JPS6036755Y2 - エンジンの防塵装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ハーベスタ、コンバイン等のように特に塵埃
の発生が多い農業機械におけるエンジンの冷却空気ある
いはエンジン給気のようなエンジン吸入空気の防塵装置
に関する。

従来、この種の農業機械のエンジン吸入空気の防塵装置
としては、外部側方に防塵用金網（一次フィルター）を
設け、二次フィルターの内部に旋回風路を設けたもの、
或いは二重フィルターを小間隔をおいて用いた二重濾過
防塵装置等が知られている。

これらの二重濾過防塵装置の旋回風路を内部に設けたも
のは、網状の一次フィルターによって粗大塵埃を防塵腰
次ぎに海綿状の二次フィルターを通すことにより清浄空
気を得るものであり、又二重フィルターを小間隔におい
て用いたものは外側の金網よりなる一次フィルターの内
部に海綿状の二次フィルターを対設したもので、両者と
も一次フィルターが直接外部に露出して吸風口となって
いるため、作業時には多量の浮遊している塵埃を直接−
次フイルターに付着させてしまうので、詰まりが頻繁に
発生すると共にフィルターに詰まった塵埃はそのままに
放置するとフィルター全面を覆い、空気流量が減少して
エンジンの過熱を生じ、度々集積した塵埃を清掃除去す
る必要があり、作業能率が極めて低下した。

但し、これら外部に露出した一次フィルターは清掃が比
較的しやすいが、二次フィルターは内部にあるので、清
掃がしにくく、これの清掃をするために両フィルター間
を開閉できるようにしたものも提案されたが、極めて塵
埃の多い雰囲気の中で作業する必要のある農業機械にお
いては、まずこれら両フィルターに塵埃の付着をできる
だけ防止することが好ましい。

そこで、本考案はフィルターへの塵埃の付着を極力回避
したものでありながら内部の清掃、特に一次フィルタ一
部分の塵埃除去を可能としたもので、吸引ファンにより
吸引される空気を、開閉自在な防塵カバー内に設けられ
た旋回風路及び一次フィルターを通し、更に吸入ダクト
に設けられた二次フィルターを通して濾過し、エンジン
冷却空気等として供給すると共に、塵埃集積時には上記
防塵カバーを開閉して清掃し得る防塵装置において、上
記防塵カバーは前面を閉塞し、下方−側の吸風口を除く
四方を枠体で囲まれ、上記吸風口とダストポットとを案
内板で仕切って並設して旋回風路を形成すると共に上部
に設けた一次フィルターヲ防塵カバーのフィルター取付
面に対して離脱自在に構成したものである。

以下、図面に示す一実施例に基づき、本考案を具体的に
説明する。

ハーベスタ１は、第１図に示すようにクローラ２によっ
て支持されるフレーム３を有しており、フレーム３には
脱穀装置５及び動力装置６が載置されている。

脱穀装置５は排塵筒７、籾受台１０、籾袋１１を有して
おり、殻稈を脱穀・選別して穀粒を籾袋に詰め込む。

動力装置６にはフレーメ３上に載置されたエンジンカバ
ー１２が設けられ、その上部に燃料タンク１３、側面部
に防塵カバー１５が設けられている。

更に動力装置６は、第２図に示すように、エンジンカバ
−１２内部にエンジン１６を有しており、該エンジン１
６はフレーム３に固設されたクランクケース１７及び該
クランクケース上部に設けられた放熱器１８等から構成
されている。

放熱器１８の一方にはファンケース２０が固設されてお
り、該ファンケース２０の内部にはエンジンによって駆
動されるファン２１が回転自在に支持されている。

また、ファンケース２０とエンジンカバー１２との間に
は排気ダクト２２が該エンジンカバー１２に一端を固定
して設けられており、該エンジンカバー１２には排気ダ
クト２２との接続部に排気口１２ｂが金網２３とともに
設けられている。

