JP3996303B2 - マクロモノマー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は化粧料等の配合成分の原料として有用なマクロモノマー、そのポリマー及びそのポリマーを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧料には、皮膚や毛髪に好ましいすべり感を付与する目的で、種々の油剤や高重合ポリシロキサン等のポリマー(以下、基剤という)が配合されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの化粧料の共通の欠点は、効果が不十分であるだけでなく、汗などの親水性成分や皮脂などの油溶性成分によって容易に洗い落とされ、効果の持続性に劣る点である。本発明の課題は十分な効果とその効果の持続性を飛躍的に改善した化粧料及びこれに用いるポリマーを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者はポリ・マクロモノマー、特にポリ(ポリエチレンオキシドマクロモノマー)を配合すれば毛髪に好ましいすべり感を付与でき、かつその持続効果も良好な毛髪化粧料が得られることを見出し、先に特許出願した(特願平11−237879号)。そして、さらに研究を続けた結果、ポリアルキレンオキシドの両末端にビニル重合性基とアミノ基等とをそれぞれ有するマクロモノマーの重合体を配合した化粧料が、皮膚や毛髪に好ましいすべり感を付与し、かつその効果の持続性がさらに優れていることを見出した。
【0005】
すなわち、本発明は、(イ)ビニル重合性基と、(ロ)アミノ基、その酸付加塩及びその第4級アンモニウム塩から選択される1種以上の窒素含有基と、(ハ)ポリアルキレンオキシド基とを有し、ポリアルキレンオキシド(ハ)の片末端位にビニル重合性基(イ)を有し、他の片末端位に窒素含有基(ロ)を有するマクロモノマーを提供する。
さらに本発明は、上記マクロモノマーを重合して得られるポリ・マクロモノマー及びこれを含有する化粧料を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のマクロモノマーは、一般式(1)で表されるものが好ましい。
【0007】
【化2】
X−(OA)n−(OR1)a−Y (1)
【0008】
〔式中、Xはビニル重合性基を示し;
Yは−N(R2)R3 で示される基、その酸付加塩又はその第4級アンモニウム塩を示し(ここで、R2 及びR3 は同一又は異なって水酸基が置換していてもよい炭素数1〜36のアルキル基又はアルケニル基を示す);
Aは炭素数2〜4のアルキレン基を示し;
nは平均値であって1〜1,000の数を示し;
R1 は炭素数1〜36のアルキレン基を示し;
aは0又は1の数を示す。〕
【0009】
一般式(1)中、Xで示されるビニル重合性基としては、例えばCH2=CH-C6H4-CmH2m-(ここでmは1〜18の数を示す)、CH2=CHCO-、CH2=C(CH3)CO-等が挙げられるが、このうち(メタ)アクリロイル基が好ましい。
【0010】
Y基におけるR2 及びR3 としては、炭素数1〜36のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、又は炭素数2〜36のアルケニル基が好ましく、特に炭素数1〜18のアルキル基又はヒドロキシアルキル基が好ましい。-N(R2)R3 の酸付加塩を形成する酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸や酢酸、乳酸、クエン酸等の有機酸が例示される。また第4級アンモニウム塩としては、アルキルハライドもしくはアルケニルハライド、又はジアルキルサルフェートもしくはジアルケニルサルフェート等によりアミノ基が第4級化されたものが例示される。ここでアルキル基及びアルケニル基としては、前記R2 及びR3 で説明したものが例示される。
【0011】
Aとしては、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましい。またn個のオキシアルキレン基(OA)は、同一でも異なっていてもよく、異なるオキシアルキレン基が存在する場合その結合型はブロック型でもランダム型でもよい。
【0012】
R1 としては炭素数1〜36、特に炭素数2〜18のアルキレン基が好ましい。
【0013】
一般式(1)で表されるマクロモノマーのうち、Xが(メタ)アクリロイル基であり、Aが炭素数2及び/又は3のアルキレン基であり、nが10〜500の数であり、R1 が炭素数2〜3のアルキレン基であり、aが0又は1であり、Yがジ(C1−C18アルキル)アミノ基であるマクロモノマーが、これを重合して得られるポリマーを配合した化粧料に、優れたすべり性とその持続性を付与する点より特に好ましい。
【0014】
本発明マクロモノマーは、例えば、ジアルキルアミノアルコールにアルキレンオキシドを付加した後、(メタ)アクリル酸クロライド、クロロメチルスチレン等の重合性ハライドと反応させることにより製造することができる。反応は、まず、ジアルキルアミノエタノールに、水素化アルカリ金属やナフタレンカリウムを、そのまま又はTHF等の有機溶剤溶液として加える。得られたジアルキルアミノエタノールの金属アルコキシドを開始剤として、アルキレンオキシドを−45℃〜95℃の温度範囲で30分間以上、リビング重合させる。
