JP7697472B2 - 液状組成物及び凸部付き基材 - Google Patents
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Description
また、近年、プリント配線板等の電子部品の絶縁部の電気特性、例えば低誘電率性、低誘電正接性を向上させる観点から、電子部品の材料に、テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーを配合する検討が盛んにされている。
特許文献2には、油分の保持機能を備えたパターンを形成するためのレジスト組成物に、テトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーを配合する提案がされている。
本発明者らは、鋭意検討の結果、ベースポリマーである硬化性の芳香族樹脂の選択と、添加されるテトラフルオロエチレン系ポリマーの選択とにより、上記問題を解決し得る点を知見した。本発明の目的は、適度な粘度を有し、例えばレジスト組成物としての使用に好適な液状組成物、及び欠陥の少ない凸部を有する凸部付き基材の提供である。
<1> 溶融温度が160~320℃であるテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーと、カルボキシル基を有し、酸価が150mgKOH/g以下である硬化性の芳香族樹脂とを含有し、粘度が5000~100000mPa・sである、液状組成物。
<2> 前記芳香族樹脂が、カルボキシル基含有フェノール樹脂である、<1>の液状組成物。
<3> 液状分散媒を含有しないか、又は40質量%以下の割合で液状分散媒を含有する、<1>又は<2>の液状組成物。
<4> 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を含み、全単位に対してペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を1.5~5.0モル%含むテトラフルオロエチレン系ポリマーである、<1>~<3>のいずれかの液状組成物。
<5> 前記パウダーが、平均粒子径が0.1~10μmであるパウダーである、<1>~<4>のいずれかの液状組成物。
<6> 前記パウダーが、無機物を含有する複合粒子である、<1>~<5>のいずれかの液状組成物。
<7> さらに、無機フィラーを含有する、<1>~<6>のいずれかの液状組成物。
<8> さらに、酸化ケイ素を含む無機フィラーを含有する、<1>~<7>のいずれかの液状組成物。
<9> 前記芳香族樹脂の含有量が、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの含有量より多い、<1>~<8>のいずれかの液状組成物。
<10> 前記液状組成物が、ネガ型のレジスト組成物である、<1>~<9>のいずれかの液状組成物。
<11> さらに、硬化剤を含有する、<1>~<10>のいずれかの液状組成物。
<12> 前記硬化剤が、アミン、イミダゾール、フェノール及び酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化剤である、<11>の液状組成物。
<13> 前記液状組成物の硬化開始温度が、120~200℃である、<11>又は<12>の液状組成物。
<14> 基材と、前記基材の表面に設けられ、<1>~<13>のいずれかの液状組成物から形成された所定のパターンを有する凸部とを有する、凸部付き基材。
<15> 前記基材が、テトラフルオロエチレン系ポリマーを含むポリマー層と、前記ポリマー層の表面に設けられた金属層とを備え、前記金属層の前記ポリマー層と反対側の表面に前記凸部を有する、<14>の凸部付き基材。
「平均粒子径(D50)」は、レーザー回折・散乱法によって求められる対象物(パウダー又は無機フィラー)の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって対象物の粒度分布を測定し、対象物の粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。
「D90」は、同様にして測定される、対象物の体積基準累積90%径である。
「溶融温度(融点)」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
「ガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
「粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下で液状組成物を測定し求められる値である。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
