JP3976366B2

JP3976366B2 - 燃料タンク

Info

Publication number: JP3976366B2
Application number: JP02410397A
Authority: JP
Inventors: 洋稲岡; 龍太伊藤; 貞二渡邊; 城士藤浪
Original assignee: Honda Motor Co Ltd
Current assignee: Honda Motor Co Ltd
Priority date: 1997-02-06
Filing date: 1997-02-06
Publication date: 2007-09-19
Anticipated expiration: 2017-02-06
Also published as: US6145691A; JPH10218060A; US5944216A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料タンク、特に、自動２輪車用の燃料タンクなど、外観部品として使用される用途に好適な燃料タンクに関する。
【０００２】
【従来の技術】
特開平６−４７５７２号には、ボデイとボトムを上下合わせにして密閉空間を形成した自動２輪車用燃料タンクの製法が示されており、ボデイとボトムのそれぞれに全周の外向きフランジを形成し、これらの外向きフランジを上下に重ねてレーザー溶接にて結合するようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動２輪車用の燃料タンクは外観部品であることが多いため、上記従来例のような外向きフランジは極力外観されないように設けることが望ましい。しかし、シーム溶接などの圧融接法による溶接やレーザー溶接で結合する場合は、外向きフランジが必須となるが、このような外向きフランジは燃料タンクの外周側へ張り出しているので、この外向きフランジを外観させないようにすることは極めて困難である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本願発明に係る燃料タンクは、ボデイとボトムを上下合わせにして密閉空間を形成した燃料タンクであって、略鞍形状をなし、中央部に上方へ入り込みかつ下方へ開放されたフレーム収容凹部が前後方向へ形成され、そのフレーム収容凹部内を自動２輪車の車体フレームを構成する主フレームパイプが前後方向へ通るようになっている自動２輪車用に構成された燃料タンクにおいて、
ボデイは下向きに開放された開口部を有する容器状をなし、この開口部を囲むボデイの端部を、外面下端部から連続して内側へ折り曲げることにより平面状に形成した全周の接合端部とし、
この平面状の接合端部に前記フレーム収容凹部を形成するボトムの周縁部を下方より重ねて全周で結合するとともに、
前記接合端部の一部が、ボデイの主要外観面下端部から連続して内側へ上向きに折り返された部分に形成され、
前記開口部を囲むボデイの接合端部が、燃料タンクの内側になるように前記ボトムのボトムの周縁部を下方より重ねて全周で結合し、
この結合部が断面で２枚重ね状をなす、
自動２輪車用に構成されたことを特徴とする。
【０００６】
ここで、主要外観面とは使用態様において最も外部から見え易くかつ外観性評価の主体となる面をいい、例えば、自動２輪車用燃料タンクの場合は、上面及び左右両側面がこれに相当することが多い。
【０００７】
さらに、上記いずれの場合についても、ボデイの接合端部とボトムの周縁部との結合部近傍に位置決め手段を設けることができる。
このとき、前記位置決め手段はダボ状の突起とすることができる。さらに前記位置決め手段を燃料タンクの前後方向における位置決めに用いることができる。
【０００８】
さらにまた、上記いずれの場合についても、ボデイの接合端部とボトムの周縁部とをろう接又は融接法による溶接で結合することができる。
【０００９】
【発明の効果】
開口部を囲むボデイの端部を、外面下端部から連続して内側へ折り曲げて平坦面を形成した全周の接合端部とし、これにボデイの下方からボトムの周縁部を押し当てて、ボトムの周縁部をボデイの接合端部に設けられた平坦面と重ねて全周で結合すると、この結合部はボデイの下面側に位置することになり、ほとんど外観されなくなるので、外観性が向上する。
【００１０】
特に、ボデイの接合端部を主要外観面の下端部から連続して内側へ折り曲げさらに上向きに折り返された部分に形成すれば、少なくとも主要外観面部分では、ボデイの接合端部とボトムの周縁部との結合部が主要外観面の内側になって全く外観されなくなるので、自動２輪車用燃料タンクのように上面及び左右両側面が主要外観面となる形式の燃料タンクにおける外観性を向上させる場合に好適となる。また、接合端部をテーパー状にすると位置決めできる。
【００１１】
さらに、ボトムの周縁部とボデイの接合端部との結合部近傍に位置決め手段を設ければ、特別な治具なしにボデイの接合端部とボトムの周縁部を正確に重ね合わせて結合でき、作業性が向上し、かつ組立設備を簡単にできる。
このとき、位置決め手段をダボ状の突起とすることができ、燃料タンクの前後方向における位置決めに用いることができる。
【００１２】
そのうえ、ボデイの接合端部とボトムの周縁部の結合部をろう接又は融接法による溶接で結合すれば、内側へ折り曲げられたボデイの接合端部上にボトムの周縁部を重ね合わせただけで、溶接部を上下から圧接しなくても溶接作業できるので、ボデイの接合端部とボトムの周縁部を容易かつ確実に溶接結合できる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
図１乃至図７に基づいて自動２輪車用燃料タンクとして構成された一実施形態を説明する。図１はこの燃料タンクの前後方向断面（図３の１−１線断面）、図２は外観側面、図３は底面、図４は図２の４−４線相当断面（横断面）、図５は図３の５−５線拡大断面図、図６は同６−６線拡大断面図、図７は同７−７線拡大断面図である。
【００１４】
これらの図において、本例に係る燃料タンクは、ボデイ１とボトム２とを上下合わせに結合したものであり、両部材間に燃料を収容するための密閉空間が形成されている。
【００１５】
図４に明らかなように、この燃料タンクは略鞍形状をなし、中央部に略逆Ｕ字状のフレーム収容凹部３が前後方向へ形成され、その中を自動２輪車の車体フレームを構成する主フレームパイプ４が前後方向へ通っている。
【００１６】
このフレーム収容凹部３の左右両側には、燃料タンクの下部である側部タンク室５が振り分け状に形成され、上部室６と連続している。
【００１７】
