JP5577637B2 - アミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた毛髪化粧料用樹脂組成物 - Google Patents
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Description
(1) 該アミンオキシド基含有樹脂溶液を用いてアミンオキシド基含有樹脂含有量18重量%、水含有量10重量%、及びエタノール含有量72重量%の試料溶液を調製し、調製直後の該試料溶液について測定したLab表色系におけるa値(以下、「a0値」と記す。)と、該試料溶液をガラス製サンプル瓶に密封して紫外線を照射した後に測定したLab表色系におけるa値が最大値(以下「amax値」と記す。)のときの該amax値との差da値が、下記式(i)を満たす。
da=amax−a0≦5 ……(i)
(2) 調製直後の上記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるb値(以下、「b0値」と記す。)と、上記試料溶液が上記(1)におけるamax値を示すときのb値(以下、「bm値」と記す。)との差db値が下記式(ii)を満たす。
db=bm−b0≦9 ……(ii)
(3) 調製直後の前記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるL値(以下、「L0値」と記す。)と、前記試料溶液が上記(1)においてamax値を示すときのL値(以下「Lm値」と記す。)との差dL値と、前記da値及びdb値が下記式(iii)を満たす。
dE=(dL2+da2+db2)1/2≦10 ……(iii)
[5] アミノキシド基含有樹脂が、疎水性単量体(B)に由来する構成単位を含み、該疎水性単量体(B)が、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルである、[4]に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
[6] アミンオキシド基含有樹脂中の、親水性単量体(A)に由来する構成単位の割合が15〜90重量%、疎水性単量体(B)に由来する構成単位の割合が85〜10重量%である、[5]に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
[11] アミンオキシド基含有樹脂が、親水性単量体(A)に由来する構成単位として、後記一般式(I)から(IV)で表されるアミンオキシド基含有単量体(a)に由来する構成単位、又は、後記一般式(V)〜(VIII)で表される窒素含有前駆体単量体(b)に由来する構成単位を含む、[8]ないし[10]のいずれかに記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
[12] アミノキシド基含有樹脂が、疎水性単量体(B)に由来する構成単位を含み、該疎水性単量体(B)が、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルである、[10]に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
[13] アミンオキシド基含有樹脂中の、親水性単量体(A)に由来する構成単位の割合が15〜90重量%、疎水性単量体(B)に由来する構成単位の割合が85〜10重量%である、[12]に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
このため、本発明によれば、長期保存安定性に優れたアミンオキシド基含有樹脂溶液、及びそれを用いた商品価値の高い毛髪化粧料用樹脂組成物が提供される。
なお、本明細書において「%」、「ppm」とは、特に記載の無い限り、「重量%」、「重量ppm」を意味する。
また、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」又は「メタクリル酸」を表しており、「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリルアミド」についても同様とする。
アミンオキシド基含有樹脂溶液及びこれを含む毛髪化粧料用樹脂組成物の経時による着色の原因は種々の可能性があると考えられるが、なかでも紫外線照射がその原因の一つとして挙げられ、紫外線照射により、アミンオキシド基含有樹脂溶液及びこれを含む毛髪化粧料用樹脂組成物に経時的に着色ないし変色が生じることが確認された。
一方、アミンオキシド基含有樹脂以外の樹脂を製造した場合の樹脂溶液では、経時による着色ないし変色は生じないことを確認している。
