JPH0966095A - 液状乃至ゲル状芳香剤 - Google Patents

液状乃至ゲル状芳香剤

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JPH0966095A
JPH0966095A JP7224885A JP22488595A JPH0966095A JP H0966095 A JPH0966095 A JP H0966095A JP 7224885 A JP7224885 A JP 7224885A JP 22488595 A JP22488595 A JP 22488595A JP H0966095 A JPH0966095 A JP H0966095A
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JP
Japan
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weight
group
meth
gel
monomer
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Application number
JP7224885A
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English (en)
Inventor
Yujiro Uchiyama
雄二郎 内山
Toru Asagoe
亨 浅越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
T Hasegawa Co Ltd
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Publication date
Application filed by Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd, T Hasegawa Co Ltd filed Critical Osaka Organic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 調製時の加熱による香料の揮散、劣化等の不
都合を回避でき、香料の吸収能が良く揮散バランスが安
定しており、且つ離液現象やゲルのひび割れ等を発生し
ない、経時安定性に優れた芳香剤を得ること。 【解決手段】 カチオン性増粘剤を0.05〜10.0
重量%、香料成分を0.5〜30.0重量%、界面活性
剤を0.5〜50.0重量%、水を20.0〜99.0
重量%、エタノールを0〜30.0重量%の割合で配合
した液状乃至ゲル状芳香剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香料の吸収能及び
揮散バランスがよく、また、離液現象並びにゲルのひび
割れ等を起こさない経時的安定性に優れた空間揮散用液
状乃至ゲル状芳香剤(以下、ゲル状芳香剤と称すること
もある)に関する。更に詳しくは、本発明はカチオン性
増粘剤を0.05〜10.0重量%、香料成分を0.5
〜30.0重量%、界面活性剤を0.5〜50.0重量
%、水を20.0〜99.0重量%、エタノールを0〜
30.0重量%含有することを特徴とする液状乃至ゲル
状芳香剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明タイプあるいは不透明タイプ
等各種の芳香剤が開発され、市場には数多くのこれら製
品が出回っている。不透明タイプの芳香剤としては、例
えば一般的には、水に寒天、カラギーン等のゲル化剤を
加熱溶解させ、これに香料を添加し、乳化剤を用いて香
料を乳化させた後、冷却してゲル化させる方法などが採
用されている。また、透明タイプの芳香剤としては、例
えば、香料と水及び/又はエタノールとの混合物を主剤
とする液体を、カルボキシビニルポリマーとアルカリと
の中和によりゲル化せしめてなる透明ゲル状芳香剤が提
案されている(特開平1−119258号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透明タ
イプあるいは不透明タイプにかかわらず、これらの芳香
剤は、製造工程中にゲル化剤または香料などの成分を溶
解させるため、加熱することが必須の要件となってい
る。この加熱工程により、香料成分中の低沸点部の香料
化合物が揮散し、元の香料成分とは異なった香料バラン
スで揮散するため、香調に好ましくない違和感が生じる
という問題点があった。また、上記提案のカルボキシビ
ニルポリマーは、香料成分の吸収能力並びに保水安定性
に必ずしも満足できるものではなく、時間の経過ととも
に香料成分の揮散量の低下並びに離液現象などを起こ
し、最終的にはゲルのひび割れが生じるなどの使用上の
