JPH0215752Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、車輌制動による液面変動に影響され
にくい自動二輪車用燃料タンクの液面検出装置に
関するものである。

従来技術 自動二輪車用燃料タンクは、通常外部に露出
し、前後に細長く形成されかつその横断面形状
は、メインフレームを跨ぐことができるように、
逆Ｕ字状に形成されている。

このような形状の自動二輪車用燃料タンクにお
いて、燃料タンクの前部にフロート枢支部を配設
し、該枢支部に枢支されて後方に延びるレバーの
先端にフロートを支持し、液面高さをレバーの回
転角度により検知するようにしたフロートを用い
た液面検出装置が知られている。（実開昭53−
143919号公報参照） 考案が解決しようとする問題点 自動二輪車用燃料タンクの燃料タンクは前後方
向に細長く、しかも自動二輪車はホイルベース
（前後車輪軸間距離）に対するサスペンシヨンス
トロークが大きいため、制動時車体が著しく前傾
した場合、燃料タンク内の燃料がタンクの前部に
移動しこの前方への波立によりフロートを上方に
押し上げようとする。

このようにフロートに上方への押し上げ力が働
いたとき、前記従来技術においては、フロートに
加わる力がフロートを支持するレバーの回転方向
と同方向すなわちフロートの回転軌跡と順方向で
あるので、フロートはこの波立による押し上げ力
に順応して直ちに上方に移動し、正確な液面検出
ができなかつた。

問題点を解決するための手段および作用 本考案はこのような難点を克服した自動二輪車
用燃料タンクの液面検出装置の改良に係り、前後
に細長く形成された自動二輪車用燃料タンクにお
いて、燃料タンクの底壁を構成する下方板部材の
前後方向の略中央にフロート枢支部が配置され、
該フロート枢支部に車巾方向に指向するように基
軸を前後方向にしてレバーを枢着し、該レバー先
端にフロートを支持させた自動二輪車用燃料タン
クの液面検出装置としたもので、燃料消費により
燃料タンクの液面が下降するにしたがつてフロー
トも下降し、フロートを支持するレバーの回動量
を検知することによりタンク内の液面高さが検出
される。

実施例 以下図面に図示された本考案の一実施例につい
て説明すると、１はパイプよりなるメインフレー
ムで、同メインフレーム１の後部は下方へ向つて
湾曲され、その湾曲部分より後方へサブフレーム
２が二又状に岐出されている。

また前記メインフレーム１およびサブフレーム
２を跨ぐことができかつ前後に細長く形成された
燃料タンク３は、断面形状が大きな逆Ｕ字形状に
プレス成形された上方板部材４と、断面形状が小
さな逆Ｕ字形状にプレス成形された下方板部材５
とよりなり、これらの両接合部４ａ，５ａは略鉛
直面に指向するように湾曲されて、相互にシーム
溶接等で気水密に一体に接合されている。

しかして前記上方板部材４の外周部は燃料注入
口６を除いて平滑な凸状湾曲面に形成されてお
り、同燃料注入口６にキヤツプ７が着脱自在に嵌
着されている。

また燃料タンク３の底壁を構成する前記下方板
部材５の上方中央部には、２段に亘つて窪んだ凹
陥部８が形成され、同凹陥部８の底部に燃料検出
器１２を装入するための開口９が設けられ、前記
凹陥部８の上方から１段目の段部下面８ａにステ
ー１０がスポツト溶接で一体に固着されている。

さらに前記ステー１０には予めボルト１１が貫
通されて、同ステー１０に一体に溶接等で固着さ
れている。

さらにまた前記ステー１０に装着される燃料検
出器１２のベース１３には、前記凹陥部８の上方
から１段目下面８ａにシール材たるＯリング１８
が介装されうる空間が存するように段差１４が形
成されており、前記凹陥部１段目下面８ａと段差
１４の上面とにＯリング１８を介装した後、前記
ベース１３は前記ボルト１１に貫通されてナツト
１９にて前記凹陥部８に気水密に着脱自在に装着
されるようになつている。

しかして前記燃料検出器１２のベース１３の上
面中央にフロート枢支部１５が一体に突設され、
燃料タンク３の左側空間3l内を上下に揺動しうる
ように、同フロート枢支部１５に基軸（枢着軸）
１６ａがタンク３の前後方向に向いて枢着され車
巾方向に指向したレバー１６を介してフロート１
７が上下に揺動し、この揺動角に対応して燃料タ
ンク３内の燃料残量が電気的に検出されるように
なつている。

またメインフレーム１の前方下面に燃料タンク
支持用パイプ２０が突設され、同パイプ２０の両
端を後方から嵌合しうるブラケツト２１が下部板
部材５の前方側面にスポツト溶接等で一体に固着
されている。

さらに燃料タンク３の後部において、下部板部
材５に装着用ベース２２が一体に固着され、同ベ
ース２２には予めステー２２が溶接で一体に固着
され、同ステー２３にボルト挿通孔２４が設けら
れている。

さらにまた２本のサブフレーム２の下面に、第
９図に図示されるような取付けプレート２５が一
体に固着されており、前記ステー２３のボルト挿
通孔２４と取付けプレート２５のボルト挿通孔２
６とにボルト２７が挿通され、その先端にナツト
２８が螺合されるようになつている。

図面に図示された実施例は前記したように構成
されているので、Ｏリング１８を凹陥部１段目下
面８ａに嵌合した後、燃料検出器１２のフロート
１７を燃料タンク３の底壁開口９より同タンク３
の左側空間３ｌ内に挿入し、燃料検出器１２のベ
ース１３のボルト挿入孔２９を、ステー１０と一
体のボルト１１に嵌合し、ナツト１９を螺合緊締
すれば、燃料検出器１２を、燃料タンク３の底壁
の凹陥部８に気水密に装着することができる。