「チキソ比」とは、液状組成物を回転数が30rpmの条件で測定して求められる粘度η1を回転数が60rpmの条件で測定して求められる粘度η2で除して算出される値(η1/η2)である。
ポリマーにおける「単位」は、モノマーから直接形成された原子団であってもよく、得られたポリマーを所定の方法で処理して、構造の一部が変換された原子団であってもよい。ポリマーに含まれる、モノマーAに基づく単位を、単に「モノマーA単位」とも記す。
すなわち、本組成物は、Fパウダーを含有するにも関わらず、適度な粘度を有し、ハンドリング性に優れている。また、本組成物から形成される成形物(例えば、凸部付き基材の凸部)は、欠陥が少なく、目的とする複雑な形状を有し、Fポリマーの物性を高度に発現できる。その理由は必ずしも明確ではないが、以下の様に考えられる。
また、かかる状態で芳香族樹脂を硬化させるため、Fパウダーは芳香族樹脂のマトリックスに強固に保持される。したがって、本組成物から形成される成形物は、Fパウダーが脱落しにくく欠陥の発生が低減されるとともに、Fパウダーを緻密かつ均質に含みFポリマーに基づく物性を高度に具備したと考えられる。
Fパウダーは、Fポリマーを主成分とするのが好ましい。FパウダーにおけるFポリマーの含有量は、80質量%以上が好ましく、100質量%がより好ましい。
かかる複合粒子は、Fポリマーをコアとし、このコアの表面に、無機物を有するのが好ましい。複合粒子は、例えば、Fポリマーのパウダーと無機物のパウダーとを合着(衝突、凝集等)させて得られる。
Fポリマーは、熱溶融性である。Fポリマーの溶融温度は、160~320℃であり、260~320℃が好ましく、285~320℃がより好ましい。かかるFポリマーを使用すれば、緻密かつ密着性に優れた成形物(凸部)が形成されやすく、成形物が、撥水撥油性にも優れやすい。
Fポリマーのガラス転移点(Tg)は、75~125℃が好ましく、80~100℃がより好ましい。
Fポリマーの溶融粘度は、380℃において1×102~1×106Pa・sが好ましく、1×103~1×106Pa・sがより好ましい。
PAVEとしては、CF2=CFOCF3、CF2=CFOCF2CF3又はCF2=CFOCF2CF2CF3(以下、「PPVE」とも記す。)が好ましく、PPVEがより好ましい。
極性官能基は、Fポリマーが含有する単位に含まれていてもよく、Fポリマー主鎖の末端基に含まれていてもよい。後者のFポリマーとしては、重合開始剤、連鎖移動剤等に由来する末端基として極性官能基を有するポリマーや、プラズマ処理や電離線処理によって調製された、極性官能基を有するポリマーが挙げられる。
水酸基含有基としては、アルコール性水酸基含有基が好ましく、-CF2CH2OH、-C(CF3)2OH及び1,2-グリコール基(-CH(OH)CH2OH)がより好ましい。
カルボニル基含有基としては、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、イソシアネート基、カルバメート基(-OC(O)NH2)、酸無水物残基(-C(O)OC(O)-)、イミド残基(-C(O)NHC(O)-等)及びカーボネート基(-OC(O)O-)が好ましく、酸無水物残基がより好ましい。
また、極性官能基を有するモノマーとしては、無水イタコン酸、無水シトラコン酸及び5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物(以下、「NAH」とも記す。)が好ましい。
ポリマー(1)の具体例としては、国際公開第2018/16644号に記載されるポリマーが挙げられる。
ポリマー(2)におけるPAVE単位の含有量は、全単位に対して、2.1モル%以上が好ましく、2.2モル%以上がより好ましい。
なお、ポリマー(2)が極性官能基を有さないとは、ポリマー主鎖を構成する炭素原子数の1×106個あたり、ポリマーが有する極性官能基の数が、500個未満であることを意味する。上記極性官能基の数は、100個以下が好ましく、50個未満がより好ましい。上記極性官能基の数の下限は、通常、0個である。
フッ素化処理の方法としては、フッ素ガスを使用する方法(特開2019-194314号公報等を参照)が挙げられる。
Fパウダーは、Fポリマー以外の他のポリマーを含んでもよい。他のポリマーとしては、芳香族ポリエステル、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、マレイミドが挙げられる。
