JP3839314B2 - ビニルエーテルコポリマー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧料等の配合成分の原料として有用なビニルエーテルコポリマー、その製造法及びそれを含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
化粧料には、皮膚や毛髪に好ましいすべり感を付与する目的で、種々の油剤や高重合ポリシロキサン等の感触向上剤が配合されている。しかし、これらの化粧料の共通の欠点は、効果が不充分であるだけでなく、汗等の親水性成分や皮脂等の油溶性成分によって容易に洗い落とされ、効果の持続性に劣る点である。
【0003】
本発明の課題は、充分なすべり感とその効果の持続性を与える剤、その製造法及びそれを含有する化粧料を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、一般式(1)で表される構成単位(以下構成単位(1)という)、及び一般式(2)で表される構成単位(以下構成単位(2)という)を有するビニルエーテルコポリマー、その製造法及びこのビニルエーテルコポリマーを含有する化粧料を提供する。
【0005】
【化6】
Figure 0003839314
【0006】
[式中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、mは0〜24の数を示し、m個のA1は同一でも異なっていてもよい。nは1〜36の数を示し、Xは式(3)、(4)又は(5)
【0007】
【化7】
Figure 0003839314
【0008】
で表される基を示す。ここでR2、R3及びR6は同一又は異なって、水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基を示し、R7は、アニオン性基を有する炭素数1〜22のアルキル基あるいはアルケニル基を示し、Y-はアニオンを示す。但し、R2とR3が同時に水素原子となることはない。]
【0009】
【化8】
Figure 0003839314
【0010】
[式中、R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R5は水素原子、炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基を示し、A2は炭素数2〜4のアルキレン基、pは0〜24の数を示し、p個のA2は同一でも異なっていてもよい。但し、p=0の時R5は水素原子ではない。]
【0011】
【発明の実施の形態】
[ビニルエーテルコポリマー]
構成単位(1)において、R1は水素原子が好ましい。オキシアルキレン鎖(A1O)m中、m個のA1は、同一でも異なっていてもよく、ブロック、ランダム何れの構造であってもよい。A1は炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、mは0〜2が好ましい。また、nは1〜4が好ましい。X基におけるR2、R3、R6としては、同一又は異なって、水素原子、炭素数1〜36のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、あるいは炭素数2〜36のアルケニル基が好ましく、更に好ましくは炭素数1〜18、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。但し、R2及びR3が同時に水素原子となることはない。R7は、アニオン性基として、カルボキシ基又はスルホン酸基を有する、好ましくは炭素数1〜8、更に好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、式(5)で表される基は、カルボベタイン又はスルホベタインを示すものが好ましい。Xが式(4)で表される基である時、対イオンはY-で表されるアニオンを示すが、2又は3個のX基の対イオンとして、Y2-、Y3-で表されるアニオンであってもよい。このようなアニオンとして、塩素、ヨウ素、臭素等のハロゲンイオン、硫酸、リン酸等の無機酸からプロトンを除去した無機アニオン、メトサルフェート、エトサルフェート、メトフォスフェート、エトフォスフェート、又は酢酸、乳酸、若しくはクエン酸等の有機酸からプロトンを除去した有機アニオン等が挙げられる。
【0012】
構成単位(2)において、R4は水素原子が好ましい。R5は、好ましくは水素原子、又は炭素数1〜36、更に好ましくは炭素数1〜22のアルキル基あるいはアルケニル基であり、具体例として、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。オキシアルキレン鎖(A2O)p中、p個のA2は同一でも異なっていてもよく、ブロック、ランダム何れの構造であってもよい。A2は炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、pは0〜2が好ましい。
【0013】
これらの中で、構成単位(1)中、R1が水素原子、A1が炭素数2又は3のアルキレン基、mが0又は1、nが1〜3、Xが式(4)で表される基で、R2、R3及びR6が同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基、Y-がハロゲンイオンである構成単位、及び構成単位(2)中、R4が水素原子、R5が水素原子又は炭素数1〜24のアルキル基、A2が炭素数2又は3のアルキレン基、pが0〜2(但し、pが0の場合にはR5は炭素数1〜24のアルキル基)である構成単位を共に有するビニルエーテルコポリマーが、特に好ましく、このようなビニルエーテルコポリマーを配合した化粧料は、特に優れたすべり性とその持続性が付与される。
【0014】
