JPH0355285B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱可塑性のプラスチツクを帯材、特
に食料品パツケージのための遮蔽シートに加工す
るための装置であつて、有利には冷却された複数
のカレンダロールを使用し、さらに１対の入口ロ
ールの両軸間の距離が調節可能である形式のもの
に関する。

従来の技術 前記形式の装置によつて、たとえばフイツシユ
テールダイから押出される熱可塑性プラスチツク
は、有利には冷却状態で帯材に圧延される。カレ
ンダロールの数と配置は、製品ごとの基準に従つ
ており、とりわけ入口ロール対の間〓もこの基準
に従つて決められる。

既に公知の装置ではカレンダロールが、プラス
チツクを12mmまでの厚さ及びそれ以上の厚さの帯
材に加工する場合には、製造された帯材の厚さ範
囲は約600μmの下限を下回ることができないとい
う問題点を有している。また均一な厚さの薄いシ
ートを製造することは一般的に知られた問題点で
あり、この問題点を解決するために、特殊な装置
が開発されてきた。

発明が解決しようとする課題 そこで、本発明の課題は少なくとも100μmから
12mmまでの厚さ範囲の帯材を製造できるような冒
頭の形式の装置を提供することである。

課題を解決するための手段 本発明では、上述の課題を解決するために２つ
の入口ロールの一方がアンダーフレームに配置さ
れていて、他方の入口ロールがオーバーフレーム
に配置されていて、該オーバーフレームがキヤリ
ツジを有しており、該キヤリツジがアンダーフレ
ームの滑りガイドに沿つて移動可能であることに
より、オーバーフレームがアンダーフレームに対
して相対的に移動調節可能であり、さらにエアナ
イフを有しており、しかも、１方の運転位置で
は、アンダーフレームの入口ロールに上側の入口
ロールが対応して位置しており、他方の運転位置
では、前記入口ロールにエアナイフが対応して位
置しているようにした。

発明の効果 本発明の装置では、アンダーフレームの入口ロ
ールを、オーバーフレームの入口ロールと、また
はエアナイフと選択的に組み合わせることによつ
て、課題に従つて少なくとも約100μmから12mmま
での厚さ範囲の帯材を製造することができる。

製造の際に、対を成した入口ロールを使用する
ことによつて一般的な形式で約600μmから12mmま
での厚さの帯材を製造することができる一方で、
アンダーフレームの入口ロールにエアナイフを対
応して配置させることによつて100μmから600μm
までの特に薄い帯材を製造することができる。エ
アナイフを使用する場合には、オーバーフレーム
の、使用されていないロールは休止位置にある。

さらに本発明により、オーバーフレームがキヤ
リツジを有していて、該キヤリツジがアンダーフ
レームの滑りガイドに沿つて移動可能であるよう
になつていることによつて、２つの運転位置を特
に簡単に切換えることができる。この切換えは、
アンダーフレーム上の滑りガイドが入口ロールに
対して平行な軸を中心に旋回可能である場合に、
特に簡単に行なわれるようになる。

さらに別の実施態様では、オーバーフレーム
に、第２のカレンダロールが、平行な軸を中心に
旋回可能に支承されている。従つて入口ロールを
対を成して使用する運転位置では、600μmから12
mmまでのすべての厚さの帯材をオーバーフレーム
のロールにより加工することができる。

装置を、押出機のダイに直接接続できるように
した本発明の実施態様では、エアナイフが、揺れ
台に旋回可能に懸架されている。従つてエアナイ
フが押出機のダイの方向に移動せしめられている
位置にあるような、入口ロールを対にして使用す
る運転位置では、エアナイフを帯材の位置する水
平面から遠ざけることもできる。

さらに特に有利には、空気吹付けノズルを有す
るエアナイフを、高さ調節可能に揺れ台上に配設
することもできる。これによつて、帯材の厚さに
よつては、アンダーフレームの入口ロールへの圧
着が、送風機からノズルを通つて吹付けられた空
気によつてのみ行なわれる。このため圧着圧を特
に簡単に調節することができ、しかもロールを対
にして使用する場合よりもより小さな圧着圧を選
択できる。ノズルから吹付けられた空気は、同時
に、帯材を冷却するためにも用いられる。

