JP7366011B2 - ブロックコポリマーを含む毛髪化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なブロックコポリマーを含む毛髪化粧料に関する。
近年、毛髪の改質などを目的とし、ポリマー材料などを用いた種々の毛髪化粧料が検討されている。
特許文献1には、(A)植物油を1~15質量%、(B)揮発性油分、(C)高分子量ジメチルポリシロキサン、及び(D)ヒドロキシル基、ポリオキシエチレン基及び/又はポリオキシプロピレン基を有するジメチルポリシロキサンを含有する、毛髪化粧料が開示されている。
特許文献2には、少なくとも一つの反応性官能基が結合したシリル基を有するランダム共重合体を配合した、毛髪処理用組成物が開示されている。
特開2009-221143号公報 特開平11-302129号公報
毛髪化粧料の分野においては、従来より、滑り性等の特性を髪に持続的に付与し得る化粧料が望まれていた。
したがって、本発明の主題は、滑り性等の特性を髪に持続的に付与し得る新規なブロックコポリマーを含む毛髪化粧料を提供することである。
〈態様1〉
疎水性セグメント及び親水性セグメントを有するブロックコポリマーを含有している毛髪化粧料であって、
前記疎水性セグメントが、下記の式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるモノマー単位を有し、
前記親水性セグメントが、下記式3のモノマーから構成されるモノマー単位を有している、
毛髪化粧料:
Figure 0007366011000001
式1中、
は、水素又はメチル基であり、
は、水素又はフッ素であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
nは、5~15の整数であり、
Figure 0007366011000002
式2中、
は、水素又はメチル基であり、
及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
pは、5~70の整数であり、
Figure 0007366011000003
式3中、
は、水素又はメチル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
は、それぞれ独立に、加水分解して架橋反応する官能基である。
〈態様2〉
前記式1のRが、メチル基であり、Rが、水素又はフッ素であり、mが、1~3の整数であり、nが、10~15の整数であり、
前記式2のR及びRが、メチル基であり、Rが、ブチル基であり、mが、1~3の整数であり、pが、10~60の整数であり、かつ
前記式3のRが、メチル基であり、Rが、水素原子、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基及びアミノ基から選択される少なくとも一種であり、mが、1~3の整数である、
態様1に記載の化粧料。
〈態様3〉
前記ブロックコポリマー中、前記式1又は式2の疎水性セグメントの割合が、10~90モル%であり、かつ、前記式3の親水性セグメントの割合が、5~70モル%である、態様1又は2に記載の化粧料。
〈態様4〉
前記親水性セグメントが、下記式4のモノマーから構成されるモノマー単位をさらに有している、態様1~3の何れか一項に記載の化粧料:
Figure 0007366011000004
式4中、
は、水素又はメチル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
は、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基である。
〈態様5〉
前記ブロックコポリマー中、前記式4の親水性セグメントの割合が、70モル%以下である、態様4に記載の化粧料。
〈態様6〉
態様1~5の何れか一項に記載の前記化粧料を毛髪に適用し、前記加水分解して架橋反応する官能基を、少なくとも毛髪表面上で架橋させることを含む、毛髪処理方法。
本発明によれば、滑り性等の特性を髪に持続的に付与し得る新規なブロックコポリマーを含む毛髪化粧料を提供することができる。
本発明の一実施態様のブロックコポリマーによる毛髪の改質機構を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、発明の本旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本発明の毛髪化粧料は、疎水性セグメント及び親水性セグメントを有するブロックコポリマーを含有し、疎水性セグメントが、下記の式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーから構成されるモノマー単位を有し、親水性セグメントが、下記式3のモノマーから構成されるモノマー単位を有している、毛髪化粧料である。
Figure 0007366011000005
式1中、
は、水素又はメチル基であり、
は、水素又はフッ素であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
nは、5~15の整数であり、
Figure 0007366011000006
式2中、
は、水素又はメチル基であり、
及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