本発明のビニルエーテルコポリマー中に含まれる構成単位(1)及び(2)の割合は、各々0.1モル%以上存在することが好ましく、構成単位(1)が、1〜99モル%、構成単位(2)が、1〜99モル%が更に好ましい。この際、かかる構成単位の共重合様式は、ブロック状でもランダム状でもよい。
【0015】
重合度は、5〜10000が好ましく、50〜5000が更に好ましく、100〜3000が特に好ましい。尚、重合度は、本発明のビニルエーテルコポリマーが、後述する方法1において製造された場合には、後述する工程1で得られる前駆体コポリマーの重量平均分子量から求めることができる。
【0016】
[製造法]
本発明のビニルエーテルコポリマーは、例えば、下記の方法1又は2により、製造することができる。
【0017】
方法1:ハロゲン化アルキルビニルエーテルモノマーを(共)重合反応させた後、その反応物を、1級、2級又は3級アミンと反応させる方法。
【0018】
方法2:ハロゲン化アルキルビニルエーテルモノマーと1級、2級又は3級アミンを反応させた後、その反応物を(共)重合反応させる方法。但し、ハロゲン化アルキルビニルエーテルモノマーとアミンの反応物が水素原子を有する基である時、この反応物を、例えばt−ブチルカルバメート等の保護試剤と反応させた後、(共)重合させ、しかる後に保護基を脱離させる。
【0019】
これらの方法の中では、方法1が、後述するビニルエーテルモノマーの重合法の特性の点から、好ましい。方法1は下記の工程1及び2を含む。
【0020】
工程1:一般式(6)で表されるハロゲン化アルキルビニルエーテルモノマー及び一般式(7)で表されるビニルエーテルモノマーを含有するモノマー混合物を、共重合することにより前駆体となるポリマー(以下、前駆体コポリマーという)を得る工程。
【0021】
【化9】
Figure 0003839314
【0022】
(式中、R4、A2及びpは前記の意味を示し、R5'は水素原子、水素原子の保護基、炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基を示す。但し、p=0の時R5'は水素原子及び水素原子の保護基ではない。)
工程2:工程1で得られた前駆体コポリマー又はこの前駆体コポリマーが水素原子の保護基を有する場合にはそれを脱保護したコポリマーと、一般式(8)で表される1級、2級又は3級アミンを反応させる工程。
【0023】
【化10】
Figure 0003839314
【0024】
(式中、R8、R9及びR10は、同一又は異なって、水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基を示す。但し、R8、R9及びR10が同時に水素原子となることはない。)
工程1において、一般に、ビニルエーテルモノマーの重合としては、モノマーであるビニルエーテル化合物からカルボカチオンを生成し、かつ第2、さらには第3のモノマーに付加してカチオン重合を進行させるカチオン重合法が好ましい。その中でも特に、ビニルエーテルコポリマーの分子量や組成、構造の制御が容易であり、分子量分布や組成分布が狭い均一な重合体が得やすいため、いわゆるリビングカチオン重合法を用いるのがより好ましい。リビングカチオン重合法は、後述するリビングカチオン重合開始剤を用いることで行うことができる。
【0025】
重合は、後述する重合開始剤の存在下、一般式(6)で表されるハロゲン化アルキルビニルエーテルモノマー及び一般式(7)で表されるビニルエーテルモノマー、必要な場合、他のビニルエーテルモノマーを、(共)重合することにより行われる。溶媒は、用いても、用いなくともよい。
【0026】
一般式(7)で表されるビニルエーテルモノマーにおいて、R5'で示される水素原子の保護基としては、シリル基等が挙げられる。R5'の好ましい基として、前述のR5で好ましい基として例示した基が挙げられる。
【0027】
重合温度は、使用する重合開始剤、モノマー及び溶媒等の種類により異なるが、通常−80℃〜150℃の範囲内が好ましく、−78℃〜80℃の範囲内がより好ましい。重合時間は、使用する開始剤、モノマー、溶媒、反応温度等により異なるが、通常10分〜100時間の範囲である。重合反応は、バッチ式又は連続式のどちらの方法でも行うことができる。
【0028】
重合開始剤としては、硫酸、リン酸、塩酸、臭酸、沃化水素、酢酸、トリフルオロ酢酸等のプロトン酸、酸化リン、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物及びその他の固体酸、塩素、臭素、沃素、塩化沃素、塩化臭素、臭化沃素等のハロゲン、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、鉄、ホウ素等の塩化物、臭化物、あるいは弗化物等ハロゲン化金属、アルミニウムあるいは亜鉛等のアルキル化合物、グリニャール試薬と呼ばれるマグネシウムのアルキル化物等の有機金属化合物、トリフェニルメチルカルボニウムイオン等の安定なカルボニウムイオン等が挙げられる。これらの開始剤のうち、金属を含有する開始剤には、必要に応じて、水、アルコール、プロトン酸等のプロトンを生成する化合物、あるいは、ハロゲン化アルキル等のカルボニウムイオンを生成する化合物が共触媒として添加される。
【0029】
これらの中で、リビングカチオン重合開始剤としては、特開昭60−228509号公報において報告されているHI/I2系開始剤、特開昭62−257910号公報、特開平1−108202号公報、特開平1−108203号公報及び特開平4−318004号公報において報告されている有機アルミニウム化合物とエーテルあるいはエステル等の添加剤とを組み合わせた開始剤等が好適に用いられる。
【0030】
