JP4558988B2 - 自動2輪車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、多目的に利用できる長大なシートを備えた自動2輪車に関する。なお、本願において車体に関する前後・左右・上下の各方向とは、車体の直進走行時並びに進行方向前方を基準にする。
【0002】
【従来の技術】
前後方向へ略直線状に延びる車体フレームを設け、この車体フレーム上に一人乗り又は二人乗り用のシートを配置した自動2輪車は公知である。またアンダーボーン式フレームも公知である。ここで、アンダーボーン式フレームとは、前輪と運転シート前方の間に車体フレームの一部を下方へ凹部をなすように形成し、ヘッドパイプから斜め下がりに車体中心に沿って下方へ延びる一本のパイプ部材等からなるダウン部と、その下端から後方へ略水平に延びるロアー部と、その後端部から斜め上がりに上方へ延びるアップ部とを有する形式である。ロアー部とアップ部は通常左右一対で設けられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、駐車時にシート表面はほとんど使用されないが、このときのシート表面を物品支持用等多目的に利用できれば便利である。しかし、シート表面は曲面に形成され、かつ駐車時のシートは前後又は左右へ傾いているため、物品を載置することは難しく、かつその長さもせいぜい二人で座るに足りるだけ程度のものであり、ヘッドパイプ近傍から後輪に達するような長大なものは存在せず、利用できる面積が限られていた。そこで本願発明は、新規車体構造と長大シートによりこの要請を実現することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願の自動2輪車に係る発明は、アンダーボーン式フレームのヘッドパイプとリヤクッション取付部近傍とを結んで車体後方に延びるシートフレームを有し、該シートフレーム上面にシートフレームの略長さ全体にわたる長さのシートを設けるとともに、
前記フレームは、前記ヘッドパイプから斜め下がり下方へ延びるダウン部と、このダウン部の下端から後方へ延びるロアー部と、このロアー部の後端から斜め上がり上方へ延びて上端が前記シートフレームへ連結するアップ部を備え、これらダウン部、ロアー部、アップ部及びシートフレームでループ状をなしてエンジン配設空間を囲み、
このエンジン配設空間を左右方向からサイドカバーで覆い、
さらに、前記ロアー部の側方に沿ってライディングフロアーを設け、このライディングフロアー後端に連続してピリオンフロアーを設け、これらライディングフロアーとピリオンフロアーの長さの和と前記シートの長さとをほぼ等しくしたことを特徴とする。
【0005】
このとき、前記シートの前端に燃料タンクのキャップを臨ませるように構成することができる。また、サイドカバーを貫通してチェンジペダル軸を設けるようにしてもよい。
【0006】
さらに、アンダーボーン式フレームのダウン部下端付近にメインスタンドを設け、該メインスタンドの接地点から後輪の接地点までの距離とシートの長さをほぼ等しくしてもよい。
【0007】
また、前記ピリオンフロアーを車体へ支持するため、リヤクッションユニットと略平行なフロア支持部材を設けることもできる。
【0008】
【発明の効果】
本願発明によれば、アンダーボーン式フレームを採用することにより、ヘッドパイプとリヤクッション取付部近傍とを結んで車体後方に右水平に延びる長いシートフレームを設けたので、このシートフレーム上面にシートフレームの略長さ全体にわたる長大なシートを設けることができ、小型の自動2輪車にも無理なく配置できる。また、駐車時にシート上面をフラットなスペースとして活用することにより、多目的に利用できる。さらに、車体フレーム側面のループ状部により形成される比較的大きなエンジン収容空間を左右方向からサイドカバーで覆うことにより、外観性を向上させることができる。
【0009】
また、上記長大なシートの長さとフロアー長さ又はメインスタンドと後輪の各接地部間の距離を略揃えたので、自動2輪車を停めた場合に着座位置に関わらずシートをベンチとして活用できる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、一実施例を説明する。各図は、アンダーボーン式フレームを有する小型の自動2輪車に係り、図1はその左側面図、図2はその右斜め後方から示す斜視図、図3はその平面図、図4はハンドル取付部を示す図、図5はシートを取り去って車体内部を斜め上方から示す図である。
【0011】
図1において、前輪1と後輪2の間に前後方向へ長く配置される車体フレームは、アンダーボーン式フレームであり、ヘッドパイプ3から斜め下がりに車体中心に沿って下方へ延びる一本のパイプ部材からなるダウン部4とその下端から左右へ対をなして略直線状に後方へ略平行に延びるロアー部5と、その各後端部から上方へ屈曲し連続して斜め上がりに上方へ延び、上端がヘッドパイプ3の上下方向略中間部まで達するアップ部6を有する。
【0012】
ダウン部4の上方には、略平行に前後方向へ延びるシートフレーム7が設けられる。シートフレーム7は、ロアー部5やアップ部6等よりも比較的細いパイプ部材からなり、その前部はダウン部4の上部へ連結され、中間部はアップ部6の上端へ連結され、それぞれの連結はボルト止めによる。シートフレーム7の後端部は後輪2の中心である車軸2aを越えて後方側まで延びている、なお、ヘッドパイプ3、ダウン部4、ロアー部5、アップ部6及びシートフレーム7により車体フレームを構成し、ロアー部5とアップ部6はその一部としてのメインフレームを構成する。