pは、5~70の整数であり、
Figure 0007366011000007
式3中、
は、水素又はメチル基であり、
mは、1~6の整数であり、かつ
は、それぞれ独立に、加水分解して架橋反応する官能基である。
原理によって限定されるものではないが、このようなブロックコポリマーが、滑り性等の特性を髪に持続的に付与し得る作用原理は以下のとおりであると考える。
例えば、疎水性のモノマー及び親水性のモノマーからランダムコポリマーを作製した場合、係るコポリマーは、疎水性の部位と親水性の部位とが、コポリマー中にランダムに配置されるため、ランダムコポリマー全体としては、疎水性と親水性とが混ぜ合わさったような中間的な性能を奏する。一方、ブロックコポリマーの場合は、疎水性のモノマーからなる疎水性セグメントと、親水性のモノマーからなる親水性セグメントが、コポリマー中に別々に形成されているため、ブロックコポリマーに、疎水性及び親水性といった性質のそれぞれ異なる部分を付与することができる。
本発明のブロックコポリマーは、特定の疎水性セグメント及び特定の親水性セグメントを有しており、この内の親水性セグメントが、図1に示されるように、表面処理する毛髪の表面に吸着して加水分解し、少なくともコポリマー相互間で架橋構造を形成する。係る架橋構造を有するコポリマーは、毛髪に絡みつき易くなるため、コポリマーが毛髪から脱着しづらくなるものと考えている。また、毛髪は、その表面に水酸基を有しているため、親水性セグメントにおける加水分解して架橋反応する官能基が、毛髪表面の水酸基とも反応して結合する。その結果、コポリマーは毛髪からより脱着しづらくなるものと考えている。
ランダムコポリマーの場合は、架橋する部位と疎水性の部位とが近接してランダムに配置されているため、架橋構造の形成に伴い、疎水性の部位も同時に毛髪に絡みついてしまい、その結果、疎水性の部位に基づく性能を毛髪に対して十分に発揮させることはできないと考えられる。一方、本発明のブロックコポリマーは、図1に示されるように、疎水性セグメント2が、架橋する部位の親水性セグメント3とは別個に離れて配置されているため、疎水性セグメントに基づく性能を毛髪に対して十分に発揮させ得るものと考えている。
《ブロックコポリマー》
本発明のブロックコポリマーは、疎水性セグメントに基づく性能の発現性等を考慮し、コポリマー中の式1又は式2の疎水性セグメントの割合を、10モル%以上、15モル%以上又は20モル%以上とすることができ、また、90モル%以下、80モル%以下又は70モル%以下とすることができる。毛髪への吸着性、架橋構造の形成性等を考慮し、式3の親水性セグメントの割合を、5モル%以上、10モル%以上又は15モル%以上とすることができ、また、70モル%以下、60モル%以下又は50モル%以下とすることができる。
本発明のブロックコポリマーの分子量については、特に限定されないが、例えば、ゲルパーミエーションクロマトグラフ測定における、ポリスチレン換算の数平均分子量としては、1,000~100,000の範囲とすることができ、2,000~50,000の範囲であることが好ましく、5,000~20,000の範囲であることがより好ましい。また、数平均分子量と重量平均分子量との比である分子量分布としては、1.05~5.0の範囲とすることができ、1.05~3.0の範囲であることが好ましい。
〈疎水性セグメント〉
(式1のモノマー)
以下の式1のモノマーは、
Figure 0007366011000008
疎水性セグメントのモノマー単位を構成することができ、コポリマーを適用する毛髪に対し、手触り感等の特性を変化させることができる。
式1中、Rは、水素又はメチル基であり、Rは、水素又はフッ素であり、mは、1~6の整数であり、かつ、nは、5~15の整数である。良好な手触り感等の特性を得る観点から、式1のRは、メチル基であることが好ましく、Rは、水素又はフッ素であることが好ましく、mは、1~3の整数であることが好ましく、nは、10~15の整数であることが好ましい。ここで、式1中の(CH及び(CR の部位は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。
(式2のモノマー)
以下の式2のモノマーは、
Figure 0007366011000009
疎水性セグメントのモノマー単位を構成することができ、コポリマーを適用する毛髪に対し、滑り性、速乾性等の性能を向上させることができる。
式2中、Rは、水素又はメチル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基であり、mは、1~6の整数であり、かつ、pは、5~70の整数である。滑り性、速乾性等の性能の発現性等の観点から、式2のR及びRは、メチル基であることが好ましく、Rは、ブチル基であることが好ましく、mは、1~3の整数であることが好ましく、pは、10~60の整数であることが好ましく、20~60の整数であることがより好ましく、20~50の整数であることが特に好ましい。ここで、式2中の(CHの部位は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。
〈親水性セグメント〉
(式3のモノマー)
以下の式3のモノマーは、
Figure 0007366011000010