本発明において、Lab表色系におけるa値、b値、L値の測定に供される試料溶液は、アミンオキシド基含有樹脂18重量%、水10重量%、及びエタノール72重量%を含むものであるが、この試料溶液は、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液から、次のようにして調製される。
ただし、後述の実施例の項においては、本発明で問題とする重合禁止剤(実施例においてはヒドロキノンモノメチルエーテル(以下「MEHQ」と略記することがある)を使用した濃度については、重合禁止剤濃度と着色との関係を明確にするために別途明記している。
本発明においては、上述のようにして調製された試料溶液に対して紫外線を照射したときのLab表色系の色度の経時変化が小さいことを特徴とする。
なお、amax値に到る時間は、紫外線の照射条件や照射方法により多少異なり、amaxの値自体もその照射条件や照射方法により、多少変化することがある。例えば、実施例において耐光促進試験機(UVテスター)で紫外線照射を行なった場合に比べて、太陽光に当てて紫外線照射を行った場合ではamax値が低くなる傾向がある。これは、UVテスターを用いた場合よりも太陽光による着色には長い時間がかかるため、a値が最大値になる前にa値に影響を及ぼす赤色が経時的に退色しているなどの原因があると推察される。また、太陽光を照射した場合には、波長300〜400nmの紫外線以外の光も同時に照射されるため、これらの影響があることも考えられる。
しかし、紫外線などの外部環境による試料溶液の着色が少ない本発明の範囲内においては、照射条件や照射方法による差は大きなものではない。
本発明においては、前述の方法で調製された試料溶液について蒸留水を標準試料として測定したLab表色における色度が、下記(i)式及び(ii)式を満たし、好ましくは更に下記(iii)式を満たす。
da=amax−a0≦5 ……(i)
db=bm−b0≦9 ……(ii)
dE=(dL2+da2+db2)1/2≦10 ……(iii)
(ただし、dL=Lm−L0)
なお、試料溶液の調製直後とは、試料溶液を調製した後、積極的な紫外線照射を行わない状態で、24時間以内をさす。
da値(amax−a0)は好ましくは3以下であり、db値(bm−b0)は好ましくは5以下であり、dE(=(dL2+da2+db2)1/2)はより好ましくは6以下である。このような値であれば、毛髪化粧料用樹脂組成物(一般的にアミンオキシド基含有樹脂濃度0.01〜10重量%)としたときに着色の問題はほとんど解消できる。
da≦3、db≦5、dE≦6であれば、このアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて毛髪化粧料用樹脂組成物とした場合に変色が非常に少なく、高品質の製品とすることができる。
また、da≦5、db≦9であれば、毛髪化粧料用樹脂組成物とした場合に変色はややあるが、実用上に問題はなく、da=5、db=9を超えると、毛髪化粧料用樹脂組成物とした場合に変色があり実用上問題となる。
本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液、およびこれを用いて調製された毛髪化粧料用樹脂組成物において、このアミンオキシド基含有樹脂溶液が重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量がアミンオキシド基含有樹脂含有量に対して750ppm以下であることを特徴とする。
本発明の毛髪化粧料用樹脂組成物はまた、重合禁止剤を含まないか、或いは、重合禁止剤含有量が20ppm以下であることを特徴とする。
毛髪化粧料用樹脂組成物の重合禁止剤含有量が20ppm以下であると着色の問題がなく、毛髪化粧料用樹脂組成物として好ましい。毛髪化粧料用樹脂組成物中の重合禁止剤含有量は、少ない程好ましく、10ppm以下であることが好ましく、5ppm以下であることが更に好ましい。
本発明に係る重合禁止剤とは、通常はアミンオキシド基含有樹脂の原料モノマー中に含有され、その結果毛髪化粧料用樹脂組成物の調製に供されるアミンオキシド基含有樹脂溶液中に含まれるものであり、例えば、次のようなものが挙げられる。
本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液ないしは毛髪化粧料用樹脂組成物に含有される重合禁止剤は、後述のアミンオキシド基含有樹脂製造工程で用いられるアミンオキシド基含有樹脂の原料モノマー中に含有されるものである。
(2) アミンオキシド基含有樹脂を合成後、アミンオキシド基含有樹脂をカチオン交換樹脂で処理する。
(3) 原料モノマーから重合禁止剤を吸着や蒸留により除去して重合禁止剤含有量を低減させるか、重合禁止剤を含まないものとした原料モノマーを用いてアミンオキシド基含有樹脂を製造する。