トラブルが発生していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の如き
従来の液状乃至ゲル状芳香剤の問題点を解決すべく鋭意
研究を行ってきた。その結果、特定のカチオン性増粘剤
を0.05〜10.0重量%、香料成分を0.5〜3
0.0重量%、界面活性剤を0.5〜50.0重量%、
水を20.0〜99.0重量%、エタノールを0〜3
0.0重量%含有させた液状乃至ゲル状芳香剤が、上述
の課題を一挙に解決しうる香料の吸収能及び揮散バラン
スがよく、また、離液現象やゲルのひび割れを起こさな
い経時的安定性に優れた液状乃至ゲル状芳香剤であるこ
とを発見して本発明を完成した。
【0005】本発明は特定のカチオン性増粘剤を特定量
配合することにより、香料の吸収能並びに揮散バランス
が改善され、更に、離液現象やゲルのひび割れを起こさ
ない経時的安定性に優れた液状乃至ゲル状芳香剤を提供
するものである。
【0006】本発明は、カチオン性増粘剤、香料成分、
界面活性剤、水を必須成分とする空間揮散用の液状乃至
ゲル状芳香剤である。ここで空間揮散用とは、容器に充
填してその表面から揮散させるものであり、皮膚塗布用
を除くことを意味する。
【0007】本発明で用いるカチオン性増粘剤は、次の
〜を含有する増粘剤用モノマー組成物を重合させた
ものである。[は下記式化1「式中、R1 は水素原子
又はメチル基、R2 及びR3 はそれぞれ独立して水素原
子、メチル基、エチル基又はt−ブチル基、Aは酸素原
子又はNH基、Bは直鎖状又は側鎖を有する炭素数1〜
4のアルキレン基を示す」で表されるアミン含有(メ
タ)アクリル系モノマー15.0〜85.0重量%、
は下記式化2「式中、R1 は水素原子又はメチル基、R
4 下記式化3(式中pは3又は4の整数を示す)で表さ
れる基又は下記式化4で表される基を示す」で表される
ビニルモノマー0〜80.0重量%、は下記式化5
「式中、R1 は水素原子又はメチル基、Aは酸素原子又
はNH基、R5 は直鎖状又は側鎖を有する炭素数1〜1
7のアルキレン基又は下記式化6(式中、nは1〜4の
整数、qは1〜25の整数を示す。)で表される基、R
6 は水素原子又はメチル基を示す」で表される(メタ)
アクリロイル基含有モノマー1.0〜60.0重量%、
は架橋性ビニルモノマー0.1〜20.0重量%]
【0008】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【0009】次に本発明の構成を説明する。まず、カチ
オン性増粘剤は、前記〜を含有する増粘剤用モノマ
ー組成物を重合して得られるものである。以下、このカ
チオン性増粘剤を構成する各成分〜について詳細に
説明する。
【0010】前記の式化1で表されるアミン含有(メ
タ)アクリル系モノマーは、増粘剤用モノマー組成物を
共重合することによって得られる共重合体を適当な酸で
中和したときに、該共重合体にカチオンイオンの性質を
与える成分である。
【0011】前記アミン含有(メタ)アクリル系モノマ
ーを例示すると、例えばN,N−ジメチルアミノメチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミド等を挙げることができるが、
本発明はこのような例示のみに限定されるものではな
い。尚、本発明においては、前記アミン含有(メタ)ア
クリル系モノマーは、単独でまたは2種以上を混合して
用いることができる。
【0012】前記増粘剤用モノマー組成物におけるアミ
ン含有(メタ)アクリル系モノマーの割合は、15.0
〜85.0重量%、好ましくは、25.0〜75.0重
量%、更に好ましくは、35.0〜65.0重量%とな
るように調製される。このようなアミン含有(メタ)ア
クリル系モノマーの割合が、15.0重量%未満である
場合には、得られる共重合体において該アミン含有(メ
タ)アクリル系モノマーの部分が酸によって中和される
量が少なくなりすぎて十分なゲル粘度を有するものが得
られにくくなり、また前記範囲を超える場合には、得ら
れるカチオン性増粘剤を乾燥した後に形成されるフイル
ムの柔軟性が失われるようになる。
【0013】前記の式化2で表されるビニルモノマー
は、カチオン性増粘剤が乾燥した後に形成されるフイル
ムに柔軟性、光沢性および滑らかさを付与する成分であ
る。
【0014】前記ビニルモノマーを例示すると、例えば
N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、アクリ
ルアミド、メタアクリルアミド等を挙げることができる
が、本発明はこのような例示のみに限定されるものでは
ない。尚、本発明においては前記ビニルモノマーを、単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0015】前記増粘剤用モノマー組成物におけるビニ
ルモノマーの割合は、80.0重量%以下、好ましく