親水性セグメントのモノマー単位を構成し、毛髪の表面に吸着して加水分解し、少なくともコポリマー相互間で架橋構造を形成する。
式3中、Rは、水素又はメチル基であり、mは、1~6の整数であり、かつ、Rは、それぞれ独立に、加水分解して架橋反応する官能基である。毛髪への吸着性、架橋構造の形成性等の観点から、式3のRは、メチル基であることが好ましく、Rは、水素原子、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基及びアミノ基から選択される少なくとも一種であることが好ましく、中でも、メトキシ基又はエトキシ基であることがより好ましく、mが、1~3の整数であることが好ましい。ここで、式3中の(CHの部位は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。
〈任意のモノマー〉
本発明の親水性セグメントは、以下の式4のモノマー
Figure 0007366011000011
から構成されるモノマー単位をさらに有していてもよい。係るモノマー単位は、Nにイオン化して毛髪に吸着し易くなるため、ブロックコポリマーが毛髪に対して配向し易くなる。
式4中、Rは、水素又はメチル基であり、mは、1~6の整数であり、かつ、Rは、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基である。毛髪への吸着性等の観点から、R及びRは、メチル基であることが好ましく、mは、1~3の整数であることが好ましい。ここで、式4中の(CHの部位は、直鎖状又は分岐状のいずれであってもよいが、直鎖状であることが好ましい。
ブロックコポリマー中、式4の親水性セグメントの割合は、毛髪への吸着性等の観点から、70モル%以下、60モル%以下、又は50モル%以下とすることができる。
本発明のブロックコポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記式1~4以外のモノマーから構成されるモノマー単位をさらに有していてもよい。係るモノマー単位の割合は、構成するモノマー単位全量の30モル%以下、20モル%以下、10モル%以下、又は5モル%以下の範囲とすることができる。係るモノマーとしては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、エチルアクリルアミド、エチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、N-イソプロピルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、ε―カプロラクタム、ビニルアルコール、無水マレイン酸、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N,N’-ジメチルアクリルアミド、スチレン等が挙げられる。
〈ブロックコポリマーの製造方法〉
本発明のブロックコポリマーは、公知のリビングラジカル重合法によって得ることができる。例えば、上記の式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により疎水性セグメントを形成し、次いで、式3及び存在する場合は式4のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により親水性セグメントを形成してブロックコポリマーを得ることができる。或いは、式3及び存在する場合は式4のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により親水性セグメントを形成し、次いで、式1及び式2から選択される少なくとも一種のモノマーを用い、リビングラジカル重合法により疎水性セグメントを形成してブロックコポリマーを得ることができる。
リビングラジカル重合法は、従来のラジカル重合法に触媒や連鎖移動剤などを加えることによって、末端活性ラジカルの反応性を制御して、擬似リビング的に重合を進行させる方法である。通常のラジカル重合に比べて分子量分布を狭くすることができ、分子量の制御も可能である。公知のリビングラジカル重合法として、具体的には、国際公開第2010/016523号等に開示される非金属触媒を用いるリビングラジカル重合法、国際公開第96/030421号等に開示される金属錯体の添加によるATRP法、米国特許第4,581,429号等に開示される熱解離基を導入するTEMPO法、国際公開第98/001479号等に開示される可逆的付加開裂連鎖移動剤を添加するRAFT重合法、Chem.Express 5(10),801(1990)等に開示される光・熱解離基を有するイニファータ法などを挙げることができる。
中でも、安価で、環境に対する負荷も少ない、非金属触媒を用いるリビングラジカル重合法が好ましい。係る重合法は、例えば、上述した各種モノマー、開始化合物、触媒、ラジカル重合開始剤、及び任意に重合溶媒を用いて実施される。
(開始化合物)
開始化合物としては、以下の式5
Figure 0007366011000012
で表されるヨウ素化合物を用いることが好ましい。