かかる芳香族樹脂としては、カルボキシル基含有フェノール樹脂が好ましく、フェノール性水酸基にエピクロロヒドリンを反応させてエポキシ化した多官能フェノール樹脂(例えば、多官能ノボラック型エポキシ樹脂)に、(メタ)アクリル酸を反応させた後、側鎖に存在する水酸基に2塩基酸無水物を付加させたカルボキシル基含有フェノール樹脂がより好ましい。かかるカルボキシル基含有フェノール樹脂は、Fポリマー、特に極性官能基を有するFポリマーと相互作用しやすいため好ましい。
また、かかる芳香族樹脂は、アルカリ現像性が良好であり、目的とする複雑な形状を有する成形物(凸部)を得やすい。
本組成物は、光重合開始剤を含有してもよい。光重合開始剤としては、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルペルオキシドが挙げられる。
かかる硬化剤としては、アミン、イミダゾール、フェノール及び酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種であるのが好ましく、本組成物の安定性と、形成される成形物の接着性及び電気特性とを高める観点から、アミン又はイミダゾールであるのがより好ましい。硬化剤は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本組成物の硬化開始温度が、120~200℃となるように、硬化剤を選択するのが好ましい。なお、「硬化開始温度」とは、示差走査熱量測定(DSC)により確認される、本組成物を加熱した際の最初の熱量の変化点を示す温度である。
アミンの具体例としては、「フジキュアFXR」シリーズ(富士化成工業株式会社製)、「アンカミン」シリーズ又は「サンマイド」シリーズ(いずれもエアープロダクツジャン株式会社製)、jERキュア113(三菱ケミカル株式会社製)、ラロミンC-260(BASF社製)等が挙げられる。
酸無水物としては、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、又はベンゾフェノンテトラカルボン酸が好ましい。
かかる無機フィラーは、窒化物を含むフィラー又は無機酸化物を含むフィラーが好ましく、窒化ホウ素フィラー、ベリリアフィラー(ベリリウムの酸化物のフィラー)、酸化ケイ素を含むフィラー(シリカフィラー、ウォラストナイトフィラー、タルクフィラー等)、又は金属酸化物(酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等)フィラーがより好ましく、酸化ケイ素を含むフィラー(特に、シリカフィラー)がさらに好ましい。酸化ケイ素を含むフィラーを使用すれば、得られる成形物の線膨張係数を充分に低下できる。
無機フィラーがシリカフィラーである場合、無機フィラーにおけるシリカの含有量は、50質量%以上が好ましく、75質量%以上がより好ましい。シリカの含有量は、100質量%以下が好ましい。
無機フィラーの形状は、粒状、針状(繊維状)、板状のいずれであってもよい。無機フィラーの具体的な形状としては、球状、鱗片状、層状、葉片状、杏仁状、柱状、鶏冠状、等軸状、葉状、雲母状、ブロック状、平板状、楔状、ロゼット状、網目状、角柱状が挙げられる。無機フィラーは中空状であってもよく、中空状のフィラーと、非中空状のフィラーとを含んでもよい。
界面活性剤は、ノニオン性であるのが好ましい。
界面活性剤の親水部位は、オキシアルキレン基又はアルコール性水酸基を有するのが好ましい。
界面活性剤の疎水部位は、アセチレン基、ポリシロキサン基、ペルフルオロアルキル基又はペルフルオロアルケニル基を有するのが好ましい。換言すれば、界面活性剤は、アセチレン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤又はフッ素系界面活性剤が好ましく、シリコーン系界面活性剤がより好ましい。
界面活性剤は、グリコール系界面活性剤でもよい。
界面活性剤は、1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。2種の界面活性剤を用いる場合、シリコーン系界面活性剤とグリコール系界面活性剤とを用いるのが好ましい。
他の樹脂は、芳香族性ポリマーが好ましい。この場合、成形物がUV吸収性に優れ、UV加工性に優れやすい。
他の樹脂としては、マレイミド樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド、ポリアミック酸、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、液晶ポリエステル、Fポリマー以外のフルオロポリマーが挙げられる。