は、75.0重量%以下、更に好ましくは、60.0重
量%以下となるように調製される。このようなビニルモ
ノマーの割合が、前記上限値を超える場合には、得られ
るカチオン性増粘剤のゲル粘度が著しく低下する。尚、
前記ビニルモノマーを配合することによって奏される効
果、即ち、カチオン性増粘剤が、乾燥した後に形成され
るフイルムに柔軟性、光沢性および滑らかさを充分に付
与するためには、前記増粘剤用モノマー組成物における
前記ビニルモノマーの割合は、3.0重量%以上、好ま
しくは、5.0重量%以上、更に好ましくは、20.0
重量%以上である。
【0016】前記の式化5で表される(メタ)アクリ
ロイル基含有モノマーは、カチオン性増粘剤が乾燥した
後に形成されるフイルムの光沢の向上、ゲル粘度の向上
及び各種ポリマーとの相溶性の向上を図るための成分で
ある。
【0017】前記(メタ)アクリロイル基含有モノマー
の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メ
タ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシ
ル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、N−t−ブチル
(メタ)アクリレート、N−t−オクチル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メ
タ)アクリレート(前記式化6中、nが2、qが2〜9
の整数)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート(前記式化6中、nが3、qが2〜23の整
数)等を挙げることができるが、本発明はこのような例
示のみに限定されるものではない。尚、本発明において
は、前記(メタ)アクリロイル基含有モノマーは、単独
または2種以上を混合して用いることができる。
【0018】前記増粘剤用モノマー組成物における(メ
タ)アクリロイル基含有モノマーの割合は、1.0〜6
0.0重量%、好ましくは、1.0〜55.0重量%、
更に好ましくは、2.0〜30.0重量%となるように
調製される。(メタ)アクリロイル基含有モノマーの割
合が60.0重量%を超える場合には、得られる共重合
体中の疎水性基の割合が大きくなり、中和後であっても
水に対する溶解性が小さくなり、滑らかなゲルが得られ
にくくなる。また1.0重量%未満ではゲル粘度が低下
するため、カチオン性増粘剤の使用量を増やす必要があ
り、その分他の芳香剤基材の配合量が低下すると同時に
カチオン性増粘剤が乾燥した後に形成されるフイルムの
光沢が低下する。
【0019】前記の架橋性ビニルモノマーは、1分子
中に2つ以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有する化合
物であり、他の単量体と架橋する性質を有するものであ
る。
【0020】前記架橋性ビニルモノマーを例示すると、
例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポ
リオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ポリプロピレング
リコールジ(メタ)アクリレート等の1分子中に2つ以
上の炭素−炭素不飽和二重結合を有する(メタ)アクリ
ル系モノマー;メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
1,2−ビス(メタ)アクリルアミドエタン、1,5−
ビス(メタ)アクリルアミドペンタン等の1分子中に2
つ以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有する(メタ)ア
クリルアミド系モノマー;ジビニルベンゼン等の1分子
中に2つ以上の炭素−炭素不飽和二重結合を有するビニ
ルモノマー等を挙げることができるが、本発明はこのよ
うな例示のみに限定されるものではない。尚、本発明に
おいては、前記架橋性ビニルモノマーは、1種または2
種以上を混合して用いることができる。
【0021】前記増粘剤用モノマー組成物における架橋
性ビニルモノマーの割合は、0.1〜20.0重量%、
好ましくは1.0〜10.0重量%、更に好ましくは
2.0〜8.0重量%となるように調製される。このよ
うな架橋性ビニルモノマーの割合が、0.1重量%未満
では、得られるカチオン性増粘剤の架橋密度が小さくな
りすぎるため、カチオン性増粘剤の粘度を高くすること
ができなくなり、また、20.0重量%を超えるとカチ
オン性増粘剤の粘度は高くなるが、ゲル中に細かい凝集
物が生じ、均一なゲルが得られにくくなる。
【0022】前記アミン含有(メタ)アクリル系モノマ
ー、ビニルモノマー、(メタ)アクリロイル基含有モノ
