図面を通して、参照要素間の全体的な対応関係を示すために参照番号を再使用する場合がある。図面は、本明細書に記載する実施形態例を例示するために提供され、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。ここで、添付図面を参照して、システム、構成要素、ならびに組立方法および製造方法の実施形態について説明する。図面を通して、同様の数字は同様のまたは類似する要素を指す。以下、いくつかの実施形態、例および例示について開示するが、本明細書に記載する発明は、具体的に開示する実施形態、例および例示の範囲を越えて広がり、本発明およびその明らかな変更形態および均等物の他の使用を含むことができることが、当業者には理解されよう。本明細書に提示する記載において使用する術語は、いかなるようにも限定または制限するように解釈されるようには意図されておらず、それは単に、本発明のいくつかの具体的な実施形態の詳細な説明に関連して使用されているためである。さらに、本発明の実施形態は、いくつかの新規な特徴を含むことができ、いかなる単一の特徴もその望ましい属性に対してそれのみが関与するものではなく、または本明細書に記載する発明を実施するために必須ではない。
以下の説明においていくつかの術語を、単に参照の目的で用いる場合があり、したがって、それらの術語は、限定するようには意図されていない。たとえば、「上方」および「下方」という用語は、参照する図面における方向を指す。「前」、「後」、「左」、「右」、「背面」および「側部」等の用語は、考察されている構成要素または要素について記載する本文および関連する図面を参照することによって明らかとなる、一貫したただし任意の評価基準系内の構成要素または要素の部分の向きおよび/または位置を記述する。さらに、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、別個の構成要素について記載するために使用する場合がある。こうした術語は、具体的に上述した用語、その派生語および同様の意味の用語を含む可能性がある。
本明細書で用いる「実質的に非弾性」という用語は、ヘッドギアまたは材料が、それが受ける可能性がある荷重に対する伸張に抵抗する能力を指すものとする。したがって、ヘッドギアまたは材料は、一方向において実質的に非弾性である可能性があり、別の方向において幾分か弾性である場合がある。いくつかの構成では、ヘッドギアまたは材料は、ヘッドギアまたは材料が使用されるように意図されている治療によって荷重が加えられる方向において実質的に非弾性であるように構成されている。実質的非弾性ヘッドギアまたは材料は、たとえば、通常のまたは予期された状態の下で封止されたシステムにおいて呼吸マスクのシールを損なう伸張に抵抗することができる。非封止システムでは、実質的非弾性ヘッドギアまたは材料は、たとえば、ホース引張力または使用者の移動等、通常のまたは予期された状態に応じて呼吸インタフェースの適切な配置を損なう伸張に抵抗することができる。予期された荷重力が比較的低い場合、荷重は伸張をもたらすほど十分でないため、ヘッドギアまたは材料は、より大きい弾性を有する可能性がある。逆に、ヘッドギアおよび/または材料が高い荷重力を受けることが予期される場合、伸張に抵抗するためにより大きい非弾性が必要となる。
本明細書で開示するいくつかの実施形態は、使用者の頭部に取り付けたときに、正しいサイズに自動的に調整され、使用状態になると、特性が弾性のある「伸縮性」ストラップ/ストラッピングから「非弾性」ストラップ/ストラッピングに変容する、ヘッドギアシステム、および/またはヘッドギアシステムを組み込んだインタフェースアセンブリを含む。いくつかの構成では、ヘッドギアは(単独でまたはインタフェースアセンブリに一体化されたものとして)、ヘッドギアを短くする傾向がある比較的小さい収縮力を示す。マスクに結合されると、ヘッドギアおよびマスクは協働して、インタフェースアセンブリの外周部を画定し、その長さは、最小周囲長に向かう収縮力の結果として低減する。完全に円形である可能性は低いが、周囲長は、「円周」と呼ばれることが多い。したがって、こうした構成では、インタフェースアセンブリは使用者の頭部に配置することができ、弾性のあるまたは「伸縮性」ヘッドギアと同様に、適切な頭部サイズまでまたはその非常に近くまで自動的に収縮する。収縮力は、好ましくは、インタフェースアセンブリの重量を支持し、インタフェースアセンブリを使用者の頭部で適所に、最小頭部サイズまたはインタフェースアセンブリの最小の有用周囲長(最小周囲長と一致する場合もあれば一致しない場合もある)で少なくとも実質的に維持するために十分である。いくつかの構成では、収縮力は、たとえば、約50グラムの重量を有する可能性がある、鼻カニューレまたは他の小さいインタフェースの重量を支持するために十分であり得る。他の構成では、収縮力は、約0.5ニュートン~約5.2ニュートン、または約1ニュートン~約2.6ニュートン、または約1ニュートン~約1.5ニュートン(これらの範囲内の任意の値および部分範囲を含む)であり得る。他の構成では、収縮力は、インタフェースの重量を支持するためには不十分である可能性があり、使用者の顔面の封止位置までインタフェースを移動させるために手動の補助を必要とする場合がある。しかしながら、好ましくは、ヘッドギアは、十分に収縮すると、たとえば方向性ロックによって適所に保持される。いくつかの構成では、収縮力は、ヘッドギアの重量を支持するのに十分であるのみであり、または支持するように構成される。
しかしながら、少なくともいくつかの構成では、収縮力は、治療/使用中に使用者の顔面と封止接触してマスクを維持するために必要であるより小さい。すなわち、収縮力のみでは、吹出力(blow-off force)に抵抗することができない。いくつかの構成では、収縮力は、使用可能な周囲長またはヘッドギアサイズの範囲を通して吹出力に抵抗するために不十分である。したがって、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリはまた、ヘッドギアを伸長させるかまたはインタフェースアセンブリの周囲長を増大させる傾向がある力に応じて、非弾性挙動を示す。ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリは、周囲長の拡張、伸長または延長に抵抗する傾向があるロック力をもたらすことができるロックモードを有することができる。ロック力は、吹出力に応じて周囲長の伸長または少なくとも任意の著しい伸長に抵抗するために十分であり得る。いくつかの構成では、ロック力は、種々の使用または治療(たとえば、バイレベルまたはCPAP、NIV等)で予測される最高の吹出力に応じて伸長に抵抗するのに十分である。いくつかの構成では、ロック力は、1つまたは複数の特定の使用/療法に対して選択することができるが、すべての使用/療法には好適ではない可能性がある。いくつかの構成では、ロック力は、たとえば、ホース引張力等、吹出力に加えていくつかの力に応じて伸長に抵抗するように選択することができる。こうしたさらなる力は、本明細書ではまとめて「ホース引張力」と呼ぶ場合があり、伸長に対するこうしたさらなる抵抗は、本明細書では「予備力(reserve)」と呼ぶ場合がある。
いくつかの構成では、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリは降伏力も示し、それを超えると、周囲長の拡張または伸長が可能になる。好ましくは、降伏力は、予測される吹出力より大きい。いくつかの構成では、降伏力は、予測される吹出力およびホース引張力より大きい。したがって、こうしたヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリは予備力を有する。好ましくは、使用者が、インタフェースアセンブリを延長して使用者の頭部にあてがうことができるために降伏力を超えるのに十分な伸長力を、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリに少なくとも比較的好都合に加えることができるように、降伏力は十分に低く設定される。上述したように、収縮力は、適切な頭部サイズに向かって周囲長を低減させる。
いくつかの構成では、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリは、外力の存在または不在に応じて、収縮モード、ロックモードおよび降伏モードの間で自動的に遷移する。たとえば、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリは、外部延長または伸長力が存在しないときは最小周囲長に向かってまたは最小周囲長まで移動する。降伏力より大きい延長または拡張力を加えて、インタフェースアセンブリを使用者の頭部に配置することができるように十分な長さまで、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリの周囲長を増大させることができる。延長または拡張力が取り除かれる(または、収縮力未満まで低減する)と、収縮力は、インタフェースアセンブリが使用者の頭部上で支持されるように適切な頭部サイズまでまたは実質的にそうした頭部サイズまで、周囲長を自動的に低減させるように作用する。治療が開始し(吹出力が加わり)かつ/またはホース引張力が加わると、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリは、周囲長の伸長もしくは増大に抵抗し、または少なくとも任意の著しい伸長もしくは増大に抵抗するように、ロックモードに変容する。治療の終了時、または要求に応じて任意の時点で、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリに降伏力を超える力を加えて、周囲長を増大させ、使用者の頭部からインタフェースアセンブリを取り除くのを可能にすることができる。
有利には、こうした構成により、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリの周囲長の微調整を、迅速にかつ好都合に達成することができる。たとえば、治療または使用中、周囲長の微調整を行うようにマスクを操作することができる。たとえば、マスクと使用者の顔面との間に漏れがある場合、マスクをゆするかまたは他の方法で移動させて、漏れに対処するように周囲長を未調整することができる。場合によっては、使用者の顔面に対してマスクのシールを加圧することができ、それにより、収縮力が周囲長を自動的に低減させることができる。マスクを解放すると、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリは、低減した首位長でまたはその非常に近くでロックする。したがって、こうした構成により、マスクのわずかな操作(たとえば、ゆすり)の結果として、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリを調整済み周囲長に微調整するかまたは移動させることができる。インタフェースアセンブリの他の部分(たとえば、ヘッドギアまたは呼吸チューブ/ガス導管)の操作によっても同様に、微調整をもたらすことができる。ヒトの頭部の性質および/またはインタフェースアセンブリが使用される状態のために、迅速かつ好都合な微調整により、インタフェースアセンブリの性能および使用者の満足度を劇的に向上させることができる。治療は、夜間に、かつ/または使用者が横になっているときに他の状況下で行われることが多い。したがって、ヘッドギアは、枕またはベッド等の表面と接触している可能性がある。こうした表面に対して使用者の頭部が移動することにより、ヘッドギアが移動する可能性があり、それにより、ヘッドギアのフィット性が変化する可能性がある。たとえば、ヘッドギアの真下で頭髪が移動するかまたは「圧縮される」場合があり、それによりフィット性が変化する可能性がある。ヘッドギアストラップは、頭部の上で上方に、下方にまたは回転して移動する可能性があり、それによりフィット性が変化する可能性がある。こうしたフィット性の変化により、マスクと使用者の顔面の間に漏れがもたらされる可能性がある。上述した調整技術により、こうしたフィット性の変化を、自動的に、またはインタフェースアセンブリのマスクまたは他の部分のわずかな操作により、対処することができる。さらに、インタフェースアセンブリは、取り外しかつ再度あてがって、適切なヘッドギアサイズにまたはそれに非常に近いサイズまで自動的に調整することができる。対照的に、従来の非伸縮ヘッドギアは、間違いによりまたは清掃の結果として等、その所望の調整位置から移動した場合、所望の調整位置を再度確立することが困難であり時間がかかる可能性がある。従来の弾性のあるヘッドギアは、調整問題に対処するが、収縮力は、使用可能な最小ヘッドギアサイズで、予測される最高の吹出力およびホース引張力に抵抗しなければならないため、弾性のあるヘッドギアは、使用者の頭部に対して、吹出力を加えることによって部分的にのみ緩和される比較的大きい圧力を加える。こうした圧力は、比較的大きい頭部サイズを有し低治療圧での使用者に対して相当なものである可能性がある。
具体的な方向性ロック機構に関して後述するように、いくつかの構成では、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリにおいて、弾性モードからロックモードへの遷移中、幾分かの量の移動が発生する。たとえば、いくつかの方向性ロック機構により、弾性モードからロックモードへの遷移中、周囲長がわずかに増大する可能性がある。場合によっては、遷移中、降伏力の増大と周囲長変化の低減との間に妥協が存在する。したがって、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリの任意の特定の位置または周囲長に対する言及は、存在する場合、遷移中にこうしたわずかな長さの変化を含む可能性がある。
上述した調整技術の以下の例は、CPAPの送達に基づく。一連のグラフは、ヘッドギアシステムが動作するように設計されなければならない典型的な動作エンベロープと、さまざまな現実施形態がそのエンベロープに対していかに動作するかを記載している。エンベロープは、CPAP治療領域全体、すなわち、典型的な、あり得るまたは可能なCPAP圧力の全範囲と、典型的な、あり得るまたは可能な頭部サイズの全範囲とを含むことができる。または、エンベロープは、圧力の一部(たとえば、低圧CPAPもしくは高圧CPAP)または頭部サイズ(ヘッドギアもしくはインタフェースアセンブリのサイズ)(たとえば、小、中または大)等、CPAP治療領域の一部を含むことができる。CPAP治療に関連して考察する原理は、他の治療にも同様に適用することができる。
図1は、マスクの囲いが加圧されているときに生成される力と、あり得る患者の範囲にわたって発生する可能性があるヘッドギアサイジング範囲との関係を示すグラフである。動作エンベロープは、最小の力と最大の力との間および最大の頭部サイズ(周囲長)と最小の頭部サイズとの間で画定される矩形領域として示す。
図2は、弾性のあるヘッドギアシステムの性能特徴(力曲線)が重ね合わされている、図1の動作エンベロープを示す。弾性のあるシステムがマスクシステム動作エンベロープにわたって十分な性能を提供するためには、マスクシステムが発生する可能性がある力より大きい力を提供しなければならないことが明らかである。したがって、低いCPAP圧力では、ヘッドギアは、吹出力を抑制するために必要であるよりはるかに大きい力を提供する。マスクおよびヘッドギアによって画定される領域にわたって、さらなる力により使用者に対して圧力が加えられ、それは、主にマスクにおいて、頭部の後部において集中する。ヘッドギアの面積は、より大きい面積にわたって力を加えるように増大させることができ、それにより、加えられる圧力が低減する。しかしながら、大型のヘッドギアは、邪魔であるかまたは不快である可能性がある。たとえば、こうした大型のヘッドギアは、望ましい面積より広い面積にわたって熱を保持する可能性がある。
図3は、上述した自動調整技術を有するヘッドギアシステムの例の性能が重ね合わされている、図1の動作エンベロープを示す。図示する例では、ヘッドギアおよび/またはインタフェースアセンブリによって発生する力は、マスクの囲まれた領域の加圧によって発生する力と平衡するには十分である。本質的に、ヘッドギアシステム例は、比較的低い収縮力で適切な頭部サイズ(頭囲または周囲長)に自動的に調整され、その後、実際のCPAP圧力に一致する保持力を「要求時に」提供する。したがって、ヘッドギアシステム例は、CPAPエンベロープ内の任意のあり得る点の必要を満たすように自動的に調整することができる。
図4は、ヘッドギア装置またはヘッドギア装置を備えるインタフェースアセンブリの例の力-たわみ曲線のグラフを示す。グラフのたわみ軸は、ヘッドギア装置またはインタフェースアセンブリの円周または周囲長を表すことができる。そして、円周または周囲長は、ヘッドギア装置またはインタフェースアセンブリが特定の使用者に取り付けられたときのその使用者の頭囲を表すことができる。図4.1~図4.3は、使用者がヘッドギア装置を備えるインタフェースアセンブリ例を身に着け(「着用し」)かつ微調整するいくつかの別個の位置を示す。図4のグラフについては、図4.1~図4.3の着用位置をさらに参照して後述する。
図4のグラフはまた、ヘッドギア装置またはインタフェースアセンブリに関する動作エンベロープ10も示し、それは、図1~図3を参照して図示し上述したものと同じ動作エンベロープであり得る。動作エンベロープ10は、治療の結果としてヘッドギア装置またはインタフェースアセンブリに加えられる最小の力と最大の力との間、およびヘッドギア装置の最小の頭部サイズまたは頭囲/周囲長と最大の頭部サイズまたは頭囲/周囲長との間で画定される矩形領域として示す。動作エンベロープ10は、治療(たとえば、CPAPまたはバイレベルPAP)に特有であり得るか、または複数の治療をカバーすることができる。同様に、頭部サイズまたは頭囲/周囲長は、ヘッドギア装置のサイズに特有であり得るか、または複数のサイズをカバーすることができる。動作エンベロープ10を用いて、特定のヘッドギア装置の機能的または挙動基準を確立することができ、本明細書では、動作エンベロープ10を利用して、いくつかの開示する実施形態の特徴または挙動を例示する。
例としての動作エンベロープ10に関して、ヘッドギア装置またはインタフェースアセンブリ例(グラフの考察においては便宜上「ヘッドギア」と呼ぶ)の力-たわみ曲線例を含むグラフを示す。曲線は、グラフの原点またはその近くで発生し、原点は、およそゼロの力とヘッドギアの最小円周または周囲長(グラフの考察においては便宜上「円周」と呼ぶ)とを表すことができる。最小円周はゼロより大きいが、典型的には、意図された使用者または使用者の範囲の(あるとすれば、インタフェースを考慮して)最小頭囲未満の値である。
図4.1に示すように、ヘッドギア100を使用者の上に配置するために、通常、ヘッドギア100を、使用者の実際の頭囲より大きい円周まで伸長させる。通常、ヘッドギア100の後方部分を使用者の頭部の後部に配置し、使用者は、ヘッドギア100(たとえば、マスクまたは他のインタフェース)の正面を把持して、引張力を加えてヘッドギア100を伸長させ、頭部の頭頂部にわたってかつ顔面に向かってマスクまたは他のインタフェースを移動させる。
図4のグラフに示すように、力-たわみ曲線例は、最初、急峻なピッチで上昇し、そこでは、力は、円周の比較的小さい増大で実質的な量増大する。いくつかの構成では、力-たわみ曲線は、動作エンベロープ10の最小円周に達する前に動作エンベロープ10の最小力レベルを超えて上昇する。この曲線の部分は、初期伸長部分12aと呼ぶことができる。
動作エンベロープ10の最大力を超えるいずれかの位置において、力-たわみ曲線はより浅いピッチに遷移し、そこでは、比較的小さい力の増大で円周は実質的な量増大する。力-たわみ曲線のこの浅いピッチ部分は、ヘッドギア100の保持機構の降伏力に関連することができる。好ましくは、力-たわみ曲線の伸長部分12bと呼ぶことができる浅いピッチ部分は、動作エンベロープ10の円周範囲の一部または全体に沿って動作エンベロープ10の最大力レベルでまたはそれを超えて広がる。いくつかの構成では、伸長部分12bは、動作エンベロープ10の最大円周レベルを超えて広がる。すなわち、意図された最大頭囲より大きい円周を達成して、ヘッドギア100の動作エンベロープ10の最大頭囲を有する使用者の上にヘッドギア100を好都合に配置することができるように、ヘッドギア100を構成することができる。使用時、特に、動作エンベロープ10の小さい方の端部に頭部サイズを有する使用者の場合、ヘッドギア100は、着用中に最大円周まで伸長しない可能性があり、場合によっては、動作エンベロープ10の最大円周レベルを超えて伸長しない可能性がある。
ヘッドギア100を最大円周まで、動作エンベロープ10を上回る円周まで、または使用時に使用者への着用を可能にするのに十分な他の何らかの円周まで伸長させた後、図示する力-たわみ曲線は、急峻に低下し(初期収縮部分14a)、その後、比較的浅い部分に遷移し、そこでは、円周は、比較的小さい力の変化で実質的に低減する。この曲線の浅い部分を、収縮部分14bと呼ぶことができ、図4.2によって部分的に示す。好ましくは、収縮部分14bにおいて、ヘッドギア100は、使用者の頭部にフィットするのに適切な円周に達するまで、比較的低い力レベルで円周を低減させる。治療を開始するまで、またはヘッドギア100を伸長させようとする別の力が加えられるまで、この低い力レベル(収縮部分14bの左端すなわち「フィット点16」)において使用者の頭部の上にヘッドギア100を配置することができる。
有利には、比較的低い力レベルにより、ヘッドギア100を使用者に対して快適なものとすることができる。いくつかの構成では、力-たわみ曲線の収縮部分14bは、動作エンベロープ10の最小力レベルまたはそれ未満である。したがって、こうした構成では、ヘッドギア100の収縮力は、治療(たとえば、低CPAPレベル)によってヘッドギア100に引き起こされる最小の力に抵抗するために必要であるかまたは望ましい力より低い可能性がある。したがって、低治療レベルにおいてさえも、治療によって引き起こされる力に抵抗するのに十分な保持力のみを生成するようにヘッドギア100を構成することができ、それは、動作エンベロープ10の最小力レベルが力-たわみ曲線の収縮部分14bを超えるためである。いくつかの構成では、後述するように、力たわみ曲線の収縮部分14bは、動作エンベロープ10内になる可能性がある。こうした構成は、「複合」挙動を示すと言うことができる。しかしながら、好ましくは、複合挙動ヘッドギア力-たわみ曲線の収縮部分14bは、動作エンベロープ10の最大力レベル未満のままである。
治療が開始するか、またはヘッドギア100に別の伸長力が加えられると、力たわみ曲線は、フィット点16から、ヘッドギア100の保持力が、ヘッドギア100を伸長させようとする治療および/または他の力(たとえば、ホース引張力)によって引き起こされる力と平衡する、動作エンベロープ10内の点まで比較的急峻に上昇する。こうした点は、平衡フィット点18と呼ぶことができる。フィット点16と平衡フィット点18との間の力-たわみ曲線は、初期伸長部分12aと実質的に同じ勾配を有することができる。平衡フィット点18の実際の位置は、治療および使用者の実際の頭部サイズによって引き起こされる実際の力に応じて、動作エンベロープ10内の任意の位置であり得る。任意の特定の場合において、使用者に対する圧力としてヘッドギアサイズに関連する領域にわたって加えられる、ヘッドギア100における力は、実質的に、治療によって引き起こされる力を抑制するために必要な力のみである。したがって、少なくともいくつかの構成では、使用者に加えられる圧力は、利用される特定の治療のレベルに対して任意の特定のヘッドギアサイズおよび形状に対して最小化することができる。力-たわみ曲線の伸長部分12bを動作エンベロープ10の最大力レベルの上方に間隔を空けて配置して、ヘッドギア100の伸長なしでさらなる力(たとえば、ホース引張力)を加えることができる予備力を提供することができる。力-たわみ曲線の伸長部分12bに達するようにヘッドギア100に十分な力が加えられると、ヘッドギア100の伸長が発生することができる。しかしながら、予期されたまたは通常の治療の力およびホース引張力またはそれらの任意の組合せに適応する力-たわみ曲線を有するように、ヘッドギア100を設計しまたは構成することができる。
上述したように、少なくともいくつかの構成では、使用者は、ヘッドギア100を操作して、周囲長の微調整をもたらすことができる。有利には、こうした構成により、使用者は、図4.3に示すように、単に、マスクもしくは他のインタフェースを把持し、使用者の顔面およびヘッドギア100の後方部分に対してマスクまたは他のインタフェースを移動させる(たとえばゆする)ことにより、たとえば、漏れに対処し、またはヘッドギア100を所望のレベルまで締め付けるかもしくは緩める(周囲長を低減させる)ことができる。図4.3において矢印によって示すように、使用者の顔面に向かいかつそこから離れる方向にまたは(たとえば、垂直軸もしくは水平/横軸を中心に)回転するように等、複数の方向に、マスクまたは他のインタフェースを移動させるかまたは調整することができる。顔面に向かう移動により、周囲長を低減させるかまたはヘッドギア100を締め付けて、たとえば、許容可能なまたは望ましいフィットの範囲の堅い限界(「タイトフィット」と呼ぶことができる)に向かうフィットを達成することができる。顔面から離れる移動により、周囲長を延長するかまたはヘッドギア100を緩めて、たとえば、許容可能なまたは望ましいフィットの範囲の緩い限界(「ルーズフィット」と呼ぶことができる)に向かうフィットを達成することができる。垂直軸を中心として回転移動させることにより、ヘッドギア100の一方の側を締め付け、他方の側を同じまま維持するかまたは緩めることができる。水平または横軸を中心として回転させることにより、ヘッドギア100の上部または下部のうちの一方を締め付け、上部または下部のうちの他方を緩めることができる。
上述したように、すべての構成において、力-たわみ曲線の収縮部分14bが動作エンベロープ10の最小力レベルより下に位置することが必須ではない。力-たわみ曲線の収縮部分14bを動作エンベロープ10内にかつ使用者に対して十分な程度の快適さを提供するレベルで配置するように、ヘッドギア100を設計するかまたは構成することができる。場合によっては、使用者は、ヘッドギア100が、ヘッドギア100がインタフェースを適所に固定して保持しているという快適さの感覚を与える何らかの触覚フィードバックを使用者に与えるために、ある程度の力を加えることを望む場合がある。ヘッドギア100によって加えられるこうした力は、使用者によっては、特定の治療の動作エンベロープ10内になる可能性がある。したがって、こうした構成により、少なくともいくつかの条件下では、ヘッドギア100の収縮力は、少なくともいくつかの低い治療レベルおよび/またはいくつかの大きい頭部サイズとして治療の力に抵抗するのに十分であり得る。
図5は、「複合」力-たわみ曲線例を含むグラフを示す。例示の目的で、グラフには、複合力-たわみ曲線に加えて、弾性ヘッドギア力-たわみ曲線の例を示す。複合力-たわみ曲線は、図4に関連して上述した力-たわみ曲線と実質的に同様または同一であり得るが、複合力-たわみ曲線が収縮部分14bを動作エンベロープ内に配置するという点が異なる。力-たわみ曲線の収縮部分14bは、動作エンベロープを下方部分20および上方部分22に分割する。ヘッドギアは、1つまたは複数の弾性要素によって提供することができる、ヘッドギアの収縮力を利用して、力-たわみ曲線の収縮部分14bより下の下方部分20における力を吸収することができる。力-たわみ曲線の収縮部分14bより上の上方部分22における力は、図4に関連して上述した方法と同様に、1つまたは複数の保持要素(たとえば、ロック)によって提供することができる、ヘッドギアの保持力によって吸収することができる。
力-たわみ曲線の収縮部分14の上に重ねて、弾性ヘッドギア力曲線15の例を示す。弾性ヘッドギア力曲線15は、ヘッドギア内の内部摩擦損失またはヒステリシスを表す比較的小さい垂直距離によって分離された上方曲線部分および下方曲線部分を含む。ヘッドギアを伸長させるために必要な力は、ヘッドギアの収縮力よりわずかに大きい。図示する弾性力-たわみ曲線15を示す弾性ヘッドギアは、力-たわみ曲線15の下の適用される治療または他の力のみに適応することができる。力-たわみ曲線15の上の力が加えられることにより、弾性ヘッドギアは伸長することになる。したがって、弾性ヘッドギアの力-たわみ曲線15は、少なくともいくつかの条件(たとえば、高い治療の力または小さい頭部サイズ)下での望ましくない伸長を回避するために、動作エンベロープの最大力レベルより上方に配置しなければならない。こうした力-たわみ曲線15の結果として使用者に加えられる圧力のレベルは、少なくともいくつかの条件(たとえば、低い治療の力または大きい頭部サイズ)下では不快である可能性がある。
対照的に、複合力-たわみ曲線(または、図4に関連して図示し記載した平衡フィット力-たわみ曲線)は、曲線の上方部分12bと曲線の下方部分14bとの間に比較的大きい垂直距離を示す。動作エンベロープの少なくとも一部は、曲線の上方部分12bと曲線の下方部分14bとの間の垂直空間内に入る。したがって、こうした力-たわみ曲線を示すヘッドギアは、治療または他の伸長力がない場合は使用者に対して比較的低い力または圧力を加える一方で、比較的高い力に抵抗することができる。さらに、治療が開始すると、使用者に加えられる力または圧力は、(複合構成において力-たわみ曲線の収縮部分14bより下である場合)同じままであり、または、実質的に、加えられる力に抵抗するために必要なレベルまでしか増大しない。
インタフェースによってヘッドギアに加えられる力は、通常、インタフェースのシールの突出領域に関連する。鼻ピローまたは鼻マスク等、小さいインタフェースは、フルフェイスマスク等の大きいインタフェースに対して比較的小さい領域の周囲で封止し、したがって、より小さい力をもたらす。いくつかのインタフェース(たとえば、鼻カニューレ)は、使用者の顔面とのシールをもたらさない可能性があり、したがって、ヘッドギアに加えられる力は、主に、インタフェースの重量に関連する可能性がある。図6は、シールの突出面積に関連して、インタフェースを使用者の顔面と封止接触して維持するために必要な力のグラフを示す。概して、シールの突出面積が大きいほど、インタフェースを使用者の顔面と封止接触して維持するために必要な力が大きくなり、したがって、ヘッドギアによって抵抗する必要がある力が大きくなる。こうした力は、ヘッドギアの保持力と呼ぶことができる。
図6のグラフは、異なる突出シール面積を有するインタフェースに対する許容可能な保持力の範囲の上限および下限を画定する2つの線24、26を含む。2つの線24、26は、互いから垂直に間隔が空けられ、適度の勾配で左から右に上方に延びている。下方の線24は、使用者の顔面とのシールを維持するために必要なまたは望ましい最小の力を表すことができる。上方の線26は、シールを維持するために必要な力より大きい可能性があるが、好ましくは、使用者の快適さを維持するかまたは過度なシール崩壊を回避するために十分低い、望ましい最大の力を表すことができる。下方の線24と上方の線26との間の空間は、使用者の選好に適応する調整の使用可能なまたは目標範囲28を表すことができ、下方の線24は使用可能なまたは許容可能なルーズフィットを表し、上方の線26は使用可能なまたは許容可能なタイトフィットを表す。下方の線24は、鼻ピローから鼻マスクおよび鼻マスクからフルフェイスマスク等、インタフェースのタイプ間での遷移を表す、1つまたは複数の比較的短い、急峻な上向きの傾斜部を含むことができる。上方の線26は、直線として示すが、一定の目標調整範囲を維持するために下方の線24のものに対応する急峻な傾斜部を含む場合がある。
図6のグラフはまた、目標範囲または目標ゾーン28の上方の力レベルにおける平坦なまたは水平な線30を含む。この線30は、特定のヘッドギアを連続して使用する比較的短い期間にわたって使用者に皮膚損傷をもたらすかまたはもたらす可能性のある力を表す。この線30を最大力線30と呼ぶことができる。実際の力の値は、接触面積または材料のタイプ等、特定のヘッドギアの特徴によって変化する可能性がある。目標ゾーン28と最大力線30との間の垂直距離は、ヘッドギア力の調整に対する誤差範囲32を表す。図示するように、誤差範囲32は、鼻ピローまたは鼻マスク等、突出シール面積の小さいインタフェースと比較して、フルフェイスマスク等、突出シール面積の大きいインタフェースに対して低減する。したがって、特に突出シール面積の大きいインタフェースでは、ヘッドギアは、目標ゾーン28内またはその近くまでの調整を容易にまたは好都合に可能であることが望ましい。従来の非弾性ヘッドギアは、フック・ループファスナで固定される1つまたは複数の調整可能ループ等、比較的粗い調整を組み込んでいる。こうしたヘッドギアは、特に、たとえば、病院内で起こることが多い、ヘッドギアの装着者が調整を行っている人ではない環境において、目標ゾーン28内に調整することが困難である可能性がある。
図7は、ヘッドギア力、突出シール面積および円周の関係の3次元グラフを示す。図7のグラフは、図6のグラフと図4のグラフとの組合せである。図7のグラフは、インタフェースと使用者の顔面との間にシールをもたらす最小の力24(図6の目標ゾーン28の下方の線24)を示す。最小力線24の下では、ヘッドギア力は、シールをもたらすかまたは維持するために不十分である可能性がある。図7のグラフは、超えると皮膚損傷が発生する可能性がある最大力線30も示す。最小力線24と最大力線30との間に、ヘッドギア力に対する安全な動作エンベロープがある。目標範囲の上方の線は、明確にするために省略している。
図7のグラフは、ヘッドギア例の力-たわみ曲線も示す。力-たわみ曲線は、特定の突出シール面積を有する特定のタイプのインタフェースと使用するように意図されたヘッドギアに対する設計基準を示すように、突出シール面積軸に沿った任意の平面内に位置することができる。ヘッドギアはまた、複数のタイプのインタフェースと動作し、または(少なくとも特定の治療に関して)すべてのタイプのインタフェースに対して汎用であるヘッドギアを設計するように、突出シール面積軸の一部または全体に沿ったヘッドギア力および円周を考慮して設計することができる。いくつかの構成では、図7において力-たわみ曲線によって示すように、力-たわみ曲線の伸長部分12は、最大力線30より上に位置することができる。
少なくともいくつかの構成では、上述したような平衡フィットまたは複合力-たわみ曲線を示すヘッドギアは、有利には、安全な動作エンベロープ内、好ましくは目標ゾーン内に入る保持力を提供する。少なくともいくつかの構成では、こうしたヘッドギアは、好適な保持力を安全な動作エンベロープ内に、好ましくは目標ゾーン内に自動的に調整する。したがって、使用者によるかまたは別の人による締付け不足または過度な締付けを低減させるかまたはなくすことができる。
上述したように、ヘッドギアシステム例は、インタフェースまたはマスクシステムを取り付け、使用し、取り外すプロセスにおいていくつかの機能を実行する。たとえば、ヘッドギアシステムは、使用者の頭部の上に配置することができるように長さが伸長する。ヘッドギアシステムは、「取付け」プロセス中に長さを収縮し、マスクシステムが固定されていると使用者が感じるようにマスクシステムに対して十分な力を与える。気道内圧が加えられると、ヘッドギアシステムは、弾性または伸縮性挙動から非弾性挙動に性能が「変容する」。ヘッドギアシステムはまた、使用中の使用者の選好に基づいてマスクを締め付けるかまたは緩める微調整も可能にする。取り外すために、ヘッドギアシステムは、使用者の頭部の上で取り外すことができるように長さを伸長する。これらの特徴のうちのすべてを含む1つまたは複数の組合せは、取り付けかつ取り除くために必要な使用者の相互作用が最小限であるマスクシステムを提供する。これは、誤用の可能性をなくし、マスクシステムの改善された使用可能性に役立つことができる。ヘッドギアシステム例はまた、ヘッドギアの過度な締付けの蓋然性またはさらには可能性を低減させることにより、皮膚に対する過度な圧力の影響を軽減することも可能である。ヘッドギアシステム例は、治療に対する全体的なコンプライアンスを向上させることができる。これに対するさらなる特徴は、高度な位置決めおよび安定性を有するものである。これは、マスクの取外しおよび再取付という行為と使用中との両方に関する。本明細書では、患者または使用者の頭部へのヘッドギアおよび関連するインタフェースアセンブリの繰返し可能なかつ安定した位置決めを達成するための1つまたは複数の概念について開示する。本明細書ではまた、選択的に弾性または非弾性にすることができる部分と、非弾性挙動を提供する部分とを提供することにより、変容可能な挙動を支持するヘッドギアシステムを達成するための1つまたは複数の概念も開示する。
図8Aおよび図8Bは、フルフェイスマスクに対して、弾性ヘッドギアシステムおよび非弾性ヘッドギアシステムの関連する伸長挙動とともに、それぞれ定圧治療および可変圧治療の力プロファイルをグラフ形式で示す。図8Aは、10cmのH2OでのCPAP等、定圧治療を適用することにより経時的にヘッドギア内に引き起こされる、それぞれ力および伸長の2つのグラフを含む。上のグラフは、加えられたガス圧およびマスク囲い面積、または単にマスク面積の組合せによってヘッドギア内に引き起こされる力を示す。治療の送達圧力は一定であるが、力曲線は、使用者が呼吸しマスク内の圧力変化をもたらすことによって生じる小さい振動を含む。下のグラフは、力が加えられる結果としてヘッドギアシステム、したがってマスク本体内における結果としての伸長または移動を示す。下の伸長グラフに、2つの伸長線34、36が示されている。第1線34は、力が加えられることに応じて伸長する、最新技術による弾性ヘッドギアの伸長挙動を示す。図示する例では、弾性ヘッドギアは、CPAP圧なしの長さに比較してCPAP圧で約8mm伸長する。第2線36は、最新技術による非弾性ヘッドギアの伸長挙動を示す。図示するように、非弾性ヘッドギアは、加えられる力に応じて非常にわずかな伸長を示す。
図8Bも同様に、NIVまたはバイレベルPAP等、振動または可変圧治療を適用することにより経時的にヘッドギア内に引き起こされる、それぞれ力および伸長のグラフを含む。たとえば、例示的な治療は、約5cmのH2Oの圧力(たとえば、呼気気道陽圧-EPAP)と約12cmのH2O(たとえば、吸気気道陽圧-IPAP)との間で変化する。上のグラフは、加えられたガス圧およびマスク囲い面積または単にマスク面積の組合せによってヘッドギア内に引き起こされる力を示す。下のグラフは、加えられた力の結果としてのヘッドギアシステム、したがってマスク本体内における結果としての伸長または移動を示す。伸長グラフに2つの伸長線34、36が示されている。第1線34は、加えられた力の増大および低減とともに伸長し収縮する、最新技術による弾性ヘッドギアの伸長挙動を示す。図示する例では、弾性ヘッドギアは、CPAP圧なしの長さと比較して可変力曲線に応じて約4mm~約12mm(それぞれ、低圧および高圧で)伸長する。この移動を低減させるかまたは防止するためには、通常、ヘッドギアを伸長させるために必要な力がマスク面積と換気圧との組合せによって生成されている力より大きいように、ヘッドギアシステムを過度に締め付けることが実施される。この実施の適用により、皮膚が損傷することになり、創傷ケアを実施する結果となる。第2線36は、図8Aと同様に、非常にわずかな伸長を示すが、上述した限界および欠点を有する、最新技術による非弾性ヘッドギアの伸長挙動を示す。
例に示すように、フルフェイスマスクと使用される場合の、過度に締め付けられなかった最新技術によるヘッドギアシステムは、NIVの場合はピーク吸気圧から最終呼気圧への変化、またはバイレベル換気の場合はIPAPからEPAPへの変化の間、約8mmから約12mm移動するように、長さが伸長する。少なくともいくつかの構成では、本方向性ロックヘッドギアシステムは、ヘッドギアを伸長させる傾向がある方向に力が加えられることに応じて、非弾性ヘッドギアと同様の挙動を示す。しかしながら、方向性ロックヘッドギアシステムのこうした構成は、非弾性ヘッドギアに関連する欠点(たとえば、時間がかかりかつ困難な調整)なしに、弾性ヘッドギアの1つまたは複数の利点(たとえば、自動サイズ調整または自動フィット)を示す。少なくともいくつかの構成では、方向性ロック機構を組み込んだヘッドギアシステムでは、システム圧なしであることを除き使用者に適用される際の条件と比較して、治療中に加えられる力に応じて、約4mm未満のヘッドギア伸長またはマスク移動をもたらす。いくつかの構成では、方向性ロック機構を組み込んだヘッドギアシステムでは、高いまたは最大の治療圧状態と低いまたは最小の治療圧状態との間(たとえば、NIVの場合はピーク吸気圧と最終呼気圧との間)で、約4mm未満のヘッドギア伸長またはマスク移動がもたらされる。
ヘッドギアシステム例の機能的挙動は、設計特有の位置における伸長特性を有するさまざまなヘッドギア要素を含み、それにより、好ましくは、本明細書に開示する方向性ロックおよび/または方向性摩擦機構のうちの1つまたは複数により、弾性のあるまたは伸縮する挙動を要求時にオンおよびオフに切り替えることができる。これは、ヘッドギアのさまざまな特徴が、所定の位置において所定の性能属性を提供するように構成されていることを含むことができる。呼吸用途で使用される患者インタフェースでは、これらの特徴の位置は、所望のインタフェースタイプと保持面の数とによって決まる可能性がある。保持面は、インタフェースアセンブリ内で発生する力を分解するための1つまたは複数の平面として定義することができる。
たとえば、図9は、単一の保持面を有する、鼻ピローマスク、鼻マスクまたは鼻カニューレ等の鼻インタフェースを示す。第1線は、鼻インタフェースの第1側の取付箇所とヘッドギアの後方部分の第1側の取付箇所との間に延在している。第2線は、鼻インタフェースの第2側の取付箇所とヘッドギアの後方部分の第2側の取付箇所との間に延在している。第1線および第2線は、協働して、単一保持面を画定している。保持面は、たとえば、幾何中心または垂直中心であり得る鼻インタフェースの中心を通ってまたはその近くに延在することができる。いくつかの構成では、保持面は、鼻インタフェースに付勢力(たとえば、上方付勢または下方付勢)を加えることが望ましい可能性がある構成等では、中心からずれている場合がある。保持面は、概して、使用者の鼻の下側またはその近く(たとえば、幾分か下方)の位置から、使用者の耳に近いが幾分か上方の位置まで延在することができる。こうした構成により、保持面は、前後方向に上向きの傾きを有することができる。
図10は、複数(たとえば、2つ)の保持面を有する鼻ピローマスク、鼻マスクまたは鼻カニューレ等の鼻インタフェースを示す。図9を参照して記載したように、インタフェースアセンブリの各側における線によって、各保持面が画定され、それらの線は、鼻インタフェースの点とヘッドギアの後方部分の点との間に延在している。図10の構成では、保持面は互いにずれて、前後方向にまたは側面から角度を画定している。図示する構成では、第1保持面は、鼻インタフェースの比較的上方の点を通って延在し、第2保持面は、鼻インタフェースの比較的下方の点を通って延在している。第1保持面および第2保持面は、ヘッドギアの後方部分の単一の点を通って(または互いに非常に近くに)延在することができ、またはヘッドギアの後方部分において間隔を空けて配置することができ、それらの面は、鼻インタフェースとヘッドギアの後方部分との間で互いを二分する(互いに交差する)か、または鼻インタフェースとヘッドギアの後方部分との間で間隔を空けて配置することができる。図示する構成では、第1保持面は、入口、呼吸チューブコネクタまたはガス導管コネクタの上縁部にまたはその近くに配置され、第2保持面は、入口、呼吸チューブまたはガス導管の下縁部にまたはその近くに配置される。いくつかの構成では、保持面は、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの物理的な部分に沿って延在することができる。しかしながら、他の構成では、保持面は、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの物理的な部分に沿って延在しない場合がある。すなわち、たとえば、保持面は、ヘッドギアのストラップと位置合わせされない場合がある。
他のタイプのインタフェースアセンブリも同様に、インタフェースとヘッドギアの後方部分との間の保持面を利用することができる。たとえば、図11は、2つの保持面を有するフルフェイスマスクを示す。図示するフルフェイスマスクは、上方に延在するフレーム部分またはTピースを含み、それは、マスクの下方部分から使用者の額に向かってまたは額まで延在する。図示する構成では、第1保持面すなわち上部保持面は、Tピースとヘッドギアの後方部分の上方位置との間に延在している。上部保持面は、使用者の眼および耳の上方に延在することができる。上部保持面は、概して水平であり得るが、前後方向に幾分か傾斜することができる。たとえば、上部保持面は、前後方向において幾分か下方に傾斜して、使用者の額と使用者の頭部の後部の中心または最後方点との間を通過することができる。第2保持面すなわち下部保持面は、マスクの基礎部分とヘッドギアの後方部分の下方位置との間に延在する。下部保持面は、使用者の口の周囲の点から使用者の耳の下方の点まで延在することができる。下部保持面は、概して水平であり得るが、前後方向に幾分か傾斜することができる。たとえば、下部保持面は、前後方向において幾分か上方に傾斜することができる。上部保持面は、ヘッドギアの上部ストラップに沿って延在することができる。下部保持面は、概してヘッドギアの下部ストラップに沿って延在することができるが、下部ストラップは、下部保持面が下部ストラップの端部に重なるが下部ストラップの少なくとも中間部分には重ならないように、使用者の耳に適応するように湾曲することができる。他の構成では、上部保持面および下部保持面の一方または両方は、関連するストラップの上に部分的にもしくは完全に重なることができ、関連するストラップから部分的にもしくは完全に間隔を空けて配置することができ、または2つのうちの任意の組合せであり得る。
図12は、2つの保持面を有する鼻マスクを示す。図11のフルフェイスマスクと同様に、図示する鼻マスクは、上方に延在するフレーム部分またはTピースを含み、それは、マスクの下方部分から使用者の額に向かってまたは額まで延在する。図示する構成では、第1保持面すなわち上部保持面は、Tピースとヘッドギアの後方部分の上方位置との間に延在している。上部保持面は、使用者の眼および耳の上方に延在することができる。上部保持面は、概して水平であり得るが、前後方向に幾分か傾斜することができる。たとえば、上部保持面は、前後方向において幾分か下方に傾斜して、使用者の額と使用者の頭部の後部の中心または最後方点との間を通過することができる。第2保持面すなわち下部保持面は、マスクの基礎部分とヘッドギアの後方部分の下方位置との間に延在する。下部保持面は、使用者の鼻の周囲の点から使用者の耳と位置合わせされるかまたはその下方の点まで延在することができる。下部保持面は、概して水平であり得るが、前後に幾分か傾斜することができる。たとえば、下部保持面は、前後方向においいて幾分か下方に傾斜することができる。上部保持面は、ヘッドギアの上部ストラップに沿って延在することができる。下部保持面は、ヘッドギアの下部ストラップの前方端部と後方端部との間に延在することができる。図示する下部ストラップは、下部保持面が下部ストラップの中間部分の上に重ならないように、使用者の耳に適応するように湾曲することができる。図11および図12のインタフェースアセンブリのいずれにおいても、下部保持面は、インタフェースの入口、呼吸チューブコネクタまたはガス導管コネクタを通って(入口またはコネクタを通ってまたはその近く等を)通過することができる。
図13は、ヘッドギアシステム内の単一点に収束する2つの保持面がある、フルフェイスマスクまたは鼻マスクのいずれかに適用可能な代替構成を示す。保持面は、インタフェース上で互いに垂直に間隔を空けて配置されて、インタフェースに対してある程度の安定性を与えることができる。たとえば、フルフェイスマスクでは、上部保持面は、使用者の鼻の下側を通ってまたはその上方を通過することができ、下部保持面は、使用者の口の近くまたはその下方を通過することができる。鼻マスクでは、上部保持面は、使用者の鼻の下側の上方を通過することができ、下部保持面は、使用者の鼻の下側の上方を通過することができる。保持面は、使用者の耳の概して上方および/または前方の点において交差することができる。マスクをヘッドギアの後方部分に結合するインタフェースアセンブリの部分は、別個であるか、または相互接続することができ、それにより、1回の調整で、少なくとも上方部分および下方部分の長さを変更することができる可能性がある。上方部分および下方部分の長さの比は、ヘッドギア接続箇所に位置する相互接続部分の点を移動させることによって容易に調整することができる。図示するフルフェイスマスクは、額当てまたは「Tピース」を含まない。しかしながら、いくつかの構成では、Tピースを設けることができる。望ましい場合は、追加のヘッドギア要素またはストラップが、ヘッドギアの後方部分をマスクのTピースに結合することができる。
図13.1は、保持面の数および/または相対的な位置決めに基づいてヘッドギアタイプの複数の一般的なカテゴリを識別する表である。表はまた、複数のインタフェースタイプを識別し、ヘッドギアタイプおよびインタフェースタイプの結果としての組合せの望ましさまたは実用性の指標を提供する。本明細書に開示するヘッドギアアセンブリのうちの少なくともいくつかが自動的にフィットするため、複数タイプのインタフェースと単一のヘッドギアタイプを利用することができる可能性がある。あり得る組合せの例について、図13.1を参照して記載する。インタフェースの回転に対する外部抵抗源がほとんどまたはまったく提供されない構成等、少なくともいくつかの構成において、比較的低い安定性を与えるものから比較的高い安定性を与えるものまでの順序で、ヘッドギアタイプを上から下まで列挙している。図13.1の表に列挙されたヘッドギアタイプは排他的ではない。本明細書に開示する概念とともに、図示するヘッドギアタイプの変更および混成を含む他のヘッドギアタイプを使用することができる。
概して、安定性の高いヘッドギア構成は、汎用的である可能性があり、または多くのもしくはすべてのインタフェースタイプ、または少なくとも図示するインタフェースタイプに対して少なくとも許容可能なレベルの支持を提供することができる。対照的に、安定性の低いヘッドギア構成は、少なくとも、固有に安定性の低い構成の安定性を増大させるために所定の対応を行わなければ、すべてのインタフェースタイプに望ましいかまたは許容可能なレベルの支持を提供することができない可能性がある。概して、大きいインタフェースほど、より大きい安定性を提供するヘッドギアを必要としまたはそれから利益を得る。フルフェイスマスク等、大きいインタフェースに対して、少なくとも2つの保持面を与えることが、望ましいことが多いかまたは必要な場合がある。2つの保持面が、インタフェースにおけるインタフェースの垂直または高さ方向において(たとえば、インタフェースへの取付箇所において)互いに分離されていることが有利である可能性がある。概して、所与のヘッドギア構成に対して、インタフェースにおける保持面の離隔距離が離れているほど、構成が安定する。いくつかの構成では、保持面のうちの少なくとも1つが上向きベクトル成分を含むことが有利である場合がある。
一例としてのヘッドギアタイプは、単一の保持面を提供する。こうした構成の例について、本明細書では図9を参照して考察している。概して、単一保持面ヘッドギアは、フルフェイスインタフェースタイプと使用するためには実用的でない可能性があり、それは、単一保持面ヘッドギアは、マスクに対して望ましいレベルの安定性を与えないためである。したがって、ヘッドギアは、マスクを適所に固定しシールを維持することはできる可能性があるが、マスクが、比較的容易にシールを移動させ破壊する可能性があり、または、インタフェースアセンブリが、動作可能であるが、使用者に確かな感覚を与えない可能性がある。場合によっては、単一保持面ヘッドギアは、マスクに対して許容可能なレベルの安定性を与えない可能性がある。しかしながら、単一保持面ヘッドギアのいくつかの構成は、フルフェイスマスクと使用するために好適であり得る可能性がある。たとえば、剛性材料および/または構成(たとえば、形状)を利用する単一保持面ヘッドギアは、横軸を中心とするマスクの回転に対して抵抗を与えることにより、フルフェイスマスクと使用するために好適である可能性がある。さらに、単一保持面ヘッドギアは、図13.2に図示しかつそれを参照して後述するように、フルフェイスマスクに対して単一保持面を注意深く配置することにより、フルフェイスマスクと使用するために好適である可能性がある。単一保持面インタフェースは、鼻マスク、鼻ピローまたはプロングおよびカニューレ等、鼻インタフェースと使用するために好適であるかまたは実用的である可能性がある。
図13.2は、ヘッドギアアセンブリと、フルフェイスマスクの形態であるインタフェースとを備える、単一保持面インタフェースアセンブリを示した。図示するマスクは、額当てまたはTピースを省いているが、他の構成では、Tピースを設けることができる。ヘッドギアアセンブリは、ヘッドギア後方部分と、ヘッドギア後方部分に対するマスクの位置の調整を可能にするヘッドギア長または周囲長調整部分とを含む。単一保持面は、たとえば、マスクから、使用者の耳の上方の位置におけるヘッドギア後方部分まで延在することができる。
マスクに作用している力は、使用者の顔面の封止領域に作用しかつマスクを使用者の顔面から離れるように移動させようとする、マスク内の圧力によってもたらされる吹出力、吹出力に抵抗するようにマスクに対して作用するヘッドギア力、マスクと使用者の顔面との間の接触領域に沿って使用者の顔面によって加えられる力、ならびにマスクおよびCPAPホースの大部分に作用する重力として要約することができる。使用者の顔面によって加えられる力は、上方の力と下方の力とによって要約することができる。上方の力は、概して垂直方向において最高接触点または領域であり得る使用者の鼻の鼻梁にまたはその近くに位置する力(「鼻梁力」)であり得る。下方の力は、概して垂直方向において最低接触点または領域であり得る使用者の顎先にまたはその近くに位置する力(「顎先力」)であり得る。
分散された重力は、マスクの特定のサイズおよび形状によって決まる可能性がある、重心においてマスクおよびCPAPに作用している単点力(「重力」)として要約することができる。いくつかの構成では、単一保持面は、垂直方向において顎先力と吹出力との間に延在するかまたはその間の点を通過する。