(4) 原料モノマーに重合禁止剤を添加しない、又は添加量を少なくした原料モノマーを用いてアミンオキシド基含有樹脂を製造する。
(5) 上記(1) 〜(4)の方法を組み合わせて行う。
(条件)
・通液SV(空間速度)=0.1〜0.8hr−1
・温度:10〜60℃
(1−2) アミンオキシド基含有樹脂溶液中に活性炭を入れ、撹拌した後、固液分離する方法
(条件)
・アミンオキシド基含有樹脂溶液:活性炭=1:10〜2:1(容量比)
・温度:10〜80℃
・撹拌時間:1〜10時間
一般に、アミンオキシド基含有樹脂溶液は、その製造工程上、オキシド化試薬として用いる過酸化水素等の酸化剤を含んでいる場合が多い。一方で、一般的にアニオン交換樹脂は、過酸化水素などの酸化剤により樹脂を構成する主鎖や官能基が攻撃を受け、分解等による樹脂からの脱離物の発生や樹脂寿命の低下の問題があると言われている。このため、アニオン交換樹脂で処理されたアミンオキシド基含有樹脂溶液中には、アニオン交換樹脂からの脱離物等の不純物の混入の問題や、臭い、色への悪影響などが懸念されることから工業的に好ましくないと考えられる。
本発明に係るアミンオキシド基含有樹脂の製造方法については特に制限はないが、例えば、アミンオキシド基含有単量体を含む親水性単量体(以下、「(A)成分」、或いは「親水性単量体(A)」と称す場合がある。)と、必要に応じて用いられる疎水性単量体(以下、「(B)成分」、或いは「疎水性単量体(B)」と称す場合がある。)とを重合又は共重合させることにより、前述のアミンオキシド基含有樹脂溶液として製造することができる。
(a)成分のアミンオキシド基含有単量体としては、例えば下記一般式(I)〜(IV)で表される単量体が挙げられる。
(b)成分のオキシド化される前の窒素含有前駆体単量体としては、下記一般式(V)〜(VIII)で表される単量体が挙げられる。
上記(b)成分はオキシド化せず、(A)成分の親水性単量体としてそのまま使用することもできる。
その他の(A)成分として、上記アミンオキシド基含有単量体(a)や窒素含有前駆体単量体(b)等のアミンオキシド基導入用単量体の他に、他の親水性単量体(c)を用いることもできる。これらの親水性単量体としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、又は同一分子中にアニオン及びカチオン両イオン性を有する両性の単量体が挙げられる。
疎水性単量体(B)としては、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸アルキルエステル、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、ビニルメチルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル、酢酸ビニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等の疎水性ビニルモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸のフルオロアルキルエステル、ラジカル重合性不飽和基含有シリコンマクロモノマー等の不飽和基含有マクロモノマー等が例示される。
(B)成分である疎水性単量体の好ましい使用量は、(B)成分の疎水性の程度、得られるアミンオキシド基含有樹脂の用途、使用形態により異なる。一般に、重合に供される単量体全体の85重量%以下で、且つ重合後の樹脂の水溶性が損なわれない範囲である。
好ましくは(A)成分が30〜100重量%、(B)成分が70〜0重量%、更に好ましくは(A)成分が50〜100重量%、(B)成分が50〜0重量%である。
本発明に係るアミンオキシド基含有樹脂の製造方法としては、
(1)前記一般式(V)〜(VIII)で表される窒素含有前駆体単量体(b)をオキシド化し、得られたアミンオキシド基含有単量体を用いて重合又は共重合させる方法
(2)前記一般式(V)〜(VIII)で表される窒素含有前駆体単量体(b)を用いて重合又は共重合させ、得られた窒素含有重合体をオキシド化する方法
(3)反応活性な官能基をもつ単量体を用いて重合又は共重合した後、当該官能基と反応し得る活性基及びアミンオキシド基を合せ持った物質を反応させる方法
等が採用できるが、中でも上記(2)の方法が好ましい。
これらの重合開始剤は、反応に供される単量体成分に対して、通常0.01〜5重量%の割合で用いられる。
上記(2)の方法でアミンオキシド基含有樹脂を製造する場合、単量体成分を重合させて得られた前駆体ポリマー溶液に、オキシド化剤を加えて20℃〜100℃の範囲で0.1〜100時間、好ましくは1〜50時間オキシド化することによってアミンオキシド基含有樹脂を得る。
