JPH0330620Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、内燃機関の気化器に連結されて気化
器に浄化した空気を供給するためのエアクリーナ
に関し、特にエンジンカツターやチエーンソーの
ような携帯形作業機械に装備されるエアクリーナ
に関する。

従来の技術 従来のこのようなエアクリーナは、例えば、ク
リーナ本体内に円筒状のクリーナエレメントを配
置し、外部空気をクリーナエレメントの外周面に
沿つて円周方向に導入し、この導入した空気をク
リーナエレメントを通して浄化し、円筒状のクリ
ーナエレメントで画成された内部空間内へ導き、
この内部空間内の浄化空気をエルボ等を介して気
化器へ供給するように構成されている。

考案が解決しようとする問題点 このような従来のエアクリーナでは、比較的大
きな塵埃もクリーナエレメントの表面まで容易に
到達して、クリーナエレメントの表面に付着する
ので、クリーナエレメントの目詰りが比較的速
く、クリーナエレメントを頻繁に掃除し又は交換
しなければならず、またクリーナエレメントの円
筒面全周にわたつて空気を均等に通すことができ
なくなり、このためクリーナエレメントの有効利
用を阻害してクリーニング効率を低下させ、更に
は比較的大きな吸気騒音を発するなどの欠点があ
る。

そこで、本考案は従来のエアクリーナの欠点を
取除くと共に簡単で便利な形のエアクリーナを提
供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案による内燃機関の気化器へ浄化した空気
を供給するためのエアクリーナは、上端部を開口
して周壁の一側下部に外気取入口を形成した椀形
のエアクリーナ本体と、該エアクリーナ本体に取
外し可能に取付けられて前記開口部を覆う蓋部材
と、前記エアクリーナ本体内に配置されて空気を
浄化するための筒状のクリーナエレメントと、該
クリーナエレメント中心部の空間内に配置されて
該空間を集塵用くぼみ部としての上部空間及び浄
化空気を偏向流過せしめる下部空間に仕切り前記
エアクリーナ本体の底壁部近くまで凹入する椀形
の仕切部材とを有し、前記上部空間を前記エアク
リーナ本体と前記クリーナエレメントの前記外気
取入口側を覆う内部壁部分及び前記蓋部材の前記
外気取入口側内面から下方へ突出して設けられ外
気を前記くぼみ部へ向け偏向せしめる偏向板によ
り画成された外気取入空間を介して前記外気取入
口に連通させると共に、前記エアクリーナ本体の
内側周と前記クリーナエレメントの外側周との間
に画成された、環状空間に連通させ、前記下部空
間を前記エアクリーナ本体の底壁部から前記気化
器に連通せしめ、前記外気取入口からの外気を前
記外気取入空間、前記くぼみ部、前記環状空間及
び前記クリーナエレメントの順に通して前記下部
空間へ浄化された空気として流入せしめて気化器
へ供給する構成を特徴とする。

作 用 従つて本考案の構成により、エアクリーナ内へ
導入された空気はまず集塵用くぼみ部としての上
部空間において椀形の仕切部材の湾曲面に沿つて
下降しかつ次に上昇するように流れ、この時空気
中の塵埃はその一部が仕切部材の底壁部に落下し
て残留し、比較的大きな塵埃を予め除去された空
気がクリーナエレメントを通つて十分に浄化され
て下部空間へ流れ、この浄化された空気が気化器
へ供給される。

実施例 次に、本考案を図面の実施例に基づいて説明す
る。

第１図は本考案一実施例のエアクリーナを、エ
ンジンカツターに装備した要部断面図である。こ
のエンジンカツターは第１図に示したようにエン
ジンカツター本体１に動力源として内燃機関２を
装架しており、内燃機関２はエンジンカツター本
体１に配設された気化器３に連結されて混合気の
供給を受けるようになつている。エンジンカツタ
ー本体１の上部に本考案によるエアクリーナ４が
取付けられており、エアクリーナ４はエルボ５を
介して気化器３へ連結されていて、浄化した空気
を気化器３へ供給するようになつている。エンジ
ンカツター本体１の先端部に前方へ突出する保持
腕６が取付けられており、その前方端部に配設さ
れたプーリー３５の周囲に駆動ベルト７が走行可
能に支持されている。該駆動ベルト７は、保持腕
６の後方端において図示しない内燃機関２の出力
軸に駆動上連結されており、かつ、保持腕６の前
方端に回転可能に設けられた円板状カツタ８に駆
動上連結されており、内燃機関２の駆動力により
円板状カツタ８を回転駆動してコンクリート等の
材料を切断するようになつている。