分散された吹出力は、マスクの特定のサイズおよび形状ならびに/または使用者の顔面の所定の形状によって決まる可能性がある、特定の位置においてマスクに作用している単点力(「吹出力」)として要約することができる。吹出力は、概して、マスクの幾何中心またはその近く等、マスク高さの下半分に位置する可能性がある。概して三角形のマスクを想定すると、吹出力は、マスクの底部からおよそ1/3の高さに位置する可能性がある。いくつかの構成では、単一保持面は、垂直方向において顎先力と吹出力との間に延在するかまたはその間の点を通過する。有利には、こうした構成により、単一保持面を有するフルフェイスマスクに対して望ましいレベルの安定性を与えることができる。しかしながら、この構成は、複数保持面構成にも同様に適用することができ、追加の保持面がさらなる安定性を与える。
鼻梁領域は、敏感な解剖学的部位である可能性があり、この部位において過度な力または圧力を回避することが望ましい可能性がある。したがって、鼻梁力がゼロまたは最小である場合、ヘッドギア力は、吹出力を抑制する唯一の力である可能性がある。ヘッドギア力が、吹出力より垂直方向に高い点を通過する場合、鼻梁力は増大し、それは概して望ましくない。ヘッドギア力は、低すぎるかまたは顎先力に近すぎる場合、吹出力を抑制することができない可能性があり、または、吹出力の望ましくないほど低いレベルの抑制を提供する可能性があり、それにより、インタフェースアセンブリの封止性能が損なわれる。本明細書に記載するように、好ましくは、保持面は、吹出力に応じたヘッドギアの伸長に対して適切な抵抗を与える方向性ロック機構を備える。本明細書に記載するような保持面の位置決めと組み合わせて、結果としてのインタフェースまたはヘッドギアアセンブリは、単一保持面タイプヘッドギアによりフルフェイスマスクに対して好適なレベルの安定性を与えることができる。本明細書に記載する他のヘッドギアアセンブリと同様に、従来技術によるヘッドギア装置で発生することが多いヘッドギアの過度の締付けなしに、適切な安定性を達成することができる。
別の例としてのヘッドギアタイプは、前方位置で(すなわち、インタフェースに向かうかまたはインタフェースにおいて)収束する2つの保持面を提供する。本明細書において図13.1に関連して使用する「収束する」という用語は、インタフェースまたは取付位置において互いからの実質的な分離がない保持面を述べるように意図される。保持面は、単一取付箇所で接する可能性があるが、収束ヘッドギアタイプはまた、保持面が互いに隣接してまたは近接して取り付けられるものも含むことができる可能性がある。2保持面、前方収束ヘッドギアタイプは、フルフェイスヘッドギアと使用するのに好適であるかまたは少なくとも幾分か実用的である可能性があり、それは、追加の保持面が、単一保持面ヘッドギアに対して十分な追加の安定性を与えることができるためである。単一保持面ヘッドギアタイプに関して記載したように、2保持面、前方収束ヘッドギアタイプは、フルフェイスマスクによって改善された性能を提供するように回転抵抗材料および/または構成を採用することができる。2保持面、前方収束ヘッドギアタイプは、鼻マスク、鼻ピローまたはプロングおよびカニューレ等、鼻インタフェースと使用するのに好適であるかまたは実用的である可能性がある。
さらに別の例としてのヘッドギアタイプは、後方位置で(すなわち、ヘッドギアの後方部分における等、インタフェースから離れるように)収束する2つの保持面を提供する。2保持面、後方収束ヘッドギアタイプは、フルフェイスマスクとの使用および鼻マスクとの使用に好適であるかまたは実用的であるように十分なレベルの安定性を与えることができる。こうしたヘッドギアタイプの例については、それぞれ鼻インタフェースおよびフルフェイスインタフェースを含む図10および図13に関連して、本明細書に図示し記載している。2保持面、後方収束ヘッドギアタイプは、ピローまたはプロングインタフェースタイプと使用するには実用性が低い可能性があり、それは、こうしたインタフェースタイプは、通常、比較的小さい垂直または高さ寸法を有するためである。ピローおよびプロングインタフェースタイプの高さが小さいことにより、少なくとも、必要な高さより高さ寸法を増大させなければ、インタフェース上の保持面の取付位置の間隔をあけかつ保持面の三角法を提供する能力が制限される可能性があり、高さ寸法を増大させることは、ピローおよびプロングが、まさにそれらが比較的小さい高さ寸法であるために使用者に選択されることが多いため、望ましくない可能性がある。2保持面、後方収束ヘッドギアタイプは、カニューレとの使用には実用的でない可能性があり、それは、カニューレに対して封止力をもたらす必要でないためである。したがって、2保持面ヘッドギアタイプは、カニューレと使用するには必要以上である可能性がある。さらに、2保持面、後方収束ヘッドギアタイプは、ピローおよびプロングと同じ理由でカニューレと使用するには実用的でない可能性がある。カニューレは、一般に、ピローおよびプロングより高さ寸法がさらに小さい。しかしながら、少なくともいくつかの構成では、またはいくつかの環境下では、ピロー、プロングまたはカニューレとともに2保持面後方収束ヘッドギアタイプを使用することが実用的であるかまたはさらには望ましい場合がある。
さらに別の例としてのヘッドギアタイプは、分離されかつ互いに対して角度をなしているかまたは非平行である2つの保持面を提供する。いくつかの構成では、上部保持面に対して、前後方向において上方に角度を付けることができる。下部保持面は、概して水平であるかまたは角度を付けることができる。他の構成では、下部保持面をいずれかの方向において角度を付けることができる。上部保持面は、概して水平であるかまたは角度を付けることができる。2保持面、分離/角度付きヘッドギアタイプは、フルフェイスマスクとの使用および鼻マスクとの使用に対して好適であるかまたは実用的であるように十分なレベルの安定性を与えることができる。2保持面、分離/角度付きヘッドギアタイプは、ピローまたはプロングインタフェースタイプと使用するのには実用性が低い可能性があり、それは、こうしたインタフェースタイプは、通常、2保持面、後方収束ヘッドギアタイプに関して上述した理由で、比較的小さい垂直または高さ寸法を有するためである。同様に、2保持面、分離/角度付きヘッドギアタイプは、上述したように、ピローおよびプロングと同じ理由でカニューレと使用するのには実用的ではない可能性がある。
別の例としてのヘッドギアタイプは、相対的に、概してまたは実質的に水平であるかまたは互いに平行である2つの保持面を提供する。こうした2保持面、平行ヘッドギアタイプの例については、図11および図12に関連して図示し記載している。2保持面、平行ヘッドギアタイプは、フルフェイスマスクとの使用および鼻マスクとの使用に対して好適であるかまたは実用的であるように十分なレベルの安定性を与えることができる。2保持面、平行ヘッドギアタイプは、ピローまたはプロングインタフェースタイプと使用するには実用的が低い可能性があり、それは、2保持面、後方収束ヘッドギアタイプに関して上述した理由で、こうしたインタフェースタイプは、通常、比較的小さい垂直または高さ寸法を有するためである。2保持面、平行ヘッドギアタイプは、2保持面、後方収束ヘッドギアタイプに関して記載した理由で、ピローおよびプロングと同じ理由でカニューレと使用するには実用的でない可能性がある。
保持面または線のうちの少なくとも1つに沿って作用するように配置されるかまたは他の方法で構成されるのは、伸長挙動から非伸長挙動にヘッドギアの機能を変容させることができる少なくとも1つの機構または特徴(「ロック機構」)である。この面に沿って、方向性ロック機能は、所与の保持面に対する単一機構として動作し、または好ましくは2つの独立したロック機構を提供するように構成することができる。単一機構構成は、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの円周または周囲長を変更することができる。2ロック機構構成(たとえば、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの各側部に1つの機構)により、マスクまたは他のインタフェースを取り付けるための微調整に対して独立した左右の制御が提供される。他の構成では、3つ以上のロック機構を設けることができる。こうした構成では、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの各側部に複数のロック機構を設けることができる。別法として、ロック機構を他の方法で配置することができ(たとえば、各側部に1つならびに頂部および/または後部に追加の機構)、ロック機構は、協働して、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの円周または周囲長の調整を可能にすることができる。
いくつかの構成では、マスク(または他のインタフェース)とヘッドギアの後方部分との間においてインタフェースアセンブリの各側部に、少なくとも1つのロック機構が設けられる。図14および図15に示すような額支持部またはTピースを備えたフルフェイスマスク210等、いくつかの構成では、マスク210は、インタフェースアセンブリ200の各側部において、たとえばストラップ230の形態の上方接続部分および下方接続部分によって、ヘッドギア220の後方部分に接続される。図14および図15の構成は、ロック機能または機構240を配置することができる複数の位置の例を示す。図示する構成では、インタフェースアセンブリ200は、方向性ロック機構240と組み合わせて、または方向性ロック機構240と協働して作用する、弾性のある収縮機能または機構250を含む。弾性のある収縮機構250および方向性ロック機構240は、本明細書では方向性ロックモジュールまたは単にモジュールと呼ぶことができるモジュールに一体化することができる。図示する構成では、方向性ロック機構240は、図14に示すようにマスク本体への取付固定具260(たとえば、クリップ)に組み込まれる等、ヘッドギア220とマスク210との間の接続部に配置することができる。別法として、図15に示すように、方向性ロック機構は、図15に示すように、ヘッドギア220の後方部分とヘッドギア220の後方部分をマスク210と接続するストラップ部分230との間等、ヘッドギア220内の好適な位置に配置することができる。他の構成において、複数の保持面を使用する同様の構成を利用することができる。
いくつかの構成では、方向性ロック機構またはモジュールは、インタフェースアセンブリの一部分に結合されるかまたは他の方法でそれとともに移動可能なロックと、インタフェースアセンブリの第2部分に結合されるかまたは他の方法でそれとともに移動可能な調整部材とを利用する。調整部材は、ロックに対して移動して、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの円周または周囲長の調整を可能にすることができる。調整部材は、ワイヤまたはフィラメントであり得るコア部材の形態であり得るか、またはたとえばストラップであり得る。調整部材の一部を利用して、インタフェースアセンブリの任意の所与のサイズ調整時に円周または周囲長の一部が画定され、別の部分は、所与の調整サイズにおいて利用されない余分なまたは余剰長さである可能性がある。余剰長さは、ヘッドギアまたはインタフェースアセンブリの円周または周囲長の変化とともに変化する。余剰長さの蓄積は、マスクフレーム内またはヘッドギアシステム内の一体構成要素内に収容する等、任意の好適な構成によって収容することができる。
図16および図17は、鼻マスク310(額当てまたはTピースはあってもなくてもよいが、ない場合が多い)または鼻カニューレ等、鼻インタフェース300に適用可能な構成を示す。これらの構成では、方向性ロック機構340は、上述したように、平坦ストラップ330またはウェブの上に一体化するかまたはそこで動作することができる。平坦ストラップ330の使用は、加圧されるマスクシールとヘッドギアとの間の力ベクトルが位置合せされない応用において特に有益である。これにより、好ましくはヘッドギアシステム内の剛性によって十分に分解されるモーメントが発生する状況になる。これは、ヘッドギアストラップのねじり剛性および曲げ剛性の特徴を選択することによって達成可能であり、それらの組合せにより、マスクシステムに対する回転安定性のレベルが著しく向上する。
ヘッドギアの取付箇所とマスク410の取付箇所との間の直線によって、ヘッドギア構成要素またはマスクとヘッドギア420の後方部分との間の接続を提供する構成要素に対して許容可能な位置が提供される状況では、図17に示すように、可撓性コア設計430の使用が望ましい可能性がある。すなわち、変更された形状に制約されない限り、可撓性コアは、取り付け点の間に直線を想定する。したがって、可撓性コア設計は、方向性ロック機構440に対する(たとえば、ヘッドギア420の後方部分とマスク430との間の)直線経路が機構440に対して望ましいかまたは許容可能な位置である構成において使用するのに適している。
いくつかの構成では、2つ以上の保持面が望ましいかまたは必要である用途等において、平坦ストラップ構成および可撓性コア構成を組み合わせて使用することができる。たとえば、図11および図12の構成または図14および図15の構成は、上部保持面または下部保持面のうちの一方に沿った平坦ストラップ構成と、上部保持面または下部保持面のうちの他方に沿った可撓性コア構成とを利用することができる。いくつかの構成では、平坦ストラップ構成を使用するように下部ストラップを構成することができ、可撓性コア構成を使用するように頂部ストラップを構成することができる。たとえば、図示するように、下部ストラップは、その長さに沿って湾曲形状を有して、使用者の耳の下方を通過しかつ使用者の耳に適応する空間を提供することができる。しかしながら、上部ストラップは、その長さに沿って概して直線であり得る。いくつかの構成では、上部ストラップは、平坦ストラップ構成を利用することができ、下部ストラップは、可撓性コア構成を利用することができる。たとえば、ヘッドギアの後方部分は、ヘッドギア取付箇所とマスクの取付箇所との間の直線が適切に位置するように取付箇所を配置するように構成することができる。さらに図18および図20に示すように、可撓性コア構成と一列に接続されたときに、平坦なまたは比較的剛性のヘッドギア部分を使用して使用者の頭部の側部に沿ったねじりまたは曲げ安定性に役立つことにより、方向性ロック機構の位置決めとの柔軟性が可能になる。
非侵襲性換気またはバイレベル換気等、高定圧波形または可変圧波形のいずれかがある呼吸換気パターンに関連して使用される場合、ヘッドギアシステムまたはインタフェースアセンブリの方向性ロックタイプの著しい性能利益が発生し、それは、ヘッドギアシステムが、ヘッドギアシステムが使用中に伸長せず、またはインタフェースアセンブリの円周または周囲長が一定のままであるためである。上述したように、現時点での最新技術によるヘッドギア装置は、概して、弾性システムまたは非弾性システムに分類することができる。記載したように、非弾性システムは、高定圧または可変圧に適応することができるが、こうしたシステムは、過度な締付けを受けやすく、調整が困難でありかつ時間がかかる。現時点での最新技術による弾性ヘッドギアシステムは、高定圧に応じて伸長するか、または可変圧波形における圧力波に応じて伸長し収縮する傾向がある。こうした伸長および収縮により、使用者の顔面でマスクが周期的に移動することになり、漏れが発生する可能性がある。そして、漏れにより、マスク内の結果としての容積および関連する圧力変化のために、治療の損失および/または呼吸の間違った誘因に至る可能性がある。さらに、マスクが周期的に移動することにより、使用者の顔面でのマスクの運動または移動のために擦傷および場合によっては皮膚損傷がもたらされる可能性がある。
図18および図19は、マスクまたは他のインタフェースと方向性ロック機構を組み込んだヘッドギアの後方部分との間に延在するように構成されたインタフェースアセンブリの一部またはモジュールの例を示す。図示するモジュール構成の各々は、マスク本体とモジュールを含むヘッドギアシステム全体との間の結合部を画定する着脱可能なクリップ510を備えている。モジュールは、着脱可能なクリップ510と方向性ロック530との間に延在する弾性セクション520を含み、それは、クリップ510および方向性ロック530を互いに向かって移動させる傾向がある収縮力をもたらす。弾性セクション520は、たとえば、1つまたは複数の弾性要素を含む編組部材等、任意の好適な構成であり得る。図18は、弾性セクション520の後端部にかつ/またはモジュールとヘッドギアの後方部分との間の接続箇所に位置する方向性ロック530を有する変形を示し、それは、たとえば図15および図17に示す位置等において、マスクから間隔を空けて方向性ロック530を配置する。
図19は、モジュールから間隔が空けられた位置および/またはモジュールとヘッドギアの後方部分との間の接続箇所に方向性ロック530を配置する代替的な変形を示す。こうした構成は、本明細書では、「リモート」ロック機構と呼ぶことができる。いくつかの構成では、ヘッドギアの後方部分内等、ヘッドギアシステム内の別の場所にロックを配置することができ、モジュールとヘッドギアの後方部分との間の接続箇所と方向性ロックの位置との間の距離を中空導管が橋渡ししている。こうした構成により、たとえば、図20に示す位置等、ヘッドギアシステム内のより好適なまたは望ましい位置に方向性ロックを配置することができる。
図20を参照すると、インタフェースアセンブリ600は、マスク610またはインタフェース(図示する構成では鼻インタフェース等)と、使用者の頭部の後部およびまたは上部と係合する後方ヘッドギア部分620を備えたヘッドギア装置とを含む。インタフェースアセンブリ600はまた、マスク610とヘッドギア620の後方部分との間の距離の調整を可能にする調整部分630も含む。調整部分630は、ヘッドギア装置の一部、またはインタフェースの一部であり得るか、またはインタフェースアセンブリの別個の構成要素であり得る。
図示する構成では、調整部分630は伸縮性材料640を含み、それは、その非伸張位置に向かって戻るように構成することができる。したがって、伸縮性材料640は、インタフェースアセンブリの円周または周囲長を低減させる傾向がある収縮力を示すことができる。いくつかの構成では、伸縮性材料640は、非伸縮要素および伸縮要素を組み込んだ編組材料である。非伸縮要素は、ハードストップまたは最大伸張を提供することができ、伸縮要素は、収縮力を提供することができる。他の構成では、伸縮要素640または他の付勢機構は、調整部分630の伸縮性材料から遠くに配置することができる。
図示するインタフェースアセンブリはまた、方向性ロック機構等、変容可能なロック機構を備える。図示する方向性ロック機構は、方向性ロック650、フィラメントコア660、およびフィラメントガイド670またはハウジング(たとえば、導管またはチューブ)を備える。こうした構成により、方向性ロック650を、調整部分630と後方ヘッドギア部分620との間の取付位置680から間隔が空けるかまたは遠くにすることができる。さらに、フィラメント構成により、方向性ロック650を、調整部分630とともに非線形構成で配置することができる。言い換えれば、方向性ロック650の機能軸は、調整部分630の軸および/またはインタフェースアセンブリ600の保持面に対してずれているかまたは角度をなすことができる。
フィラメントハウジング670は、方向性ロック650と、調整部分630と後方ヘッドギア部分620との間の取付位置680との間に延在することができる。図示する構成では、フィラメントハウジング670は、方向性ロック650と、調整部分630と後方ヘッドギア部分620との間の取付位置680との間の湾曲経路に従う。たとえば、方向性ロック650は、後方ヘッドギア部分620の頭頂ストラップ690に配置することができ、フィラメントハウジング670は、頭頂ストラップ690上の取付位置680の後方の箇所において上方に湾曲することができる。方向性ロック650は、たとえば、側部または上部もしくは頂部を含む頭頂ストラップ690の任意の所望の箇所に配置することができる。他の構成では、方向性ロック650は、後方ヘッドギア部分620の後部ストラップの側部または後部等、後方ヘッドギア部分620の他の部分にまたは他の位置に配置することができる。こうした構成により、調整部分630と後方ヘッドギア部分620との間の取付箇所より望ましい位置に、方向性ロック650を設けることができる(本明細書では「リモート」取付と呼ぶ)。たとえば、頭頂ストラップ690の頂部に方向性ロック650を配置することにより、多くの環境(たとえば、使用者が仰向けにまたは横向きに寝ている)下で他の物体(たとえば枕)との接触を回避することができる。方向性ロック650の特定の位置は、特に快適さ、(たとえば眼鏡のための)隙間、フィラメント長等、種々の関連する要素に基づいて選択することができる。
いくつかの構成では、フィラメントハウジング670は、インタフェースアセンブリ600内の荷重を支持するために利用されていない余分なフィラメント660を収容するように、方向性ロック650を越えて延在する。方向性ロック650を越えるフィラメントハウジング670の部分は、蓄積部分700または蓄積導管と呼ぶことができる。方向性ロック650と、調整部分630と後方ヘッドギア部分620との間の取付位置680との間のフィラメントハウジング670の部分は、接続部分710または接続導管と呼ぶことができる。本明細書ではチューブとして示すが、フィラメントハウジング670は、たとえばフィラメントガイド等、同様に他の形態で設けることができる。フィラメントガイド構成は、フィラメントを完全には封入しない可能性があり、単に、所望の経路に沿ってフィラメントを向けるために、特定の別個の位置にガイド面を提供するのみである可能性がある。
インタフェースアセンブリの各側部に、1つまたは複数の調整部分および/または変容可能なロック機構を設けることができる。インタフェースアセンブリの両側における変容可能なロック機構の部分は、互いに一体化されるかまたは構成要素を共有することができる。たとえば、フィラメントハウジングの蓄積部分は、インタフェースアセンブリの一方の側の方向性ロックをインタフェースアセンブリの他方の側の方向性ロックと接続することができる。いくつかの構成では、インタフェースアセンブリの頂部または後部に単一のハウジングを設けることができ、それは、2つの別個のロック機構を収容することができ、それらのロック機構は、インタフェースアセンブリの両側の変容可能なロック機構に関連する要素(たとえば、フィラメント)と相互作用する。別法として、インタフェースアセンブリの両側のロック機構に関連する別個の変容可能なまたは方向性ロックハウジングを、たとえば後方ヘッドギア部分の頂部または後部において互いにの近くに(長手方向にまたは横方向に隣接して)配置することができる。
ヘッドギアの一部を非弾性型挙動から弾性型挙動に選択的に切り替えて、好都合な取付および取外しを可能にすることができる、開示したような変容可能な機構を組み込んだヘッドギアシステムには、使用者にとっての多数の利点がある。この挙動を達成する機構例は、本明細書に、かつ本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されており、その出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの構成では、それらの利点のうちの1つまたは複数は、使用者に対して自動調整、自己サイジングまたはより直観的な調整相互作用を提供することができることに関連する。さらに、少なくともいくつかの構成では、開示するような変容可能な機構を組み込んだヘッドギアシステムにより、通常、縫合するまたは縫合された構成要素を加えた弾性のある材料の積層体からまたは弾性のある編構造から構成される、最新技術によるヘッドギアシステムと比較して、マスク本体の望ましくない移動を低減させるかまたは最小限にすることができる。これらの従来の設計により、ホース引張または加えられた呼吸圧のマスクとの相互作用によってもたらされるマスクの移動が発生する可能性がある。こうした移動により、漏れ、治療の損失、結果としての容積および圧力変化による呼吸パターンの誤った誘因から、皮膚の擦傷またはあり得る皮膚損傷までおよぶ状態がもたらされる可能性がある。この移動を抑制するために、一般に行われているのは、(弾性システムにおいて高弾性力を与えるか、または調整可能な非弾性システムにおいて手で過度に締め付けることにより)ヘッドギアを過度に締め付けて、ヘッドギアを伸長させるために必要な力が、ホース引張によって生成されるかまたはマスクの加圧を介して発生する力より大きくなるようにすることである。この過剰な締付けの結果として使用者にさらなる圧力が加えられることにより、使用者の不快感、皮膚の刺激または皮膚の損傷がもたらされる可能性がある。
本明細書に開示する自動フィットまたは変容可能ヘッドギアシステムのうちの1つまたは複数の機能により、弾性のある挙動は、ヘッドギアシステムの所定領域に制約することができ、そこでは、弾性のある挙動は、ヘッドギアの包括的な特性ではなく、有用性条件に応じて選択的にオンまたはオフに切り替えられる。これにより、所定の性能属性を提供するようにヘッドギアシステムの残りの部分を「画策する」機会がもたらされる。少なくともいくつかの構成では、画策された変容可能なヘッドギアシステムの組合せの主な結果は、使用時にマスク本体の移動がほとんどまたはまったくない挙動を提供することである。
図21および図22は、フルフェイスマスク810(図21)および鼻ピローマスク812(図22)に対する例としてのヘッドギアシステム800を示す。示されている領域840は、選択可能な弾性/非弾性機能性が存在する部分に対して目下好ましい位置を示す。各用途において、選択可能な弾性/非弾性部分830は、マスク800とヘッドギアシステム820の後方部分との間に配置され、使用者の頭部の側部に沿って延在する。ヘッドギアシステムの残りの後方部分は、理想的には、比較的剛性のある3次元(3D)構造であり、それは、通常のまたは予期される使用中に発生する力の範囲において非常にわずかな弾性挙動を有する。こうした挙動を達成するために、いくつかの構成では、ヘッドギアの形態および材料構造の両方が著しい影響を与える。
形態
図23および図24を参照すると、本明細書に開示するような頂部または頭頂ストラップ940および使用者の頭部の後部の周囲を通るストラップ(後部ストラップ910)の使用は、ヒトの頭部の形状を利用して、フィラメント位置によって繰返し性を与え、使用するときにヘッドギア900の安定性を与える。この基本的な頭頂ストラップ940および後部ストラップ910構成に対してさらなる設計特徴を追加して、すなわち、図23および図24に示すように、後部または下部ストラップ910を頭頂ストラップ940に連結するガセット920またはウェブを追加して、これらの望ましい特性をさらに向上させることができる。ガセット920またはウェブ部材を追加することにより、後部ストラップ910と頭頂ストラップ940との間の相対的な移動が低減し、その結果、より横方向に安定した設計になる。
ガセット920は、後部ストラップ910および頭頂ストラップ940の任意の好適な位置に取り付けることができる。後部ストラップ910および頭頂ストラップ940におけるガセット930の取付箇所930、960は、後部ストラップ910と頭頂ストラップ940との間の接合部950から実質的に等距離であるかもしくは等距離であり得るか、または、接合部950から異なる距離において間隔を空けて配置することができる。図示する構成では、ガセット920は、ガセット920が後部ストラップ910に取り付けられる接合部950からの距離より接合部950から離れた距離において頭頂ストラップ940に取り付けられる。頭頂ストラップ940における接合部950からガセット920までの距離は、後部ストラップ910における接合部950からガセット920までの距離のおよそ2倍以上であり得る。図示する構成では、ヘッドギア900の各側部におけるガセット920の取付箇所960の間の距離は、頭頂ストラップ940における接合部950とガセット920のうちの一方の取付箇所960との間の距離未満であり得る。すなわち、頭頂ストラップ940におけるガセット920間の距離の長さは、頭頂ストラップ940の全長の1/3未満である。後部ストラップ910および/または頭頂ストラップ940は、連続している場合があり、または不連続である場合がある。不連続な後部ストラップ910または頭頂ストラップ940のいくつかのセクションを、固定長、弾性または調整可能であり得る好適な結合部によって接続することができる。
構築/製造
ヘッドギアの全体的な形態は、複数の異なる技法によって製造することができる。たとえば、ヘッドギアは、少なくとも相対的にまたは実質的に非弾性の1枚のシート状の材料から切断することができる。他の構成では、ヘッドギアは、単一のまたは複数の熱可塑性または熱硬化性材料から射出成型することができる。いくつかの構成では、ヘッドギアまたはヘッドフレームは、図25~図28に示すように、ヘッドギアがヒトの頭部形態に平滑に沿うのを可能にするように、ねじり剛性および/または曲げ剛性が増大または低減した部分を提供するさまざまな断面形状を備えた、単一材料から構成される。他の構成では、ヘッドギアは、図29に示すように、同じかまたは同様の挙動を達成するように、さまざまな部分で異なる材料をコモールドするかまたはマルチモールドすることによって構築することができる。
ヘッドギアのさまざまな部分を、ヘッドギアの望ましい部分または領域に望ましい特性があるように構築することができる。たとえば、使用者の耳の上に延在する部分(セクション1)の場合、横軸を中心とする曲げ運動または縦軸を中心とするねじり運動が制限されるように、限られた可撓性を提供することが望ましい可能性がある。セクション1の後方部分(セクション2およびセクション3)は、望ましくは、ヒトの頭部の形状に密接に沿う。望ましくは、セクション1、セクション2およびセクション3の各々は、使用時に通常発生するかまたは予測される力範囲において比較的非弾性の挙動を示す。こうした挙動を達成するために、材料のさまざまな組合せを使用することができる。図示する例では、所望の挙動を達成するために、さまざまなショア硬度の熱可塑性エラストマーまたは熱可塑性ウレタンが使用される。
上述したように、ヘッドギアは、ヘッドギアの異なる領域でヘッドギアの特性を変化させることができるようにさまざまな断面寸法を有するさまざまな部分を備えることができる。図25~図28を参照すると、概して使用者の耳の前方でかつ上方で終端する後方ヘッドギア部分が示され、単にヘッドギア1000と呼ぶ。ヘッドギア1000の3つの垂直セクションを示す。セクション1は、使用者の耳の上方にかつ前方に延在するヘッドギア1000の部分において取り出される。セクション2は、セクション1の後方であるヘッドギア1000の部分において取り出され、概して使用者の耳の後方に配置することができる。図示する構成では、セクション2は、頭頂ストラップ1010とガセット1030との間に位置している。セクション3は、セクション1及びセクション2の後方のヘッドギアの位置において取り出される。図示する構成では、セクション3は、使用者の頭部の後部と接触することができる、ヘッドギア1000の後部の位置において取り出される。
好ましくは、セクション1を含む部分は、比較的縦長であり、垂直方向においてヘッドギア1000の前端を移動させようとする垂直曲げ荷重に対する抵抗を提供する。図示する構成では、セクション1を含む部分は、セクション2を含む部分より高さが大きい。いくつかの構成では、セクション3を含む部分は、セクション2を含む部分より高さが大きい。いくつかの構成では、セクション3を含む部分は、セクション1を含む部分より高さが大きい。使用者の頭部の後部におけるヘッドギア1000の一部(たとえば、セクション3を含む部分)は、典型的には、インタフェースの吹出力に直接対向する結果として、使用者の頭部に対してより大きい力を加える。その結果、使用者の快適さを向上させるために後方部分に比較的大きい高さを与えることにより、後方部分の面積を拡大することが好ましい場合がある。図示する構成では、セクション1における高さは約10mmであり、セクション2における高さは約3mmであり、セクション3における高さは約15mmである。他の構成では、他の寸法を使用することができる。たとえば、寸法は異なる場合があり、ヘッドギア1000は、セクション1、セクション2およびセクション3のありとあらゆるものの間で同じ高さ比を保持することができる。他の構成では、寸法は、所定数(たとえば、1mm、2mmまたは3mm)、または図示する寸法より高いまたは低いパーセンテージで変化することができる。いくつかの構成では、ヘッドギア1000の高さは、セクション1、セクション2およびセクション3の間で徐々に変化する。ヘッドギア1000の任意の箇所における実際の高さは、曲げに対する抵抗、力分布、およびフィットまたは隙間の考慮事項等、適切な性能パラメータに対処するように選択することができる。
いくつかの構成では、ヘッドギア1000は、前端から後端に向かう方向に厚さを低減することができる。たとえば、セクション1を含む部分は、セクション2およびセクション3を含む部分に対して厚い断面を有することができ、それにより、セクション1を含む部分(前端部分)はねじり荷重に対してより大きい抵抗を有する。さらに、セクション2を含む部分は、セクション3を含む部分に対して厚い断面を有することができる。したがって、セクション2を含む部分は、セクション3を含む部分よりねじり荷重に対して大きい抵抗を有する。いくつかの構成では、セクション1を含む部分とセクション2を含む部分との間の厚さの差は、セクション2を含む部分とセクション3を含む部分との厚さの差より大きい。セクション2およびセクション3を含む部分の厚さが低減していることにより、それらの部分が横方向に曲がって、使用者の頭部の特定の形状によりよく沿うことができる。図示する構成では、セクション1における厚さは約1.5mmであり、セクション2における厚さは約1mmであり、セクション3における厚さは約0.8mmである。他の構成では、他の寸法を使用することができる。たとえば、寸法は異なる可能性があるが、ヘッドギア1000は、セクション1、セクション2およびセクション3のありとあらゆるものの間で同じ厚さ比を保持することができる。他の構成では、寸法は、所定数(たとえば、0.1mm、0.2mmまたは0.3mm)、または図示する寸法より厚いかまたは薄いパーセンテージで変化することができる。いくつかの構成では、ヘッドギア1000の厚さは、セクション1、セクション2およびセクション3の間で徐々に変化する。ヘッドギア1000の任意の箇所における実際の厚さは、ねじり荷重に対する抵抗およびフィット性を向上させる横方向の可撓性等、適切な性能パラメータに対処するように選択することができる。
図29を参照すると、上述したように、ヘッドギア1100は、別法としてまたはさらに、ヘッドギア1100の異なる部分において異なる特性を与えるように、ヘッドギア1100を通して材料タイプが異なる可能性がある。図29のヘッドギア1100は、図25~図28のヘッドギア1100の位置と同じかまたは実質的に同じであり得る、ヘッドギア1100内の3つの異なる位置で取り出された3つのセクションを示す。セクション1を含む部分は、たとえばポリプロピレン等、第1材料または材料の組合せから構成することができる。図25~図28のヘッドギア1000と同様に、セクション1を含む部分に対する材料選択は、垂直方向における曲げに対する抵抗を与えたいという要求を考慮することができる。セクション2を含む部分の材料または材料の組合せは、セクション1およびセクション3を含む部分のうちの一方または両方の材料とは異なる可能性がある。たとえば、セクション2を含む部分は、第2材料、または熱可塑性プリウレタン(TPU)および熱可塑性エラストマー(TPE)の組合せ等の材料の組合せから構成することができる。セクション3を含む部分の材料または材料の組合せは、セクション1およびセクション2を含む部分のうちの一方または両方の材料と異なる場合がある。たとえば、セクション3を含む部分は、TPE等、第3材料または材料の組合せから構成することができる。ヘッドギア1100の異なる部分に対する材料選択に対する考慮事項は、図25~図28における寸法選択に関して記載した考慮事項と同じであるかまたは同様であり得る。
いくつかの構成では、材料選択により、ヘッドギア1100は、異なる部分に異なるデュロメータ硬さまたは硬度を有することにある。たとえば、セクション1を含む部分は、最高のデュロメータ硬さを有することができる。いくつかの構成では、セクション1を含む部分は、約65ショアD~70ショアDのデュロメータ硬さを有することができる。セクション2を含む部分は、セクション1を含む部分のデュロメータ硬さ未満のデュロメータ硬さを有することができる。いくつかの構成では、セクション2を含む部分は、セクション1、セクション2およびセクション3を含む部分の最低のデュロメータ硬さを有する。たとえば、セクション2を含む部分は、約70ショアAのデュロメータ硬さを有することができる。セクション3を含む部分は、セクション1およびセクション2を含む部分のデュロメータ硬さの間のデュロメータ硬さを有することができる。たとえば、セクション3を含む部分は、約40ショアDのデュロメータ硬さを有することができる。ヘッドギア1100の異なる部分に対する硬度選択における考慮事項は、図25~図28における寸法選択に関して記載した考慮事項と同じであるかまたは同様であり得る。硬度の変化は、たとえば、材料選択、または材料の操作等の他の方法によって達成することができる。
これらの技法の組合せも可能である。たとえば、ヘッドギアを通して特性が変化するように、寸法、材料および硬度のうちの2つ以上を選択することができる。場合によっては、ヘッドギアは、ヒトの頭部に沿い、実質的に非弾性的に挙動し、変容可能なロック機構に対して安定した接続箇所を提供する3D形態である。
ヘッドギアの1つまたは複数の部分に対する材料選択は、他の考慮事項を同様に含むことができる。たとえば、いくつかの構成では、一部またはヘッドギア全体が、水分を吸収する傾向をほとんどかまたはまったく示さない材料を含むことができる。いくつかの構成では、一部またはヘッドギア全体が、水蒸気透過性を示す材料を含むことができる。有利には、こうした構成により、ヘッドギアは、汗等の水分の吸収を回避するかもしくは防止することができ、または、ヘッドギア材料を通して水分を移動させることができる。いずれの構成も使用者に対する快適さを向上させることができる。
ヘッドギアの感触および/または戦術的な特性を画策するように内面または外面のいずれかまたは両方にテキスタイル系の裏打ちまたは詰物を組み込むことによって、ヘッドギアをさらに改善することができる。いくつかの構成では、髪の引張りおよび/または着用者が感知するヘッドギアの縁部が低減しまたは最小限になる。裏打ちまたは詰物がヘッドギアの一方の側(内面または外面)のみに設けられ、または他の方法で面が識別可能である(たとえば、内面の色が外面と異なる)とき、その特徴は、使用者に対してヘッドギアを取り付ける向きに関する視覚的手がかりを与えるため、装置全体の有用性に役立つ。
いくつかの構成では、ヘッドギアは、ヘッドギアのサイズが調整されるのを可能にする1つまたは複数のアジャスタを備えることができる。たとえば、ストラップ部分の長さを調整することができるように、ヘッドギアのストラップ部分にアジャスタを設けることができる。ストラップ部分の相対的な位置を調整することができるように、ストラップ部分の間にアジャスタを設けることも可能である。いくつかの構成では、アジャスタは、自動調整型であり、またはヘッドギアの自動調整を可能にする。本明細書で用いる自動調整とは、ヘッドギアの第1位置(たとえば、第1長さまたは相対位置)から第2位置(たとえば、第2長さまたは相対位置)への調整を可能にするアジャスタを指し、使用者による操作(たとえば、手動ロック)なしにヘッドギアを第2位置に保持する。いくつかの構成では、アジャスタは付勢要素または機構を備えることができる。たとえば、アジャスタは、ストラップ部分を第1方向に(たとえば、長さを縮小する方向に)付勢する傾向がある付勢機構を備えることができる。したがって、アジャスタは、単に、使用者がヘッドギアを操作し、それにより、ヘッドギアを所望の位置に自動的に固定するのを可能にすることができ、または、アジャスタは、ヘッドギアを適切なフィット位置に向かって移動させるのに役立ち、その後、ヘッドギアを適切なフィット位置で自動的に固定することができる。こうしたアジャスタは、本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されている変容可能なロック機構のうちの任意のものを備えることができる。
図30および図31は、ヘッドギア1200内に自動アジャスタを配置することができる位置の例を示す。たとえば、頂部または頭頂ストラップ部分と使用者の耳の上方に位置する円周部分または上方部分との間の接合部またはその近くにある位置1200Aに、自動アジャスタを配置することができる。ヘッドギア1200の各側部の位置1200Aに、自動アジャスタを配置することができる。位置1200Aにおける自動アジャスタにより、ヘッドギア1200の上方部分の相対位置を、前後方向における等、頭頂ストラップ1210に対して調整することができる。別法として、位置1200Aにおける自動アジャスタにより、ヘッドギア1200の一部の周囲長を調整することができる。言い換えれば、位置1200Aにおける自動アジャスタにより、ヘッドギア1200の上方部分の長さを調整することができる。頂部または頭頂ストラップ1210内にある位置1200Bに、自動アジャスタを配置することができる。位置1200Bにおける自動アジャスタにより、頭頂ストラップ1210の長さを調整することができる。ヘッドギア1200の後方または下方部分内にある位置1200Cに、自動アジャスタを配置することができる。後方部分内に単一の自動アジャスタを配置することができ、またはヘッドギア1200の下方部分の各側部内に自動アジャスタを設けることができる。位置1200Cにおける自動アジャスタにより、ヘッドギア1200の下方部分の円周長を調整することができる。
自動アジャスタは、位置1200A、1200Bおよび1200Cのうちの任意の1つ、任意の組合せもしくはすべて、および/またはヘッドギア内の他の場所に配置することができる。いくつかの構成では、自動アジャスタを設けることにより、後方ヘッドギア部分を使用者の頭部にフィットするように調整することができる。したがって、こうした自動アジャスタは、ヘッドギア部分とインタフェースとの間の変容可能なロック機構に加えることができ、インタフェースおよび後方ヘッドギア部分の相対位置を調整するとともに、インタフェースに対して適切な封止または保持力を加えるように構成することができる。
図32~図34を参照すると、特定のストラップ調整機構1300が示されている。図32~図34の調整機構1300は、本出願人のPCT出願PCT/NZ2014/000074号明細書において図40~図42に関連して図示されかつ記載されている平坦ストラップ調整または方向性ロック機構と実質的に同様である。しかしながら、いくつかの構成では、図32~図34のストラップ調整機構1300は、上述したように、一体化した詰物または裏当てを組み込む。いくつかの構成では、ストラップ調整機構1300の構成要素は、テキスタイル系材料の上に成型可能材料を成型することによって構成される。
図32~図34は、調整可能ストラップ1300を組み立てられた形態で示し、分離された調整可能ストラップの部分を平面図で示すことにより、調整機構のさまざまな構成要素を示す。調整機構1300は、複数の調整位置で第2部分1320に結合することができる第1部分1310を備える。いくつかの構成では、第1部分1310および第2部分1320は、提供された調整範囲内で無限に調整可能であり得る。図示する第1部分1310および第2部分1320は、調整可能な頂部または頭頂ストラップの第1部分および第2部分であるが、たとえば、図30および図31に関連して記載したように、他の位置に調整可能ストラップを設けることができる。上述したように、第1部分1310および第2部分1320を、たとえば縮小位置に向かう等、互いに対して付勢するように、付勢機構を設けることができる。
好ましくは、調整機構1300は、方向性ロックを備え、それは、第1方向における(たとえば、縮小位置に向かう)第1部分1310および第2部分1320の相対移動を可能にし、第2方向における移動を阻止する降伏力を提供する。降伏力は、好ましくは、通常のまたは予期される動作条件下で第2方向における実質的な移動を防止するのに十分であるが、第1部分1310および第2部分1320の所望の調整を可能にするように、加えられる力によって克服することができる。
調整機構1300の第1部分1310は、調整機構1310のオス部分を形成する実質的平坦ストラップ1312を備えることができる。調整機構の第2部分1320は、調整機構のメス部分を形成する受入部またはロックハウジング1322を備えることができる。ロックハウジング1322は、ロックワッシャ等、ロック部材を受け入れる空間1324を備えることができる。平坦ストラップ1312は、受入部1322内で移動可能であり、ロックワッシャを受け入れる空間1324を通過する。平坦ストラップ1312はまた、ロックワッシャも通過する。ロックワッシャは、ロックハウジング1322の空間1324内で解除位置とロック位置との間で移動可能である。いくつかの構成では、解除位置は、ロックワッシャが平坦ストラップ1312の長さ方向に対して実質的に垂直に向けられることによって画定され、ロック位置は、ロックワッシャが解除位置の垂直向きから傾斜していることによって画定される。
ロックワッシャの位置は、ロックハウジング1322の空間1324の端部によって所望の位置に押し込まれる等、任意の好適な構成によって制御することができる。たとえば、ロックハウジング1322の空間1324の一端は、垂直表面を有することができ、多端は傾斜した表面を有することができる。平坦ストラップ1312が垂直表面に向かう方向に移動するとき、ロックワッシャは垂直向きまたは解除位置になるように付勢され、平坦ストラップ1312は、比較的低い抵抗でロックハウジング1322に対して移動することができる。平坦ストラップ1312が傾斜した表面に向かう方向に移動するとき、ロックワッシャは、傾斜した向きまたはロック位置に付勢され、平坦ストラップ1312とロックハウジング1322との間の相対移動は、降伏力によって抵抗される。平坦ストラップ1312は、ロックワッシャの移動を促進する把持部分を備えることができる。把持部分は、平坦ストラップ1312の基礎材料に比較して、高摩擦材料、またはロックワッシャに対して高い把持力を有する材料であり得る。
いくつかの構成では、平坦ストラップ1312およびロックハウジング1322の各々が、第1ストラップ部分1310および第2ストラップ部分1320それぞれのテキスタイル系材料の上に材料を成型することによって構築される。図示する構成では、平坦ストラップ1312の一部は、第1ストラップ部分1310のテキスタイル系材料の端部を越えて延在する。対照的に、第2ストラップ部分1320のテキスタイル系材料は、ロックハウジング1322を越えて延在する。望ましくは、平坦ストラップ1312のロックハウジング1322内に受け入れられる部分は、第1ストラップ部分1310のテキスタイル系材料を越えて延在して、調整機構の調整範囲を通して第1ストラップ部分1310のテキスタイル系材料と第2ストラップ部分1320との間の干渉を回避する。第2ストラップ部分1320のロックハウジング1322を越えて延在する部分は、第1ストラップ部分1310のテキスタイル系材料が、第2ストラップ部分1320のテキスタイル系材料に、第1部分1310および第2部分1320の最大位置または最も分離した位置において当接しまたは重なるように構成することができる。
いくつかの構成では、成型材は、ストラップ部分のテキスタイル系材料に沿って平坦ストラップおよび/またはロックハウジングを越えて延在する。たとえば、成型材は、ストラップ部分のテキスタイル系材料に対する補強材として、またはその補強部材として設けることができる。追加の成型材を設けて、成型材とテキスタイル系材料との間の表面積を増大させてそれらの間の接続を強化しかつ/またはそれらの間の保持力を増大させることができる。図示する構成では、追加の成型材は、ストラップ部分の幅方向において互いに分離され、かつ概してストラップ部分の長さ方向に延在する、ストリップまたはリブの形態である。
図示する構成では、ストラップ部分1310、1320は、望ましくは、一方向において(曲げを阻止するように幅方向において)比較的剛性があるが、別の方向において(ストラップが曲がって使用者の頭部に沿うのを可能にするように厚さ方向において)可撓性を保持する。これは、テキスタイル系ストラップ部分および/またはオーバモールドされた特徴の幾何学的設計により、かつ/または異なるオーバモールド材料を使用することによって達成することができる。調整機構の他の位置等、他の構成では、他の特性が望ましい場合がある。したがって、ストラップ部分に所望の特性を与えるために、他の幾何学的形状および/または材料を選択することができる。
いくつかの構成では、複合ストラップ部分は、テキスタイルまたは布材料1350の上に成型可能材料1340を成型することを含むオーバモールドプロセスによって構築される。いくつかの構成では、成型可能材料1340はプラスチック材料であり得る。テキスタイルまたは布材料1350は、好ましくは、成型可能材料の優れた接着を可能にするように選択される。
テキスタイル系材料を金型内に配置することができる。金型を閉じることができ、金型の分離可能な部分(たとえば、半体)の間に、テキスタイル系材料の一部(たとえば、縁部)を取り込むことができる。そして、金型内にかつテキスタイル系材料の上に、成型可能材料を射出することができる。
本出願人の特許出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されているように、平衡フィット特性を示すヘッドギアにおいて多くの異なるタイプの方向性ロック機構を利用することができる。少なくともいくつかの構成では、方向性ロックは、少なくとも方向性ロックの降伏力を下回る、第1方向におけるヘッドギアの2つの部分の間の相対移動を阻止しまたは防止する。方向性ロックはまた、第1方向とは反対の第2方向においてヘッドギアの2つの部分の相対移動を能にする。好ましくは、第2方向における移動は、単に比較的小さい量の抵抗によって可能になる。
図35を参照すると、いくつかの構成では、ヘッドギアの第部分はコア部材1400を備える。コア部材1400は、ワイヤ、ワイヤ状要素またはフィラメントであり得る。ヘッドギアの第2部分は、ハウジング1410を備えることができる。ヘッドギアの第1部分および第2部分は、ヘッドギアの円周を変更するかまたは調整するように互いに対して移動可能なヘッドギアの任意の好適な部分または構成要素に結合することができる。ハウジング1410は、ロック機構1420を受け入れる空間1412を画定する要素またはレセプタクルであり得る。ハウジング1410は、ヘッドギアとは別個の構成要素であり得るか、またはヘッドギアの一体構成要素または部分であり得る。ロック機構1420は、コア部材1400と係合して、少なくとも方向性ロックの降伏力を下回る、第1方向におけるハウジング1410に対するコア部材1400の移動を阻止または防止することができる。ロック機構1420はまた、コア部材1400を係合解除して、第1方向とは反対の第2方向におけるハウジング1410に対するコア部材1400の移動を可能にすることができる。
ロック機構1420は、第1位置すなわちロック位置1430と第2位置すなわち解除位置1440との間で移動可能な2つ以上のロック要素を備えることができる。図示するロック機構1420は、ロックジョー1422の形態の一対のロック要素を備える。ロックジョー1422の各々は、概して案円筒状部材である。ロックジョー1422は協働して、コア部材1400を包囲する。コア部材1400に面しているロックジョー1422の各々の内面は凹状である。ロックジョー1422の各々は、ロック位置1430においてコア部材1400と接触する係合部分1424を備え、それにより、ロックジョー1422は協働してコア部材1400と係合する。図示する構成では、係合部分1424は、ロックジョー1422の各々の端部によって画定される。
ロックジョー1422の各々の反対側の端部は、ハウジング1410を通って延在し、半径方向に延在するフランジ1426を含む。方向性ロックは付勢機構を備えることができ、付勢機構は、いくつかの構成では、ロック機構をロック位置に向かって、または図35においてページの左に向かって移動させる傾向がある、比較的軽い付勢力を与える。付勢機構は、ロックジョー1422のフランジ1426およびハウジング1410の端面1414に対して作用する、ばね等の付勢要素1428を備えることができる。好ましくは、付勢機構は、コア部材1400がヘッドギアの円周を増大させる傾向がある方向に(図35において左側に)移動するときに、ロック位置1430に向かうロックジョー1422の初期移動を補助する軽い付勢力を与える。ロックジョー1422は、コア部材が、ヘッドギアの円周を低減させる傾向がある方向に(図35において右側に)移動するとき、付勢機構の付勢力に抗して、解除位置1440に向かって移動することができる。
上述したように、ハウジング1410は、ロックジョー1422を受け入れる空間または通路を画定し、そこをコア部材1400が通過することができる。通路1412は、ロックジョー1422がロック位置1430と解除位置1440との間で移動するのを容易にする、面取り、角度付きまたはテーパ状面1416を画定することができる。ロックジョー1422の各々とハウジング1410との間に、1つまたは複数のロックまたはローラ要素1418を配置することができる。ロックジョー1422が、ハウジング1410または通路1412の長手方向軸に沿ってロック位置1430に向かう方向に移動することにより、ローラ要素1418がテーパ状面1416と係合し、それにより、ローラ要素1418、したがってロックジョー1422が互いに近づくように移動し、それによって、コア部材1400がロックジョー1422の間で締め付けられる。ロックジョー1422が水平軸に沿って解除位置1440に向かう方向に移動すると、ローラ要素1418は半径方向においてロックジョー1422から離れるように自由に移動し、それにより、ロックジョー1422から締付け力が解除され、コア部材1400が比較的実質的な抵抗なしに移動することができる。コア部材1400がこのように移動することにより、ロックジョー1422が付勢機構の付勢力に対する摩擦力を介して軸方向に移動することができる。
コア部材1400、ロックジョー1422、テーパ状面1416および/またはローラ要素1418は、方向性ロックがコア部材1400に締付力を加えるように構成することができ、この締付力は、降伏力未満の力がヘッドギアを伸長させようとしてコア部材1400に作用するときに、ハウジング1410に対してコア部材1400の移動を実質的に阻止または防止し、降伏力を超える力がコア部材1400に作用するときに、ヘッドギアを伸長させようとしてコア部材1400の移動を可能にする。上述したように、こうした構成により、方向性ロックのうちの1つまたは複数を組み込んだヘッドギアが、使用者への取付または使用者からの取外しのためにヘッドギアの伸長も可能にしながら、治療に関する通常のまたは予測される力に抵抗することができる。方向性ロックは、比較的わずかな抵抗でハウジング1410に対するコア部材1400の移動を可能にするように、ヘッドギアを収縮させようとするコア部材1400の移動に応じて、コア部材1400を解除することができる。こうした構成により、方向性ロックのうちの1つまたは複数を組み込んだヘッドギアは、特定の使用者の頭部サイズにフィットするように収縮することができる。ヘッドギアを収縮させる傾向がある収縮力は、手動による収縮、またはヘッドギアの弾性構成または弾性要素によってもたらされる自動収縮を含む、任意の好適な方法または機構によって提供することができる。