上述のようにして得られる本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて、毛髪化粧料用樹脂組成物を調製することができる。本発明の毛髪化粧料用樹脂組成物としては、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製されていればよく、その他に一般的に毛髪化粧料に用いられる公知の化合物を含んでいてもよい。
例えば、本発明のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いてシャンプー、リンス、トリートメント、セット剤、パーマネントウエーブ液等の毛髪化粧料用樹脂組成物が製造される。
この際、従来使用されている公知のポリマーと上記アミンオキシド基含有樹脂とを併用使用してもよい。
エタノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール;
モノステアリルグリセリンエーテル、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝アルコール等のアルコール類;
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン(ベヘニル)酸、オレイン酸、1,2−ヒドロキシステアリン酸、ウンデシレン酸、トール酸、ラノリン脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、γ−リノレン酸、エイコサペンタエン酸等の高級脂肪酸類及びその誘導体;
カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子;
キサンタンガム、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子;
コラーゲン、ゼラチン等の動物系高分子などの天然水溶性高分子;
メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子;
アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子などの半合成水溶性高分子;
ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキ
シビニルポリマー(カーボポール)等のビニル系高分子;
ポリエチレングリコール20,000、4,000,000、600,000等のポリオキシエチレン系高分子;
ポリエチレンイミンなどの合成水溶性高分子;
ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラボナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機の水溶性高分子;
揮発性シリコーン油、シリコーン樹脂、シリコーンガム、アルキル変性シリコーン等のシリコーン類;
N−ラウリル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−ヤシ油脂肪酸−L−グルタミン酸モノトリエタノールアミン、N−ミリスチル酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム、N−混合脂肪酸アシル−L−グルタミン酸モノナトリウム等のN−脂肪酸アシル−L−グルタミン酸塩;
ラウリン酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム等のN−脂肪酸−N−メチルタウリン塩;
ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム等のN−脂肪酸サルコシン縮合物の塩;
アシルサルコシンナトリウム、アシルグルタミン酸塩、アシル−β−アラニンナトリウム、アシルタウレート、ラウリル硫酸塩、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の界面活性剤;
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等の金属イオン封鎖剤;
3−(4′−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4′−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、安息香酸系、アントラニル酸系、サリチル酸系、桂皮酸系、ベンゾフェノン系等、各種紫外線吸収剤;
グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等の乳化剤;