Fポリマー以外のフルオロポリマーが粒子として含まれる場合、その粒子のD50は、0.1μm以上が好ましく、0.3μm超がより好ましい。また、F粒子のD50は、25μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましい。
本組成物が、FパウダーとFポリマー以外のフルオロポリマーの粒子を含む場合、その総量に占めるFパウダーの割合は、25質量%以上が好ましく、50質量%超がより好ましい。すなわち、Fポリマー以外のフルオロポリマーの割合は、75質量%以下が好ましく、50質量%未満がより好ましい。
なお、液状分散媒とは、25℃において液体であり、本組成物に含まれる他の成分のいずれとも反応しない不活性な化合物であり、各成分を溶解又は分散する作用を有する化合物である。
液状分散媒の具体例としては、水、セロソルブ系溶媒、エステル系溶媒、プロピレングリコール系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、アミド系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。
本組成物におけるFポリマーの含有量は、1~30質量%が好ましく、10~25質量%がより好ましい。
本組成物における芳香族樹脂の含有量は、20~90質量%が好ましく、30~80質量%がより好ましい。
本組成物が硬化剤を含有する場合、その含有量は、0.01~15質量%が好ましく、0.1~10質量%がより好ましい。
本組成物が無機フィラーを含有する場合、その含有量は、0.1~75質量%が好ましく、1~60質量%がより好ましい。
レジスト組成物は、スクリーン印刷法、バーコート法、ブレードコート法等の塗布方法により、基材の表面に塗布できる。
塗布後、指触乾燥性を得るために、塗膜を乾燥するのが好ましい。この乾燥の条件は、75~95℃で40~70分間とするのが好ましい。
乾燥には、熱風循環式乾燥炉や遠赤外線乾燥炉を使用できる。
乾燥後の塗膜、すなわち乾燥被膜の厚さは、乾燥被膜の現像性が良好になる観点から、10~150μmが好ましく、20~60μmがより好ましい。
露光光源には、ハロゲンランプ、高圧水銀灯、レーザー光、メタルハライドランプ、ブラックランプ、無電極ランプ等を使用できる。露光量としては、積算光量を200mJ/cm2以下とするのが好ましい。
なお、露光マスクを使用することなく、レーザー・ダイレクト・イメージング装置により、乾燥被膜にパターンを形成してもよい。
現像液は、スプレー法、浸漬法等により、露光後の乾燥被膜に付与できる。
現像液には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム等のアルカリを含むアルカリ水溶液を使用するのが好ましく、アルカリを濃度1.5質量%以下で含む希アルカリ水溶液を使用するのがより好ましい。
本組成物によれば、現像液として希アルカリ水溶液を使用できるので、ダメージが少なく、解像性にも優れる乾燥被膜が得られる。
なお、現像後の乾燥被膜は、不要な現像液を除去するために、水洗や酸中和を行うのが好ましい。
次に、得られた現像後の乾燥被膜を紫外線等の活性エネルギー線の照射により硬化(後硬化)させる。なお、液状組成物が上記硬化剤を含有する場合、現像後の乾燥被膜を加熱によっても硬化できる。これにより、密着性及び耐クラック性に優れる硬化被膜(凸部等の成形物)が得られる。
紫外線の照射による硬化の場合、紫外線の照射強度は、500~3000mJ/cm2が好ましく、500~2000mJ/cm2がより好ましい。一方、加熱による硬化の場合、加熱温度は、200℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましく、150℃以下がさらに好ましい。加熱温度は、120℃以上が好ましい。
多層プリント配線板は、絶縁層を介して積層された複数の回路パターンを有している。絶縁層は、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンオキシド、シアネートエステル、ポリイミド、フルオロポリマー等で構成される。また、回路パターンは、メッキ等により形成される金属膜で構成されている。
この多層プリント配線板は、その厚さ方向に貫通する貫通孔又は凹没する凹部を有している。貫通孔又は凹部は、ドリル加工、レーザー加工により形成されている。貫通孔又は凹部の内面には、導電膜が形成されており、所定の回路パターン同士が電気的に接続されている。
かかる貫通孔又は凹部に本組成物が充填され、硬化させると、貫通孔又は凹部が穴埋めできる。
本組成物が硬化剤を含有する場合、貫通孔又は凹部に充填された本組成物を加熱により硬化させるのが好ましい。