図36は、上述した方向ロック、本明細書に記載されているかまたは参照により組み込まれた他の任意の方向性ロック、または他の任意の好適な方向性ロック等、方向性ロックを組み込んだヘッドギアに対する動作サイクルを示す。グラフ式の動作サイクルでは、上方向における矢印の成分は、ヘッドギアの伸長(ヘッドギアの円周の増大)を表し、下方向における矢印の成分は、ヘッドギアの収縮(ヘッドギアの円周の低減)を表す。図36において右側への矢印の成分は、ヘッドギアの伸長移動を表し、左側への矢印の成分は、ヘッドギアの収縮移動を表す。
図36は、すぐ上に記載した方向性ロックの構造を参照して記載されているが、記載によって強調される基本概念は、本明細書に記載されているかまたは組み込まれた他の方向性ロックのうちの多くまたはすべてに等しく適用可能である。上方の中心矢印は、方向性ロックの降伏力を超える力を加えた結果として、コア部材がヘッドギアを伸長させる傾向がある方向に移動することを表す。したがって、コア部材は、ローラ要素とハウジングの通路のテーパ状面との相互作用によってコア部材に対して締め付けられるロックジョーを通って、滑動することができる。こうした力は、ヘッドギアの適用または取外しにおいて加えることができる。
右回り方向における次の矢印は、コア部材の方向における伸長から収縮への変化を表す。こうした方向の変化により、コア部材において締付力が解除される。
右回り方向における次の矢印は、コア部材の収縮移動を表す。したがって、コア部材の移動により、ローラ要素がテーパ状面の狭い部分に押し込まれなくなるように、ロックジョーを移動させることができる。その結果、コア部材の比較的自由な収縮運動が発生することができる。こうした移動により、ヘッドギアは、特定の使用者にフィットし、または使用されていないときに最小円周まで収縮することができる。
右回り方向における次の矢印は、コア部材の方向における収縮から伸長への変化を表す。こうした方向の変化により、コア部材に締付力が加えられる。方向の変化の各場合において、締付力の変化または方向ロックの位置の変化が発生する前に、コア部材の幾分かの移動が発生する可能性があり、または完全に到達される。このサイクルは、ヘッドギアが使用者にあてがわれるかまたは使用者から取り除かれる度に繰り返すことができる。場合によっては、使用者が、ヘッドギアに対して微調整を行うときに、このサイクルが発生する可能性がある。
図37~図53は、1つまたは複数の方向性ロック1510を組み込んだヘッドギアアセンブリ1500の例を示す。図示するヘッドギアアセンブリ1500は、インタフェース1520の一部に結合されるように構成されている。特に、図示するヘッドギアアセンブリ1500は、ヘッドギア後方部分1530と、インタフェース結合部分1540と、ヘッドギア後方部分1530とインタフェース結合部分1540との間に挿入される長さまたは円周調整部分1550とを含む。ヘッドギア後方部分1530は、使用時に使用者の頭部の後方部分と接触するように構成されている。インタフェース結合部分1540は、ヘッドギアアセンブリ1500が使用者の顔面の適切な位置でインタフェース1520を支持することができるように、使用時にインタフェース1520に結合されるように構成されている。長さまたは円周調整部分1550は、ヘッドギアアセンブリ1500を特定の使用者の頭部サイズに調整することができるように、使用時に、インタフェース結合部分1540の位置をヘッドギア後方部分1530に対して調整することができるように構成されている。したがって、長さまたは円周調整部分1550により、ヘッドギアアセンブリ1500が特定の使用者の頭部サイズにフィットすることができるように、ヘッドギアの周囲長または円周を調整することができる。
ヘッドギアアセンブリ1500として図示し記載しているが、いくつかの構成では、図示するヘッドギアアセンブリ1500の一部を、インタフェースアセンブリ全体の他の任意の好適な部分に組み込むことができる。たとえば、インタフェース結合部分1540は、ヘッドギアアセンブリ1500とは別個でありかつそれに接続可能であるインタフェースの構成要素または一部を備えることができる。長さまたは円周調整部分1550は、ヘッドギアアセンブリ1500とは別個でありかつそれに接続可能であるインタフェースの構成要素もしくは一部、またはインタフェース1520とは別個でありかつそれに接続可能なヘッドギアアセンブリ1500の構成要素もしくは一部を備えることができる。しかしながら、有利には、さらに後述するように、図示するヘッドギアアセンブリ1500は、平衡フィット特性を示す、内蔵型の自動フィットヘッドギアユニットを備えることができ、少なくとも1つ場合によっては複数のタイプのインタフェースに結合することができる。したがって、少なくともいくつかの構成では、複数のタイプのインタフェースとともに、1つのタイプの図示するヘッドギアアセンブリ1500を利用することができる。したがって、販売業者は、同じインタフェースオプションを提供しながら、より少ない数の一意の製品をストックすることができる。さらに、使用者は、別のインタフェースに交換するときにヘッドギアアセンブリの手動による調整を必要とすることなく、単一のヘッドギアアセンブリを利用し要求に応じてインタフェースを交換することができる。
図示する構成では、ヘッドギア後方部分1530は、使用者の頭部と接触する少なくとも1つのストラップ部分1560を備える。好ましくは、少なくとも1つのストラップ部分1560は、治療中にインタフェースの加圧によってヘッドギアアセンブリ500内に引き起こされる力を抑制することができるように、使用者の頭部の後方部分または後部と接触する。いくつかの構成では、ストラップ部分1560は、概してまたは実質的に使用者の頭部の後部の周囲に横方向に延在し、使用者の頭部の各側部に端部を有する。各端部は、たとえば、円周調整部分1550等、ヘッドギアアセンブリ1500の別の部分に結合することができる。
いくつかの構成では、少なくとも1つのストラップ部分1560は、第1ストラップ部分および第2ストラップ部分を備える。第1ストラップ部分は、使用者の頭部の後部の周囲に延在する後方ストラップ部分1562とすることができ、第2ストラップ部分は、使用者の頭部の頂部の上に延在する頂部または上方ストラップ部分1564とすることができる。後方ストラップ部分1562は、使用者の頭部の後頭骨または頭頂骨のうちの一方または両方に対応する部分と接触するように配置することができる。頂部ストラップ部分1564は、使用者の頭部の頭頂骨または前頭骨のうちの一方または両方に対応する部分と接触するように配置することができる。したがって、頂部ストラップ1564は、頭頂ストラップまたは額ストラップのいずれか一方として構成することができ、それはこうしたストラップは本技術分野において特徴付けられる場合があるためである。他の好適な構成も使用することができる。
好ましくは、ヘッドギア後方部分1530は、使用者の頭部と係合し、インタフェース結合部分1540および円周調整部分1550を利用する等、インタフェースの接続のために比較的安定したプラットフォームを提供する。したがって、少なくともいくつかの構成では、ヘッドギア後方部分1530は、意図された用途に対して典型的であるかまたは予測される範囲内の加えられる力に応じて、その形状および有効長さを保持するように、実質的に非弾性である。いくつかの構成では、ヘッドギア後方部分1530は、布材料の1つまたは複数の層に結合された、プラスチック材料等、比較的剛性のある材料から構成された層を備えることができる。好ましくは、布層は、少なくとも、剛性材料層の使用者と接触する面に設けられる。いくつかの構成では、布層は、剛性材料層の各側に設けられる。さらに、いくつかの構成では、金型内の2つの材料層の間の空間に剛性材料を射出成型すること等により、材料層の間に剛性材料層を形成することができる。こうしたヘッドギアおよびこうしたヘッドギアを製造する方法の例は、本出願人による米国仮特許出願第62/050,925号明細書に開示されており、その全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
円周調整部分1550は、一対の調整要素1552を備えることができ、そこでは、ヘッドギアアセンブリ1500の各側部に1つの調整要素1552が配置されている。特に、調整要素1552の各々は、ヘッドギア後方部分1530の一方の側をインタフェース結合部分1540の一方の側と結合することができる。頂部ストラップ1564と後方ストラップ1562との間の接合部にまたはその近くに、調整要素1552を結合することができる。図示する構成では、調整要素1552は、頂部ストラップ1564と後方ストラップ1562との接合部から前方向に延在するヘッドギア後方部分1530の前方延長部に結合される。調整要素1552は、収縮長さと伸長長さとの間で長さが調整可能である。いくつかの構成では、調整要素1552は、協働して、ヘッドギアアセンブリ1500の円周の調整のすべてまたは実質的にすべてを提供する。調整要素1552の各々はまた、収縮長さまたは伸長長さのうちの一方に向かって調整要素1552を付勢する弾性要素または付勢機構も含むことができる。好ましくは、調整要素1552は、収縮長さに向かって付勢され、それにより、ヘッドギアアセンブリ1500はその最小円周に向かって付勢される。こうした構成により、ヘッドギアアセンブリ1500は伸長することができ、その後、調整要素1552の弾性要素または他の付勢機構の付勢力の下で特定の使用者にフィットするように自動的に収縮することができる。さらに、好ましくは、調整要素1552は、ヘッドギア1500の伸長を制限するように最大伸長長さにおいてハードストップを画定し、ヘッドギア1500の最大円周を画定する。
いくつかの構成では、調整要素1552は、長さを伸長するかまたは収縮することができる編組要素1554を備える。編組要素1554は、網組要素1554と平行な1つまたは複数の弾性要素を備えることができる。弾性要素は、編組要素1554とは別個であるか、または編組要素1554に組み込むことができる。いくつかの構成では、弾性要素は、編組要素1554のフィラメントの間の内部空間内に収容される。好適な編組要素の例は、本出願人の特許出願PCT/NZ2014/000074号明細書の図46~図54に関連して記載されている。しかしながら、他の好適な構造または構成も使用することができる。別法として、インタフェース結合部分内に弾性要素または付勢要素を配置することができ、それがコア部材と相互作用して、コア部材をインタフェース結合部分に引き込むことができる。
ヘッドギアアセンブリ1500のインタフェース結合部分1540は、円周調整部分1550を備える一対の調整要素1552の間に延在することができる。いくつかの構成では、インタフェース結合部分1540は、調整要素1552に直接結合される。上述したように、インタフェース結合部分1540は、インタフェース1520へのヘッドギアアセンブリ1500の接続を容易にすることができる。しかしながら、インタフェース結合部分1540はまた、1つまたは複数の方向性ロック1510の少なくとも一部も収容することができる。図示する構成では、一対の方向性ロック1510が設けられ、一方の方向性ロック1510が一対の調整要素1552のうちの一方に関連付けられている。方向性ロック1510の一部(たとえば、ハウジング1512)は、インタフェース結合部分1540の各端部に位置することができる。いくつかの構成では、方向性ロック1510の各々に関連するコア部材1570が、ヘッドギア後方部分1530に結合され、調整要素1552に沿うかまたはそれを通り、方向性ロック1510のハウジング1512を通ってインタフェース結合部分1540の収集空間1542内に延在する。方向性ロック1510のハウジング1512は、コア部材1570と相互作用して、ヘッドギアアセンブリ1500の収縮を選択的に可能にし、または、ヘッドギアアセンブリ1500を特定の円周でロックし、少なくとも方向性ロック1510によって提供される降伏力未満の力でヘッドギア1500の伸長を阻止または防止する、1つまたは複数の部材または要素(たとえば、ロックワッシャまたはロックジョー)を備えることができる。方向性ロック1510の動作のさらなる詳細については、上述し、かつ本出願人の特許出願PCT/NZ2014/000074号明細書に記載されている。
いくつかの構成では、コア部材1570および調整要素1552の一方または両方は、ヘッドギア後方部分1530内にコア部材1570および/または調整要素1552を封入することによって、ヘッドギア後方部分1530に固定される。たとえば、コア部材1570および/または調整要素1552は、金型内に配置することができ、ヘッドギア後方部分1530の剛性材料部分は、コア部材1570および/または調整要素1552を封入するように、射出成型によって形成することができる。図示する構成では、調整要素1552の端部およびコア部材1570の端部が、ヘッドギア後方部分1530の剛性材料部分内に封入される。しかしながら、他の好適な構成を使用することも可能である。
いくつかの構成では、調整要素1552は、編組要素1554を弾性要素と結合するエンドキャップ部分1556を含む。エンドキャップ部分1556は、オーバモールドプロセスによって調整要素1552の端部に付与することができる。特に、金型内に編組要素1554および弾性要素を配置することができ、編組要素1554および弾性要素の端部の上に射出成型することにより、エンドキャップ部分1556を生成することができる。いくつかの構成では、編組要素1554および/または弾性要素は、オーバモールドプロセス中、伸張状態で保持される。いくつかの構成では、その後、調整要素サブアセンブリは、上述したオーバモールドプロセス等により、ヘッドギア後方部分1530に結合される。したがって、調整要素1552のエンドキャップ部分1556をヘッドギア後方部分1530によって封入することができる。
ヘッドギア後方部分1530と対向する調整要素1552の各々のエンドキャップ部分1556を、任意の好適な構成によってインタフェース結合部分1540に結合することができる。図示する構成では、調整要素1552のエンドキャップ部分1556はフェルールまたはソケット1580に結合され、フェルールまたはソケット1580は、インタフェース結合部分1540に結合される。たとえば、エンドキャップ部分1556をソケット1580内に圧入するかまたは他の方法で固定することができる。ソケット1580は、保持部分1584をソケット1580の本体1586から間隔を空けて配置する首部分1582を備えることができる。首部分1582は、インタフェース結合部分1540における開口部1544を通って延在することができ、ソケット1580の保持部分1584は、インタフェース結合部分1540からのソケット1580の分離を防止することができる。いくつかの構成では、ソケット1580の保持部分1584を方向性ロック1510のハウジング1512と一体化することができる。
いくつかの構成では、インタフェース結合部分1540は、協働して収集空間を画定する複数の部品から構成することができる。複数の部品はまた、協働して、各方向性ロック1510のハウジング1512を受け入れる空間1590を画定することも可能である。図示する構成では、インタフェース結合部分1540は、第1部品1592および第2部品1594を備え、それらを接続して、収集空間1596と方向性ロック1510のハウジング1512を受け入れる一対の空間1590とを画定することができる。第1部品1592および第2部品1594は、それぞれ上方部品および下方部品とすることができる。他の構成では、第1部品1592および第2部品1594は、たとえば、前方部品および後方部品とすることができる。別個の部品を設けることにより、方向性ロック1510のハウジング1512、方向性ロック1510のコア部材1570およびソケット1580のインタフェース結合部分1540への組付けが容易になる。
インタフェース結合部分1540の収集空間1596は、図示する構成では、余分のまたは機能しない部分でありコア部材1570の作動部分を形成しないコア部材1570の端部を受け入れる、蓄積部として構成されている。すなわち、ヘッドギア後方部分1530の取付箇所と方向性ロック1510のハウジング1512(または、方向性ロックのロック要素における)との間のコア部材1570の部分は、機能しており、ヘッドギア円周の一部を形成する。コア部材1570のこうした部分は、ヘッドギアを伸長させる傾向がある力が加えられると、張力下に置かれる。機能しているコア部材部分および機能していないコア部材部分の長さは、ヘッドギアアセンブリ1500の調整されたまたは瞬時の円周の変化とともに変化する。したがって、収集空間1596は、コア部材1570の機能していない部分を蓄積し保護するための場所を提供する。
望ましくは、収集空間1596の長さは、少なくとも、調整部材1552のうちの1つの伸縮距離(伸長長さと収縮長さとの間の距離)程度の大きさである。言い換えれば、調整部材1552の伸縮距離は、好ましくは、収集空間1596の長さ以下であり、それにより、少なくとも幾分かの余分なコア部材1570長が収集空間1596内に残っている状態で調整部材1552が収縮位置から伸長位置まで移動するのを可能にするのに、十分な長さの余分なコア部材部分に対して、収集空間1596内に十分な空間が存在し、それにより、コア部材1570は、方向性ロック1510のハウジング1512を通して完全に引っ張られない。いくつかの構成では、収集空間1596は、コア部材1570の各々に対して別個の空間またはチャネルを備えることができる。
インタフェース結合部分1540の一部を、インタフェース1520またはインタフェース1520の一部に接続されるように構成することができる。いくつかの構成では、インタフェース結合部分1540は、インタフェース1520に選択的に結合されるかまたは取外し可能に結合されることが可能である。図示する構成では、収集空間1596を画定するインタフェース結合部分1540の一部は、インタフェース部材1524の受入チャネル1522内に受け入れられるように構成される。受入チャネル1522は、インタフェース部材1524によって画定されかつスナップフィット構成においてインタフェース結合部分1540を受け入れるように構成された、半円筒状空間であり得る。収集空間1542を画定するインタフェース結合部分1540の中心部分は、外側形状が概して円柱状または円筒状であり得る。図示する構成では、インタフェース結合部分1540の中心部分は、その長さに沿って湾曲している。
インタフェース部材1524は、インタフェース1520の任意の部分であり得る。たとえば、インタフェース部材1524は、シェルまたはフレーム要素1526等、インタフェース1520の比較的剛性の部分であり得る。図示する構成では、インタフェース部材1524は、マスクシール1528、クッション1532または他のインタフェース要素を直接または間接的に支持することができるフレーム要素1526である。フレーム要素1526(またはインタフェースの別の部分)は、エルボ1534等の導管コネクタを支持することができる。いくつかの構成では、インタフェース部材1524は、いくつかの異なるタイプのマスクシール1528、クッション1532または他のインタフェース要素を支持するように構成することができる。いくつかの構成では、インタフェース部材1524は、所定のマスクシール1528、クッション1532または他のインタフェース要素と一体化するかまたはそれと使用されるように設計することができ、マスクシール1528、クッション1532またはインタフェース要素の各タイプに、異なるインタフェース部材1524を一体化するかまたは関連付けることができる。いずれの場合も、少なくともいくつかの構成では、複数のタイプのマスクシール1528、クッション1532、または、たとえば、鼻カニューレ、鼻ピロー、鼻マスクまたはフルフェイスマスクを含む、他のインタフェース要素とともに、ヘッドギアアセンブリ1500を利用することができる。
図54~図56は、すぐ上に記載したヘッドギアアセンブリ1500と同じであるかまたは実質的に同じであり得るか、または別の好適な構成であり得る、ヘッドギアアセンブリ1500を組み込んだ、インタフェースアセンブリを示す。図示する構成では、ヘッドギア後方部分1530は折畳み式である。いくつかの構成では、ヘッドギア後方部分1530は、ヘッドギア後方部分1530が3次元形態をとる拡張形態から、比較的平坦に位置することができる折畳み形態に折り畳むかまたは折り曲げることができる。図示する構成では、後部ストラップおよび頂部ストラップの一方または両方に、ヒンジ、接合部または折目が設けられている。ヒンジ、接合部または折目1536は、ヘッドギア後方部分1530の他の部分より剛性が低い、ヘッドギア後方部分1530のセクションを含むことができる。ヒンジ、接合部または折目1536は、剛性ヘッドギア材料の厚さが低減した部分、1つまたは複数の布層がヒンジ、接合部または折目1536を画定するような剛性ヘッドギア材料部分の間の分離部、またはたとえば縫合接合部等、ヘッドギア後方部分1530の別個の部分の間の連結部を含むことができる。ヘッドギア後方部分のいくつかの部分を接合するために、別個のヒンジ部材を利用することができる。
こうした構成により、ヘッドギアを比較的平坦に置くことができ、それは、使用者がマスクを持って移動している場合にヘッドギアが梱包されるのに役立つことができる。設計された折曲げ点または線があることによりヘッドギアユニットは形状保持挙動を有することができるが、スーツケース等に梱包されなければならない場合、小型ユニットにもなる。折曲げ線またはヒンジ線1536は、剛性材料部分の左側および右側の両方をその箇所まで縫合するかまたは射出成型し、その後、ヒンジとして作用するように布の裏のない1つまたは複数の切片を残すということを使用する等、任意の好適なプロセスによって構成することができる。
図57~図59は、少なくともいくつかの構成では2つ以上のインタフェースタイプと利用することができる別のヘッドギアアセンブリ1600を示す。たとえば、図57は、フルフェイスマスク型インタフェース1650を備えたインタフェースアセンブリのモジュール式構成要素を形成するものとしてヘッドギアアセンブリ1600を示す。ヘッドギアアセンブリ1600は、インタフェース1650と係合する部分1602を備えることができ、または他の方法でインタフェース1610に結合することができる。いくつかの構成では、ヘッドギアアセンブリ1600の係合または結合部分1602を、少なくとも1つの他のタイプのインタフェースと係合させるかまたは結合することができる。たとえば、図58は、鼻マスク1660を支持する図57のヘッドギアアセンブリ1600(破線で示す)を示し、図59は、鼻ピロー/プロングマスク1670を支持する図57のヘッドギアアセンブリ1600(破線で示す)示す。したがって、こうしたモジュール式構成により、単一のヘッドギアアセンブリを複数のタイプのインタフェースと利用することができる。有利には、本明細書に記載するようなヘッドギアアセンブリの要求時抵抗機能により、単一ヘッドギアアセンブリは、異なるインタフェースタイプと好適に動作することができる。たとえば、ヘッドギアによって与えられる保持力は、使用される特定のインタフェースによってヘッドギアに加えられる力に自動的に調整することができる。係合または結合部分1602は、たとえば、図37~図53に関連して開示した構成と同じかまたは同様である等、任意の好適な構成であり得る。
ヘッドギアアセンブリ1600は、本明細書に開示するかまたは本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されている他のヘッドギアアセンブリと概して同様であり得る。特に、図示するヘッドギアアセンブリ1600は、ヘッドギア後方部分1604と、インタフェース結合部分1602と、ヘッドギア後方部分1604とインタフェース結合部分1602との間に挿入される長さまたは円周調整部分1606とを含む。ヘッドギア後方部分1604は、使用時、使用者の頭部の後方部分と接触するように構成されている。インタフェース結合部分1602は、使用時、ヘッドギアアセンブリ1600がインタフェースを使用者の顔面の適切な位置で支持することができるように、インタフェースに結合されるように構成されている。長さまたは円周調整部分1606は、使用時、ヘッドギアアセンブリ1600を特定の使用者の頭部サイズに調整することができるように、インタフェース結合部分1602の位置をヘッドギア後方部分1604に対して調整することができるように構成されている。したがって、長さまたは円周調整部分1606は、ヘッドギアアセンブリ1600が特定の使用者の頭部サイズにフィットすることができるように、ヘッドギアの周囲長または円周を調整することができようにすることができる。
ヘッドギア後方部分1604は、本明細書にまたは本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に記載されているもののうちの任意のものと同じであるか同様である等、任意の好適な構成であり得る。好ましくは、ヘッドギア後方部分1604は、使用者の頭部に係合し、インタフェース結合部分1602および円周調整部分1606を利用する等、インタフェースの接続のための比較的安定したプラットフォームを提供する。したがって、少なくともいくつかの構成では、ヘッドギア後方部分1604は実質的に非弾性であり、それにより、意図された用途に対して典型的であるかまたは予測される範囲内の加えられた力に応じてその形状および有効長さを保持する。ヘッドギア後方部分1604は、使用者の頭部の頂部の上に延在する頂部ストラップ部分1608と、使用者の頭部の後部の周囲に延在する後方ストラップ部分1610とを含むことができる。頂部ストラップ部分1608および後方ストラップ部分1610は、別個であるか、または中間接続部分1612による等、任意の好適な方法で結合することができる。
長さまたは円周調整部分1606は、本明細書にまたは本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に記載されているもののうちの任意のものと同じであるか同様である等、任意の好適な構成であり得る。円周調整部分1606は2つの対の調整要素1614を備えることができ、そこでは、調整要素1614の一方の対がヘッドギアアセンブリ1600の各側部に配置されている。したがって、図示するヘッドギア装置1600は、概して、2保持面ヘッドギアタイプと述べるかまたは分類することができる。ヘッドギア装置1600について、2保持面、前方収束ヘッドギアタイプ、または場合によっては、2保持面、前方収束ヘッドギアタイプと2保持面、分離/角度付きヘッドギアタイプの混成として述べることができる。
調整要素1614の各対は、ヘッドギア後方部分1604の一方の側をインタフェース結合部分1602の一方の側と結合することができる。各側の調整要素1614の対は、間隔が空けられた場所においてヘッドギア後方部分1604に結合されている。たとえば、調整要素1614のうちの一方は、頂部ストラップ1608の一部でまたはその近くでヘッドギア後方部分1604に結合され、調整要素1614のうちの他方は、後方ストラップ1610の一部でまたはその近くでヘッドギア後方部分1604に結合されている。図示する構成では、上部調整要素1614は、使用者の耳の上方の位置でまたはその近くで頂部ストラップ1608の一部から前方向に延在するヘッドギア後方部分1604の前方拡張部に結合されている。下部調整要素1614は、ヘッドギア後方部分1604の後方ストラップ1610の端部に結合されている。
調整要素1614は、収縮長さと伸長長さとの間で長さが調整可能である。いくつかの構成では、調整要素1614は、協働して、ヘッドギアアセンブリ1600の円周の調整のすべてまたは実質的にすべてを提供する。調整要素1614の各々はまた、調整要素1614を収縮長さまたは伸長長さのうちの一方に向かって付勢する弾性要素または付勢機構も含むことができる。好ましくは、調整要素1614は、収縮長さに向かって付勢され、それにより、ヘッドギアアセンブリ1600はその最小円周に向かって付勢される。こうした構成により、ヘッドギアアセンブリ1600は、伸長し、その後、調整要素1614の弾性要素または他の付勢機構の付勢力の下で自動的に収縮して、特定の使用者にフィットすることができる。さらに、好ましくは、調整要素1614は、ヘッドギア1600の伸長を制限するように最大伸長長さにおいてハードストップを画定し、ヘッドギア1600の最大円周を画定する。
いくつかの構成では、調整要素1614の各々は、長さを伸長しまたは収縮することができる編組要素を備えている。編組要素は、編組要素と平行な1つまたは複数の弾性要素を備えることができる。弾性要素は、編組要素とは別個であり、または編組要素に組み込むことができる。いくつかの構成では、弾性要素は、網組要素のフィラメントの間の内部空間に収容される。好適な編組要素の例は、本出願人の特許出願PCT/NZ2014/000074号明細書の図46~図54に関連して記載されている。しかしながら、他の好適な構造または構成も使用することができる。別法として、インタフェース結合部分内に弾性要素または付勢要素を配置することができ、それはコア部材と相互作用して、コア部材をインタフェース結合部分に引き込むことができる。
ヘッドギアアセンブリ1600のインタフェース結合部分1602は、円周調整部分1606を備える調整要素1614の対の間に延在することができる。いくつかの構成では、インタフェース結合部分1602は比較的剛性があり得る。いくつかの構成では、インタフェース結合部分1620は調整要素1614に直接結合される。上述したように、インタフェース結合部1602は、インタフェースへのヘッドギアアセンブリ1600の接続を容易にすることができる。しかしながら、インタフェース結合部分1602はまた、1つまたは複数の方向性ロック1616の少なくとも一部を収容することも可能である。図示する構成では、方向性ロック1616の2つの対が設けられ、1つの方向性ロック1616が調整要素1614のうちの各々1つに関連付けられている。方向性ロック1616の一部(たとえば、ハウジング1618)は、インタフェース結合部分1602の各々に位置することができる。いくつかの構成では、方向性ロック1616の各々に関連するコア部材1620は、ヘッドギア後方部分1604に結合され、調整要素1614に沿うかまたはそこを通り、方向性ロック1616のハウジング1618を通って収集空間1622内に延在する。収集空間1622は、インタフェース結合部分1602とは別個の部材であり得るかまたはそこに組み込むことができる収集チューブまたは導管によって画定することができる。方向性ロック1616のハウジング1620は、コア部材1618と相互作用して、選択的にヘッドギアアセンブリ1600の収縮を可能にするかまたはヘッドギアアセンブリ1600を特定の円周でロックし、少なくとも方向性ロックによって与えられる降伏力未満の力でヘッドギアの伸長を阻止または防止する、1つまたは複数の部材または要素(たとえば、ロックワッシャまたはロックジョー)を備えることができる。方向性ロック1616の動作のさらなる詳細については、上述しかつ本出願人の特許出願PCT/NZ2014/000074号明細書に記載されている。
図示する構成では、インタフェース結合部分1602の各側部における方向性ロック1616は、垂直に積み重ねられるかまたは横に並べて配置される。方向性ロック1616は別個のユニットとして図示されているが、いくつかの構成では、方向性ロック1616の一部を一体化することができる。たとえば、単一ハウジングが、各調整要素の別個のコア部材と相互作用する個々のロック要素を含むことができる。
インタフェース結合部分1602は湾曲することができ、(たとえば、収集チューブまたはチャネルによって画定される)収集空間1622は、インタフェース結合部分1620に沿って湾曲することができる。図示する構成では、インタフェース結合部分1602の中心部分は、インタフェース結合部分1602の端部の上方に位置している。さらに、正面から見ると、インタフェース結合部分1602の側部は、中心部分から下方に湾曲している。したがって、インタフェース結合部分1602は、フルフェイスマスクインタフェース1650の本体またはシェル部分の形状を補間するかまたはそれに対応することができる。インタフェース結合部分1602の中心部分は、マスク1650のエルボまたは他の導管コネクタの上方に位置することができる。同様に、鼻マスクインタフェース1660の本体またはシェル部分の形状を補間するかまたはそれに対応するように、インタフェース結合部分1602を構成することができる。インタフェース結合部分1602の中心部分は、鼻マスク1660のエルボまたは他の導管コネクタの上方に位置することができる。インタフェース結合部分1602は、鼻ピロー/プロングマスク1670の本体の形状を補間するかまたはそれに対応するように構成することができる。インタフェース結合部分1602の中心部分は、鼻ピロー/プロングマスク1670のエルボまたは他の導管コネクタの上方に位置することができる。いくつかの構成では、インタフェース結合部分1602は、エルボまたは他の導管コネクタと鼻ピロー/プロングマスク1670のピロー/プロングとの間に位置することができる。
図60は、図37~図53および図57~図59のインタフェースアセンブリ等、本明細書に開示する他のインタフェースアセンブリに多くの点で類似するインタフェースアセンブリ1680を示す。図60のインタフェースアセンブリ1680は、ヘッドギアアセンブリ1600と、フルフェイスマスク1650または鼻マスクの形態のインタフェースとを備える。ヘッドギアアセンブリ1600は、概して、ヘッドギア後方部分1604、長さまたは円周調整部分1606およびインタフェース結合部分1602を備える。図60のヘッドギア1600について、図37~図53および図57~図59のインタフェースアセンブリに対する相違に関して記載する。記載しない特徴または詳細は、図37~図53、図57~図59のインタフェースアセンブリ、本明細書に開示しているかまたは本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されている他のインタフェースアセンブリの対応する特徴または詳細と同じかもしくは同様であり得るか、または他の任意の好適な構成であり得る。
図60のヘッドギアアセンブリ1600は、2保持面、平行ヘッドギアタイプとして述べるかまたは分類することができる。図示するヘッドギア後方部分1604は、頂部ストラップ1608、一対の上部ストラップ1624および一対の下部ストラップ1626を備える。ヘッドギア後方部分1604は、上部ストラップ1624と下部ストラップ1626との間に延在しかつそれらを結合する垂直に伸長した中間後方部分1628を備える。図示するインタフェース結合部分1602は、フルフェイスマスクまたは鼻マスクのシェル部分1682に対する支持フレーム1630の形態である。シェル部分1682およびエルボ1684または他の導管コネクタ(まとめて「エルボ」と呼ぶ)は、任意の好適な構成によって支持フレーム1630に直接または間接的に固定することができる。たとえば、シェル部分1682およびエルボ1684は、支持フレーム1630に(直接または間接的に)別個に結合することができ、シェル部分1682はフレーム1630に直接結合することができ、エルボ1684はシェル部分1682に結合することができ、またはエルボ1684はフレーム1630に直接結合することができ、シェル部分1682はエルボ1684に結合することができる。
図示する構成では、インタフェース結合部分または支持フレームは、額当てまたはTピース1632を画定する。円柱調整部分1606を備える調整要素1614の上方の対は、上部調整要素1614が使用者の眼の上方に配置されかつ使用者の耳の上方に延在するように、Tピース1632に結合することができる。円周調整部分1606を備える調整要素1614の下方の対は、下部調整要素1614が使用者の眼および耳の下方に配置されるように、支持フレーム1630の下方部分に(直接、またはシェル等の別の部材を通して)結合することができる。上部調整要素1614に対する(たとえば、収集チューブまたはチャネルによって画定された)収集空間1622は、湾曲し、エルボに向かってTピース1632に沿って下方に延在することができる。上部方向性ロック1616は、Tピース1632によって支持することができる。下部方向性ロック1616は、支持フレーム1630の下方部分によって(直接または間接的に)支持することができる。
図60のヘッドギアアセンブリまたはインタフェースアセンブリ1680によって提供される微調整能力は、Tピース構成において特に有利であり、それは、特に敏感な領域であり得る使用者の鼻の鼻梁の周囲のフィットのわずかな調整を、迅速にかつ容易に達成することができるためである。ヘッドギア後方部分1604とインタフェース結合部分1602またはインタフェースとの間の各接続について、自動調整構成として示すが、いくつかの構成では、自動調整構成および手動調整構成の組合せを使用することができる。たとえば、(たとえば、Tピース1632に対する)上部接続部は、手動で調整可能とすることができ(フック・ループ締結ストラップ等)、下部接続部は自動的に調整可能とすることができる。こうした構成により、下部接続部がヘッドギアアセンブリまたはインタフェースアセンブリ1600を着用し取り外す(「外す(doff)」)ために必要な伸長のすべてを提供する状態で、上部接続部を、複数のフィッティングサイクルを通して適所に設定し維持することができる。こうした構成により、たとえば、より低いプライスポイントで自動調整の利点のうちのいくつかを提供することができる。下部手動調整および上部自動調整、または一方の側の手動調整および反対側の自動調整等、他の好適な組合せも使用することができる。
図61は、図37~図53、図57~図59および図60のインタフェースアセンブリ等、本明細書に開示する他のインタフェースアセンブリと多くの点で類似するインタフェースアセンブリ1680を示す。図61のヘッドギア1600については、図37~図53、図57~図59および図60のインタフェースアセンブリに対する相違に関して記載する。記載していない特徴または詳細は、図37~図53、図57~図59および図60のインタフェースアセンブリ、本明細書に開示しているかまたは本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されている他のインタフェースアセンブリの対応する特徴または詳細と同じかもしくは同様であり得るか、または他の任意の好適な構成であり得る。
図61のインタフェースアセンブリ1680は、ヘッドギアアセンブリ1600とフルフェイスマスク1650または鼻マスクの形態であるインタフェースとを備える。ヘッドギアアセンブリは、概して、ヘッドギア後方部分1604、長さまたは円周調整部分1606およびインタフェース結合部分1602を備える。しかしながら、図60のインタフェースアセンブリとは異なり、図61のインタフェースアセンブリ1680は、額当てまたはTピース1632を含まない。その結果、調整要素1614の上方の対の各々は、図60のインタフェースアセンブリ1680に対して下方の位置で、インタフェース結合部分1602またはインタフェースに接続する。たとえば、上部調整要素1614は、概して、使用者の頬に沿ってかつ眼の下方を通過することができる。
図61のヘッドギアアセンブリ1600は、2保持面、分離/角度ヘッドギアタイプとして述べるかまたは特徴付けることができる。上部調整要素1614および下部調整要素1614は、マスク1650において互いから間隔を空けて配置されて、間隔が空けられた垂直位置においてマスク1650に保持力を与え、それにより、マスク1650に安定性を与えることができる。マスク1650にヘッドギアアセンブリ1600を別個のインタフェース結合部分1602によって結合することができ、インタフェース結合部分1602の各々は、図57~図60に関連して記載したインタフェース結合部分1602と実質的に同様であり得る。インタフェース結合部分1602の一方は、マスク1650の下方部分(たとえば、下半分)に位置することができ、インタフェース結合部分1602の他方は、マスク1650の上方部分(たとえば、上半分)に位置することができる。下部インタフェース結合部1602は、エルボまたは他の導管コネクタの上方を通過することができる。いくつかの構成では、上部インタフェース結合部分1602および下部インタフェース結合部分1602を互いに結合するかまたは互いに一体化することができる。たとえば、ブリッジ部分が、上部インタフェース結合部分1602と下部インタフェース結合部分1602との間に延在しかつそれらを接続することができる。ブリッジ部分は、インタフェース結合部分の一方または両方から別個であるかまたは一体的であり得る。
図62は、図37~図53、図57~図59、図60および図61のインタフェースアセンブリ等、本明細書に開示する他のインタフェースアセンブリと多くの点で類似するインタフェースアセンブリ1680を示す。図62のヘッドギア1600については、図37~図53、図57~図59、図60および図61のインタフェースアセンブリに対する相違に関して記載する。記載していない特徴または詳細は、図37~図53、図57~図59、図60および図61のインタフェースアセンブリ、本明細書に開示しているかまたは本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されている他のインタフェースアセンブリの対応する特徴または詳細と同じかもしくは同様であり得るか、または他の任意の好適な構成であり得る。
図62のインタフェースアセンブリ1680は、ヘッドギアアセンブリ1600と、たとえばフルフェイスマスク1650または鼻マスクの形態であるインタフェースとを備える。ヘッドギアアセンブリ1600は、概して、ヘッドギア後方部分1604、長さまたは円周調整部分1606およびインタフェース結合部分1602を備える。しかしながら、図60および図61のインタフェースアセンブリ1680とは異なり、たとえば、図62のインタフェースアセンブリ1680のインタフェース結合部分1602は、インタフェースアセンブリ1680またはヘッドギアアセンブリ1600の反対側の調整要素の間に延在していない。代わりに、インタフェース結合部分1602は、インタフェースアセンブリ1680またはヘッドギアアセンブリ1600の同じ側の調整要素1614を結合する。すなわち、インタフェース結合部分1602の対の各々は、インタフェースアセンブリ1680またはヘッドギアアセンブリ1600の一方の側の上部調整要素1614および下部調整要素1614を互いに結合する。
図示する構成では、インタフェース結合部分1602は、概してU字型部材であり、上部調整要素1614に結合された上端部1634と、下部調整要素1614に結合された下端部1636とを有している。インタフェース結合部分1602の湾曲部分が、上端部1634と下端部1636との間に延在している。上部調整要素1614および下部調整要素1614に対する方向性ロック1616は、それぞれの上端部1634および下端部1636によって支持することができる。(たとえば、収集チューブまたは他のチャネルによって画定される)収集空間1622は、インタフェース結合部分1602の中心湾曲本体部分に沿って湾曲することができ、いくつかの構成では互いに重なる場合がある。
図62の構成では、ヘッドギアアセンブリ1600自体は、閉鎖外周部全体を画定しない場合がある。むしろ、インタフェース1650は、閉鎖外周部の一部、したがって、インタフェースアセンブリ1680の円周または周囲長の一部を形成することができる。有利には、こうした構成により、インタフェースアセンブリ1680は、任意選択的に、インタフェースアセンブリ1680を着用するかまたは外すために閉鎖外周部を迅速にかつ容易に開放するように構成することができる。すなわち、インタフェース結合部分1602の一方(または両方)を、(1つまたは複数のクリップ等により)インタフェース1650に取外し可能に取り付けることができ、それにより、インタフェース結合部分1602の一方(または両方)を分離することができ、閉鎖外周部を開放することができる。いくつかの構成では、インタフェースアセンブリの一方の側にのみ、自動調整機構を設けることができる。同様に、本明細書に開示するかまたは本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に開示されている他のインタフェースアセンブリまたはヘッドギアアセンブリは、一方の側にのみ自動調整機構を設けることができる片側または非対称構成であり得る。
図63~図65は、図62のインタフェースアセンブリ1680を着用する一連の別個の位置またはステップを示す。図63は、使用者が、インタフェース結合部分1602を頭部の一方の側に取り付けてインタフェースを配置し、頭部の後部の周囲でインタフェースアセンブリ1600をループにし、分離されたインタフェース結合部分1602を顔面に向かって引っ張っている状態を示す。図64において、インタフェースは顔面の適切な位置に向けられ、分離されたインタフェース結合部分1602はインタフェース1680に向けられる。図65は、使用者の顔面の適所にあるインタフェース1680と、使用者が、緩んだまたは分離したインタフェース結合部分1602を再接続して外周部ループを閉鎖している状態を示す。図64と図65との間の移動の一部またはすべてが、上述したように、方向性ロックの降伏力に打ち勝つことが必要である可能性がある。インタフェースアセンブリ1680を取り外すかまたは外すためには、手順を逆に行うことができる。
図66および図67は、それぞれ、第1位置(たとえば、最小周囲長)および第2位置(たとえば、最大周囲長)にある自動調整可能インタフェースアセンブリまたはヘッドギアアセンブリ1700の外周部を示す。本明細書に開示したインタフェースアセンブリおよびヘッドギアアセンブリに関して記載したように、外周部は、ヘッドギア後方部分1704によって画定される長さLrearを含むことができる。いくつかの構成では、Lrearはゼロであり得る。言い換えれば、固定長ヘッドギア後方部分1704を省くことができ、長さ調整部分または弾性構成要素によって後方セクションを形成することができる。さらに、図示する外周部の複数の部分のうちの1つまたは複数を代替的な位置に配置することができ、または複数の部分に分割することができる。
外周部はまた、円周または長さ調整部分1706によって画定された長さLelasticも含むことができ、それは、図示する構成では、一対の弾性または調整可能要素1714によって画定される。しかしながら、他の構成では、他の好適な構成もあるが特に、1つの弾性もしくは調整可能要素1714、または3つ以上の弾性もしくは調整可能要素1714によって、円周または長さ調整部分706を画定することができる。上述したように、いくつかの構成では、長さLrearを画定するヘッドギア後方部分1704を省くことができ、長さ調整部分1706は、インタフェース結合部分1702の一端からインタフェース結合部分1702の他端まで外周部分全体を通して延在することができる。図66および図67では、Lelastic長さには、最小長さLminおよび最大長さLmaxそれぞれの相対位置指標が標識されている。
外周部は、収集部長さLcollectorを更に含むことができ、それは、方向性ロック機構のコア要素の余分な部分を受け入れる収集空間1722の個々のまたは全体的な利用可能な長さを表すことができる。上述したように、収集部空間1722は、必ずしも、一方の調整可能要素1714から他方の調整可能要素1714まで延在しておらず、それにより、周囲長の物理的なセクションを画定する。たとえば、図62のインタフェースアセンブリ1680では、収集部空間1622は、対向する調整可能要素1614の間に延在していない。したがって、物理的な意味で、インタフェース結合部分1602、インタフェース1650または他の構造は、周囲長の一部を画定することができる。しかしながら、概念的な意味では、弾性長さLelastic(最小長さLminおよび最大長さLmax)は、66および図67の外周部の長さ調整可能部分を画定し、残りの部分(ヘッドギア後方部分長さLrearおよび収集部長さLcollector)は固定長である。
図示する構成では、周囲長は、ヘッドギア後方部分長さLrearと、収集部長さLcollectorと、図示する構成では、2つの等しい長さ調整要素1714が設けられているためLelasticの2倍である、総弾性長さLelasticとの和を含むかまたはそれによって画定することができる。任意の時点におけるまたはインタフェースもしくはヘッドギアアセンブリ1700の任意の特定の位置に対する総弾性長さLelasticは、最大長さLmaxと最小長さLminとの間に等しいかまたはその間のいずれかである。本明細書に記載したように、各コア部材の長さLcoreは、好ましくは、各調整要素の最大長さLmax以上であり、したがって、総コア部材長さLcoreは、好ましくは、総最大長さLmax以上であり、それにより、方向性ロック要素を通してコア部材を完全に引っ張ることなく、ヘッドギアアセンブリをその最大周囲長まで伸張させることができる。言い換えれば、ヘッドギアアセンブリがその最大周囲長まで伸張すると、コア部材の一部に対して、方向性ロック要素が係合することができることが好ましい。
さらに、収集部長さLcollectorは、ヘッドギアアセンブリの最大周囲長および最小周囲長でコア部材の総余分または未利用部分を収容するのに十分であることが好ましい。したがって、少なくともいくつかの構成では、個々のまたは総コア長さLcoreは、個々のまたは総最大長さLmaxに個々のまたは総収集部長さLcollectorを足した値以下である。少なくともいくつかの構成では、個々のまたは総コア長さLcoreは、個々のまたは総最小長さLminに個々のまたは総収集部長さLcollectorを足した値以下である。いくつかの構成では、個々のまたは総最大長さLmaxは、個々のまたは総最大長さLmaxに個々のまたは総収集部長さLcollectorを足した値未満である個々のまたは総コア長さLcore以下である。方向性ロック機構の長さは、外周部内に具体的に示されていないが、ヘッドギア後方部分の長さLrear、弾性長さLelasticまたは収集部長さLcollectorのうちの任意のものの一部を形成するものとみなすことができる。いずれの場合も、方向性ロック機構の長さは、コアの最小長さLcoreを求める際に考慮することができる。
少なくともいくつかの構成では、個々のまたは総コア長さLcoreは、個々のまたは総弾性長さLelasticと収集部長さLcollectorとの和より大きい場合がある。少なくともいくつかの構成では、個々のまたは総コア長さLcoreは、個々のまたは総最大長さLmaxとヘッドギア後方部分長さLrearとの間である場合があり、または、個々のまたは総最大長さLmaxおよびヘッドギア後方部分長さLrearのうちのいずれか一方に等しい場合がある。
図66および図67の外周部は、インタフェースアセンブリまたはヘッドギアアセンブリの実際の外周部を表すことができる。すなわち、図66および図67の外周部は、単一保持面インタフェースもしくはヘッドギアアセンブリの物理的構造、または複数保持面インタフェースもしくはヘッドギアアセンブリにおける1つの保持面の物理的構造を表すことができる。しかしながら、記載したように、図66および図67の外周部は、概念的な意味では他のインタフェースまたはヘッドギアタイプを表すことができる。図示する外周部は、たとえばかつ限定なしに、複数保持面ヘッドギアタイプの単一保持面(たとえば、上部保持面または下部保持面)を表すことができ、または、複数保持面ヘッドギアタイプの2つ以上の保持面の平均を表すことができる。
図68A~図68Dは、ハウジング1810と、第1ロック要素および第2ロック要素(たとえば、ワッシャ1820、1822)と、コア部材1830とを備える方向性ロックの実施形態を示す。ハウジングは、第1チャンバ1840および第2チャンバ1842を備え、第1チャンバ1840および第2チャンバ1842は、それぞれ、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822を収容するように構成されている。図示する構成では、第1チャンバ1840および第2チャンバ1842は、ハウジング1810の内壁1812によって分離されている。しかしながら、他の構成では、第1チャンバ1840および第2チャンバ1842は、必ずしも物理的に別個の空間ではなく、1つのチャンバの一部であり得る。ハウジング1810は、2つの端壁1814を有し、それらは、内壁1812とともに、コア部材1830が通過するための細長いコア開口部1860を有している。コア開口部1860は、互いに実質的に位置合せされている。図の右側に示す端壁1814のコア開口部1860は、図の左側に示す内壁1812および端壁1814のコア開口部より大きい。これにより、ハウジング1810を通してコア部材1830の経路を操作することができる。第1チャンバ1840および第2チャンバ1842は、各々、内壁1812と、端壁1814のうちの1つと、一対の側壁1816とによって境界が定められ、側壁1816は、ハウジング1810の端壁1814の間に延在している。第1チャンバ1840および第2チャンバ1842は、ハウジング1810の頂部および底部の一方または両方において開放しているように構成されている。
第1チャンバ1840および第2チャンバ1842の各々は、ハウジング1810の対向する側壁1816に位置合せされる一対のワッシャリテーナ1850を有する。ワッシャリテーナ1850の各対は、第1ロックワッシャ1820または第2ロックワッシャ1822のうちの一方を、それぞれの第1チャンバ1840または第2チャンバ1842内で枢動可能に保持するように構成されている。ワッシャリテーナは、円形ブッシュ1852および細長いスロット1854を備え、円形ブッシュ1852は、ハウジングの底部と交差して入口が形成されるようにする。入口は、第1ロックワッシャ1820および/または第2ロックワッシャ1822がワッシャリテーナ1850内に受け入れられるのを可能にするように構成されている。スロット1854は、円形ブッシュ1852からハウジング1810の頂部に向かって半径方向に延在している。