【0015】
得られたリビングポリマーは、(メタ)アクリル酸クロライド等の重合性ハライドと30分間以上、攪拌しながら反応させる。反応混合物はアセトン等の有機溶剤中に入れ、沈殿する塩を濾過により除去する。マクロモノマー溶液は、濃縮後、ヘキサン等の炭化水素系溶媒で再沈精製後、乾燥し、精製する。
【0016】
リビング重合の反応温度と反応時間は、用いるアルキレンオキシドや開始剤等によって異なるが、反応温度は−45℃〜95℃が好ましく、より好ましくは−20℃〜45℃で、反応時間は、30分間以上、より好ましくは1〜60時間である。
リビングポリマーと重合性ハライドの反応温度と時間は、用いる重合性ハライド等により異なるが、反応温度は−45℃〜95℃が好ましく、より好ましくは、−20℃〜30℃で、反応時間は30分間以上、より好ましくは、1〜50時間である。
【0017】
ジアルキルアミノエタノールとしては、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジ(n−ブチル)アミノエタノール等が挙げられる。
水素化アルカリ金属としては、水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化リチウム等が挙げられる。アニオン重合の開始剤としては、水素化アルカリ金属、ナフタレンカリウム以外にも、ナフタレンナトリウム、フルオレニルリチウム、カルバジルカリウム等を用いてもよい。
【0018】
アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド等が挙げられる。
重合性ハライドとしては、(メタ)アクリル酸クロライド、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリル、クロロ酢酸ビニル、ブロモ酢酸ビニル、ヨウ化酢酸ビニル、p−ビニルベンジルクロライド、p−ビニルベンジルブロマイド、4−クロロ−α−メチルスチレン、4−ブロモ−α−メチルスチレン、p−(2−クロロエチル)スチレン、p−(2−ブロムエチル)スチレン、p−(3−クロロプロピル)スチレン、p−(3−ブロムプロピル)スチレン、p−(3−クロロプロピル)スチレン、p−(4−ブロムブチル)スチレン、p−(5−クロロペンチル)スチレン、p−(6−クロロヘキシル)スチレン、p−(7−ブロモヘキシル)スチレン、p−(8−ブロモオクチル)スチレン等が挙げられる。
【0019】
反応混合物から副生する塩を除去する際に用いる有機溶剤としては、目的物であるマクロモノマーが溶解する有機溶剤であればなにを使用してもよい。例えば、ケトン系有機溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、アルコール系有機溶剤(メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等)、アセトニトリル等が挙げられる。
【0020】
再沈精製に用いる炭化水素系溶剤としては、原料のアルキレンオキシドが溶解し、マクロモノマーが不溶である有機溶剤で有ればよい。このような炭化水素系溶剤としては、例えば、直鎖又は環状の飽和炭化水素系溶剤(n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、シクロヘキサン等)、直鎖又は環状の不飽和炭化水素系溶剤(トルエン、キシレン等)、エステル系有機溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、等が挙げられる。
【0021】
本発明のポリ・マクロモノマーは、前述のマクロモノマーを単独重合するか、又はこのマクロモノマーと共重合することにより得られる。ここで共重合体の場合、ポリマー中に本発明のマクロモノマーが0.1モル%以上存在することが好ましい。共重合様式はブロック状でもランダム状でもよい。本発明ポリ・マクロモノマーの重量平均分子量は、これを配合した化粧料のすべり感及びその持続性の点から、好ましくは1万以上、より好ましくは5万〜3000万、特に好ましくは10万〜2000万である。
【0022】
本発明マクロモノマーの重合反応は、ラジカル重合開始剤、酸化還元系触媒の存在下、バルク重合、溶液重合等により行うことができる。ラジカル重合開始剤としては、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2′−アゾビスイソバレロニトリル、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(AVA)、等のアゾ系開始剤や、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド等の過酸化物系開始剤等が挙げられる。
【0023】
酸化還元系触媒としては、過酸化水素−第一鉄塩、過硫酸塩−産生亜硫酸ナトリウム、クメンヒドロペルオキシド−第一鉄塩、過酸化ベンゾイル−ジメチルアニリン、過酸化水素−トリエチルアルミニウム、ヒドロペルオキシド−トリエチルホウ素、過酸化ベンゾイル−ジエチル亜鉛、酸素−トリエチルアルミニウム等が挙げられる。開始剤の使用量は0.01%〜10%が好ましい。
【0024】