エアクリーナ４は、上端部を開口した椀形のエ
アクリーナ本体９を有し、該エアクリーナ本体９
は、その底壁部１０においてエンジンカツター本
体１に固定されている。エアクリーナ本体９の前
記開口部は蓋部材１１によつて閉じられており、
該蓋部材１１はその中央部分を貫通してエアクリ
ーナ本体９の底壁部１０のねじ穴３１に螺合する
通しボルト１２によつてエアクリーナ本体９に固
定されている。

エアクリーナ本体９内に円筒状の濾紙式クリー
ナエレメント１３が配置されている。該クリーナ
エレメント１３はその下面部をエアクリーナ本体
９の底壁部１０にシールパツキン３６を介して支
持されており、かつクリーナエレメント１３の上
面部は、エアクリーナ本体９の円筒状内部空間内
に配置された椀形の仕切部材１４の上縁張出部分
１５との間にシールパツキン３７を介在せしめ
て、蓋部材１１の内面に形成された突起部分１６
を介して蓋部材１１によつて押圧保持されてい
る。仕切部材１４の主体部分３２はくぼみ部３４
を有し、クリーナエレメント１３によつて画成さ
れた内部空間を上部空間１７及び下部空間１８に
分割して、気密に仕切つている。更に、仕切部材
１４はくぼみ部３４の中央部分に直立する支柱部
分１９を形成しており、この支柱部分１９はそれ
に形成された穴に前記通しボルト１２を貫通せし
めることによつてエアクリーナ本体９の底壁部１
０及び蓋部材１１の間に挾持されている。

エアクリーナ本体９の周壁３３の下側の一部に
外気を取入れるための外気取入口２０が形成され
ており、空気取入口２０はそれに近接してエアク
リーナ本体９内で直立しかつ周方向へ円弧状に延
びる内部壁部分２１との間に円弧状の外気取入空
間２２を画成している（第２図参照）。該外気取
入空間２２は第１図に示したようにその上端部に
おいて蓋部材１１及び仕切部材１４の上縁張出部
分１５の一側部の間に画成された流路２３と連通
している。流路２３はその内方端において上部空
間１７即ち仕切部材１４内の空間と連通してい
る。蓋部材１１は流路２３から上部空間１７へ入
る部分に下方へ突出する偏向板２４を一体に形成
しており、流路２３からの空気流を上部空間１７
内のくぼみ部３４に向け下方へ偏向する。第２図
において、流路２３から上部空間１７へ空気を流
す領域は仕切部材１４の上部張出部分１５の内周
縁２５と湾曲した偏向板２４の内側面とで囲まれ
た部分Ａである。仕切部材１４の上部張出部分１
５の内周縁２５と偏向板２４の外側面とで囲まれ
た部分Ｂにおいて、上部空間１７は蓋部材１１
と、仕切部材１４の上部張出部分１５及びクリー
ナエレメント１３の上端部との間の流路２６と連
通しており、該流路２６はエアクリーナ本体９
と、クリーナエレメント１３の外周面との間の環
状空間２７と連通している。該環状空間２７はク
リーナエレメント１３を介して下部空間１８と連
通している。更に、環状空間２７内において、エ
アクリーナ本体９の底壁部１０から直立して空間
２７の中間部分において終端している内部壁部分
２８がエアクリーナ本体９と一体に形成されてお
り、内部壁部分２８はエアクリーナ本体９の周壁
３３の内面との間に上方へ開いたポケツト部分２
９を画成している。内部壁部分２８は第２図に示
すようにその周方向両端部が外気取入口２０側の
内部壁部分２１の両端部に連結するように周方向
に延在している。

エルボ５はその上端部においてエアクリーナ本
体９の底壁部１０に取付けられて下部空間１８内
と連通している。エルボ５の上端部は仕切部材１
４と一体に形成されて下方へ延びる押え部分３０
によつてエアクリーナ本体９の底壁部１０に押圧
保持されている。