ボデイ１は下向きに開放された開口部７を有する容器状をなし（図８参照）、その外面のうち、左右の両側面８と上面９は主要外観面になっている。
【００１８】
また、外面のうち前部１０及び後部１１の各下端部からは連続して接合端部１２が内側（燃料タンクの中央部側をいう、以下同じ）へ向かって略直角に折り曲げられている（図１、５）。
【００１９】
この接合端部１２は、開口部７を囲んで全周に連続して形成され、左右の両側面８では、図４及び図７に示すように、先端が燃料タンクの内側かつ斜め上向きに折り返されたテーパー状になっている。
【００２０】
ボトム２は、下方から開口部７を覆うとともに、フレーム収容凹部３の壁面のほぼ全てを形成するように、頂部１３と立壁部１４が連続して形成され、かつ周縁部１５は接合端部１２と全周で重なるようになっている。
【００２１】
したがって、周縁部１５は、図１，５及び６に示すように、前後及びコーナー部では平面状であり、かつその一部で接合端部１２の先端部近傍にダボ状に突出された位置決め突起１６が形成されている（図１，５）。
【００２２】
また、周縁部１５のうち左右両側部分は、テーパー状をなすボデイ１の左右両側部の接合端部１２に対応して、外開きに斜め下方へ延びるテーパー状になっている（図４，７）。
【００２３】
符号１７は接合端部１２と周縁部１５のろう接部、１８は側部室５の底部であって、左右の両側面８の下端部を内側へ折り曲げた部分のうち接合端部１２を除いた部分である。
【００２４】
この燃料タンクを組み立てるには、ボデイ１に対してボトム２を下側から押し当てる。すると、側部は接合端部１２と周縁部１５がそれぞれ対応するテーパー状の接合部をなすので、左右方向で位置決めされて重なる。
【００２５】
また、前後方向は位置決め突起１６がボデイの接合端部１２の先端部と接触することにより位置決めされるので、結局、接合端部１２と周縁部１５は全周で位置決めされて重なり合い、開口部７はボトム２で覆われる。
【００２６】
この状態で、接合端部１２と周縁部１５の重なり合った部分全周をろう接で溶接する。この場合、ボデイ１とボトム２がそれぞれ鉄製であれば、黄銅系のろう材を用いる等、燃料タンクの材料に応じて適宜ろう材を選択する。
【００２７】
ろう接を採用すると、接合端部を内向きに形成することにより、溶接時に結合部を燃料タンク内側から支持できない構造であっても、問題なく結合できる。
【００２８】
但し、この結合方法としては、ろう接に限らず、アーク溶接やガス溶接等の融接法による溶接が適用でき、さらに接着剤による接着が適用可能である。
【００２９】
このように、ボデイの接合端部１２は燃料タンクの内側へ向かって形成されているため、開口部７の下方からボトム２を取付けた場合、そのボトムの周縁部１５とボデイの接合端部１２との結合部はほとんど外観されなくなる。
【００３０】
特に、燃料タンクの主要外観面をなす左右の両側面８では、接合端部１２が外観面の内側で上向きになっているので、ボトムの周縁部１５との結合部は燃料タンクの内側になって外側から全く見えなくなる。
【００３１】
したがって、燃料タンクの外観性を著しく向上することができ、自動２輪車用燃料タンクなど、外観性部品として使用する用途の燃料タンクに好適となる。
【００３２】
しかも、位置決め手段として、周縁部１５と接合端部１２を各テーパー状部としてテーパー合わせ構造とし、さらに位置決め突起１６を設けたので、特別な治具なしにボデイの接合端部１２とボトムの周縁部１５を正確に重ね合わせて結合でき、作業性が向上し、設備を簡単にできる。
【００３３】
なお、図１に示す符号２０は注入口キャップ、２１はフィラーチューブ、２２はセパレータ、２３はブリーザーチューブ、２４は前部車体取付ステー、２５は小室プレート、２６は燃料コック接続用小室、２７は燃料コック取付用口金、２８は後部車体取付ステーである。
【００３４】
図８は別実施形態を模式的な横断面で示す図であり、Ａは、接合端部１２を上向きにせず全周で内向きに折り曲げただけにしてあり、ボトム２の周縁部１５もこれに対応して全周で平面状になっている。
【００３５】
このようにしても、ボトム２で開口部７を下方から覆うとともに、位置決め突起１６で位置決めしながら接合端部１２とボトムの周縁部１５を全周で重ねて前記適宜方法で結合すれば、結合部を殆ど外観されないようにでき、やはり外観性を向上できる。
【００３６】
Ｂは、ボデイ１における左右両側面８の内側を上下方向へ延びる内壁３０を設けて内外二重壁状とした例であり、内壁３０はボデイ１の主要外観面である左右両側面８の下端部から連続して内側へ折り曲げて底部３１とし、さらにその先端側を上向きに折り返すことにより形成された部分である。
【００３７】
接合端部１２は、この内壁３０の上端部をさらに内側へ折り曲げて形成され、開口部７は内壁３０で形成された深い凹入空間３２内へ下向きに開口し、平板状のボトム２がこの凹入空間３２内へ周囲の内壁３０に位置決めされながら収容され、その周縁部１５が接合端部１２と重なり、ここで結合される。
【００３８】
このようにすれば、接合端部１２が主要外観面である左右の両側面８の下端部よりもずっと上方に位置するので、接合端部１２と周縁部１５の結合部が左右の両側面８の外方から全く外観されなくなり、さらに外観性が向上する。
【００３９】
Ｃは、左右の両側面８の下端部を略水平に内側へ延ばして底部３１とし、その中央部に開口部７を形成したものであり、開口部７を囲む底部３１の周縁部側が段差部３３で階段状にボデイ１内上方へ入り込んで接合端部１２になっている。
【００４０】
段差部３３の底部３１に対する段差の程度は、ボトム２の肉厚程度の寸法であり、ボトム２はこの段差部３３内へ位置決めされながら収容されて周縁部１５が接合端部１２と結合され、やはり結合部が全く外観されなくなる。
【００４１】
なお、本願発明は上記各実施形態に限定されず種々に変形可能であり、例えば、位置決め手段として、接合端部１２と周縁部１５のテーパー合わせ構造、位置決め突起１６又は内壁３０もしくは段差部３３による位置決め構造のうち、いずれか一又は二以上を適宜採用できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】燃料タンクの前後方向断面図（図３の１−１線断面）
【図２】その外観側面図
【図３】その底面図
【図４】図２の４−４線相当断面図（横断面）
【図５】図３の５−５拡大断面図
【図６】同６−６線拡大断面図
【図７】同７−７線拡大断面図
【図８】別実施形態の模式的断面図
【符号の説明】
１：ボデイ、２：ボトム、７：開口部、８：側面部、１２：接合端部、１５：周縁部、１６：位置決め突起