一方、エンジンカバー１２の側面に設けられた防塵カバ
ー１５は該エンジンカバー１２と螺番２５によって横方
向に開閉自在に設けられているが、運転中は開閉ノブ２
６によってエンジンカバー１２に第４図に示すように締
結されている。

防塵カバー１５はその内部に、第３図に示すように吸風
口１５ａ、案内板２７、防塵カバー側板１５ｂ及び座板
２８によって形成される旋回風路３０を有しており、旋
回風路３０の途中には金網よりなる一次フィルター３１
がホルダー３２に挿入支持されている。

また、旋回風路３０の末端にはダストポット３３が設け
られており、粗大塵埃を収納貯臓し得るように構成され
ている。

一方、ホルダー３２に連接して放熱器フランジ部１８ａ
に固着された吸入ダクト３４が設けられており、該吸入
ダクト３４と一次フィルター３１の支持ホルダー３２と
の接続部３４ａには、未清浄外気の侵入を防止すべく弾
性体よりなるダストシール３５が設けられている。

吸入ダクト３４には放熱器フランジ部１８ａと適宜な間
隙を置いて海綿状の二次フィルター３６が着脱自在に設
置されており、該二次フィルター３６と一次フィルター
３１との間は塵埃の自由度を保つために適当な間隙Ｃを
設けている。

なお、この間隙Ｃを設けない場合は、一次フィルター３
１と二次フィルター３６とが密着し、目合いの変化する
断面で塵埃の自由度が束縛され、通常ならば通過し得る
微細な塵埃がフィルターに捕捉され異常な閉塞を生じる
ことになるが、このようなフィルターの異常閉塞を防止
するために、一次フィルター３１と二次フィルター３６
とは適当な間隙Ｃを置いて設置する必要があり、少なく
とも５ｍｍ以上の間隙Ｃが必要である。

ここで、一次フィルター３１について更に説明すると、
一次フィルター３１は第５図すに示すように金網３７及
び外囲枠３８より構成されており、ホルダー３２は第５
図ａに示すようにＲ３２ａに一次フィルター３１を矢印
方向に挿入支持し得るような構成を有しつつ座板２８に
固着されている。

本考案は以上のような構成を有するので、ハーベスタ１
のエンジン１６を始動すると、ファン２１が回動し、該
ファン２１の回転により発生する吸引力により外気が吸
入される。

吸入空気は吸風口１５ａ１旋回風路３０、一次フィルタ
ー３１、二次フィルター３６、吸入ダクト３４、放熱器
１８、ファンケース２０、排気ダクト２２、排気口１２
ｂ及び金網２．３を通過して外部に排気されるが、放熱
器１８内を吸入空気が通過するときに熱交換が行なわれ
てエンジン１６を冷却する。

また、吸入外気に混入しているわら塵等の塵埃は、まず
吸風口１５ａから吸入空気と共に吸入され、旋回風路３
０を通過するときに遠心力によって粗大塵埃が分離され
、防塵カバー１５内のダストポット３３に集積される。

粗大塵埃が除去された吸入空気は一次フィルター３１に
より更に中程度の塵埃が除去され、最終的には二次フィ
ルター３６によって微細塵埃を除去することにより清浄
化される。

ここで、一次フィルター３１には、一次フイルター３１
に捕捉された塵埃が徐々に蓄積し、フィルターを閉塞す
るようになるが、この閉塞は通気低抗の最も小さい入口
寄りと塵埃の速度効果の消失する内奥部より生じ、次第
に生成してついには全面を覆うことになる。

このことは二次フィルター３６についても同様であって
、フィルターが閉塞する以前にフィルターを清掃する必
要性が生じる。

そこで、フィルターを清掃するには開閉ノブ２６を操作
して防塵カバー１５を螺番２５を支点にして翼状に開放
する。

すると、ダストシール３５及び二次フィルター３６が露
出するので、二次フィルターを清掃することができる。

なお、該二次フィルター３６を吸入ダクト３４から取外
し、更に清掃することもできる。

次に一次フィルター３１の外囲枠３８を持ってホルダー
３２から第５図の矢印方向に引き出すことにより、一次
フィルター３１は取外すことができ、塵埃の集積した面
を直接清掃することができる。