溶媒として、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒、塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒が挙げられる。これらの有機溶媒の中でも、トルエン、塩化メチレン、ジエチルエーテルが好適に使用される。これらの有機溶媒は、必要に応じて、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられる。溶媒は、全モノマー100質量部に対して、0〜2000質量部存在させることが好ましい。
【0031】
前駆体コポリマーの重量平均分子量は、ビニルエーテルコポリマーを配合した化粧料が優れたすべり感及びその持続性を有する観点から、好ましくは500〜1000000程度であり、より好ましくは1000〜500000の範囲内である。また、分子量分布の指標である重量平均分子量と数平均分子量の比は、同じく化粧料が優れたすべり感及びその持続性を有する観点から、分子量分布が狭い方が望ましい。重量平均分子量と数平均分子量の比(重量平均分子量/数平均分子量)は、好ましくは1〜2、更に好ましくは1〜1.5である。ここで重量平均分子量、数平均分子量、及び重量平均分子量と数平均分子量の比は、ポリスチレンゲル換算のゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定した[RI検出器、カラム(東ソー(株)製 TSKgelカラムG−2000HXL+3000HXL+4000HXL)、溶離液はクロロホルム]。
【0032】
工程2においては、工程1で得られた前駆体コポリマーと、一般式(8)で表される1級、2級又は3級アミンを反応させる。なお、前駆体コポリマーが水素原子の保護基を有する場合には、保護基を脱離させた後にアミンと反応させる。一般式(8)中、R8、R9及びR10は、同一又は異なって、好ましくは水素原子、炭素数1〜36のアルキル基又はヒドロキシアルキル基、あるいは炭素数2〜36のアルケニル基であり、更に好ましくは炭素数1〜18、特の好ましくは炭素数1〜8のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、i−プロピル基、n−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ヒドロキシエチル基等が挙げられる。
【0033】
一般式(8)で表されるアミンとしては、3級アミンが好ましく、トリメチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン等が挙げられる。
【0034】
反応は、溶媒の不在下で行うことも可能であるが、適当な溶媒の存在下で行うことも可能であり、溶媒としては例えば、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系溶媒、水等が挙げられる。これらの溶媒は、必要に応じて、単独又は2種類以上の組み合わせで用いられる。反応温度は、通常0℃〜150℃の範囲内が好ましく、20℃〜100℃の範囲内がより好ましい。反応時間は、通常30分〜10時間の範囲である。
【0035】
前駆体ポリマーと一般式(8)で表される1級又は2級アミン(R8、R9及びR10のうち、1個又は2個が水素原子の場合)を反応させて得られるビニルエーテルコポリマーは、Xとして式(3)で表される基を有するものであり、更に、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸や酢酸、乳酸、クエン酸、クロロ酢酸等の有機酸により、酸付加塩を形成したり、アルキルハライドもしくはアルケニルハライド、又はジアルキルサルフェートもしくはジアルケニルサルフェート等の4級化剤により4級化させて、Xが式(4)で表される基である化合物としてもよい。4級化剤中のアルキル基及びアルケニル基としては、前記R6で例示したものが好ましい。4級化剤として更に好ましいものは、塩化メチル、塩化エチル、臭化メチル、ヨウ化メチル等の炭素数1〜8のハロゲン化アルキル、硫酸ジメチル、硫酸ジエチル、硫酸ジ−n−プロピル等の炭素数1〜8のアルキル基を有するジアルキルサルフェートが挙げられる。あるいは式(3)で表される基を有するものを、ハロゲン化アルキル若しくはアルケニルカルボン酸塩、又はハロゲン化アルキル若しくはアルケニルスルホン酸塩等と反応させて、Xが式(5)で表される基であるベタインとしても良い。ここでのアルキル基若しくはアルケニル基は、前記R7で例示したものが好ましい。塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。具体的には、例えば、3−クロロプロピルカルボン酸ナトリウム、3−クロロプロピルスルホン酸ナトリウム、クロロ酢酸ナトリウム等が挙げられる。
【0036】
[化粧料]
本発明の化粧料として、例えば、洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、スキンケア製品、ファンデーション、口紅、ポイントメーク製品、ボディシャンプー、液体石けん、サンスクリーン化粧品等のサンケア製品、ハンドケア製品、防臭化粧品、浴剤等の皮膚化粧料や、シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアリキッド、ヘアスプレー、ヘアマニキュア、セットフォーム、ヘアゲル等の毛髪化粧料が例示される。
【0037】
本発明の化粧料は、本発明のビニルエーテルコポリマーを、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%含有する。
【0038】
毛髪化粧料の場合、本発明のビニルエーテルコポリマーに加えてさらに油剤、ポリオール類を配合するのが、毛髪の感触を向上させる点から好ましい。油剤は化粧料に汎用の油剤であれば特に制約はないが、例えば特開平8−198732号公報第7頁第13欄32行〜第8頁第13欄41行に記載の液状ないし固体の各種油脂類、炭化水素類、シリコーン類が挙げられる。
【0039】