(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、マルチトール、ソルビトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−1,2−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン等の保湿剤;
ヒノキチオール、ヘキサクロロフェン、ベンザルコニウムクロリド、トリクロロカルバニリド及びピチオノール等の抗菌剤;
塩化カルプロニウム等の血管拡張剤;
メントール類等の清涼感付与剤;
ニコチン酸ベンジル等の刺激感付与剤;
ビタミンA、B、C、D、E等のビタミン類;
グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、パラオキシ安息香酸エステル等の殺菌防腐剤;
タンパク加水分解物、アミノ酸、植物抽出エキス、EDTA−Na等のキレート化剤
コハク酸、コハク酸ナトリウム、トリエタノールアミン等のpH調製剤;
増泡剤、発泡剤、泡安定剤、エアゾール製品の場合は液化石油ガス、ジメチルエーテル等の噴射剤、金属イオン捕獲剤、防黴剤、殺菌剤、乳濁剤、コンディショニング剤、増粘剤、酸化防止剤、可溶化剤、ロジン、ハイドロトロープ、養毛剤、生薬、色素、香料。
なお、以下において、「部」は「重量部」を意味し、「%」「ppm」はそれぞれ「重量%」「重量ppm」を意味する。
ジメチルアミノエチルメタクリレート:2000ppm
メタクリル酸ラウリル:1000ppm
メタクリル酸t−ブチル:200ppm
<MEHQ濃度の分析方法>
ガスクロマトグラフィー:ヒューレットパッカード社製「HP6850シリーズGCシステム」を用い、以下の条件及び仕様で測定した。
カラム:ヒューレットパッカード社製「HP−1」
インジェクション温度:250℃
カラム温度:60℃から130℃までは7℃/分で昇温し、130℃から250℃までは15℃/分で昇温させた
キャリアガス:ヘリウム 15ml/分
検出器:FID
製造例1:樹脂溶液P−1の製造
還流冷却器、滴下ロート、温度計、窒素置換用ガラス管、及び撹拌装置を取り付けた五つ口フラスコ内に、ジメチルアミノエチルメタクリレート50部、メタクリル酸ラウリル25部、メタクリル酸t−ブチル25部、及び無水エタノール200部を仕込み、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート0.2部を添加して、撹拌を行いながら窒素気流下、80℃に加熱して8時間反応させて共重合体溶液を得た。ポリスチレンを標準物質とするGPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)分析により求めたこの共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換算)は100,000であった。
この樹脂溶液P−1のMEHQ濃度は390ppmであり、樹脂固形分当たりのMEHQ濃度は1300ppmであった。
製造例1と同様に共重合反応とオキシド化反応を行った後、反応液を下記条件でエタノールを充満させた活性炭カラムに通して、MEHQを除去した。
(条件)
・温度:室温(20〜35℃)
・通液SV:0.25hr−1
その後、カラム流出液の組成を樹脂分30%、水7%、エタノール63%に調整して、樹脂溶液P−2を得た。
この溶液P−2のMEHQは、検出限界以下であった。
製造例1と同様にモノマー、溶媒、重合開始剤を仕込んで共重合体反応を行った後、得られた共重合体溶液に、ジメチルアミノエチルメタクリレートと等モルのモノクロロ酢酸ナトリウムを添加し、さらに12時間撹拌を行って、ジメチルアミノ基の両性イオン化反応を行った。
この溶液を加圧濾過して生成した塩化ナトリウムを除去した後、溶液組成を樹脂分30%、水7%、エタノール63%に調節して、樹脂溶液P−3を得た。
この樹脂溶液P−3のMEHQ濃度は390ppmであり、樹脂固形分当たりのMEHQ濃度は1300ppmであった。
製造例1において、ジメチルアミノエチルメタクリレートに代えてモノマー重量に対してMEHQ濃度が200ppmであるジメチルアミノエチルメタクリレートを用いた以外は、製造例1と同様の条件で共重合体を得た。製造例1と同様の分析法で求めたこの共重合体の重量平均分子量は100,000であった。
この樹脂溶液P−4のMEHQ濃度は34ppmであり、樹脂固形分当たりのMEHQ濃度は113ppmであった。
実施例1,2、比較例1,2、参考例1
製造例1〜3で得られた樹脂溶液P−1〜P−3を用い、表2に示す配合で調合し、それぞれ表2に示す組成の試料溶液を調製した。
