JP3058639B1 - 燃料タンク - Google Patents

燃料タンク

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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)

Abstract

【要約】 【課題】 位置決め孔の形成や位置決め孔を塞ぐ作業を
要することなく、燃料タンクを形成する複数のパネルを
接合できる組立作業性の良い燃料タンクを提供する。 【解決手段】 2つのパネルであるアウターハーフ2と
インナーハーフ3を接合してなる燃料タンク1におい
て、アウターハーフ2とインナーハーフ3の重合部にタ
ンク内配管7,8の出口部7a,8aが係止される係止
部13A,13Bを設ける。アウターハーフ2とインナ
ーハーフ3には、それぞれ相対向する方向に延びて前記
重合部を形成する重合フランジ4,5を設ける。各重合
フランジ4,5には、重合フランジの外縁4e,5eか
ら内方へ延びて前記タンク内配管7,8の出口部7a,
8aが嵌め込まれる係止溝4a,4b,5a,5bを形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として自動二輪
車のような車両に設置される燃料タンクに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】自動二輪
車に設置される燃料タンクとして、車体フレームに跨が
るように配置される形状のものが知られている。一般的
なこのような形状の燃料タンクは、2つのパネル、すな
わち上側のアウターハーフと下側のインナーハーフを接
合して構成される。アウターハーフとインナーハーフの
接合では、図7(A)に示すように、アウターハーフ5
1およびインナーハーフ52にそれぞれ重合フランジ5
3,54を形成し、両重合フランジ53,54に形成さ
れた位置決め孔53a,54aが整合するように両重合
フランジ53,54を図7(B)に示すように重ね合わ
せ、位置決め孔53a,54aに位置決めピンを差し込
んでアウターハーフ51とインナーハーフ52とを位置
決めし、この位置決め状態のもとに両重合フランジ5
3,54の周縁を溶接してアウターハーフ51とインナ
ーハーフ52とを接合し、この後に位置決めピンを抜い
て、位置決め孔53a,54aを溶接やろう付けで塞い
でいる。
【0003】しかし、前記構成の燃料タンクでは、位置
決め孔53a,54aの孔明けや、位置決め孔53a,
54aを溶接やろう付けにより塞ぐ作業に加えて、位置
決めピンの取付け・取外し作業も必要で、工数が多くな
る。
【0004】また、燃料タンク内にブリーザーパイプ等
が配管されるものにおいては、そのタンク内配管の出口
部をインナーハーフの底壁に形成されたパイプ挿通孔に
差し込むようにされており、そのタンク内配管がアウタ
ーハーフからインナーハーフにまたがって溶接またはろ
う付けで接合される構造の場合には、アウターハーフと
インナーハーフを組み合わせる際に、アウターハーフに
接合したタンク内配管をインナーハーフに接合する前
に、この配管の出口部をインナーハーフのパイプ挿通孔
に差し込む作業を行わなければならないので、組合わせ
等に手間がかかり、作業性が低い。
【0005】さらに、前記タンク内配管の出口部は、燃
料タンクを車体に載せたのち、ゴムパイプなどによりタ
ンク外部の所要部分に接続するが、その出口部はインナ
ーハーフの底壁から下方に突出するため、出口部にゴム
パイプなどを装着する作業は、その出口部に手を差し込
みにくいことから、一旦、燃料タンクを車体から持ち上
げて行う必要があり、この点でも手間がかかり、作業性
が低い。また、ゴムパイプなどをタンク内配管の出口部
に装着した後、燃料タンクを車体に固定することになる
ので、このときゴムパイプが折れ曲がるおそれもある。
【0006】なお、タンク内配管の出口部をインナーハ
ーフの底壁ではなく、アウタハーフの後部から突出さ
せ、この後部に設けたブラケットに前記出口部を挿通し
て位置決めを行うことにより、出口部と外部との接続を