油脂類としては、炭素数12〜30の飽和又は不飽和アルコール類;当該アルコール類と多価アルコールとのエーテル類;当該アルコール類と炭素数1〜11の脂肪酸とのエステル類;炭素数12〜30の飽和又は不飽和脂肪酸;当該脂肪酸と一価又は多価アルコールとのエステル類;当該脂肪酸とアミン類とのアミド類;ステロール類;スクアレン;リン脂質;糖脂質;動物性油脂;植物性油脂;シリコーン誘導体が挙げられる。
【0040】
一方、炭化水素類の具体例としては、ワセリン、流動パラフィン、固形パラフィン等が挙げられる。さらにシリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
【0041】
これらの油剤の中でも特に炭素数12〜26の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を有する高級アルコール類が好ましい。これらの油剤は、単独でも二種以上を混合しても用いることができ、その配合量は毛髪化粧料中に1〜25質量%であるのが好ましく、特に3〜20質量%、さらに5〜15質量%配合すると、特に十分な効果が得られ、しかも感触も良好であり好ましい。
【0042】
ポリオール類は、化粧料に汎用されるポリオール類であれば特に制約はないが、例えばグリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。これらのポリオール類は、毛髪化粧料中に感触向上効果の点から0.1〜25質量%、さらに0.5〜20質量%、特に1〜10質量%配合するのが好ましい。
【0043】
さらに、本発明の毛髪化粧料には本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてヒドロキシエチルセルロース等の増粘剤、アニオン性・両性・カチオン性・非イオン性界面活性剤、アニオン性・両性・カチオン性・非イオン性重合物、香料、パール化剤、色素、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤等を配合しても良い。
【0044】
皮膚化粧料としては、本発明のビニルエーテルコポリマーのほか、通常の化粧料に用いられる成分、例えば粉体、水溶性アルコール類、界面活性剤、粘度調整剤、油分、シリコーン類、pH調整剤、アミノ酸類、抗炎症剤、一重項酸素消去剤又は抗酸化剤、紫外線吸収剤、保湿剤、美白剤、血行促進剤、ビタミン、皮脂抑制剤、制汗剤、収斂剤、防腐剤、金属キレート剤、香料、色素等を、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択して配合することができる。
【0045】
具体的には、粉体としては、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えばケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム、タルク、カオリン、マイカ、ベントナイト、チタン被覆雲母、ベンガラ、オキシ塩化ビスマス、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クロム、水酸化クロム、カラミン、ゼオライト、カーボンブラック等の無機粉末;ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体等の各種樹脂粉体、あるいはこれらの2種以上からなる共重合樹脂粉体;多糖類、ウール、シルク等の有機粉末;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色204号、黄色401号、青色404号等の有機顔料粉末;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等からなる顔料粉末;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛等の金属石鹸等を挙げることができる。これらの粉体は、メチルハイドロジェンメチルポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、メチルポリシロキサン等によるシリコーン処理;パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルコール等によるフッ素処理;N−アシルグルタミン酸等によるアミノ酸処理;レシチン処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、アルキルリン酸エステル処理等の表面処理を行ったものを用いることもできる。また、これらの粉体を2種以上複合したものを用いることもできる。これらの粉体を配合する場合には、全組成中に0.01〜95質量%、特に0.02〜90質量%配合するのが好ましい。
【0046】
水溶性アルコール類としては、特開平11−116427号第3欄第28〜38行記載のものが挙げられる。これらのうち、特にグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオールが好ましい。これらの水溶性アルコール類を配合する場合には、全組成中に0.01〜40質量%、特に0.1〜20質量%配合するのが好ましい。
【0047】
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等のいずれをも好適に使用することができる。例えば特開平11−116427号第3欄第47行〜第4欄第25行の記載のものや石けんが使用できる。これらの界面活性剤は1種以上を組合わせて用いることができ、これらを配合する場合には、全組成中に0.01〜90質量%、特に0.01〜30質量%配合するのが好ましい。
【0048】