外気は、外気取入口２０から空気取入空間２２
へ取入れられて該空間２２内を上方へ流れる。こ
の時、外気と一緒に運ばれてきた比較的重量の重
い、かつ、形状の大きいごみが除去される。さら
に空気は空間２２から流路２３を通つて上部空間
１７のくぼみ部３４内へ下向きに偏向されて流入
する。上部空間１７内へ流入した空気は仕切部材
１４の内側面に沿つて流れ、再び上向きに偏向さ
れて流路２６へ流れる。このように空気が上部空
間１７内を流れる間に、空気中に含まれている比
較的大きな塵埃は仕切部材１４のくぼみ部３４に
残留し、空気流から除去される。更に、空気は流
路２６から環状空間２７へ流入し、環状空間２７
内で空気は下向きに流れると共に椀形のエアクリ
ーナ本体９の周壁３３の内面に沿つて流れる。こ
の時、空気流中の塵埃はその一部がポケツト部分
２９中に落下する。環状空間２７内へ流入した空
気はクリーナエレメント１３の全外周面からそれ
を通過して下部空間１８内へ流入し、空気は最終
的に浄化される。この浄化された空気はエルボ５
を通つて気化器３へ吸引され、燃料と混合されて
混合気を作り、この混合気は内燃機関２へ供給さ
れる。

このようにして、エアクリーナ４内へ導入され
た空気は、クリーナエレメント１３で浄化される
前に、比較的大きな塵埃を上部空間１７及び環状
空間２７内で予め除去され、これら除去された塵
埃は、仕切部材１４のくぼみ部３４及びポケツト
部分２９中にそれぞれ堆積される。これら堆積さ
れた塵埃は、通しボルト１２をゆるめて蓋部材１
１をエアクリーナ本体９から取外すことによつて
容易に排除することができる。

考案の効果 以上説明した本考案の構成により、本考案はエ
アクリーナ内へ取入れられる外気がクリーナエレ
メントを通る前に、少くとも二段階の塵埃除去作
用を受けて、予め比較的大きな塵埃を除去される
ので、クリーナエレメントの早期目詰りを未然に
防止してクリーナエレメントの使用寿命を大幅に
長くし、エアクリーナ内に堆積された塵埃は蓋部
材を取外すことによつて容易に排除することがで
き、またクリーナエレメントの全周面をほぼ均等
に空気浄化に供することができるのでクリーニン
グ効率が高く、かつエアクリーナの構造を小型化
することができかつ吸入行程が長いので吸気騒音
を低下させることができ、更には全体として小形
に形成しても、その内部には各部材の形状の組合
わせにより何度も屈曲する長大な通気路を形成す
ると共に、絞り及び拡張を反復させて消音効果及
び防塵効果を向上することができ、エンジンカツ
ターやチエーンソーなどの作業機械に特に適した
エアクリーナを提供することができるなどの効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はエンジンカツターに装備した本考案に
よる一実施例エアクリーナの要部縦断面図であ
り、第２図は第１図に示したエアクリーナの−
部矢視拡大断面図である。 ２……内燃機関、３……気化器、４……エアク
リーナ、９……エアクリーナ本体、１１……蓋部
材、１３……クリーナエレメント、１４……仕切
部材、２０……外気取入口、３３……周壁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内燃機関の気化器へ浄化した空気を供給するた
   めのエアクリーナにおいて、上端部を開口して周
   壁の一側下部に外気取入口を画成した椀形のエア
   クリーナ本体と、該エアクリーナ本体に取外し可
   能に取付けられて前記開口部を覆う蓋部材と、前
   記エアクリーナ本体内に配置されて空気を浄化す
   るための筒状のクリーナエレメントと、該クリー
   ナエレメント中心部の空間内に配置されて該空間
   を集塵用くぼみ部としての上部空間及び浄化空気
   を偏向流過せしめる下部空間に仕切り前記エアク
   リーナ本体の底壁部近くまで凹入する椀形の仕切
   部材とを有し、前記上部空間を前記エアクリーナ
   本体と前記クリーナエレメントの前記外気取入口
   側を覆う内部壁部分及び前記蓋部材の前記外気取
   入口側内面から下方へ突出して設けられ外気を前
   記くぼみ部へ向け偏向せしめる偏向板により画成
   された外気取入空間を介して前記外気取入口に連
   通させると共に、前記エアクリーナ本体の内側周
   と前記クリーナエレメントの外側周との間に画成
   された環状空間に連通させ、前記下部空間を前記
   エアークリーナ本体の底壁部から前記気化器に連
   通せしめ、前記外気取入口からの外気を前記外気
   取入空間、前記くぼみ部、前記環状空間及び前記
   クリーナエレメントの順に通して前記下部空間へ
   浄化された空気として流入せしめて気化器へ供給
   することを特徴とするエアクリーナ。