係る開始化合物におけるヨウ素原子は、二級又は三級の炭素原子に結合しており、かつ、X、Y及びZは、同じでも異なってもよく、水素、炭化水素基、ハロゲン基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アシルオキシ基、アリロキシ基、アルコキシ基、アルキルカルボニル基、及びアリルカルボニル基から選択されることが好ましい。
ヨウ素原子は、ヨウ素の解離性を考慮し、二級又は三級の炭素原子に結合していることが好ましい。その結果、X、Y及びZのうち少なくとも2つが水素原子であることはない。以下に、X、Y及びZについて具体的に例示するが、これらに限定されるものではない。
炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、t-ブチル、ペンチル、ドデシルなどのアルキル基;ビニル、アリル、2-メチルビニル、ブテニル、ブタジエニルなどの二重結合を含むアルケニル基;アセチレン、メチルアセチレンなどの三重結合を含むアルキニル基;フェニル、ナフチル、メチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ドデシルフェニル、ビフェニルなどのアリール基であって、その中にはピリジニル、イミダゾリニルなどの複素環も含むことができるアリール基;フェニルメチル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルなどのアリールアルキル基などが挙げられる。
ハロゲン基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
アルコキシカルボニル基又はアリロキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルカルボニル、シクロへキシルカルボニル、ベンジロキシカルボニルやフェノキシカルボニル、ナフトキシカルボニルなどが挙げられる。
アシルオキシ基又はアリロキシ基としては、アセトキシ、エチルカルボニルオキシ、シクロへキシルカルボニルオキシやベンゾイルオキシ、ナフチルカルボキシオキシなどが挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、メトキシエトキシ、フェノキシエトキシなどが挙げられる。
アルキルカルボニル基又はアリルカルボニル基としては、メチルカルボニル、エチルカルボニル、フェニルカルボニルなどが挙げられる。
開始化合物の好ましい具体例としては、1-アイオド-1-フェニルエタン、2-アイオド-2-シアノプロパン、2-アイオド-2-シアノ-4-メチルペンタンなどが挙げられる。
また、係る重合法では、開始化合物の量によってコポリマーの分子量をコントロールすることができる。開始化合物のモル数に対してモノマーのモル数を設定することで、任意の分子量、又は分子量の大小を制御できる。開始化合物とモノマーのモル比は、特に限定されず、要する分子量等に応じて適宜規定することができる。例えば、開始化合物を1モル使用して、分子量100のモノマーを500モル使用して重合した場合、1×100×500=50,000の理論分子量を提供することができる。
(触媒)
触媒としては、開始化合物のヨウ素、又はコポリマー末端のヨウ素を引き抜くことが可能なラジカルになる非金属系化合物、例えば、係る性質を有するリン化合物、窒素化合物又は酸素化合物などを使用することができる。
次のものに限定されないが、例えば、リン化合物としては、ヨウ素原子を含むハロゲン化リン、フォスファイト系化合物、フォスフィネート系化合物などが挙げられ、窒素化合物としては、イミド系化合物、ヒダントイン類、バルビツル酸類、シアヌル酸類などが挙げられ、酸素化合物としては、フェノール系化合物、アイオドオキシフェニル化合物、ビタミン類などが挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて使用することができる。
具体的には、リン化合物としては、ヨウ素原子を含むハロゲン化リン、フォスファイト系化合物、フォスフィネート系化合物であり、例えば、ジクロロアイオドリン、ジブロモアイオドリン、三ヨウ化リン、ジメチルフォスファイト、ジエチルフォスファイト、ジブチルフォスファイト、ジ(パーフロロエチル)フォスフィネート、ジフェニルフォスファイト、ジベンジルフォスファイト、ビス(2-エチルヘキシル)フォスファイト、ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)フォスファイト、ジアリルフォスファイト、エチレンフォスファイト、エチルフェニルフォスフィネート、フェニルフェニルフォスフィネート、エチルメチルフォスフィネート、フェニルメチルフォスフィネートなどが挙げられる。
窒素化合物としては、イミド類として、例えば、スクシンイミド、2,2-ジメチルスクシンイミド、α,α-ジメチル-β-メチルスクシンイミド、3-エチル-3-メチル-2,5-ピロリジンジオン、シス-1,2,3,6-テトラヒドロフタルイミド、α-メチル-α-プロピルスクシンイミド、5-メチルヘキサヒドロイソインドール-1,3-ジオン、2-フェニルスクシンイミド、α-メチル-α-フェニルスクシンイミド、2,3-ジアセトキシスクシンイミド、マレイミド、フタルイミド、4-メチルフタルイミド、N-クロロフタルイミド、N-ブロモフタルイミド、N-ブロモフタルイミド、4-ニトロフタルイミド、2,3-ナフタレンカルボキシイミド、ピロメリットジイミド、5-ブロモイソインドール-1,3-ジオン、N-クロロスクシンイミド、N-ブロモスクシンイミド、N-アイオドスクシンイミドなどが挙げられる。ヒダントイン類としては、ヒダントイン、1-メチルヒダントイン、5,5-ジメチルヒダントイン、5-フェニルヒダントイン、1,3-ジアイオド-5,5-ジメチルヒダントインなどが挙げられる。バルビツル酸類としては、バルビツル酸、5-メチルバルビツル酸、5,5-ジエチルバルビツル酸、5-イソプロピルバルビツル酸、5,5-ジブチルバルビツル酸、チオバルビツル酸、などが挙げられる。シアヌル酸類としては、シアヌル酸、N-メチルシアヌル酸、トリアイオドシアヌル酸などが挙げられる。