粘度調整剤としては、例えばキサンタンガム、カチオン化セルロース、ヒアルロン酸ナトリウム、アルギン酸キチン、キトサン、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、アイオータカラギーナン、ラムダーカラギーナン、プルラン、キクラゲ、ガティガム、トレハロース、寒天の他、特開平11−116427号の第4欄第31〜36行記載のものが挙げられる。これらの粘度調整剤を配合する場合には、全組成中に0.0001〜10質量%、特に0.001〜3質量%配合するのが好ましい。
【0049】
油分としては、例えば固体状若しくは液体状パラフィン、ワセリン、クリスタルオイル、セレシン、オゾケライト、モンタンロウ、スクワラン、スクワレン等の炭化水素類;ユーカリ油、硬化パーム油、ココヤシ油、ハッカ油、月見草油、ミツロウ、ツバキ油、アーモンド油、カカオ油、ヒマシ油、ゴマ油、マカデミアナッツ油、ヒマワリ油、ピーナッツ油、アボガド油、牛脂、豚脂、馬脂、卵黄脂、オリーブ油、カルナウバロウ、ラノリン、水添ラノリン、ホホバ油;グリセリンモノステアリン酸エステル、グリセリンジステアリン酸エステル、グリセリンモノオレイン酸エステル、パルミチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチルの他、特開平11−116427号の第4頁第5欄第2行〜第6欄第5行のものが挙げられる。これら油分を配合する場合には、可溶化できる範囲で用いるのが好ましく、全組成中に0.001〜25質量%、特に0.005〜10質量%配合するのが好ましい。
【0050】
シリコーン類としては、例えばオクタメチルポリシロキサン、テトラデカメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンの他、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のメチルポリシクロシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸、さらには、ポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル・アルキル変性シリコーン、オキサゾリル変性シリコーン、アルキルグリセリルエーテル変性シリコーン、特開平6−72851号公報記載の特定の変性オルガノポリシロキサン等の変性シリコーン等を挙げることができる。これらのシリコーン類を配合する場合には、通常は全組成中に0.001〜25質量%、特に0.001〜10質量%配合するのが好ましい。
【0051】
pH調整剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等の金属水酸化物、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、尿素、ε−アミノカプロン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸、乳酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸類、グリシンベタイン、リジンベタイン等のベタイン類等が挙げられる。本発明の皮膚化粧料は、pH2〜11、特にpH4〜8の領域とするのが好ましい。
【0052】
アミノ酸としては、例えばグリシン、セリン、シスチン、アラニン、トレオニン、システイン、バリン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、チロシン、プロリン、イソロイシン、トリプトファン、ヒドロキシプロリン等の中性アミノ酸;アスパラギン酸、アスパラギン、グルタミン、グルタミン酸等の酸性アミノ酸;アルギニン、ヒスチジン、リジン等の塩基性アミノ酸の他、特開平11−116427号第6欄第43〜49行記載のものが挙げられる。これらのアミノ酸を配合する場合には、1種以上を組合わせて用いることができ、全組成中に0.001〜30質量%、特に0.01〜5質量%配合するのが好ましい。
【0053】
抗炎症剤としては、例えばグリチルリチン酸及びその塩、グリチルレチン酸及びその塩、ε−アミノカプロン酸及びその塩、アラントイン、塩化リゾチウム、グアイアズレン、サリチル酸メチル、γ−オリザノール、ビサボロール等が挙げられ、これらのうち、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル、ε−アミノカプロン酸が好ましい。これらの抗炎症剤を配合する場合には、1種以上を組合わせて用いることができ、全組成中に0.001〜5質量%、特に0.01〜2質量%配合するのが好ましい。
【0054】
一重項酸素消去剤又は抗酸化剤としては、例えばα−カロチン、β−カロチン、γ−カロチン、リコピン、クリブトキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、イソゼアキサンチン、ロドキサンチン、カプサンチン、クロセチン等のカロチノイド;1,4−ジアザシクロオクタン、2,5−ジメチルフラン、2−メチルフラン、2,5−ジフェニルフラン、1,3−ジフェニルイソベンゾフラン、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、d−トコフェロール、ヒスチジン、トリプトファン、メチオニン、L−シスチン、L−システイン、アラニン又はそのアルキルエステル;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキン、エピカロカテキン、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレート等のタンニン類等が挙げられる。これらのうち、カロチン、トコフェロール、アスコルビン酸、タンニン酸、エピカテキンガレート、エピカロカテキンガレートが好ましい。
【0055】
【実施例】
実施例1