容易化したものは、実開昭62−200090号公報に
開示されている。
【0007】本発明は、このような課題を解消し、アウ
ターハーフとインナーハーフを接合するのに、位置決め
孔の形成や位置決め孔を塞ぐ作業が不要で、組立時の作
業性が良い燃料タンクを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の燃料タンクは、
複数のパネルを接合してなるものであって、前記複数の
パネルのうち少なくとも2つのパネルの重合部にタンク
内配管の出口部が係止される係止部が設けられている。
【0009】前記燃料タンクによれば、タンク内配管の
出口部が少なくとも2つのパネルを適正に重合させる位
置決めピンを兼ねることになり、従来例のように前記重
合部に位置決め孔を加工したり、その位置決め孔を溶接
等により塞ぐといった作業が不要になるとともに、位置
決めピンとその取付け・取外し作業も不要になる。
【0010】また、本発明の請求項2に係る燃料タンク
は、請求項1の構成において、前記少なくとも2つのパ
ネルのそれぞれに、前記重合部を形成する重合フランジ
が設けられており、各重合フランジに、重合フランジの
外縁から内方へ延びて前記タンク内配管の出口部が嵌め
込まれる係止溝が形成され、この係止溝によって前記係
止部が形成されている。
【0011】前記燃料タンクによれば、タンク内配管の
出口部を各パネルの重合フランジの係止溝に嵌め込むこ
とにより、この係止溝からなる係止部にタンク内配管の
出口部を容易に係止させることができる。
【0012】また、本発明の請求項3に係る燃料タンク
は、請求項2の構成において、一つのパネルの前記係止
溝に前記タンク内配管の出口部が係止されて仮止めされ
ている。
【0013】前記燃料タンクによれば、一つのパネルの
係止溝にタンク内配管の出口部を係止させて仮止めした
状態で、他のパネルの係止溝を前記出口部に嵌め込むこ
とで、両係止溝に出口部を嵌め込む作業を円滑に行うこ
とができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
燃料タンクを図1ないし図6にしたがって説明する。図
1はこの実施形態の燃料タンクの側面図を示し、図2は
その燃料タンクの底面図を示す。図1において、燃料タ
ンク1は自動二輪車の車体フレームに跨がって設置され
るものであって、上下2つの金属製のパネル、すなわち
上側のアウターハーフ2と下側のインナーハーフ3を接
合して構成される。
【0015】図1におけるIII −III 線断面図を示す図
3のように、アウターハーフ2は、横断面形状がほぼ逆
U字状で、下側が開放された滑らかな凸曲面を有する板
材からなり、その下端周縁には、インナーハーフ3と重
ねて接合される重合フランジ4が形成されている。ま
た、インナーハーフ3は、横断面形状が前記アウターハ
ーフ2の内面にほぼ沿った逆U字状の壁材からなり、そ
の下端周縁には、アウターハーフ2の重合フランジ4に
重ねて接合される重合フランジ5が形成されている。
【0016】図1に示すアウターハーフ2の上壁には、
給油口を形成する口金6が設けられており、この口金6
に図示しないキャップが螺着される。この口金6の下部
には、燃料タンク1内に配管されるブリーザーパイプ7
の一端が溶接またはろう付けにより固定されている。こ
のブリーザーパイプ7は、燃料タンク1内で気化した燃
料を、燃料タンク1の外に排出させて、燃料タンク1内
が過圧にならないようにするためのブリーザー通路を形
成している。
【0017】前記インナーハーフ3の底壁内面の一部P
(図1)には、燃料タンク1内に配管されるリターンパ
イプ8の途中部分が溶接またはろう付けにより固定さ
れ、リターンパイプ8の一端部は燃料タンク1内の上方
に延ばされている。このリターンパイプ8は、燃料タン
ク1のブリーザーパイプ7から排出された気化した燃料
を、液化した後に燃料タンク1に戻すためのパイプであ
る。また、前記インナーハーフ3の前後部外面には、図
2に明示するように、燃料タンク1を車体のメインフレ