ラジカル重合の温度、時間は用いるマクロモノマーや重合開始剤の種類にもよるが通常0℃〜180℃、好ましくは20℃〜100℃で0.5〜48時間である。
反応後、ポリマーを再沈殿、膜精製等の通常の方法で精製することができる。
【0025】
溶液重合の溶媒はマクロモノマーを溶解できるものであれば何でも良い。水、ベンゼン、トルエン等のマクロモノマーの会合を促す溶媒を用いると重合速度、反応率、生成ポリマクロモノマーの分子量を上げることができるので好ましい。溶媒の使用量は0〜95重量%(以下、単に%で示す)が好ましい。
【0026】
本発明化粧料へのポリ・マクロモノマーの配合量は、すべり感及びその持続性の点から0.001〜20%、さらに0.01〜10%、特に0.05〜3%が好ましい。
【0027】
本発明の化粧料として、例えば、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、スキンケア製品、ファンデーション、口紅、ポイントメーク製品、ボディシャンプー、液体石けん、サンスクリーン化粧品等のサンケア製品、ハンドケア製品、防臭化粧品、浴剤等の皮膚化粧料や、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアリキッド、ヘアスプレー、ヘアマニキュア、セットフォーム、ヘアゲル等の毛髪化粧料が例示される。
【0028】
毛髪化粧料の場合には、上記ポリ・マクロモノマーに加えてさらに油剤、ポリオール類を配合するのが、毛髪の感触を向上させる点から好ましい。油剤は化粧料に汎用の油剤であれば特に制約はないが、例えば特開平8−198732号公報第7頁第13欄32行〜第8頁第13欄41行に記載の液状ないし固体の各種油脂、炭化水素類、シリコーン類が挙げられる。
【0029】
油脂類としては、炭素数12〜30の飽和又は不飽和アルコール類;当該アルコール類と多価アルコールとのエーテル類;当該アルコール類と炭素数1〜11の脂肪酸とのエステル類;炭素数12〜30の飽和又は不飽和脂肪酸;当該脂肪酸と一価又は多価アルコールとのエステル類;当該脂肪酸とアミン類とのアミド類;ステロール類;スクアレン;リン脂質;糖脂質;動物性油脂;植物性油脂;シリコーン誘導体が挙げられる。
【0030】
一方、炭化水素類の具体例としては、ワセリン、流動パラフィン、固形パラフィン等が挙げられる。
さらにシリコーン誘導体としては、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
【0031】
これらの油剤の中でも特に炭素数12〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類が好ましい。
【0032】
これらの油剤は、単独でも二種以上を混合しても用いることができ、その配合量は毛髪化粧料中に1〜25%であるのが好ましく、特に3〜20%、さらに5〜15%配合すると、特に十分な効果が得られ、しかも感触も良好であり好ましい。
【0033】
ポリオール類は、化粧料に汎用されるポリオール類であれば特に制約はないが、例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。これらのポリオール類は、毛髪化粧料中に感触向上効果の点から0.1〜25%、さらに0.5〜20%、特に1〜10%配合するのが好ましい。
【0034】
さらに、本発明の毛髪化粧料には本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、アニオン性・両性・カチオン性・非イオン性界面活性剤、アニオン性・両性・カチオン性・非イオン性重合物、香料、パルー化剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を配合しても良い。
【0035】
本発明の皮膚化粧料には、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば粉体、水溶性アルコール類、界面活性剤、粘度調整剤、油分、シリコーン類、pH調整剤、アミノ酸類、抗炎症剤、一重項酸素消去剤又は抗酸化剤、紫外線吸収剤、保湿剤、美白剤、血行促進剤、ビタミン、皮脂抑制剤、制汗剤、収斂剤、防腐剤、金属キレート剤、香料、色素などを、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して配合することができる。
【0036】
具体的には、粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えばケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、マイカ、ベントナイト、チタン被覆雲母、ベンガラ、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、ゼオライト、カーボンブラック等の無機粉末;ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体等の各種樹脂粉体、あるいはこれらの2種以上からなる共重合樹脂粉体;多糖類、ウール、シルク等の有機粉末;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色204号、黄色401号、青色404号等の有機顔料粉末;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキなどからなる顔料粉末;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸などを挙げることができる。これらの粉体は、メチルハイドロジェンメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、メチルポリシロキサン等によるシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N−アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;レシチン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、アルキルリン酸エステル処理等の表面処理を行ったものを用いることもできる。また、これらの粉体を2種以上複合したものを用いることもできる。
【0037】
これらの粉体を配合する場合には、全組成中に0.01〜95%、特に0.02〜90%配合するのが好ましい。
【0038】
水溶性アルコール類としては、特開平11−116427号第3欄、第28〜38行記載のものが挙げられる。これらのうち、特にグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオールが好ましい。
【0039】
これらの水溶性アルコール類を配合する場合には、全組成中に0.01〜40%、特に0.1〜20%配合するのが好ましい。
【0040】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれをも好適に使用することができる。例えば特開平11−116427号、第3欄、第47行〜第4欄、第25行の記載のものや石けんが使用できる。
【0041】
これらの界面活性剤は1種以上を組合わせて用いることができ、これらを配合する場合には、全組成中に0.01〜90%、特に0.01〜30%配合するのが好ましい。
【0042】
粘度調整剤としては、例えばキサンタンガム、カチオン化セルロース、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸キチン、キトサン、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、アイオータカラギーナン、ラムダーカラギーナン、プルラン、キクラゲ、ガティガム、トレハロース、寒天の他、特開平11−116427号の第4欄第31〜36行記載のものが挙げられる。
【0043】
これらの粘度調整剤を配合する場合には、全組成中に0.0001〜10%、特に0.001〜3%配合するのが好ましい。
【0044】
油分としては、例えば固体状若しくは液体状パラフィン、ワセリン、クリスタルオイル、セレシン、オゾケライト、モンタンロウ、スクワラン、スクワレン等の炭化水素類;ユーカリ油、硬化パーム油、ココヤシ油、ハッカ油、月見草油、ミツロウ、ツバキ油、アーモンド油、カカオ油、ヒマシ油、ゴマ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、アボガド油、牛脂、豚脂、馬脂、卵黄脂、オリーブ油、カルナウバロウ、ラノリン、水添ラノリン、ホホバ油;グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチルの他、特開平11−116427号の第4頁第5欄、第2行〜第6欄、第5行のものが挙げられる。
【0045】
これら油分を配合する場合には、可溶化できる範囲で用いるのが好ましく、全組成中に0.001〜25%、特に0.005〜10%配合するのが好ましい。
【0046】
シリコーン類としては、例えばオクタメチルポリシロキサン、テトラデカメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンの他、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のメチルポリシクロシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、さらには、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、オキサゾリル変性シリコーン、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン、特開平6−72851号公報記載の特定の変性オルガノポリシロキサン等の変性シリコーンなどを挙げることができる。
【0047】
これらのシリコーン類を配合する場合には、通常は全組成中に0.001〜25%、特に0.001〜10%配合するのが好ましい。
【0048】
pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、尿素、ε−アミノカプロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸類、グリシンベタイン、リジンベタイン等のベタイン類などが挙げられる。本発明の皮膚化粧料は、pH2〜11、特にpH4〜8の領域とするのが好ましい。
【0049】