三方活栓をつけたガラス反応容器を窒素ガス気流下で加熱し、容器内を十分乾燥させた。窒素雰囲気下、容器内に2−クロロエチルビニルエーテル(0.8モーラー(以下Mと略す))、2−エトキシエトキシエチルビニルエーテル(1.6M)、クロロ酢酸メチル(1.0M)、1−イソブトキシエチルアセテート(4.0ミリモーラー(以下mMと略す))、及びトルエンを入れ全体を9mLとし、0℃に冷却した後、(CH3CH21.5AlCl1.5の200mMトルエン溶液1.0mL(20mM)を加えて重合を開始した。160分後、少量のアンモニア水を含むメタノール6mLを加え重合を停止し、水洗により開始剤残渣を除去した。反応液を濃縮後、減圧乾燥することにより前駆体コポリマー3.0gを回収した。重合率は89%。
【0056】
得られた前駆体コポリマーの分子量及び分子量分布は、ポリスチレンゲルを用いたゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)で測定した。ポリスチレン標準サンプルで分子量は校正し、重量平均分子量85000、数平均分子量56700、重量平均分子量と数平均分子量との比1.5であった。得られた前駆体コポリマーの構造は、1H−NMR(Mercury 400)により確認した。重クロロホルム中では、エトキシ末端のエチル基プロトンは1.2ppmと3.5ppmに、コポリマー主鎖のメチレンプロトンは1.5〜2ppmに、コポリマー主鎖のメチンプロトンとオキシエチレンユニットのメチレンプロトン、及びクロロエチル基のメチレンプロトンは3.6ppm付近に確認できた。
【0057】
次に、得られた前駆体コポリマー1.60gをテトラヒドロフラン(THF)34mLに溶解し、耐圧容器中に入れた。30%トリメチルアミン水溶液28mL(トリメチルアミンが前駆体コポリマーの末端クロル基のユニット数の30倍量以上になる量)を加え、80℃で4時間反応させた。揮発分を減圧留去し、半透膜(分画分子量3500)を用いて透析を行った後、一晩凍結乾燥を行った。得られた4級アンモニウム基を有するビニルエーテルコポリマーの構造は、1H−NMR(Mercury 400)により確認した。重水中では、エトキシ末端のエチル基プロトンは1.05ppmと3.45ppmに、コポリマー主鎖のメチレンプロトンは1.5〜2ppmに、コポリマー主鎖のメチンプロトンとオキシエチレンユニットのメチレンプロトンは3.6ppm付近に、4級カチオン基のトリメチル基プロトンは3.05ppmに確認できた。
【0058】
これらの結果から、得られたビニルエーテルコポリマーは、式(9)で表される構成単位及び式(10)で表される構成単位を、モル比で(9)/(10)=142/400で有することがわかった。
【0059】
【化11】
Figure 0003839314
【0060】
実施例2
三方活栓をつけたガラス反応容器を窒素ガス気流下で加熱し、容器内を十分乾燥させた。窒素雰囲気下、容器内に2−エトキシエトキシエチルビニルエーテル(1.6M)、酢酸エチル(1.0M)、1−イソブトキシエチルアセテート(4.0mM)、及びトルエンを入れ全体を9mLとし、0℃に冷却した後、(CH3CH21.5AlCl1.5の2Mトルエン溶液1.0mL(200mM)を加えて重合を開始した。2分後、2−クロロエチルビニルエーテル(0.8M)を添加した。36時間後、少量のアンモニア水を含むメタノール6mLを加え重合を停止し、水洗により開始剤残渣を除去した。反応液を濃縮後、減圧乾燥することにより前駆体コポリマー3.3gを回収した。重合率は97%。
【0061】
得られた前駆体コポリマーの重量平均分子量は64200、数平均分子量は49400、重量平均分子量と数平均分子量との比1.30であった。得られた前駆体コポリマーの構造は、1H−NMRにより確認し、実施例1と同様の構成単位を有することがわかった。
【0062】
この後実施例1と同様にトリメチルアミンと反応させ、4級アンモニウム基を有するビニルエーテルコポリマーを得た。得られたビニルエーテルコポリマーは、前記式(9)で表される構成単位及び式(10)で表される構成単位を、モル比で(9)/(10)=182/400で有することがわかった。
【0063】
このコポリマーの1質量%水溶液は室温では完全に溶解したが、昇温すると43℃で急激に白濁した。さらにこの白濁溶液を冷却していくと40℃で再び溶解し透明になった。
【0064】
実施例3
滴下ロートをつけた丸底フラスコに、イミダゾール25g、ジメチルホルムアミド50mL、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル18.7mLを入れた。0℃に冷却し、t−ブチルジメチルクロロシラン25gを溶解したジメチルホルムアミド50mLを滴下ロートよりゆっくり滴下した。室温で4時間反応させた後、中性水で洗浄し、水素化カルシウムを用いて乾燥後、減圧蒸留により生成し、シリル基で保護されたヒドロキシエチルビニルエーテルモノマーを得た。
【0065】
次に、三方活栓をつけたガラス反応容器を窒素ガス気流下で加熱し、容器内を十分乾燥させた。窒素雰囲気下、容器内に、上記により得られたシリル基で保護されたヒドロキシエチルビニルエーテルモノマー(0.8M)、2−クロロエチルビニルエーテル(1.6M)、クロロ酢酸メチル(1.0M)、1−イソブトキシエチルアセテート(4.0mM)、及びトルエンを入れ全体を5.62mLとし、0℃に冷却した後、(CH3CH21.5AlCl1.5の200mMトルエン溶液0.63mL(20mM)を加えて重合を開始した。40分後、メタノール3mLを加え重合を停止し、水洗により開始剤残渣を除去した。反応液を濃縮後、減圧乾燥することにより前駆体コポリマー2.1gを回収した。重合率は100%。
【0066】
得られた前駆体コポリマーの重量平均分子量は56300、数平均分子量は40800、重量平均分子量と数平均分子量との比1.38であった。得られた前駆体コポリマーの構造は、1H−NMR(Mercury 400)により確認した。重クロロホルム中では、Si原子に結合したメチル基プロトンは0.1ppmに、t−ブチル基プロトンは0.9ppmに、コポリマー主鎖のメチレンプロトンは1.5〜2ppmに、コポリマー主鎖のメチンプロトンとオキシエチレンユニットのメチレンプロトン、及びクロロエチル基のメチレンプロトンは3.6ppm付近に確認できた。