更に、ダストポット３３の清掃が完了した段階で、再度
−次フイルター３１をホルダー３２に戻し、清浄化した
二次フィルター３６を吸入ダクト３４に設置した後、防
塵カバー１５を閉じて、開閉ノブ２６によってエンジン
カバー１２に防塵カバー１５を固定し、フィルターの清
掃が完了する。

なお、以上は本考案を、一次フィルター３１がホルダー
３２に挿入支持される場合について適用した実施例につ
いて説明したが、これを第６図に示すように、一次フィ
ルター３１を螺番３７によって開閉自在に支持し、一次
フィルター３１の清掃時には該−次フイルター３１を螺
番３７を支点にして開放し、該−次フイルター３１の塵
埃集積面を直接清掃し得るように構成しても良いことは
勿論である。

以上説明したように、本考案によれば、吸引ファン２１
により吸引される空気を、開閉自在な防塵カバー１５内
に設けられた旋回風路３０及び一次フィルター３１を通
し、更に吸入ダクト３４に設けられた二次フィルター３
６を通して濾過し、エンジン冷却空気等として供給する
と共に、塵埃集積時には上記防塵カバー１５を開閉して
清掃し得る防塵装置において、上記防塵カバー１５は前
面を閉塞し、下方−側の吸風口１５ａを除く四方を枠体
で囲まれ、上記吸風口１５ａとダストポット３３とを案
内板２７で仕切って並設して旋回風路３０を形成すると
共に上部に設けた一次フィルター３１を防塵カバー１５
のフィルター取付面に対して離脱自在に構成したもので
あるから、下方の吸風口１５ａより吸入された空気中に
混入している塵埃は、本願特有の旋回風路３０を通過す
る際、遠心力によって予め粗大塵埃を除去され、塵埃の
多い作業環境下においても上方にある一次フィルター３
１には従来のように頻繁に詰まりが発生することがなく
、長時間連続作業を継続できるものでありながら、フィ
ルター３１．３６の清掃手入れの際には、防塵カバー１
５と一次フィルター３１とが一体となって開閉されるの
で、二次フィルター３６の清掃が容易に行えるばかりか
、一次フィルター３１も防塵カバー１５の座板２８から
容易に脱着し得るので、塵埃付着側からの清掃が容易に
出来、清掃回数の減少、整備性及び作業能率の向上を図
ることができる等の実用的諸効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案が適用されているハーベスタを示す側面
図、第２図はその動力装置の断面図、第３図は集塵カバ
ーを示す図であり、ａは正面図、ｂは平面図、第４図は
第２図のＩＶ−ＩＶ断面図の部分拡大図、第５図はホル
ダー及び一次フィルターを示す斜視図、第６図は他の実
施例を示す集塵カバーの平断面図である。 １５・・・・・・防塵カバー、２１・・・・・・ファン
、３０・・・・・・旋回風路、３１・・・・・・一次フ
ィルター ３２・・・・・・ホルダー、３４・・・・・
・吸入ダクト、３６・・・・・・二次フィルター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 吸引ファン２１により吸引される空気を、開閉自在な防
   塵カバー１５内に設けられた旋回風路３０及び一次フィ
   ルター３１を通し、更に吸入ダクト３４に設けられた二
   次フィルター３６を通シて濾過し、エンジン冷却空気等
   として供給すると共に、塵埃集積時には上記防塵カバー
   １５を開閉して清掃し得る防塵装置において、上記防塵
   カバー１５は前面を閉塞し、下方−側の吸風口１５ａを
   除く四方を枠体で囲まれ、上記吸風口１５ａとダストポ
   ット３３とを案内板２７で仕切って並設して旋回風路３
   ０を形成すると共に上部に設けた一次フィルター３１を
   防塵カバー１５のフィルター取付面に対して離脱自在に
   構成したことを特徴とするエンジンの防塵装置。