アミノ酸類としては、例えばグリシン、セリン、シスチン、アラニン、トレオニン、システイン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、チロシン、プロリン、イソロイシン、トリプトファン、ヒドロキシプロリン等の中性アミノ酸;アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸等の酸性アミノ酸;アルギニン、ヒスチジン、リジン等の塩基性アミノ酸の他、特開平11−116427号第6欄第43〜49行記載のものが挙げられる。
【0050】
これらのアミノ酸類を配合する場合には、1種以上を組合わせて用いることができ、全組成中に0.001〜30%、特に0.01〜5%配合するのが好ましい。
【0051】
抗炎症剤としては、例えばグリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、イプシロンアミノカプロン酸及びその塩、アラントイン、塩化リゾチーム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ−オリザノール、ビサボロール等が挙げられ、これらのうち、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、イプシロンアミノカプロン酸が好ましい。
【0052】
これらの抗炎症剤を配合する場合には、1種以上を組合わせて用いることができ、全組成中に0.001〜5%、特に0.01〜2%配合するのが好ましい。
【0053】
一重項酸素消去剤又は抗酸化剤としては、例えばα−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、リコピン、クリブトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、カプサンチン、クロセチン等のカロチノイド;1,4−ジアザシクロオクタン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、d−トコフェロール、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、L−シスチン、L−システイン、アラニン又はそのアルキルエステル;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート等のタンニン類などが挙げられる。これらのうち、カロチン、トコフェロール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレートが好ましい。
【0054】
【実施例】
実施例1
ω−ジメチルアミノ末端−ポリエチレンオキシド−メタクリレート(マクロモノマー(1))の合成
マクロモノマー(1)は、真空条件下で調製した。
N,N−ジメチルアミノエタノール、メタクリル酸クロライド(MAC)は、カルシウムハイドライド存在下で蒸留して精製した。エチレンオキシド(EO)はカルシウムハイドライド存在下で蒸留し、つぎにナトリウム存在下で蒸留して精製した。ナフタレンカリウムは、5×10-5Torr.の真空下、6gのカリウムと8gのナフタレンを475mLのTHFに入れ、合成した(0.11N)。
まず、N,N−ジメチルアミノエタノールを、淡緑色が消えなくなるまで、ナフタレンカリウムのTHF溶液を加えた。得られたN,N−ジメチルアミノエタノールのカリウムアルコキシドを開始剤として、15.8mLのEOを40℃で40時間、リビング重合させた。重合開始から約10分後には、開始剤の白色結晶は消え、EOの重合が開始されたことが確認できた。
得られたリビングポリマーは、メタクリル酸クロライド(MAC)のTHF溶液と0℃、約1時間、マグネティックスターラーで攪拌しながら反応させた。この反応混合物をアセトン中に入れ、沈殿した塩化カリウムを濾過により除去した。マクロモノマーを含む濾液は濃縮後、ヘキサンで再沈精製後、ベンゼン溶液としてから、48時間凍結乾燥した。
マクロモノマーの構造は、1N-NMR(Bruker,200MHz)により確認した。
重クロロホルム中では、メタクリレートのメチル基プロトンは1.9ppmに、メタクリレートのビニル基プロトンは5.6ppmと6.2ppmに、PEOのエチレンプロトンは3.6ppmに、Nについたメチル基のプロトンは2.9ppmに確認できた。
マクロモノマーの分子量及び分子量分布は、ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定した。RI検出器(JASCORI980)、カラム(Shodex A−802,A−803)。溶離液はTHFで、流速は1mL/min。東ソー(株)製のPEO標準サンプルで分子量は校正した。
合成条件を表1に、結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
実施例2〜4(マクロモノマーの重合)
乾燥アルゴン置換したガラスチューブに、精秤したマクロモノマー(1)と開始剤の4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(AVA)と溶媒のイオン交換水を入れ、凍結融解を繰り返して脱気する。このガラスチューブを真空下で封印し、60℃のオイルバス中で36時間重合を行った。未反応のマクロモノマーは、ベンゼン−ヘキサンの混合溶媒で溶剤分別により、取り除いた。ポリマーは凍結乾燥した。