第1ワッシャ1820および第2ワッシャ1822は、円筒状シャフト1824とシャフト1824から延在するアームとを備える。円筒状シャフト1824は、ハウジング1810と実質的に同じ幅Wであり、アームは、第1チャンバ1840および第2チャンバ1842内に適合するように細くなっている。図示する構成では、アームは、第1セクション1872および第2セクション1874を備え、第1セクション1872は、円筒状シャフト1824から半径方向にまたは垂直に延在し、第2セクション1874は、第1セクション1872の端部から鈍角で延在している。第1ワッシャ1820のアームの第1セクション1872は、第2ワッシャ1822のアームの第1セクション1872より短い。第1ワッシャ1820のアームの第1セクション1872と第2セクション1874との間の角度は、第2ワッシャ1822の対応する角度より大きい。角度は、第1ワッシャ1820および第2ワッシャ1822の一方または両方の第2セクション1874が、ワッシャ1820、1822の1つの位置においてハウジング1810の対応する壁(たとえば、それぞれ内壁1812および端壁1814)に対して実質的に平坦に位置するように選択することができる。アームの第2セクション1874は、コア部材1830を受け入れるように構成された中心に位置する円形アパーチャ1876を備える。第1チャンバ1840および第2チャンバ1842は、内部に収容されるワッシャのサイズに従ってサイズが異なり、すなわち、第1ワッシャ1820が第2ワッシャ1822より小さいため、第1チャンバ1840は第2チャンバ1842より小さい。
第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822の円筒状シャフト1824は、ワッシャリテーナ1850の円形ブッシュ1852の直径と実質的に同じ直径を有し、スナップフィット構成で円形ブッシュ1852によって受け入れられかつ保持されるように構成されている。スナップフィット構成は、円形ブッシュ1852の入口が円筒状シャフト1824の直径より狭いことによって提供される。ワッシャリテーナ1850のスロット1854は、入口が開放するように撓んで、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822が入口に押し通されてハウジング1810と組み付けられることができるのをより容易にすることができるように構成されている。ハウジング1810の第1チャンバ1840および第2チャンバ1842内に組み付けられると、第1ワッシャ1820および第2ワッシャ1822は、円筒状シャフト1824を通って伸びる中心軸を中心に前後に枢動することができる。
コア部材1830は、ハウジング1810のコア開口部1860と第1ワッシャ1820および第2ワッシャ1822のアパーチャ1876とを通過するように構成されている。コア部材1830に張力を加えることにより、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822は、ロック位置および/または開放位置の間で後方にかつ/または前方に枢動する。図68Aおよび図68Bは、(矢印によって示すように)図の左側に向かう方向においてコア部材1830に力が加えられるロック形態にある方向性ロックを示す。この形態においてコア部材1830に加えられる力により、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822は、左回り方向に枢動し、それにより、方向性ロック1800を通るコア部材1830の通路は非線形であるか曲がりくねり、コア部材1830の移動が制限される。図68C及び図68Dは、(矢印によって示すように)図の右側に向かう方向においてコア部材1830に力が加えられている開放形態にある方向性ロックを示す。この形態では、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822は、右回り方向に枢動し、それにより、円形アパーチャ1876およびコア開口部1860が実質的に直線で位置合わせされる。これにより、コア部材1830が方向性ロック1800を通って実質的に自由に引っ張られる平滑な通路が提供される。方向性ロック1800の動作のさらなる詳細については、上述し、かつ本出願人の出願PCT/NZ2014/000074号明細書に記載されている。
図69Aおよび図69Bは、ハウジング1810ならびに第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822の限定しない例示的な実施形態を示す。第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822は、本技術分野において既知であるように、それらがランナおよびゲートシステム1900によって接続される、単一構成要素として成型されるように構成されている。ランナおよびゲートシステムは、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822に対する組立補助として使用されるように構成されており、そこでは、第1ワッシャ1820および第2ワッシャ1822をハウジング1810のワッシャリテーナ1850と位置合わせするために、人または機械がランナおよびゲートシステム1900を把持することができる。ゲートおよびランナシステム1900を通してロックワッシャ1820、1822に(矢印によって示すような)力を加えて、ハウジング1810とロックワッシャ1820、1822との間の相対移動をもたらすことができる。こうした相対移動を利用して、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822をハウジング1810に係合させることができ、それにより、ロックワッシャ1820、1822の円筒状シャフト1824は、ワッシャリテーナ1850の円形ブッシュ1852内にスナップフィットされる。
図69Bに示すように、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822がハウジング1810内で組み付けられると、ゲートおよびランナシステム1900をロックワッシャ1820、1822から分離するかまたは切り離すことができる。組付け力が加えられる方向(図69における矢印)に対して実質的に垂直な方向において、ゲートおよびランナシステム1900に(矢印によって示す)力を加えて、ロックワッシャ1820、1822からゲートおよびランナシステム1900を取り外すことができる。ゲートおよびランナシステム1900が取り外されるとき、ロックワッシャ1820、1822は、ハウジング1810と組み立てられたままである。ゲートおよびランナシステム1900のゲート1910は、ロックワッシャ1820、1822の円筒状シャフト1824に対して可能な限り近接して破断させる脆弱点を有するように設計することができ、それにより、ロックワッシャ1820、1822の枢動の範囲は、余分なゲート材料によって制限されない。
図70A及び図70Bは、単一のゲートおよびランナシステム1900の上に第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822の複数の組が成型されている実施形態を示す。この構成により、複数の方向性ロック1820、1822を一度にまたは逐次組み立てることができ、したがって、製造効率が向上する。ロックワッシャ1820、1822の組をハウジング1810に組み付けるために、第1ワッシャ1820および第2ワッシャ1822をハウジング1810の各々のワッシャリテーナ1850と位置合わせするために、人または機械がランナおよびゲートシステム1900を把持することができる。ゲートおよびランナシステム1900を通して(矢印によって示すような)力を加えて、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822の組をハウジング1810に係合させることができ、それにより、ロックワッシャ1820、1822の円筒状シャフト1824は、ワッシャリテーナ1850の円形ブッシュ1852内にスナップフィットする。
図71は、第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822を方向性ロック1800のハウジング1810に組み付ける限定しない例示的な構成を示す。この構成は、ロックワッシャ1820、1822を位置合わせしかつそれらに組付け力を加えるために使用される、グリップタブ1830等のグリップ部分または要素を含む。グリップタブ1830は、ロックワッシャ1820、1822とゲートおよびランナシステム1900との間に形成され、人または機械が容易に把持するように特に構成された形状を有することができる。いくつかの構成では、ゲートおよびランナシステム1900は、成型プロセス中にグリップタブ1830から取り除かれるように構成されている。この構成の変形(図示せず)では、単一グリップタブ1830によって第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822の複数の対を接続することができ、単一グリップタブ1830は、単一動作で方向性ロックを組み立てるために使用される。
図72は、方向ロックの限定しない例示的な実施形態を示す。この実施形態では、ワッシャリテーナ1850は、対向する配置で位置決めされており、そこでは、第1ワッシャリテーナ1850は、ハウジングの頂部から下方に延在し、第2ワッシャリテーナ1850は、ハウジングの底部から上方に延在している。第1ロックワッシャ1820および第2ロックワッシャ1822は、反対方向においてハウジング1810に組み付けられる。たとえば、ロックワッシャ1820、1822のハウジング1810への組付けに役立つように、図69a~図71の実施形態に関連して記載したようなグリップタブ1830またはゲートおよびランナシステム1900を用いることができる。
図73~図80は、インタフェースを野球帽のように着用し外すことができるように構成されたヘッドギア装置を備えたインタフェースを示す。好ましくは、ヘッドギア装置は、使用者の耳の下方を通過するストラップを含まない。したがって、こうしたヘッドギア装置を備えたインタフェースは、インタフェースを使用者の頭部の上に上方から通すことによって取り付けるかまたは着用することができる。ヘッドギア装置を使用者の頭部の後方に配置することができ、その後、インタフェース機構を下方に回転させ、インタフェースを使用者の顔面に配置することができ、またはその逆も可能である。ヘッドギア装置は、使用者の耳の前方に、インタフェースに方向または間接的に接続するための取付位置を提供することができる部分を含むことができる。いくつかの構成では、ヘッドギア装置の後方部分は、比較的剛性がある(たとえば、使用者の上に載っているときに開放形状を維持するため)かつ/または比較的伸張不能である。
図73は、額支持部のないフルフェイスマスク2100と組み合わせて使用されるように構成されたヘッドギアシステム2000に対する代替構成を示す。しかしながら、ヘッドギアシステム2000またはその一部はまた、望ましい場合は、額支持部を有するインタフェースを含む他のタイプのインタフェースと組み合わせて使用することも可能である。フルフェイスマスク2100は、使用者の鼻および口の周囲を封止するように構成され、鼻梁、頬および下唇または顎先領域と接触する。ヘッドギアシステム2000は、ヘッドギア後方部分2010、上部保持面2020および下部保持面2030を備える。
好ましくは、ヘッドギア後方部分2010は、使用者の頭部と係合し、インタフェース結合部分2040および円周調整部分(たとえば、方向性ロックモジュール2060)を利用する等、インタフェースの接続のための比較的安定したプラットフォームを提供する。したがって、少なくともいくつかの構成では、ヘッドギア後方部分2010は実質的に非弾性であり、それにより、意図された用途に対して典型的であるかまたは予測される範囲内の加えられる力に応じて、その形状および有効長を維持する。いくつかの構成では、ヘッドギア後方部分2010は、布材料の1つまたは複数の層に結合された、プラスチック材料等の比較的剛性材料から構成された層を備えることができる。好ましくは、布層は、少なくとも剛性材料層の使用者と接触する面に設けられる。いくつかの構成では、剛性材料層の各側に布層が設けられる。さらに、いくつかの構成では、金型内の2つの材料層の間の空間内に剛性材料を射出成型することによる等、材料層の間に剛性材料層を形成することができる。こうしたヘッドギアおよびこうしたヘッドギアを製造する方法の例は、本出願人の米国仮特許出願第62/050,925号明細書に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ヘッドギア後方部分2010は、使用者の耳の正面に延在するアーム2012を備える。アーム2012は、1つまたは複数の方向性ロックモジュール2060を接続することができる一連の場所を提供するように構成された複数の垂直に間隔を空けて配置されたコネクタ2014を備える。フルフェイスマスクは、先の実施形態のダイレクトネーザルマスクより概して大きくかつ重量がある。この結果、フルフェイスマスクは、使用者の顔面との実質的気密シールを達成するために望ましいかまたは必要なレベルの安定性を提供するために2つ以上の保持面が必要である可能性がある。
2つの保持面2020、2030は、フルフェイスマスク2100の側部または場合によっては前方の単一点に向かって収束し、それらは、交差する場合もあれば交差しない場合もある。保持面2020、2030は、互いに垂直に間隔を空けて配置することができ、それにより、それらは、マスクと接触する箇所より、ヘッドギアに接続する箇所においてより間隔を空けて配置される。これにより、インタフェースに対してある程度の安定性が与えられる。たとえば、上部保持面2020は、使用者の耳の頂部から鼻の下側を通るかまたはその上方を通過することができ、下部保持面2030は、使用者の耳の底部から口の近くまたは下方まで通過することができる。
2つの保持面2020、2030の各々は、2つの方向性ロックモジュール2060によって提供することができ、ヘッドギアシステム2000の各側部に1つの方向性ロックモジュール2060が位置する。方向性ロックモジュール2060は、各々、方向性ロック2062および弾性部分2064を備え、弾性部分2064は、一端は方向性ロック2062に接続され他端は複数のコネクタ2014のうちの1つに接続される。保持面2020、2030の角度は、弾性部分2064の端部をヘッドギアアーム2012の異なるコネクタ2014に接続することによって調整することができる。図示するフルフェイスマスク2100は、額当てまたは「Tピース」を含まない。しかしながら、いくつかの構成では、Tピースを設けることができる。望ましい場合は、さらなるヘッドギア要素またはストラップがヘッドギアの後方部分をマスクのTピースに結合することができる。
図74は、ヘッドギア後方部分2010と、フルフェイスマスク2100を使用者の顔面に固定するように構成された2つの保持面2020、2030とを備える、ヘッドギアシステム装置2000を示す。この構成では、フルフェイスマスク2100は、使用者の鼻の下側および使用者の口の周囲で封止するように構成されており、それにより、鼻梁にマスク2100が接触しない。先の実施形態に対する異なる封止場所により、マスクに対して最適なまたは望ましい方向に力を加えるために、保持面2020、2030の角度が異なる必要があり、または少なくとも望ましくなる。図74において、2つの保持面2020、2030は、垂直に間隔が空けられ、ヘッドギア後方部分2010のアーム2012に取り付けられ、それにより、互いに実質的に平行である上部保持面2020および下部保持面2030があるように示されている。上部保持面2020は、先の実施形態の上部保持面2020より水平であり、使用者の顔面でより低く位置する。保持面2020、2030の角度は、図73の実施形態に示すもの等、複数のコネクタ2014を介して調整可能であり得る。
保持面2020、2030の各々は、方向性ロックモジュール2060を備えるように示されており、方向性ロックモジュール2060は、弾性部分2064および方向性ロック2062をさらに備える。この構成の変形では、各方向性ロックモジュール2060は、2つ以上の方向性ロック2062を備えることができる。
図75は、鼻マスク2110と組み合わせた図73のヘッドギアシステム2000を示す。鼻マスク2110は、使用者の鼻の周囲を封止し、鼻梁、頬および上唇と接触するように構成されている。使用者の顔面に取り付けられるときにマスク2110に対して適切な安定性を与えるために、2つの保持面2020、2030が望ましいかまたは場合によっては必要である。
図76は、ヘッドギア後方部分2010と、鼻マスク2110を使用者の顔面に固定するように構成された2つの保持面2020、2030とを備えたヘッドギアシステム2000の限定しない例示的な実施形態を示す。ヘッドギア後方部分2010は、使用者の耳の正面で下方に延在するアームを有する、一体的に形成された布カバーを備えた成型プラスチック構造2016を備える。上部保持面2020および下部保持面2030は、ヘッドギアの各側部における方向性ロックモジュール2060によって提供される。上部保持面2020は、アーム2012の頂部から使用者の鼻の先端のすぐ上の場所まで延在する。下部保持面2030は、アーム2012の底部からおよそ使用者の鼻の下側である位置まで延在する。図示する構成では、方向性ロックモジュール2060は、編組弾性部分、コアフィラメント(図示せず)および方向性ロックを備え、編組弾性部分およびコアフィラメントは、ヘッドギアのアーム2012および方向性ロック2060に、オーバモールド接続部によって永久的に接合される。保持面2020、2030の角度は、オーバモールド接続部2016によって固定される。
図77~図79は、本明細書で開示されている主題によるヘッドギアシステム2200の図を示す。ヘッドギアシステム2200は、閉ループであり、ヘッドギア2210、2つの上部方向性ロックモジュール2220、2つの下部方向性ロックモジュール2230およびハウジング2240を備える。ヘッドギア後方部分2250は、一体的に形成された布カバーを備える二又成型プラスチック構造と、使用時に使用者の耳の正面で下方に延在するように構成された一対のアーム2252とを備える。
上部方向性ロックモジュール2220および下部方向性ロックモジュール2230は、弾性部分2222、コアフィラメント(図示せず)および方向性ロック2224を備える。コアフィラメントは、弾性部分2222の長さを部分的にまたは全体を通して、かつ方向性ロック2224を通して延在するように構成されている。方向性ロック2224は、コアフィラメントと相互作用して、方向性ロックモジュール2220、2230の長さを自動的に調整することができるように構成されている。コアフィラメントおよび弾性部分2222は、オーバモールド接続部2260によってヘッドギア2210のアーム2252に永久的に接合され、上部方向性ロックモジュール2220はアーム2252の上方領域に接合され、下部方向性ロックモジュール2230はアーム2252の下方領域に接合される。弾性部分2222は、オーバモールド接続部2260によって方向性ロック2220、2230に永久的に接合される。方向性ロック2220、2230は、ハウジング2240内に収容される。2つの上部方向性ロックモジュール2220が上部保持面を形成し、2つの下部方向性ロックモジュール2230が下部保持面を形成し、それらは、図76におけるものと実質的に同じである。
ハウジング2240は、4つの方向性ロックブラケット2242と、上部導管2244と、下部導管2246と、それらの間に形成された中心開口部2248とを有する実質的剛性体を備える。2つの方向性ロックブラケット2242が、ハウジング2240の側端部の各々において、上下に配置されている。方向性ロックブラケット2242は、方向性ロック2224を保持するように構成されている。上部導管2244は、2つの上部ロックブラケット2242の間を横方向に延在し、下部導管2246は、下部ロックブラケット2242の間を横方向に延在している。上部導管2244および下部導管2246は、コアフィラメントの自由端を収容するように構成されている。上部導管2244と下部導管2246との間に形成される中心開口部2248は、鼻マスク装置を受け入れるように構成されている。
図80は、図79のヘッドギアアセンブリを、それと組み立てられるように構成された鼻マスク装置2270とともに示す。鼻マスク装置2270は、フレームアセンブリ2280およびクッションモジュール2290を備える。フレームアセンブリ2280は、フレーム2282、エルボ2284およびチューブコネクタ2286を含む。フレーム2282およびエルボ2284は、ボール・ソケット接続によって互いに接合されるように構成されており、フレーム2282がソケット2410を含み、エルボ2284がボール2400を含む。フレーム2282は、ヘッドギアシステム2200のハウジング2240と繰り返し取外し可能なスナップフィット接続を提供する形状を備えたナイロン構成要素を備える。いくつかの構成では、エルボは、ポリカーボネート等、フレーム2282とは異なる材料から作製され、それにより、組み立てられたときに2つの部品は互いに貼り付かない。これにより、そのエルボがフレーム2282に対して移動することができる自由度を向上させることができ、ホースの引きずりを低減させることができる。他の材料の組合せも使用することができることが考えられる。
チューブコネクタ2286は、フレーム2282に接続される端部に対向するエルボ2284の端部に、スナップフィット構成で接続する。チューブコネクタ2286は、エルボ2284の端部を中心に旋回または回転することができる。いくつかの実施形態では、チューブコネクタ2286は、ナイロン等、エルボ2284とは異なる材料から作製することができる。チューブコネクタ2286は、鼻マスク装置2270を、加圧空気供給を提供するCPAPチューブに接続する手段を提供するように構成されている。
クッションモジュール2290は、限定されないがオーバモールド等の手段により、コネクタ部分2294に一体的に形成される封止クッション2292を備える。封止クッション2292は、限定されないがシリコーンまたは熱可塑性エラストマー等の可撓性弾性材料から作製される高コンプライアンスインタフェースを備える。それは、使用者の鼻の周囲を封止する実質的に気密の呼吸チャンバを形成するように構成されている。コネクタ部分2294は、限定されないがポリカーボネート等、実質的剛性材料から作製され、封止クッション2292に対向する円形開口部2296を備える。それは、クッションモジュール2290とフレームアセンブリ2280との間の繰返し取外し可能な接続を提供するように構成される。クッションモジュール2290およびフレームアセンブリ2280は、図81に示すように、チューブコネクタ2286およびエルボ2284を通ってクッションモジュール2290内に空気路が形成されるように、互いに接続する。
図82および図83は、フレームアセンブリ2280がヘッドギアシステム2200のハウジング2240にいかに接続するかを示す。エルボ2284およびチューブコネクタ2286は、フレーム2282をハウジング2240の背面2310に接続するためにハウジング2240の中心開口部を通過するように構成されている。フレーム2282の一部は、ハウジング2240の中心開口部2248を通って延在し、ハウジング2240の正面2300と実質的に同一平面で位置する。
図83および図84に、フレーム2282の背面2320を示す。フレーム2282の背面2320は、ボール2400およびソケット2410接続のソケットの外周部の周囲に円形内側カフ2420を形成する複数の突起を備えることが分かる。内側カフ2420は、可撓性を与える複数の切取り部2430を有する。内側カフ2420の外周部の周囲に凹状チャネル2450が延在している。凹状チャネル2450は、クッションモジュール2290の円形開口部2296をスナップフィット構成で保持する。凹状チャネル2450の下方外周部に位置する1つまたは複数(たとえば、一対)の固定(keying)機構2440がある。固定機構2440は、クッションモジュール2290のコネクタ部分2294の対応する機構と相互作用するように構成されており、それにより、クッションモジュール2290の回転が防止される。
上述した実施形態で開示したヘッドギア調整システムの利点は、静かな調整手段を提供するということである。呼吸マスク用のヘッドギアシステムに対してサイズ調整を可能にするために、本技術分野では、フック・ループ締結システム(Velcro等)が一般に使用される。ヘッドギアシステムの締付けの調整が必要である場合、フック・ループファスナ構成要素を互いから分離しなければならない。フック・ループファスナ構成要素の分離により、通常、引裂き音が発生し、それは、マスク使用者には不快である可能性があり、環境によっては、使用者の同床者を起こす可能性がある。本開示のヘッドギアシステムは、サイズおよびフィット性を向上させるために、使用者が手動の調整を行う必要がある可能性が低く、必要ないかなる調整も、ノイズを発生させず、または少なくとも著しいレベルのノイズを発生させず、したがって、使用者および使用者の同床者に対して使用の容易さおよび快適さを向上させる。
ヘッドギア試験
図85は、少なくとも1つの方向性ロックモジュール2510を含むヘッドギア装置の機能を検証する試験設定を示す。図85において試験されているヘッドギア装置は、一対の横方向性ロックモジュール2510によって互いに接続されているヘッドギア2502およびマスクフレーム2504を備える。フレーム2504は、鼻ピローシールを受け入れるように構成されている。ヘッドギアに接続される方向性ロックモジュール2510の端部は、ヘッドギア装置を汎用試験機の可動クロスヘッド2530に固定する試験冶具2520内に保持される。マスクフレーム2504は、汎用試験機の固定クロスヘッド2540に固定される。汎用試験機は、いくつかの段階でマスクの着用および装着をシミュレーションする試験を行うことができる。この試験設定は、フルフェイスマスクおよび鼻マスク等、異なるマスクタイプで使用されるように構成されるヘッドギア装置を試験するように変更することができることが理解されるべきである。
試験の第1段階は、マスクおよびヘッドギア装置の着用をシミュレーションする。可動クロスヘッドは、ヘッドギア装置がその最大円周近くになるまで、ヘッドギアをフレームから離れるように引っ張り、方向性ロックモジュールを伸長させるようにプログラムされている。試験の第2段階は、マスクおよびヘッドギア装置の使用者の頭部への取付をシミュレーションする。汎用試験機は、ヘッドギアをマスクフレームに向かって、ヘッドギア装置の円周が最大円周と最小円周とのおよそ半分である距離まで戻すようにプログラムされている。これは、ヘッドギア装置の円周が使用者の頭部の円周と一致する時点をシミュレーションする。試験の第3ステップは、ヘッドギア装置をその最大円周に戻るように伸長させることを含み、それは、CPAP圧を加えることとマスクシステムの使用とをシミュレーションする。3つのすべての試験段階中、力プロファイルが記録される。
試験の第1段階中、力-伸長プロットが、ヘッドギア装置の伸長中に方向性ロック機構のロックが係合する際に力の初期の急峻な上昇を示すはずであることが予測される。プロットがこれを示さない場合、ヘッドギアおよび冶具に、方向性ロック機構が始動する前に取り除く必要がある幾分かのゆるみがある可能性がある。力のこの急峻な上昇に続き、遷移点は、所定の降伏力にまたはその近くに達する。降伏力に達すると、力の増大率は低減し、最大ヘッドギア円周に達するまで実質的に一定のままである。
試験の第2段階は、力-伸長プロットにおいて、方向性ロック機構の瞬時の解除を示すことが予期される。力の初期の急激な低下は、ヘッドギア装置から伸長力が解放されるとき、ワッシャ(または、他の適切なロック機構)の保持の瞬時の解除を示す。方向性ロックモジュールの弾性のある構成要素により、戻り力が駆動される。この特定の場合では、編組スリーブにおけるライクラの4本のストランド。弾性のある構成要素の材料およびその製造方法の選択により、戻り力を制御することができる。戻り力は、タイプマスク(すなわち、フルフェイスマスク、鼻マスクまたは鼻ピロー等)によって変化する予測される吹出力を下回るべきである。
第3段階は、使用をシミュレーションし、そこでは、ヘッドギアは、仮想の使用者の頭囲まで収縮している。CPAP圧(吹出力)をマスクに加えることにより、力-伸長プロットは、降伏力に達する前に、初期伸長力と実質的に同じ速度で、力の急峻な上昇を示すはずである。CPAP圧を加えることにより、ワッシャ(または他のロック機構)が作動し、短い伸長に対して力の急激な上昇が示されるはずである。マスクおよびヘッドギア装置の平衡フィットは、この力-伸長曲線に沿ったいずれかの場所に入るはずであり、加えられるCPAP圧によって決まる。ヘッドギア装置の伸長が最大円周に向かって続くに従い、降伏力に達する。プロットのこの部分は、試験の第1段階中の降伏点の後のヘッドギアの伸長に従うかまたは近似するはずである。密接な重なりが、繰返し可能な降伏力を示す。
図86および図87は、上述した試験設定を用いて得られた2つのヘッドギア装置およびマスクサンプルの力-伸長プロットを示す。図86および図87両方のプロットは、試験されたヘッドギア装置およびマスクサンプルが上述したような所望の基準を満たすことを示す。両方のプロットが、初期伸長3000中の力の急峻な上昇と、続く、遷移点3010に達した後の上昇率の低下3020とを示す。図87において、遷移点3010の後の伸長3020中に力が変動することが分かる。これは、方向性ロックモジュールの構成要素間の不完全な公差、または試験中にいかにサンプルが保持されるかにおける不正確さの結果である可能性がある。2つのプロットはまた、両サンプルが、方向性ロック機構の瞬時の解除を示す力の急激な低下3030と、低い戻り力とを表示することも示す。使用をシミュレーションする第3段階中に両サンプルに対して力の急激な上昇3040が示された。降伏力の後の力-伸長曲線もまた、初期伸長曲線と密接に整列した。
図86および図87両方において、力の急峻な上昇のおよそ半分でヘジテーション/伸長3050を見ることができる。これは、方向性ロック機構の構造に対応する。試験されたサンプルにおいて、方向性ロック機構は、図68A~図68Dの実施形態等、2つのワッシャを含んでいた。ヘジテーションは、降伏力が低い方の第1ワッシャが、第2ワッシャが係合し急峻な勾配を続ける前にわずかな量の伸長を可能にすることによって、もたらされる。
図88~図102は、少なくとも1つの方向性ロック機構を含むことができる、本開示のヘッドギア装置を組み込んだいくつかの鼻カニューレシステムを示す。いくつかの鼻カニューレシステムについて、いくつかのシステムの間の相違に重きをおいて後述する。具体的に記載していない部分、構成要素または特徴は、他の鼻カニューレシステムの対応する部分、構成要素または特徴と同じかまたは同様であり得るか、または別の好適な構成であり得る。多数の鼻カニューレ装置例は、本出願人のPCT出願PCT/IB2015/054585号明細書およびPCT出願国際公開第2014/142681号パンフレットに開示されており、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、いくつかの鼻カニューレシステムの特徴を置き換えて、具体的に例示されているものに加えて組合せをもたらすことができる。同じ参照番号を用いて、いくつかの鼻カニューレシステムの同じか又は対応する部分、特徴または構成要素について言及する。
いくつかの構成では、鼻カニューレシステムは、ハイフロー療法(HFT)に対して構成され、封止されない場合があり、または使用者の鼻孔と実質的なシールを形成しない場合がある。しかしながら、他の構成では、鼻カニューレシステムは、封止カニューレを備えることができる。さらに、鼻カニューレシステムと使用するのに適しているが、開示するヘッドギア装置は、たとえばかつ限定なしに、鼻ピロー、鼻下鼻マスク、鼻下フルフェイスマスクまたは従来の鼻マスクもしくはフルフェイスマスク等、他のタイプのインタフェースを利用するシステムとともに採用することも可能である。ヘッドギアは、任意の好適な構成であり得る。たとえば、ヘッドギアは、少なくとも1つの平面において比較的剛性がある場合があり、または軟質である場合がある。ヘッドギアは、弾性(伸長可能もしくは伸縮性)または実質的に非弾性(非伸長可能もしくは非伸縮性)であり得る。
鼻カニューレシステムの各々は、好ましくは少なくとも1つの方向性ロック機構を含み、それは、異なる方向におけるシステムの一部の相対移動に対して異なる抵抗を提供するように構成することができる。たとえば、方向性ロック機構は、有効周囲長または円周を長くする傾向がある移動より低い抵抗で、システムの有効周囲長または円周を短くする傾向がある移動を可能にするように構成することができる。いくつかの構成では、鼻カニューレシステムはまた、付勢機構も含むことができ、それは、システムを最小有効周囲長または円周に向かってまたはそれに付勢するように構成することができる。結果としての鼻カニューレシステムを使用者の頭部にあてがうことができ、そうしたシステムは、特定の使用者に対して適切なサイズに向かってまたはそれに自動的に調整されるように周囲長または円周を自動的に低減させることができる。こうした自動調整可能な機構は、使用者の鼻孔内でプロングの位置を維持する鼻カニューレ用途において有用である。鼻カニューレ用途では、同様の容易に調整可能な機構(たとえば、手動でまたは他の方法で調整可能)もまた有用であり得る。場合によっては、鼻カニューレはシールを必要としない(したがって、いかなるまたは少なくとも実質的な吹出力を生成しない)が、依然として、システムに作用している他の力もあり得るが特に、鼻カニューレの重量および/またはホース引張力の結果として存在するモーメントアームがある。本明細書に開示する構成の少なくともいくつかは、所望の周囲長または円周に自動的にまたは他の方法で調整され、鼻カニューレに作用している通常のまたは予測される力に抵抗することによる等、動作位置において鼻カニューレを収容するのに役立つ。方向性ロック機構および付勢機構は、本明細書に開示するものと同じかまたは同様であり、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2014年10月30日に公開された、「AUTOMATICALLY ADJUSTING HEADGEAR FOR PATIENT INTERFACE」と題する本出願人のPCT出願国際公開第2014/175752号パンフレットに開示されているもののうちの任意ものと同じかまたは同様であり、または他の任意の好適な構成であり得る。
図88を参照すると、鼻カニューレシステム3100は、カニューレ本体3104と一対のノズル3106等の少なくとも1つのノズル3106とを有するカニューレ3102を備える。カニューレ本体3104は、ノズル3016の開口部と連通する内部ガス空間を備えることができる。カニューレ本体3104に好適な導管を接続して、内部ガス空間に、最終的に使用者に呼吸ガスの流れを送達することができる。鼻カニューレシステム3100はまた、ヘッドギア3110を備えることができ、それは、図示する構成では、一対のストラップ(たとえば、上部ストラップおよび下部ストラップ)を備える二又ヘッドギアである。ヘッドギア3110の両端は、カニューレ本体3104の両側に直接または間接的に接続する。図示するヘッドギア3110は、内部コアおよびカバーを備えることができる、比較的剛性の非伸縮ヘッドギアである。カバーは、内部コアを部分的にまたは完全に包囲する1つまたは複数の層を備えることができる。いくつかの構成では、内部コアはプラスチック材料であり、カバーは、1つまたは複数の布またはテキスタイル材料を含む。
いくつかの構成では、鼻カニューレシステム3100の周囲長または円周(以降、「円周」)の調整を可能にするように、鼻カニューレシステム3100内に少なくとも1つ好ましくは一対の調整機構3112が配置されている。図示する構成では、鼻カニューレ3102とヘッドギア3110との間に、一対の調整機構3112が配置されている。調整機構3112は、鼻カニューレ3102およびヘッドギア3110の一方または両方の一部を構成するかもしくはそれと一体化され得るか、または鼻カニューレ3102およびヘッドギア3110の一方または両方とは別個の構成要素であり得る。調整機構3112は、各々、方向性ロック3114と、方向性ロック3114に対して移動しかつ方向性ロック3144が選択的に係合するコア部材またはフィラメント3116と、付勢要素または機構3118(以下、「付勢要素」)とを備えることができる。図示する構成では、付勢要素3118は、鼻カニューレシステム3100の円周を短くするように構成されている。方向性ロック3114は、円周が短くなることより円周が長くなることに対してより大きい抵抗を与えるように構成されている。好ましくは、方向性ロック3114は、少なくとも、治療中にガス流によってもたらされる力、カニューレシステム3100の重量および/またはホース引張力等、治療中に加えられる通常のまたは予期される力に応じて、鼻カニューレシステム3100の円周が長くなるのを実質的に阻止または防止するように構成されている。方向性ロック3114、コア部材3116および付勢要素3118を、合わせてまたは互いの近くに配置してサブアセンブリを形成することができ、または鼻カニューレアセンブリ3100を通して分散させることができる。
図88の図示するシステム3100では、コア部材3116はヘッドギア3110に結合され、方向性ロック3114は鼻カニューレ3102に結合されている。付勢要素3118は、ヘッドギア3110に結合された一端と、鼻カニューレ3102に結合された一端とを有する。コア部材3116は、ヘッドギア3110の各側部から鼻カニューレシステム3100の正面に向かって延在している。コア部材3116は、たとえばガイド等により、鼻カニューレ3102に固定することができる。調整機構3112は、鼻カニューレシステム3100の各側部において対称的に配置されている。こうした構成により、鼻カニューレシステム3100の円周の調整は対称とすることができ、それにより、ヘッドギア3110の中心線は鼻カニューレ3102の中心線と整列したままである。調整機構3112の対は、単一の調整機構3112と比較してより広い範囲の円周調整を可能にする。こうした構成により、いくつかの構成では、単一サイズの鼻カニューレシステム3100が、意図された使用者集団(たとえば、成人集団)の実質的な部分または全体をカバーすることができる。さらに、調整機構3112が鼻カニューレシステム3100の両側部に配置されていることにより、調整機構3112は、鼻カニューレシステム3100をあてがう(着用する)かまたは取り外す(外す)ときに把持されることが多い位置である鼻カニューレシステム3100の正面および背面から離れて維持される。
図89aを参照すると、図示する鼻カニューレシステム3100は図88のものと同様であるが、図89aの鼻カニューレシステム3100は、鼻カニューレシステム3100の一方の側の調整機構3112と、鼻カニューレシステム3100の反対側のクイックリリース機構3120とを含む。図示する構成では、クイックリリース機構3120はバックルである。しかしながら、他の好適な機構(たとえば、クリップ、ラッチ、磁石等)も使用することができる。クイックリリース機構3120により、鼻カニューレシステム3100を迅速にかつ容易に使用者にあてがいかつ使用者から取り外すことができる。たとえば、病院環境における等、反応しない患者に関して、クイックリリース機構3120は、介護者が鼻カニューレシステム3100の閉ループを迅速にかつ容易に破断して使用者からのシステム3100の取外しを容易にすることができる。さらに、単一調整機構3112により、2つ以上の調整機構を有する同様のシステムと比較して製造コストを下げることができる。図89bは、図89aのシステム3100の二又ヘッドギア3110の代わりに単一ストラップヘッドギア3110を組み込んだ同様のシステム3100を示す。図89cは、単一ストラップヘッドギア3110に組み込まれた調整機構3112を有する鼻カニューレシステム3100を示す。図示する構成では、調整機構3112は、ヘッドギア3110の後方部分に配置されているが、他の場所に同様に調整機構3112を配置することができる。
図90は、図88のシステムと同様の鼻カニューレシステム3100を示すが、図90のシステム3100では、調整機構3112の方向が図88の機構3112に対して逆であることが異なる。特に、コア部材3116は鼻カニューレ3102に結合され、方向性ロック3114はヘッドギア3110に結合されている。ヘッドギア3110がないように示されているが、コア部材3116の余分な部分は、望ましい場合はガイドまたは蓄積部等によりヘッドギア3110に固定することができる。コア部材3116の余分な部分をヘッドギア3110に配置することにより、より大きい蓄積部長さを提供することができ、したがって、図90のシステム3100は、図88のシステム3100等の他のシステムより大きい調整範囲を有することができる。
図91は、図89aのシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示すが、図91のシステム3100では、調整機構3112の方向が89aの機構3112に対して逆であることが異なる。特に、コア部材3116は鼻カニューレ3102に結合され、方向性ロック3114はヘッドギア3110に結合されている。ヘッドギア3110がないように示されているが、コア部材3116の余分な部分は、望ましい場合はガイドまたは蓄積部等によりヘッドギア3110に固定することができる。コア部材3116の余分な部分をヘッドギア3110に配置することにより、より大きい蓄積部長さを提供することができ、したがって、図91のシステム3100は、図89aのシステム3100等の他のシステムより大きい調整範囲を有することができる。
図92は、図90のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示すが、図92のシステム3100では、コア部材3116の余分な部分が鼻カニューレシステム3100内に収容されることが異なる。特に、コア部材3116は鼻カニューレ3102に結合され、方向性ロック3114はヘッドギア3110に結合されている。コア部材3116は、いくつかの構成では弾性管状部材であり得る付勢要素3118を通って延在する。付勢要素3118は、付勢要素3118の付勢力のうちの一部またはすべてを与える弾性要素を組み込んだ編組管状要素であり得る。コア部材3116の余分な部分は、ガイドまたは蓄積部内等、ヘッドギア3110の内部に受け入れられる。コア部材3116の余分な部分をヘッドギア3110内に配置することにより、性能を低下させる可能性があるコア部材3116に対する損傷を阻止または防止するように、コア部材3116の余分な部分を保護することができる。いくつかの構成では、ヘッドギア3110は、上述したように内部コアおよびカバーを備える。ヘッドギア3110は、コア部材3116の余分な部分を内部コア内に、内部コアとカバーとの間に、または別の場所(たとえば、専用ガイド要素)に受け入れるように構成された細長い内部空間を画定することができる。図92には、呼吸ガス供給導管3122を示す。
図93は、図89a~図89cのシステム3100に類似するクイックリリース機構3120と組み合わせて単一の調整機構3112を備える鼻カニューレシステム3100を示す。図示する構成では、調整機構3112は、システム3100の一方の側に位置し、クイックリリース機構3120は、システム3100の反対側に位置する。しかしながら、調整機構3112およびクイックリリース機構3120の一方または両方に対する他の場所(たとえば、後方位置)もまた使用することができる。さらに、鼻カニューレシステム3100は、調整機構3112のコア部材3116の余分な部分が、図92のシステム3100と同様にヘッドギア3110内に収容されるように、構成されている。すなわち、ヘッドギア3110は、コア部材3116の余分な部分を受け入れるように構成された内部空間を備える。図示するシステム3100では、ヘッドギア3110は単一ストラップ構成であるが、他のタイプのヘッドギア装置も使用することができる。
図94は、図88のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示すが、図94のシステム3100は、コア部材3116の余分な部分が内部に収容されるように構成されている。特に、鼻カニューレ3102は、コア部材3116の余分な部分を受け入れるように構成された内部空間(たとえば、導管)を備えることができる。カニューレ本体3104により、ガイド部材により、または別の好適な構成要素もしくは構成によって、内部空間を画定することができる。図示する構成では、カニューレ本体3104は、ヘッドギア3110/調整機構3112に結合される剛性部分またはフレーム3124と、フレーム3124によって支持される、より軟質な使用者接触部分3126とを備える。使用者接触部分3126は、プロング3106を画定するかまたは支持することができる。使用者接触部分3136をフレーム3124に永久的にまたは取外し可能に結合することができる。こうした構成により、フレーム3124と使用者接触部分3126との間の幾分かの量の分離または独立した移動が可能になる。コア部材3116の余分な部分を受け入れる内部空間は、フレーム3124内に成型された空間であり得る。他の構成では、フレーム3124と使用者接触部分3126との間に内部空間を画定することができる。付勢要素3118は、図92のものと同じかもしくは同様であり得るか、または別の好適な構成であり得る。
図95は、図94のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示す。特に、図95のシステム3100は、ヘッドギア3110/調整機構3112に結合される剛性部分またはフレーム3124と、フレーム3124によって支持されるより軟質な使用者接触部分3126とを有するカニューレ本体3104を備えている。鼻カニューレ3102は、コア部材3116の余分な部分を受け入れるように構成された内部空間を備えることができる。しかしながら、図89aのシステム3100と同様に、図95の鼻カニューレシステム3100は、単一の調整機構3112とクイックリリース機構3120とを含む。図示する構成では、調整機構3112は、鼻カニューレシステム3100およびクイックリリース機構3120の一方の側に位置する。
図96は、コア部材3116の余分な部分が鼻カニューレシステム3100内に収容されるという点で、図92のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示す。特に、コア部材3116は鼻カニューレ3102に結合され、方向性ロック3114はヘッドギア3110に結合されている。コア部材3116は、いくつかの構成では弾性管状部材であり得る付勢要素3118を通って延在する。図示する構成では、コア部材3116の余分な部分は、ガイドまたは蓄積部内等、ヘッドギア3110の内部に受け入れられる。いくつかの構成では、上述したように、ヘッドギア3110は内部コアおよびカバーを備える。ヘッドギア3110は、コア部材3116の余分な部分を、内部コア内、内部コアとカバーとの間、または別の場所(たとえば、専用ガイド要素)に受け入れるように構成された細長い内部空間を画定することができる。図92のシステム3100とは異なり、図96の図示する構成では、鼻カニューレシステム3100はまた、ヘッドギア3110/調整機構3112と鼻カニューレ3102との間に1つまたは複数のクイックリリース機構3120を備える。好ましくは、鼻カニューレシステム3100の各側部に1つ、一対のクイックリリース機構3120が設けられる。
図97は、図97のシステム3100が一対の調整機構3112および一対のクイックリリース機構3120を含むという点で図96のシステム3100と同様である鼻カニューレシステム3100を示す。しかしながら、図97のシステムでは、クイックリリース機構3120は、ヘッドギア3110と調整機構3112との間に位置している。さらに、方向性ロック3114は、鼻カニューレ3102のカニューレ本体3104の端部に、または付勢要素3118の前端に位置している。コア部材3116の余分な部分は、図94および図95の構成に類似するフレーム3124および使用者接触部分3126を含むカニューレ本体3104の内部空間内に受け入れられる。
図98は、図92のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示す。たとえば、調整機構3112は、鼻カニューレシステム3100の各側部に設けられ、コア部材3116の余分な部分はヘッドギア3110内に受け入れられる。しかしながら、図98のシステム3100は、単一のクイックリリース機構3120を含む。図示する構成では、クイックリリース機構3120は、鼻カニューレシステム3100の一方の側に位置している。特に、クイックリリース機構3120は、調整機構3112の一方の前端(たとえば、付勢要素3118の前端にある)と鼻カニューレ3102との間に位置している。図示するクイックリリース機構3120はフック・ポスト接続を備え、そこでは、フック3128が調整機構3112によって支持され、ポスト3130が鼻カニューレ3102によって支持される。しかしながら、この配置を逆にすることも可能である。限定されないが本明細書に開示するもののうちの任意の物を含む、他の好適なクイックリリース機構を使用することも可能である。
図99は、図98のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示すが、図99のシステム3100では、調整機構3112の方向が逆である。すなわち、方向性ロック3114は、ヘッドギア3110より鼻カニューレ3102の近くに位置している。いくつかの構成では、方向性ロック3114はカニューレ本体3104によって支持することができ、コア部材3116の余分な部分は鼻カニューレ3102内に収容することができる。さらに、クイックリリース機構3120は、調整機構3112とヘッドギア3110との間に位置している。特に、フック3128は調整機構3112によって支持され、ポスト3130はヘッドギア3110によって支持される。しかしながら、この配置を逆にすることができ、かつ/または他の好適なクイックリリース機構を用いることができる。
図100は、図示する構成では単一ストラップヘッドギアであるヘッドギア3110内に調整機構3112が一体化されている、鼻カニューレシステム3100を示す。図示するシステム3100では、一対の調整機構3112が設けられている。さらに、ヘッドギア3110の各端部は、フック3128およびポスト3130結合機構等、クイックリリース機構3120によって鼻カニューレ3102に接続されている。調整機構3112は、ヘッドギア3110の後方に向かって位置している。調整機構3112の端部は、直接、またはいくつかの構成では非伸縮または非伸長可能ストラップであり得る後方ヘッドストラップ部分3132を介して、互いに結合されている。各コア部材3116の一端は、ヘッドストラップ部分3132に結合することができ、付勢要素3118、方向性ロック3114のそれぞれ1つを通って前方に、前方ヘッドストラップ部分3134の内部蓄積部空間内に延在することができる。前方ヘッドストラップ部分3134は、いくつかの構成では非伸縮または非伸長可能ストラップであり得る。
図101は、図100のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示す。しかしながら、図101の鼻カニューレシステム3100は単一の調整機構3112を含む。単一の調整機構は、ヘッドギア3110に組み込まれる。ヘッドギア3110は、付勢要素3118によって結合された第1部分3132および第2部分3134を有する単一ストラップヘッドギア装置である。コア部材3116は、第1ヘッドギア部分3132に結合され、第2ヘッドギア部分3134の内部蓄積空間内に延在する。方向性ロック3114は、第2ヘッドギア部分3134に結合され、選択的にコア部材3116と係合して、鼻カニューレシステム3100の円周の所望の調整位置にヘッドギア3110を固定する。
図102は、図90のシステム3100と同様の鼻カニューレシステム3100を示す。特に、鼻カニューレシステム3100は、鼻カニューレシステム3100の各側部に調整機構3112を備える。図示する構成では、コア部材3116の余分な部分は、ディスク状蓄積部3136内に蓄積される。こうした構成により、ヘッドギア3110内にコア部材3116の余分な部分を蓄積する必要がなくなる。図示する構成では、調整機構は、付勢要素3118を含む。しかしながら、他の構成では、蓄積部3116は、コア部材3116を巻き取るかまたは解放するダイヤルアジャスタの形態であり得る。こうした構成により、鼻カニューレシステム3100の円周を、円周を短くするかまたは長くするように蓄積部を一方の方向または他方の方向に回転させることによって調整することができる。さらに、具体的には示さないが、図102のシステム3100は、1つまたは複数のクイックリリース機構3120を含むことができる。
少なくともいくつかの構成では、コア部材(「フィラメント」)は、断面形状が円形であり、フィラメントの余分な部分は、同様に断面形状が円形である蓄積部(たとえば、チューブまたは管状通路、以下「チューブ」)内に受け入れられる。少なくともいくつかの構成では、フィラメントは、直径が0.6mm~0.8mmの範囲であり得る。少なくともいくつかの構成では、フィラメントがナイロンであり、チューブがポリエチレン(PE)である場合、チューブの直径(内径)はフィラメント径よりおよそ0.1mm大きい。したがって、いくつかの構成では、チューブの直径は、フィラメントの直径より約10%~20%、約12%~17%、または約12.5%~16.67%(上記範囲内の任意の部分範囲または値を含む)大きい。
一般に、フィラメント径に対するチューブ径が小さいほど、チューブによってフィラメントに加えられる摩擦が大きくなる。しかしながら、チューブの直径が大きくなるほど、フィラメントに対して提供される誘導が小さくなり、それは、場合によっては、チューブ内のフィラメントの移動に悪影響を与える可能性がある。その結果、インタフェース円周またはヘッドギア長の「戻り挙動」または短縮が、より粗くかつ/またはより一貫しないように感じられる可能性がある。さらに、チューブ内のフィラメントの過剰な移動は、チューブの内壁に損傷を与える可能性がある。0.8mmの内径のPEチューブ内部での0.7mm径のナイロンフィラメントの摺動により、作動方向において約1N、調整機構に対する全体の力が増大すると判断された。作動(長くする)方向および戻り(短くする)方向の両方において、同様の過剰な力が存在することにある可能性がある。チューブ内のフィラメントの移動の結果として加えられる過剰な力は、好ましくは低減するかまたは最小化され、それにより、付勢要素によって与えられる戻り力を低く維持することができる。