本組成物の加熱の条件は、80~160℃で30~180分間、加熱する条件が好ましい。なお、本組成物の硬化におけるアウトガスを抑制する観点からは、本組成物を仮硬化段階および本硬化段階の2段階で硬化させるのが好ましい。
仮硬化の条件としては、80~110℃で30~90分間、加熱する条件が好ましい。この場合、仮硬化後の硬化物は、その硬度が比較的低いので、貫通孔又は凹部からはみ出す不要部分を、研磨、エッチング等により容易に除去できる。この硬化物の硬度は、仮硬化における加熱時間、加熱温度の変更により調整できる。
本組成物から得られた成形物の断面ボイド率は、5%以下が好ましく、3%以下がより好ましい。断面ボイド率の下限は0%である。本組成物は、揮発成分の含有量が少ないため、成形物を成形する際に、ボイドが発生しにくい。
なお、この段階で、成形物の貫通孔又は凹部からはみ出す不要部分を除去して、平坦化してもよい。その後、多層プリント配線板の表面に、メッキ等により金属膜を形成し、所定のパターンにパターニングして回路パターンを形成してもよい。なお、多層プリント配線板の表面には、金属膜の形成に先立って、必要に応じて、過マンガン酸カリウム水溶液等による粗化処理を行ってもよい。
かかるドライフィルムは、キャリアフィルム上に、本組成物を塗布、乾燥して、乾燥被膜としての樹脂膜を形成することにより作製できる。ドライフィルムには、必要に応じて、保護フィルムを積層してもよい。
キャリアフィルムとは、ドライフィルムを支持する機能を有するフィルムである。かかるキャリアフィルムとしては、例えば、ポリオレフィンフィルム、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリスチレンフィルム、表面処理した紙基材が挙げられる。中でも、耐熱性、機械的強度、取扱性等の観点から、ポリエステルフィルムが好ましい。
キャリアフィルムの厚さは、10~150μmであるのが好ましい。なお、キャリアフィルムの表面には、離型処理を施してもよい。
保護フィルムには、例えば、上記キャリアフィルムで挙げたのと同じフィルムや紙基材が用いられる。中でも、ポリオレフィンフィルム又はポリエステルフィルムが好ましい。
保護フィルムの厚さは、10~150μmであるのが好ましい。なお、保護フィルムの表面には、離型処理を施してもよい。
まず、ドライフィルムからキャリアフィルム及び保護フィルムのいずれか一方を剥離する。本組成物が硬化剤を含有する場合、次に、回路パターンが形成された回路基板に圧着した後、熱硬化させる。熱硬化には、オーブン、熱プレス機等を使用できる。その後、回路基板の所定の箇所に、レーザー加工またはドリル加工で貫通孔(ビアホール)を形成し、回路パターンを露出させる。これにより、プリント配線板が得られる。なお、回路パターン上に除去しきれず不要成分(スミア)が残留した場合には、デスミア処理を行うのが好ましい。
キャリアフィルム及び保護フィルムの他方は、所定の段階で、ドライフィルムから剥離される。なお、回路パターン同士の電気的な接続には、貫通孔の内面に形成された導電膜、貫通孔内に収納されたピラーやポストを使用できる。
基材には、基材I:基板上に画素電極、スイッチング素子及び配線が形成されたアクティブマトリックス基板、基材II:ポリマーフィルムと金属層とが積層された積層板等を使用できる。
基材Iの場合、凸部は、例えば、画素電極を露出させるようにアクティブマトリックス基板の表面に枠体として設けられる。この場合、凸部で区画される空間内に、有機EL層(電子輸送層、発光層、正孔輸送層等)、電気泳動粒子を含有する電気泳動分散液を配置し、共通電極等を備える対向基板をアクティブマトリックス基板に対向配置すれば、表示装置(電子デバイス)を作製できる。
また、本凸部付き基材における凸部は、撥水撥油性に優れ、かつ欠陥が少ないため、有機EL層を形成するインクや電気泳動分散液が凸部に付着しにくく、表示性能に優れる表示装置が得られる。また、凸部は、電気特性(低誘電率性)にも優れるため、表示装置において寄生容量が生じにくく、スイッチング特性の低下も防止できる。
支持層は、耐熱性樹脂フィルム、繊維強化樹脂板の前駆体であるプリプレグ、耐熱性樹脂層を有するフィルム、プリプレグ層を有するフィルムで構成できる。
なお、プリプレグは、ガラス繊維、炭素繊維等の強化繊維の繊維基材(トウ、織布等)に熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含浸させたシート状の基板である。
ポリマー層は、上記の耐熱性樹脂を含むのが好ましく、Fポリマーを含むのがより好ましく、上述のポリマー(1)又はポリマー(2)を含むのがさらに好ましい。かかる場合、基材が低誘電正接性に優れやすい。