マー及び架橋性ビニルモノマーを含有した増粘剤用モノ
マー組成物の重合反応は、一般的な溶媒重合法や塊重合
法によって行うことができるが、例えば、粉体を得るた
めの重合法である析出重合法によって行うこともでき、
通常、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で非水系溶媒中
で加温しながら行うことができる。このように、不活性
ガス雰囲気下で非水系溶媒中で重合反応を行うのは、単
量体又は形成された共重合体中に存在するエステル基が
加水分解されるのを防止するためである。
【0023】本発明においては、前記非水系溶媒として
は、良溶媒単独又は良溶媒と貧溶媒の混合溶媒が用いら
れる。
【0024】本発明において良溶媒が用いられるのは、
各単量体の反応性の差異による単独重合体の生成を抑制
し、均一な重合体を得るためである。尚、本発明におい
て、前記良溶媒とは、25℃において該良溶媒100m
lに対して分子量が10,000以上の共重合体が20
g以上の範囲で溶解し、濁りが認められないような溶媒
を言う。前記良溶媒の具体例としては、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、アセトン、酢酸エ
チル、ベンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることが
できる。これらの良溶媒の中では、エタノール、イソプ
ロパノール及びベンゼンが、比較的高分子量の共重合体
を得ることができるので特に好ましい。
【0025】また、本発明において貧溶媒が用いられる
のは、生成した共重合体を重合溶液から容易に析出させ
るためである。前記貧溶媒とは、25℃において該貧溶
媒100mlに対して分子量が10,000以上の共重
合体を5g以下の範囲で溶解する溶媒を言う。前記貧溶
媒の具体例としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン等の炭素数が15以下の直鎖、分岐
鎖又は環状の脂肪族炭化水素等を挙げることができる。
これらの貧溶媒の中では、比較的沸点が高い炭素数7以
下の直鎖、分岐鎖又は環状の脂肪族炭化水素が好まし
い。なかでも、炭素数が6又は7の直鎖、分岐鎖又は環
状の脂肪族炭化水素は、沸点が高いので特に好ましい。
また中でも安価であり、工業的に取り扱い易いことか
ら、n−ヘキサン、シクロヘキサン等が好ましい。
【0026】得られるカチオン性増粘剤の特性を損なう
ことなくカチオン性増粘剤を合成するためには、前記良
溶媒及び貧溶媒を適切な割合で配合することが好まし
い。前記貧溶媒の割合が大きすぎる場合には、重合が速
やかに進行し、短時間のうちに粉体が析出して、所望の
物性を有するカチオン性増粘剤が得られ難くなる傾向が
あるため、良溶媒と貧溶媒との混合溶媒に対して貧溶媒
の割合は、98重量%以下、好ましくは97重量%以
下、又、良溶媒の割合は2重量%以上、好ましくは3重
量%以上とすることが望ましい。
【0027】反応溶液からカチオン性増粘剤を効率よく
得るためには、重合時の撹拌を良好に行うことのできる
反応装置を用いるのが好ましい。このような反応装置と
して一般に用いられている溶液重合用撹拌機を用いる場
合には、前記増粘剤用モノマー組成物の濃度が30重量
%以下になるように前記溶媒で希釈することが好まし
い。尚、反応に際しては、反応溶液が滞ることがないよ
うにするために、撹拌機等を用いて充分に撹拌すること
が好ましい。前記重合反応は、50〜100℃の加温下
で行うことが好ましく、一般には反応に用いられる溶媒
の還流温度で行われる。重合反応に要する時間は、通常
10時間以上である。尚、重合反応は、残存している単
量体量が10重量%以下になった時点で、任意に終了す
ることができる。尚、残存している単量体の量は、例え
ば、PSDB法等の公知の方法によって臭素を二重結合
に付加し、二重結合含量を測定することによって決定す
ることができる。
【0028】このようにしてカチオン性増粘剤の沈殿物
を含有した反応溶液が得られるが、混合溶媒の除去は、
例えば得られたカチオン性増粘剤の沈殿物を濾過して採
取した後、真空乾燥を施したり、常圧又は減圧下で行う
ことができる。
【0029】重合反応に際しては、重合触媒を用いても
よい。このような重合触媒としては、例えば、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス
(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、
ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ
系化合物や過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等のジ
アシルパーオキサイドやジ−t−ブチルパーオキサイド
等のジアルキルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオ
キシジカーボネート等のパーオキシカーボネート、t−
ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステルで
代表される過酸化物があるが、これらの触媒は1種又は
2種以上を混合して用いられる。また、本発明はこのよ
うな例示に限定されるものではない。尚、増粘剤用モノ
マー組成物中にアミン系モノマーが多く使用されている
場合、過酸化物触媒を多用すると酸化反応等の好ましく
ない副反応が併発し、重合を阻害するおそれがあるの
で、使用するときには注意を要する。一般には、アゾ系
触媒を主に使用することが好ましいが、用いる溶媒の沸
点によっても異なり、例えば、エタノールやベンゼンを
用いる場合には、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ルが取り扱い性がよいので最も好ましい。重合触媒の使
用量は、増粘剤用モノマー組成物の単量体全重量に対し
て0.05〜3,0重量%、特に0.1〜1.0重量%
が好ましい。
【0030】尚、前記単量体の重合過程においては、さ
まざまな様相が呈される。例えば、前記良溶媒のみを用
いた場合には、重合反応の初期の段階で一般の溶液重合
を行った場合と同様の様相を呈するが、反応の進行に伴
って架橋反応が進行し、ゲル状を呈するようになり、更
に反応が進行するに従って沈殿物のないグリース状の生
成物が得られる。
【0031】また、前記良溶媒と貧溶媒との混合溶液を
用いた場合には、重合の初期の段階では一般の溶液重合
法を採用した場合と同様の様相が呈されるが、反応の進
行に伴って架橋反応が進行し、ゲル状を呈するようにな
り、更に反応が進行するに従って得られた重合体はもは
や混合溶媒に溶け込めなくなり、不溶化し、沈殿物とし
て析出する。
【0032】このようにしてカチオン性増粘剤が得られ
るが、該カチオン性増粘剤は、例えば特開平5−140
531号公報、特願平5−298659号公報に記載さ
れている。カチオン性増粘剤は、それ自身、べたつか
ず、ゲル形成能を有するもので、全組成中に0.05〜
10.0重量%、好ましくは0.1〜5.0重量%配合
される。0.05重量%未満では増粘効果は得られず、
10.0重量%を超えると、堅いゲルとなり香料成分が
揮散し難くなるので好ましくない。
【0033】本発明において使用する香料成分として
は、例えば、オレンジ、レモン、ライム、グレープフル
ーツなどの柑橘類精油;ローズ、ジャスミンなどの花精
油;リモネン、α−ピネン、β−ピネン等の炭化水素
類;リナロール、シトロネロール、ゲラニオール、ベン
ジルアルコール、β−フェニルエチルアルコールなどの
アルコール類及びこれらアルコールのエステル類;その
他、調合香料素材として従来から用いられてきた香料化
合物並びにこれらの任意の混合物からなる調合香料組成
物などを挙げることができる。
【0034】これら香料成分の配合量は、ゲル芳香剤の
種類或いは利用形態等の相違により適宜に選択すること
ができるが、一般的にはゲル芳香剤の全体量に対して、
約0.1〜40.0重量%、より好ましくは0.5〜3
0.0重量%配合される。0.1重量%未満では、香料
成分の揮散はほとんど認められず、芳香剤としての効果
は得られない。一方、40.0重量%を超えると、ゲル
状態の悪化を伴い、更に香料成分が過度に揮散し、強す
ぎる芳香となるので好ましくない。
【0035】本発明で用いる界面活性剤としては、例え
ば、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチ
レンアルキルエーテル類、モノオレイン酸ポリエチレン
グリコール等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、
ポリオキシエチレンステアリン酸アミド等のポリオキシ
エチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ
油等の油脂類のポリオキシエチレン誘導体類、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレングリコール等のポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレン共重合体類、ソルビ
タン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル類、ソルビット誘導体類、ショ糖脂肪酸
エステル類及びこれらの任意の混合物等を挙げることが
できる。
【0036】これら界面活性剤の配合量は、特に限定さ
れるものではないが、通常、ゲル状芳香剤の全体量に対
して、約0.1〜60.0重量%、より好ましくは0.