フィラメント径およびチューブ径の比は、少なくとも一部には、チューブの曲率、チューブおよびフィラメント両方の曲げ弾性率、ならびにチューブおよびフィラメントの特定の材料に基づく可能性がある。さらに、チューブ設計の要素は、内壁に対する外壁の比を含むことができ、その比(外壁/内壁)が高いほど、チューブの曲げ弾性率が高くなる。曲げ弾性率が高すぎることにより、チューブの可撓性が低減する可能性がある。可撓性が低減することにより、チューブは、使用時に曲げられるかまたは湾曲する場合、キンクが発生する可能性がある。異なる材料は、異なる曲げ弾性率とともに、チューブ内を摺動するフィラメントからもたらされる力に影響を与える他の特性も有する可能性がある。いくつかの構成では、チューブは、フィラメントに対するガイドとして作用するため、フィラメントに対してヤング率が高いことが望ましい。したがって、フィラメントがチューブを損傷させるかまたはチューブの過剰な摩損をもたらす可能性を低減させることが望ましい。いくつかの構成では、チューブに対するフィラメントの摺動によってもたらされる摩擦による冷間圧接を回避するために、チューブおよびフィラメントが異なる材料から作製されることが好ましい。
図103は、鼻カニューレ3204(たとえば、ネーザルハイフローカニューレ)を覆うマスク3202を備え、単独で鼻カニューレ3204に対して上昇したまたは制御された呼吸圧を与える呼吸治療システム3200を示す。図104は、マスク3202のみを示す。こうしたシステムは、「CANNULA PRESSURIZIGN MASK」と題する本出願人のPCT出願PCT/IB2015/052257号明細書に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。マスク3202および鼻カニューレ3204はシステムまたはキットとして販売される場合があり、そこでは、マスク3202および鼻カニューレ3204は、一緒にまたは単一パッケージで販売される。他の構成では、鼻カニューレ3204の1つまたは複数の特定のモデルと組み合わせて使用されるようにマスク3202を構成することができるが、こうした鼻カニューレ3204とは別個にマスク3202を販売することができる。
鼻カニューレ3204を用いて、使用者に呼吸ガス流を提供することができる。したがって、使用者に対して鼻カニューレ3204をマスク3202とは別個にあてがうことができる。鼻カニューレ3204を取り外すことなく、好ましくは鼻カニューレ3204の著しい移動または他の操作なしに、使用者に対してマスク3202を選択的にあてがうことができる。同様に、鼻カニューレ3204を取り外すことなく、好ましくは鼻カニューレ3204の著しい移動または他の操作なしに、使用者からマスク3202を取り外すことができる。
鼻カニューレ3204は、ハイフロー(HF)鼻療法等、意図された用途に対して任意の好適な構成であり得る。鼻カニューレ3204は本体3206を有することができ、そこから少なくとも1つの鼻プロング3208が延出している。図示する構成では、一対の鼻プロング3208が設けられている。好ましくは、鼻カニューレ3204が使用者の頭部に適切に配置されると、鼻プロング3208は使用者の鼻孔に向かってまたはその中に延在するが、鼻孔を完全には封止しない。鼻カニューレ3204は、鼻プロング3208と連通するガスまたは呼吸回路を含む。図示する構成では、ガス回路は、鼻プロング3208に呼吸ガス流を供給する少なくとも1本のガスチューブ3210を備え、したがって、それは、供給チューブと呼ぶことができる。図示する構成では、単一供給チューブ3210が設けられ、鼻カニューレ3204の一方の側部まで延在している。他の構成では、供給チューブ3210は他の方向に延在することができ、かつ/または複数の供給チューブ3210を設けることができる。たとえば、いくつかの構成では、供給チューブ3210は、鼻カニューレ3204の各側部に設けられ、かつそこまで延在することができる。使用時、供給チューブ3210は、加圧ガス源(たとえば、流れ発生器)および任意選択的に加湿器に接続することができる。加圧ガス源は、使用者に補助酸素を供給するように構成することができる。任意の好適な加圧ガス源を使用することができる。
鼻カニューレ3204は、好ましくは、使用者の頭部において鼻カニューレ3204を固定するかまたは保持する保持機構またはヘッドギア装置も含む。図示するカニューレ3204では、ヘッドギア装置は、使用者の頭部の周囲をカニューレ本体3206の一方の側からカニューレ本体3206の他方の側まで延在する単一ストラップ3212の形態である。しかしながら、他の構成では、ヘッドギア装置は、複数のストラップまたは複数のストラップ部分を含む等、より複雑である場合がある。ヘッドギア装置は、使用者の頭部の後部の周囲に延在する後方部分、および/または使用者の頭部の頂部の上に延在する上方部分を含むことができる。ヘッドギア装置は、可撓性もしくは比較的剛性部分、弾性もしくは比較的非弾性部分またはそれらの任意の組合せを含むことができる。望ましい場合は、ヘッドギア装置は、本明細書に記載したような1つまたは複数の調整機構を備えることができる。
マスク3202は、封止クッション3214、1つまたは複数のカニューレ切取り部3216、マスクフレーム3218、ヘッドギア装置またはヘッドストラップ3220、一方向弁3222、可変通気孔3224および固定偏流通気孔3226を備えることができる。本技術分野において既知である非侵襲性呼吸マスクとは異なり、図示するマスク3202は、給気導管または接続ポートを含まない可能性がある。代わりに、使用者への空気流の一部または大部分は、鼻カニューレシステム3204によって供給され、いかなる不足分も一方向弁3222を通して供給される。こうした構成により、マスク3202は、使用者の気道内の呼気圧を上昇させることができる圧力容器として作用することができる。
マスク3202はマスク本体を備えることができ、マスク本体は、全体としてまたは一部にはマスクフレーム3218および封止クッション3214から作製することができる。本明細書では、封止クッション3214は「シール」または「クッション」と呼ぶ場合がある。マスクフレーム3218は、クッション3214と一体型とすることができ、または他の方法でクッション3214を支持することができる。マスクフレーム3218は、マスクフレーム3218に加えられる外力がない場合に形状を少なくとも実質的に維持することができる材料から構成することができる。いくつかの構成では、マスクフレーム3218は弾性であり得る。他の構成では、マスクフレーム3218は、比較的剛性があるか、または少なくともクッション3214より剛性である場合がある。たとえば、マスクフレーム3218は、全体としてまたは一部には、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン(HDPE)または別の好適な材料から構成することができる。マスクフレーム3218は、一部品構造である場合もあれば、他部品構造である場合もある。たとえば、第1マスクフレーム部分または要素がクッション3214を支持することができ、第2マスクフレーム部分または要素がヘッドギア3220の接続を提供することができる。第1マスクフレーム部分および第2マスクフレーム部分を互いに永久的に、または好ましくは取外し可能に接続することができる。
クッション3214は、使用者とマスク3202との間のインタフェースを提供するように構成することができ、シリコーンゴム、熱可塑性エラストマーまたは他の任意の好適なシール材料等の可撓性材料から作製することができる。任意の好適なプロセスまたは構成によって、マスクフレーム3218にクッション3214を固定することができる。たとえば、フランジ・溝構成等によって、マスクフレーム3218にクッション3214を取外し可能に結合することができる。他の構成では、接着剤により、または成型プロセス(たとえば、オーバモールドまたはコモールド)中に、マスクフレーム3218にクッション3214を取り付けることができる。
クッション3214は、好ましくは、鼻カニューレ3204が使用されている間に、マスク3202が使用者にあてがわれたときに鼻カニューレ3204を収容するように構成された1つまたは複数の特徴を含む。たとえば、クッション3214は、少なくとも1つの凹部または切取り部3216を含むことができる。他の構成では、クッション3214は、クッション3214が鼻カニューレ3204の上で伸張するのを可能にするコンプライアンスが増大した領域または薄壁領域等、鼻カニューレ3204を収容する他の構成を含むことができる。こうした薄壁領域は、クッション3214の周囲の部分より著しく薄い壁厚さを有することができ、クッション3214のすぐ下を通過する鼻カニューレ3204の部分のサイズおよび/または形状に概して対応するようなサイズおよび/または形状であり得る。薄壁領域の例は、2015年9月3日に公開された、「RESPIRATORY MASK WITH NASOGASTRIC TUBE PATH」と題する本出願人のPCT出願国際公開第2015/130179号パンフレットに記載されており、その出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図示する構成では、クッション3214は、マスク3202の各側部にカニューレ切取り部3216を含む。特に、図示するクッション3214は、マスク3202の各側面に切取り部3216を含む。切取り部3216は、概して鼻カニューレ、または特定の鼻カニューレ3204の横方向の形状に適応し、それを補足しまたはそれと一致するように構成することができる。こうした構成により、カニューレは、好ましくはカニューレとマスク3202との間の間隙が最小であるかまたは許容可能であって、マスク3202と使用者の顔面との間を通過することができる。好ましくは、マスク3202は、鼻カニューレ3204と組み合わせて使用者の上に適切に配置されると、マスク3202の内部空間もしくは呼吸空洞内の圧力の上昇、および/またはマスク3202のない鼻カニューレ3204の使用に対して使用者の気道内の呼気圧の上昇を可能にするのに十分なシールを、使用者の顔面と生成することができる。好ましくは、マスク3202は、鼻カニューレ3204と少なくとも実質的なシールを生成する。好ましくは、使用者の顔面とのシールおよび鼻カニューレ3204とのシールの組合せは、マスク3202の内部空間もしくは呼吸空洞内の圧力の上昇、および/または使用者の気道内の呼気圧の上昇を可能にするのに十分である。いくつかの構成では、マスク3202は、マスク3202の内部空間または呼吸空洞内の圧力の上昇、および/またはマスク3202のない鼻カニューレ3204の使用に対する使用者の気道内の呼気圧の上昇において、治療上著しい上昇を可能にするのに十分なシールを、使用者の顔面と生成することができる。
好ましくは、マスク3202は、本明細書に開示する調整機構のうちの任意のものと同じかもしくは同様であり得るか、別の好適な構成であり得る、少なくとも1つの調整機構3230を備える。こうした構成により、治療圧を上昇させるように鼻カニューレ3204の上で使用者に迅速にかつ容易にマスク3202をあてがうことができる。少なくともいくつかの構成では、マスク3202は、特定の使用者に対して適切なサイズに向かってまたはそうしたサイズに自動的に調整することができる。こうした構成は、介護者が、マスク3020およびヘッドギア3220の円周を特定の使用者に対して調整するために必要な時間を短縮することにより、治療圧の上昇を開始するためにマスク3202をあてがうためにかかる時間を短縮することに対して有益である。図示しないが、マスク3202は、使用者に対しマスク3202をあてがいまたは取り外すのをさらに容易にするように、本明細書に開示するもののうちの任意のもの等、1つまたは複数のクイックリリース機構を含むことができる。
いくつかの構成では、マスク3202は、一対の調整機構3230を備え、マスク3202の各側部に1つの調整機構3230が配置されている。調整機構3230は、各々、方向性ロック3232と、方向性ロック3232に対して移動しかつ方向性ロック3232が選択的に係合するコア部材またはフィラメント3234と、図示する構成ではマスク3202およびヘッドギア3220の円周を短くする傾向がある付勢要素または機構3236とを備えることができる。図示する構成では、コア部材3234の各々の一端は、ヘッドギア3220のそれぞれの端部に結合される。コア部材3234は、付勢要素3236、方向性ロック3232を通って、任意の好適な構造によって画定することができる蓄積部3238内に延在する。図示する構成では、蓄積部3238は、マスクフレーム3218の上にクリップ式に留まってヘッドギア3220をマスクフレーム3218に接続するコネクタである。他の構成では、各コア部材3234に対して別個の蓄積部を設けることができる。コア部材3234の余分な部分はまた、本明細書に開示したもののうちの任意のもの等、他の好適な構造によって収容することができる。調整機構3230の図示する方向は逆にすることも可能である。さらに、調整機構3230の数および/または位置を、図103および図104に示すものから変更することができる。
図105は、コア部材3302に対するロック位置にある、図示する構成ではロックワッシャ3300であるロック部材の例を示す。本発明者らにより、コア部材3302が通過するロックワッシャ3300の開口部3306の(ロックワッシャ3300をロック位置に移動させる傾向があるコア部材3302の移動の方向に対する)前縁3304が、関連する方向性ロックの望ましい性能を達成するための重要な設計特徴であり得ることが発見された。したがって、ロックワッシャ3300のロック位置でコア部材3302と係合する前縁3304または前縁3304の一部を、「作用縁」と呼ぶことができる。少なくともいくつかの構成では、ロック位置でコア部材3302と係合する前縁3304の一部は比較的鋭利であることが望ましい。目下、鋭利な前縁3304は、より丸い縁よりコア部材3302により優れた把持力を与えると考えられる。前縁3304の鋭利度は、I/Rとして定義することができ、そこでは、Rは、ロックワッシャ3300のロック位置でコア部材3302と接触するかまたは係合する前縁3304または前縁3304の少なくとも一部の半径である。
図106は、前縁の鋭利度対ロックワッシャの厚さのグラフを示す。性能および/または実際的な考慮事項により、特定のインタフェースまたは使用の用途に関してこれらの変数に対して設計限界がもたらされる可能性がある。こうした設計限界は、所望のレベルの性能に達するように選択することができ、設計限界外の値は、依然として、少なくともいくつかの用途において使用されるのに機能的でありかつ好適である可能性がある。したがって、本明細書に記載する設計限界は、明示的に指示がない限り、限定するものとはみなされない。さらに、設計限界は、異なるインタフェースまたはヘッドギアタイプ、または異なる使用の用途の間で異なる可能性がある。
図106のグラフは、前縁の鋭利度の下限3310および上限3312とロックワッシャの厚さの下限3314および上限3316とによって生成される目標設計エンベロープを示す。上述したように、ロックワッシャ3300(または他のロック要素)の前縁鋭利度が低すぎる場合、関連する方向性ロックは、コア部材3302に所望のレベルの把持力を与えない可能性があり、方向性ロックのロック力は望ましい値より低い可能性がある。したがって、ロックワッシャ鋭利度の下限3310は、材料選択、ロック部材角度等、他の関連する設計特徴を鑑みて所望のロック力によって求めることができる。ロックワッシャ鋭利度の上限3316は、製造可能性等、実際的な考慮事項を鑑みて求めることができる。すなわち、ロックワッシャ鋭利度の上限3316は、製造コストに基づいて選択することができる所与の製造プロセスによってもたらすことができる鋭利度によって求めることができる。
ロックワッシャ厚さの下限3314は、強度要件または製造可能性等、実際的な考慮事項に基づいて求めることができる。ロックワッシャ厚さの上限3316もまた、ロックワッシャ3300および関連する方向性ロックに対して利用可能な空間等、実際的な考慮事項によって求めることができる。したがって、少なくともいくつかの構成では、ロックワッシャ厚さは、関連する方向性ロックを比較的小さくするために、適切な強度(または他の物理的特徴)を与えるために必要である値より実質的に大きくはならない。いくつかの構成では、下限3314はおよそ0.5mmである場合があり、上限3316はおよそ5mmである場合がある。しかしながら、上述したように、関連する設計基準に応じてこれらの値を変更することができる。
図106は、互いに対して異なる厚さおよび前縁鋭利度を有する2つの異なるロックワッシャ3300を表す、目標設計エンベロープ内の2つの点3320、3322を示す。点3320は、比較的高い前縁鋭利度および比較的低いワッシャ厚さを有するロックワッシャ3300を表す。言い換えれば、点3320によって表されるロックワッシャ3300は比較的薄い。点3320によって表されるこうしたロックワッシャ3300は、約0.5mm~1mm(たとえば、0.8mm)の厚さを有することができる。点3322は、目標エンベロープおよび点3320によって表されるワッシャ3300に対して比較的低い前縁鋭利度と比較的高いワッシャ厚さとを有するロックワッシャ3300を表す。点3322によって表されるこうしたロックワッシャ3300は、約2mm~4mm(たとえば、3mm)の厚さを有することができる。前縁3304の半径は、0.4mm~0.6mm(たとえば、0.5mm)であり得る。
図107および図108は、それぞれロック位置および自由またはロック解除位置にある、ロック部材/ロックワッシャ3300およびコア部材3302の実施形態を示す。図示するように、好ましくは、開口部3306を画定しコア部材3302と係合するロックワッシャ3300の一部の前縁3304は、上述したように、比較的鋭利であり、または比較的高い鋭利度を有する。好ましくは、コア部材3302に対して開口部3306を画定するロックワッシャ3300の一部の後縁3330は、前縁3304より低い鋭利度を有する。いくつかの構成では、後縁3330は丸いかまたは面取されている。好ましくは、後縁3330における開口部3306の直径(または周囲長)は、前縁3304における開口部3306の直径(または周囲長)より大きい。こうした構成により、望ましいロック力を与えることができ、また、コア部材3302が、一定の直径の開口部3306に比較して低下した抵抗レベルで解除方向(図108)に移動することができる。さらに、図107および図108の構成により、方向性ロックの組立中にコア部材3302が開口部3306を通過するのをより容易にすることによって、製造可能性が向上する。すなわち、コア部材3302は、直径(または周囲長)がより大きい後縁3330を通して挿入することができ、それは、コア部材3302を、直径(または周囲長)がより小さい前縁3304を通して挿入しようとするより容易かつ高速であり得る。
図109a~図109cは、前縁3304と後縁3330との間に断面形状の異なる開口部3306を有するいくつかのコア部材3300を示す。図109a、図109bおよび図109cのコア部材3300の各々の開口部3306は、前縁3304にまたはその近くに、後縁3330におけるまたはその近くの直径(または周囲長)より小さい直径(または周囲長)を有する。図109aでは、開口部3306は、前縁3304から、開口部3306の長さの実質的な部分を通して後縁3330に向かって延在する、実質的に一定の直径を有する。しかしながら、後縁3330の近くの開口部3306の部分は丸いかまたは面取されており、それにより、後縁3330における開口部3306の直径は、前縁3304における開口部3306の直径より大きい。図109aの開口部3306は、図107および図108の開口部3306と実質的に同様である。
図109bの開口部3306は、その長さの一部または実質的に全体に沿ってテーパ状である。図示する構成では、開口部3306は、前縁3304における最小径から後縁3330における最大径まで一定角度でテーパ状である。しかしながら、他の構成では、テーパは非直線状である場合がある。図109cの開口部3306は、線形のすなわち一定の直径部分とテーパ状部分とを結合する。前縁3304において開始しワッシャ3300の厚さの一部(たとえば、1/3から2/3または約1/2)を通って延在する開口部3306の部分は、一定の直径を画定する。開口部3306の残りの部分は、外向きテーパ状部分を画定し、それにより、後縁3330における開口部3306の直径は、前縁3304における開口部3306の直径より大きい。テーパ状部分は、線形または非線形テーパを含むことができる。
図110、図111aおよび図111bは、非円形輪郭形状の開口部3306を有するロック部材またはロックワッシャ3300を示す。たとえば、図110および図111aのロックワッシャ3300は、上方部分3340から下方部分3342までテーパ状である開口部3306を含む。図示する構成では、開口部3306は、逆涙または雨滴形状を有する。開口部3306の上方部分3340は概して半円形である。開口部3306の下方部分3342もまた、形状が半円形とすることができ、開口部3306の上方部分の直径または幅より小さい直径または幅を画定する。開口部3306の側壁3344は、上方部分3340から下方部分3342に向かってテーパ状であるかまたは幅が低減することができる。開口部3306の上方部分3340の直径または幅は、好ましくは、コア部材3302の直径または幅より大きく、コア部材3302の直径または幅よりわずかにしか大きくない可能性がある。こうした構成により、側壁3344の各々は、ロックワッシャ3300のロック位置でコア部材3302と係合する開口部3306の作用縁を画定することができる。コア部材3302と係合する側壁3344または作用縁の間の幅または横方向距離は、ロックワッシャがロック位置に向かって回転するとさらに低減する可能性がある。こうした構成により、ロックワッシャ3300の回転が増大することによって、ロック力が徐々に増大することになる。
図111bは、ロックワッシャ3300の開口部3306の代替的な非円形またはテーパ状輪郭形状を示す。図111bのロックワッシャ3300の開口部3306は、鍵穴形状を画定し、そこでは、上方部分3340は形状が円形であり、下方部分3342は、円形の上方部分3340の直径より小さい幅から開始してテーパ状である。開口部3306の作用縁はまた、図110および図111aの開口部3306と同様に側壁3344によって画定することができる。同様に、図111bの開口部3306によってもまた、ロック力を徐々に増大させることができ、それは、図110および図111aの開口部3306より高い初期値で最初に開始するかまたは急に上昇する可能性がある。
図112は、ロック力または保持力対コア部材変位のグラフを示し、円形開口部3306によって提供することができる線形曲線を、非円形(たとえば、テーパ状)開口部3306によって提供することができる累進的曲線と比較する。図示するように、図110、図111aおよび図111bの開口部3306等の非円形またはテーパ状開口部は、円形開口部3306の線形曲線と比較して、コア部材3302の変位がより小さく、所望のロック力または保持力まで上昇することができる。したがって、非円形またはテーパ状開口部3306を含むロックワッシャ3300は、円形開口部3306より迅速に所望のロック力または保持力に達することができる。
図113aおよび図113bは、第1ロック部材またはロックワッシャ3402と第2ロック部材またはロックワッシャ3404とを有する方向性ロック3400を示す。方向性ロック3400は、図68A~図68Dに関して図示し記載した方向性ロック1800と同様であり得る。第1ロックワッシャ3402は、自由位置とロック位置との間で、またはその可能な動きの範囲を通して、第2ロックワッシャ3404と比較してコア部材3410の変位が小さく、移動するように構成することができる。第2ロックワッシャ3404は、第1ロックワッシャ3402より大きい保持力またはロック力を与えることができるが、その自由位置とそのロック位置との間の動きの範囲はより大きい。
図113aの方向性ロック3400は、第1ロックワッシャ3402および第2ロックワッシャ3404のうちの一方から第1ロックワッシャ3402および第2ロックワッシャ3404のうちの他方まで動きを伝達する動き伝達機構を含む。図示する構成では、動き伝達機構は、第1ロックワッシャ3402と第2ロックワッシャ3404との間に配置された動き伝達要素3420を備える。図示する動き伝達要素3420は、コア部材3410に支持されかつ第1ロックワッシャ3402と第2ロックワッシャ3404との間に配置された管状部材である。動き伝達要素3420は、ロックワッシャ3402、3404の一方または両方の動きの範囲の少なくとも一部を通って、第1ロックワッシャ3402の移動とともに第2ロックワッシャ3404を移動させるように構成されている。図113aは、自由またはロック解除位置にあるかまたは相対的にそれに向かうロックワッシャ3402、3404のうちの一方または両方を示す、図113bは、ロック位置にあるかまた相対的にそれに向かうロックワッシャ3402、3404のうちの一方または両方を示す。
したがって、少なくともいくつかの構成では、動き伝達要素3420は、第2ロックワッシャ3404が第1ロックワッシャ3402と実質的に同時に移動を開始し、それにより、動き伝達要素3420のない場合より第2ロックワッシャ3404が高速に係合することができることを確実にする。上述したように、少なくともいくつかの構成では、第2ロックワッシャ3404の動きの範囲は、第1ロックワッシャ3402の動きの範囲より大きい可能性がある(またはその逆もあり得る)ため、第1ロックワッシャ3402および/または第2ロックワッシャ3404は、動き伝達要素3420に対して移動することができ、それにより、動き伝達要素3420は、ロックワッシャ3402、3404を互いに固定しない。言い換えれば、図示する構成では、動き伝達要素3420は、第2ロックワッシャ3404を、その動きの範囲の一部を通して押すが、第2ロックワッシャ3404が動き伝達要素3420から離れるように移動するのを可能にし、かつ/または動き伝達要素3420が第1ロックワッシャ3402から離れるように移動するのを可能にし、それにより、第2ロックワッシャ3404は、第1ロックワッシャ3402より長い動きの範囲を通して移動することができる。
図114aおよび図114bは、図113aおよび図113bと同様の構成を示す。しかしながら、図114aおよび図114bの構成では、動き伝達要素3420は連結要素を備える。連結動き伝達要素3420は、第1ロックワッシャ3402および第2ロックワッシャ3404を結合する。しかしながら、少なくともいくつかの構成では、連結動き伝達要素3420は、第2ロックワッシャ3404が第1ロックワッシャ3402から離れるように移動するのを可能にする(またはその逆もあり得る)ように構成されている。図示する連結動き伝達要素3420は、リビングヒンジを画定するビームである。ビーム3420は、第1長さを有する第1位置(図114a)から、第1長さより大きい可能性がある第2長さを有する第2位置(図114b)まで変形可能である。ビーム3420は、ビーム3420の緩和位置であり得る第1位置において湾曲形状を有することができる。ビーム3420は、第2位置ではそれほど湾曲していない形状まで撓むかまたは変形することができる。したがって、湾曲形状からそれほど湾曲していない形状までビーム3420が変形することにより、第2ロックワッシャ3404は、第1ロックワッシャ3402から離れるように移動することができる。
図115~図117は、使用者の頭部に対して患者インタフェース3504のヘッドギア3502内で方向性ロック3500を配置するためのあり得る場所を示す。方向性ロック3500は、本明細書に開示するもののうちの任意のもの等、任意の好適な構成であり得る。図115は、ヘッドギア3502内に組み込まれた方向性ロック3500を示し、それは、上方部分と位置合わせされるかもしくは使用者の耳のわずかに上方に、かつ/または後方部分と位置合わせされるかもしくは使用者の耳のわずかに後方に、方向性ロック3500を配置するように構成されている。図示する構成では、コア部材の余分な部分は、ヘッドギア3502の後部ストラップ内に蓄積することができるが、他の好適な構成を使用することも可能である。図115において方向性ロック3500が配置される領域は、使用者の耳が使用者の頭部から突出し、方向性ロック3500に適応することができる空間を生成するという点で有利であり得る。方向性ロック3500がそのように配置されると、方向性ロック3500に対する他のあり得る側部位置と比較して、使用者が横向きに寝ているとき、方向性ロック3500に(使用者の枕等から)加えられる圧力を低くすることができる。場合によっては、方向性ロック3500をこのように配置することにより、使用者が横向きに寝ているときに方向性ロック3500にかけられる圧力がほとんどないかまたはわずかである可能性があり、それにより、使用者に対して望ましいレベルの快適さを与えることができる。さらに、方向性ロック3500に対するあらゆる圧力が低減するかまたはいかなる著しい圧力もないことにより、方向性ロック3500の破砕を回避して、動作可能性を確実にし、または少なくとも破砕力による動作不良の可能性を低減させることができる。
図116および図117は、方向性ロック3500を配置するための使用者の頭部に対するあり得る望ましいゾーンを示す。たとえば、図116は、耳の一部と重なる耳の後方および上方の領域3510が、方向性ロック3500を受け入れ、かつ使用者が横向きに寝ているときに方向性ロック3500に対する破砕または過剰な圧力を阻止または防止するための自然な空間を提供することができることを示す。耳に重なる領域3510の部分は、好ましくは、耳の基部の後方または上方の空間である。さらに、頭部の頂部における領域3512もまた、使用者が横向きまたは仰向けに寝ているときに、方向性ロック3500に対する破砕または過剰な圧力を阻止または防止するように方向性ロック3500を配置するための望ましい場所を提供することができる。
図117は、頭蓋骨が示されている、使用者の頭部の上に重なった領域3510を示す。領域3510は、上述したように、耳の一部に重なりかつ耳の後方および上方であり得る。領域3510は、側頭骨の上に配置することができ、側頭骨の境界に向かって、境界まで、または境界を幾分か越えて、頭頂骨または後頭骨の上に広がることができる。しかしながら、いくつかの構成では、領域3510は、側頭骨の後方または上方の境界を著しく越えて広がらない。許容可能な性能を提供する領域3510の厳密な境界は、使用者によって異なる可能性があるが、好ましくは、領域3510は、意図された使用者集団の大部分が、横向きに寝ているときに領域3510内に配置される方向性ロック3500を有する患者インタフェース3504およびヘッドギア3502を快適に利用することができるように構成されている。図117には具体的に図示しないが、図116に示す領域3512は、前頭骨および/または頭頂骨の頂部に配置することができる。好ましくは、領域3512は、前頭骨および/または頭頂骨の実質的に上方に面する部分に制限される。許容可能な性能を提供する領域3512の厳密な境界は、使用者によって異なる可能性があるが、好ましくは、領域3512は、意図された使用者集団の大部分が、横向きまたは仰向けで寝ているときに領域3512内に配置される方向性ロック3500を有する患者インタフェース3504およびヘッドギア3502を快適に利用することができるように構成されている。
ヘッドギア
図118Aは、呼吸装置4110と組み合わせて使用される本開示のヘッドギア4100の限定しない例示的な実施形態を示す。図118Aおよび図118Bは、ヘッドギア4100が、実質的に非弾性であり構造が3次元(3D)であるように構成されていることを示す。本明細書で用いる3次元構造とは、単一平面に位置せず、複数平面に広がるような形状である構造である。言い換えれば、3次元構造は平坦ではない。図示するヘッドギア4100は、右側部4120および左側部4130を備える。右側部4120および左側部4130はともに、頂部ストラップ4140、後部ストラップ4150、前部ストラップ4160、ヨーク4170およびコネクタ4180を備える。頂部ストラップ4140は、頂部ストラップ側端部4142と頂部ストラップ中心端部4144とを有する細長い部材を備える。頂部ストラップ4140は、使用者の各耳の概して上方でありかつ使用者の頭部の頭頂領域または前頭領域の上の位置から上方に延在し、その後、頂部ストラップ中心端部4144で終端するように構成されている。頂部ストラップ中心端部4144は、使用者の頭部の頂部の中心点もしくは位置またはその近くに配置されるように構成されている。右側部4120および左側部4130の頂部ストラップ中心端部4144は、互いに接合されるように構成されている。各頂部ストラップ側端部4142は、直接または間接的にヨーク4170に隣接するように構成されている。
後部ストラップ4150は、後部ストラップ側端部4152と後部ストラップ中心端部4154とを有する細長い部材を備える。後部ストラップ4150は、使用者の各耳の概して上方の位置から側端部4152から後方に使用者の頭部の後頭領域の周囲を延在し、その後、後部ストラップ中心端部4154で終端するように構成されている。後部ストラップ中心端部4154は、使用者の頭部の後部の中心点もしくは位置にまたはその近くに配置されるように構成されている。右側部4120および左側部4130の後部ストラップ中心端部4154は、互いに接合されるように構成されている。各後部ストラップ側端部4152は、直接または間接的にヨーク4170に隣接するように構成されている。
前部ストラップ4160は、前部ストラップ側端部4162においてヨーク4170に直接または間接的に隣接し、かつ使用者の側頭を横切って使用者の鼻に向かって前方に延在するように構成された、細長い部材を備える。いくつかの構成では、前部ストラップ4160は、頂部ストラップ4140または後部ストラップ4150のうちの一方または両方より短く、前部ストラップ前端部4164において終端する。前部ストラップ前端部4164は、コネクタ4180を備えるかまたは少なくともそれに取り付けられるように構成されている。コネクタ4180は、呼吸装置4110のマスクフレーム4112に対して着脱可能な接続を提供するように構成された、押しばめ、スナップフィット、または他の好適なコネクタを備える。いくつかの構成では、コネクタ4180は、調整機構に接続するように構成することができ、調整機構は、ヘッドギア4100のサイズを自動的にまたは手動で調整する手段を提供する。
いくつかの構成では、ヨーク4170の各々は、対応する頂部ストラップ4140、後部ストラップ4150および前部ストラップ4160の間に横方向接合部を提供するように構成された比較的三角形のセクションを備える。頂部ストラップ4140、後部ストラップ4150および前部ストラップ4160の各々は、右側部4120および左側部4130が一体部品として形成されるように連続してヨーク4170に直接または間接的に隣接する。ヨーク4170の厚さおよび/または形状は、横軸、または頂部ストラップ4140、後部ストラップ4150および前部ストラップ4160の互いに対するヨーク4170の厚さ方向に延在する軸を中心とする回転移動に抵抗するように、画定することができる。こうした構成により、呼吸装置に対して使用者の顔面におけるより優れた安定性を与えることができる。
右側部4120および左側部4130は、実質的2次元(2D)部品として形成され、すなわち、それらは平坦構造で形成される。右側部4120および左側部4130の頂部ストラップ4140および後部ストラップ4150が互いに接合されると、(図118Bに示すように)3D二又構造が形成される。頂部ストラップ4140および後部ストラップ4150は、限定されないが、永久的でも取外し可能/分離可能でもあり得る、縫合、溶接、オーバモールドまたは機械的接続を含む、本技術分野において既知である任意の適切な方法によって互いに接合することができる。いくつかの構成では、ヘッドギア4100の構成は、少なくとも右側部4120および左側部4130が接続されたとき、3D二又構造が常に維持されるようなものである。この3D構造により、使用者がヘッドギア4100および関連する呼吸装置4110と相互作用し、それらを取り付けるかまたは着用する際の容易さを向上させることができる。ヘッドギア4100がその形状を保持するために、ストラップはもつれる可能性が低くなり、使用者がヘッドギア4100を把持して方向付けることが容易になるはずである。いくつかの構成では、ヘッドギア4100は、側部4120、4130の部分的または完全な分離を少なくとも維持する。いくつかの構成では、ヘッドギア4100は、ヨーク4170および/または対向する側部4120、4130の前部ストラップ4160の部分的または完全な分離を少なくとも維持する。
図119に、ヘッドギア4100の構成の限定しない例示的な実施形態を示し、それは、頂部ストラップ4140、後部ストラップ4150および/または前部ストラップ4160のうちの任意のものを通る断面図を示す。いくつかの構成では、頂部ストラップ4140、後部ストラップ4150および前部ストラップ4160は、第1部分または内側ケーシング4200、第2部分または外側ケーシング4210、コア4220およびケーシング縁部4230を備えた層状構成を有する。内側ケーシング4200および外側ケーシング4210はテキスタイル層を構成し、内側ケーシングは使用者の頭部と接触するように構成され、外側ケーシング4210はそのように構成されず、使用者の頭部から離れる方向に面するように構成することができる。内側ケーシング4200および外側ケーシング4210は、同じテキスタイルからまたは異なるテキスタイルから作製することができ、コア4220に対して、柔らかい、いくつかの実施形態ではクッション付きカバーを提供するように構成することができる。しかしながら、少なくともいくつかの好ましい実施形態では、コア4220は、ヘッドギア4100の主な構造を形成し、ケーシング4200、4210を利用して、ケーシング4200、4210のないコア4220から構成されたヘッドギアに比較して、より柔らかいテクスチャ、水分吸上げ特性の向上、および/または使用者の顔面との摩擦の増大が、ヘッドギア4100に与えられる。こうした構成は、局所的に剛化した構造を利用する弾性または可撓性材料から主に構成されるヘッドギア構成とは対照的である。
いくつかの構成では、コア4220は、ヘッドギア4100に上述した3D構造を与えるように構成される熱成型または熱硬化性プラスチック材料の比較的矩形の断面を備える。コア4220は、ヘッドギア4100の全体的な構造に対して基礎を提供する。コア4220のプラスチック組成により、使用者の個々の頭蓋形状に幾分か沿いながら予め成型された形状を維持することができる弾性構造の利益が提供される。コア4220は、幅Wおよび深さDを有し、幅Wは実質的に深さDより大きい。材料選択と組み合わせて図示する断面形状により、ヘッドギア4100は、幅Wに対して垂直な方向(図119における垂直方向)において可撓性があり、深さDに対して垂直な方向(図119における水平方向)において比較的可撓性がないものとなる。この一方向における可撓性により、ヘッドギア4100は、使用者の顔面において呼吸装置4110を安定化しその移動を最小限にする方向に剛性を与えながら、使用者の頭部に沿うことができる。
いくつかの構成では、内側ケーシング4200および外側ケーシング4210は、コア4220が完全に入れられ、ヘッドギア4100が複合材料から形成されるように、コア4220に永久的に接合されるように構成されている。ケーシング縁部4230は、内側ケーシング4200および外側ケーシング4210が接する場所に形成することができる。内側ケーシング4200および外側ケーシング4210は、コア4220との接合により、近接して合わせて保持される。いくつかの構成では、内側ケーシング4200および外側ケーシング4210は、ケーシング縁部4230において互いに直接接続されない。図119の実施形態では、ケーシング縁部4230は、深さDのおよそ中間点にあると示されている。ある実施形態においては、ケーシング縁部4230は、内側ケーシング4200および外側ケーシング4210の一方または他方に向かって傾斜することができる。他の構成では、ケーシング縁部4320を結合することができる。さらに他の構成では、ケーシング縁部4230は、コア4220の一部が露出したままであるように互いから分離することができる。
ヘッドギア4100は、たとえば、材料選択の結果として実質的に非弾性であるように構成することができる。複合材料の1つまたは複数の要素が、ヘッドギア4100に対して実質的非弾性品質を与えることができる。本開示の限定しない第1例示的実施形態では、コア4200は、たとえば、限定なしに、ポリプロピレンまたはナイロン等、実質的非弾性材料から作製される。ヘッドギア4100が低い荷重力にさらされることが予期される実施形態では、コア4220は、限定されないが熱可塑性エラストマー(TPE)またはシリコーン等、他の材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、コア4220は、ある弾性率を有することができ、内側ケーシング4200および/または外側ケーシング4210の一方または両方は実質的に非弾性であり得る。ヘッドギア4100に実質的非弾性材料を含めることは、その材料によって、ヘッドギアが使用者の頭部の上で過度に伸張するかまたは引っ張られる可能性が低減しまたはなくなるため、有利である。ヘッドギア4100が使用者の頭部の上で過度に引っ張られる場合、呼吸装置は、治療を提供するために有効に配置されない可能性があり、使用者の頭部に不快な力が加えられる可能性があり、その結果、治療に対するコンプライアンスが低減する可能性がある。
右側部4120および左側部4130は、コア4220を、内側ケーシング4200および/または外側ケーシング4230の一方または両方等のテキスタイル材料の上に射出成型することによって形成することができる。こうした方法により、溶融プラスチック材料が、テキスタイル材料の上に加えられるか、またはそれと接触することができ、温度が低下して、接着剤を使用することなく一体構造を形成することができる。いくつかの構成では、右側部4120および左側部4130は、内側ケーシング4200および外側ケーシング4210によって形成されたスリーブ内にコア4220を射出成型することによって形成することができる。ケーシング縁部4230は、射出金型内の圧縮下で互いに保持することができる。こうした構造により、コア4200のプラスチック材料が、ケーシング縁部4230において著しいバリをもたらすことなくスリーブの内側に射出され、それによりそこを充填することができる。いくつかの構成では、ケーシング縁部4230は、封止されたスリーブを生成しない場合がある。こうした構成では、他の成型部品で行うように、成型後操作においてバリを除去することができる。
いくつかの実施形態では、ヘッドギアの一方の側にのみテキスタイルケーシングがある場合があり、または内側ケーシング4200および外側ケーシング4210は異なる材料から作製される場合があるがある。これにより、ヘッドギア4100に対して、異なる領域に異なる物理特性を与えることができる。
金型
図120は、上述した前部ストラップ4160と同様である(図121に示すような)ストラップ4400を形成するように構成された射出金型4300の半体の第三角正投影図を示す。同様の型を用いて、ヘッドギア4100の任意の部分を形成することができる。ストラップ4400は、細長いストラップ本体4410、ケーシングリテーナ4420およびコネクタ4430を備え、ケーシングリテーナ4420およびコネクタ4430は、ストラップ本体4410の一端に位置している。ストラップ本体4410は、内側ケーシング4412、外側ケーシング4414、ケーシング縁部4416および複数の保持孔4418を備える。内側ケーシング4412および外側ケーシング4414は、テキスタイルから作製され、図示する構成では、内部プラスチックコア(図示せず)を実質的に封入しかつその周囲にスリーブを形成するように構成され、したがって、複合材料構造としてストラップ4400を形成する。
射出金型4300は、分割面4310を中心に実質的に対称である反対側の半体を有するように構成されている。射出金型4300の各半体は、スプルー4320、ゲート4325および金型キャビティ4330を備える。スプルー4320は、型4300に対して射出場所を形成する円筒状凹部を備える。ゲート4325は、プラスチック材料がスプルー4320から金型キャビティ4330内に流れ込む通路を備える。いくつかの実施形態では、スプルー4320およびゲート4325は、射出金型4300の一方の半体にのみ設けることができる。金型キャビティ4330は、コアキャビティ4340、ケーシングクランプ4350、ケーシングスロット4360、および複合材料およびストラップ部分4400の形状を形成するように構成されたたコネクタキャビティ4370を備える。
コアキャビティ4340は、矩形凹部を備え、いくつかの構成では、1つまたは複数の保持ピン4342を含む。いくつかの実施形態では、3つの保持ピン4342があり、それらは、コアキャビティ4340の一部または深さ全体を通って延在する円筒状ポストを備える。いくつかの実施形態では、任意の適切な断面形状を有することができる任意の好適な数の保持ピン4342があり得る。保持ピン4342は、ストラップ4400内に保持孔4418を形成するように構成されている。ケーシングクランプ4350は、コアキャビティ4340の3つの縁部の周囲に延在しかつストラップ4400のケーシング縁部4416を形成するように構成されている、比較的浅い凹部を備える。
ケーシングクランプ4350およびコアキャビティ4340は、一端がケーシングスロット4360によって終端している。ケーシングスロット4360は、コアキャビティ4340より深い狭い矩形スロットを含む。ケーシングスロット4360は、コアキャビティ4340およびケーシングクランプ4350の組み合わされた幅と実質的に同じ幅を有するように構成されている。ケーシングスロット4360は、ケーシングリテーナ4420を形成する。コネクタキャビティ4370は、コアキャビティから反対側においてケーシングスロット4360に隣接し、実質的に台形の凹部を備える。それは、コアキャビティ4340より深いように構成され、ストラップ4400のコネクタ4430を形成する。図示する構成では、ゲート4325は、コネクタキャビティ4370の短い平行な壁において中心点に接続する。
成型プロセス
射出金型4300を用いてストラップ構成要素4400を成型するプロセスは、以下のステップを含む。すなわち、内側ケーシング4410および外側ケーシング4420を形成するテキスタイル層を挿入するステップと、型を閉じるステップと、プラスチックを射出するステップと、型を開いて部品を離型するステップとである。いくつかの構成では、これらのステップはこの順序で達成されるが、他の構成では、順序が変更される場合があり、かつ/または追加のステップが含まれる場合がある。こうした追加のステップは、上述したステップ内に挿入される。
射出金型の2つの半体が分離された(たとえば、開かれた)状態で、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414を形成するテキスタイル片が、図122に示すように金型キャビティ4330内に配置される。内側ケーシング4412は、射出金型4300の一方の半体内に配置され、外側ケーシング4414は、他方の半体内に配置される。内側ケーシング4412および外側ケーシング4414は、金型キャビティ4330内にぴったりと嵌まるようなサイズに切断することができる。別法として、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414の未切断片を金型キャビティ4330内に配置し、その後、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414が互いに接合される前にまたは接合された後に、射出金型4300によって切断することができる。
保持ピン4342、ケーシングクランプ4350およびケーシングスロット4360のうちの任意の1つまたは組合せを含む、射出金型4300の1つまたは複数の構成要素によって、金型キャビティ4330内で、内側ケーシング4412または外側ケーシング4414を位置合わせし固定することができる。内側ケーシング4412および外側ケーシング4414を位置合わせして固定することにより、ケーシング4412および4414がプラスチック材料の射出中に移動する可能性が低減する。プラスチックの射出中のケーシング4412、4414が移動することにより、ストラップ4400が正しく形成されない可能性がある。保持ピン4342は、内側ケーシング4412または外側ケーシング4414が、金型キャビティ4330内で適切に位置合せされかつ壁に対して適所に保持されるように、少なくとも部分的にリテーナ孔4418を通過するように構成することができる。
ケーシングクランプ4350は、射出金型4300が閉じられたとき、かつ射出金型4300の両半体が一緒になったとき、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414の1つ、2つもしくは3つ(またはそれより多く)の縁部に圧縮力を加えるように構成することができる。凹部は、図122に示すように、ケーシングが分割面4310から突出して位置するように、内側ケーシング4412および/または外側ケーシング4414を形成するテキスタイルの厚さより小さい深さを有することができる。射出金型4300が閉じられているとき、ケーシングクランプ4340の深さにより、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414が互いに圧縮され、縁部を一時的に封止し、ケーシング縁部4416および中空のスリーブ状構造を形成することになる。
ケーシングスロット4360は、ケーシングクランプ4350によって固定されない、内側ケーシング4412または外側ケーシング4414の端部を固定するように構成することができる。ケーシング4412、4414の端部は、図123に示すように、ケーシングスロット4360の最深部に近接して終端するように、およそ90°の角度で折り曲げることができる。ケーシングスロット4360の深くて狭い形状は、射出金型4300の両半体が閉じた位置あるとき、コアキャビティ4340の端部において内側ケーシングと外側ケーシングとの間に開口部があるように、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414の端部を分離した位置で保持する。内側ケーシング4412と外側ケーシング4414との間のこの開口部は、プラスチックがストラップ4400のコアを形成するようにコアキャビティ内に射出される際に通ることができる通路を提供する。開口部を通る射出により、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414の内側にプラスチックコアが形成される。
内側ケーシング4412および外側ケーシング4414が射出金型4300の各半体内で位置合わせされかつ固定されると、金型キャビティ4330が完全に密閉され、ケーシング縁部4416が圧縮によって固定されかつ封止されるように、型4300が閉じられる。そして、スプルー4320およびゲート4325を介して、金型キャビティ4330内に熱硬化性または熱成型プラスチックが射出される。プラスチックが硬化すると、射出金型4300を開くことができ、ストラップ4400を取り外すことができる。
いくつかの実施形態では、内側ケーシング4412および外側ケーシング4414は、限定されないが、仮止め接着剤またはインモールド設計(IMD)技法を含む、他の適切な手段によって、金型キャビティ4330の壁に対して保持することができる。
一体成型される特徴部分
従来、ラベル、接続部、および限定されないがバックルまたはボタン等の調整機構は、二次加工においてヘッドギアに取り付けられるかまたは組み付けられる別個の構成部品として形成することができる。いくつかの実施形態では、本開示のヘッドギアは、呼吸装置にヘッドギアを接続するかまたはヘッドギアのサイズおよび/またはフィット性を調整するように構成される、一体成型されたラベルおよび/または接続機構もしくは調整機構を含むことができる。こうした特徴部分の一体成型は、製造プロセス内の組立ステップをなくし、したがってコストを削減するという点で有益である。一体成型はまた、これらの特徴部分およびヘッドギアの接続の強度を向上させる点でも有益であり得る。
図124Aは、ヘッドギア700の別の限定しない例示的な実施形態を示し、そこでは、ヘッドギアは、頂部ストラップ4720内にボタンおよび孔サイズ調整システム4710を組み込んでいる。サイズ調整システム4710は、野球帽において通常使用される、「スナップフィット」ボタンおよび孔調整システムと同様であり得るが、ヘッドギア4700の一部として一体成型されている。サイズ調整システム4710は、複数の孔(図124Aでは見えない)を有する上部ストラップ4730と、上面に複数のボタン4750を有する下部ストラップ4740とを備える。具体的には考察しない特徴に関して、ヘッドギア4700は、本明細書に開示する他のヘッドギアと同じかもしくは同様であり得るか、または別の好適な構成であり得る。
図124Bの拡大断面図に図示するように、上部ストラップ4730は、上部内側ケーシング4732、上部外側ケーシング4734、上部コア4736および1つまたは複数の孔4738を備える。ボタン4750は、上部ストラップ4730の孔4738を通過し、上部ストラップ4730および下部ストラップ4740を合わせて固定するように構成されている。下部ストラップは、下部内側ケーシング4742、下部外側ケーシング4744、下部コア4746および1つまたは複数のボタン4750を備える。下部外側ケーシング4744は、下部コアが1つまたは複数のボタン4750を形成するように延在する1つまたは複数の開口部を備える。ボタン4750は、頭部4752および軸4754を含むキノコ型形状を含む。ボタンは、図124Aに示すように、実質的に円形または楕円形の輪郭を有することができる。
図125Aおよび図125Bは、ヘッドギア構造に一体成型されるサイズ調整システム4800の別の限定しない例示的な実施形態を示す。サイズ調整システム4800は、「スナップフィット」ボタン4810および孔4820構成を備える。1つまたは複数のボタン4810があり、それらは、第1ストラップ4830の上に直接オーバモールドされて第1ストラップに永久的に接合されるように構成されている。これらのボタン4810は、1つまたは複数の孔4820内に受け入れられかつ保持されるように構成されたキノコ型形状を含む。孔4820は、ボタン4810を受け入れるように構成された中心開口部を有するストラップ4840の一方または両方の側にプラスチックワッシャを構成する。孔4820は、第2ストラップ4840を通してオーバモールドされて互いに永久的に接合されるように構成されている。
この実施形態では、第1ストラップ4830および第2ストラップ4840は、限定されないがBreath-o-preneTM等、単一テキスタイル材料から作製されるように構成された細長い部材を含む。この構成により、先の実施形態より高い可撓性が与えられ、材料選択に応じて、緩衝要素を提供することができる。しかしながら、他の構成では、本明細書に開示したプラスチック/テキスタイルストラップ等、複合ストラップにボタン4810および孔4820を設けることができる。