得られた試料溶液40mlをそれぞれガラス製サンプル瓶(容量50ml)に密封し、屋外にて14日間太陽光に当てた。ただし、参考例1においては、実施例1,2及び比較例1,2とは別の試験日に、同様のサンプル瓶を屋外にて4日間太陽光に当てた。この参考例1における4日間の太陽光照射による紫外線の積算光量は、約100J/cm2と算出され、他の例における7日間の算出紫外線積算光量とほぼ同等であった。
このようにサンプル瓶を太陽光に当てた際の色度の変化を下記方法で測定した。
光路長10mmのガラス製セルに試料溶液を入れ、日本電色工業社製 測色色差計ND−1001DP型を用い、蒸留水を標準試料として測定、計算し、Lab表色系の測定値を得た。L,a,b値、dL,da,db値の経時変化から、amax,bm,Lm値と、それぞれda,db,dLを求め、下記式で変色度dE値を計算した。
dE=(dL2+da2+db2)1/2
光照射前後のdEが大きいほど変色が大きいことを示す。
また、a0、b0、L0、amax、bm、Lm、da、db、dLとdEの値を表2に示す。
なお、表2には調製された試料溶液のpHを併記した。
実施例3、比較例3
製造例4及び製造例1で得られた樹脂溶液P−4、P−1を用い、表4に示す配合で調合し、それぞれ表4に示す組成の試料溶液を調製した。
得られた試料溶液6mlをそれぞれガラス製サンプル瓶(容量10ml)に密封し、耐光促進試験機(アイスパーUVテスターSUV−W1(岩崎電気社製))にて、波長300〜400nmの紫外線を、600W/m2の強度で、0分、10分、20分、30分、40分、50分間照射した。
このようにサンプル瓶に紫外線を照射した際の色度の変化を下記方法で測定した。
光路長10mmのガラス製セルに試料溶液を入れ、日本分光社製 紫外可視分光光度計V−530と色彩計算カードTSV−566型を用いて、蒸留水を標準試料として測定、計算し、Lab表色系の測定値を得た。L,a,b値、dL,da,db値の経時変化から、実施例1におけると同様にしてamax,bm,Lm値と、それぞれda,db,dLを求め、変色度dE値を計算した。
a値、b値、L値の経時変化を表3に示す。
また、a0、b0、L0、amax、bm、Lm、da、db、dLとdEの値を表4に示す。
なお、表4には調製された試料溶液のpHを併記した。
比較例1は、MEHQ濃度390ppm(樹脂固形分当たりのMEHQ濃度1300ppm)の樹脂溶液P−1を用いて試料溶液を調製したものであり、試料溶液中にMEHQを234ppm含み、da=6.2、db=9.7、dE=12.9と着色が大きい。
比較例2は、MEHQを含まない樹脂溶液P−2を用いたものの、MEHQを外添してMEHQ濃度234ppmの試料溶液としたものであり、da=7.5、db=17.1、dE=19.7と着色が大きい。
また、実施例2は、MEHQを含まない樹脂溶液P−2を用い、MEHQを外添してMEHQ濃度22ppmの試料溶液としたものであるが、MEHQ濃度が低いため、da=2.7、db=2.5、dE=5.0と着色は殆どないと言える。
従って、アミンオキシド基含有樹脂溶液中のMEHQ濃度を制御することにより、着色を防止することができることが分かる。
比較例3は、MEHQ濃度390ppm(樹脂固形分当たりのMEHQ濃度1300ppm)の樹脂溶液P−1を用いて試料溶液を調製したものであり、試料溶液中にMEHQを234ppm含み、da=16.0、db=14.9、dE=26.6と着色が大きい。
アミンオキシド基含有樹脂溶液を含むサンプルであって、着色状態の異なる45種のサンプルについて、前述した両測定方法と同様にしてLab表色系の測定値を得た。両測定方法による測定値の差(絶対値)の平均は、L値で1.1、a値で0.09、b値で0.4であり、両測定方法による測定値の差の標準偏差は、L値で±0.99、a値で±0.22、b値で±0.61であった。
これらの結果より、いずれの測定方法を用いても、本発明におけるL値、a値、及びb値の測定値には大きな差を生じないと考えられる。
Claims (16)
- アミンオキシド基含有樹脂とフェノール系重合禁止剤を含み、該フェノール系重合禁止剤含有量が該アミンオキシド基含有樹脂含有量に対して750ppm以下であり、アニオン交換樹脂で処理されていないアミンオキシド基含有樹脂溶液であって、以下の条件(1)及び(2)を満足することを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。
(1) 該アミンオキシド基含有樹脂溶液を用いてアミンオキシド基含有樹脂含有量18重量%、水含有量10重量%、及びエタノール含有量72重量%の試料溶液を調製し、調製直後の該試料溶液について測定したLab表色系におけるa値(以下、「a0値」と記す。)と、該試料溶液をガラス製サンプル瓶に密封して紫外線を照射した後に測定したLab表色系におけるa値が最大値(以下「amax値」と記す。)のときの該amax値との差da値が、下記式(i)を満たす。