ポリマー層が、上述のポリマー(1)又はポリマー(2)を含む場合、本組成物中のFポリマーも、ポリマー(1)又はポリマー(2)であるのが好ましい。かかる場合、本凸部と基材とが強固に接着しやすい。
Fポリマーを含むポリマー層は、Fポリマーのパウダーと液状分散媒とを含むパウダー分散液を基材に塗布、加熱して得てもよい。この場合、基材を剥離すればFポリマーを含む単層フィルムが得られ、基材として上記支持層を構成するフィルムを使用し、基材を剥離しなければ、積層フィルムが得られる。
基材IIとしての積層板は、ポリマーフィルムと金属箔とを熱圧着して作製できる。
金属箔の材質としては、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、ニッケル合金(42合金も含む。)、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金等が挙げられる。
金属箔は、銅箔が好ましく、圧延銅箔又は電解銅箔がより好ましい。
基材IIの表面の十点平均粗さは、0.01~0.05μmが好ましい。この場合、本凸部付き基材が低伝送損失性に優れやすい。
基材IIの表面は、シランカップリング剤により表面処理されていてもよく、プラズマ処理されていてもよい。この場合、凸部が基材に強固に接着した本凸部付き基材を得やすい。
金属層は、所定のパターンを有していてもよい。金属層がパターン回路である場合、金属層の表面(金属層のポリマー層と反対側の表面)に、本組成物を塗布した後、乾燥、露光及び現像すれば、パターン回路上に、所定のパターンを有する凸部が形成され、本凸部付き基材が得られる。パターン回路のパターンと、凸部のパターンは異なっていてもよい。
基材がプリプレグ層/Fポリマーを含むポリマー層/所定のパターンを有する金属層である場合、Fポリマーを含むポリマー層の厚さは、0.1~20μmが好ましく、1~10μmがより好ましい。この場合、本凸部を形成する前処理(バフ研磨等)の際にFポリマーを含むポリマー層が削れて、プリプレグ層と凸部とが部分的に直接接触し、凸部と基材との接着性が向上しやすい。
本凸部付き基材における凸部は、欠陥が少なく、強度にも優れる。このため、凸部がエッチングの際に変質又は劣化するのが防止され、金属層を目的とする複雑かつ微細な形状を有する配線、電極等に正確に加工できる。金属層の加工後には、凸部を除去してもよく、除去することなく電子デバイス用基板として使用してもよい。
例えば、本発明の液状組成物及び凸部付き基材は、それぞれ、上記実施形態の構成において、他の任意の構成を追加してもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
1.各成分の準備
[Fポリマー]
Fポリマー1:TFE単位、NAH単位及びPPVE単位を、この順に98.0モル%、0.1モル%、1.9モル%含み、カルボニル基含有基を主鎖炭素数1×106個あたり1000個有するPFA系ポリマー(溶融温度:300℃)
Fポリマー2:TFE単位及びPPVE単位を、この順に97.5モル%、2.5モル%含み、カルボニル基含有基を主鎖炭素数1×106個あたり25個有するPFA系ポリマー(溶融温度:305℃)
非Fポリマー1:非熱溶融性のポリテトラフルオロエチレン
[パウダー]
パウダー1:D50が1.9μmである、Fポリマー1からなるパウダー
パウダー2:D50が2.0μmである、Fポリマー2からなるパウダー
パウダー3:D50が2.0μmである、非Fポリマー1からなるパウダー
シリカの粒子1:シリカからなる球状粒子(D50:0.03μm)
シリカの粒子2:表面処理されていない、シリカからなる球状粒子(D50:0.5μm)
シリカの粒子3:3-アミノプロピルトリエトキシシランで表面処理された、シリカからなる球状粒子(D50:0.5μm)
[芳香族樹脂]
芳香族樹脂1:エポキシ化した多官能フェノール樹脂に、アクリル酸を反応させた後、側鎖に存在する水酸基にフタル酸無水物を付加させたカルボキシル基含有フェノール樹脂(酸価:80mgKOH/g)
芳香族樹脂2:フタル酸無水物の仕込み量を代えた以外は、芳香族樹脂1と同様にして合成したカルボキシル基含有フェノール樹脂(酸価:160mgKOH/g)
[液状分散媒]
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
まず、98質量部のパウダー1と2質量部のシリカの粒子1との混合物を調製した。
次に、円筒状の容器内で高速で回転する撹拌翼により、粒子を攪拌しつつ、容器の内壁と撹拌体との間で粒子を挟持して応力を加える粉体処理装置(ハイブリダイゼーションシステム)に、混合物を投入した。その後、パウダー1の粒子とシリカの粒子1とを高温乱流の雰囲気下で浮遊させつつ衝突させ、それらの間に応力を付与して複合化処理した。なお、処理中の装置内は窒素雰囲気下、温度を100℃以下に保持し、処理時間は15分とした。