このように燃料タンク３内に燃料検出器１２を
装着した後、燃料タンク３をメインフレーム１の
上方から降し、ブラケツト２１をメインフレーム
１と一体の燃料タンク支持用パイプ２０に係合
し、ステー２３と取付けプレート２５の各孔２
４，２６にボルト２７を嵌挿し、同ボルト２７の
先端にナツト２８を螺合緊締すれば、燃料タンク
３をメインフレーム１およびサブフレーム２に確
固と装着することができる。

また前記したと逆の作業を行なえば、燃料タン
ク３をメインフレーム１およびサブフレーム２よ
り取外すとともに、燃料タンク３から燃料検出器
１２を取外すことができる。

このように前記実施例においては、燃料タンク
３への燃料検出器１２の着脱を容易に行うことが
できる。

そして、フロート枢支部１５が燃料タンク３の
上下中央に位置し、該枢支部１５からフロート１
７を支持したレバー１６が車巾方向に延びタンク
３の一側空間内を上下に揺動するように構成さ
れ、フロート１７も常時タンク３の前後方向略中
央に位置しているので、たとえタンク３内の液面
が制動、加速等によつて前後方向に急激な変動が
あつても比較的その影響を受けることが少ない。

またフロート１７は制動、加速時燃料の波立に
よる力を受けるがフロート１７を支持するレバー
１６は前記配設方向から回動方向の力を受けず、
これと直角方向の力を受けるので波立による上下
動が少なく、フロート１７の移動を最小限に止め
ることができ、液面高さを正確に検出することが
できる。

さらにまた前記燃料タンク３の底壁凹陥部８は
２段に亘つて窪ませるように構成しただけで、燃
料検出器１２の取付け用の座や孔加工を下方板部
材５の逆Ｕ字成形と同時に成形することが可能
で、燃料タンク３の加工性が良い。

しかもステー１０に予めボルト１１を貫通して
固着し、同ステー１０を燃料タンク３の底部凹陥
部８の段部下面８ａに一体に固着したため、燃料
検出器１２のベース１３の着脱が頗る簡単であ
る。

また前記燃料タンク３の底壁凹陥部８は２段に
亘つて窪んだ形状にプレス加工されているため、
その開口９の周辺部は補強、補剛される。

さらに燃料検出器１２を装着するための凹陥部
８および開口９は、燃料タンク３の下方板部材５
の略中央部に形成されるため、燃料タンク３の外
観は、燃料検出器を具備しない従来の燃料タンク
と略同様な形状を呈し、外観の低下は免かれ、ま
た下方板部材５の側面に燃料検出器１２の取付け
のための座や孔加工を必要としないため、下方板
部材５のプレス加工の際に一気に凹陥部８および
開口部９がプレス加工可能となり、生産性が高
く、精度も高い。

さらにまた凹陥部８の一段目の段部下面８ａ
と、ベース１３の下面１３ａと凹陥部８の段差部
外面８ｂとベース１３における段差１４の上面１
４ａとにＯリング１８が囲まれているため、Ｏリ
ング１８が膨潤すると、Ｏリング１８のシール性
がより確実に働くようになり、シール性が向上す
る。

考案の効果 本考案は、前記したようにフロートがタンクの
前後方向略中央に位置しているので、たとえタン
ク内の液面が自動二輪車の制動、加速等によつて
前後方向に急激な変動があつても、比較的その変
動の影響を受けることが少なく、またフロートは
上記制動、加速時、燃料のタンク内の波立による
前後方向の力を受けるが、フロートを支持するレ
バーの回動方向が力を受ける方向と同方向でな
く、直交する方向であるので、波立の影響を受け
ることが少なく、フロートの上下動（移動）を最
小限にとどめることができ、常時液面高さを正確
に検出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る小型車両用燃料タンクの
一実施例を図示した底面図、第２図は第１図の
−線に沿つて截断した縦断面図、第３図は同
−線に沿つて截断した要部拡大横断面図、第４
図は第３図の−線矢視図、第５図は第２図の
−線に沿つて截断した横断面図、第６図は第
２図の後部拡大縦断側面図、第７図および第８図
は第６図の−線、−線矢視図、第９図は
第６図の要部拡大斜視図である。 １……メインフレーム、２……サブフレーム、
３……燃料タンク、４……上方板部材、５……下
方板部材、６……燃料注入口、７……キヤツプ、
８……凹陥部、９……開口、１０……ステー、１
１……ボルト、１２……燃料検出器、１３……ベ
ース、１４……段差、１５……フロート枢支部、
１６……レバー、１６ａ……基軸、１７……フロ
ート、１８……Ｏリング、１９……ナツト、２０
……燃料タンク支持用パイプ、２１……ブラケツ
ト、２２……装着用ベース、２３……ステー、２
４……ボルト挿通孔、２５……取付けプレート、
２６……ボルト挿通孔、２７……ボルト、２８…
…ナツト、２９……ボルト挿入孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後に細長く形成された自動二輪車用燃料タン
   クにおいて、燃料タンクの底壁を構成する下方板
   部材の前後方向の略中央にフロート枢支部が配置
   され、該フロート枢支部に車巾方向に指向するよ
   うに基軸を前後方向にしてレバーを枢着し、該レ
   バー先端にフロートを支持させたことを特徴とす
   る自動二輪車用燃料タンクの液面検出装置。