ーム15(図6)に取り付けるためのタンク取付ブラケ
ット11,12が溶接により固定されている。
【0018】前記アウターハーフ2の重合フランジ4と
インナーハーフ3の重合フランジ5とが重なる重合部の
うち、後部には前記ブリーザーパイプ7およびリターン
パイプ8の燃料タンク1外に突出する出口部7a,8a
が係止される係止部13A,13Bが設けられている。
これら両係止部13A,13Bは、図5に分解図で示す
ように、アウターハーフ2の重合フランジ4の外縁4e
から内方へ延びるように形成された一対の係止溝4a,
4bと、これら両係止溝4a,4bに対応させてインナ
ーハーフ3の重合フランジ5の外縁5eから内方へ延び
るように形成された一対の係止溝5a,5bとからな
る。両重合フランジ4,5を重合させてアウターハーフ
2とインナーハーフ3とを接合するとき、ブリーザーパ
イプ7の出口部7aが一方の係止部13Aを構成する係
止溝4a,5aに嵌め込まれ、またリターンパイプ8の
出口部8aが他方の係止部13Bを構成する係止溝4
b,5bに嵌め込まれる。図4(A)はその嵌込み状態
を、図1における矢印Aの方向から見た背面図であり、
図4(B)はその嵌込み状態を、図1における矢印Bの
方向から見た下面図である。
【0019】このように、図2に示す両重合フランジ
4,5の重合部の係止部13A,13Bに、ブリーザー
パイプ7およびリターンパイプ8の出口部7a,8aを
係止させて、アウターハーフ2とインナーハーフ3とが
適正に重なるように位置決めした状態で、燃料タンク1
の周縁下部に位置する両重合フランジ4,5の重合部全
周を溶接またはろう付けすることにより、アウターハー
フ2とインナーハーフ3とが接合され、図6に示す中央
下部に自動二輪車の車体のメインフレーム15を跨ぐ凹
部を有する燃料タンク1が構成される。
【0020】なお、前記両重合フランジ4,5の重合部
の係止部13A,13Bに前記両パイプ7,8の出口部
7a,8aを嵌め込む作業では、図5に示すように、ア
ウターハーフ2側に固定されたブリーザーパイプ7の出
口部7aは、アウターハーフ2の重合フランジ4の係止
溝4aに係止されて、溶接またはろう付けで仮止めさ
れ、またインナーハーフ3側に固定されたリターンパイ
プ8の出口部8aは、インナーハーフ3の重合フランジ
5の係止溝5bに係止されて仮止めされた状態で、両出
口部7a,8aに対して、対応する係止溝4b,5aを
スライドさせて、係止溝4b,5aを両出口部7a,8
aに嵌め込む。これにより、前記嵌込み作業を円滑に行
うことができる。この嵌め込みの後、重合フランジ4,
5同志の溶接またはろう付けにより、両出口部7a,8
aも重合フランジ4,5に接合される。
【0021】上記構成の燃料タンク1では、タンク内配
管であるブリーザーパイプ7およびリターンパイプ8の
出口部7a,8aを、アウターハーフ2およびインナー
ハーフ3の両重合フランジ4,5の係止部13A,13
Bに係止させて、両重合フランジ4,5の重合部全周を
溶接またはろう付けにより接合するので、タンク内配管
の出口部7a,8aがアウターハーフ2とインナーハー
フ3を適正に重合させる位置決めピンを兼ねることにな
り、従来例のように前記重合部に位置決め孔を加工した
り、その位置決め孔を溶接やろう付けで塞ぐといった作
業が不要になる。また、位置決めピンが不要になり、そ
の取付けおよび取外し作業も不要になる。
【0022】前記燃料タンク1は、インナーハーフ3側
の前後に設けられたタンク取付フランジ11,12を介
して、図6に示すように、メインフレーム15に締結す
ることにより、自動二輪車の車体に取り付けられる。燃
料タンク1の外部に突出するリターンパイプ8の出口部
8aは、ゴムパイプ16を介して図示しないリターンポ
ンプの出口側に接続され、ブリーザーパイプ7の出口部
7aも、別のゴムパイプを介して図示しないリターンポ
ンプの入口側に接続される。
【0023】前記ゴムパイプ16などによるタンク外配
管作業において、タンク内配管7,8の出口部7a,8
aは、アウターハーフ2とインナーハーフ3との重合部
に係止されており、この重合部は、燃料タンク1の周縁