酸素化合物としては、芳香環に水酸基を有するフェノール性水酸基であるフェノール系化合物、そのフェノール性水酸基のヨウ素化物であるアイオドオキシフェニル化合物、ビタミン類であり、例えば、フェノール類として、フェノール、ヒドロキノン、4-メトキシフェノール、4-t-ブチルフェノール、4-t-ブチル-2-メチルフェノール、2-t-ブチル-4-メチルフェノール、カテコール、レゾルシン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジメチルフェノール、2,4,6-トリメチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシフェノール、4-ヒドロキシスチレンを重合したポリマー又はそのヒドロキシフェニル基担持ポリマー微粒子、メタクリル酸3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニルエチルなどのフェノール性水酸基を有するモノマーなどが挙げられる。これらはエチレン性不飽和モノマー中に重合禁止剤として添加されているので、市販品のエチレン性不飽和モノマーを精製せずそのまま使用することで効果を発揮することもできる。アイオドオキシフェニル化合物としては、チモールアイオダイドなどが挙げられ、ビタミン類としては、ビタミンC、ビタミンEなどが挙げられる。
触媒の使用量は、一般的にはラジカル重合開始剤のモル数未満であり、重合の制御状態等を考慮し、任意に決定され得る。
(ラジカル重合開始剤)
ラジカル重合開始剤としては、従来公知のものを使用することができ、特に限定されないが、例えば、有機過酸化物又はアゾ化合物などを使用することができる。具体的には、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシド、ジ-t-ブチルパーキシド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ヘキシルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシル-3,3-イソプロピルヒドロパーオキシド、t-ブチルヒドロパーオキシド、ジクミルヒドロパーオキシド、アセチルパーオキシド、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、イソブチルパーオキシド、3,3,5-トリメチルヘキサノイルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’-アゾビス(イソブチレート)などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤は、重合性等の観点から、モノマーのモル数に対して、0.001モル倍以上、0.002モル倍以上又は0.005モル倍以上の範囲で使用することができ、また、0.1モル倍以下、0.05モル倍以下又は0.01モル倍以下の範囲で使用することができる。
(重合溶媒)
必要に応じ、重合溶媒を使用することができる。係る重合溶媒としては、モノマーの官能基に対して反応性を示さないような溶媒が適宜選択される。次のものに限定されないが、例えば、ヘキサン、オクタン、デカン、イソデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの炭化水素系溶剤;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノールなどのアルコール系溶剤;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ブチルカルビトール、ブチルトリエチレングリコール、メチルジプロピレングリコールなどの水酸基含有グリコールエーテル;ジグライム、トリグライム、メチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどのグリコール系溶剤;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、メチルシクロプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶剤;ジメチルケトン、ジエチルケトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノンなどのケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、酪酸メチル、酪酸エチル、カプロラクトン、乳酸メチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、o-ジクロロベンゼンなどのハロゲン系溶剤;ホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、ε-カプロラクタムなどのアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラメチル尿素、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、ニトロメタン、アセトニトリル、ニトロベンゼン、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。