得られた処理物は、微粉状のパウダーであった。また、このパウダーを、光学顕微鏡で分析した結果、Fポリマー1をコアとし、このコアの表面にシリカの粒子1が付着してシェルが形成されたコア・シェル構造の複合粒子1であった。
なお、複合粒子1の形状は球状であり、そのD50は4μmであった。
(液状組成物1)
20質量部の複合粒子1と、80質量部の芳香族樹脂1を含む、ワニス(溶剤:NMP)とをポットに投入した後、ポット内にジルコニアボールを投入した。その後、150rpm×1時間の条件でポットをころがし、複合粒子1を分散して、液状組成物1を得た。なお、液状組成物1は、粘度が5500mPa・sであり、液状分散媒であるNMPの含有割合が40質量%以下であった。
(液状組成物2)
複合粒子1をパウダー1に変更した以外は、液状組成物1と同様にして、液状組成物2を得た。なお、液状組成物2の粘度は、60000mPa・sであった。
(液状組成物3)
複合粒子1をパウダー2に変更した以外は、液状組成物1と同様にして、液状組成物3を調製した。なお、液状組成物3の粘度は、70000mPa・sであった。
複合粒子1をパウダー3に変更した以外は、液状組成物1と同様にして、液状組成物4を調製した。なお、液状組成物4は増粘かつ凝集して、その粘度の測定、凸部の形成及び誘電率の測定が困難であった。
(液状組成物5)
芳香族樹脂1を芳香族樹脂2に変更した以外は、液状組成物3と同様にして、液状組成物5を調製した。なお、液状組成物5の粘度は、100000mPa・s超であった。また、液状組成物5は、粘度が高過ぎ、凸部の形成及び誘電率の測定が困難であった。
(液状組成物6)
芳香族樹脂1を液状組成物6として使用した。なお、液状組成物6の粘度は、200mPa・sであった。
(液状組成物7)
複合粒子1をパウダー1に変更し、さらに希釈用の液状分散媒としてNMPを使用した以外は、液状組成物1と同様にして、液状組成物7を調製した。なお、液状組成物7は、粘度が20000mPa・sであり、液状分散媒の含有割合が40質量%超であった。
4-1.凝集及び分散性
各液状組成物の凝集及び分散の状態を目視にて確認し、以下の基準に従って評価した。
[評価基準]
○:25℃にて3日間静置しても沈降物が生じない。
△:25℃にて3日間静置すると沈降物が生じるが、振とうすると再分散する。
×:25℃にて3日間静置すると沈降物が生じ、振とうしても再分散しない。
まず、Fポリマー1のフィルムと電解銅箔(福田金属箔粉工業社製、「CF-T49A-DS-HD2」)との積層体において、電解銅箔のフィルムと反対側の表面に、各液状組成物を塗布して、積層体上に塗膜を形成した。この塗膜を80℃で10分間乾燥して乾燥被膜を得た。乾燥被膜は、膜厚25μm及び膜厚50μmの2パターンとした。
次に、所定パターンの開口を有する露光マスクを使用して、紫外線を乾燥被膜に照射した。なお、紫外線の積算光量を150mJ/cm2とした。
次に、紫外線照射後の乾燥被膜を1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液で現像して、凸部を形成した。
なお、液状組成物7の使用に際しては、被膜調製時の体積減少により、所望の膜厚の被膜を形成する為に、液状組成物の塗布と乾燥被膜の紫外線照射とを複数回要した。
形成された凸部を光学顕微鏡で確認し、以下の基準に従って評価した。
[評価基準]
○:膜厚が50μmまたは25μmのいずれの場合においても、凸部からのパウダーの脱落が確認されない。
△:膜厚が25μmである場合は凸部からのパウダーの脱落が確認されないが、膜厚が50μmである場合は凸部からのパウダーの脱落が確認される。
×:膜厚が50μmと25μmのいずれの場合においても、凸部からのパウダーの脱落が確認される。
まず、各液状組成物を電解銅箔(福田金属箔粉工業社製、「CF-T49A-DS-HD2」)に塗布して塗膜を形成し、この塗膜を80℃で10分間乾燥して乾燥被膜(厚さ:50μm)を得た。
次に、露光マスクを使用することなく、紫外線を乾燥被膜の全体に照射した。なお、紫外線の積算光量を150mJ/cm2とした。
加熱により被膜を完全硬化させた後、電解銅箔を塩化第二鉄水溶液でエッチングして、サンプルフィルムを得た。このサンプルフィルムを洗浄した後、100℃のオーブンで2時間乾燥した。乾燥後のサンプルフィルムを、24℃、50%RHの環境下に24時間放置した後、SPDR(スプリットポスト誘電体共振器)及びネットワークアナライザーを使用して、10MHzにおける誘電率を測定し、以下の基準に従って評価した。