図125C~図125Eは、ヘッドギア構造に一体成型されるサイズ調整システム9800の別の限定されない例示的な実施形態を示す。サイズ調整システム9800は、「スナップフィット」ボタン9810および孔9820構成を備える。図125Aおよび図125Bとは対照的に、孔9820は、貫通孔ではなく、ストラップ9840の厚さ全体を通して延在しない。ボタン9810は、第1ストラップ9830内に成型されるかまたは直接オーバモールドされて、第1ストラップ9830にボタンが永久的に接合されるように構成されている。ボタン9810は、第1ストラップ9830の長さに沿って延在する単一の細長いボタン9810を含むことができる。図125C~図125Eにおいて、ボタン98190および孔9820は、台形断面形状を有する。しかしながら、ボタン9810および孔9820は、解除可能な締まり嵌めまたはスナップフィット接続を提供するように任意の好適な形状を有することができる。動作時、ボタン9810は、孔9820内に挿入されて第1ストラップ9830および第2ストラップ9840を解除可能に接続する。
図125F~図125Iは、ヘッドギア構造に一体成型されるサイズ調整システム9900の別の限定しない例示的な実施形態を示す。サイズ調整システム9900は、「スナップフィット」ボタン9910および孔9920構成を備える。ボタン9910は、第1ストラップ9930内に直接成型されるかまたはその上にオーバモールドされて、第1ストラップ9930にボタンが永久的に接合されるように構成されている。ボタン9910は、第1ストラップ9930の長さに沿って延在する単一の細長いボタン9910を含むことができる。図125C~図125Eのサイズ調整システム9800と同様に、孔9920は、貫通孔ではなく、第2ストラップ9940の厚さ全体を通して延在していない。しかしながら、サイズ調整システム9800とは対照的に、ボタン9910は、第1ストラップ9930の長さに沿って、噛み合う六角形状を有する。六角形ボタン9910により、第1ストラップ9930と第2ストラップ9940との間の並進移動が防止される。
テキスタイル基部にさまざまなプラスチック特徴部分を成型する手法は、ヘッドギア以外の呼吸装置構成要素に適用することができる。たとえば、図126は、オーバモールドボタン4920を介して、実質的に剛性のマスクフレーム4910にテキスタイル緩衝パッド4900を取り付けることができることを示し、そこでは、オーバモールドボタン4920は、先の実施形態で記載したボタン4750、4810と同じかまたは同様である。さらに別の実施形態では、同様の構成を用いて、図127Aおよび図127Bに示すように、限定されないが可撓性ヘッドギア5000および実質的に剛性のマスクフレーム5010等、2つの呼吸装置構成要素の間に接続を提供することができる。
図128は、テキスタイルストラップ5110、グリップ5120および2つのバックル5130を備えたヘッドギア構成要素5100を示す。ヘッドギア構成要素5100は、ヘッドギアアセンブリの実質的にすべり防止の後方部分を形成するように構成される。テキスタイルストラップ5110は、限定されないがマイクロファイバ布を含む任意の好適なテキスタイルから作製することができる細長い本体を備える。グリップ5120は、テキスタイルストラップ5110の輪郭に実質的に従う隆起したシリコーン、TPEまたは熱可塑性ポリウレタン(TPU)ビードを備える。グリップ5120は、使用時に使用者の頭部または頭髪をつかんで、ヘッドギアが安定し滑り落ちて呼吸マスクを変位させる可能性が低いようにする、すべり防止面を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、このようなグリップビードをヘッドギアアセンブリの他の領域に適用することができる。
グリップ5120は、先の実施形態に関連して記載したものと同様の成型プロセスによってテキスタイルストラップに付与することができる。図129は、ヘッドギア構成要素5100を形成するように構成された金型5200の断面概略図を示す。金型5200は、第1型半体5210および第2型半体5220を備える。第1型半体5210は、ストラップインサート5212およびグリップキャビティ5214を備える。第2型半体は、ストラップキャビティ5222を備える。ストラップキャビティ5222は、テキスタイルストラップ5110を受け入れるように構成されている。いくつかの構成では、テキスタイルストラップ5110は、ストラップキャビティ5222内に厳密にフィットするように切断され、それにより、開いている金型5200内で容易に位置合せされる。ストラップキャビティもまた、対応する形状を有するストラップインサート5212を受け入れるように構成されている。ストラップインサート5212は、成型中にテキスタイルストラップ5110に圧縮力を加えるように構成され、それにより、テキスタイルストラップは適所に保持され、グリップ5120の材料が射出されるときに移動しない。金型5200が閉じた位置にあり、テキスタイルストラップ5110が適所に固定されると、いくつかの構成では図120のものと同じかまたは同様であり得るゲートおよびランナシステム(図示せず)を介して、グリップ5120の材料をグリップキャビティ5214内に射出することができる。グリップキャビティ5214は、テキスタイルストラップ5110の上にグリップ5120の形状を形成するように構成されている。テキスタイルストラップ5110上にグリップ5120を直接射出成型することにより、それらの間に化学的かつ/または機械的結合が形成される。
図130および図131は、ストラップ4140、4150、4160、4400、4720、4720、4730、4830、4840等、本明細書に開示する他のストラップと実質的に同様であるかまたは同じであり得るストラップ5300を示す。図119に示す構成と同様に、ストラップ5300は、内側ケーシング5302、外側ケーシング5304、コア5306およびケーシング縁部5308を備える。内側ケーシング5302および外側ケーシング5304は、テキスタイル層を構成し、そこでは、内側ケーシング5302は、使用者の頭部に向かって面しかつ/または接触するように構成され、外側ケーシング5304はそのように構成されない。図示する構成では、外側ケーシング5304は、使用者の頭部から離れる方向に面し、かつ/または使用者の頭部に接触しない。
しかしながら、図示する構成では、ストラップ5300は、コア5306においてストラップ5300の長さに沿って断続部を備える。断続部は、ストラップ5300の2つの部分の間の可撓性接合部5310を形成することができる。いくつかの構成では、可撓性接合部5310は、全体的にまたは一部には内側ケーシング5302および外側ケーシング5304によって形成される。接合部5310内で、接着剤、縫合、溶接または他の好適な構成等により、ケーシング5302、5304を互いに固定することができる。他の構成では、ケーシング5302、5304は、接合部5310内で別個のままである場合がある。
コア5306を2つの部分に分割することができ、それらの各々が、互いに面しかつ距離5314だけ分離される、端面5312を画定する。いくつかの構成では、距離5314は、ストラップ5300が、可撓性接合部5310の位置で少なくともある程度まで折り曲げることができるのに十分である。いくつかの構成では、距離5314は、ストラップ5300が接合部5310において実質的に半分に折り曲がって、接合部5310の各側におけるストラップ5300の部分が重なり合って配置されるのを可能にするのに十分である。こうした構成により、ストラップ5300を保管または包装のために折り曲げることができる。いくつかの構成では、ヘッドギア装置の複数のストラップ5300(たとえば、頂部ストラップおよび後部ストラップ)は、ヘッドギア全体を保管または包装のために半分に折り畳むかまたは折り曲げることができるように可撓性接合部5310を含むことができる。
しかしながら、好ましくは、距離5314は、ストラップ5300および関連するヘッドギアの外力に適応する剛性または能力が損なわれるほど大きくはない。いくつかの構成では、距離5314は、ストラップ5300の全長のわずかな部分にすぎない。いくつかの構成では、距離5314は、50mm、40mm、30mm、20mmまたは10mm以下である。
ストラップ5300の可撓性または折曲げ可能部分が、関連するヘッドギアの全体形状内で要求通りに位置するように、ストラップ5300に沿って接合部5310を配置することができる。たとえば、接合部5310が横方向においてヘッドギアの中線にまたはその近くに位置するように、ストラップ5300内に接合部5310を配置することができる。こうした配置により、上述したように、ヘッドギアを半分に折り曲げることができる。他の構成では、他の位置に可撓性を与えるように、ストラップ5300に沿った別の場所に接合部5310を配置することができる。
図132および図133は、可撓性接合部5310を有する別のストラップ5300を示す。ストラップ5300は、図130および図131のストラップ5300と実質的に同様であるかまたは同じであり得る。しかしながら、図132および図133のストラップ5300は、接合部5310の両側のコア5306の部分を接続する接続構造を含む。図示する構成では、接続構造は、接合部5310の両側のコア5306の部分の間に延在しかつそれらを接続するブリッジ部分5320を備える。任意の好適な数のブリッジ部分5320を設けることができる。図示する構成では、一対の間隔を空けて配置されたブリッジ部分5320が設けられる。ブリッジ部分5320は、コア5306の側縁部から内側に間隔を空けて配置されているが、他の構成では、ブリッジ部分5320の側縁部は、コア5306の側縁部と位置合わせすることができる。
ブリッジ部分5320は、好ましくは、少なくとも1つの方向において接合部5310の可撓性の性質(たとえば、厚さ方向における曲げ)を維持するように構成される。したがって、ブリッジ部分5320は、リビングヒンジを提供するように構成することができる。しかしながら、ブリッジ部分5320は、他の方向において、少なくともケーシング5322、5304のみに対して、接合部5310に追加の剛性または支持を与えることができる。たとえば、ブリッジ部分5320は、幅方向において曲げに抵抗することができ、長手方向の伸長または圧縮に抵抗することができ、縦軸を中心とするねじれに抵抗することができる。
いくつかの構成では、ブリッジ部分5320は、コア5306と同じ材料から構成される。ブリッジ部分5320を、コア5306の一部に結合するかまたは一体的に形成することができる。図示する構成では、ブリッジ部分5320は、コア5306の一部と一体形成され、コア5306のそれらの部分の厚さ5324より小さい厚さ5322を有する。いくつかの構成では、ブリッジ部分5320の厚さ5322は、コア5306の厚さ5324の1/2未満または1/3未満である。他の特性も可能であり、ブリッジ部分5320およびコア5306の厚さ5322、5324は、意図される用途に対して望ましい特徴を提供するように選択することができる。
図示する構成では、ブリッジ部分5320は、ストラップ5300の長手方向軸に沿うかまたはそれに対して平行に延在する細長い直線状構造である。しかしながら、ブリッジ部分5320に対して、ストラップ5300の長手方向軸に対して角度を付けることができる。いくつかの構成では、ブリッジ部分5320は形状が非直線状である。
図130~図133は、本明細書に開示するストラップおよび関連するヘッドギアを構築する追加のアセンブリ、器具および関連方法を示す。特に、図130~図133の構成は、コアを形成する前に金型内の適所に布ケーシングを配置しかつ/または維持するのに役立つように構成されている。他の点では、図130~図133の金型は、本明細書に開示した金型5400と同様であるかまたは同じであり得る。本明細書に介した構成に加えて、金型内に布ケーシングを固定する他の好適な構成または方法も使用することができる。
図130を参照すると、金型5400は、本明細書に開示したもののうちの任意もの等、ストラップおよび/または関連するヘッドギアを形成するように構成される。好ましくは、1つまたは複数の布ケーシングが金型5400内に配置され、その後、布ケーシングに隣接してまたはそれらの間にコアが形成される。金型5400は、静電力を利用することによって、コアを形成する前に型5400内に布ケーシングを固定するように構成されている。任意の好適な構成を用いて、布ケーシングおよび/または金型5400内に、型5400にケーシングを引き寄せるのに好適な静電荷を生成することができる。たとえば、布ケーシングおよび/または金型5400に対して、静電荷を生成するように処理することができる。
いくつかの構成では、金型5400は、第1金型部分または半体5402および第2金型部分または半体5405を含み、それらの各々が金型キャビティ5406の一部を画定する。金型部分5402、5404は嵌合面を有し、それらを合わせることができ、金型キャビティ5406を開閉するように分離することができる。図示する金型5400はまた、荷電発生器5412および荷電アプリケータ5415を備える静電システム5410も備える。荷電発生器5412は、荷電アプリケータ5414によって物体に印可することができる静電荷を生成するように構成される。静電システム5410は、金型5400に関連付けることができ、またはケーシングが金型5400内に配置される前にケーシング5416に電荷を印加するように構成することができる。静電システム5410が金型5400に関連付けられる場合、金型5400の部分5402、5404は、印加される電荷の迅速な散逸を阻止または防止するように絶縁体5418を含むことができる。たとえば、Hatfield、PennsylvanianoSimco-Ion製のもの等、工業用途に好適な静電システムを採用することができる。
図131を参照すると、金型5400内にケーシングを保持するために、空気圧システムを利用することができる。例えば、ケーシングの側部の間に圧力差をもたらし、それにより金型5400の表面に対してケーシングを保持する傾向がある力を生成するように、空気圧システムを構成することができる。図示する空気圧システム5420は、好適な導管5426によって金型5400の1つまたは複数の真空ポート5424に接続された真空源5422を備えた真空システムである。しかしながら、他の構成では、少なくとも金型部分5402、5404が閉じるまで、ケーシングを金型5400の表面に対して押圧するために、正圧を使用することができ、金型部分5402、5404が閉じた時点で、金型部分5402、5404の間にケーシングをはさみ込むことができる。
いくつかの構成では、真空源5422は、空気を真空ポート5424から導管5426を通って真空源5422に向かって移動させるポンプを備える。金型部分5402、5404内に配置されると、ケーシングは、真空ポート5424を閉鎖して、真空ポート5424内に空気が入るのを防止しまたは実質的に妨げる。その結果、真空ポート5424内に真空または比較的低圧状態が生成され、それにより、金型5400内の適所にケーシングが保持される。任意の好適な数の真空ポート5424を設けることができる。たとえば、各金型部分5402、5404内に複数のポート5424を示すが、いくつかの構成では、成型プロセスの前にケーシングを配置することができる各金型部分5402、5404に、単一の真空ポート5424が設けられる場合がある。
図132を参照すると、構成要素5430によって、金型5400内にケーシング5416を固定することができる。たとえば、構成要素5430は、金型5400内にケーシング5416を機械的に固定することができる。成型プロセス前にケーシング5416が配置される各金型部分5402、5404において1つまたは複数の構成要素(たとえば、一対の構成要素5430を利用して、ケーシング5416を金型部分5402、5404内の適所に保持することができる。たとえば、図示する構成では、第1構成要素5430aを利用して、金型部分5402、5404内の第1位置(たとえば、第1端部)にケーシング5416を固定することができ、第2構成要素5430bを利用して、金型部分5402、5404の第1位置から間隔が空けられた第2位置(たとえば、第2端部)にケーシング5416を固定することができる。
金型部分5402、5404のレセプタクルまたはキャビティ5432等の受入部分または保持部分内に、構成要素5430を受け入れることができる。キャビティ5432または他の受入部分は、ケーシング5416の一部が構成要素5430と金型部分5402、5404の表面との間に配置されるかまたは挟まれるように、構成要素5430およびケーシング5416の一部を受け入れるように構成することができる。こうした構成により、構成要素5430およびキャビティ5432は協働して、図123に示すケーシングスロット4360と同様の構造を形成することができ、図123を参照して図示し記載したものと同様に、金型部分5402、5404内にケーシング5416を固定することができる。代替構成では、ケーシング5416が金型部分5402、5404内に配置される前に、ケーシング5416に構成要素5430を固定することができる。構成要素5430およびケーシング5416の組合せは、キャビティ5432または他の受入部分内に構成要素5430を配置することにより、金型部分5402、5404内に固定することができる。
構成要素5430は、ケーシング5416の上記部分とともに、関連するキャビティ5432または他の受入部分に比較的タイトフィットを有することができ、それにより、摩擦力が、構成要素5430、したがってケーシング5416を金型部分5402、5404内の適所に保持する。いくつかの構成では、構成要素5430は、1つまたは複数の方向において関連するキャビティ5432とわずかな締まり嵌めを有することができる。成型プロセス中にケーシング5416を適所に保持するために十分な保持力で構成要素5430を金型部分5402、5404内の所望の位置に固定する他の好適な構成を使用することができる。
構成要素5430は、金型部分5402、5404内にケーシング5416を固定するのに好適な任意の構造であり得る。構成要素5430は、結果として得られるストラップまたは関連するヘッドギアの一部を形成することができる。たとえば、構成要素5430は、図121に関連して図示し記載したコネクタ4430および/またはケーシングリテーナ4420と同じかまたは同様であり得る、コネクタおよび/またはケーシングリテーナの一部または全体を備えることができる。こうした構成では、構成要素5430は、ストラップまたはヘッドギアのコアを形成する射出プラスチックと融合するように構成することができる。別法として、構成要素5430は、最終的なストラップまたはヘッドギアの一部を形成しない犠牲構成要素である場合がある。こうした構成では、構成要素5430は、射出プラスチックと融合しない材料を含むことができ、またはそうした材料でコーティングするかもしくは他の方法で処理することができる。したがって、ストラップまたはヘッドギアが形成されると、構成要素5430を廃棄することができる。いくつかの構成では、構成要素5430は、プラスチックが金型5400内に導入されると分解されて射出プラスチックが構成要素5430によって占有された空間を充填するような材料を含むことができる。こうした構成では、構成要素5430の分解された材料の排出を可能にするように排出口を設けることができる。
図137を参照すると、いくつかの構成では、ケーシング5416を金型5400のキャビティ5406の外側で支持することができる。図示する構成では、ケーシング5416を形成する材料のバルクが、金型部分5402、5404内に送られるように支持される。材料のバルクは、金型5400の一端において支持することができる、ケーシング5416を形成する材料のスプールまたはロール5440であり得る。材料またはケーシング5416の自由端5442を、金型部分5402、5404の間の空間を通して金型5400の反対側の端部まで手動で、自動的にまたは他の方法で通すことができる。したがって、1本の材料またはケーシング5416が、金型部分5402、5404のうちの一方または両方の金型キャビティ5406に隣接して位置する。ケーシング5416が金型5400を通過すると、ケーシング5416を、金型部分5402、5404のキャビティ5406内に手動で、自動的にまたは他の方法で配置することができる。たとえば、オペレータは、ケーシング5416をキャビティ5406のコーナに手動で押し込むか、または他の方法で金型部分5402、5404内にケーシング5416を適切に配置することができる。適切に配置されると、金型5400内のケーシング5416の上にプラスチック材料を射出することができる。成型プロセスの後、ケーシング5416の余分な材料を切り落とすことができる。
いくつかの構成では、金型部分5402、5404に対してケーシング5416の自由端5442を固定することができる。たとえば、クリップまたは他の好適な保持機構5444によって、金型部分5402、5404に接してまたはそれに対して、キャビティ5406の外側でありかつ金型部分5402、5404の嵌合面から離れる場所において、ケーシング5416の自由端5442をクリップ留めするかまたは他の方法で保持することができる。他の構成では、たとえば、保持スロット内で、またはケーシング5416の保持孔を利用する等、金型5400内でケーシング5416の自由端5442を保持することができる。いくつかの構成では、ロール5440は、ケーシング5416を比較的張った状態で維持するのに役立つように、回転に対して幾分かの抵抗を与えることができる。望ましい場合は、ケーシング5416において張力を維持するのに役立つように引張ローラ5446を採用することができる。
図138~図157Bは、本明細書に開示した他のヘッドギアと同様とすることができ、同じかまたは同様の用途に対して好適であり得る、いくつかのヘッドギア構成を示す。図138~図157Bのヘッドギアを、本明細書に開示したもののうちの任意のもの等、任意の好適な結合機構によってインタフェースに接続することができる。ヘッドギアは、たとえば、額当てを採用するもの等、他のタイプのインタフェースと使用するように変更することができる。したがって、図示するヘッドギアは、各側部に単一の接続場所を有するが、他の変形は、各側部に一対の接続場所を含むことができる。たとえば、中心の頭上ストラップ等、他の構成も可能である。さらに、図138~図157Bのヘッドギアの特徴、構成要素、材料または製造方法を互いに置き換えて、具体的に開示したものの範囲を超えた他のヘッドギア変形を生成することができる。図示するヘッドギアは、各々、頭頂または頂部ストラップ、後部ストラップおよび一対の前部ストラップを含むいくつかのストラップを備える。他の変形は、これらのストラップのうちの1つまたは複数を省くことができ、かつ/または追加のストラップを含むことができる。ストラップののうちの任意のものが、要求通りに、本明細書に開示する調整機構または他の好適な構成のうちの任意のものを含む、長さ又は他の調整機構を組み込むことができる。
図138~図140は、ヘッドギア5500が、第1ヘッドギア部分またはストラップ5502(図139Bにはその断面を別個に示す)と第2ヘッドギア部分またはストラップ5504(図139Aにはその断面を別個に示す)とを有することを示す。第1ストラップ5502は、頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分5506を画定することができ、第2ストラップ5504は、後部ストラップ部分5508を画定することができる。図示する構成では、第1ストラップ5502および/または第2ストラップ5504はまた、ヘッドギア5500の他の部分も画定する。たとえば、第1ストラップ5502は後部ストラップ部分5508の一部も形成し、それにより、後部ストラップ部分5508は、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の両方の部分を含む。さらに、第2ストラップ5504は、ヘッドギア5500の前部ストラップ部分5510を画定する。
いくつかの構成では、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の一方または両方が複合構造を有する。図示する構成では、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の各々が、コア5512およびカバー層5514を備える。コア5512は、ヘッドギア5500の主構造要素を形成することができる。いくつかの構成では、コア5512は、射出成型または押出成型プラスチック材料等、比較的剛性材料から構成することができる。カバー層5514は、ヘッドギア5500の外面に対して望ましい特徴を与えることができる。たとえば、カバー層5514は、使用者に対して快適さを与えるように構成しまたは選択することができる。いくつかの構成では、カバー層5514は、布またはテキスタイル材料である。カバー層5514は、コア5512の周縁部の一部または全体を包囲する。技術的または性能の観点から非弾性ヘッドギアが望ましい場合があり、それは、そうしたヘッドギアは、マスクによってヘッドギアに加えられる吹出力に応じて、調整されたサイズ(非伸縮)を保持することができるためである。しかしながら、使用者の知覚の観点から、幾分かの弾性が望ましい場合がある。言い換えれば、使用者は、幾分かの弾性を有するヘッドギアを好む場合があり、それは、使用者が、こうしたヘッドギアをより快適であると知覚するためである。したがって、本明細書に開示したヘッドギアまたはその一部のうちの任意のものにおけるコアおよびカバー層のうちの一方または両方に対して、使用中に発生する力、および/またはヘッドギアもしくはその一部を評価する際に使用者が手で加えることができる力等に応じて、幾分かの量の弾性または伸縮可能性を与えることができる。さらに、本明細書に開示したヘッドギア、ストラップまたは他のヘッドギア部分の断面寸法(または他の寸法)を、ヘッドギア、ストラップまたは他の部分に沿って変更することができる。こうした変更を用いて、特定の場所においてまたは特定のセクション内でヘッドギアの性能を調整することができる。たとえば、使用者の耳の周囲の領域は、何らかの追加の構造から利益を得る可能性があり、したがって、所望の構造を提供するためにより広いかまたは厚い場合がある。いくつかの構成では、厚さの増大が圧点をもたらす可能性があるため、ヘッドギアは使用者の耳においてまたはその周囲でより広いことが好ましい。(たとえば、使用者の頭部の頂部または後部に沿った)長いストラップ長は、通常、非弾性(または低弾性)であれば十分であり、必ずしも剛性がある必要はない(たとえば、可撓性であり得る)。したがって、これらのストラップまたはストラップ部分は、ヘッドギアの他の部分より薄くかつ/または細い場合がある。言い換えれば、ヘッドギア、ストラップまたはストラップ部分の幅および/または厚さを、伸縮/弾性および曲げに対する抵抗(すなわち、剛性)をカスタマイズするように調整することができる。さらに、ストラップ幅を、頭部の頂部または後部の中間に向かって増大させることができる。こうした構成は、より安定しているものとして知覚することができ、たとえば耳の近くの狭いセクションを可能にする。
図示する構成では、第1ストラップ5502のコア5512はプラスチックであり、カバー層5514は、図140Aに示すように、第1ストラップ5502に視覚的かつ/または物理的により軽量な構造を与える、伸縮布である。カバー層5514の材料の両縁部を縫合等によって接合して継目5516を形成することにより、そうした材料を管状構造に形成することができる。継目5516は、いずれかの側部(幅方向)またはいずれかの端部(厚さ方向)に沿う等、第1ストラップ5502の任意の所望の表面部分に配置することができる。図示する構成では、継目5516は、第1ストラップ5502の使用者に接する面すなわち内面に配置されている。
図示する第2ストラップ5504のコア5512はプラスチックであり、カバー層5514は、図140Bに示すように、管状構造に形成された編み材料である。第2ストラップ5504のカバー層5514は、編まれているため、継目を有していない。他の構成では、カバー層5514を第1ストラップ5502と第2ストラップ5504との間で反転させることができ、カバー層5514は第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の各々において同じ材料とすることができ、または異なる材料を使用することができる。
第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の各々のカバー層5514は、コア5512とは別個に形成することができ、カバー層5514をコア5512の上に滑り込ませること等により、コア5512の上に組み付けることができる。いくつかの構成では、カバー層5514は、コア5512の上に緩く受け入れることができる。言い換えれば、カバー層5514とそれぞれのコア5512との間に幾分かの相対移動が可能であるように、コア5512にカバー層5514を付着させない場合がある。こうした構成により、快適さを向上させることができる。しかしながら、望ましい場合は、たとえば接着剤等により、コア5512にカバー層5514を付着させることができる。
いくつかの構成では、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、後部ストラップ部分5508の一部または全体に沿って互いに接合される。図示する構成では、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、後部ストラップ部分5508の実質的に全体に沿って接合される。第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、頂部ストラップ部分5506、後部ストラップ部分5508および前部ストラップ部分5510の間の接合部で分離している。第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、第1ストラップ5502のカバー層5514と第2ストラップ5504のカバー層5514との間の縫合接合部または接着接合部による等、任意の好適な構成によって互いに固定することができる。図示する構成では、第1ストラップ5502は、使用時に第2ストラップ5504より使用者に近づくように、後部ストラップ部分5508において第2ストラップ5504の内側に位置する。したがって、第1ストラップ5502は、後部ストラップ部分5508の使用者接触面の一部または全体を画定することができる。図示する構成では、第1ストラップ5502は、頂部ストラップ部分5506も画定するため、ヘッドギア5500の頂部ストラップ部分5506および後部ストラップ部分5508の両方の使用者接触面を画定する。しかしながら、第2ストラップ5504が後部ストラップ部分5508において第1ストラップ5502の内側に配置されるように、この構成を反転させることも可能である。こうした構成では、第1ストラップ5502は、ヘッドギア5500の使用者接触面の一部(たとえば、頂部ストラップ部分5506)を形成することができ、第2ストラップ5504は、ヘッドギア5500の使用者接触面の一部(たとえば、後部ストラップ部分5508)を形成することができる。
いくつかの構成では、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、互いに異なる色を有することができる。たとえば、図示する構成では、第1ストラップ5502は明るい色であり、第2ストラップ5504は暗い色であるが、この構成を逆にすることができる。第1ストラップ5502と第2ストラップ5504との間の色が異なることは、使用者がヘッドギア5500を方向付けるのに役立つことができる。たとえば、第1ストラップ5502の色の方が明るい(または暗い)ことにより、第1ストラップ5502が後部ストラップ部分5508において第2ストラップ5504の内側に配置される構造において、使用者に対してヘッドギア5500の使用者接触面を示すことができる。第2ストラップ5504が後部ストラップ部分5508において第1ストラップ5502の内側に配置される場合、より明るい色および暗い色により、使用者は、頂部ストラップ部分5506と後部ストラップ部分5508とを識別することができ、またはその逆も可能である。同様に、材料またはテクスチャが異なることは、単独でまたは色が異なることとの組合せで、使用者がヘッドギア5500の異なる面(たとえば、内側に面する面および外側に面する面)または異なる部分(たとえば、頂部ストラップ部分5506および後部ストラップ部分5508)を識別するのに役立つように有用であり得る。
第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、互いに異なる寸法を有することができる。図示する構成では、第1ストラップ5502は、第2ストラップ5504の幅5522とは異なる幅5520を有する。特に、第1ストラップ5502の幅5520は、第2ストラップ5504の幅5522より小さい。いくつかの構成では、第2ストラップ5504の幅5522は、第1ストラップ5502の幅5520の1.5倍~2倍である。しかしながら、他の相対的比率も使用することができる。第1ストラップ5502が第2ストラップ5504より幅が広いように、構成を逆にすることも可能である。
第1ストラップ5502は厚さ5524を画定することができ、第2ストラップ5504は厚さ5526を画定することができる。いくつかの構成では、厚さ5524および厚さ5526は同じかまたは実質的に同じであり得る。しかしながら、他の構成では、厚さ5524および厚さ5526は互いに異なる場合がある。(限定されないがストラップ5502、5504を含む)本明細書で考察するヘッドギアストラップの寸法は、カバー層5514を含む場合もあれば省く場合もある。すなわち、少なくともいくつかの構成では、コア5512は、ヘッドギア5500の構造的性能(たとえば、耐荷重能力)の大部分または実質的に全体を担う。したがって、本明細書に開示するさまざまな構成の間の性能特性を比較するために、コア5512において幅寸法および高さ寸法を測ることができる。しかしながら、他の構成では、カバー層5514が実質的に寄与することができる快適さまたはフィット性に焦点を当てることができる。または、いくつかの構成では、カバー層5514は、比較的厚くすることができ、ストラップ5502、5504の全体的な幅または厚さの著しい部分を構成することができる。これらの状況または同様の状況下で、幅寸法および高さ寸法はカバー層5514を含むことができる。
図示する構成では、第1ストラップ5502の幅5520は4mm~8mmである。本明細書に開示する概して他のストラップおよびヘッドギア部分または他のヘッドギア構成と比較するために、こうしたストラップ幅は非常に狭いものとして分類することができる。図示する構成では、第2ストラップ5504の幅5522は8mm~12mmである。こうしたストラップ幅は、狭いものとして分類することができる。図示する構成では、第1ストラップ5502の厚さ5524および第2ストラップ5504の厚さ5526は、1mm~2mmである。こうしたストラップ厚さは、薄いものとして分類することができる。厚さ5524および5526を含むヘッドギア5500の全体的な構造は、ヘッドギア5500の可撓性を与え、それは、本明細書に開示する他のヘッドギア構成または概して他のヘッドギア構成に対する比較の目的で、非常に高いものと特徴付けることができる。
図139C、図139Dおよび図139Eは、ストラップ5502、5504のうちのいずれかに対する代替的な構成を示す。図139Cの構成は、比較的狭いチャネルまたは凹部5540を有するコア5512を示し、凹部5540は、長手方向に延在し、かつカバー層5514の継目5516および/または縁部を受け入れるように構成されている。その結果、継目5516を含むストラップの部分の外面は、比較的平滑または平坦であり得る。言い換えれば、継目5516は、凹部5540内に配置することができ、カバー層5514またはストラップの隣接するまたは包囲する部分に対して、外側に突出せずまたは出っ張りをもたらさない可能性がある。凹部5540はまた、コア5512に対してカバー層5514に対する位置合せ特徴としても機能することができる。すなわち、凹部5540および継目5516を互いに位置合わせして、カバー層5514をコア5512と適切に位置合せすることができる。いくつかの構成では、こうした位置合せにより、カバー層5514の他の特徴もまたコア5512と適切に位置合せすることができる。凹部5540は、コア5512の幅画定面(側部)に示すが、他の構成では、厚さ画定面(縁部)またはそれらの間の遷移部に配置することができる。
図139Dは、コア5512が、継目5516を収容し継目5516による出っ張りの形成を制限または防止する、1つまたは複数の比較的大きい凹部5542または凹状部分を備える、ストラップを示す。図示するコア5512は、コア5512の各側面に画定された凹部5542を含むが、上縁および/または下縁が、さらにまたは別法として凹面を画定することができる。図示する構成では、凹部5542は、コア5512の側面の比較的広い部分を占有している。言い換えれば、凹部5542は、コア5512の幅の実質的な部分に沿って延在している。凹部5542は、縁部から中心に向かってコア5512の厚さが徐々に増大するものとして示す。しかしながら、他の構成では、厚さの低減はより急峻である場合がある。コア5512の上方部分および下方部分の方が厚いことにより、非弾性性能が与えられる。中心の厚さが低減することにより、幅方向に位置合せされた軸を中心とする曲げに対してより高い可撓性を与えることができる。
図139Eは、継目5516が、ストラップ5504の側面(幅方向)に接触するかまたは隣接するように折り重ねられるかまたは曲げられている、ストラップを示す。継目5516を有するストラップ5504の側が使用者から離れる方向に配置されるように、ヘッドギアを構成することができる。継目5516を、応力が集中する領域から離れて配置するために、ストラップ5504の中央に向かってかつ丸い縁から離れる方向に配置することができる。
図141~図143は、第1ヘッドギア部分またはストラップ5602(図142Aにその断面を別個に示す)と第2ヘッドギア部分またはストラップ5604(図142Bにその断面を別個に示す)とを有するヘッドギア5600の別の構成を示す。第1ストラップ5602は、頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分5606を画定することができ、第2ストラップ5604は後部ストラップ部分5608を画定することができる。図示する構成では、第1ストラップ5602および/または第2ストラップ5604は、ヘッドギア5600の他の部分も画定する。たとえば、第1ストラップ5602および第2ストラップ5605は、協働して、ヘッドギア5600の前部ストラップ部分5610を画定する。図示する構成では、第1ストラップ5602は、前部ストラップ部分5610内で第2ストラップ5604の上方に配置され、それにより、前部ストラップ部分5610の幅は第1ストラップ5602および第2ストラップ5604の結合された幅と等しくなる。たとえば縫合接合部、接着接合部、またはオーバモールド接合部による等、任意の好適な構成により、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604を前部ストラップ部分5610内で互いに接合することができる。
図示する第1ストラップ5602および第2ストラップ5604は、コア5612およびカバー層5614を有する複合構造を備える。いくつかの構成では、コア5612は、射出成型プラスチック材料等、比較的剛性材料から構成される。いくつかの構成では、カバー層5614は布またはテキスタイル材料である。カバー層5614は、コア5612の周縁部の一部または全体を包囲する。
図示する構成では、第1ストラップ5602のコア5612はプラスチックであり、カバー層5614は、図143Aに示すように、第1ストラップ5602に第2ストラップ5604に対する触覚の区別を与える、リブ付きテキスタイル材料である。カバー層5614の材料の両縁部を縫合等により接合して継目5616を形成することにより、そうした材料を管状構造に形成することができる。継目5616は、いずれかの側部(幅方向)またはいずれかの端部(厚さ方向)のに沿う等、第1ストラップ5602の任意の所望の表面部分に配置することができる。図示する構成では、継目5616は、第1ストラップ5602の使用者に面する面すなわち内面に配置される。
図示する第2ストラップ5604のコア5612はプラスチックであり、カバー層5614は、図143Bに示すように管状構造に形成された編材料である。第2ストラップ5604のカバー層5614は、編まれているため、継目を有していない。他の構成では、カバー層5614を第1ストラップ5602と第2ストラップ5604との間で反転させることができ、カバー層5614は第1ストラップ5602および第2ストラップ5604の各々において同じ材料とすることができ、または異なる材料を使用することができる。
図示する構成では、ストラップ5602、5604は、本明細書に開示するプロセスのうちの任意のものに従って、溶融プラスチック材料をカバー層5614内に導入し、溶融プラスチック材料が、温度が低下してコア5612を形成することができるようにすることにより、形成される。図142Aに示すように、コア5612に継目5616を埋め込むことができる。その結果、継目5616は、ストラップ5602の周囲の部分に対して比較的平坦または平滑である。すなわち、金型の形状はストラップ5602の全体的な形状を画定し、継目5616は、図139Bの継目5516とは異なり、外側に突出しない。継目5616は、可視であり得る。しかしながら、パターニングされた、テクスチャ加工された、または柔らかい/ふわふわしたテキスタイルが、カバー層5614として使用され、継目5616がおおい隠される場合があり、または可視でない場合がある。別法として、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604の各々のカバー層5614をコア5612とは別個に形成することができ、カバー層5614をコア5612の上に滑り込ませること等により、コア5612の上に組み付けることができる。いくつかの構成では、コア5612にカバー層5614を付着させない場合があり、それにより、カバー層5614とそれぞれのコア5612との間に幾分かの相対移動が可能になる。しかしながら、望ましい場合は、たとえば接着剤等によりコア5612にカバー5614を付着させることができる。
上述したように、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604のカバー層5614は、ストラップ5602、5604の互いの識別を可能にするように異なるテクスチャを有することができる。さらに、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604は、ストラップ5602、5604間の識別を可能にするように異なる色を有することができる。望ましい場合は、ヘッドギア5600の内側に面する面および外側に面する面は、内側に面する面と外側に面する面との識別を可能にするように異なる色および/またはテクスチャを有することができる。
図示する構成では、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604は、互いに同じかまたは実質的に同じ断面寸法を有している。図示する構成では、第1ストラップ5602は、第2ストラップ5604の幅5622と等しいかまたは実質的に等しい幅5620を有する。しかしながら、他の構成では、ストラップ5602、5604の断面寸法は互いに異なる場合がある。第1ストラップ5602は厚さ5624を画定することができ、第2ストラップ5604は厚さ5626を画定することができる。いくつかの構成では、厚さ5624および厚さ5626は、同じであるかまたは実質的に同じであり得る。しかしながら、他の構成では、厚さ5624および厚さ5626は互いに異なる場合がある。
図示する構成では、第1ストラップ5602の幅5620は、4mm~8mmであるか、または非常に狭い。図示する構成では、第2ストラップ5604の幅5622もまた、4mm~8mmであるか、または非常に狭い。図示する構成では、第1ストラップ5602の厚さ5624および第2ストラップ5604の厚さ5626は、1mm~2mmである。こうしたストラップ厚さは、薄いものとして分類することができる。厚さ5624および5626を含むヘッドギア5600の全体的な構造によりヘッドギア5600の可撓性が与えられ、それは、本明細書に開示する他のヘッドギア構成または概して他のヘッドギア構成との比較の目的で高いものとして特徴付けることができる。
図144~図146Bは、頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分5706、後部ストラップ部分5708および一対の前部ストラップ部分5710を有するヘッドギア5700の別の構成を示す。ヘッドギア5700は、コア5712と、内側カバー層5714aおよび外側カバー層5714bを備えるカバーとを有する、複合構造を備えることができる。いくつかの構成では、コア5712は、射出成型プラスチック材料等、比較的剛性材料から構成される。いくつかの構成では、カバー層5714a、5714bは、布またはテキスタイル材料から構成される。カバー層5714a、5714bは、コア5712の周縁部の一部または全体を包囲する。カバー層5714a、5714bの縁部は、互いに接触しているかまたは固定されている場合もあればそうでない場合もある。図示する構成では、ヘッドギア5700は、本明細書に開示するプロセスのうちの任意のものに従って、溶融プラスチック材料をカバー層5714a、5714b内に導入し、溶融プラスチック材料が、温度が低下してコア5712を形成するのを可能にすることによって形成される。別法として、カバー層5714a、5714bをコア5712とは別個に形成することができ、コア5712の上に組み付け、接着剤、縫合、RF溶接または別の好適なプロセス等により固定することができる。
図示する構成では、カバー層5714aは、図146Aに示すように、パターニングされたポリエステル材料であり、それにより、使用者接触面すなわち内側に面する(内)面に対して、図146Bに示すような、外側に面する(外)面を画定するカバー層5714bに対する、触覚的かつ視覚的識別が与えられる。パターニングされたカバー層5714aはまた、コア5712の縁部等、ヘッドギア5700を生成するために使用されるプロセスからもたらされる細部を隠すこととともに、使用者に対して柔らかさおよび快適さも示す。図示するカバー層5714bは、ヘッドギア5700が他の物体(たとえば、枕)に沿って摺動するのを可能にする高い滑り性、および高級仕上げを与える、ポリウレタン(模造皮革)材料である。こうした構造の結果として、カバー層5714a、5714bは、内面および外面の互いからの識別を可能にするように異なるテクスチャを有することができる。さらに、層5714a、5714bは、内面と外面との識別を可能にするように異なる色を有することができる。他の構成では、カバー層5714a、5714bは、内面と外面との間で反転させることができ、カバー層5714a、5714bは、内面および外面の各々において同じ材料とすることができ、または図示するものとは異なる材料を使用することができる。
図示する構成では、頂部ストラップ部分5706、後部ストラップ部分5708および前部ストラップ部分5710は、互いに同じかまたは実質的に同じ断面寸法を有する。しかしながら、他の構成では、ストラップ部分5706、5708、5710の断面寸法は互いに異なる場合がある。図示する構成では、ストラップ部分5706、5708、5710は、各々、同じかまたは実質的に同じ幅5720を有する。さらに、ストラップ部分5706、5708、5710は、各々、同じかまたは実質的同じである厚さ5724を画定することができる。
図示する構成では、ストラップ部分5706、5708、5710の各々の幅5720は、12mm~16mmであり、または中間の幅として分類される。図示する構成では、ストラップ部分5706、5708、5710の各々の幅5724は、2mm~3mmである。こうしたストラップ厚さは、中間として分類することができる。厚さ5724を含むヘッドギア5700の全体的な構造により、ヘッドギア5700の可撓性が与えられ、それは、本明細書に開示する他のヘッドギア構成または概して他のヘッドギア構成に対する比較の目的で、中間であるものとして特徴付けることができる。
図147~図149は、頂部または頭頂ストラップ部分5806、後部ストラップ部分5808および一対の前部ストラップ部分5810を有するヘッドギア5800の別の構成を示す。ヘッドギア5800は、コア5812と、内側カバー層5814aおよび外側カバー層5814bを備えるカバーとを有する、複合構造を備えることができる。いくつかの構成では、コア5812は、射出成型プラスチック材料等の比較的剛性材料から構成される。いくつかの構成では、カバー層5814a、5814bは、布またはテキスタイル材料から構成される。カバー層5814a、5814bは、コア5812の周縁部の一部または全体を包囲する。カバー層5814a、5814bの縁部は、互いに接触するかまたは固定されている場合もあればされていない場合もある。図示する構成では、ヘッドギア5800は、本明細書に開示するプロセスのうちの任意のものに従って、カバー層5814a、5814b内に溶融プラスチック材料を導入し、溶融プラスチック材料が、温度が低下してコア5812を形成することができるようにすることによって形成される。別法として、カバー層5814a、5814bをコア5812とは別個に形成することができ、コア5812の上に組み付けて、接着剤、縫合、RF溶接または他の好適なプロセス等によって固定することができる。
図示する構成では、カバー層5814aは、図149Aに示すように、メッシュ編みを含むウール(たとえば、Merinoウール)であり、それにより、使用者接触面すなわち内側に面する(内)面に対して、図149Bに示すような、外側に面する(外)面を画定するカバー層5814bに対する触覚的かつ視覚的識別が与えられる。パターニングされたカバー層5814aはまた、使用者に対して、柔らかさ、快適さおよび性能も運ぶ。図示するカバー層5814bは、コア5812の縁部等、ヘッドギア5800を生成するために使用されるプロセスからもたらされる細部を隠すことともに、使用者に対して柔らかさおよび快適さを運ぶ、パターニングされたポリエステル材料である。こうした構造の結果として、カバー層5814a、5814bは、内面および外面の互いからの識別を可能にするように異なるテクスチャおよび/または色を有することができる。他の構成では、カバー層5814a、5814bを内面と外面との間で反転させることができ、カバー層5814a、5814bは、内面および外面の各々において同じ材料とすることができ、または図示するものとは異なる材料を使用することができる。
図示する構成では、頂部ストラップ部分5806、後部ストラップ部分5808および前部ストラップ部分5810は、互いに同じかまたは実質的に同じ断面寸法を有する。しかしながら、他の構成では、ストラップ部分5806、5808、5810の断面寸法は互いに異なる場合がある。図示する構成では、ストラップ部分5806、5808、5810は、各々、同じかまたは実質的に同じである幅5820を有する。さらに、ストラップ部分5806、5808、5810は、各々、同じかまたは実質的に同じである厚さ5824を画定することができる。
図示する構成では、ストラップ部分5806、5808、5810の各々の幅5820は、12mm~16mmであり、または中間の幅として分類される。図示する構成では、ストラップ部分5806、5808、5810の各々の厚さ5824は、2mm~3mmである。こうしたストラップ厚さは、中間として分類することができる。厚さ5824を含むヘッドギア5800の全体的な構造により、ヘッドギア5800の可撓性が与えられ、それは、本明細書に開示する他のヘッドギア構成または概して他のヘッドギア構成に対する比較の目的で、中間であるものとして特徴付けることができる。
図150~図152は、頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分5906、後部ストラップ部分5908および一対の前部ストラップ部分5910を有するヘッドギア5900の別の構成を示す。ヘッドギア5900は、コア5912と、内側カバー層5914aおよび外側カバー層5914bを備えるカバーとを有する、複合構造を備えることができる。いくつかの構成では、コア5912は、射出成型プラスチック材料等、比較的剛性材料から構成される。いくつかの構成では、カバー層5914a、5914bは、布またはテキスタイル材料から構成される。カバー層5914a、5914bは、コア5912の周縁部の一部または全体を包囲する。カバー層5914a、5914bの縁部は、互いに接触するかまたは固定されている場合もあればされていない場合もある。図示する構成では、ヘッドギア5900は、本明細書に開示するプロセスのうちの任意のものに従って、カバー層5914a、5914b内に溶融プラスチック材料を導入し、溶融プラスチック材料が、温度が低下してコア5912を形成するのを可能にすることによって形成される。別法として、カバー層5914a、5914bをコア5912とは別個に形成することができ、コア5912の上に組み付けて、接着剤、縫合、RF溶接または別の好適なプロセス等によって固定することができる。
図示する構成では、カバー層5914a、5914bの各々は、それぞれ図149Aおよび図149Bに示すように、UBL(連続ループ(unbroken loop))である。こうした構成では、望ましい場合、使用者接触面すなわち内側に面する(内)面に対して、外側に面する(外)面を画定するカバー層5914bに対する触覚的かつ視覚的識別を与えるために、異なる色を用いることができる。UBL材料は、使用者に対して柔らかさおよび快適さを運ぶ。さらに、フック・ループファスナのフック部分にUBL材料を接続することができる。他の構成では、図示するものとは異なる材料を使用することができる。
図示する構成では、頂部ストラップ部分5906、後部ストラップ部分5908および前部ストラップ部分5910は、互いに同じかまたは実質的に同じ断面寸法を有する。しかしながら、他の構成では、ストラップ部分5906、5908、5910の断面寸法は互いに異なる場合がある。図示する構成では、ストラップ部分5906、5908、5910は、各々、同じかまたは実質的に同じ幅5920を有する。さらに、ストラップ部分5906、5908、5910は、各々、同じかまたは実質的に同じである厚さ5924を画定することができる。
