱酸素剤の機能を助けた後、上述したように上記一の室
壁を透過するが、かかる極微量水分は乾燥剤に速やかに
吸収される。
【0013】本発明に係る請求項1記載の医療用容器
は、請求項1記載の医療用容器において、上記ガスバリ
アー性シートは水分バリアー性シートでもあり、上記水
分バリアー性シートはガスバリアー性シートでもあるこ
とを特徴とする。上記ガスバリアー性シートが水分バリ
アー性シートであれば、上記ガスバリアー性シートの外
側から透過してくる水分の透過速度が小さくなり、上記
一の室内への水分の透過も遅くなり、上記二重壁を透過
してくる極微量の水分を乾燥剤がほぼ完全且つ速やかに
吸収することができる。そして、かかる水分量は極微量
であるため、乾燥剤の機能を長期間維持させ、室内の易
変質薬の失活を十分に防止する。上記水分バリアー性シ
ートがガスバリアー性シートであれば、上記水分バリア
ー性シートの外側から透過してくる酸素の透過速度が小
さくなり、上記一の室内への酸素の透過も遅くなり、上
記二重壁を透過してくる極微量の酸素を脱酸素剤がほぼ
完全且つ速やかに吸収することができる。脱酸素剤の機
能を長期間維持させ、室内の易変質薬の失活を十分に防
止する。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る医療用容器の好ましい実
施例を添付図面を参照しながら詳述する。図1は第一実
施例に係る医療用容器の側断面図である。図2は第一実
施例に係る医療用容器の平面図である。
【0015】第一実施例に係る医療用容器1は、図1及
び図2に示す如く胴部2が可撓性の樹脂壁からなり、胴
部2の内壁面同士が剥離可能に接着されたシール部3が
形成されて、シール条部3により内部が二室4、5に区
分されてなる医療用容器である。医療用容器1は一の室
4に水分及び酸素によって変質又は変色する凍結乾燥物
12を収容し、上記一の室4の両面をシート7、8で気
密に覆い、一の面4Aに配したシート7は水分バリアー
性シートで形成され、且つ水分バリアー性シート7と一
の室4との間に乾燥剤8を配し、また他の面4Bに配し
たシート9はガスバリアー性シートで形成され、ガスバ
リアー性シート9と一の室4との間に脱酸素剤10が配
されてなる。上記ガスバリアー性シート9は水分バリア
ー性シートでもあり、また水分バリアー性シート8は水
分もガスも不透過の水分及びガス非透過性シートであ
る。上記ガスバリアー性シート9はその酸素透過度が
1.0cc/m2・day(温度:20℃、100%R
H)であり、またその透湿度が1.0g/m2・day
(温度:40℃、90−0%RH)である。
【0016】本実施例に係る医療用容器1を更に詳しく
説明すると、医療用容器1の胴部2は壁の厚みが200
μmのインフレーションシートから形成され、その容量
は160mlで、長さが150mmで、幅が80mmで
ある。胴部2の壁は外層と内層との二層に成形され、外
層は厚みが150μmの直鎖状低密度ポリエチレン(密
度:0.935g/cm3、MI:2、融点:121
℃)からなる。内層は厚みが50μmの直鎖状低密度ポ
リエチレン(密度:0.935g/cm3、融点:12
1℃)とポリプロピレン(密度:0.900g/c
3、MI:0.7、融点:165℃)とを2:1の割
合で混合したブレンド物の層からなる。胴部2の壁の透
湿度は2.5〜3.0g/m2・24hr(温度40
℃、0−90%RH差)である。胴部2はそのシートの
裁断端部21、22が固着シールされ、固着シールの際
に排出ポート20が取付られる。固着シールは温度17
0℃の条件でヒートシールされる。排出ポート20は胴
部2内に溶解液11が充填され後ゴム栓を有した栓体で
密封されている。胴部2には胴部2の横断方向に剥離可
能な接着シール条部3が形成され、シール条部3は胴部
2内を二室4、5に区分している。また胴部2の室4に
は凍結乾燥物12が無菌充填されている。シール条部3
は温度140℃でヒートシールされ、そのシール強度が
容器1の内部圧を0.2Kgf/cm2のにした時に剥
離するように形成されている。
【0017】上記一の室4の一の面4Aの外側には矩形
状の水分バリアー性シート7が配され、他の面4Bの外
側には矩形状のガスバリアー性シート9が配されてい
る。水分バリアー性シート7とガスバリアー性シート9
は一の室4を挟んだ状態で互いの周縁に固着シール部1
3が形成されている。固着シール部13は、一の室4を
挟んだ外壁面とも固着シールされ、端部シール部22、
シール条部3及び一の室4の側周縁部に重複して固着シ
ールされている。かかる固着シールは温度130℃でヒ
ートシールされ、固着シール部13は互いの接着面を気
密に保持している。従って、重複するシール条部3はか
かる固着シール条件が低温であるため、剥離機能を失う
ことはない。
【0018】水分バリアー性シート7は内層が厚み70
μmのポリエチレンからなり、中間層が厚み7μmのア
ルミニウム箔層からなり、中間層が厚み15μmのナイ
ロンからなり、及び外層が厚み12μmのポリエステル
からなる多層フィルムである。水分バリアー性シート7
は中間層のアルミニウム箔層の存在により水分及びガス
を実質的に遮断する非透過性及び非透明性のフィルムで
ある。ガスバリアー性シート9は内層が厚み70μmの
ポリエチレンからなり、中間層が厚み15μmのハイバ
リアー性のポリ塩化ビニリデン層からなり、及び外層が
厚み12μmのポリエステルからなる。ガスバリアー性
シート9は中間層のハイバリアー性のポリ塩化ビニリデ
ン層の存在により、酸素透過度が1.0cc/m2・da
y(温度:20℃、100%RH)であり、またその透