【0067】
次に、得られた前駆体コポリマーをTHFに溶解し(20g/L)、3Nの塩酸酸性エタノール8mLを加え脱シリル保護反応を行った。3時間反応後、重曹水で中和した後、ろ過及び揮発分を減圧留去し、一晩減圧乾燥させた。
【0068】
この前駆体コポリマー0.93gをTHF35mLに溶解し、耐圧容器中に入れた。30%トリメチルアミン水溶液40mL(トリメチルアミンが前駆体コポリマーの末端クロル基のユニット数の30倍量以上になる量)を加え、80℃で4時間反応させた。揮発分を減圧留去し、半透膜(分画分子量3500)を用いて透析を行った後、一晩凍結乾燥を行った。得られた4級アンモニウム基を有するビニルエーテルコポリマーの構造は、1H−NMR(Mercury 400)により確認した。重水中では、コポリマー主鎖のメチレンプロトンは1.5〜2ppmに、コポリマー主鎖のメチンプロトンとオキシエチレンユニットのメチレンプロトンは3.6ppm付近に、4級カチオン基のトリメチル基プロトンは3.05ppmに確認できた。
【0069】
これらの結果から、得られたビニルエーテルコポリマーは、前記式(9)で表される構成単位及び式(11)で表される構成単位を、モル比で(9)/(11)=360/200で有することがわかった。
【0070】
【化12】
Figure 0003839314
【0071】
実施例4
三方活栓をつけたガラス反応容器を窒素ガス気流下で加熱し、容器内を十分乾燥させた。窒素雰囲気下、容器内に、2−クロロエチルビニルエーテル(1.6M)、クロロ酢酸メチル(1.0M)、1−イソブトキシエチルアセテート(4.0mM)、及びトルエンを入れ全体を4.5mLとし、0℃に冷却した後、(CH3CH21.5AlCl1.5の200mMトルエン溶液0.5mL(20mM)を加えて重合を開始した。15分後、実施例3と同様にして得られたシリル基で保護されたヒドロキシエチルビニルエーテルモノマー(0.8M)を加えた。10分後、メタノール3mLを加え重合を停止し、水洗により開始剤残渣を除去した。反応液を濃縮後、減圧乾燥することにより前駆体コポリマー1.56gを回収した。重合率は92%。
【0072】
得られた前駆体コポリマーの重量平均分子量は54100、数平均分子量は41600、重量平均分子量と数平均分子量との比1.30であった。得られた前駆体コポリマーの構造は、1H−NMRにより確認し、実施例3と同様の構成単位を有することがわかった。
【0073】
次に、得られた前駆体コポリマーをTHFに溶解し(20g/L)、3Nの塩酸酸性エタノール7mLを加え脱シリル保護反応を行った。3時間反応後、重曹水で中和した後、ろ過及び揮発分を減圧留去し、一晩減圧乾燥させた。
【0074】
この後実施例1と同様にトリメチルアミンと反応させ、4級アンモニウム基を有するビニルエーテルコポリマーを得た。得られたビニルエーテルコポリマーは、前記式(9)で表される構成単位及び式(11)で表される構成単位を、モル比で(9)/(11)=394/200で有することがわかった。
【0075】
実施例5(ボディシャンプー)
下記に示した組成のボディシャンプーを常法により製造した。
【0076】
Figure 0003839314
専門パネラーが、このボディシャンプーを使用して体を洗い、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取り、その後、皮膚のさっぱり感、すべり感を評価した。非常にさっぱりし、すべすべした感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0077】
実施例6(化粧水)
下記に示した組成の化粧水を常法により製造した。
【0078】
Figure 0003839314
専門パネラーが、この化粧水を洗浄した前腕部に塗布した時の、皮膚のさっぱり感、すべり感を評価した。非常にさっぱりし、さらさらした感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0079】
実施例7(乳液状ファンデーション)
下記に示した組成の乳液状ファンデーションを常法により製造した。
【0080】
Figure 0003839314
専門パネラーが、この乳液状ファンデーション0.1gをスポンジにとり、頬にのばした時の付着性、皮膚のさっぱり感を評価した。付着性がよく、非常にさっぱりした感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても付着性はよく、効果は持続していた。
【0081】
実施例8(シャンプー)
下記に示した組成のシャンプーを常法により製造した。
【0082】
Figure 0003839314
このシャンプーを使用して洗髪し、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取り、ドライヤーで十分乾燥し、毛髪のすべり感を専門パネラーにより評価した。非常に指通しもよく、なめらかな感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0083】
実施例9(ヘアリンス)
下記に示した組成のヘアリンスを常法により製造した。
【0084】
Figure 0003839314
プレーンシャンプーを使用して洗髪し、すすいだ後、このヘアリンスを均一に塗布して洗髪し、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取り、その後、ドライヤーで十分乾燥し、毛髪のすべり感を専門パネラーにより評価した。非常に指通しもよく、なめらかな感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0085】