【0013】
シートフレーム7の上には、長大なシート8が支持される。シート8は通常の二人乗り用シートに比べて著しく長大であり、その前端は、シートフレーム7の前端部より若干後方へずれた位置にあり、後端部はシートフレーム7の後端部まで達する長さL1をなす。シート8の厚さは前後方向全範囲でほぼ一定であり、かつその上面もほぼ平坦に形成され、公共施設に接地されることの多い上面がフラットで、多人数用に長いベンチシートの座部と同様な形状をなしている。
【0014】
ダウン部4、ロアー部5、アップ部6及びシートフレーム7はループ状をなしてエンジン配設空間を囲み、このエンジン配設空間内には前後方向へ長く配置した水平エンジン10が配置され、これらの車体フレームに支持される。エンジン10の上方には気化器11及びエアクリーナ12が配置される。また、ダウン部4とシートフレーム7の接続部近傍には燃料タンク13が配置される。
【0015】
これらエンジン10等の収容される空間は、左右から一対のサイドカバー14で覆われる。サイドカバー14は樹脂又は金属等の適宜材料からなり、その周囲はダウン部4、ロアー部5、アップ部6及びシートフレーム7へボルト止めされる。左右のロアー部5の側方にはそれぞれライディングフロア15が側方へ張り出して設けられる。ライディングフロア15は樹脂又は金属等からなる平板状の部材であり、ロアー部5に沿って略水平かつ直線状に設けられる。
【0016】
ライディングフロア15の後端部はピリオンフロア16へ連続している。ピリオンフロア16はライディングフロア15の延長として一体又は別体で形成され、図示の側面視でライディングフロア15と連続する一直線上に後方へ延び、その後端は後輪2の車軸2aの近傍へ達している。
【0017】
車体左側におけるサイドカバー14の前方下部外側かつライディングフロア15の上側にチェンジペダル17が配置され、その中間部に設けられたチェンジ軸18はサイドカバー14を貫通して、サイドカバー14の内側を前後方向へ配されてミッション部へ接続するチェンジリンク19へ連結されている。
【0018】
ダウン部4の下端部には下方へ突出するスタンドブラケット20を介してメインスタンド21が回動自在に支持される。メインスタンド21は2股状をなし、接地させてスタンドを立てた状態では車体を左右へ傾けずに直立状態で支持できる。メインスタンド21の接地部と後輪2の接地点すなわち後輪車軸2aの略直下位置間の長さL2はほぼシート8の長さL1と同程度である。また、ライディングフロア15及びピリオンフロア16のフロア長さもほぼL2と同程度であるから、やはりシート8の長さL1と同程度になっている。
【0019】
図中の符号22はフロントフォークであり、その上端部をボトムブリッジ23及びトップブリッジ24を介してヘッドパイプ3へ回動自在に支持され、ハンドル25により操向される。26はヘッドライト、27はメーター、28はウインカであり、フロントフォーク22と一体に回動する。
【0020】
30はリヤスイングアームであり、左右一対で設けられ、前端をアップ部6の下部へ揺動自在に連結され、後端部にて後輪車軸2aを介して後輪2を支持する。また、後端部とアップ部6の上端部近傍間にリヤクッションユニット31が配置される。リヤクッションユニット31は後輪2を挟んで左右一対で設けられ、各上端はアップ部6を連結するクロスパイプへ揺動可能に支持されている。符号29はエンジンハンガを支持する揺動リンクである。
【0021】
各リヤクッションユニット31の近傍には略平行にロッド状のフロアステー32が左右一対で設けられ、上端をリヤクッションユニット31の上端前方でアップ部6の上端へボルト止めされている。左右のフロアステー32の下端は、ピリオンフロア16の各後端を支持している。33はテールライト、34はウインカ、35はライセンスステーであり、それぞれシートフレーム7の後端部に支持されている。
【0022】
図2に示すように、ライディングフロア15及びピリオンフロア16の各下方にマフラー36が車体右側に前後方向へ配設されている。この図から明らかなように、ライディングフロア15の左右幅はピリオンフロア16よりも広くなっている。また、ピリオンフロア16より上方の車体後部は、サイドカバー14で覆わない開放空間をなし、この中にバッテリ37が配置されてアップ部6の左右を連結するクロスパイプにバンドで止められている。
【0023】
図3に示すように、シート8は前方側の幅が次第に狭くなる形状をなし、前端部は幅狭部38をなし、その前方に燃料タンク13及びそのキャップ39が配置されている。サイドカバー14はシート8の中間部側方がライディングフロア15の左右幅略一杯に張り出す張り出し部40が設けられ、ここでほぼライディングフロア15とピリオンフロア16の境界となっている。ピリオンフロア16はマフラー36の上方を覆い、同乗者の足をマフラー36から十分に上方へ離すようになっている。
【0024】
図4に示すように、ハンドル25のパイプは左右に分離されており、後方視略V字状をなすように、各パイプの下端部41がクロスパイプ42へ溶接され、このクロスパイプ42の両端がトップブリッジ24上のハンドルステー43へ固定されている。
【0025】