図示する構成では、ストラップ部分5906、5908、5910の各々の幅5920は、12mm~16mmであり、または中間の幅であると分類される。図示する構成では、ストラップ部分5906、5908、5910の各々の厚さ5924は、2mm~3mmである。こうしたストラップ厚さは中間として分類することができる。厚さ5924を含む、ヘッドギア5900の全体的な構造により、ヘッドギア5900の可撓性が与えられ、それは、本明細書に開示する他のヘッドギア構成または概して他のヘッドギア構成に対する比較の目的で、中間であると特徴付けることができる。
図153および図154は、頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分6006、後部ストラップ部分6008および一対の前部ストラップ部分6010を有するヘッドギア6000の別の構成を示す。ヘッドギア6000は、コア6012と、内側カバー層6014aおよび外側カバー層6014bを備えるカバーとを有する、複合構造を備えることができる。いくつかの構成では、コア6012は、射出成型プラスチック材料等、比較的剛性材料から構成される。いくつかの構成では、カバー層6014a、6014bは、プラスチックシート材料から構成される。カバー層6014a、6014bは、コア6012の周縁部の一部または全体を包囲する。カバー層6014a、6014bの縁部は、互いに接触するかまたは固定されている場合もあればされていない場合もある。ヘッドギア6000は、任意の好適なプロセスによって形成することができる。いくつかの構成では、カバー層6014a、6014bは、コア6012とは別個に形成され、コア6012の上に組み付けてRF溶接によって固定することができる。しかしながら、接着剤、縫合または他の好適な方法等、他の固定プロセスまたは構成を用いることも可能である。
図示する構成では、カバー層6014a、6914bの各々は、薄いナイロンシート材料である。こうした構成では、望ましい場合、使用者接触面すなわち内側に面する(内)面に対して、外側に面する(外)面を画定するカバー層6014bに対する触覚的かつ視覚的識別を与えるために、異なる色を用いることができる。ナイロン材料は、高い滑り性を与え、耐水性および耐汗性であり、容易に清掃することができる。他の構成では、図示するものとは異なる材料を用いることができる。
図示する構成では、頂部ストラップ部分6006、後部ストラップ部分6008および前部ストラップ部分6010は、互いに同じかまたは実質的に同じ断面寸法を有する。しかしながら、他の構成では、ストラップ部分6006、6008、6010の断面寸法は互いに異なる場合がある。図示する構成では、ストラップ部分6006、6008、6010は、各々、同じかまたは実質的に同じ幅6020を有する。さらに、ストラップ部分6006、6008、6010は、各々、同じかまたは実質的に同じである厚さ6024を画定することができる。
図示する構成では、ストラップ6006、6008、6010の各々の幅6020は、12mm~16mmであり、または中間の幅であると分類される。図示する構成では、ストラップ部分6006、6008、6010の各々の厚さ6024は、2mm~3mmである。こうしたストラップ厚さは中間として分類することができる。厚さ6024を含む、ヘッドギア6000の全体的な構造により、ヘッドギア6000の可撓性が与えられ、それは、本明細書に開示する他のヘッドギア構成または概して他のヘッドギア構成に対する比較の目的で、中間であると特徴付けることができる。
図155~図157は、頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分6106、後部ストラップ部分6108および一対の前部ストラップ部分6110を有するヘッドギア6100の別の構成を示す。ヘッドギア6100は、コア6112と、内側カバー層6114aおよび外側カバー層6114bを備えるカバーとを有する、複合構造を備えることができる。いくつかの構成では、コア6112は、フォームまたはネオプレン材料等、比較的軟質かつ可撓性材料から構成される。図示する構成では、カバー層6114aは、ナイロン等、軟質布材料から構成される。図示する構成では、カバー層6114bは、フック・ループファスナのフック部分と協働することができるようなUBL(連続ループ)材料等、軟質布材料から構成される。カバー層6114a、6114bは、コア6112の周縁部の一部または全体を包囲する。カバー層6114a、6114bの縁部は、互いに接触するかまたは固定されている場合もあればされていない場合もある。ヘッドギア6100は、任意の好適なプロセスによって形成することができる。いくつかの構成では、コア6112の複合加工物(たとえば、シート)およびカバー層6114a、6115bは、RF溶接等、任意の好適な構成またはプロセスによって形成される。しかしながら、接着剤または他の好適な方法等、他の固定プロセスまたは構成も使用することができる。そして、複合加工物からヘッドギア6100を切断する(たとえば、ダイカットする)ことができる。
望ましい場合は、カバー層6114aに対して第1色を使用し、カバー層6114bに対して異なる色を使用して、使用者接触面すなわち内側に面する(内)面に対して、外側に面する(外)面に対する触覚的かつ視覚的識別を与えることができる。他の構成では、図示するものとは異なる材料を使用することができる。
図示する構成では、頂部ストラップ部分6106、後部ストラップ部分6108および前部ストラップ部分6110は、互いに同じかまたは実質的に同じ断面寸法を有する。しかしながら、他の構成では、ストラップ部分6106、6108、6110の断面寸法は互いに異なる場合がある。図示する構成では、ストラップ部分6106、6108、6110は、各々、同じかまたは実質的に同じ幅6120を有する。さらに、ストラップ部分6106、6108、6110は、各々、同じかまたは実質的に同じである厚さ6124を画定することができる。
図示する構成では、ストラップ部分6106、6108、6110の各々の幅6120は、16mm~20mmであり、または幅広と分類される。図示する構成では、ストラップ部分6106、6108、6110の各々の厚さ6124は、3mm~4mmである。こうしたストラップ厚さは厚いと分類することができる。厚さ6124を含む、ヘッドギア6100の全体的な構造により、ヘッドギア6100の可撓性が与えられ、それは、本明細書に開示する他のヘッドギア構成または概して他のヘッドギア構成に対する比較の目的で、非常に高いものとして特徴付けることができる。
図158~図173は、本明細書に開示するヘッドギアのうちの任意のもの等、ヘッドギアの一部または全体を形成することができる、いくつかのストラップ構成を示す。たとえば、図示するストラップ構成は、本明細書に開示するそれらのヘッドギア等、ヘッドギアの頭頂または頂部ストラップ、後部ストラップまたは前部ストラップの一部または全体を形成することができる。他の構成では、ストラップ構成は、インタフェースの額当てに接続するために使用される上部ストラップの一部または全体を形成することができる。図158~図173のストラップ構成に対して、たとえば、ストラップの内面と外面(または他の面)との間の色および/または触覚の識別等、本明細書に開示する他のヘッドギア装置の特徴を適用することができる。
図158および図159は、コア6212と、第1カバー層6214aおよび第2カバー層6214bを備えるカバーとを備える、ストラップ6200を示す。図示する構成では、カバー層6214a、6214bの縁部は、互いに接続されていない。したがって、コア6212の縁部は、カバー層6214a、6214bの間で露出している。コア6212は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6212は、コア6212の縁部を成型する(たとえば、丸くする)ことができる射出成型プロセスによって形成される。カバー層6214a、6214bは、比較的軟質な布またはテキスタイル材料から構成することができる。図示する構成では、カバー層6214a、6214bの各々は、UBL(連続ループ)材料から構成される。たとえば、RF溶接等、任意の好適な構成または方法によって、コア6212にカバー層6214a、6214bを固定することができる。たとえば接着剤等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
上述したように、カバー層6214a、6214bの縁部は、コア6212の縁部が露出するように、互いに接続されていない。コア6212の縁部は、不快である可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くなっている。丸い縁部は、丸められたコーナ、またはコア6212の厚さ全体を丸めることを含むことができる。いくつかの構成では、カバー層6214a、6214bの縁部は、コア6212を越えて延出するかもしくはコア6212から張り出し、または少なくとも、コア6212の縁部が丸くなり始める箇所を越えて延出する。こうした構成により、剛性プラスチックコア6212を隠し、コア6212の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。
図示するストラップ6200は、幅6220および厚さ6224を画定する。ストラップ6200の長さは、特定の用途に応じて変化する可能性がある。したがって、図158~図173は、80mmの長さを有するストラップセグメントを示す。図示する構成では、ストラップ6200の幅6220は12mmであり、ストラップ6200の厚さ6224は2mmである。しかしながら、こうした寸法は、例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、他の好適なストラップ寸法を用いることができる。
図160および図161は、コア6312と、第1カバー層6314aおよび第2カバー層6314bを備えるカバーとを備える、ストラップ6300を示す。図示する構成では、カバー層6314a、6314bの縁部は、互いに接続されていない。したがって、コア6312の縁部は、カバー層6314a、6314bの間で露出している。コア6312は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6312は、コア6312の縁部を成型する(たとえば、丸くする)ことができる射出成型プロセスによって形成される。カバー層6314a、6314bは、比較的軟質な布またはテキスタイル材料から構成することができる。図示する構成では、カバー層6314a、6314bの各々は、UBL(連続ループ)材料から構成される。たとえば、RF溶接等、任意の好適な構成または方法によって、コア6312にカバー層6314a、6314bを固定することができる。たとえば接着剤等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
いくつかの構成では、コア6312は、コア6312の一部に沿って凹部または切取り部を含むことができる。図示するコア6312は、コア6312の厚さ全体を通って延在する幅方向に、コア6312の中心部分の切取り部6330を含む。切取り部6330は、ストラップ6300または関連するヘッドギアの全体的な形状による等、要求に応じたサイズおよび形状とすることができる。こうした構成は、幅方向に圧縮性をもたらすことにより、ストラップ6300の剛性を隠すのに役立つことができる。カバー層6314a、6314bの縁部は互いに接続されていないため、コア6312の縁部は露出している。コア6312の縁部は、不快である可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くなっている。丸い縁部は、丸められたコーナ、またはコア6312の厚さ全体を丸めることを含むことができる。いくつかの構成では、カバー層6314a、6314bの縁部は、コア6312を越えて延出するかもしくはコア6312から張り出し、または少なくとも、コア6312の縁部が丸くなり始める箇所を越えて延出する。こうした構成により、剛性プラスチックコア6312を隠し、コア6312の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。
図示するストラップ6300は、幅6320および厚さ6324を画定する。図示する構成では、ストラップ6300の幅6320は12mmであり、ストラップ6300の厚さ6324は2mmである。しかしながら、こうした寸法は、例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、好適なストラップ寸法を用いることができる。
図152および図153は、コア6412と、第1カバー部分6414aおよび第2カバー部分6414bを備えるカバーとを備える、ストラップ6400を示す。図示する構成では、第1カバー部分6414aは、コア6412の少なくとも一方の側および2つの縁部を包囲するように、コア6412の周囲に巻き付けられている。したがって、第1カバー部分6414aの両縁部は、第1カバー部分6414aによって覆われる側とは反対側のコア6412の側に位置する。第1カバー部分6414aの両縁部は、間隔を空けて配置することができ、または接することができる。したがって、コア6412の縁部は、第1カバー部分6414aによって覆われる。第2カバー部分6414bは、第1カバー部分6414aの縁部が位置するコア6412の側に配置され、第1カバー部分6414aの縁部を覆う。第2カバー部分6414bは、コア6412の関連する側の一部または全体を覆うことができる。
コア6412は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6412は、コア6412の縁部を成型する(たとえば、丸くする)ことができる射出成型プロセスによって形成される。カバー部分6414a、6414bは、比較的軟質な布またはテキスタイル材料から構成することができる。図示する構成では、カバー部分6414a、6414bの各々は、UBL(連続ループ)材料から構成される。たとえば、RF溶接等、任意の好適な構成または方法によって、コア6412にカバー部分6414a、6414bを固定することができる。たとえば接着剤等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
コア6412の縁部は、使用者によって不快である可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くすることができる。丸い縁部は、丸められたコーナ、またはコア6412の厚さ全体を丸めることを含むことができる。第1カバー部分6414aをコア6412に巻き付けることにより、剛性プラスチックコア6412を隠し、コア6412の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。第2カバー部分6414bは、内面として使用される場合、追加の快適さまたは知覚される快適さを与えることができ、湾曲したヘッドギア形状の巻付けを可能にすることができる。
図示するストラップ6400は、幅6420および厚さ6424を画定する。図示する構成では、ストラップ6400の幅6420は12mmであり、ストラップ6400の厚さ6424は2.5mmである。しかしながら、こうした寸法は、例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、他の好適なストラップ寸法を用いることができる。
図162および図163は、図162および図163のストラップ6400と同様のストラップ6500を示す。図164および図165のストラップ6500は、コア6512と、第1カバー部分6514aおよび第2カバー部分6514bを備えるカバー6514とを備える。図示する構成では、第1カバー部分6514aは、コア6512の少なくとも一方の側および2つの縁部を包囲するように、コア6512の周囲に巻き付けられている。したがって、第1カバー部分6514aの両縁部は、第1カバー部分6514aによって覆われる側とは反対側のコア6512の側に位置する。しかしながら、第1カバー部分6514aは、コア6512に隙間なく巻き付けられておらず、それにより、コア6512の一方または両方の縁部に隣接して、コア6512と第1カバー部分6514aとの間にエアギャップ6532が提供される。第1カバー部分6514aの両縁部は、間隔を空けて配置することができ、または接触することができる。したがって、コア6512の縁部は、第1カバー部分6514aによって覆われるが、一方の縁部または両方の縁部にエアギャップ6532が介在している。第2カバー部分6514bは、第1カバー部分6514aの縁部が位置するコア6512の側に配置され、第1カバー部分6514aの縁部を覆う。第2カバー部分6514bは、コア6512の関連する側の一部または全体を覆うことができる。
コア6512は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6512は、コア6512の縁部を成型する(たとえば、丸くする)ことができる射出成型プロセスによって形成される。カバー部分6514a、6514bは、比較的軟質な布またはテキスタイル材料から構成することができる。図示する構成では、カバー部分6514a、6514bの各々は、UBL(連続ループ)材料から構成される。たとえば、RF溶接等、任意の好適な構成または方法によって、コア6512にカバー部分6514a、6514bを固定することができる。たとえば接着剤等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
コア6512の縁部は、不快である可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くすることができる。丸い縁部は、丸められたコーナ、またはコア6512の厚さ全体を丸くすることを含むことができる。第1カバー部分6514aをコア6512に巻き付けかつエアギャップ6532を設けることにより、剛性プラスチックコア6512を隠し、コア6512の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。第2カバー部分6514bは、内面として使用される場合、追加の快適さまたは知覚される快適さを与えることができ、湾曲したヘッドギア形状の巻付けを可能にすることができる。
図示するストラップ6500は、幅6520および厚さ6524を画定する。図示する構成では、ストラップ6500の幅6520は12mmであり、ストラップ6500の厚さ6524は2.5mmである。しかしながら、こうした寸法は、例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、他の好適なストラップ寸法を用いることができる。
図166および図167は、コア6612と、第1カバー層6614aおよび第2カバー層6614bを備えるカバーとを備えるストラップ6600を示す。本明細書で用いる「層」という用語は、別段の指示がない限り、単一の材料または複数の材料(たとえば、複合材料)を有する構造を指す可能性がある。図示する構成では、カバー層6614a、6614bの縁部は互いに接続されていない。したがって、コア6612の縁部は、カバー層6614a、6641bの間で露出している。コア6612は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6612は、コア6612の縁部を成型する(たとえば、丸くする)ことができる射出成型プロセスによって形成される。カバー層6614a、6614bは、比較的軟質な布またはテキスタイル材料等、複数の材料の複合材から構成することができる。図示する構成では、カバー層6614a、6614bの各々は、UBL(連続ループ)材料から構成され、最上部にスペーサ布材料がある。すなわち、いくつかの構成では、UBL材料の方がコア6612に近く、スペーサ布の方がコア6612から離れている。たとえば、RF溶接等、任意の好適な構成または方法によって、コア6612にカバー層6614a、6614bを固定することができる。たとえば接着剤等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
カバー層6614a、6614bの縁部は互いに接続されていないため、コア6612の縁部は露出している。コア6612の縁部は、不快で可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くなっている。丸い縁部は、丸められたコーナ、またはコア6612の厚さ全体を丸くすることを含むことができる。いくつかの構成では、カバー層6614a、6614bの縁部は、コア6612を越えて延出するかもしくはコア6612から張り出し、または少なくとも、コア6612の縁部が丸くなり始める箇所を越えて延出する。こうした構成により、剛性プラスチックコア6612を隠し、コア6612の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。さらに、スペーサ布は、さらに剛性を隠し敏感な部位(たとえば、使用者の頬)に対して緩衝作用を与えるために、厚さ方向(図示する向きにおいて垂直方向)に追加の圧縮性を与える。
図示するストラップ6600は、幅6620および厚さ6624を画定する。図示する構成では、ストラップ6600の幅6620は12mmであり、ストラップ6600の厚さ6624は2mmである。しかしながら、こうした寸法は例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、他の好適なストラップ寸法を用いることができる。
図168および図167は、コア6712と、第1カバー層6714aおよび第2カバー層6714bを備えるカバーとを備えるストラップ6700を示す。図示する構成では、カバー層6714a、6714bの縁部は互いに接続されていない。したがって、コア6712の縁部は、カバー層6714a、6741bの間で露出している。コア6712は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6712は、コア6712の縁部を成型する(たとえば、丸くする)ことができる射出成型プロセスによって形成される。カバー層6714a、6714bは、比較的軟質な布またはテキスタイルおよびフォームまたは同様の緩衝材料等、複数の材料の複合材から構成することができる。図示する構成では、カバー層6714a、6714bの各々は、UBL(連続ループ)材料から構成され、最上部にbreath-o-prene材料がある。すなわち、いくつかの構成では、UBL材料の方がコア6712に近く、breath-o-prene材料の方がコア6712から離れている。たとえば、RF溶接等、任意の好適な構成または方法によって、コア6712にカバー層6714a、6714bを固定することができる。たとえば接着剤等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
カバー層6714a、6714bの縁部は互いに接続されていないため、コア6712の縁部は露出している。コア6712の縁部は、不快である可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くなっている。丸い縁部は、丸められたコーナ、またはコア6712の厚さ全体を丸くすることを含むことができる。いくつかの構成では、カバー層6714a、6714bの縁部は、コア6712を越えて延出するかもしくはコア6712から突出し、または少なくとも、コア6712の縁部が丸くなり始める箇所を越えて延出する。こうした構成により、剛性プラスチックコア6712を隠し、コア6712の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。さらに、breath-o-prene材料は、さらに剛性隠し敏感な部位(たとえば、使用者の頬)に対して緩衝作用を与えるために、厚さ方向(図示する向きにおいて垂直方向)に追加の圧縮性を与える。
図示するストラップ6700は、幅6720および厚さ6724を画定する。図示する構成では、ストラップ6700の幅6720は12mmであり、ストラップ6700の厚さ6724は2mmである。しかしながら、こうした寸法は、例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、他の好適なストラップ寸法を用いることができる。
図170および図171は、コア6812と、第1カバー層6814aおよび第2カバー層6814bを備えるカバーとを備えるストラップ6800を示す。図示する構成では、カバー層6814a、6814bの縁部は互いに接続されていない。したがって、コア6812の縁部は、カバー層6814a、6841bの間で露出している。コア6812は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6812は、射出成型プロセスによって形成される。カバー層6814a、6814bは、比較的軟質な布またはテキスタイル材料から構成することができる。図示する構成では、カバー層6814a、6814bの各々は、UBL(連続ループ)材料から構成される。任意の好適な構成または方法によって、コア6812にカバー層6814a、6814bを固定することができる。図示する構成では、コア6812の溶融材料は、本明細書に開示する方法等により、カバー層6814a、6814bの間に射出される。しかしながら、たとえば接着剤またはRF溶接等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
カバー層6814a、6814bの縁部は互いに接続されていないため、コア6812の縁部は露出している。コア6812の縁部は、直角または鋭利である場合があるが、他の構成では、不快である可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くすることができる。いくつかの構成では、カバー層6814a、6814bの縁部は、コア6812を越えて延出するかもしくはコア6812から張り出す。こうした構成により、剛性プラスチックコア6812を隠し、コア6812の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。
図示するストラップ6800は、幅6820および厚さ6824を画定する。図示する構成では、ストラップ6800の幅6820は10mmであり、ストラップ6800の厚さ6824は2mmである。しかしながら、こうした寸法は、例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、他の好適なストラップ寸法を用いることができる。
図172および図173は、コア6912と、コア6912の周囲に巻き付けられるカバー6914とを備えるストラップ6800を示す。図示する構成では、カバー層6914の縁部はコア6912内に埋め込まれている。コア6912は、プラスチック等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、コア6912は、射出成型プロセスによって形成される。カバー層6914は、比較的軟質な布またはテキスタイル材料から構成することができる。図示する構成では、カバー層6914は、UBL(連続ループ)材料から構成される。任意の好適な構成または方法によって、コア6912にカバー層6914を固定することができる。図示する構成では、カバー層6914は、平坦な材料片の両縁部を縫合すること等により、管状構造として構成される。コア6912の溶融材料は、本明細書に開示する方法等により、管状カバー層6914の中心に射出される。しかしながら、たとえば接着剤またはRF溶接等、他の好適な構成または方法も使用することができる。
コア6912の縁部は、不快である可能性があるかまたは使用者によって不快であると知覚される可能性がある鋭利な縁を回避するように、丸くすることができる。さらに、カバー層6914は、好ましくは、コア6912の縁部の周囲に巻き付けられる。こうした構成により、剛性プラスチックコア6912を隠し、コア6912の硬質な縁部を和らげる外観を与えることができる。
図示するストラップ6900は、幅6920および厚さ6924を画定する。図示する構成では、ストラップ6900の幅6920は10mmであり、ストラップ6900の厚さ6924は2mmである。しかしながら、こうした寸法は、例示および図158~図173のストラップ構成間の比較のためであり、たとえば本明細書に開示するもの等、他の好適なストラップ寸法を用いることができる。
図174および図175Aは、図138および図139のヘッドギア5500と同様のヘッドギア5500を示した。したがって、同じかまたは同様の特徴を示すために同じ参照番号を用いる。さらに、図174および図75Aに関連して考察しないいかなる詳細も、図138および図139の対応する特徴または構成要素と同じかもしくは同様であり得るか、または別の好適な構成であり得る。ヘッドギア5500は、第1ヘッドギア部分またはストラップ5502および第2ヘッドギア部分またはストラップ5504を有する。第1ストラップ5502は、頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分5506を画定することができ、第2ストラップ5504は、後部ストラップ部分5508を画定することができる。図示する構成では、第1ストラップ5502は後部ストラップ部分5508の一部も形成し、それにより、後部ストラップ部分5508は、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の両方の部分を含む。さらに、第2ストラップ5504は、ヘッドギア5500の前部ストラップ部分5510を画定する。
図示する構成では、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の各々が、コア5512およびカバー層5514を備える。いくつかの構成では、コア5512は、射出成型プラスチック材料等、比較的剛性材料から構成することができる。いくつかの構成では、カバー層5514は、布またはテキスタイル材料である。カバー層5514は、コア5512の周縁部の一部または全体を包囲する。図示する構成では、第1ストラップ5502のコア5512はプラスチックであり、カバー層5514は、軟質なキルティング布材料である。カバー層5514の材料の両縁部を縫合等によって接合して継目5516を形成することにより、そうした材料を管状構造に形成することができる。継目5516は、いずれかの側部(幅方向)またはいずれかの端部(厚さ方向)に沿う等、第1ストラップ5502の任意の所望の表面部分に配置することができる。図示する構成では、継目5516は、第1ストラップ5502の使用者に接する面すなわち内面に配置されている。
図示する第2ストラップ5504のコア5512はプラスチックであり、カバー層5514は、管状構造に形成された比較的耐久性のあるかつつるつるした(slippery)材料である。カバー層5514の材料の両縁部を縫合等によって接合して継目5516を形成することにより、そうした材料を管状構造に形成することができる。第1ストラップ5502および第2ストラップ5504の各々のカバー層5514を、コア5512とは別個に形成することができ、カバー層5514をコア5512の上に滑り込ませる等により、コア5512の上に組み付けることができる。いくつかの構成では、コア5512の上にカバー層5514を緩く受け入れることができる。言い換えれば、コア5512にカバー層5514を付着させない場合があり、それにより、カバー層5514とそれぞれのコア5512との間に幾分かの相対移動が可能である。いくつかの構成では、コア5512の縁部とカバー層5514の縁部との間に間隙5532を設けることができる。こうした構成により、快適さを向上させることができる。しかしながら、望ましい場合は、本明細書に記載するように、カバー層5514内に成型すること等により、またはたとえば接着剤等により、コア5512にカバー層5514を隙間なく付着させることができる。
図示する構成では、第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、後部ストラップ部分5508の実質的に全体に沿って接合される。第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、頂部ストラップ部分5506、後部ストラップ部分5508および前部ストラップ部分5510の間の接合部で分離している。第1ストラップ5502および第2ストラップ5504は、第1ストラップ5502のカバー層5514と第2ストラップ5504のカバー層5514との間の縫合接合部または接着接合部による等、任意の好適な構成によって互いに固定することができる。RF溶接または超音波溶接も使用することができる。望ましい場合は、コア5512の溶融材料がカバー層5514内に導入される溶融プロセス中に、ストラップ5502、5504を互いに固定することができる。
図示する構成では、使用時に、第1ストラップ5502が第2ストラップ5504より使用者に近いように、第1ストラップ5502は、後部ストラップ部分5508において第2ストラップ5504の内側に位置している。したがって、第ストラップ5502は、後部ストラップ部分5508の使用者接触面の一部または全体を画定することができる。図示する構成では、第1ストラップ5502は頂部ストラップ部分5506も画定するため、第1ストラップ5502は、ヘッドギア5500の頂部ストラップ部分5506および後部ストラップ部分5508の両方の使用者接触面を画定する。第1ストラップ5502のキルティング材料は、使用者に対して柔らかさおよび快適さを提供しかつ/または運ぶことができる。第2ストラップの材料は、耐久性および優れた枕滑り特性を提供することができる。
図175Bおよび図175Cは、図174のヘッドギア5500のストラップ5502、5504の代替的な構成を示す。図175Bおよび図175Cの両方の設計により、後方部分5508が両ストラップ5502、5504の結合された厚さを有する、図175Aの構成とは対照的に、厚さの低減した積重ねが可能になる。図175Bを参照すると、ストラップ5504に沿った長手方向に凹部5550が設けられている。凹部5550は、ストラップ5502の一部または全体を受け入れるように構成されている。図示する構成では、ストラップ5502の少なくとも実質的に全体が、凹部5550内に収容され、それにより、ストラップ5502、5504の内面は、使用者に対して快適さを与えるように実質的に位置合せされる。少なくともいくつかの実施形態では、ストラップ5504は、ストラップ5502より耐荷重が高いストラップであり、それにより、ストラップ5504は、関連するマスクを使用者の顔面と封止係合して保持する。少なくともいくつかの実施形態では、ストラップ5502は、ストラップ5504に比較して耐荷重性の低いストラップである。(図示する構成においてストラップ5502のみによって画定される)頂部ストラップ5506は、典型的には、ヘッドギアアセンブリ5500を耳の上方で維持する垂直力ベクトルを維持する。これを達成するために必要な力は、マスク吹出力より低い力である可能性がある。したがって、頂部ストラップ5506は、ストラップ5504より小さくかつ/または軽量であり得る。凹部5550は、その端部において上方に延出して、ストラップ5502がヘッドギア5500の後部ストラップ部分5508から頂部ストラップ部分5506まで遷移することができるようにする。図示するストラップ5504は、比較的厚い上端または上縁および下端または下縁を含み、それにより、ストラップは、比較的高い引張力に適応することができる。すなわち、中間領域は、ストラップ5504の非弾性特性を損なうことなく凹部5550を画定することができる。ストラップ5502は、上述したように、その長さ全体またはその長さの実質的に全体を通して、図175Bに示すように幅が狭い場合がある。他の実施形態では、ストラップ5502は、その長さに沿って幅が変化することができる。たとえば、ストラップ5502は、頂部ストラップ部分5506においてストラップ5504と同じ幅であり、ストラップ5504の凹部5550内に配置される場所における低減した幅まで遷移することができる。望ましい場合は、ストラップ5502、5504を互いに固定するために、さまざまな好適な取付機構(たとえば、接着剤、オーバモールド、縫合等)を採用することができる。いくつかの構成では、野球帽型スナップ(たとえば、ストラップ5502または5504のうちの一方の複数の突起および他方のストラップ5502または5504の対応するスナップ式レセプタクル)がはめ込まれる。カバー層5514は、突起もしくはレセプタクル、または他の噛み合い機構の各々、いくつかまたは全体に対するアクセス開口部を含むことができる。図示する構成を反転させることも可能であり、凹部5550がヘッドギア5500の非患者接触側にあるように、ストラップ5502内にストラップ5504を受け入れることができる。図175Cは、図175Bのものに類似する構成を示すが、図175Cの構成では、ストラップ5502、5504は互いに噛み合う。特に、凹部5550は、凹部5550の内部より幅が狭い開口部5552を有し、それにより、ストラップ5502は開口部5552を通過することができない。図示する凹部5550は台形断面形状を有し、ストラップ5502は対応する形状を有する。ストラップ5502は、必ずしも凹部5550全体を充填する必要はない。ストラップ5502は、組立を容易にするためにストラップ5504との接触面を制限するような形状とすることができる。しかしながら、幅の狭い開口部を有する他の形状、または他の好適な噛み合い機構も同様に使用することができる。図示する形状は、少なくともいくつかの構成では他のいかなる取付機構も必要としない機械的噛み合いを形成するように合わせて作用する。しかしながら、望ましい場合、上述したもの等の好適な取付機構を採用することができる。
図176~図196は、図141~図143のヘッドギア5600と同様のいくつかのヘッドギア構成5600を示す。したがって、同じかまたは同様の特徴を示すために同じ参照番号を用いる。さらに、図176~図193に関連して考察したいかなる詳細も、図141~図143の対応する特徴または構成要素と同じかもしくは同様であり得るか、別の好適な構成であり得る。各ヘッドギア5600は、第1ヘッドギア部分またはストラップ5602および第2ヘッドギア部分またはストラップ5604を有する。第1ストラップ5602は頂部ストラップまたは頭頂ストラップ部分5606を画定し、第2ストラップ5604は後部ストラップ部分5608を画定する。
第1ストラップ5602および第2ストラップ5604は協働して、各ヘッドギア5600の前部ストラップ部分5610を画定する。第1ストラップ5602は、前部ストラップ部分5610内で第2ストラップ5604の上方に配置され、それにより、前部ストラップ部分5610の幅は、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604の結合された幅に等しくなる。第1ストラップ5602および第2ストラップ5604は、結合機構、カプラまたはコネクタ5650により、前部ストラップ部分5610内で互いに接合される。図示する構成では、結合機構5650はまた、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604を、任意の好適な構成によってインタフェースに結合することができる前部ストラップコネクタまたは延長ストラップ5652にも接合する。延長ストラップ5652は、本明細書に開示するかまたは他の方法で既知であるストラップ装置のうちの任意のもの等、任意の好適な構成であり得る。いくつかの構成では、結合機構5650は、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604の上にオーバモールドされてストラップ5602、5604を接合する。結合機構5650もまた、延長ストラップ5652の上にオーバモールドすることができる。いくつかの構成では、結合機構5650は、延長ストラップ5652の上にオーバモールドされず、延長ストラップ5652は、たとえばスナップフィット接続等、別の好適な結合機構によって、結合機構5650に結合される。結合機構5650は、その一部がストラップ5602、5604の対向する側(たとえば、内側および外側ならびに/または上側および下側)に配置されるように、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604(ならびにいくつかの構成では延長ストラップ5652)を包囲することができる。いくつかの構成では、たとえば、クラムシェルまたはスナップフィット(snap-together)機構等、ストラップ5602、5604、5652に結合機構5650を他の方法で組み付けることができる。
図示する構成では、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604は、コア5612およびカバー層5614を有する複合構造を備える。いくつかの構成では、コア5612は、射出成型プラスチック材料等、比較的剛性材料から構成される。いくつかの構成では、カバー層5614は、布またはテキスタイル材料である。カバー層5614は、コア5612の周縁部の一部または全体を包囲する。本明細書に開示するもの等、任意の好適な材料または材料の組合せを使用することができる。
図示する構成では、ストラップ5602、5604は、本明細書に開示するプロセスのうちの任意のものに従って、溶融プラスチック材料をカバー層5614内に導入し、溶融プラスチック材料が、温度が低下してコア5612を形成するのを可能にすることによって形成される。カバー層5614は、別個の層、編み管状構造であり得るか、またはコア5612に埋め込むことができる継目を有する縫合チューブであり得る。別法として、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604の各々のカバー層5614を、コア5612とは別個に形成することができ、接着剤または他の好適な構成等により、コア5612に固定することができる。
本明細書に開示するように、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604のカバー層5614は、ストラップ5602、5604の互いからの識別を可能にするように異なるテクスチャを有することができる。さらにまたは別法として、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604は、ストラップ5602、5604の識別を可能にするように異なる色を有することができる。望ましい場合は、ヘッドギア5600の内側に面する面および外側に面する面は、内側に面する面と外側に面する面との識別を可能にするように、異なる色および/またはテクスチャを有することができる。
図176~図193のヘッドギア装置は、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604を互いに、望ましい場合は延長ストラップ5652に結合する結合機構5650が異なる。次に、図176~図193の異なる結合機構5650について記載する。図176~図178の結合機構5650は、コーナが丸く、側方から見ると形状が概して三角形である。結合機構5650は、ヘッドギア5600の向きに対して後方位置から前方位置に向かってストラップ5602、5604の幅方向において、またはストラップ5602、5604から延長ストラップ5652に向かう方向において、サイズが増大する。
結合機構5650は、結合機構5650の凹状部分を画定することができる、比較的厚い外周部部分5654および比較的薄い内側部分5656を含む。結合機構5650は、反対側の面(内面)において同じ構成または外観を有することができ、または使用者に面する比較的平面の表面を有することができる。図示する構成では、結合機構5650の部分5658は、ストラップ5602、5604を互いに接合するのに役立つように、第1ストラップ5602と第2ストラップ5604との間に延在している。
図179~図181は、各端部に、ストラップを完全に取り囲むバンド部分5660を有する結合機構5650を示す。後方バンド部分5660は、ストラップ5602、5604のみを取り囲むことができる。前方バンド部分5660は、延長ストラップ5652とともにストラップ5602、5604を取り囲むことができ、または延長ストラップ5652のみを取り囲むことができる。バンド部分5660の間にブリッジ部分5662が延在することができる。ブリッジ部分5662は、ストラップ5602、5604のうちの一方のみを取り囲むことができる。図示する構成では、ブリッジ部分5662は、第2ストラップ5604すなわち下部ストラップを包囲するが、他の構成では、ブリッジ部分5662は、第1ストラップ5602すなわち上部ストラップを包囲することができる。ストラップ5602、5604の間に、ブリッジ部分5662および/またはバンド部分5660の部分5658を配置することができる。すなわち、ストラップ5602、5604の間の部分5658は、結合機構5650内のストラップ5602、5604の部分のうちのいくつかまたはすべてに沿って、ストラップ5602、5604の間に延在することができる。
図182~図184の結合機構5650は、第1ストラップ5602および第2ストラップ5604の一方の側部または両側部に沿った材料を省き、それにより、ストラップ5602、5604の側部は露出したままである。結合機構5650は、ストラップ5602、5604の間に、結合機構5650の一部または全体に沿って延在することができる部分5658を含む。いくつかの構成では、結合機構5650は、ストラップ5602、5604、いくつかの構成では延長ストラップ5652を包囲する前方バンド5660を備える。バンド5660は、延長ストラップ5652に他の方法で接続するように構成することができる。いくつかの構成では、結合機構5650は、後端にウェブまたはガセット5664を備える。ガセット5664は、形状が概して三角形とすることができ、ストラップ5602、5604の間でコネクタの後端を補強して、ストラップ5602、5604が分離するのを阻止または防止することができる。ガセット5664はまた、ストラップ5602、5604を所望の角度で保持して、頂部ストラップ5606および後部ストラップ5608を適所に配置することも可能である。
図185~図197の結合機構5650は、図182~図184の結合機構と同様である。しかしながら、図185~図187の結合機構5650は、ストラップ5602、5604の内側面および外側面のうちの一方または両方の一部の上に延在するかまたはそれを覆う。結合機構5650は、前方バンド5660、後方ガセット5664、および前方バンド5660と後方ガセット5664との間に延在するブリッジ部分5662を含む。ブリッジ部分5662は、幅方向にストラップ5602、5604のうちの一方または両方の側面の一部に沿って延在する部分とともに、ストラップ5602、5604の間に配置された部分5658を含む。側面から見ると、結合機構5650は、各端部から中心に向かってテーパ状になることができる。
図188~図190の結合機構5650は、ストラップ5602、5604の間に配置される部分5658のみを含む。図示する構成では、部分5658は、ストラップ5602、5604の厚さ方向において前部ストラップ5610を完全に貫通して延在せず、それにより、部分5658は、前部ストラップ5610の内側および外側の各々に一対の別個の部分を含む。しかしながら、他の構成では、部分5658は、ストラップ5602、5604の厚さ方向において前部ストラップ5610を完全に貫通して延在することができる。部分5658は、結合機構5650の全体に沿って延在することができ、またはそれに沿って断続的であり得る。
図191~図193の結合機構5650は、図179~図181の結合機構5650と同様であるが、ブリッジ部分5662が、図185~図184のブリッジ部分5662と同様に、ストラップ5602、5604の組合せに対して中心に位置する点が異なる。図191~図193の結合機構5650は、前方バンド部分5660、後方バンド部分5660、およびバンド部分5660の間に延在するブリッジ部分5662を含む。ブリッジ部分5662は、ストラップ5602、5604の幅方向においてストラップ5602、5604のうちの一方または両方の内側および外側のうちの一方または両方に沿って延在する部分とともに、ストラップ5602、5604の間の部分5658を備える比較的薄い部材であり得る。
図194~図221は、ヘッドギアで使用されるのに好適なストラップ部分、ヘッドギアの一部またはヘッドギアの変形を示す。図194~図221に開示する構成は、本明細書に開示するプロセスまたは方法のうちの任意ものに従って、1つまたは複数の材料の1つまたは複数の層によって画定される空隙または空間内に溶融プラスチック材料を導入することによって構築することができる。図194~図221に開示する構成は、他の好適なプロセスまたは方法によって構築することができる。それらの構成は、概して、相対的に剛性または半剛性コア7012と1つまたは複数の外層7014とを備える。コア7012は、プラスチック材料、本明細書に開示する他の任意の材料、または他の任意の好適な材料から構成することができる。1つまたは複数の外層7014は、布もしくはテキスタイル材料、本明細書に開示する他の任意の材料、または他の任意の好適な材料から構成することができる。カバー層7014は、編、織または編組材料を含むことができ、弾性または非弾性であり得る。
図194は、コア7012および外層7014を有するストラップ7000を示す。外層7014は、コア7012の長辺側に固定され、コア7012の短辺側または縁部から間隔が空けられて、ストラップ7000の各側縁部7050に空隙またはエアギャップ7012をもたらす。こうした構成により、外層7014の側縁部7050は、プラスチックコア7012に向かって圧縮されて、ストラップ7000の幅および/または厚さ方向に変形するかまたは幾分かの緩衝作用を与える、側縁部7050の何らかの可能性を提供することができる。空隙7032によって与えられる緩衝作用により、コア7012の硬い縁部と、使用者の頭部、特に耳との間の接触を低減させるかまたはなくすことにより、快適さを向上させることができる。ストラップ7000の幅方向において、空隙7032は、各々、たとえば3mmの寸法を有することができ、コア7012は、たとえば、合計9mmの幅に対して3mmの寸法を有することができる。その結果、空隙7032およびコア7012の各々は、ストラップ7000の幅寸法の約1/3を占有することができる。こうした構成により、上述したように、知覚の観点から一部の使用者に対して望ましい可能性がある、コア7012の比較的小さい寸法による比較的高い可撓性が与えられる。使用者は、ストラップ7000に手で力を加え、幾分かの伸縮性を感知することができる。しかしながら、使用時、ストラップ7000を組み込んだヘッドギアは、使用者の頭部とストラップ7000との間の摩擦のために実質的に非弾性ヘッドギアとして機能することができる。別法として、空隙7032は、各々、たとえば2mmの寸法を有することができ、コア7012は、合計9mmの幅に対してストラップ7000の幅方向において、たとえば5mmの寸法を有することができる。こうした構成(たとえば、中間幅のコア7012)は、より小さいコア7012を有するストラップ7000より優れた可撓性および低い弾性を提供することができる。空隙7032によって与えられる可撓性および緩衝作用または圧縮性の所望の量に応じて、他の好適な相対寸法を用いることも可能である。記載した寸法または比率を含むこうした構成はまた、たとえば、図138および図174に示すもの等、本明細書に開示する他のストラップまたはヘッドギアにも適用することができる。たとえば、図138のヘッドギア5500において、ストラップ5502は、3mmの空隙および3mmのコア5512を有することができ、ストラップ5504は2mmの空隙および5mmのコア5512を有することができる。これにより、頂部ストラップ5506に対して、後部ストラップ5508より高い弾性を与えることができる。
図195および図196は、コア7012、外層7014、およびその側縁部7050の空隙7032を含む、図194のストラップ7000と同様のストラップ7000を示す。しかしながら、図195および図196のストラップ7000は、各々、カバー層7014の内部にストラップ7000に沿った長手方向に延在する導管7052を含む。図195は、ストラップ7000の断面サイズに対して比較的大きい導管7052を示し、それは、概して矩形のコア7012内に部分的にはめこまれている。図196は、空隙7032および丸いコア7012のうちの一方の中に配置された比較的小さい導管7052を示す。他の構成では、空隙7032の一方または両方の中に追加の導管7032を設けることができる。導管7052は、調整機構(たとえば、ロックフィラメントを含む)、電気配線または他の任意の目的で使用されるために、空気供給源として利用することができる。
図197~図199は、図195および図196のストラップ7000と同様のストラップ7000を示すが、図197~図199のストラップ7000は空隙7032を省く点が異なる。図197のストラップ7000は、矩形コア7012の中心に入れられた導管7052を含む。他の構成では、導管7052は中心から外れている場合があり、かつ/または追加の導管7052が含められる場合がある。図198は、概して矩形のコア7012内に入れられた一対の導管7052を有するストラップ7000を示す。外側ケーシングは、一対の外層7014を備え、それらの縁部は互いに固定されている場合もあればされていない場合もある。図199は、楕円形断面形状を有するコア7012によって画定された一対の導管7052を有するストラップ7000を示す。いくつかの構成では、導管7052が圧縮性であり緩衝作用を与えるように、幾分か可撓性がある材料(たとえば、TPE)からコア7012を構成することができる。
図200~図203は、少なくとも1つのエアギャップ7032を含むストラップ7000を示す。図200~図203のストラップ7000のエアギャップ7032は、図194~図196の空隙7032より大きい可能性があり、かつ/またはコア7012の2つ以上の側部または縁部に位置する(もしくは位置することができる)可能性がある。たとえば、図200は、少なくともいくつかの状況下で、コア7012の一方の側部および両方の側縁部に配置されるエアギャップ7032を有するストラップ7000を示す。コア7012のエアギャップ7032と反対側に、外層7014を取り付けることができる。いくつかの構成では、エアギャップ7032は、ストラップ7000の内側すなわち使用者接触側に位置することができる。図201aおよび図201bは、ストラップ7000がコア7012および外層7014の分断した移動をいかに可能にすることができるかを示す。したがって、コア7012は、使用者の皮膚の上で外層7014が対応して移動することなく、移動することができる。図202は同様のストラップ7000を示すが、コア7012の一部が外側に露出している点が異なる。たとえば、コア7012の非使用者側を露出させることができ、外層7014は、コア7012を完全には取り囲まず、コア7012を部分的にのみ包囲する。図203は、外層7014の側縁部が露出していないが、コア7012の一部が重なっているストラップ7000を示す。コア7012は、外層7014の側縁部を受け入れるように構成されたポケットまたは凹部を画定することができる。コア7012および外層7014の全体的な構成により、ストラップ7000に対して、楕円形断面形状を与えることができる。