1H−NMR、多角度光散乱検出器付サイズ排除クロマトグラフィー(MALLS−SEC)により構造確認を行った。
例えば、マクロモノマー(1)の場合、重クロロホルム中では、メタクリレートのメチル基プロトンは1.7ppmに、PEOのエチレンのプロトンは3.6ppmに、Nについたメチル基のプロトンは2.9ppmに確認できた。また、5.6ppmと6.2ppm(モノマーのビニル基プロトン)のピークは全くなく、未反応モノマーが完全に除去されていることが確認できた。
重合条件及び結果を表3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
実施例5(ボディシャンプー組成物)
下記に示した組成のボディシャンプーを常法により製造した。
【0060】
専門パネラーが、本発明品のボディシャンプーを使用して体を洗い、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取った。その後、皮膚のさっぱり感、すべり感を評価した。非常にさっぱりし、すべすべした感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0061】
実施例6(化粧水組成物)
下記に示した組成の化粧水を常法により製造した。
【0062】
専門パネラーが、本発明品の化粧水を洗浄した前腕部に塗布した時の、皮膚のさっぱり感、すべり感を評価した。非常にさっぱりし、さらさらした感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0063】
実施例7(乳液状ファンデーション組成物)
下記に示した組成の乳液状ファンデーションを常法により製造した。
【0064】
専門パネラーが、本発明品の乳液状ファンデーション0.1gをスポンジにとり、頬にのばした。付着性、皮膚のさっぱり感を評価した。付着性がよく、非常にさっぱりした感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても付着性はよく、効果は持続していた。
【0065】
実施例8(シャンプー組成物)
下記に示した組成のシャンプーを常法により製造した。
【0066】
本発明品のシャンプーを使用して洗髪し、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取った。その後、ドライヤーで十分乾燥し、毛髪のすべり感を専門パネラーにより評価した。非常に指通しもよく、なめらかな感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0067】
実施例9(ヘアリンス組成物)
下記に示した組成のヘアリンスを常法により製造した。
【0068】
プレーンシャンプーを使用して洗髪し、すすいだ後、本発明のヘアリンスを均一に塗布して洗髪し、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取った。その後、ドライヤーで十分乾燥し、毛髪のすべり感を専門パネラーにより評価した。非常に指通しもよく、なめらかな感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0069】
実施例10(ヘアトリートメント組成物)
下記に示した組成のヘアトリートメントを常法により製造した。
【0070】
プレーンシャンプーを使用して洗髪し、すすいだ後、本発明のヘアトリートメントを均一に塗布して洗髪し、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取った。その後、ドライヤーで十分乾燥し、毛髪のすべり感を専門パネラーにより評価した。非常に指通しもよく、なめらかな感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0071】
実施例11(ヘアスプレー組成物)
下記に示した原料を混合しヘアスプレー原液とした。原液は所定の容器に封入後に噴射剤を充填しヘアスプレーとした。用いた噴射剤はLPG(2.5kg/cm2)で原液:噴射剤比は50:50とした。
【0072】
スタイルを整えた後に本発明のヘアスプレーを適量スプレーし官能評価を行ったところ、ヘアスプレー本来のセット性が損なわれることなく、且つ、ごわつきもなく高いすべり感があることが確認できた。また、8時間経過後においても効果が持続していた。
【0073】
実施例12(ヘアフォーム組成物)
下記に示した原料を混合しヘアフォーム原液とした。原液は所定の容器に封入後、噴射剤を充填しヘアフォームとした。用いた噴射剤はLPG(5.0kg/cm2)で原液:噴射剤比は90:10とした。
【0074】
スタイルを整えた後に本発明のヘアフォームを塗布し、手櫛でさらにスタイルを整えた後、仕上がった髪の感触を専門パネラーにより官能評価を行ったところ、指通しも良く、なめらかな感触で自然なつや感に仕上がることが確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0075】
【発明の効果】
本発明のポリ・マクロモノマーを配合した化粧料を用いれば、皮膚や毛髪に対して良好なすべり感を持続的に付与することができる。
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