湿度が1.0g/m2・day(温度:40℃、90−
0%RH)である。上記水分バリアー性シート7と一の
面4Aとの間には乾燥剤8が配され、上記ガスバリアー
性シート9と他の面4Bとの間には脱酸素剤10が配さ
れている。乾燥剤8はモレキュラーシーブス5gからな
り、脱酸素剤10は炭酸ガス発生型のエージレス(三菱
瓦斯化学社製)が用いられる。
【0019】このように構成される医療用容器1にあっ
ては、その保存時、乾燥剤8は上記一の室4内の水分を
室壁4Aを介して速やかに吸収する。また、ガスバリア
ー性シート9壁及び室壁4Bを透過した極僅かな水分も
速やかに吸収する。このため、一の室4内は常に乾燥状
態に維持され、易変質薬である凍結乾燥物10の失活が
防止される。また、この場合、乾燥剤8は水分を全く透
過させない水分バリアー性シート7に覆われ、シート7
の外側の水分を全く吸収しない。このため、乾燥剤8は
ガスバリアー性シート9の外側から入ってくる水蒸気の
みを吸収するので、少ない量で乾燥機能を長期間維持す
る。更に、ガスバリアー性シート9は水分バリアー性シ
ートでもあるので、外側から侵入する水分は更に少なく
て済む。ガスバリアー性シート9はそのシート9の外側
からの透過酸素及び一の室4内の残存酸素を除脱する。
そして、ガスバリアー性シート9から侵入した水蒸気は
極僅かであるが、ガスバリアー性シート9内の脱酸素剤
10の活性に寄与する。即ち、脱酸素剤10を乾燥剤8
と同一の空間に置くと、乾燥剤8が外界からの極僅かな
水分も吸収し、脱酸素剤10の脱酸素機能を低下させる
が、本実施例のように乾燥剤8と脱酸素剤10を別々の
空間に置くことにより、脱酸素剤10の乾燥することに
より機能低下が極力防止できる。
【0020】このように構成される医療用容器1にあっ
ては、その使用時に、胴部2を外側から押圧すれば、シ
ール条部3が剥離し、一の室4と他の室5とが容易に連
通する。かかる操作により室4、5内の凍結乾燥物12
を溶解液11に無菌的に溶解させることができる。上記
実施例では、胴部をインフレーションシートで成形した
が、シートを二枚重ねて成形しても良く、また押出成形
物、射出成形物、ブロー成形物であっても良い。上記実
施例では、易変質薬に凍結乾燥物12を無菌充填して用
いたが、凍結乾燥物に限らず、水分及び酸素が介在する
ことにより容易に変質する薬剤であれば使用することが
できる。上記実施例では、乾燥剤8が吸収する水分は収
容器11を透過してきた間接的な水分が殆どであること
から、乾燥剤8はその機能を長く維持する。特に、水分
バリア性シート7をアルミニウム加工シートのように非
透湿性のシートとした場合に良い。上記実施例では、医
療用容器1を更に水分及びガスバリアー性のシート又は
フィルムで外包装しても良い。上記実施例では、シール
条部3を一条としたが二条、或いはそれ以上の条を形成
して容器内を区分しても良い。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る医療用
容器は、上記各室の少なくとも一の室に水分及び酸素に
よって変質又は変色する薬剤成分を収容し、上記一の室
の両面をシートで気密に覆い、上記一の面に配したシー
トは水分バリアー性シートで形成され、且つ上記水分バ
リアー性シートと上記一の室との間に乾燥剤を配し、ま
た上記他の面に配したシートはガスバリアー性シートで
形成され、且つガスバリアー性シートと上記一の室との
間に脱酸素剤を配してなるので、複室容器等に収容した
易変質薬の安全な保存を行うために、乾燥剤と脱酸素剤
との機能を十分に発揮させることができるようにするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は第一実施例に係る医療用容器の側断面図
である。
【図2】図2は第一実施例に係る医療用容器の平面図で
ある。
【符号の説明】 1 医療用容器 2 胴部 3 シール条部 4 一の室 5 他の室 6 収容器 7 水分バリアー性シート 8 乾燥剤 9 ガスバリアー性シート 10 脱酸素剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴部が扁平な可撓性の樹脂壁からなり、
    上記胴部の内壁面同士が剥離可能に接着されたシール部
    が形成されて、該シール部により内部が二室以上に区分
    されてなる医療用容器において、上記各室の少なくとも
    一の室に水分及び酸素によって変質又は変色する薬剤成
    分を収容し、上記一の室の両面をシートで気密に覆い、
    上記一の面に配したシートは水分バリアー性シートで形
    成され、且つ上記水分バリアー性シートと上記一の室と
    の間に乾燥剤を配し、また上記他の面に配したシートは
    ガスバリアー性シートで形成され、且つガスバリアー性
    シートと上記一の室との間に脱酸素剤を配してなること
    を特徴とする医療用容器。
  2. 【請求項2】 上記ガスバリアー性シートが水分バリア
    ー性シートでもあり、上記水分バリアー性シートがガス
    バリアー性シートでもあることを特徴とする請求項1記
    載の医療用容器。
  3. 【請求項3】 上記水分バリアー性シートの透湿度が
    3.0g/m2・day(温度:40℃、90−0%R
    H)以下であり、上記ガスバリアー性シートの酸素透過
    度が1.2cc/m2・day(温度:20℃、100%
    RH)以下であることを特徴とする請求項1又は2記載
    の医療用容器。
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