da=amax−a0≦5 ……(i)
(2) 調製直後の上記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるb値(以下、「b0値」と記す。)と、上記試料溶液が上記(1)におけるamax値を示すときのb値(以下、「bm値」と記す。)との差db値が下記式(ii)を満たす。
db=bm−b0≦9 ……(ii) - 請求項1において、該アミンオキシド基含有樹脂溶液が更に以下の条件(3)を満足するアミンオキシド基含有樹脂溶液。
(3) 調製直後の前記(1)の試料溶液について測定したLab表色系におけるL値(以下、「L0値」と記す。)と、前記試料溶液が上記(1)においてamax値を示すときのL値(以下「Lm値」と記す。)との差dL値と、前記da値及びdb値が下記式(iii)を満たす。
dE=(dL2+da2+db2)1/2≦10 ……(iii) - 請求項1又は2において、前記試料溶液のpHが6〜9であるアミンオキシド基含有樹脂溶液。
- アミンオキシド基含有樹脂が、親水性単量体(A)に由来する構成単位として、下記一般式(I)〜(IV):
で表されるアミンオキシド基含有単量体(a)に由来する構成単位、又は、下記一般式(V)〜(VIII):
で表される窒素含有前駆体単量体(b)に由来する構成単位を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。 - アミンオキシド基含有樹脂が、疎水性単量体(B)に由来する構成単位を含み、該疎水性単量体(B)が、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルである、請求項4に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
- アミンオキシド基含有樹脂中の、親水性単量体(A)に由来する構成単位の割合が15〜90重量%、疎水性単量体(B)に由来する構成単位の割合が85〜10重量%である、請求項5に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
- 請求項1ないし6のいずれか1項に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された、毛髪化粧料用樹脂組成物。
- アミンオキシド基含有樹脂とフェノール系重合禁止剤を含むアミンオキシド基含有樹脂溶液であって、該フェノール系重合禁止剤含有量が該アミンオキシド基含有樹脂含有量に対して750ppm以下であり、アニオン交換樹脂で処理されていないことを特徴とするアミンオキシド基含有樹脂溶液。
- 該フェノール系重合禁止剤含有量が該アミンオキシド基含有樹脂含有量に対して400ppm以下である、請求項8に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
- 請求項8又は9において、フェノール系重合禁止剤がヒドロキノンモノメチルエーテルである、アミンオキシド基含有樹脂溶液。
- アミンオキシド基含有樹脂が、親水性単量体(A)に由来する構成単位として、下記一般式(I)〜(IV):
で表されるアミンオキシド基含有単量体(a)に由来する構成単位、又は、下記一般式(V)〜(VIII):
で表される窒素含有前駆体単量体(b)に由来する構成単位を含む、請求項8ないし10のいずれか1項に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。 - アミンオキシド基含有樹脂が、疎水性単量体(B)に由来する構成単位を含み、該疎水性単量体(B)が、炭素数1〜24のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルである、請求項11に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
- アミンオキシド基含有樹脂中の、親水性単量体(A)に由来する構成単位の割合が15〜90重量%、疎水性単量体(B)に由来する構成単位の割合が85〜10重量%である、請求項12に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液。
- 請求項8ないし13のいずれか1項に記載のアミンオキシド基含有樹脂溶液を用いて調製された、毛髪化粧料用樹脂組成物。
- 請求項14において、該フェノール系重合禁止剤含有量が20ppm以下であることを特徴とする毛髪化粧料用樹脂組成物。
- 請求項15において、フェノール系重合禁止剤がヒドロキノンモノメチルエーテルである、毛髪化粧料用樹脂組成物。
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