図5に示すように、シートフレーム7は平面視ループ状をなし、前端部は幅狭部44をなし、ここに燃料タンク13が吊り下げ支持される。キャップ39は幅狭部44よりも側面視で若干上方へ突出する程度の高さであり、幅狭部44に囲まれている。45〜47は左右のシート8を連結するクロスパイプであり、リヤクッションユニット31及びフロアステー32の各上端部はクロスパイプ46に設けられた取付部へ連結されている。符号48はライディングフロア15上に設けられた滑り止めストリップである。
【0026】
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例はアンダーボーン式フレームを採用することにより、ヘッドパイプ3とリヤクッション31の取付部近傍とを結んで車体後方に右水平に延びる長いシートフレーム7を設けたので、このシートフレーム7の上面に長大なシート8をシートフレーム7の略長さ全体にわたって設けることができ、小型の自動2輪車にも無理なく配置できる。また、シート8の上面が平坦に形成され、かつ駐車時にシート8の上面が前後・左右に傾かないフラットな状態を維持するため、この部分を物品の載置スペースやベンチのように着座するスペースとして活用することにより、多目的に利用できる。
【0027】
このとき、シート8の前端をヘッドパイプ3よりも若干後方へずらすことにより、その前方へ燃料タンク13のキャップ39を露出させることができ、給油作業を容易に行えるようになっている。
【0028】
さらに、車体フレーム(4,5,6及び7)側面のループにより形成される比較的大きなエンジン収容空間を左右方向からサイドカバー14で覆うことにより、外観性を向上させることができる。このとき、サイドカバー14を貫通してチェンジペダル軸18を設けることにより、サイドカバー外部におけるチェンジペダル17の操作が可能になり、チェンジペダルの配置が簡単になる。
【0029】
また、このような長大なシート8の長さL1とライディングフロア15とピリオンフロア16の長さの和であるフロアーの長さ及びメインスタンド21と後輪2の各接地部間の距離L2をそれぞれ略揃えたので、接地間距離L2の範囲にシート8及びライディングフロア15とピリオンフロア16を位置させることができるので、シート8及びライディングフロア15やピリオンフロア16のどこに乗っても車体を安定させることができる。
【0030】
したがって、メインスタンド21を立てて自動2輪車を駐車したとき、シートをベンチとして活用できる。この場合、ライディングフロア15とピリオンフロア16は乗降時並びに着座時の足乗せ場所として利用する。但し場合によってはライディングフロア15とピリオンフロア16自体もベンチとして使用することもできる。
【0031】
さらに、ピリオンフロア16の後部を支持するフロアステー32をリヤクッションユニット31と略平行に設けたので、長いピリオンフロア16を確実に支持できるとともに、比較的支持に適した部材が存在しない後輪2の近傍部において、外観を損なわずに支持部材を配設できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る自動2輪車全体の左側面図
【図2】上記自動2輪車全体を斜め右後方から示す斜視図
【図3】上記自動2輪車全体の平面図
【図4】ハンドル取付部近傍を拡大して示す図
【図5】シートを取り去ってシートフレーム及び車体内部を示す図
【符号の説明】
1:前輪、2:後輪、3:ヘッドパイプ、4:ダウン部、5:ロアー部、6:アップ部、7:シートフレーム、8:シート、10:エンジン、14:サイドカバー、15:ライディングフロア、16:ピリオンフロア、21:メインスタンド
Claims (5)
- アンダーボーン式フレームのヘッドパイプとリヤクッション取付部近傍とを結んで車体後方に延びるシートフレームを有し、該シートフレーム上面にシートフレームの略長さ全体にわたる長さのシートを設けるとともに、
前記フレームは、前記ヘッドパイプから斜め下がり下方へ延びるダウン部と、このダウン部の下端から後方へ延びるロアー部と、このロアー部の後端から斜め上がり上方へ延びて上端が前記シートフレームへ連結するアップ部を備え、これらダウン部、ロアー部、アップ部及びシートフレームでループ状をなしてエンジン配設空間を囲み、
このエンジン配設空間を左右方向からサイドカバーで覆い、
さらに、前記ロアー部の側方に沿ってライディングフロアーを設け、このライディングフロアー後端に連続してピリオンフロアーを設け、これらライディングフロアーとピリオンフロアーの長さの和と前記シートの長さとをほぼ等しくしたことを特徴とする自動2輪車。 - 前記シートの前端に燃料タンクのキャップを臨ませたことを特徴とする請求項1に記載の自動2輪車。
- 前記サイドカバーを貫通してチェンジペダル軸が設けられていること特徴とする請求項1に記載の自動2輸車。
- 前記ダウン部下端付近にメインスタンドを設け、該メインスタンドの接地点から後輪の接地点までの距離とシートの長さをほぼ等しくしたことを特徴とする請求項1記載の自動2輪車。
- 前記ピリオンフロアーを車体へ支持するため、リヤクッションユニットと略平行なフロア支持部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の自動2輪車。
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