実施例10(ヘアトリートメント)
下記に示した組成のヘアトリートメントを常法により製造した。
【0086】
Figure 0003839314
プレーンシャンプーを使用して洗髪し、すすいだ後、このヘアトリートメントを均一に塗布して洗髪し、すすいだ後、水分を十分タオルで拭き取り、その後、ドライヤーで十分乾燥し、毛髪のすべり感を専門パネラーにより評価した。非常に指通しもよく、なめらかな感触であることを確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0087】
実施例11(ヘアスプレー)
下記に示した原料を混合しヘアスプレー原液とした。原液は所定の容器に封入後に噴射剤を充填しヘアスプレーとした。用いた噴射剤はLPG(2.5kg/cm2)で原液:噴射剤比は50:50とした。
【0088】
Figure 0003839314
スタイルを整えた後に、このヘアスプレーを適量スプレーし、専門パネラーにより官能評価を行ったところ、ヘアスプレー本来のセット性が損なわれることなく、且つ、ごわつきもなく高いすべり感があることが確認できた。また、8時間経過後においても効果が持続していた。
【0089】
実施例12(ヘアフォーム)
下記に示した原料を混合しヘアフォーム原液とした。原液は所定の容器に封入後、噴射剤を充填しヘアフォームとした。用いた噴射剤はLPG(5.0kg/cm2)で原液:噴射剤比は90:10とした。
【0090】
Figure 0003839314
スタイルを整えた後に、このヘアフォームを塗布し、手櫛でさらにスタイルを整えた後、仕上がった髪の感触を専門パネラーにより官能評価を行ったところ、指通しも良く、なめらかな感触で自然なつや感に仕上がることが確認できた。また、8時間経過後においても効果は持続していた。
【0091】
【発明の効果】
本発明のビニルエーテルコポリマーを配合した化粧料は、皮膚や毛髪に対して良好なすべり感を持続的に付与することができる。

Claims (3)

  1. 下記工程1及び工程2を含む、一般式(1)で表される構成単位、及び一般式(2)で表される構成単位を有するビニルエーテルコポリマーの製造法
    【化1-1】
    Figure 0003839314
    [式中、R1は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、A1は炭素数2〜4のアルキレン基、mは0〜24の数を示し、m個のA1は同一でも異なっていてもよい。nは1〜36の数を示し、Xは式(3)、(4)又は(5)
    【化2-1】
    Figure 0003839314
    で表される基を示す。ここでR2、R3及びR6は同一又は異なって、水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基を示し、R7は、アニオン性基を有する炭素数1〜22のアルキル基あるいはアルケニル基を示し、Y-はアニオンを示す。但し、R2とR3が同時に水素原子となることはない。]
    Figure 0003839314
    [式中、R4は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示し、R5は水素原子、炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基を示し、A2は炭素数2〜4のアルキレン基、pは0〜24の数を示し、p個のA2は同一でも異なっていてもよい。但し、p=0の時R5は水素原子ではない。]
    工程1:一般式(6)で表されるハロゲン化アルキルビニルエーテルモノマー及び一般式(7)で表されるビニルエーテルモノマーを含有するモノマー混合物を、共重合することにより前駆体となるポリマー(以下、前駆体コポリマーという)を得る工程。
    Figure 0003839314
    (式中、R 4 、A 2 及びpは前記の意味を示し、R 5' は水素原子、水素原子の保護基、炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基を示す。但し、p=0の時R 5' は水素原子及び水素原子の保護基ではない。)
    工程2:工程1で得られた前駆体コポリマー又はこの前駆体コポリマーが水素原子の保護基を有する場合にはそれを脱保護したコポリマーと、一般式(8)で表される1級、2級又は3級アミンを反応させる工程。
    Figure 0003839314
    (式中、R 8 、R 9 及びR 10 は、同一又は異なって、水素原子、又は水酸基が置換していてもよい炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基を示す。但し、R 8 、R 9 及びR 10 が同時に水素原子となることはない。)
  2. 一般式(1)で表される構成単位、及び一般式(2−1)で表される構成単位を有するビニルエーテルコポリマー。
    【化1-2】
    Figure 0003839314
    [式中、R 1 、A 1 、m、n及びXは請求項1と同じ意味を示す。]
    【化2-2】
    Figure 0003839314
    [式中、R 4 及びA 2 は請求項1と同じ意味を示し、R 5" は炭素数1〜36の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基あるいはアルケニル基、又は炭素数6〜22のアリール基を示し、p’は0〜24の数(但し、p’=0を除く)を示し、p’個のA 2 は同一でも異なっていてもよい。]
  3. 請求項記載のビニルエーテルコポリマーを含有する化粧料。
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