図204~図207は、外層7014内に1つまたは複数の補強部材7060を有するストラップ7000を示す。特に、図示する実施形態は、少なくとも部分的にコア7012内に収容されるかまたはコア7012によって包囲される1つまたは複数の補強部材7060を含む。補強部材7060は、ストラップ7000の形状のカスタマイズを可能にするように変形しストラップ7000を変形状態で維持することができる、非弾性糸もしくは炭素繊維、予備成型された構造的構成要素(たとえば、プラスチックもしくは金属)または可鍛性要素(たとえば、金属ワイヤ)等、補強材料の繊維またはストランドであり得る。補強部材7060は、提供される追加のまたは局所化した剛性または非弾性によって、ストラップ7000の特性を変更することができる。したがって、補強部材7060は、ストラップ7000または関連するヘッドギアの一部または全体に沿って延在することができる。図204および図88は、コア7012内に封入された概して矩形断面形状を有する複数の細長い補強部材7060を有するストラップ7000を示す。図204は、コア7012の形成前のカバー層7014および補強部材7060を示す。図206は、コア7012の厚さを部分的に、実質的に完全にまたは完全に通って延在する補強部材7060を有するストラップ7000を示す。こうした補強部材7060は、コア7012の形成前に、カバー層7014または管状カバー層の対向する側面を、互いに分離して維持するのに役立つことができる。こうした構成では、部材7060は、コア7012の同じ材料から作製することができ、したがって、コア7012に対して補強を与えない可能性があり、単にカバー保持部材7060である可能性がある。図207は、Iビームに類似する概してI字型断面を有する補強部材7060を有するストラップ7000を示す。補強部材7060は、薄い部分またはウェブによって分離された2つの厚い部分またはフランジを有する。
図280および図209は、プラスチックコア7012、1つまたは複数の外層7014、および外層7014内の追加の緩衝層7062を有するストラップ7000を示す。図示する構成では、緩衝層7062は、コア7012の周囲に部分的にまたは完全に配置される。図208では、緩衝層7062は、外層7014によって完全に封入されている。図209では、外層7014は、緩衝層7062を部分的にのみ包囲し、それにより、緩衝層7062の一部が外側に露出している。緩衝層7062は、所望の量の緩衝を提供する、軟質TPE、発泡プラスチックまたは他のプラスチック等の任意の好適な材料から構成することができる。いくつかの構成では、緩衝層7062は、ショア硬度00スケールで0~40の硬度を有する。緩衝層7062をコア7012とコモールドすることができ、または他の方法で形成することができる。図示する構成により、半剛性ヘッドギアの構造に対して、その周囲における緩衝層7062の快適さを与えることができる。緩衝層7062は変形可能であり、それにより、耳の上方等、使用者に対してある程度まで沿うことができ、快適さを向上させることができる。図209に示すような緩衝層7062の突出は、位置合せ指標として作用するか、または使用時に使用者の頭部をつかむ領域を提供することができる。外層7014および緩衝層7062は、位置合せ指標の認識を容易にするために異なる色であり得る。
図210および図211は、複数のストラップを有するヘッドギアを示し、ストラップのうちのいくつかまたはすべてが、本明細書に開示する他の特徴もあるが特に、コア7012および外層7012を有するストラップ7000であり得る。図210および図211のヘッドギアは、複数のストラップ7000を合わせてかつ/または互いに対して所望の位置で固定することができる結合機構7070を備える。結合機構7070は、図176~図193の5650の結合機構と同様であり得る。図示する結合機構7070は、複数のストラップ7000の間でオーバモールド接合部の形態である。図211は、結合機構7070とストラップ7000のうちの1つとの接続の断面図を示す。結合機構7070の一部が、ストラップ7000の外層7014の各側の一部を覆い、そうした結合機構7070の一部を、オーバモールドプロセスを介してカバー7014に付着させるかまたは取り付けることができる。図示する構成では、結合機構7070は、コア7012とは別個である(ただし、オーバモールドプロセスを介して付着させるかまたは取り付けることができる)が、他の構成では、コア7012と同時に結合機構7070を形成することができる。結合機構7070は剛性がある場合もあれば可撓性がある(たとえば、TPEである)場合もある。結合機構7070は、実質的に平坦であり、または、顔面形状に対応しかつ/または3次元においてストラップ7000を方向付けるような形状等の形状であり得る。こうした構成により、適切な外観が与えられ、すり切れさせるかまたは粗い縁を防止することができる。
図212~図218は、カバー層7014に継目がないか、またはコア7012に外層7014の側縁部を封入する、ストラップ7000を示す。こうした構成により、処理後ステップにおいて仕上げが必要な外側の布の縁部が回避される。ストラップ7000は、コア7012と、1つまたは複数の外層7014と、いくつかの構成では1つまたは複数の空隙7032を含むことができる。コア7012は、任意の好適な断面形状を有することができ、望ましい場合は、3次元曲率を有することができる。外層7012は、天然繊維または合成繊維等、任意の好適な材料とすることができ、弾性でも非弾性であり得る。
図212~図214は、単一部片の外層7014を有するストラップ7000を示す。図212は、継目なしの管状外層7014を有するストラップ7000を示す。図示するストラップ7000は、コア7012と外層7014との間のストラップ7000の各側縁部に空隙7032を含むが、それは省くことができる。図213は、外層7014の側縁部がコア7012内に封入されているストラップ7000を示す。図示する構成は空隙7032を含むが、それは省くことができる。図214は、継目7016を備えた外層7014を有するストラップ7000を示す。継目7016は、縫合継目、溶接継目、接着継目、または別の接合方法によって生成される他のタイプの継目であり得る。コア7012内に外層7014の側縁部を封入することができる。継目7016はストラップ7000の、外側であり得る側に配置されるが、同様に他の方法で配置することができる。
図215および図216は、複数部片の外層7014を有するストラップ7000を示す。図示するストラップ7000は、2部片の外層7014を有する。図215は、ストラップ7000の一方の側(たとえば、ストラップ7000の外側)に配置された2つの継目7016を有する2部片の外層7014を示す。図示する構成は空隙7032を含むが、それは、望ましい場合は省くことができる。図216aおよび図216bは、2部片の外層7014を有するストラップ7000を示し、そこでは、コア7012が形成される前に整列し互いに一時的に噛み合うように構成された部片のうちの一方または両方が予め成型されている。部片のうちの一方は、他方の部片を包囲し、それに重なり、かつそれを保持する。コア材料が射出されるとき、一方の部片が他方の部片に向かって押し出され、両方がコア7012に接合される。両方の部片の縁部が内側に折り返され、コア7012に封入される。図216aは、コア7012の形成前の外層7014の2つの部片を示し、図99bは、コア7012の形成後のストラップ7000を示す。
図217および図218は、3つ以上の部片を備える多部片の外層7014を有するストラップ7000を示す。図218では、外層7014は、各側に1つおよび各端部に1つの4つの部片を備える。それらの部片は、継目7016によって接合され、部片の縁部はコア7012内に封入される。図示するストラップ7000は空隙7032を含むが、それは省くことができる。図219は、3つの部片を備えた外層7014を有するストラップ7000を示す。部片のうちの2つは一方の側にあり、他方の側および両端部に1つの部片がある。それらの部片は継目7016において接合され、部片の縁部はコア7012に封入される。図示するストラップ7000は空隙7032を含むが、それは省くことができる。
図219~図221は、成型されたかまたはテクスチャ加工された布外層7014を有するストラップ7000を示す。図219は、コア7012およびリブ付きカバー層7014を有するストラップ7000を示す。図220は、コア7012およびキルティングカバー層7014を有するストラップ7000を示す。図221は、外層7014に対して成型またはテクスチャを与える成型コア7012を有するストラップ7000を示す。たとえば、3次元テクスチャ加工面を有する金型内の1つまたは複数の外層7014によってまたはそれらの間に画定された空間内にコア材料を射出することができ、それにより、外層7014が金型のテクスチャ内に押し込まれ、最終的なストラップ7000がテクスチャ加工面を有するようになる。いくつかの構成では、コア7012は、TPE等の比較的軟質の材料である。こうした構成は、ストラップ7000が軟質でありかつ/または緩衝材を備えることの視覚的指標を与える。
図222~図224は、図141~図143および図176~図193のヘッドギア5600と同様のヘッドギア構成5600を示す。したがって、対応するかまたは同様の特徴を示すために同じ参照番号を用いる。ストラップ5602、5604の各側縁部に空隙、エアギャップまたはエアポケット5632を含むように、図194を参照して記載したものと同様にストラップ5602、5604を構成ことができる。図示する構成では、幅方向において、空隙5632およびコア5612の各々は、各々、ストラップ6502の幅全体の約1/3を構成することができる。いくつかの構成では、空隙5632は、各々、たとえば3mmの寸法を有することができ、コア5612は、合計9mmの幅に対してたとえば3mmの寸法を有することができる。こうした構成により、上述したように、知覚の観点から一部の使用者に望ましい可能性がある、コア5612の比較的小さい寸法による比較的高い可撓性が与えられる。使用者は、手でストラップ5602に力を加え、幾分かの伸縮性を感知することができる。しかしながら、使用時、ストラップ5602を組み込んだヘッドギアは、使用者の頭部とストラップ5602との間の摩擦のために実質的に非弾性ヘッドギアとして機能することができる。ストラップ5604では、空隙5632の各々は、ストラップ5604の幅全体の約1/6を構成することができ、コア5612は、幅の他の2/3を構成することができる。空隙5632は、各々、たとえば1.5mmの寸法を有することができ、コア5612は、合計9mmの幅に対してストラップ5604の幅方向においてたとえば6mmの寸法を有することができる。こうした構成により、より小さいコア5612を有するストラップより優れた可撓性および低い弾性を与えることができる。空隙5632によって与えられる可撓性および緩衝作用または圧縮性の所望の量に応じて、他の好適な相対寸法を使用することも可能である。図示する構成では、カバー層5614は、コア5612の周囲に少なくとも部分的に巻き付いて、コア5612を有するストラップ5602、5604の部分とエアポケット5632を有する部分との間に折目5334をもたらす。これらの折目は、ストラップ5602、5604に沿って長手方向に延在するストリップとして現れて、ストラップ5602、5604および関連するヘッドギア5600に対して審美的によい外観を与えることができる。
図225~図227は、図141~図143および図176~図193のヘッドギア5600と同様のヘッドギア構成5600を示す。したがって、対応するまたは同様の特徴を示すために同じ参照番号を用いる。しかしながら、ストラップ5602、5604は、少なくともコネクタ5650によって接続される部分において、直径が短縮するかまたは厚さが低減し、それにより、ストラップ5602、5604の接続された部分の結合された厚さが、接続された部分の外側のストラップ5602、5604の2倍を下回る。いくつかの構成では、接続部分における個々のストラップ5602、5604の厚さは、接続部分の外側の厚さの約1/2であり、それにより、接続部分は、接続部分の外側の各ストラップ5602、5604の厚さにおよそ等しい厚さを有する。他の構成では、頂部ストラップ5602は後部ストラップ5604より幅が狭い場合があり、後部ストラップ5604は、頂部ストラップ5602への接続部5650において幅が狭くなる。こうした構成では、後部ストラップ5604は、およそ頂部ストラップ5602の幅である量だけ幅が狭くなることができる。接続部分と接続部分の外側の部分との間の可変またはテーパ状の厚さの他の組合せも採用することができる。同様に、ストラップ5602、5604は厚さ方向に重なることができ、接続部分の外側の部分に比較して、接続部分において個々のストラップ5602、5604の厚さを低減させることができる。
図228~図231は、図141~図143および図176~図193のヘッドギア5600と同様のヘッドギア構成5600を示す。したがって、対応するまたは同様の特徴を示すために同じ参照番号を用いる。いくつかの構成では、コネクタ5650によって接続された部分において、接続部分の外側の部分に比較してストラップ5602、5604を縮小することができる。上述したように、少なくともいくつかの構成では、接続部分におけるストラップ5602、5604の結合された幅は、接続部分の外側のストラップ5602、5604の一方または両方の厚さに実質的に等しい。
図230は、ストラップ5602、5604を接続するいくつかの構成を示す。たとえば、ストラップ5602、5604は、各々、断面が実質的にL字型であり得る。たとえば、コア5612およびカバー層5614の両方によって、または単にカバー層5614によって、L字型を画定することができる。たとえば、本明細書に記載するようなプロセスにより、または成型後ステップにより、金型によってカバー層5614をL字型に形成することができる。カバー層5614は、成型プロセス中にまたは後に形づくることができる緩い布部分または縁部を有することができる。ストラップ5602、5604のL字型カバー層5614を反転させて、互いに嵌めることができ、ストラップ5602、5604の上にまたはそれらの間にコネクタ5650をオーバモールドすることができる。別法として、ストラップ5602、5604は、互いに補完する凸状縁部および凹状縁部を含むことができる。ストラップ5602、5604の上にまたはそれらの間にコネクタ5650をオーバモールドすることができる。上述したように、コア5612およびカバー5614によって、またはカバー5614のみによって、断面形状を画定することができる。いくつかの構成では、ストラップ5602、5604両方が、協働して間に比較的大きい空間を画定する凹状縁部を有する。凹状縁部によって画定される空間内等、ストラップ5602、5604の上にまたはそれらの間にコネクタ5650をオーバモールドすることができる。上述したように、コア5612およびカバー5614によって、またはカバー5614のみによって、断面形状を画定することができる。本明細書に開示しかつ図231に図示するように、少なくとも第2ストラップすなわち後部ストラップ5604は、一方または両方の側端部にエアギャップを含むことができる。
図232A~図235は、図141~図143および図176~図193のヘッドギア5600と同様の型内成型された二又ヘッドギア構成5600を示す。したがって、対応するまたは同様の特徴を示すために同じ参照番号を用いる。図233~図235に示すように、装置は、概して、二又ストラップ5602、5604に接続された前部ストラップ5610を備える。二又ストラップ5602、5604があることにより、使用者の頭部においてヘッドギア5600が安定化する。前部ストラップ5610は、マスクに取り付けるための取付クリップ5680に接続することができる。ヘッドギア5600の二又ストラップ5602、5604は、快適さを向上させるために使用者の耳の周囲に配置される。
図232A~図232Cに示すように、ストラップ5602、5604、5610はカバー層5614を有する。カバー層5614は、天然もしくは合成の布またはテキスタイル材料、本明細書に開示する他の任意の材料、または他の任意の好適な材料から構成された布ケーシングであり得る。カバー層5614は、編、織または編組材料を含むことができ、弾性であり得る。好ましくは、カバー層5614は、手触りおよび外観が柔らかいテクスチャを有する。カバー層5614は、断面が円形、管状および中空であり得る。図232Bおよび図232Cに示すように、第1カバー層5614Aおよび第2カバー層5614Bを接合することによってカバー層5614を形成することができる。別法として、カバー層5614を一体的に織られた布チューブに形成するかまたは編むことができる。すなわち、カバー層5614を、前部ストラップおよび二又ストラップ5602、5604を含む織布チューブに、織って予め成型することができる。
図232A~図235に示すように、前部ストラップ5610および/または二又ストラップ5602、5604の一部に、比較的剛性または半剛性の型内成型コア5612で充填することができる。言い換えれば、コア材料を中空カバー層5614内に射出して、ヘッドギア5600の所定部分を比較的剛性または半剛性とすることができ、一方でヘッドギアの他の部分を弾性とすることができる。図232Aに示すように、前部ストラップ5610および二又ストラップ5602、5604の接合部5603のみに、型内成型コア5612を充填させることができる。したがって、前部ストラップ5610および接合部5603は実質的に剛性または非弾性とすることができ、一方で、接合部5603を越える二又ストラップ5602、5604の部分が弾性のままである。同様に、図233では、前部ストラップ5610のみが型内成型コア5612を含む。したがって、半剛性前部領域が、使用者の顔面でマスクを安定化し、一方で、弾性部分により、ヘッドギアを使用者に容易に取り付けることができる。さらに、弾性部分により、ヘッドギアの後部が広範囲の頭部サイズにフィットすることができる。図233では、前部ストラップ5610および二又ストラップ5602、5604の一部に、型内成型コア5612を充填することができる。したがって、前部ストラップ5610および二又ストラップ5602、5604の二又領域は剛性であり、二又ストラップ5602、5604の後方部分は弾性である。図236では、前部ストラップ5610および二又ストラップ5602、5604に型内成型コア5612を充填して、全体を通して実質的に剛性であるヘッドギア5600を形成することができる。
型内成型コア5612は、プラスチック材料または他の任意の好適な材料であり得る。さらに、型内成型コア5612をカバー層5614と融合し永久的に結合して、実質的剛性または非弾性構造を生成することができる。図232Aに示すように、型内成型コア5612に、取付クリップ5680を一体的に形成し成型することができる。
図236Aおよび図236Bは、型内成型二又ヘッドギア構成5600を形成するように構成された金型5200を示す。金型5200は、第1型半体5210および第2型半体5220を備える。第1型半体5210および第2型半体5220は互いに接合されてストラップキャビティ5222を形成する。ストラップキャビティ5222は、布ケーシング5110を受け入れるように構成されている。いくつかの構成では、ストラップキャビティ5222内に厳密にフィットするように布ケーシング5110を切断するかまたは予備成型することができ、それにより、布ケーシング5110はストラップキャビティ5222内に容易に位置合せされる。金型5200が閉じた位置にあり、布ケーシング5110が適所に固定されると、いくつかの構成では図237のものと同じか同様であり得る、ゲートおよびランナシステム(図示せず)を介して、布ケーシング5110内にコア材料を射出することができる。したがって、単一製造プロセスで、ヘッドギア5600を容易に成型することができる。
図236Cは、金型5200の概略断面図であり、金型5200は、成型プロセス中に金型5200内で適所に布ケーシング5110を固定するように構成されている。金型5200は、第1型半体5210および第2型半体5220を備える。第1型半体5210および第2型半体5220は、互いに接合されて、布ケーシングキャビティ5222、金型インサートキャビティ5224およびゲート5325を形成する。布ケーシング5110の開放端部にインサート5326が挿入され、金型インサート5326および布ケーシング5110はともに、金型インサートキャビティ5224および布ケーシングキャビティ5222内にそれぞれ配置される。ヘッドギアのストラップを形成するために布ケーシング5110を用いる場合、布ケーシング5110は、プラスチックコアが布ケーシング5110内に射出されるのを可能にするために、開いて保持されなければならない。したがって、金型インサート5326は、布ケーシング5110の開放端が閉じるのを防止する。金型インサート5326は、布ケーシング5110の開放端内に嵌まりかつ布ケーシングの開口部を第1型半体5210および第2型半体5220内で布ケーシングキャビティ5222の壁に向かって外側に押す、予め作製された構成要素を備える。金型インサート5326は、ゲート5325に位置合せされる中心開口部5328を有し、それを通して、コア材料が布ケーシング5110内に射出されるための直接流路が提供される。金型インサート5326は、プラスチックまたは金属製であり得る。プラスチック製である場合、型内成型プロセス中に金型インサート5326とコア材料との間に化学結合を形成することができるように、金型インサート5326は、コアと同じプラスチックから作製することができる。さらに、ヘッドギア構成要素間、調整機構間、またはヘッドギアとマスクとの間のコネクタ(たとえば、取付クリップ5680)としての更なる機能を有することができる形状に、インサート5326を形成することができる。
図236D~図236Gは、布ケーシング5110を固定位置で保持して、それがコア材料の射出力の下で移動しないように構成された金型装置5200を示す。図236Dは、布ケーシング5110を保持するように構成された金型5200の概略断面図を示す。金型5200は、第1型半体5210および第2型半体5220を備える。第1型半体5210および第2型半体5220は、互いに接合されて金型キャビティ5224を形成する。第1型半体5210および第2型半体5220の表面は、複数の保持スパイク5327を含み、それらは、第1型半体5210および第2型半体5220から突出し、布ケーシング5110に向かう方向に延在する。図236Eに示すように、保持スパイク5327は、等距離離れて、かつ第1型半体5210および第2型半体5220の開/閉方向に対して垂直な型半体5210、5220の表面を横切って、間隔を空けて配置することができる。図236Fおよび図236Gに示すように、保持スパイク5327は、布ケーシング5110と金型キャビティ5224の壁との間の移動を防止するように構成されている。スパイク5327は、布ケーシングの表面を貫通する鋭利な先端を有することができる。保持スパイク5327は、保持スパイク5327が布ケーシング5110に沈められて、布ケーシング5110の厚さ全体を通して突き刺さない(図236Fを参照)か、または布ケーシング5110の厚さ全体を通して突き刺す(図236Gを参照)ような高さを有することができる。したがって、プラスチックコアが射出される前に、保持スパイク5327は、金型キャビティ5224内で布ケーシング5110を固定し開いて保持することができる。
結合された層から構成された布ケーシングとは対照的に、織布チューブは、織布チューブに加えられている力の範囲を越えて開いたままである傾向を有する。したがって、金型は、コア材料が織布チューブへの通路を有するために、織布チューブの開放端部を開いて保持するための別個の構造を不要とすることができる。図237Aおよび図237Bは、織布チューブ5110からなる布ケーシングを形成するために構成された金型5200を示す。金型5200は、第1型半体5210および第2型半体5220を備える。金型キャビティ5224内に織り布チューブ5110を配置することができ、第1型半体5210および第2型半体5220が互いに接合される。図237Bに示すように、型キャビティが閉じているにも関わらず、織布チューブの端部は開いたままである。したがって、コア材料は、織布チューブ5110内への通路を有する。
図238は、コア5612と、第1カバー層5614Aおよび第2カバー層5614Bを備えたカバー層と、レール5618とを備える、型内成型ストラップ5604の代替構成を示す。カバー層5614A、5614Bは、比較的軟質な布またはテキスタイルおよびフォームまたは同様の緩衝材料等、複数の材料の複合材から構成することができる。第1カバー層5614Aおよび第2カバー層5614Bならびにレール5618は、プラスチック等、比較的剛性材料を含む型内成型コア5612を受け入れる空洞を画定する。図示する構成では、カバー層5614A、5614Bの縁部は、レール5618によって覆われている。レール5618は、軟質シリコーンまたはプラスチック材料から形成されて、ストラップに対して柔らかくかつ丸い縁部および仕上げを与えることができる。レール5618の柔らかくかつ丸い縁部により、快適さが向上し、皮膚に対してこすられるときにストラップによってもたらされる刺激が低減する。さらに、レール5618の柔らかくかつ高コンプライアンスなテクスチャにより、ストラップ5604が、型内成型コア5612によってもたらされるストラップ5604の実際の剛性にも関わらず、柔らかく、または柔らかい構造を有するという知覚が与えられる。すなわち、レール5618は、使用者の知覚に影響を与える可能性がある、ストラップ5604の剛性構造を部分的に覆うかまたは隠すことができる。さらに、軟質シリコーンレール5618により、摩耗が低減し、ストラップ5604の耐用年数を伸ばすことができる。
図239A~図239Cは、エアポケットコア5632、カバー層5614および型内成型レール5618を備える型内成型管状ストラップのヘッドストラップ5602の代替構造を示す。カバー層5614は、型内成型レール5618を覆い、エアポケットコア5632を画定する。カバー層5614は、気密な布から構成することができ、それにより、エアポケットコア5632が封止されかつ膨張したままになる。
エアポケットコア5632と結合された型内成型レール5618は、構造が剛性であるが軽量でもあるヘッドストラップ5602を提供する。さらに、ヘッドストラップ5602のエアポケットコア5632は、使用者の快適さを向上させるように緩衝作用および詰物を提供する。さらに、エアポケットコア5632がストラップ5604の他方の側より一方の側の近くに形成されるように、カバー層5614を配置することができる。したがって、図237Cに示すように、エアポケット5632は、使用者の顔面に向かう方向に広がり、より硬くかつより剛性のある型内成型レール5618が使用者の皮膚に接触しないようにすることができる。
図240Aは、内部構造を有する構造化コア5642を包囲するカバー層5614を備えた型内成型管状ストラップ5602の代替構造を示す。カバー層5614は、比較的軟質な布またはテキスタイルおよびフォームまたは同様の緩衝材料等、複数の材料の複合材から構成することができる。コア5642は、カバー層5614内の中空中心内のキャビティに半剛性プラスチックを射出成型することによって形成することができる。コア5642は、断面が実質的に矩形であり得る。コア5642は、コア5642の厚さを通して延在するあるパターンのアパーチャ5644を有する。アパーチャ5644により、ストラップ5602はストラップ5602の長さに沿って可撓性を有することができ、他の方向では剛性を維持する。すなわち、ストラップ5602は、ストラップ5602の長手方向に対して平行な方向に伸張させまたは圧縮することができ、他の方向では依然として剛性を有することができる。したがって、アパーチャ5644は、使用者の知覚に影響を与える可能性がある、ストラップ5602の剛性構造を部分的に覆うかまたは隠すことができる。さらに、アパーチャ5644は、使用者の快適さを向上させることができる、より軽量かつ通気性のあるストラップを提供する。アパーチャ5644は、弾性が望まれるストラップ5602の所定領域に配置することができる。別法として、ストラップ5602の全長を通してアパーチャ5644を配置することができる。
図240Bは、金型5200を使用することによるストラップ5602の構築を示す。最初に、半剛性プラスチックがカバー層5614の中空中心内に射出される。そして、コア5642の溶融プラスチックが、図240Bに示すように、アパーチャ5644が形成される領域において布カバー層5614の層の間に流れることができないように、閉じられた金型により、布カバー層5614の層を互いに圧縮することによって、コア5642内のアパーチャ5644が形成される。
図241Aは、長さに沿って連続的に可変の形状および断面を備えた複雑な3D形状を有する型内成型管状ヘッドストラップ5602に対する代替構造を示す。言い換えれば、ヘッドストラップ5602は、図241Bにおける断面線241A-241Bおよび図241Cにおける断面線241C-241Cに沿って示すように、その長さに沿って変化する幅、厚さ、縁部半径、表面曲率(凹状部/凸状部)を有することができる。ヘッドストラップ5602の長さに沿って曲率が変化することにより、ヘッドギアの所定領域に対してカスタマイズされた性能および構造が提供される。たとえば、図241Bにおける断面線241A-241Bに沿ったヘッドストラップ5602の湾曲面5646は、マスクおよび使用者の顔面(たとえば頬骨)により近い頭部形状に沿うような形状とすることができる。対照的に、図241Cにおける断面線241C-241Cに沿ったヘッドストラップ5602は、使用者の耳の上方、後方、下および/または周囲で密にフィットすることができるように、最小のサイズ/体積を有するような形状とすることができる。
カバー層5614は編むかまたは織ることができ、コア5642は、織カバー層5614内の中空中心内のキャビティ内に半剛性プラスチックを射出成型することによって形成することができる。ストラップ5602の複雑な3D形状は、連続曲率プラスチックコアの上で編ストラップを滑らせることによって達成することができ、それは、編ストラップが、コアの最大断面を通過するのに十分大きくなければならす、しがって、いくつかの領域においてサイズが大きくなりすぎかつかさばることになるためである。さらに、射出成型により、単一製造プロセスにおいて、連続曲率ヘッドストラップ5602にブランドまたは方向指標を成型することができる。
図242A~図242Gおよび図243A~図243Cは、ブランドロゴ(図242A~図242C)、指標(図242E)、把持用出っ張り(図242F~図242Gならびに図243B~図243C)等、永久的に形成された特徴7652、7752を有するストラップ7602、7702を示す。図242A~図242Gは、型内成型によってストラップに永久的にかつ一体的に形成された特徴7652を備えるストラップ7602を示す。図243A~図243Cは、オーバモールドによってストラップの上に永久的にかつ一体的に形成された特徴7752を有するストラップ7702を示す。したがって、特徴7652、7752は、ストラップ7652、7752と一体であり、常に可視であり識別可能である(すなわち、ロゴ、ブランド、指標)ように、取り除くことができない。さらに、特徴7652、7752をストラップ7602、7702の任意の場所に配置して、ヘッドギアの操作性を向上させる触覚的握り(すなわち、グリップ性)を向上させるようにストラプ7602、7702のテクスチャを変化させることができる。
図242A~図242Gは、ストラップ7602にエンボス加工された特徴7652を備えた型内成型ストラップ7602を示す。上述した型内成型ストラップと同様に、ストラップ7602は、布表皮7614によって覆われる半剛性プラスチックコア7612を備えることができる。型内成型プロセス中に特徴7652をエンボス加工することができ、それにより、別個の製造ステップまたはプロセスなしに(すなわち、製造ステップおよびコストが低減する)ヘッドギアに特徴7652を一体的に付与することができる。
図242Aに示すように、ストラップ7602の厚さ方向にストラップ7602内に特徴7652をエンボス加工することができる。言い換えれば、ストラップ7602に特徴7652をはめ込んで、コア7612および布表皮7614の両方に窪み7616を形成することができる。別法として、図242E~図242Gに示すように、特徴7652は、布表皮7614の上方にかつそれを越えて延在するかまたは突出して突起7618を形成することができる。すなわち、布表皮7614によって依然として覆われているコア7612のより厚い領域に特徴7652を形成することができる。
いくつかの構成では、図242Bおよび図242Eに示すように、コア7612が露出するように布表皮7614を通して開口部7618を形成することができる。開口部7618は、限定されないがレーザ切断等の任意の種々の技法によって形成することができる。コア7612の露出部分は、布表皮7614の開口部7618を通って突出し(図242Cおよび図242E)、布表皮7614と同一平面にあり(図125D)、または布表皮7614の下方に凹状になっている(図242Bおよび図242C)。
図243A~図243Cは、ストラップ7702の上にオーバモールドされた特徴7752を有するストラップ7702を示す。ストラップ7702は、限定されないがBreath-o-preneTM等の単層の布を含む。ロゴ7752は、ストラップの機能を妨げない柔らかい感触を与えるように、TPEまたはシリコーン等の可撓性プラスチックであり得る。特徴7702をストラップ7702の上にオーバモールドし、ストラップ7702の長さに沿った任意の場所に配置することができる。
図244A~図253は、本明細書に開示する他のヘッドギアと同様とすることができ、かつ同じかまたは同様の用途に好適であり得る、さまざまな成型ヘッドギア構成を示す。図244A~図253のヘッドギアは、本明細書に開示するもののうちの任意のもの等、任意の好適な結合機構によってインタフェースに接続することができる。たとえば、額当てを採用するもの等、他のタイプのインタフェースと使用するように、ヘッドギアを変更することができる。同様に、たとえば、側部ストラップ、中心ストラップまたは頭上ストラップを用いることにより、さまざまな場所において単一接続部または複数の接続部において、ヘッドギアをインタフェースに接続することができる。さらに、図244A~図253のヘッドギアの特徴、構成要素、材料または製造方法は、具体的に開示したものの範囲を越えて他のヘッドギア変形をもたらすように互いに置き換えることができる。図示するヘッドギアは、各々、頭頂または頂部ストラップ、後部ストラップおよび少なくとも1つの前部ストラップを含むいくつかのストラップを備える。他の変形は、これらのストラップのうちの1つまたは複数を省くことができ、かつ/または追加のストラップを含むことができる。ストラップのうちの任意ものが、要求に応じて、本明細書に開示するストラップ調整機構または他の好適な構成のうちの任意ものを含む、長さまたは他の調整機構を組み込むことができる。
図242A~図242Bは、単一後部ストラップ10120を有する(すなわち、頭頂ストラップのない)ヘッドギア構成10100を示す。後部ストラップ10120は、後方部分10122および正面部分10124を含むことができる。使用者が着用すると、単一後部ストラップ10120の正面部分10124は、使用者の眼のすぐ下の頬を横切って使用者の耳に向かって後方に配置される。図242Aに示すように、正面部分10124は、使用者の耳の上方でかつわずかに前方で後方部分10122と接続される。後方部分122は、使用者の耳の上方に延在した後、使用者の頭部の下部後方部分(すなわち、後頭骨)に向かって下方に延在する。後方部分10122および正面部分10124は、異なる構造を有することができる。言い換えれば、後方部分10122は、正面部分10124より剛性が高い可能性がある。したがって、正面部分10124は、マスク10120に対して保持力を与えるように伸張し、ヘッドギアを使用者の顔面に着用することができるようにヘッドギア10100を伸張させることができる。単一の後部ストラップ10120を有するヘッドギア構成10100は、コストが低く、容易に製造されかつ容易に使用者に取り付けられるヘッドギア装置を提供する。
図242Bは、図242Aにおける線A-Aに沿った後方部分10122の断面図を示す。後方部分10122は、カバー層10132によって覆われるコア10130を含む。コア10130は、本明細書において先に開示したように、プラスチック材料または他の任意の好適な材料であり得る。同様に、カバー層10132は、比較的軟質な布またはテキスタイルおよびフォームまたは同様の緩衝材料等、複数の材料の複合材から構成することができる。また、図242Bに示すように、ストラップ10120は、ストラップ10120の各側縁部に空隙、エアギャップまたはエアポケット10134を含むように、図194を参照して記載したものと同様に構成することができる。エアポケット10134は、可撓性および緩衝作用または圧縮性を与える。正面部分10124は、弾性の編、織または編組材料から構成することができる。いくつかの構成では、正面部分10124はまた、型内成型コアも含むことができる。代替構成(図示せず)では、後方部分10122および正面部分10124の両方に同じコア材料を用いて、全体を通して実質的に同じ弾性率を有するヘッドギア装置を提供することができる。
図245A~図245Cは、アーチ形コネクタ10240によって頭頂ストラップ10230に接続された下部ストラップ10220を有するヘッドギア構成10200を示す。下部ストラップ10220は、図244A~図244Bにおける単一の後部ストラップ10120と構造が同様であり得る。したがって、重複する考察は省略する。頭頂ストラップ10230は、本明細書において先に開示したように、比較的軟質な布、テキスタイル、フォームまたは同様の緩衝材料から構成することができる。アーチ形コネクタ10240は、下部ストラップ10220および頭頂ストラップ10230の両方の上にオーバモールドされるプラスチックから構成することができる。アーチ形コネクタ10240は、使用者の耳の上方に配置され、下部ストラップ10220の曲率と同様に輪郭がつけられた湾曲形状を有する。アーチ形コネクタ10240をオーバモールドすることにより、下部ストラップ10220および頭頂ストラップ10230を容易に接合することができる。さらに、アーチ形コネクタ10240は、下部ストラップ10220と実質的に同じ幅および厚さである比較的薄型コネクタを提供する。
図246は、後部ストラップ10320、頭頂ストラップ10330および前部ストラップ10340を有するヘッドギア構成10300を示す。前部ストラップ10340は、後部ストラップ10320および頭頂ストラップ10330とは異なる構造を有することができる。言い換えれば、前部ストラップ10340は、後部ストラップ10320および頭頂ストラップ10330より実質的に剛性が高い可能性がある。前部ストラップ10340は、比較的剛性材料から形成されたコアを有することができ、後部ストラップ10320および頭頂ストラップ10330は、より可撓性の高いコア材料から形成されたコアを有する。いくつかの構成では、後部ストラップ10320および頭頂ストラップ10330にはコア材料が充填されていない。後部ストラップ10320および頭頂ストラップ10330は、弾性の編、織または編組材料から形成されたカバー層を有する。後部ストラップ10320および頭頂ストラップ10330は構造に可撓性があり、それにより、マスク10310に対して保持力を与えるとともに、広範囲の頭部サイズにフィットするように伸張することができる。さらに、後部ストラップ10320および頭頂ストラップ10330は、頭部の敏感な部分(すなわち、顔面)から離れる方向にヘッドギアの保持力部分を再配置する。
図247A~図247Dは、可変の型内成型編物を有する二又ヘッドギア構成10400を示す。二又ヘッドギア構成10400は、図244A~図244Bにおける単一の後部ストラップ10120を備えたヘッドギア構成10100と構造が類似している。しかしながら、二又ヘッドギア構成10400の後方部分は、下部後方部分10422および上部後方部分10424に二又になっている。ヘッドギア10400は、本明細書において上述したように弾性織材料から完全に形成される外側カバー10430を有することができる。外側カバー10430は、下部後方部分10422と上部後方部分10424との間に広がることができる。図247Bは、図247Aにおける線A-Aに沿ったヘッドギア10400の断面を示す。図247Cは、図247Aにおける線B-Bに沿ったヘッドギア10400の断面を示す。図示するように、外側カバー10430は、下部後方部分10422および上部後方部分10424の上に堅く編まれるかまたは織られているが、下部後方部分10422と上部後方部分10424との間の外側カバー10430の部分は、コア材料を含まない。したがって、下部後方部分10422と上部後方部分10424との間の外側カバー10430の部分は、移動を制御するように伸張し、マスク10402に対して保持力を与える。図247Dに示すように、金型10450内の単一部片としてヘッドギア10400を構築することができる。言い換えれば、ヘッドギア10400は、単一製造プロセスで容易に成型することができる。
図248A~図248Cは、完全に一体化した二又後部ストラップ10520および頭頂ストラップ10530を有するヘッドギア構成10500の構築を示す。図248Bに示すように、縫合、接着剤または任意の結合技法によって、外側カバー10540の2つの層を互いに接合することができる。外側カバー10540は、同じ材料でも異なる材料でもあり得る。図248Cに示すように、外側カバー10540の間にコア材料10550を配置することができる。ストラップの各側縁部における空隙、エアギャップまたはエアポケット10534。エアポケット10534は、可撓性および緩衝作用または圧縮性を与える。さらに、継目なしの審美的外観を与えるように、エアポケット10534内に継目10536を配置することができる。
図249A~図249Cは、コア材料10640が露出し外側カバー10630の外面に形成されているヘッドギア10600を有する代替構成を示す。露出したコア材料10640により、ヘッドギア10600のストラップを容易に成型し複雑な形状に形成することができる。さらに、露出したコア材料10640により、ヘッドギア10600を容易に清掃することができる。さらに、プラスチックコア材料10640は低摩擦を提供し、それにより、ヘッドギア10600は、枕等、他の物体に対して容易に摺動する。図249Bでは、コア材料10640は、外側カバー10630と実質的に同一平面であるように、外側カバー10630内にはめ込まれる。対照的に、図249Cは、外側カバー10630内にはめ込まれるのではなく外側カバー10630の上に配置されたコア材料10640を示す。
図250は、フルフェイスマスク8100と組み合わせて使用されているヘッドギア8000を示す。フルフェイスマスク8100は、Tピース8112を備えたマスクフレーム8110を有する。ヘッドギア8000は、フルフェイスマスク呼吸装置8100との使用に限定されず、Tピースを備えた鼻マスクと組み合わせ使用することができる。ヘッドギア8000は、二又になった頂部ストラップ8010および後部ストラップ8020を有する。頂部ストラップ8010および後部ストラップ8020は、使用者の額の側部に位置する上部接続箇所8030の近くで接続されている。布ストラップ8040が、上部接続箇所8030から延出し、マスクフレーム8110のTピース8112の開口部8114の周囲でループを形成している。布ストラップ8040の端部は、布ストラップ8040の相補的なループ面に固定することができるフックパッドまたはパッチを含むことができる。布ストラップ8040により、使用者は、ヘッドギア8000の頂部とTピース8112との間の締付け具合を調整することができる。限定されないが、クリップ、プッシュまたはスナップコネクタ等、任意の種々の解除可能な機械的締結機構によって、Tピース8112に布ストラップ8040を取り付けることができる。下部接続箇所8050が、上部接続箇所8030の下方に配置され、使用者の耳の前方にかつ使用者の口とおよそ一直線上に位置する。下部接続箇所8050は、1つまたは複数の調整機構8120によってマスクフレーム8110に接続することができる。調整機構8120は、限定されないが一方向摩擦機構または他の任意の適切なロック機構等、種々の調整機構構成のうちの1つを含むことができる。
図251は、鼻マスク8200と組み合わせて使用されているヘッドギア8000を示す。鼻マスク8200はマスクフレーム8210を有する。図250と同様に、ヘッドギア8000は、二又頂部ストラップ8010および後部ストラップ8020を有する。ヘッドギア8000は、鼻マスクのみとの使用には限定されず、Tピースがあるかもしくはないフルフェイスマスク、または鼻下封止領域を有する呼吸マスクと組み合わせて使用することができる。ヘッドギア8000は、頂部ストラップ8010および後部ストラップ8012に接続される上部ストラップ8932を有する。ヘッドギア8000は、使用者の耳と眼との間の頬を横切って延在する使用者の額の側方部分に位置する。上部ストラップ8032は、マスクフレーム8210に直接接続することができる。別法として、上部ストラップ8032とマスクフレーム8210との間に配置された調整機構があり得る。下部ストラップ8052が、使用者の耳の後方の位置において後部ストラップに接続され、使用者の耳の下方の位置まで実質的に下方にかつマスクフレーム8210に向かって前方に延在する。言い換えれば、下部ストラップ8052は、後部ストラップ8012に接続され、使用者の耳の周囲を下方に延在し、使用者の頬を横切って延在する。下部ストラップ8052は、1つまたは複数の調整機構8012によってマスクフレーム8210に接続される。調整機構8012は、限定されないが一方向摩擦機構または他の任意の適切なロック機構等、種々の調整機構構成のうちの1つを含むことができる。
図252は、鼻ピロー(ダイレクトネーザル)マスク8300と組み合わせて使用されているヘッドギア8000を示す。図250および図251と同様に、ヘッドギア8000は、二又の頂部ストラップ8010および後部ストラップ8020を有する。ヘッドギア8000は、頂部ストラップ8010および後部ストラップ8012に接続される前部ストラップ8034を有する。前部ストラップ8034は、使用者の耳と眼との間にかつ鼻の底部に向かって延在する。前部ストラップ8034はまた、マスク8300の正面を横切って延在して、フレーム8310の一部を形成する。代替実施形態では、前部ストラップ8034は、マスク8300の前で終端し、別個のマスクフレーム8310に接続することができる。さらに、いくつかの構成では、調整機構(図示せず)を前部ストラップ8034とマスクフレーム8310との間に配置することができる。
図253は、鼻マスク8200と組み合わせて使用されているヘッドギア8000を示す。鼻マスク8200は、マスクフレーム8210を有する。ヘッドギア8000は、鼻マスク呼吸装置8200のみとの使用には限定されず、Tピースのない鼻マスクまたは鼻下封止領域を有する呼吸マスクと組み合わせて使用することができる。ヘッドギア8000は、二又の頂部ストラップ8010および後部ストラップ8020を有する。頂部ストラップ8010および後部ストラップ8020は、使用者の額の側部にかつ使用者の眼と一列に並んで位置する上部接続箇所8030の近くで接続される。上部接続箇所8030は、調整機構8120によってマスクフレーム8210に接続される。調整機構8120は、限定されないが、一方向摩擦機構または他の任意の適切なロック機構等、種々の調整機構構成のうちの1つを含むことができる。調整機構8120は、使用者の眼の真下の頬を横切ってマスクフレーム8210に向かって延在する。下部接続箇所8050が、上部接続箇所8030の下方でヘッドギア8000に接続され、使用者の鼻の底部とおよそ一列に並んで配置される。下部接続箇所8050もまた、調整機構80120によってマスクフレーム8210に接続され、調整機構8102は、使用者の眼の真下の頬を横切ってマスクフレーム8210に向かって延在する。
文脈において明確な別段の要求がない限り、明細書および特許請求の範囲を通して、「備える(comprise)」、「備えている(comprising)」等の用語は、排他的または網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で、すなわち、「限定されないが含む」という意味で解釈されるべきである。特に、「できる」、「あり得る」、「可能性がある」、「たとえば」等、本明細書で用いる条件付きの文言は、特に別段の定めのない限り、または使用される文脈内で別様に理解されない限り、概して、いくつかの特徴、要素および/または状態を、いくつかの実施形態は含むが、他の実施形態は含まないということを伝えるように意図されている。したがって、こうした条件付きの文言は、概して、特徴、要素および/または状態が1つまたは複数の実施形態に対して何らかの点で必要とされること、または1つまたは複数の実施形態は、これらの特徴、要素および/または状態が任意の特定の実施形態に含まれるかもしくは任意の実施形態において行われることになっているか否かを、著者の入力または入力促進があってもなくても判断するためのロジックを必然的に含むということを意味するようには意図されていない。
「複数」という用語は、項目の2つ以上を指す。量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特徴の列挙は、量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状または他の特徴の前に「約」または「およそ」という用語があるかのように解釈されるべきである。「約」または「およそ」という用語は、量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特徴が、厳密であることが必須ではなく、許容可能な公差、変換係数、丸め、測定誤差等および当業者には既知である他の要素を反映して、要求に応じて近似されかつ/またはより大きいかもしくは小さい場合がある。量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特徴の列挙は、量、寸法、サイズ、配合、パラメータ、形状および他の特徴の前に「実質的に」という用語があるかのようにも解釈されるべきである。「実質的に」という用語は、列挙された特徴、パラメータまたは値が厳密に達成されることが必須ではなく、たとえば、公差、測定誤差、測定精度限界および当業者に既知である他の要素を含む偏差または変動が、その特徴が提供するように意図された効果を排除しない量で発生する可能性があることを意味する。
数値データは、本明細書では、範囲形式で表されまたは提示されている場合がある。範囲形式は、単に便宜上および明確にするために使用され、したがって、範囲の限界として明示的に列挙された数値のみを含むのではなく、その範囲内に包含される個々の数値または部分範囲のすべてを、各数値および部分範囲が明示的に列挙されているかのように含むようにも柔軟に解釈されるべきである。例示として、「1から5」という数値範囲は、約1から約5という明示的に列挙された値のみを含むではなく、示された範囲内の個々の値および部分範囲も含むようにも解釈されるべきである。したがって、この数値範囲には、2、3および4等の個々の値、ならびに「1から3」、「2から4」および「3から5」等の部分範囲が含まれる。この同じ原理は、1つの数値のみを列挙する範囲(たとえば、「1より大きい」)にも適用され、記載されている範囲または特徴の広さに関わらず適用されるべきである。
複数の項目が、便宜上共通のリストに提示されている場合がある。しかしながら、これらのリストは、リストの各要素が別個のかつ一意の要素として個々に識別されているかのように解釈されるべきである。したがって、こうしたリストのいかなる個々の要素も、反対の指示がなければ、共通のグループにおけるそれらの提示にのみ基づいて、同じリストの他の任意の要素の事実上の均等物として解釈されるべきではない。さらに、「および」および「または」という用語が項目のリストとともに使用される場合、列挙された項目のうちの任意の1つまたは複数が単独でまたは他の列挙された項目と組み合わせて使用することができるという意味で、それらは広く解釈されるべきである。「別法として」という要素は、2つ以上の代替物の選択を指し、文脈において明確な別段の指示がない限り、それらの列挙された代替物のみに、または一度に、列挙された代替物のうちの1つにのみ限定するようには意図されていない。
本明細書におけるいかなる従来技術への言及も、その従来技術が、世界中のいかなる国においても努力傾注分野における共通の一般知識の一部を形成するという認識またはいかなる形態の示唆でもなく、かつそのように解釈されるべきではない。
本発明はまた、本出願の明細書において言及されまたは示される部品、要素および特徴に、前記部品、要素又は特徴のうちの2つ以上のありとあらゆる組合せにおいて個々にまたはまとめて存在するように広く言うことも可能である。
上述した記載において、既知の均等物を有する完全体または構成要素について言及したが、それらの完全体は、本明細書において、個々に示されているかのように組み込まれている。
本明細書に記載した現時点で好ましい実施形態に対するさまざまな変形および変更が当業者には明らかとなるであろうということが留意されるべきである。こうした変形および変更は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくかつその付随する利益を減ずることなく行うことができる。たとえば、さまざまな構成要素は、要求に応じて再配置することができる。したがって、こうした変形および変更は本発明の範囲内に含まれることが意図されている。さらに、特徴、態様および利点のすべてが必ずしも本発明を実施するために必要であるとは限らない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によってのみ定義されるように意図されている。