有利には、アンダーフレームにおいてロールに
接続された複数のカレンダロールが設けられてい
る。従つて、対を成す入口ロールの運転位置にお
いても帯材がオーバーフレームの複数のロールに
より導かれるか、又はアンダーフレームの複数の
ロールにより導かれるかというもう１つの選択が
できる。オーバーフレームのロール組を使用する
場合にも、アンダーフレームのロール組を使用す
る場合にも各々のロールはサイリスタ制御による
直流式駆動モータにより駆動される。このため
に、以下のような２つの駆動形式がある：第一
に、同期運転する場合には、たとえばアンダーフ
レームの入口ロールを駆動することによつて予め
規定された駆動速度が、後続のカレンダロールに
同期して伝達される。この場合入口ロールの駆動
速度が変化すると、同じ値で後続のカレンダロー
ルの速度も変化する。第二に、たとえばアンダー
フレームのロール組のロールを個々に運転する場
合に、同期運転の際と同様に駆動速度が予め決め
られる。付加的にクロム製の各ロールの駆動速度
は、材料の収縮を避けるために、ポテンシヨメー
タを介してそれぞれ変化される。同期制御、単一
制御のどちらにおいても各ロールを止めたり、動
かしたりできる。

実施例 本発明の装置は１つのアンダーフレーム１と１
つのオーバーフレーム２とを有し、該オーバーフ
レームの支え部分はキヤリツジ６として形成され
ている。アンダーフレーム１の上側には滑りガイ
ド７が設けられていて、該滑りガイド７は軸８を
中心にして水平より上方へ旋回せしめられる。

アンダーフレームには入口ロール３と該入口ロ
ール３の後方に配置された複数の冷却カレンダロ
ール１１とが設けられている。アンダーフレーム
１に入口ロール３が配置されているように、オー
バーフレーム２には入口ロール４が配置されてお
り、該入口ロール４にはもう１つのカレンダロー
ル９が接続されている。オーバーフレーム２の入
口に向かう側には揺れ台１０がヒンジ結合されて
おり、該揺れ台１０は下側の端部にエアナイフ５
を支持している。適当な調節装置により、エアナ
イフ５は第１図に示された矢印Ｂの方向に移動せ
しめられ、揺れ台１０は第１図の矢印Ｃの方向に
移動せしめられる。オーバーフレーム２のカレン
ダロール９はアーム１４に支承されており、該ア
ーム１４は矢印Ｄの方向に旋回せしめられる。

第１図に示された、600μmから少なくとも12mm
までの厚さを有する帯材を製造するための運転位
置では、押出機のフイツシユテールダイが接近し
て配設されている。オーバーフレーム１は滑りガ
イド７上の図の右側終端位置へ移動せしめられて
いて該右側終端位置において、オーバーフレーム
のロール９，４の軸と、アンダーフレーム１の入
口ロール３の軸とは、一平面上にある。第１図で
は、揺れ台１０に配設されたエアナイフ５は上側
の位置まで持ち上げられており、従つてエアナイ
フ５はフイツシユテールダイの上方で静止する。
この運転位置で、カレンダ圧延機に相応する装置
は、帯材をオーバーフレーム２の２つのロールを
介して導くか、又はアンダーフレーム１の個々に
接続された複数のロールを介して導くことができ
る。第３図から明らかなように、各々のカレンダ
ロール１１はアンダーフレームに調節可能に支承
されており、アーム１４上に設けられているカレ
ンダロール９も同様にオーバーフレーム２に調節
可能に支承されている。

厚さ100μmから600μmまでの間である極めて薄
い帯材を製造するためには、第１図に示すカレン
ダ圧延機としての装置を使用することはできな
い。薄い帯材を製造するためには、装置は第２図
に示す位置に切換えられ、すなわち、オーバーフ
レーム２全体が滑りガイド７上を左側に移動せし
められる。次いでエアナイフ５が降下され、揺れ
台１０とエアナイフ５とは必要な角度位置まで旋
回せしめられる。エアナイフ５は、有利には送風
機から空気を供給される空気吹付けノズルを有し
ているので、隣接するフイツシユテールダイ１２
から押出された帯材（矢印Ａ）の、空気による圧
着やくせ取りが非常に精密に制御される。同時
に、流出された空気は材料を冷却し、従つて次に
アンダーフレーム１の少なくとも入口ロール３に
巻き付けても、全く障害や困難が生じない。