(重合温度)
重合温度は、ラジカル重合開始剤の半減期によって適宜調整され、特に限定されないが、例えば、0℃以上又は30℃以上にすることができ、また、150℃以下又は120℃以下にすることができる。
(重合時間)
重合時間は、モノマーがなくなるまで重合を続けることが好ましく、特に限定されないが、例えば、0.5時間以上、1時間以上又は2時間以上とすることができ、また、48時間以下、24時間以下又は12時間以下とすることができる。
(重合雰囲気)
重合雰囲気は、特に限定されず、大気雰囲気下でそのまま重合してもよく、すなわち、重合系内に通常の範囲内で酸素が存在してもよいし、必要に応じて酸素を除去するため窒素雰囲気下で行ってもよい。使用する各種材料は、蒸留、活性炭又はアルミナ等で不純物を除去してもよいが、市販品をそのまま使用してもよい。また、重合を遮光下で行ってもよく、ガラスのような透明容器中で行ってもよい。
《毛髪化粧料》
本発明のブロックコポリマーは、例えば、非水系溶媒に溶解又は分散させて毛髪化粧料として使用することができる。
(溶媒)
毛髪化粧料が、非水系組成物である場合、溶媒としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、塩素化合物炭化水素、エーテル系溶剤、炭素原子数1~4の脂肪族1~4価アルコール等のアルコール系溶剤、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系溶剤、ジオキサン、酢酸メチル、ジホルムアミド等を使用することができる。中でも、脂肪族1~2価のアルコールである、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコールなどが好ましく、特に安全性の点から、エタノール、イソプロパノールがより好ましい。
毛髪化粧料が、水系組成物である場合、溶媒としては、イオン交換水、蒸留水等の水を使用することができる。
(配合量)
毛髪化粧料中のブロックコポリマーの配合量としては、特に制限されないが、例えば、化粧料の全量に対して、0.1質量%以上、0.2質量%以上、又は0.3質量%以上配合させることができ、また、50質量%以下、25質量%以下、又は10質量%以下配合させることができ、好ましくは0.5質量%~3質量%の範囲で配合させることができる。
(剤型)
毛髪化粧料の剤型は特に限定されず、本発明の効果を発揮し得る形態であればどのようなものでもよい。例えば、液状、乳液状、クリーム状、ジェル状、ミスト、スプレー、エアゾール、ムース等が挙げられる。
(任意成分)
本発明の毛髪化粧料は、本発明の効果に影響を及ぼさない範囲で、各種成分を適宜配合することができる。各種成分としては、化粧料に通常配合し得るような添加成分、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、高級脂肪酸、ローズヒップ油、ツバキ油等の油分、高級アルコール、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、シリコーン化多糖類等の皮膜形成剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、各種抽出液、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、キレート剤、紫外線吸収剤、pH調整剤、皮膚栄養剤、ローヤルゼリーエキス、ビタミン、医薬品、医薬部外品、化粧品等に適用可能な水溶性薬剤、酸化防止剤、緩衝剤、防腐剤、酸化防止助剤、噴射剤、有機系粉末、顔料、染料、色素、香料、水、酸成分、アルカリ成分等を挙げることができる。ここで、水、酸、アルカリは、ブロックコポリマーと別剤としておくことが好ましい。
〈毛髪処理方法〉
本発明の毛髪化粧料による毛髪の処理方法としては、係る化粧料を毛髪に適用し、化粧料に含まれるブロックコポリマー中の加水分解して架橋反応する官能基を、少なくとも毛髪表面上で互いに架橋させるものである。架橋方法としては、例えば、水、酸又はアルカリによる反応、熱による反応などを利用する方法が挙げられる。具体的には、塗布等の公知の手段を用いて、本発明の毛髪化粧料を毛髪に適用した後、係る毛髪を水、水蒸気、酸、若しくはアルカリに接触させることにより、又は加熱することにより加水分解させて架橋させる方法などがある。或いは、水、酸又はアルカリで予め処理した毛髪に、毛髪化粧料を適用して加水分解及び架橋を行ってもよい。