5〜50.0重量%配合される。0.1重量%未満で
は、香料成分が均一に分散しなくなることから、揮散バ
ランスが崩れるという欠点があり、又、60.0重量%
を超えると、満足のできるゲル状態とはならないため好
ましくない。
【0037】本発明において、水の配合量はゲル状芳香
剤の利用形態により、適宜に選択することができ、例え
ば、ゲル状芳香剤の全体量に対して、約15.0〜9
9.0重量%、より好ましくは20.0〜99.0重量
%配合される。15.0重量%未満では、ゲル状態の悪
化を伴い、又、99.0重量%を超えると、好ましいゲ
ル状態にならず、その上香料成分の添加量に制約をうけ
るので採用することができない。
【0038】また、本発明においてはエタノールは、必
ずしも添加する必要はないが、通常、配合するのが好ま
しい。その配合量は、例えば、ゲル状芳香剤の全体量に
対して、約0〜40.0重量%、より好ましくは0〜3
0.0重量%配合される。30.0重量%を超えると、
満足のできるゲル状態を形成し難くなるため、好ましく
ない。
【0039】本発明のゲル状芳香剤には、前記必須成分
の他に所望により、色素類、酸類、紫外線吸収剤、キレ
ート防止剤、保湿剤、防腐剤などの品質向上剤を添加す
ることができる。
【0040】上記品質向上剤のうち色素類としては、例
えば、青色1号、赤色106号、黄色203号、赤色5
04号等;粘度やゲル強度を調整するための酸類として
は、例えば、乳酸、リン酸、クエン酸、マレイン酸、コ
ハク酸等;紫外線吸収剤としては、例えば、テトラヒド
ロキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェ
ノン、スルホン酸ナトリウム等;キレート防止剤として
は、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸塩等;保湿剤
としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−ブチレングリコール、ヘキシレ
ングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチト
ール等;更に防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息
香酸エステル、イソプロピルメチルフェノール、5−ク
ロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン塩等
を挙げることができる。これらの品質向上剤を配合する
場合の配合量は、例えば、ゲル状芳香剤の全体量に対し
て、約0〜1.0重量%程度の範囲内で充分である。
【0041】本発明のゲル状芳香剤は、例えば次のよう
な容易な操作によって製造することができる。即ち、カ
チオン性増粘剤に水を添加した後、所定量の香料成分、
界面活性剤、エタノールからなる均一溶液を添加混合す
る。この操作の温度条件は、各成分を加熱して溶解する
必要はなく、通常は常温条件下で、約0.1時間乃至約
2時間、静置または撹拌条件下で接触させることによっ
て行うことができる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下に実施例によって本発明の実
施の形態を更に詳細に説明するが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。尚、実施例中の全ての配合
量は重量%である。
【0043】(カチオン性増粘剤の製造例)温度計、還
流管及び窒素導入管を備えた三つ口フラスコに、モノマ
ーとしてN,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
50g、N−ビニルピロリドン47.5g、ステアリル
アクリレート2.5g及びトリプロピレングリコールジ
アクリレート1.9gとエタノール23.1g及びシク
ロヘキサン554.3gの混合溶媒[混合比(重量比)
4:96]とを添加し、80℃で還流を行いながら窒素
気流下で2時間撹拌して脱気した。
【0044】次に、2,2’−アゾビスイソブチロニト
リル0.41gを三つ口フラスコに添加し、80℃で重
合を開始した。重合開始45分間経過後にトリプロピレ
ングリコールジアクリレート1.9gを添加し、更に4
5分間経過後にトリプロピレングリコールジアクリレー
ト1.9gを添加した。窒素気流下で撹拌しながら約1
0時間重合反応を行った後、得られたポリマースラリー
溶液を減圧下で濾過し、固形分を減圧下で乾燥した。得
られた乾燥ポリマーを粉砕機で粉砕し、白色粉末状のカ
チオン性増粘剤を得た。
【0045】(実施例1〜3及び比較例1〜3)表1の
処方により実施例1〜3及び比較例1〜3の芳香剤を調
製した。その調製方法はイオン交換水にメチルパラベ
ン、エデト酸二ナトリウム、プロピレングリコール、カ