の下部に位置しているために手を差し込む必要がないの
で、燃料タンク1を車体に固定した状態で、タンク外配
管を行うことができ、作業性が良くなる。また、配管の
折れ曲がりなどの確認も容易である。
【0024】前記実施形態では、燃料タンク1をアウタ
ーハーフ2とインナーハーフ3の2つのパネルを接合し
て形成したが、3つ以上のパネルを接合した燃料タンク
にも本発明を適用できる。その場合、少なくとも2つの
パネルの重合部に、係止溝のような係止部を設けて、こ
の係止部に、ブリーザパイプやリターンパイプのような
タンク内配管の出口部を係止する。
【0025】なお、前記実施形態では、自動二輪車に設
置する燃料タンクの場合について説明したが、四輪車な
どの車両、その他同様な構造のタンクを有するものにつ
いても適用できる。また、タンク内配管としてのパイプ
は、ドレンパイプ等、タンク内に配管されるものであれ
ば用途は問わない。さらに、本数も1本、3本または4
本以上でも前記実施形態と同様に利用できるものであ
る。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明の燃料タンクによ
れば、アウターハーフとインナーハーフを接合してなる
ものにおいて、前記アウターハーフとインナーハーフの
重合部にタンク内配管の出口部が係止される係止部が設
けられているので、タンク内配管の出口部がアウターハ
ーフとインナーハーフを適正に重合させる位置決めピン
を兼ねることになる。したがって、従来例のように前記
重合部に位置決め孔を加工したり、その位置決め孔を溶
接やろう付けで塞ぐといった作業が不要になる。また、
位置決めピンが不要となり、その位置決めピンの取付
け、取外し作業も不要となり、その点からも作業が簡素
化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料タンクの側面図
である。
【図2】同燃料タンクの底面図である。
【図3】図1におけるIII −III 線断面図である。
【図4】(A)は図1のA方向から見た係止部を示す背
面図、(B)は図1のB方向から見た同係止部の下面図
である。
【図5】前記係止部の分解下面図である。
【図6】前記燃料タンクの取付状態を示す側面図であ
る。
【図7】(A)は従来例の要部を分解して示す下面図、
(B)は同要部の接合状態を示す下面図である。
【符号の説明】
1…燃料タンク、2…アウターハーフ(パネル)、3…
インナーハーフ(パネル)、4…アウターハーフの重合
フランジ、5…インナーハーフの重合フランジ、4a,
4b,5a,5b…係止溝、4e,5e…外縁、7…ブ
リーザーパイプ(タンク内配管)、7a…出口部、8…
リターンパイプ(タンク内配管)、8a…出口部、13
A,13B…係止部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62J 35/00 B65D 90/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のパネルを接合してなる燃料タンク
    において、 前記複数のパネルのうち少なくとも2つのパネルの重合
    部にタンク内配管の出口部が係止される係止部が設けら
    れていることを特徴とする燃料タンク。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記少なくとも2つのパネルのそれぞれに、前記重合部
    を形成する重合フランジが設けられており、 各重合フランジに、重合フランジの外縁から内方へ延び
    て前記タンク内配管の出口部が嵌め込まれる係止溝が形
    成され、この係止溝によって前記係止部が形成されてい
    ることを特徴とする燃料タンク。
  3. 【請求項3】 請求項2において、一つのパネルの前記
    係止溝に前記タンク内配管の出口部が係止されて仮止め
    されていることを特徴とする燃料タンク。
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