また、本発明の毛髪化粧料に、水、酸又はアルカリを混合し、直ちに塗布する方法も考えられるが、毛髪化粧料と、水、酸又はアルカリとは、別々に毛髪に適用する方が好ましい。水、酸又はアルカリによる反応は、通常、室温でも反応は進行するが、加熱して反応を促進させてもよい。架橋反応の進行が緩慢であってもよい場合には、大気中の水分のみによって自然架橋させることも可能である。また、何れの場合にも均一に塗布、処理するために必要に応じて、はけ、くし、ブラシ等の器具を適宜用いることができる。
本発明の毛髪処理方法で用いられる酸、アルカリとしては、ブロックコポリマーにおける加水分解して架橋反応する官能基の反応を進行させ得るものであれば特に限定されず、有機系若しくは無機系の酸又はアルカリを用いることができる。これらの酸、アルカリは、各々、単独で又は2種以上混合して用いることができ、また、水との混合物であってもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明についてさらに詳しく説明を行うが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下、特に断りのない限り、配合量は質量部で示す。
《実施例1~5及び比較例1~2》
〈共重合体の合成〉
(共重合体1)
攪拌機、逆流コンデンサー、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、下記式2のモノマー25質量部、ヨウ素0.167質量部、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)0.3質量部、及びN-ヨードスクシンイミド0.082質量部を仕込み、窒素バブリングしながら60℃で2時間重合させて疎水性セグメント部を作製した。
Figure 0007366011000013
式2中、R及びRはメチル基、Rはブチル基であり、mは3であり、かつpは10である。
続いて、下記式3のモノマーを11.7質量部、及び下記式4のモノマーを6.4質量部添加し、さらに同温度で2時間重合させて親水性ブロック部を形成して、疎水性セグメント及び親水性セグメントを有するブロックコポリマーを得た。各モノマー原料の使用量から、得られるブロックコポリマーのモル比を換算すると、前記式2のモノマー単位の割合は、約49.4モル%であり、前記式3のモノマー単位の割合は、約25.2モル%であり、前記式4のモノマー単位の割合は、約25.4モル%であった。
Figure 0007366011000014
式3中、Rはメチル基であり、mは3であり、かつ、Rはエトキシ基であり、
Figure 0007366011000015
式4中、R及びRはメチル基であり、mは2である。
(共重合体2)
各モノマーの添加量を、上記式2のモノマー30質量部、上記式3のモノマー21質量部、及び上記式4のモノマー0質量部としたこと以外は、共重合体1と同様の方法で共重合体2のブロックコポリマーを作製した。
(共重合体3)
上記式2のモノマーのpを60に変更したこと、並びに、各モノマーの添加量を、上記式2のモノマー45質量部、上記式3のモノマー3.5質量部、及び上記式4のモノマー1.9質量部としたこと以外は、共重合体1と同様の方法で共重合体3のブロックコポリマーを作製した。
(共重合体4)
上記式2のモノマーのpを30に変更したこと、並びに、各モノマーの添加量を、上記式2のモノマー45質量部、上記式3のモノマー5.5質量部、及び上記式4のモノマー0質量部としたこと以外は、共重合体1と同様の方法で共重合体4のブロックコポリマーを作製した。
(共重合体5)
上記式2のモノマーのpを30に変更したこと、並びに、各モノマーの添加量を、上記式2のモノマー45質量部、上記式3のモノマー2.8質量部、及び上記式4のモノマー0質量部としたこと以外は、共重合体1と同様の方法で共重合体5のブロックコポリマーを作製した。
(共重合体6)
攪拌機、逆流コンデンサー、温度計及び窒素導入管を取り付けた反応容器に、上記式2のモノマー25質量部、上記式3のモノマー11.7質量部、上記式4のモノマー6.3質量部、及びN-ヨードスクシンイミド0.0082質量部を仕込み、窒素バブリングしながら80℃で2時間重合させてランダムコポリマーを作製した。
(共重合体7)
3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン8.0g(27mmol)及びメタクリル酸メチル4.0g(40mmol)をエタノール100mlに溶解し、窒素気流下、70℃で1時間加熱攪拌した後、過硫酸カリウム0.05gを加え一晩反応させて、共重合反応を完結した。反応液を室温まで冷却し、減圧濃縮した。残渣をエタノール10mlに溶解し、n-ヘキサン500ml中に添加した。沈殿物を分取し、目的とするランダムコポリマーを得た。得られたランダムコポリマー中の、yに相当する3-メタクリルオキシプロピルトリエトキシシランモノマー単位の割合は40.3モル%であり、メタクリル酸メチルモノマー単位の割合は59.7モル%であった。
〈化粧料及び評価サンプルの調製方法〉
共重合体1~7をそれぞれ3質量部採取してエタノール97質量部に溶解し、これをスプレー容器に各々充填して化粧料を調製した。
続いて、クエン酸を含む湿潤液中に毛髪を5分間浸漬させた後、湿潤液から毛髪を取り出し、係る毛髪に化粧料を約0.5gスプレー塗布した。クシを通して馴染ませ、5分間大気中で放置した後、毛髪をドライヤーで乾燥させた。次いで、毛髪に180℃のヘアアイロンを15秒間適用し、シャンプー及びコンディショナーを経て、評価サンプルを調製した。