チオン性増粘剤を添加し、室温下で撹拌して水溶液を調
製した後、50%リン酸で中和し、ゲル化する。一方、
これとは別にエタノール、香料、ポリオキシエチレン
(20)ノニルフェニルエーテルを溶解し、これを前記
のゲル溶液に加える。また、比較例1〜3の芳香剤の調
製方法は、実施例1〜3の芳香剤の調製方法におけるカ
チオン性増粘剤の代わりにカルボキシビニルポリマー及
び50%リン酸の代わりに水酸化ナトリウムを使用し、
溶解温度を約70〜80℃とした他は、実施例1〜3の
芳香剤の調製方法と全く同様にして調製した。得られた
実施例1〜3及び比較例1〜3の芳香剤とも、透明で均
一な組織を有し、好ましいゲル状態を示していた。
【0046】
【表1】
【0047】(香気の持続性及び安定性の試験方法)実
施例1〜3及び比較例1〜3で調製した芳香剤の経時的
な香料の香り立ち試験(香気の持続性)並びに揮散状態
での経時的なゲルの安定性試験を行い、その結果を表2
に示した。尚、香料の香り立ち試験は、それぞれ50g
を広口クリームビンに入れ、3m3 の無臭室でパネラー
10人により評価した。ゲルの安定性試験は、クリーム
ビンの広口を開放にし、室温で揮散させ、揮散状態での
経時的なゲルの安定性試験を行った。
【0048】
【表2】
【0049】試験による評価結果を示す記号は下記の基
準に従った。 ○ : 全体が均一で好ましいゲル状態を示す △ : ゲルにひび割れが生じている状態を示す × : ゲルから液が分離(離液)している状態を示す a : 香気がバランスよく揮散し、その持続性に優れ
る b : 香気は中程度のバランスと持続性を示す c : 香気のバランスが崩れ、その持続性にも劣る
【0050】表2の結果から本発明の芳香剤は、長期間
に亘って香気がバランスよく揮散し、且つその持続性に
優れていることがわかる。特に実施例1及び2の芳香剤
はその効果に優れている。一方、比較例1〜3の芳香剤
は、揮散中に離液現象やゲルのひび割れを起こし、安定
性に劣っていることがわかる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ゲル化剤にカチオン性
増粘剤を使用することにより、香料の吸収能及び揮散バ
ランスがよく、また、離液現象やゲルのひび割れ等を起
こさない経時的安定性に優れたゲル状芳香剤を得ること
ができる。更に本発明の芳香剤は常温条件下という低い
温度で調製可能であるので、従来のゲル化剤のように7
0〜80℃あるいはそれ以上の高温において熔融し、香
料を混合後、冷却ゲル化させるという調製方法で発生し
ていた香料の揮散、劣化等の不都合を回避することがで
きる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の〜を含む増粘剤用モノマー組
    成物を重合してなる カチオン性増粘剤を 0.05〜10.0重量%、 香料成分を 0.5〜30.0重量%、 界面活性剤を 0.5〜50.0重量%、 水を 20.0〜99.0重量%、 エタノールを 0〜30.0重量% 含有することを特徴とする空間揮散用液状乃至ゲル状芳
    香剤。[但しは下記式化1「式中、R1 は水素原子又
    はメチル基、R2 及びR3 はそれぞれ独立して水素原
    子、メチル基、エチル基又はt−ブチル基、Aは酸素原
    子又はNH基、Bは直鎖状又は側鎖を有する炭素数1〜
    4のアルキレン基を示す」で表されるアミン含有(メ
    タ)アクリル系モノマー「非置換または置換アミノ基含
    有(メタ)アクリル系モノマーの意、以下同様」15.
    0〜85.0重量%、は下記式化2「式中、R1 は水
    素原子又はメチル基、R4 は下記式化3(式中pは3又
    は4の整数を示す)で表される基又は下記式化4で表さ
    れる基を示す」で表されるビニルモノマー0〜80.0
    重量%、は下記式化5「式中、R1 は水素原子又はメ
    チル基、Aは酸素原子又はNH基、R5 は直鎖状又は側
    鎖を有する炭素数1〜17のアルキレン基又は下記式化
    6(式中、nは1〜4の整数、qは1〜25の整数を示
    す。)で表される基、R6 は水素原子又はメチル基を示
    す」で表される(メタ)アクリロイル基含有モノマー
    1.0〜60.0重量%、は架橋性ビニルモノマー
    0.1〜20.0重量%] 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 【化5】 【化6】
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100835342B1 (ko) * 2006-01-09 2008-06-09 양진 겔상의 방향제 조성물 및 그 제조 방법

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