[評価基準]
◎:誘電率が3.0以下である。
〇:誘電率が3.0超3.5以下である。
△:誘電率が3.5超4.0以下である。
×:誘電率が4.0超である。
これらの結果を、以下の表1に示す。
20質量部の複合粒子1を15質量部のパウダー1と5質量部のパウダー3に変更した以外は、液状組成物1と同様にして、液状組成物8を得た。なお、液状組成物8は、粘度が70000mPa・sであった。上記と同様にして、液状組成物8の凝集・分散性と、その成形物の凸部の欠陥および電気特性とを評価した結果、順に、「〇」、「〇」、「◎」であった。
(液状組成物9)
20質量部の複合粒子1を同量のパウダー1に変更し、さらに20質量部のシリカの粒子2を添加する以外は、液状組成物1と同様にして液状組成物9を得た。なお、液状組成物9は、粘度が80000mPa・sであり、液状分散媒であるNMPの含有割合が液状組成物1よりも低かった。上記と同様にして、液状組成物9の凝集・分散性、凸部の欠陥、電気特性を評価した結果、順に、「△」、「△」、「◎」であった。
(液状組成物10)
20質量部の複合粒子1を同量のパウダー1に変更し、さらに20質量部のシリカの粒子3を添加した以外は、液状組成物1と同様にして、液状組成物10を得た。なお、液状組成物10は、粘度が30000mPa・sであり、液状分散媒であるNMPの含有割合が液状組成物1よりも低かった。上記と同様にして、液状組成物10の凝集・分散性、凸部の欠陥、電気特性を評価した結果、順に、「〇」、「〇」、「◎」であった。
Claims (15)
- 溶融温度が160~320℃であり、主鎖の炭素数1×10 6 個あたり100~3000個のカルボニル基含有基を有するテトラフルオロエチレン系ポリマーのパウダーの10~25質量%と、カルボキシル基を有し、酸価が150mgKOH/g以下である硬化性の芳香族樹脂の20~90質量%とを含有し、粘度が5000~100000mPa・sである、液状組成物。
- 前記芳香族樹脂が、カルボキシル基含有フェノール樹脂である、請求項1に記載の液状組成物。
- 液状分散媒を含有しないか、又は40質量%以下の割合で液状分散媒を含有する、請求項1又は2に記載の液状組成物。
- 前記テトラフルオロエチレン系ポリマーが、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を含み、全単位に対してペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位を1.5~5.0モル%含むテトラフルオロエチレン系ポリマーである、請求項1~3のいずれか1項に記載の液状組成物。
- 前記パウダーが、レーザー回折・散乱法によって求められる体積基準累積50%径である平均粒子径(D50)が0.1~10μmであるパウダーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の液状組成物。
- 前記パウダーが、無機物を含有する複合粒子である、請求項1~5のいずれか1項に記載の液状組成物。
- さらに、無機フィラーを含有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の液状組成物。
- さらに、酸化ケイ素を含む無機フィラーを含有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の液状組成物。
- 前記芳香族樹脂の含有量が、前記テトラフルオロエチレン系ポリマーの含有量より多い、請求項1~8のいずれか1項に記載の液状組成物。
- 前記液状組成物が、ネガ型のレジスト組成物である、請求項1~9のいずれか1項に記載の液状組成物。
- さらに、硬化剤を含有する、請求項1~10のいずれか1項に記載の液状組成物。
- 前記硬化剤が、アミン、イミダゾール、フェノール及び酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種の硬化剤である、請求項11に記載の液状組成物。
- 前記液状組成物の硬化開始温度が、120~200℃である、請求項11又は12に記載の液状組成物。
- 基材と、前記基材の表面に設けられ、請求項1~13のいずれか1項に記載の液状組成物から形成された所定のパターンを有する凸部とを有する、凸部付き基材。
- 前記基材が、テトラフルオロエチレン系ポリマーを含むポリマー層と、前記ポリマー層の表面に設けられた金属層とを備え、前記金属層の前記ポリマー層と反対側の表面に前記凸部を有する、請求項14に記載の凸部付き基材。
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