〈評価方法〉
(滑り性評価)
専門パネル20名による滑り性についての官能評価を行った。評価方法としては、化粧料を塗布していない毛髪と、作製直後並びにシャンプー及びコンディショナーを各々30回繰り返した毛髪に対し、滑り性についてアンケートを行い、下記の基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:20名中、16名以上が、滑り性がよかったと回答した。
B:20名中、12~15名が、滑り性がよかったと回答した。
C:20名中、6~11名が、滑り性がよかったと回答した。
D:20名中、0~5名が、滑り性がよかったと回答した。
(速乾性評価)
専門パネル20名による速乾性についての官能評価を行った。評価方法としては、作製直後並びにシャンプー及びコンディショナーを各々30回繰り返した毛髪を、水に1分間浸漬させた後取り出し、タオルドライした後に大気雰囲気中に10分間放置した後の毛髪の乾き具合についてアンケートを行い、下記の基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:20名中、16名以上が乾燥していると回答した。
B:20名中、12~15名が乾燥していると回答した。
C:20名中、6~11名が乾燥していると回答した。
D:20名中、0~5名が乾燥していると回答した。
〈結果〉
表1から明らかなように、実施例1~5のブロックコポリマーを含む化粧料は、比較例1~2のランダムコポリマーを含む化粧料に比べて、滑り性を持続的に付与し得ることが確認できた。また、式2のモノマーのp数、又は式2のモノマー単位の割合が増加するに伴い、速乾性も持続的に付与し得ることが分かった。
《毛髪化粧料の処方例》
以下に、本発明の毛髪化粧料の処方例を挙げるが、この例示に限定されるものではない。なお、以下の処方例に記載したヘアコート剤は、毛髪に対し、滑り性等の使用感を持続的に付与することができるとともに、速乾性も備えていた。
〈処方例1 ヘアコート剤〉
(成分) (質量%)
共重合体1 3
エタノール 90
ジメチコン 3
グリセリン 1
香料 適量
(ヘアコート剤の製造方法)
エタノールを含む容器にブロックコポリマーを攪拌しながら加えて溶解させた。次いで、係る容器に、ジメチコン、グリセリン、及び香料を攪拌しながら加え、ヘアコート剤を作製した。
1 ブロックコポリマー
2 疎水性セグメント
3 親水性セグメント
4 吸着性モノマー単位
5 架橋反応性モノマー単位
6 毛髪

Claims (6)

  1. 疎水性セグメント及び親水性セグメントを有するブロックコポリマーを含有している毛髪化粧料であって、
    前記疎水性セグメントが、下記の式2のモノマーから構成されるモノマー単位を有し、
    前記親水性セグメントが、下記式3のモノマーから構成されるモノマー単位を有する、
    毛髪化粧料
    Figure 0007366011000017
    式2中、
    は、水素又はメチル基であり、
    及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基であり、
    mは、1~6の整数であり、かつ
    pは、5~70の整数であり、
    Figure 0007366011000018
    式3中、
    は、水素又はメチル基であり、
    mは、1~6の整数であり、かつ
    は、それぞれ独立に、加水分解して架橋反応する官能基である。
  2. 前記式2のR及びRが、メチル基であり、Rが、ブチル基であり、mが、1~3の整数であり、pが、10~60の整数であり、かつ
    前記式3のRが、メチル基であり、Rが、水素原子、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基及びアミノ基から選択される少なくとも一種であり、mが、1~3の整数である、
    請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記ブロックコポリマー中、前記式2の疎水性セグメントの割合が、10~90モル%であり、かつ、前記式3の親水性セグメントの割合が、5~70モル%である、請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. 前記親水性セグメントが、下記式4のモノマーから構成されるモノマー単位をさらに有する、請求項1~3の何れか一項に記載の化粧料:
    Figure 0007366011000019
    式4中、
    は、水素又はメチル基であり、
    mは、1~6の整数であり、かつ
    は、それぞれ独立に、炭素原子数1~6のアルキル基である。
  5. 前記ブロックコポリマー中、前記式4の親水性セグメントの割合が、70モル%以下である、請求項4に記載の化粧料。
  6. 請求項1~5の何れか一項に記載の前記化粧料を毛髪に適用し、前記加水分解して架橋反応する官能基を、少なくとも毛髪表面上で架橋させることを含む、毛髪処理方法。
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