本発明は遮蔽シートの製造に特に有益である。
このシートは熱可塑性のプラスチツクの複数の層
から成つていて、表面層はたとえばポリスチレン
（PS）、ポリエチレン（PE）、ポリプロピレン
（PP）、エチルビニルアルコール（EVOH）であ
る。シートの層は、遮蔽シートを形成するのに役
立つ。たとえばポリエチレンは水蒸気の流出を妨
げるので、たとえばヨーグルトカツプの中身がパ
サパサしない。エチルビニルアルコールは酸素に
対する遮蔽シートを形成する。そうするとパツキ
ンされた商品には酸素が侵入しないので、商品に
は化学的な変化が起こらない。遮蔽シートの厚さ
と組成は使用目的に応じて大幅に変化するが、品
質上の理由から、シートの厚さが製造上許される
限りの厚さであればカレンダロールを使用するの
が望ましい。遮蔽シートの製造の際には、本発明
により提案された構成によつて、大幅に装置の切
換えを行なうことなく、カレンダロールだけを使
用することもできるし、またシートの厚さが、カ
レンダロールの使用に最低限必要な厚さを下回る
場合には、エアナイフだけを使用することもでき
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は第１の運転位置で使用する本発明の装
置の概略図であり、第２図は第２の運転位置で使
用する本発明の装置の概略図であり、第３図は装
置の調節機能を説明するために開放位置で示す本
発明の装置の概略図である。 １……アンダーフレーム、２……オーバーフレ
ーム、３……入口ロール、４……入口ロール、５
……エアナイフ、６……キヤリツジ、７……滑り
ガイド、８……軸、９……カレンダロール、１０
……揺れ台、１１……カレンダロール、１２……
フイツシユテールダイ、１４……アーム、Ａ……
矢印、Ｂ……矢印、Ｃ……矢印、Ｄ……矢印。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 熱可塑性のプラスチツクを帯材に加工するた
   めの装置であつて、複数のカレンダロールを使用
   し、さらに１対の入口ロールの両軸間の距離が調
   節可能である形式のものにおいて、２つの入口ロ
   ール３，４の一方がアンダーフレーム１に配置さ
   れていて、他方の入口ロールがオーバーフレーム
   ２に配置されており、該オーバーフレーム２がキ
   ヤリツジ６を有しており、該キヤリツジがアンダ
   ーフレーム１の滑りガイド７に沿つて移動可能で
   あることにより、オーバーフレーム２がアンダー
   フレーム１に対して相対的に移動調節可能であ
   り、さらにエアナイフ５を有しており、しかも、
   １方の運転位置では、アンダーフレーム１の入口
   ロール３に上側の入口ロール４が対応して位置し
   ており、他方の運転位置では、前記入口ロール３
   にエアナイフ５が対応して位置していることを特
   徴とする熱可塑性のプラスチツクを帯材に加工す
   る装置。 ２ アンダーフレーム１上の滑りガイド７が入口
   ロール３に対して平行な軸８を中心に旋回可能で
   ある特許請求の範囲第１項記載の熱可塑性のプラ
   スチツクを帯材に加工する装置。 ３ オーバーフレーム２に、第２のカレンダロー
   ル９が平行な軸を中心にして旋回可能に支承され
   ている特許請求の範囲第１項または第２項記載の
   熱可塑性のプラスチツクを帯材に加工する装置。 ４ 前記エアナイフ５が揺れ台１０に旋回可能に
   懸架されている特許請求の範囲第１項から第３項
   までのいずれか１項記載の熱可塑性のプラスチツ
   クを帯材に加工する装置。 ５ 前記エアナイフ５が前記揺れ台１０上に高さ
   調節可能に配設されている特許請求の範囲第４項
   記載の熱可塑性のプラスチツクを帯材に加工する
   装置。