Claims

ボデイとボトムを上下合わせにして密閉空間を形成した燃料タンクであって、略鞍形状をなし、中央部に上方へ入り込みかつ下方へ開放されたフレーム収容凹部が前後方向へ形成され、そのフレーム収容凹部内を自動２輪車の車体フレームを構成する主フレームパイプが前後方向へ通るようになっている自動２輪車用に構成された燃料タンクにおいて、
ボデイは下向きに開放された開口部を有する容器状をなし、この開口部を囲むボデイの端部を、外面下端部から連続して内側へ折り曲げることにより平面状に形成した全周の接合端部とし、
この平面状の接合端部に前記フレーム収容凹部を形成するボトムの周縁部を下方より重ねて全周で結合するとともに、
前記接合端部の一部が、ボデイの主要外観面下端部から連続して内側へ上向きに折り返された部分に形成され、
前記開口部を囲むボデイの接合端部が、燃料タンクの内側になるように前記ボトムのボトムの周縁部を下方より重ねて全周で結合し、
この結合部が断面で２枚重ね状をなす、
自動２輪車用に構成されたことを特徴とする燃料タンク。
ボデイの接合端部とボトムの周縁部との結合部近傍に位置決め手段を設けたことを特徴とする請求項１に記載した燃料タンク。
ボデイの接合端部とボトムの周縁部とをろう接又は融接法による溶接で結合したことを特徴とする請求項１乃至２のいずれかに記載した燃料タンク。
上記請求項１において、前記接合端部の一部は、前記ボデイの主要外観面下端部から連続して内側へテーパー状に折り返されていることを特徴とする燃料タンク。
上記請求項２において、前記位置決め手段はダボ状の突起であることを特徴とする燃料タンク。
上記請求項２において、前記位置決め手段を燃料タンクの前後方向における位置決めに用いたことを特徴とする燃料タンク。